JP3170481B2 - トンネル覆工部材およびトンネルの覆工方法 - Google Patents

トンネル覆工部材およびトンネルの覆工方法

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JP3170481B2
JP3170481B2 JP03636398A JP3636398A JP3170481B2 JP 3170481 B2 JP3170481 B2 JP 3170481B2 JP 03636398 A JP03636398 A JP 03636398A JP 3636398 A JP3636398 A JP 3636398A JP 3170481 B2 JP3170481 B2 JP 3170481B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はトンネル覆工部材お
よびトンネルの覆工方法に係り、特に、地下水をトンネ
ル内に取水することができるものに関する。
【0002】
【従来の技術】シールドトンネルは、鉄道、道路、通
信、電力、ガス等のように、トンネル内に水を通さない
ものと、上下水道、取水トンネルのようにトンネル内に
水を通すものに分けられる。前記取水トンネルは、上下
水道以外の目的で水を通水するためのもので、例えば導
水路トンネルが挙げられ、この導水路トンネルを使用し
て例えば海水を取水しているものがある。
【0003】前記海水の取水方式の一例として、図8に
示すように、海底下に設置された集水有孔管30と、長
水路導水管31を組み合わせた方式がある。この方式で
は、土層によるろ過作用により懸濁物が除去されて海水
が集水有孔管30に流入し、この流入した海水が長水路
導水管31を通って貯留槽32に貯留され、この貯留さ
れた海水がポンプ33によって吸い上げられてパイプ3
4を通って受水槽35に貯留されるようになっている。
なお、前記受水槽35に貯留された海水は、図示しない
淡水化装置によって淡水化されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の取水
方式では、集水有孔管30を海底に埋設するために、海
底の開削作業を行う必要があるため、工事中の漁業活動
や海洋生態系等への悪影響が懸念される。また、上記の
取水方式は、必要取水量が比較的に少ない場合には好適
であるが、大規模海水淡水化プラントのような、大量の
取水を必要とする場合には、適用が困難である。そこ
で、シールド工法や、推進工法によってトンネルを海底
下に施工することが考えられるが、前記トンネルは、施
設・設備の劣化、排水に関する費用の観点からトンネル
内に地下水が侵入するのを防ぐようにしているために、
前記トンネルから直接地下水を取水することは困難であ
る。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、集水有孔管と導水管の機能を持たせることで、トン
ネルから直接かつ容易に地下水を取水することができる
トンネル覆工部材およびトンネルの覆工方法を提供する
ことを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1のトンネル覆工部材は、地中を掘
削することにより形成されたトンネルを覆工するトンネ
ル覆工部材であって、覆工部材本体と、この覆工部材本
体に設けられた取水部とを備え、前記取水部を、前記覆
工部材本体の外周部に形成されて、土砂の流入を防止す
る透水性を有するフィルター層と、このフィルター層の
内側の前記覆工部材本体に形成されて、前記フィルター
層を通り抜けた地下水を前記トンネル内に流入させる取
水孔とから構成し、前記フィルター層を、第1フィルタ
ー層と、この第1フィルター層の内側に設けられた第2
フィルター層とから構成し、前記第1フィルター層の透
水係数を、地山の透水係数の10〜100倍に設定し、
さらに、前記第2フィルター層の透水係数を前記第1フ
ィルター層の透水係数より高く設定し、前記覆工部材本
体が、シールド工法に使用されるセグメントであり、こ
