JP3168269B2 - ケーブル用吸水性介在紐 - Google Patents

ケーブル用吸水性介在紐

Info

Publication number
JP3168269B2
JP3168269B2 JP26591590A JP26591590A JP3168269B2 JP 3168269 B2 JP3168269 B2 JP 3168269B2 JP 26591590 A JP26591590 A JP 26591590A JP 26591590 A JP26591590 A JP 26591590A JP 3168269 B2 JP3168269 B2 JP 3168269B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
absorbing
cable
yarn
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP26591590A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04141911A (ja
Inventor
喜詮 田中
政義 内田
Original Assignee
福岡クロス工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 福岡クロス工業株式会社 filed Critical 福岡クロス工業株式会社
Priority to JP26591590A priority Critical patent/JP3168269B2/ja
Publication of JPH04141911A publication Critical patent/JPH04141911A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3168269B2 publication Critical patent/JP3168269B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/44Mechanical structures for providing tensile strength and external protection for fibres, e.g. optical transmission cables
    • G02B6/4401Optical cables
    • G02B6/4429Means specially adapted for strengthening or protecting the cables
    • G02B6/44384Means specially adapted for strengthening or protecting the cables the means comprising water blocking or hydrophobic materials

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Insulated Conductors (AREA)
  • Manufacturing Of Electric Cables (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、通信ケーブルや電力ケーブル内に水が侵入
した際、ケーブルの長手方向に水が走水するのを防止す
るケーブル用吸水性介在紐に関するものである。
(従来の技術) 従来において、光ファイバーケーブル等の通信ケーブ
ルや電力ケーブルの破損箇所からケーブル内に侵入して
くる水の長手方向への走水を防止するため、水と接触す
ると膨潤し、止水効果を発揮する吸水材料を使用するこ
とは公知である。
例えば、第6図は、つい最近実用化された加入者系防
水型光ファイバーケーブルの構造の一例を示す断面図で
ある。構造的には、中心部に抗張力体1を有するととも
に外周に螺旋状の溝2を設けた溝付芯体3の溝2の中に
複数のテープ状光ファイバー線4又は細径吸水性介在紐
