JP3170602B2 - 非晶質のキチンを基質とする酵素によるn−アセチル−d−グルコサミンの製造方法 - Google Patents

非晶質のキチンを基質とする酵素によるn−アセチル−d−グルコサミンの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば甘味料等
として使用可能なN−アセチル−D−グルコサミンの製
造方法、より詳しくは、非晶質のキチンを基質とする酵
素によるN−アセチル−D−グルコサミンの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、D−グルコサミンは、軟骨組
織の誘導効果を有することが知られており、欧米では変
形性関節症の治療薬として認可を受けている。一方、わ
が国では食品添加物として認可を受けており、主に甘味
料として使用されている。しかしながら、このD−グル
コサミンは、甘さを呈するものの、若干の渋みを伴うの
で、食品添加物として使用するには味覚の点から問題が
ある。
【0003】これに対し、D−グルコサミンがN−アセ
チル化された単糖であるN−アセチル−D−グルコサミ
ンは、さわやかな甘さを呈するので、D−グルコサミン
に代わり得る化合物として注目を集めており、これを大
量に製造する方法の開発が望まれている。
【0004】N−アセチル−D−グルコサミンは、例え
ばカニ、エビ、イカ等の細胞壁等を構成するキチンの構
成単位であるので、このキチンを何らかの方法で分解で
きればN−アセチル−D−グルコサミンの製造が可能で
あるが、このために大きく分けて、強酸による分解とキ
チン分解酵素による分解の2つの方法が知られている。
【0005】強酸を用いる方法としては、例えば、 (1) 図1(c) 及び図1(d) に示すように、キチン4を強
酸で完全に加水分解して得られるD−グルコサミン10
を、ナトリウムメトキシドと無水酢酸で化学的に変換
(N−アセチル化)することによって製造する方法(In
oue, Y.; Onodera, K.; Kitaoka, S.; Hirano, S.; J.
Am. Chem. Soc., 78, 4722-4724, 1956)等が知られて
いる。
【0006】また、キチン分解酵素を用いる方法として
は、図1(e) に示すように、キチン分解酵素11をキチ
ン4に作用させる方法が考えられるが、キチン4の高い
結晶性のためにほとんど分解せず、未分解物12が多く
残ると考えられるので、 (2) 図1(f) 及び図1(g) に示すように、キチン4を酸
で部分加水分解して得られるN−アセチルキトオリゴ糖
13に、加水分解能を有する酵素14を作用させること
によって製造する方法(特公昭63−273493号公
報参照)等に知られるような工夫がなされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1) の方法においては、得られるN−アセチル−D−グ
ルコサミン1が化学合成品であり、天然物としてはみな
されないので、食品添加物として使用できないという問
題点がある。
【0008】また、上記(2) の方法においては、キチン
4を酸で部分加水分解する段階での収量低下が著しいの
で、最終的に得られるN−アセチル−D−グルコサミン
1の収量も低いという問題点がある。
【0009】この発明は、以上のような問題点に鑑みて
なされたものであり、人体に対して安全なN−アセチル
−D−グルコサミンを効率良く製造できる、非晶質のキ
チンを基質とする酵素によるN−アセチル−D−グルコ
サミンの製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段とするところは、脱アセチル化されていない非晶
質のキチン又は均一に部分脱アセチル化された脱アセチ
ル化率が1乃至20%の非晶質のキチンを基質とし、卵
白由来のリゾチームと、トリコデルマ(Trichoderma)
属に属する不完全菌が生産する粗酵素とからなる混合酵
素を使用することによって、前記リゾチームで前記キチ
ンを低分子に加水分解すると共に、前記粗酵素で前記低