のセグメントの外面中央部に前記フィルター層を、該セ
グメントの外面と面一になるようにして設け、かつ該セ
グメントの端部をコンクリートで形成し、互いに周方向
に隣接するセグメントのそれぞれのフィルター層どうし
をフィルター層連通管によって連通したものである。
【0007】前記覆工部材本体としては、コンクリート
製、鉄筋コンクリート製、鉄骨・鉄筋コンクリート製の
ものが好適に使用される。また、前記トンネルがシール
ド工法によって施工されるものである場合、前記覆工部
材本体は円筒分割体たるセグメントであり、トンネルが
推進工法によって施工されるものである場合、前記覆工
部材本体は、推進管である。前記覆工部材本体がセグメ
ントである場合、前記取水部は各セグメントに設けても
よいし、所定のセグメントに設けてもよい。また、前記
覆工部材本体が前記推進管である場合、前記取水部は各
推進管に設けてもよいし、所定の推進管に設けてもよ
い。
【0008】請求項1のトンネル覆工部材においては、
地中を掘削することにより形成されたトンネルの内壁面
が覆工部材本体によって覆工されているので、この覆工
部材本体の取水部から地下水がトンネル内に流入する。
つまり、請求項1のトンネル覆工部材によって覆工され
たトンネルは、集水有孔管と導水管の機能を併せ持って
いるので、大量の取水を必要とする場合に好適である。
また、前記フィルター層を、第1フィルター層と、この
第1フィルター層の内側に設けられた第2フィルター層
とから構成し、前記第1フィルター層の透水係数を、地
山の透水係数の10〜100倍に設定したので、地山の
土粒子が移動するのが防止されて、これによって第1フ
ィルター層の目詰まりが防止され、さらに、前記第2フ
ィルター層の透水係数を前記第1フィルター層の透水係
数より高く設定したので、前記取水孔に地下水を集め易
くなる。したがって、トンネル内への土砂の流入を防止
して、地下水のみが確実に流入する。さらに、前記覆工
部材本体が、シールド工法に使用されるセグメントであ
るので、シールド機で地山(地中)を掘削していきつつ、
前記セグメントを組み立てることで、直接地下水を取水
できるトンネルが容易に構築される。 また、セグメント
の外面中央部に前記フィルター層を、該セグメントの外
面と面一になるようにして設け、かつ該セグメントの端
部をコンクリートで形成したので、セグメントの運搬時
および組立時に、フィルター層が破損するのを防止する
ことができる。さらに、セグメントの端部にはフィルタ
ー層がないので、シールド機によってトンネルを掘削す
る際に、該シールド機のテールシールがセグメントの端
部に接触することで、掘削中における地下水の侵入を防
止することができる。また、互いに周方向に隣接するセ
グメントのそれぞれのフィルター層どうしをフィルター
層連通管によって連通したので、フィルター層どうしで
地下水が流通可能となる。
【0009】
【0010】前記セグメントは、シールド機内におい
て、トンネルの周方向に接合されていくことで、リング
体を形成し、このリング体をトンネルの軸方向に接合し
ていくことで、トンネルの軸方向に延在する筒体となる
ものである。また、セグメントの端部をコンクリートで
形成するとは、セグメントの左右方向の両端部および前
後方向の両端部の双方をコンクリートで形成することを
意味するものである。また、前記セグメントと地山との
間には、裏込め材を注入するが、この裏込め材は、透水
性を有するものを使用する。なお、この裏込め材の注入
は、セグメントに形成されたグラウトホールから行う。
【0011】そして、地山の透水係数と、裏込め材を注
入してなる裏込め層の透水係数と、フィルター層の透水
係数とは、地山の透水係数<裏込め層の透水係数<フィ
ルター層の透水係数となるように設定し、各々の透水係
数の差は、土粒子の移動を生じさせないように、100
倍程度に抑える。このように各々の透水係数の差を設定
することで、地盤の土粒子が移動するのを防止すること
ができるので、フィルター層の目詰まりを防止すること
ができる。なお、前記地山の透水係数kは、該地山が例