5を収納し、外周上に吸水性テープ6Aを巻き付けた光フ
ァイバーユニット7を、吸水性テープ6Bを巻き付けた中
心抗張力体8の外周に5本撚り合わせ集合した集合体の
外周に上巻吸水性テープ6C及びラップシース9を施した
ものであり、光ファイバーユニット7間の扇形空隙部に
太径吸水性介在紐10及び銅線対11が収納されている。
上記のような構造を有する防水型光ファイバーケーブ
ルにおいて、シース9が劣化あるいは何らかの事故によ
り破損し、破損個所から水がケーブル内に侵入すると、
ケーブル内に配置されている吸水性テープ6A,6B,6C,細
径吸水性介在紐5及び太径吸水性介在紐10が水を吸収す
ることによって膨潤し、水の侵入個所付近のみにて止水
し、ケーブル内の特に長手方向に走水することが妨げら
れ、ケーブルの水による事故が未然に防止される。
本発明は上述した吸水材料の中で、溝付芯体3の溝2
中は勿論、光ファイバーユニット7間の扇形空隙部にも
収納できる新規なケーブル用吸水性介在紐を提供するも
のである。
このようなケーブル用吸水性介在紐として種々の形態
のものが提案されている。例えば、不織布に吸水性樹
脂を付着させた介在物(特開昭60−150506号)、糸や
シート状物を細幅にスリットしたものを撚ったり編んだ
りして細長く加工した紐を吸水性樹脂含有樹脂皮膜で被
覆した介在紐(実開昭62−103117号)、プラスチック
からなるスリット加工又はスプリット加工してあるプラ
スチックヤーンの周囲に吸水性樹脂を付着させた介在緩
衝物(特開昭62−259305号)、合成繊維からなる捲縮
加工糸の表面に吸水性樹脂を沈着させた介在緩衝物(特
開昭63−241806号)、又その改良たる捲縮加工糸と抗張
力糸からなる複合糸の表面に吸水性樹脂を沈着させたも
の(特開平2−87419号)、円筒状にカーリングした
丸断面紐状メリヤス編生地に吸水性樹脂粉末を沈着させ
た吸水性ヤーン(特開平2−86011号)、少なくとも
2層以上の融点が異なる合成樹脂の薄層積層体または複
合体から低融点樹脂層が外層となった解繊糸を製造し、
解繊糸を低融点樹脂の融点近傍まで加熱し、予熱された
吸水性樹脂粉末中に通し、吸水性樹脂を解繊糸の表面に
融着させた吸水性繊維(日特開昭63−35881号、日特開
昭63−35882号、日特開昭63−35883号、日特開昭63−35
884号、日特開昭64−14375号、日特開平1−156578号、
日特開平1−162874号)、カルボキシメチルエーテル
のナトリウム塩化されたキュプラアンモニウムレーヨン
フィラメントからなる不織布をテープ状に形成し、撚り
を与えた紐状物(日特開昭62−97208号)等が提案、実
用化されている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、これら従来の吸水性介在紐はそれぞれ
次の様な難点がある。
不織布に吸水性樹脂を付着させた介在物は、比較的フ
ラットな形態の素材に吸水性樹脂を付着させているため
吸水性樹脂の付着個所が少なく、吸水性樹脂を多く付着
させることが難しい。このため、より多くの吸水性樹脂
を付着させようとすると吸水性樹脂同志で凝集あるいは
塊状に付着することになり、侵入した水が吸水性樹脂塊
に接した時、吸水性樹脂塊の表面のみが膨潤する。この
表面のみが膨潤した吸水性樹脂塊は、逆に水のバリケー
ドを作り、未だ吸水していない状態の吸水性樹脂が吸水
するのを妨げるため、吸水性樹脂が十分な止水効果を発
揮できない。
糸や、シート状物を細幅にスリットしたものを撚った
り編んだりして細長く加工した紐を吸水性樹脂粉末で被
覆した介在紐も、吸水性樹脂粉末が付着する空隙が殆ど
存在していないため、吸水性樹脂を多く付着させること
が難しく、の場合と同様な難点があるし、可撓性に乏
しく、ケーブル製造時、吸水性樹脂が脱落しやすく作業
環境を汚染する。
スリット加工又はスプリット加工してあるプラスチッ
クヤーンの周囲に吸水性樹脂を付着させた介在緩衝物
も、の場合と同様な難点があるし、さらに得られた介
在の風合いが非常に硬い。又、ケーブル製造時、吸水性
