JP4578616B2 - テーブル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はテーブルに係り、特に4本の脚を有するテーブルで不使用時にコンパクトな形態とし得て収納容積の減少を図るテーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から会議用、講習会用等のテーブルにおいて、不使用時にはコンパクトな形態として収納時の小容積化を図るようにしたテーブルが種々提供されている(例えば特開平11−266932号公報、特開平11−18840号公報等)。
【0003】
従来の上記テーブルは、テーブル脚を逆T字形とされ、左右1本ずつの脚杆の上端を支点として天板を水平状態から傾斜姿勢に転回させることにより投影面積が小さくなるようにし、脚を入り組ませて重ね合わせるように整列させることによって多数のテーブルを小容積で収納することができるようになされたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに上記従来のテーブル構造では、収納時に天板を略垂直状態に転回させるため天板の重心移動が大きく、そのため広い面積の天板を用いることができず、自ずと大きさに限界が生じて大型のテーブルには適用することが難かしかった。
【0005】
さりとて4本脚のテーブルとすると、4本の脚を継ぐフレームが天板の下面に存在するため、天板の重心位置に変動を少なくして天板を傾倒させることは容易でなく、したがって4本脚の大型テーブルを小容積化して収納することができるようにしたものは未だ提供されていない現状にある。
【0006】
本発明は上記の実情に鑑み、4本の脚を有するテーブルでありながら天板の重心位置の変動を可及的小としてコンパクトな形態に変換することを可能とするテーブルを提供することを課題としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する手段として本発明は、左右の前部脚間の間隔を左右の後部脚間の間隔より大として前部脚と後部脚とを脚フレームによりそれぞれ結合するとともに左右の脚フレームの後部間を横フレームにより結合し、前記横フレーム上の左右部には天板の後部下面を該天板の前部が上方へ押し上げられたとき天板を前方へ移行させるリンク機構により支持したことを特徴とする。
【0008】
前記リンク機構は、前記横フレームと天板の後部側下面とを連結する後部リンクメンバーと、このリンクメンバーより前部側に間隔をおいて位置され該後部リンクメンバーより所定寸法だけ長く前記横フレームと天板とを連結する前部リンクメンバーとで構成するようにし、天板の前部が上方へ押し上げられることにより前記各リンクメンバーが起立して天板の重心が前方へ移行しつつ傾斜姿勢に変換されるようにすることが脚に対する重心位置の変動が少なく、安定性が高められる。
【0009】
前記横フレームと天板との間にガススプリングを連結し、このガススプリングのロックを解くことにより天板が傾斜姿勢に変換されるようにすれば、重量の大きい大面積の天板であっても実施可能である。
【0010】
前記天板の前部下面にロック用フックを設け、このフックを脚フレーム側のピンに係脱自在とし、天板を水平姿勢としたとき前記ロック用フックが前記ピンに係合して天板がロックされるようにすることが安全性を確保するうえにおいて望ましい。
【0011】
さらに、前記リンク機構、ガススプリング、ロック用フックは、天板を水平姿勢としたとき天板下面の凹所内に格納されるようにすることが外観を損うことなくするうえで好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態を参照して説明する。
【0013】
図1、図2は本発明によるテーブル1の一実施形態の天板2を分離して示す斜視図であり、図1はテーブル1の使用時、図2は不使用時の状態を示している。
【0014】
本発明におけるテーブル1の脚は、左右の前部脚3,3と左右の後部脚4,4とはその上端位置で脚フレーム5,5により強固に結合されており、前部脚3,3間の間隔は後部脚4,4間の間隔より大きくなるように前記脚フレーム5,5の後部間が2本の横フレーム6,7により強固に結合されていて、図3に示すように前部脚3,3間に他のテーブルの後部脚4,4が横フレーム7近くまで嵌合することができるよう構成されている。