えば砂質土地盤であった場合、k=10-2〜10-4 cm/
secである。また、前記フィルター層は、集水の効率を
考えると地盤の透水係数より大きい必要がるあるが、流
速を上げすぎないためにも、その差を100倍程度する
のが望ましい。地盤の透水係数を、例えば1.0×10
-2cm/secとすると、フィルター層の透水係数は1.0×
10-1〜1.0×100cm/secの範囲内である必要があ
る。
【0012】また、一般的にフィルター材が目詰まりを
起こさず、かつ、十分な透水性を有するためには、次式
を満たす必要がある。 フィルター材料が地盤から流入してくる微粒子による
詰まらないための条件 D15(フィルター材料)/D85(地盤)<5 フィルター材料が地盤に比較して十分な透水性がある
ための条件 D15(フィルター材料)/D15(地盤)>5 D15:粒径加積曲線において通過重量百分率の15%に
相当する粒径 D85:粒径加積曲線において通過重量百分率の85%に
相当する粒径
【0013】ここで、図9に示す粒径加積曲線により、
必要なフィルター材料のD15を計算する。 D15(地盤)=0.60mm D85(地盤)=2.10mm 上記式により、 5D15(地盤)< D15(フィルター材料)<5 D85(地盤) したがって、 5×0.60=3.00mm<D15(フィルター材料)<5
×2.10=10.5mm となり、フィルター材は、D15が3.00mm〜10.5
mmの材料を使用することが望ましい。
【0014】また、前記フィルター層は、土砂を通さな
いような多孔質の材料で形成するのが好ましいが、これ
に限ることなく、繊維を縦横に編み込んだような網目構
造のものでもよい。多孔質の材料としては、合成樹脂系
のものやコンクリート系のものが使用される。合成樹脂
系のものとしては、例えば、サンドフ(商品名:帝人株
式会社製)、ヘチマロン(商品名:新光ナイロン株式会社
製)、耐圧ドレーン(商品名:タキロン株式会社製)、ト
リカルパイプ(商品名:タキロン株式会社製)が挙げら
れ、また、コンクリート系のものとしては、例えば、ポ
ラコン(商品名:小沢コンクリート株式会社製)が挙げら
れる。
【0015】なお、前記多孔質の各材料の緒元は以下の
通りである。 サンドフ 引張強度:4.5〜5.5N/mm2 比 重:1.38 透水係数:1.10cm/sec〜2.20cm/sec ヘチマロン 透水係数:8.88×10-1cm/sec 空 隙 率:80%〜95% 耐圧ドレーン 弾性限界荷重:1.00tf/m〜2.59tf/m 吸 水 率 :80%〜85% トリカルパイプ 弾性限界荷重:0.47tf/m〜0.53tf/m 吸 水 率 :84%〜98% ポラコン 比 重:1.80〜2.00 空 隙 率:15%〜25% 透水係数:10-1〜100cm/sec 吸 水 率:75% 強 度:曲げ圧縮強度 2.5N/mm2
【0016】前記セグメントにフィルター層を設ける場
合、該セグメントの中央部に設け、セグメントの端部に
はフィルター層がかからないようにする必要がある。こ
れは、セグメントの外周部全てにフィルター層を設けた
場合、シールド機のテールシールがフィルター層にしか
接触することができないので、地下水がこのフィルター
層の内部を通ってシールド機内に侵入してしまうからで
ある。これに対し、セグメントの端部にフィルター層が
なければ、テールシールがこの端部に接触することで、
地下水の侵入を防止することができる。また、セグメン
トの端部にはフィルター層がかからないようにすること
で、セグメントの運搬時および組立時にフィルター層が
破損するのを防止することができる。また、前記取水孔
はフィルター層の内側のセグメントに形成するが、その
数は1個であってもよいし、複数個であってもよい。
【0017】
【0018】請求項のトンネル覆工部材は、請求項
において、前記取水孔に、該取水孔を開閉可能とする開
閉部材を設けたものである。前記開閉部材としては、例
えば、前記取水孔に着脱自在に取り付けられる止水栓
や、該取水孔を開閉する止水バルブが挙げられる。