樹脂が脱落しやすく作業環境を汚染する。
合成繊維からなる捲縮加工糸あるいは捲縮加工糸と抗
張力糸からなる複合糸の表面に吸水性樹脂を沈着させた
介在緩衝時は、フィラメントの断面形態をY型、X型等
の異形にすることにより吸水性樹脂の沈着個所が増加
し、三次元的に多量の吸水性樹脂を沈着させることが可
能となり、水が侵入した場合、吸水能力が大幅に増加
し、優れた止水効果を発揮する。このため、第6図に示
す溝付芯体3の溝2中に収納する介在として、現在使用
されている。しかしながら、吸水性樹脂が多量に付着し
ているため、例えば溝2中に1〜2枚のテープ状光ファ
イバー芯線4と共に収納された場合、水が侵入すると吸
水して介在の径が著しく大きくなり、テープ状光ファイ
バー芯線4に過度の側圧を加え、テープ状光ファイバー
芯線にマイクロベンディングを生じる恐れがある。又、
これらの介在を第6図の光ファイバーユニット7間の扇
形空隙部分に収納するため、10本以上を合糸・加撚して
太径撚糸介在を作った場合、太径撚糸介在の風合が非常
に硬くなり、圧力を加えても扇形乃至楕円形断面状に成
形できず、円形断面を保持するので、扇形個所が突起
し、完全な円形断面の光ケーブルを製造できない。
円筒状にカーリングした丸断面紐状メリヤス編生地に
吸水性樹脂を沈着させた介在は、風合が柔らかいもの
の、の場合と同様な難点があり、ケーブル製造時、吸
水性樹脂が脱落しやすく作業環境を汚染するし、メリヤ
ス編生地自体の長さが短く、接続に多大の労力を要す。
少なくとも2層以上の融点が異なる合成樹脂の薄層積
層体または複合体から低融点樹脂層が外層となった解繊
糸を製造し、解繊糸を低融点樹脂の融点近傍まで加熱
し、予熱された吸水性樹脂粉末中に通し、吸水性樹脂を
解繊糸の表面に融着させた吸水性繊維は、解繊糸の表面
に吸水性樹脂粉末が熱のみで沈着されているので、解繊
糸と吸水性樹脂の接着が不十分でケーブル製造時、吸水
性樹脂が脱落しやすく作業環境を汚染するし、吸水性繊
維自体の風合が硬い。又、吸水性繊維製造時、吸水性樹
脂粉末が長時間熱に暴露されるので、吸水性樹脂の吸水
能力が低下しており、十分な止水効果を発揮できない。
カルボキシメチルエーテルのナトリウム塩化されたキ
ュプラアンモニウムレーヨンフィラメントからなる不織
布をテープ状に形成し、撚りを与えた紐状物は、海水や
土壌中の汚水を吸水した際にこれらに含まれる微生物に
より腐敗し、吸水能力が低下すると共に水素ガスを発生
し、光ファイバー自体の強度及び伝送特性の劣化をもた
らすという致命的欠陥があり実用化されていない。
以上述べたように、種々提案されている従来の技術
は、溝付芯体の溝中に収納できる吸水性介在紐が提案さ
れているものの、ケーブル内に水が侵入した際、吸水し
て膨潤し介在紐の径が増大し、テープ状光ファイバー芯
線に側圧を加えケーブルのマイクロペンディングを生じ
る恐れがあり、又、加入者系防水光ケーブルの溝付芯体
間の扇形空隙部に収納するため、10本以上を加撚して太
径介在紐を製造した場合、風合が非常に硬くなり、かつ
圧力を加えても扇形乃至楕円形断面状に成形できず円形
断面を保持するので、扇形個所が突起し、完全な円形断
面の光ケーブルを製造できない。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上述した従来技術の課題に鑑みてなされた
ものであり、ケーブル用吸水性介在紐の担持体として、
難腐敗性合成繊維からなる非常に大なる嵩高性と可撓性
を有する紡毛単糸、梳毛単糸、又はそれらの撚糸あるい
はトウ紡績単糸を使用することで、それらの大きな空隙
部に吸水性樹脂を多量沈着でき、吸水性樹脂沈着後、水
を吸水させても殆ど径を増大させずに充分な止水効果を
発揮でき、わずかの圧力により扇径乃至楕円形断面に成
形できることを見出し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明のケーブル用吸水性介在紐は、難腐
敗性合成繊維からなる紡毛単糸、梳毛単糸、又はそれら
の諸糸あるいはトウ紡績単糸の表面に難腐敗性吸水性樹