分子からN−アセチル−D−グルコサミンを遊離させる
ことにある。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面
に基づいて説明する図1(a) に示すように、この実施
形態に係るN−アセチル−D−グルコサミン1の製造方
法は、例えば、脱アセチル化されていない非晶質キチ
ン2を基質とし、卵白由来のリゾチーム、トリコデル
マ(Trichoderma)属に属する不完全菌が生産する粗酵
とからなる混合酵素3によって、非晶質キチン2を
低分子に加水分解すると共に、これら低分子からN−ア
セチル−D−グルコサミン1を遊離させるものである。
【0012】非晶質キチン2は、脱アセチル化されて
いない、即ち、N−アセチル−D−グルコサミン単位1
aの含量が100%の非晶質物質である。そのため、こ
の非晶質キチン2は、水等に膨潤し易い。
【0013】非晶質キチン2を調製するには、例えば
図1(b) に示すように、キチン4をアルカリ処理等すれ
ばよい。即ち、まず、キチン4の粉末を所定濃度のアル
カリ水溶液に浸漬し、室温で数時間〜十数時間程度放置
した後、塩酸等の酸で中和するか、又は、アルコール類
やイオン交換樹脂等で脱アルカリする。その後、アセト
ンやメタノール等の有機溶媒中に滴下すれば非晶質
チン2が沈殿してくるので、これを濾別し、蒸留水等で
充分に洗浄して脱塩等を行えば、精製品を得ることがで
きる。なお、アルカリ水溶液としては、アルカリ金属水
酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、炭酸アルカリ金属
塩等の水溶液を使用すればよいが、特にNaOH、KO
Hの水溶液が望ましい。
【0014】混合酵素3は、卵白由来のリゾチーム
トリコデルマ(Trichoderma)属に属する不完全菌が生
産する粗酵素とから構成されている。前記リゾチーム
は、高分子である非晶質キチン2の分子鎖にランダム
に作用して低分子に加水分解することができる。前記粗
酵素は、β−N−アセチルヘキソサミニダーゼ活性を有
するものであり、前記低分子の非還元末端からN−アセ
チル−D−グルコサミン1を1分子ずつ遊離させること
ができる。
【0015】前記リゾチームは、ニワトリ等の卵白由来
ものであり、安価であるので、コスト高にならないと
いう利点がある。
【0016】前記粗酵素は、トリコデルマ(Trichoderm
a)属に属する例えばTrichoderma harzianum等の不完全
生産するものである。この粗酵素は、例えば、上記
の菌体を培養した後の培養液からその菌体を除去して調
製した粗酵素液等として使用すればよい。ここで、この
ような不完全菌の菌体の大きさは他の微生物に比べて大
きく、粗酵素液等の調製時における除去操作が簡単であ
るので、このような粗酵素を使用すれば、コスト高にな
らないという利点がある。
【0017】N−アセチル−D−グルコサミン1を製造
するには、非晶質キチン2に上記のようなリゾチー
及び粗酵素を含む粗酵素液等を加え、酸性条件下、
36〜37℃程度で数時間〜数十時間攪拌等して反応さ
せればよい反応を停止するには、例えば数分間、沸騰
水中で加熱等して粗酵素等を失活させればよい。その後
は、従来公知の方法でN−アセチル−D−グルコサミン
1を単離、精製すればよい。
【0018】このように、水等に膨潤し易い非晶質
チン2を基質とするので、前記リゾチーム等との親和性
が高い。また、混合酵素を使用して非晶質のキチン2か
N−アセチル−D−グルコサミン1を直接的に製造で
きるので、製造効率が良いという利点がある。更に、キ
チン4から非晶質キチン2を調製する際には収量の低
下がほとんどないので、最終的に得られるN−アセチル
−D−グルコサミン1の収率も高いという利点がある。
加えて、化学的な変換を伴わないので、人体に対して安
全であるという利点もある。
【0019】なお、この実施形態においては、脱アセチ
ル化されていない非晶質のキチン2を基質とする場合に
ついて説明したが、これに限定されるものではなく、均
一に部分脱アセチル化された非晶質のキチンを基質とし