【0019】請求項のトンネル覆工部材においては、
請求項と同様の作用効果が得られるのは勿論のこと、
前記取水孔に、該取水孔を開閉する開閉部材を設けたの
で、シールド機によってトンネルを掘削していくととも
に、前記トンネル覆工部材を、前記取水孔を開閉部材に
よって閉じた状態で順次設置していくことで、トンネル
施工中における地下水の流入を防止でき、トンネルの施
工完了後に、前記開閉部材によって前記取水孔を開ける
ことで、地下水がトンネル内に流入する。
【0020】請求項のトンネルの覆工方法は、請求項
記載のトンネル覆工部材によって、トンネルを覆工し
ていくトンネルの覆工方法であって、まず、地山の透水
係数<裏込め層の透水係数<フィルター層の透水係数と
なるように、裏込め層の透水係数とフィルター層の透水
係数とを設定しておき、シールド機によってトンネルを
掘削していくとともに、前記トンネル覆工部材を、前記
取水孔を開閉部材によって閉じた状態で順次設置してい
くことで、トンネルを施工するとともに、前記トンネル
覆工部材と地山との間に透水性を有する裏込め材を注入
して前記裏込め層を形成していき、トンネルの施工完了
後に、前記開閉部材によって前記取水孔を開けることを
特徴としている。
【0021】前記裏込め材の注入は、セグメントに形成
されたグラウトホールから行う。また、地山の透水係数
<裏込め層の透水係数<フィルター層の透水係数となる
ように設定する場合、各々の透水係数の差は、土粒子の
移動を生じさせないように、100倍程度に抑える。
【0022】請求項のトンネルの覆工方法において
は、シールド機によってトンネルを掘削していくととも
に、前記トンネル覆工部材を、前記取水孔を開閉部材に
よって閉じた状態で順次設置していくことで、トンネル
施工中における地下水の流入を防止でき、前記トンネル
覆工部材と地山との間に透水性を有する裏込め材を注入
して裏込め層を形成していき、トンネルの施工完了後
に、前記開閉部材によって前記取水孔を開けることで、
地下水をトンネル内に流入させて取水することができ
る。また、地山の透水係数<裏込め層の透水係数<フィ
ルター層の透水係数となるように、裏込め層の透水係数
とフィルター層の透水係数とを設定しておくことで、地
山の土粒子が移動するのを防止することができるので、
フィルター層の目詰まりを防止することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態の一例について説明する。図1は、本例のトン
ネル覆工部材によって覆工されたシールドトンネルを示
す概念図であり、この図において符号1,2はトンネル
覆工部材を示す。該トンネル覆工部材1,2はそれぞれ
円弧板状をなすもので、それぞれ鉄筋コンクリートで形
成されている。
【0024】前記トンネル覆工部材1はそれが4個周方
向に接合されることで、開環リングを形成し、この開環
リングの開いた部分に前記トンネル覆工部材2をはめ込
むことで、一つのリング体3を形成している。そして、
このリング体3…をトンネルの軸方向に接合していくこ
とで、シールド機で掘削されたトンネルの覆工を行うよ
うになっている。
【0025】前記トンネル覆工部材1は、円弧板状をな
す覆工部材本体4と、この覆工部材本体4に設けられた
取水部5とを備えて構成されている。前記覆工部材本体
4は、シールド工法において使用されるセグメント4で
あり、互いに周方向に隣接するセグメント4,4どうし
は、図4〜図6に示すように、セグメント継手4aで接
合されており、軸方向に隣接するセグメントどうしはリ
ング継手4bで接合されるようになっている。
【0026】前記取水部5は、トンネル内への土砂の流
入を防止して、該トンネル内に地下水を流入可能にする
もので、前記セグメント4の外周部に形成されて、土砂
の流入を防止するフィルター層6と、このフィルター層
6の内側のセグメント4に形成されて、前記フィルター
層6を通り抜けた地下水を前記トンネル内に流入させる
取水孔7…とから構成されている。
【0027】前記フィルター層6は、図6に示すよう