脂を沈着させたことを特徴とする。
本発明に用いられる合成繊維は、アクリル・ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリオレフィン等からなるステープ
ル(短繊維)あるいはフィラメント糸(長繊維)で、海
水や土壌の汚水に含まれているバクテリア等の細菌によ
る微生物分解や材料劣化を受けにくい性能(難腐敗性)
を有するものである。通常、合成繊維は、一般にセルロ
ーズ系繊維や羊毛、絹等の動物繊維に較べて難腐敗性に
優れており、土中や汚泥中にも長時間埋設しても材料の
強度低下を生じないことが知られている。ところが、最
近では吸湿性・制電性、加工性等の繊維改質が盛んに行
われており、添加剤、改質剤、油剤等が合成樹脂に含ま
れているため、吸水性介在紐自体の難腐敗性を要する。
一方、綿糸、ジュート、羊毛、絹、レーヨン等の天然繊
維や再生繊維はバクテリア等の細菌により分解されて光
ファイバーに有害な水素ガスを発生するため本発明の目
的に不適である。
本発明に用いる紡毛単糸は、前記の難腐敗性合成繊維
ステープルを原料として紡毛紡績法により作られた撚り
をかけた単糸で、繊維が平行でなく毛羽立ちが多いが、
手ざわりが柔らかくて弾力があり、縮充性に富んでい
る。
本発明に用いる梳毛単糸は、前記の難腐敗性合成線維
ステープルを原料として梳毛紡績法により作られた撚り
をかけた単糸で、繊維が平行に配列され、毛羽が少なく
表面が平滑で光沢がある。
紡毛紡績法および紡毛紡績法は繊維業界で公知の毛糸
の製造方法であり、一般に工程上、前者は原料準備、紡
毛(カージング)、精紡よりなり、後者は原料準備、カ
ージング・前整条、ギリング、コーミング(後洗)、練
条・粗紡、精紡、撚り合わせよりなる。精紡工程では、
リング精紡機、シュール精紡機、キャップ精紡機、フラ
イヤー精紡機および空気精紡機(粗毛糸の表面毛羽を丸
めて撚りと同じ効果を持たせる)が使用できる。
本発明に用いる紡毛単糸や梳毛単糸は、光ケーブルの
溝付芯体の溝中に収納される。これらの単糸の太さは共
通式(メートル式)番手法で表示され、1kgにつき1kmあ
れば1番手、2kmあれば2番手と呼ばれる。溝付芯体の
溝中に収納する場合、これらの単糸の太さは1.5番手〜
3.5番手が好ましい。単糸の撚りは一般に甘撚りで、ケ
ーブル製造時の張力に耐える強度(1.5kg/本以上)を持
たすため一般に1m当りの撚り回数は80〜300回が好まし
い。300回以上だと単糸の嵩高性が失われるからであ
る。
本発明に用いる紡毛単糸や梳毛単糸の諸糸は、単糸を
2本以上撚り合わせたものであり、製造上、あらかじめ
合糸機で所要数の糸を合せてから撚糸機で撚りをかける
方法と、撚糸機で直接に合糸しながら撚糸する方法があ
るが、本発明にはいずれも使用できる。諸糸は、例えば
2番手単糸を2本撚り合わせたものを2番双糸、3本、
4本、または8本撚り合わせたものを、各々三子糸、四
子糸、八子糸という。これらの諸糸は、加入者系光ケー
ブルの溝付芯体間の扇形空隙部に収納するものであり、
扇形空隙部の断面積に対応して撚り合わせ本数を決定で
きる。
本発明に用いるトウ紡績単糸は、難腐敗性合成繊維の
紡糸されたフィラメントの繊維束(トウ)を糸となした
ものであり、平行繊維であるからカージングあるいはそ
れ以前の工程が不要であり、直ちに細デニールや太デニ
ールの単糸が製造でき、経済的に有利である。トウ紡績
法には、太いトウを使用してスライバーを得、これを適
当なドラフト(牽伸)とダブリングの後に精紡機にかけ
る牽切式と、細トウを同一機台上で牽切し、ドラフト
し、また撚りをかける直紡式がある。溝付芯体の溝中に
収納する場合、2000〜5000デニール(9000mの長さが1g
の糸を1デニールと呼ぶ)の直紡式トウ紡績単糸、加入
者系光ファイバーの溝付芯体間の扇形空隙部に収納する
場合、5000〜100000デニールの牽切式トウ紡績単糸を好
適に使用できる。
本発明に用いる難腐敗性吸水樹脂としては、アクリル
酸塩架橋体、アクリル酸塩−アクリルアミド共重合体、
酢酸ビニル−アクリル酸塩共重合体ケン化物、イソブチ