てもよい。
【0020】この均一に部分脱アセチル化されたキチン
は、所定含量のN−アセチル−D−グルコサミン単位1
とD−グルコサミン単位とからなる、ランダムに脱ア
セチル化された非晶質物質である。そのため、均一に部
分脱アセチル化されたキチンは、冷水、氷水、水、及び
希酸に膨潤し易い。
【0021】均一部分脱アセチル化されたキチンを調
製するには、例えば、まず既述と同様にしてキチン4を
アルカリ処理した後、これに氷を加えて攪拌するか、又
は、分散液を直接凍結し、次に解凍する操作を繰り返し
て、非晶質キチン2のドープ(アルカリキチンドー
プ)を調製する。なお、このドープには、均一に部分脱
アセチル化されたキチンの分子量低下を抑えるために、
必要に応じてチオフェノールやNaBH4等をあらかじ
め添加しておいてもよい。次いで、ドープを50℃以下
で所定時間熟成させて脱アセチル化した後、既述と同様
の操作を行えば、精製品を得ることができる。
【0022】N−アセチル−D−グルコサミン1の製造
の際には、均一に部分脱アセチル化されたキチンは、既
述した非晶質のキチン2の場合と同様、卵白由来のリゾ
チームで低分子に加水分解される。低分子がD−グルコ
サミン単位を含んでいる場合には、前記粗酵素による反
応は、N−アセチル−D−グルコサミン単位1aである
非還元末端のみで起こる。そのため、N−アセチル−D
−グルコサミン1の収率が低下しないようにするには、
均一に部分脱アセチル化されたキチンの脱アセチル化率
を1〜50%程度としておくのが望ましい
【0023】このように、均一部分脱アセチル化され
た非晶質のキチンを基質とする場合には、脱アセチル化
されていない非晶質のキチン2に比べ、水等に対してよ
り膨潤し易いので、N−アセチル−D−グルコサミン1
をより効率良く製造できるという利点がある。その他の
利点は、脱アセチル化されていない非晶質キチン2と
同様である。
【0024】
【実施例】次に、この発明を実施例により更に詳細に説
明するが、この発明は係る実施例に限定されるものでは
ない。
【0025】〔実施例1〕 〔脱アセチル化されていない非晶質キチンの調製〕 粉末状のキチンTC−L(商品名,三栄工業社製)5.
0g(絶乾重量)をアルカリ水溶液(NaOH50g/
蒸留水75g)に浸漬し、室温で12時間放置した。そ
の後、強酸でpHを8.4に調整し、これを有機溶媒中
に滴下した。生成した沈殿を濾別し、蒸留水で塩類がな
くなるまで洗浄することによって、脱アセチル化されて
いない非晶質キチンを得た。
【0026】〔菌体の前培養〕トリコデルマ(Trichoderma)属に属する不完全菌 とし
ては、Trichoderma harzianum(TMIC 60622,財団法人
日本きのこセンター菌蕈研究所より分譲)を使用した。
この不完全菌を2%グルコース、0.5%ポリペプト
ン、0.2%酵母エキス、0.1%KH2PO4、0.05%
MgSO4・7H2O、及び2%寒天を含む平面シャーレ上の平
面寒天培地に接種し、30℃で3日間、静置培養した。
【0027】〔酵素生産〕 上記の寒天培地上に広がった不完全菌の菌糸をコルクボ
ーラー(内径1cm)で寒天ごと打ち抜き、0.5%非
晶質キチン、0.2%ポリペプトン、0.01%酵母
エキス、0.07%K2HPO4、0.03%KH2PO4、及び
0.05%MgSO4・7H2Oを含む培養液100mLに接種
し、30℃、120rpmで回転培養した。経時的に培
養液の一部を取り、キチナーゼ活性及びβ−N−アセチ
ルヘキソサミニダーゼ活性をそれぞれ測定した。その結
果を図2に示す。
【0028】〔酵素活性の測定〕 キチナーゼ活性は、グリコールキチンを基質とし、酵素
反応で遊離した還元糖を定量することによって算出し
た。即ち、0.1%グリコールキチンの0.1M酢酸ナ
トリウム溶液(pH6.0)1.0mLに酵素液0.2
mLを加え、37℃で10分間反応させた。反応終了
後、直ちにSchalesの試薬2.0mLを加えて15分間
煮沸した。室温まで放冷後、420nmの吸光度を測定
した。N−アセチル−D−グルコサミンを標準物質とし