に、セグメント4の中央部に設けられており、セグメン
ト4の端部はコンクリートで構成されている。このよう
にすることで、セグメント4の運搬時および組立時にフ
ィルター層6が破損するのを防止することができる。な
お、互いに隣接するセグメント4,4どうしのフィルタ
ー層6,6どうしは、図4および図6に示すように、フ
ィルター層連通管8によって連通されており、これによ
ってフィルター層6,6間においては地下水が流通でき
るようになっている。
【0028】前記フィルター層6は透水性を有するもの
で、図3に示すように、外側に配置された第1フィルタ
ー層6aと、この第1フィルター層6aの内側に配置さ
れた第2フィルター層6bとから構成されている。前記
第1フィルター層6aの透水係数は、地山の透水係数の
10〜100倍程度に設定されており、これによって、
地山の土粒子が移動するのを防止することができるの
で、フィルター層6aの目詰まりを防止することができ
る。また、前記第2フィルター層6bの透水係数は、第
1フィルター層6aの透水係数より高く設定されてお
り、これによって前記取水孔7に水を集め易くなってい
る。
【0029】また、前記セグメント4のほぼ中央部に
は、図5および図6に示すように、グラウトホール4c
が形成されている。このグラウトホール4cは、セグメ
ント4と地山との間に裏込め材を注入するための孔であ
り、前記セグメント4とフィルター層6を貫通して形成
されている。なお、前記グラウトホール4cには図示し
ないグラウトキャップが取り付けられており、このグラ
ウトキャップは、裏込め材を注入するときは、取り外す
ようになっている。また、前記裏込め材としては透水性
を有するものを使用するが、例えば、気泡混入ガラスビ
ーズとセメントとを混合したものを使用する。
【0030】そして、地山の透水係数と、裏込め材を注
入していなる裏込め層の透水係数と、フィルター層の透
水係数とは、地山の透水係数<裏込め層の透水係数<フ
ィルター層の透水係数となるように設定されており、各
々の透水係数の差は、土粒子の移動を生じさせないよう
に、100倍程度に抑えられている。このように各々の
透水係数の差を設定することで、地山の土粒子が移動す
るのを防止することができるので、フィルター層6の目
詰まりを防止することができる。
【0031】前記取水孔7は、図1〜図6に示すよう
に、一つのセグメント4に、3個形成されており、各取
水孔7には、該取水孔7を開閉可能とする止水栓10が
着脱自在に取り付けられている。そして、この止水栓1
0は、トンネルの施工完了後に取り外すことで、地下水
をトンネル内に流入させるようになっている。
【0032】なお、前記トンネル覆工部材2は、図2に
示すように、トンネル覆工部材1と同様に、円弧板状を
なす覆工部材本体(セグメント)14と、この覆工部材本
体14に設けられた取水部15とを備えて構成されてお
り、周方向に隣接するセグメント4とは、図4に示すよ
うに、セグメント継手4aで接合されており、軸方向に
隣接するセグメント14,14どうしはリング継手4b
で接合されるようになっている。
【0033】また、前記取水部15はフィルター層16
と取水孔17とで構成されている。フィルター層16
は、前記フィルター層6と同様に、第1フィルター層1
6aと第2フィルター層16bとで構成されており、そ
の透水係数は前記第1フィルター層6a、第2フィルタ
ー層6bと等しく設定されている。また、前記取水孔1
7は、セグメント14の中央部に一つ形成されており、
この取水孔17には止水栓10が着脱自在に取り付けら
れている。さらに、トンネル覆工部材2のフィルター層
16と、該トンネル覆工部材2に周方向において隣接す
る前記トンネル覆工部材1,1のフィルター層6,6とは
それぞれフィルター層連通管8によって連通されてい
る。
【0034】次に、上記構成のトンネル覆工部材1,2
を使用して、シールド工法によってトンネルを施工して
いく方法について説明する。図7に示すように、地盤に
立坑20を施工し、この立坑20からシールド機21に