【0015】
前記横フレーム6,7の左右端近くの位置に設けられるリンク機構8,8により天板2が支持され、このリンク機構8,8は天板2の前部が上方へ押し上げられたとき該天板2を前方へ所定距離だけ進出するようになっている。
【0016】
上記リンク機構8は、図4に分離斜視図を、図5(A)に折り畳み状態を、図5(B)に伸展した状態をそれぞれ斜視図で示すように、前記横フレーム6,7に跨がってビス等により固着される断面上向きコ字状を有するベース9と、このベース9の後部の側壁9a,9a間に基端が軸10により枢支された後部リンクメンバー11と、前記ベース9の側壁9a,9aの前部間に基端が軸12により枢支され前記後部リンクメンバー11より所定寸法だけ長い前部リンクメンバー13と、前記天板2の下面にビス等により固着される断面下向きコ字状を有する天板取付板14とで構成され、この天板取付板14の後部の側壁14a,14a間に前記後部リンクメンバー11の先端が軸15により枢支され、天板取付板14の前部寄りの側壁14a,14a間に前記前部リンクメンバー13の先端が軸16により枢支されている。
【0017】
したがって上記リンク機構8によれば、図6に示すように後部リンクメンバー11と前部リンクメンバー13との各先端が天板取付板14に枢支されている軸15,16の軸間部分Aがテーブル使用時の折り畳み時に略水平位置にあったものが、天板2を起こしたときの伸展時には前記軸間部分Aは上昇および前方へ移行してA′位置へ至り、その間に天板2は距離Lだけ前方へ進出することになる。これにより図7に示すように天板2を起こしたときその天板2の重心Gが前方へ移動してバランスを保つ。
【0018】
図示の実施形態では、前記横フレーム6と天板2の下面との間にガススプリング17が連結されており、このガススプリング17のロックが解かれたとき、ガススプリング17が伸長して天板2を傾斜姿勢に上昇させるようになっている。
【0019】
前記天板2の前部2aの下面には、図8、図9に示すように、天板2の下面に固設の軸受18にロック用フック19の上端がピン20により枢支して設けられ、このロック用フック19は前記脚フレーム5の側面に突設されたロック用のピン21に係脱自在とされており、天板2の前部2a下面の前記軸受18に枢支された操作レバー22と前記ロック用フック19とが連動部材23により連結されていて、この操作レバー22を手元で図示しないバネの付勢に抗して上方へ回動させることによりロック用フック19がピン21から外れ、天板2を水平姿勢に戻したときロック用フック19がピン21に自動的に係合されるようになっている。
【0020】
前記天板2は図10に示すように全体が偏平な箱構造とされており、その前部2a側の中央領域には抽出し24,24が設けられ、この抽出し24,24が納まる領域以外の下面は開放されていて凹部とされ、図8にみられるように天板2を水平姿勢にしたとき前記脚フレーム5、横フレーム6,7、リンク機構8、ガススプリング17、ロック用フック19、操作レバー22等の内部機構はすべて天板2の周側面2bにより隠蔽され、外部からは見えない状態におかれるようになっている。
【0021】
図において符号25はキャスタ、26は整列収納時に緩衝するため横フレーム7の側面に固着されたゴム等のストッパを示す。
【0022】
次に上記実施形態の作用を説明する。
【0023】
テーブル1の使用時には、図8に示すようにリンク機構8は折り畳まれていて天板2のロック用フック19が脚フレーム5のピン21に係合されており、これによりガススプリング17は短縮状態におかれて通常のテーブル形態をなしている。そしてこれら内部機構は天板2の下面に隠蔽されていて、外部には天板2の周側面のみが表われている。
【0024】
テーブル1を使用しないときに複数のテーブル1,1…をまとめて収納しておくときは、天板2の前部2a下面にある操作レバー22を上方へ向けて押動させてロック用フック19をピン21から外すと、天板2はガススプリング17の力により斜め前方へ押し上げられ、これによりリンク機構8の後部リンクメンバー11および前部リンクメンバー13は立ち上がるように回動し、これらリンクメンバー11,13の長さの違いから天板2は図9のように前部2aが斜め上方を向くように傾斜姿勢におかれる。