てあらかじめ検量線を作成しておき、遊離した還元糖量
を算出した。コントロール実験は、グリコールキチン溶
液にSchalesの試薬を加え、次いで酵素液を加えた後、
煮沸することによって行った。なお、酵素活性の1単位
(U)は、この反応条件下で1分間当たりに1μmol の
N−アセチル−D−グルコサミンを遊離するのに必要な
酵素量と定義した。
【0029】β−N−アセチルヘキソサミニダーゼ活性
は、p−ニトロフェニル−β−N−アセチル−D−グル
コサミニドを基質とし、酵素反応で遊離したp−ニトロ
フェノールを定量することによって算出した。即ち、
0.1mM p−ニトロフェニル−β−N−アセチル−
D−グルコサミニドの0.1M酢酸ナトリウム溶液(p
H6.0)2.0mLに酵素液0.2mLを加え、反応
生成物の最大吸収波長337nmにおける吸光度の増加
を経時的に追跡した。遊離したp−ニトロフェノール量
は、その分子吸光係数(3500M-1・cm-1)及びこ
の吸光度における1分間当たりの増加量から算出した。
なお、酵素活性の1単位(U)は、この反応条件下で1
分間当たりに1μmol のp−ニトロフェノールを遊離す
るのに必要な酵素量と定義した。
【0030】〔実施例2〕 〔粗酵素液の調製〕 実施例1とほぼ同様にして不完全菌の培養を開始した
後、第5日目の培養液を0.45μmのメンブランフィ
ルターにより軽くアスピレーターで吸引しながらろ過
し、浮遊している菌体等を除去した。得られたろ液をそ
のまま粗酵素液として以下の操作に使用した。
【0031】〔粗酵素液を用いたN−アセチル−D−グ
ルコサミンの製造〕実施例1で得られた脱アセチル化されていない 非晶質
キチン0.1gに粗酵素液及び卵白由来のリゾチーム
(和光純薬社製)を加え、更にHClで反応液のpHを
4.5に調整した後、蒸留水で全量を25mLとした。
次いで、37℃で攪拌し、生成したN−アセチル−D−
グルコサミンの量を経時的に測定した。その結果を図3
に示す。
【0032】〔N−アセチル−D−グルコサミンの定
量〕 反応液の一部を取り、0.45μmのメンブランフィル
ターでろ過したろ液をHPLC(高速液体クロマトグラ
フィー)〔カラム:Shodex NH2P-504E(4.6mm×250m
m),溶出液:アセトニトリル/水=70/30,流
速:1mL/min,カラム温度:40℃,検出:DI〕によ
り分析した。市販のN−アセチル−D−グルコサミンを
標準物質として検量線を作成し、ピーク面積から、生成
したN−アセチル−D−グルコサミン量を定量した。
【0033】〔実施例3〕 〔均一部分脱アセチル化されたキチンの調製〕 実施例1と同様にしてキチンTC−Lをアルカリ処理し
た後、その溶液に砕氷375gを入れ、室温で氷が完全
に溶けるまで放置することによって、非晶質キチンの
ドープ(アルカリキチンドープ)を調製した。次いで、
このドープを30℃で10時間静置、熟成させて部分脱
アセチル化(均一系反応)した。その後、強酸でpHを
8.4に調整し、これを有機溶媒中に滴下した。生成し
た沈殿を濾別し、蒸留水で塩類がなくなるまで洗浄する
ことによって、均一に部分脱アセチル化された脱アセチ
ル化率が約20%の非晶質のキチン(DAC20)を得
た。
【0034】〔酵素活性の測定〕脱アセチル化されていない 非晶質キチンの代わりに
上記で得られた脱アセチル化率が約20%の非晶質の
チンを使用した他は、実施例1と同様にしてキチナーゼ
活性及びβ−N−アセチルヘキソサミニダーゼ活性をそ
れぞれ測定した。その結果を図2に示す。
【0035】〔実施例4〕 〔粗酵素液を用いたN−アセチル−D−グルコサミンの
製造〕脱アセチル化されていない 非晶質キチンの代わりに
実施例3で得られた脱アセチル化率が約20%の非晶質
キチンを使用した他は、実施例2と同様にして、生成
したN−アセチル−D−グルコサミンの量を経時的に測
定した。その結果を図3に示す。
【0036】〔比較例1〕 〔酵素活性の測定〕脱アセチル化されていない 非晶質キチンの代わりにキ
チンTC−Lを使用した他は、実施例1と同様にしてキ
チナーゼ活性及びβ−N−アセチルヘキソサミニダーゼ