よって海底下の地盤(地山)を掘削しつつ推進していく。
地盤の掘削は、シールド機21の先端部のカッタ装置2
1aで行い、該シールド機21内においては、円筒分割
体たるセグメント22を掘削孔の周方向に組み立て、さ
らにこのセグメント22の前端に反力をとってシールド
機内の推進ジャッキを伸長させることで、シールド機2
1を推進させる。また、セグメント22と地盤との間に
は、裏込め材23をセグメント22に形成されたグラウ
トホールから注入していく。この裏込め材23としては
モルタル系材料が使用される。
【0035】そして、シールド機21による掘削、推
進、セグメント22の組立、裏込め材23の注入を行い
つつ、シールド機21が所定の位置まで掘進したなら
ば、前記トンネル覆工部材1,2を周方向に組み立てる
とともに接合することで、リング体を形成し、このリン
グ体に反力をとってシールド機21を掘進させ、さらに
前記リング体の先端面側に、次のトンネル覆工部材1,
2を周方向に組み立てるとともに接合して次のリング体
を形成し、同時にこのリング体を、既に組み立てられた
前記リング体に接合する。なお、前記トンネル覆工部材
1,2を組み立てる際には、該トンネル覆工部材1,2に
形成された前記取水孔7,17にはそれぞれ止水栓10
を取り付けておく。
【0036】そして、このような工程を所定回数繰り返
して行うことで、トンネル覆工部材1,2により掘削孔
を筒状に覆工し、その筒体の長さが所定の長さに達した
ら、該筒体の先端面側において、袋付きセグメント26
を周方向に組み立てるとともに接合する。この袋付きセ
グメント26は前記セグメント22と同様のセグメント
の背面側に遮蔽袋を装備したもので、この遮蔽袋は掘削
孔の内壁に密接するようになっている。なお、この袋付
きセグメント26は、前記セグメント22とトンネル覆
工部材1,2との間においても設置する。そして、前記
袋付きセグメント26を組み立てたならば、前記トンネ
ル覆工部材1,2にそれぞれ形成されたグラウトホール
から裏込め材25を注入して、地盤とトンネル覆工部材
1,2との間に充填する。この裏込め材25としては、
前記裏込め材23とは異なり、気泡混入ガラスビーズと
セメントとを混合してなる透水性を有するものを使用す
る。
【0037】さらに、上記と同様にして、シールド機2
1によって掘進して、トンネル覆工部材1,2により掘
削孔を筒状に覆工し、その筒体の長さが所定の長さに達
したら、前記袋付きセグメント26を組み立てて、前記
トンネル覆工部材1,2のグラウトホールから裏込め材
25を注入して、地盤とトンネル覆工部材1,2との間
に充填する工程を順次所定回数繰り返して行うことで、
地盤内にトンネルを施工していく。そして、前記トンネ
ルの施工完了後に、前記トンネル覆工部材1,2の取水
孔7,17に取り付けられていた止水栓10を取り外す
ことで、取水孔7,17を開放する。
【0038】前記取水孔7,17を開放すると、地下水
(海水)が前記フィルター層6,16を通って取水孔7,1
7からトンネル内に流入し、前記立坑20に形成された
貯留槽20aに貯留され、この貯留された海水が水中ポ
ンプ28によって吸い上げられてパイプ29aを通って
受水槽29に貯留される。このように、本例の覆工部材
1,2によって覆工されたトンネルは、集水有孔管と導
水管の機能を併せ持っているので、大量の取水を必要と
する場合に好適である。
【0039】また、前記覆工部材1,2に設けた取水部
5,15を、土砂の流入を防止するフィルター層6,16
と、このフィルター層6,16を通り抜けた海水を前記
トンネル内に流入させる取水孔7,17とから構成した
ので、トンネル内への土砂の流入を防止して、海水のみ
を確実に取水することができる。
【0040】さらに、前記取水孔7,17に、止水栓1
0を着脱自在に取り付けたので、トンネルの施工中にお
いては、前記止水栓10を取り付けておくことで、トン
ネル施工中における海水の流入を防止でき、トンネルの
施工完了後に、前記止水栓10を取り外して前記取水孔
7,17を開けることで、海水をトンネル内に流入させ