【0025】
このとき前述のように天板2は傾斜姿勢に変換しながら前方へ移行するので、重心Gの変動が少なく、脚に対して安定を保つ。
【0026】
この状態としたのちテーブル1,1の脚を入り組ませて整列させれば、図11、図12に示すように前部脚3,3の間に次位のテーブル1の後部脚4,4が入り込んでスタックされ、天板2は傾斜姿勢におかれているので互に重なり合うようにおかれ、全体としてきわめて小容積として整列収納することができる。
【0027】
上記の収納時の状態から再び使用状態に戻すには、天板2の前部2aを下方に強く押し下げれば、ガススプリング17が短縮されながら水平姿勢に変換され、その終端位置で天板2のロック用フック19が脚フレーム5のピン21に係合してロックされ、通常のテーブルの形態となる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、テーブルの収納時に天板の前部を上昇させて傾斜姿勢とするとともに天板を前方へ進出させて重心位置の変動が少ない状態としてコンパクトな形態とするようにしたので、4本脚のテーブルでありながら小容積に収納することができ、かつ重心移動が少ないので安定した状態で収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるテーブルの一実施形態の使用形態時における天板を分離して示す斜視図。
【図2】同、収納状態時における天板を分離して示す斜視図。
【図3】同、脚の入り組み状態を示す平面図。
【図4】同、リンク機構の分解斜視図。
【図5】リンク機構の動きを示すもので、(A)は折り畳み時、(B)は起立時の斜視図。
【図6】リンク機構の作用説明図。
【図7】天板の重心位置を示す説明図。
【図8】テーブルの使用状態時における内部機構の状態を示す側面図。
【図9】テーブルの収納状態時における内部機構の状態を示す側面図。
【図10】天板と内部機構との配置関係を示す平面図。
【図11】複数のテーブルを整列収納時の形態を示す側面図。
【図12】同、斜視図。
【符号の説明】
1 テーブル
2 天板
3 前部脚
4 後部脚
5 脚フレーム
6,7 横フレーム
8 リンク機構
9 ベース
11 後部リンクメンバー
13 前部リンクメンバー
14 天板取付板
17 ガススプリング
19 ロック用フック
21 ロック用ピン
22 操作レバー
24 抽出し
Claims (4)
- 左右の前部脚間の間隔を左右の後部脚間の間隔より大として前部脚と後部脚とを脚フレームによりそれぞれ結合するとともに左右の脚フレームの後部間を横フレームにより結合し、前記横フレーム上の左右部には天板の後部下面を該天板の前部が上方へ押し上げられたとき天板を前方へ移行させるリンク機構により支持し、
前記リンク機構は、前記横フレームと天板の後部側下面とを連結する後部リンクメンバーと、このリンクメンバーより前部側に間隔をおいて位置され該後部リンクメンバーより所定寸法だけ長く前記横フレームと天板とを連結する前部リンクメンバーとで構成され、天板の前部が上方へ押し上げられることにより前記各リンクメンバーが起立して天板の重心が前方へ移行しつつ傾斜姿勢に変換されるようになされている
ことを特徴とするテーブル。 - 前記横フレームと天板との間にガススプリングが連結され、このガススプリングのロックを解くことにより天板が傾斜姿勢に変換されるようになされている請求項1記載のテーブル。
- 前記天板の前部下面にはロック用フックを有し、このフックを脚フレーム側のピンに係脱自在とし、天板を水平姿勢としたとき前記ロック用フックが前記ピンに係合して天板がロックされるようになされている請求項1〜2のいずれか1項記載のテーブル。
- 前記リンク機構、ガススプリング、ロック用フックは、天板を水平姿勢としたとき天板下面の凹所内に格納されるようになされている請求項3記載のテーブル。
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