活性をそれぞれ測定した。その結果を図2に示す。
【0037】〔比較例2〕 〔粗酵素液を用いたN−アセチル−D−グルコサミンの
製造〕脱アセチル化されていない 非晶質キチンの代わりにキ
チンTC−Lを使用した他は、実施例2と同様にして、
生成したN−アセチル−D−グルコサミンの量を経時的
に測定した。その結果を図3に示す。
【0038】〔比較例3〕 〔酵素活性の測定〕脱アセチル化されていない 非晶質キチンの代わりにグ
ルコースを使用した他は、実施例1と同様にしてキチナ
ーゼ活性及びβ−N−アセチルヘキソサミニダーゼ活性
をそれぞれ測定した。その結果を図2に示す。
【0039】〔比較例4〕 〔粗酵素液を用いたN−アセチル−D−グルコサミンの
製造〕脱アセチル化されていない 非晶質キチンの代わりにグ
ルコースを使用した他は、実施例2と同様にして、生成
したN−アセチル−D−グルコサミンの量を経時的に測
定した。その結果を図3に示す。
【0040】
【発明の効果】以上のように、この発明には次のような
利点がある。 (1)水等に膨潤し易い非晶質のキチンを基質とし、卵
白由来のリゾチーム等との親和性が高いので、N−アセ
チル−D−グルコサミンを効率良く製造できる。 (2)混合酵素を使用して非晶質のキチンからN−アセ
チル−D−グルコサミンを直接的に製造できるので、製
造効率が良い。 (3)キチンから非晶質のキチンを調製する際には収量
の低下がほとんどないので、最終的に得られるN−アセ
チル−D−グルコサミンの収率も高い。 (4)化学的な変換を伴わないので、人体に対して安全
である。 (5)安価なリゾチームと、粗酵素液等の調製時におけ
る菌体の除去操作が簡単な粗酵素とからなる混合酵素を
使用するので、コスト高にならない。 (6)脱アセチル化されていないか又は脱アセチル化率
1〜20%の非晶質のキチンを基質とするので、N−
アセチル−D−グルコサミンの収率が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は実施形態に係るN−アセチル−D−グル
コサミンの製造方法を示す模式図、(b) は脱アセチル化
されていない非晶質キチンの調製方法を示す模式図。
(c) 及び(d) は従来例(1) を示す模式図、(e) はキチン
にキチン分解酵素を作用させる方法を示す模式図、(f)
及び(g) は従来例(2) を示す模式図。
【図2】実施例1、実施例2、比較例1、比較例2にお
けるキチナーゼ活性及びβ−N−アセチルヘキソサミニ
ダーゼ活性を示すグラフ。
【図3】実施例3、実施例4、比較例3、比較例4にお
けるN−アセチル−D−グルコサミンの収量を示すグラ
フ。
【符号の説明】
1 N−アセチル−D−グルコサミン 2 脱アセチル化されていない非晶質キチン 3 混合酵素
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−273493(JP,A) 特開 平5−7496(JP,A) 特開 平4−187094(JP,A) 特開 昭53−47479(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 19/00 - 19/64

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脱アセチル化されていない非晶質のキチ
    ン又は均一に部分脱アセチル化された脱アセチル化率が
    1乃至20%の非晶質のキチンを基質とし、卵白由来の
    リゾチームと、トリコデルマ(Trichoderma)属に属す
    る不完全菌が生産する粗酵素とからなる混合酵素を使用
    することによって、前記リゾチームで前記キチンを低分
    子に加水分解すると共に、前記粗酵素で前記低分子から
    N−アセチル−D−グルコサミンを遊離させることを特
    徴とする、非晶質のキチンを基質とする酵素によるN−
    アセチル−D−グルコサミンの製造方法。
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