て取水することができる。
【0041】なお、上記の例では、本発明をシールド工
法に適用した場合を例にとって説明したが、本発明はこ
れに限ることなく、推進工法にも適用することができ
る。この場合、推進管に、上記と同様に、フィルター層
と取水孔とで構成された取水部を設ければよい。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
のトンネル覆工部材によれば、地中を掘削することによ
り形成されたトンネルの内壁面を覆工部材本体によって
覆工することで、この覆工部材本体に設けられた取水部
から地下水をトンネル内に流入されることができるの
で、大量の取水を必要とする場合に好適である。また、
前記フィルター層を、第1フィルター層と、この第1フ
ィルター層の内側に設けられた第2フィルター層とから
構成し、前記第1フィルター層の透水係数を、地山の透
水係数の10〜100倍に設定したので、地山の土粒子
が移動するのを防止することができ、これによって第1
フィルター層の目詰まりを防止することができ、さら
に、前記第2フィルター層の透水係数を前記第1フィル
ター層の透水係数より高く設定したので、前記取水孔に
地下水を集め易くすることができる。したがって、トン
ネル内への土砂の流入を防止して、地下水のみを確実に
流入させることができる。さらに前記覆工部材本体が、
シールド工法に使用されるセグメントであるので、シー
ルド機で地山(地中)を掘削していきつつ、前記セグメン
トを組み立てることで、直接地下水を取水できるトンネ
ルを容易に構築することができる。 また、セグメントの
外面中央部に前記フィルター層を、該セグメントの外面
と面一になるようにして設け、かつ該セグメントの端部
をコンクリートで形成したので、セグメントの運搬時お
よび組立時に、フィルター層が他の物に衝突することを
防止でき、よって、フィルター層が破損するのを防止す
ることができる。さらに、セグメントの端部にはフィル
ター層がないので、シールド機によってトンネルを掘削
する際に、該シールド機のテールシールがセグメントの
端部に接触することで、掘削中における地下水の侵入を
防止することができる。また、互いに周方向に隣接する
セグメントのそれぞれのフィルター層どうしをフィルタ
ー層連通管によって連通したので、フィルター層どうし
で地下水が流通可能となり、地下水をトンネル内に効果
的に流入させることができる。
【0043】
【0044】請求項のトンネル覆工部材によれば、請
求項と同様の効果を得ることができるのは勿論のこ
と、前記取水孔に、該取水孔を開閉する開閉部材を設け
たので、シールド機によってトンネルを掘削していくと
ともに、前記トンネル覆工部材を、前記取水孔を開閉部
材によって閉じた状態で順次設置していくことで、トン
ネル施工中における地下水の流入を防止でき、トンネル
の施工完了後に、前記開閉部材によって前記取水孔を開
けることで、地下水がトンネル内に流入するので該地下
水を確実に取水することができる。
【0045】請求項のトンネルの覆工方法によれば、
シールド機によってトンネルを掘削していくとともに、
前記トンネル覆工部材を、前記取水孔を開閉部材によっ
て閉じた状態で順次設置していくことで、トンネル施工
中における地下水の流入を防止でき、前記トンネル覆工
部材と地山との間に透水性を有する裏込め材を注入して
裏込め層を形成していき、トンネルの施工完了後に、前
記開閉部材によって前記取水孔を開けることで、地下水
をトンネル内に流入させて取水することができる。ま
た、地山の透水係数<裏込め層の透水係数<フィルター
層の透水係数となるように、裏込め層の透水係数とフィ
ルター層の透水係数とを設定しておくことで、地山の土
粒子が移動するのを防止することができるので、フィル
ター層の目詰まりを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトンネル覆工部材の一例を示すもの
で、該トンネル覆工部材によってトンネルを覆工した状
態を概念的に示す要部の斜視図である。
【図2】同、トンネル覆工部材によってトンネルを覆工
した状態を概念的に示す断面図である。
【図3】図2における取水部の拡大図である。
【図4】本発明のトンネル覆工部材の一例を示すもの
で、該トンネル覆工部材によってトンネルを覆工した状
態を示す断面図である。
【図5】同、トンネル覆工部材の側断面図である。
【図6】同、トンネル覆工部材の平面図である。
【図7】本発明のトンネルの覆工方法を説明するための
もので、トンネルの側断面図である。
【図8】従来の取水方式の一例を示すもので、海底下に
設置された集水有孔管と、長水路導水管を示す側断面図
である。
【図9】粒径加積曲線を示すグラフである。
【符号の説明】
1,2 トンネル覆工部材 4,14 覆工部材本体(セグメント) 5,15 取水部 6,16 フィルター層 7,17 取水孔 10 止水栓(開閉部材) 25 裏込め材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三谷 裕次郎 東京都港区虎ノ門一丁目20番10号 西松 建設株式会社内 (72)発明者 浅井 靖史 神奈川県大和市下鶴間2570−4 西松建 設株式会社技術研究所内 (56)参考文献 特開 平5−156900(JP,A) 特開 平4−315660(JP,A) 実開 平7−43656(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 11/08 E03B 3/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地中を掘削することにより形成されたト
    ンネルを覆工するトンネル覆工部材であって、 覆工部材本体と、この覆工部材本体に設けられた取水部
    とを備え、 前記取水部は、前記覆工部材本体の外周部に形成され
    て、土砂の流入を防止する透水性を有するフィルター層
    と、このフィルター層の内側の前記覆工部材本体に形成
    されて、前記フィルター層を通り抜けた地下水を前記ト
    ンネル内に流入させる取水孔とから構成され、 前記フィルター層は、第1フィルター層と、この第1フ
    ィルター層の内側に設けられた第2フィルター層とから
    構成され、 前記第1フィルター層の透水係数が、地山の透水係数の
    10〜100倍に設定され、さらに、前記第2フィルタ
    ー層の透水係数が前記第1フィルター層の透水係数より
    高く設定され、 前記覆工部材本体が、シールド工法に使用されるセグメ
    ントであり、 このセグメントの外面中央部に前記フィルター層が、該
    セグメントの外面と面一になるようにして設けられ、か
    つ該セグメントの端部がコンクリートで形成され、 互いに周方向に隣接するセグメントのそれぞれのフィル
    ター層どうしがフィルター層連通管によって連通されて
    いることを特徴とするトンネル覆工部材。
  2. 【請求項2】 請求項記載のトンネル覆工部材におい
    て、 前記取水孔には、該取水孔を開閉可能とする開閉部材が
    設けられていることを特徴とするトンネル覆工部材。
  3. 【請求項3】 請求項記載のトンネル覆工部材によっ
    て、トンネルを覆工していくトンネルの覆工方法であっ
    て、 まず、地山の透水係数<裏込め層の透水係数<フィルタ
    ー層の透水係数となるように、裏込め層の透水係数とフ
    ィルター層の透水係数とを設定しておき、 シールド機によってトンネルを掘削していくとともに、
    前記トンネル覆工部材を、前記取水孔を開閉部材によっ
    て閉じた状態で順次設置していくことで、トンネルを施
    工するとともに、前記トンネル覆工部材と地山との間に
    透水性を有する裏込め材を注入して前記裏込め層を形成
    していき、 トンネルの施工完了後に、前記開閉部材によって前記取
    水孔を開けることを特徴とするトンネルの覆工方法。
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