レン−無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−無水マレ
イン酸共重合体ケン化物、エチレンオキサイド系重合体
架橋物等があるが、特に海水を吸水するイソブチレン−
無水マレイン酸重合体(クラレ社製KIゲル)やスルホン
酸(塩)基含有アクリル酸塩共重合体架橋体(日本触媒
化学工業社製アクアリックCSシリーズ)が好ましい。一
方、澱粉系やセルローズ系の吸水性樹脂は、海水や土壌
中の汚水に含まれているバクテリア等の細菌によって分
解され、吸水能力を失うと共に光ファイバーに有害な水
素ガスを発生するので使用できない。
本発明でいう難腐敗性は、次の加速試験により評価さ
れる。
先ず、落葉等のある水辺の土壌500gを採取し、蒸留水
2000mlと共に3000mlビーカー内で混合撹拌した後6時間
放置し、濾紙にて濾過した後、濾液50ml、蒸留水150ml
およびリン酸二水素アンモン4gを300ml三角フラスコに
採り、検体4gを添加し、三角フラスコをシリコンゴム栓
で密閉し、光を遮断した30℃の恒温器中に30日間放置
し、フラスコ内部のガスをガスクロマトグラフィーで分
析して水素ガスの発生を認めないものを難腐敗性が高い
と判定する。尚、土壌中のバクテリア等の細菌の存在を
確認するため、検体としてティッシュペーパーを用いて
ブランクテストを実施する。
紡毛単糸、梳毛単糸、それらの諸糸あるいはトウ紡績
単糸の表面に吸水性樹脂を沈着させるには、吸水性樹脂
を適当な有機溶剤に溶解又は分散させた樹脂溶液を前記
各種の単糸又は諸糸を含浸又は塗布加工により沈着させ
るものであり、吸水性樹脂の単糸又は諸糸に対する接着
性が劣る場合、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、エチレン系共重合体樹脂、ポリア
マイド樹脂、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、エチ
レン・プロピレンゴム、塩素化ポリエチレン、アクリル
ゴム等の合成樹脂や合成ゴムのバインダーを吸水性樹脂
の吸水能力を妨げない範囲で併用し、沈着させても良
い。吸水性樹脂の沈着量は、吸水性樹脂が塊状にならな
い程度に均一にできるだけ多く沈着させることが好まし
い。通常、吸水性樹脂は繊維重量に対し10〜50重量%程
度沈着させる。この沈着量は、紡毛単糸、梳毛単糸、そ
れらの諸糸あるいはトウ紡績単糸のステープルやフィラ
メントの数や太さ、撚り回数、嵩高性等により変化する
が、充分な止水効果を発揮さすには、上記沈着量が望ま
しい。なお、諸糸の場合、紡毛単糸や梳毛単糸に吸水性
樹脂を沈着させて撚り合わす、あるいはあらかじめ諸糸
を調製しておき吸水性樹脂を沈着さす、のいずれの方法
も採用できる。
(作用) 本発明によると、難腐敗性合成繊維からなる紡毛単
糸、梳毛単糸、それらの諸糸あるいはトウ紡績単糸の表
面に難腐敗性吸水性樹脂を沈着させることで、止水効果
に優れ、吸水後も殆ど径を増加しないため、テープ状光
ファイバー芯線に側圧を加えず、風合が非常に柔らか
く、わずかの圧力により扇形乃至楕円形断面に成形でき
る吸水性介在紐が得られる。
この理由は次の様に推察される。
先ず、難腐敗性合成繊維からなる紡毛単糸、梳毛単
糸、それらの諸糸、又はトウ紡績単糸は、一種の合成毛
糸であり、非常に嵩高で、繊維間に無数の空隙を持つの
で、吸水性樹脂を多量沈着でき、止水効果が飛躍的に向
上する。
次に、これらの合成毛糸は、水に浸漬すると、自重の
3〜5倍の水を保持する。しかしながら、吸水性樹脂を
沈着させないと、毛細管現象や水圧により水が糸中を徐
々に進行する。一方、これらの合成毛糸に吸水性樹脂を
沈着させても、吸水能力はせいぜい自重の3〜6倍であ
るが、毛細管現象や水圧による水の進行を妨げる。この
様に、これらの合成毛糸の吸水能力は、吸水性樹脂沈着
前で自重の3〜5倍と、沈着後で自重の3〜6倍と、殆
ど差がないので、合成毛糸の径が吸水前と吸水後で殆ど
変化しない。すなわち、本発明の細径吸水性介在がケー
ブルの溝付芯体の溝中にテープ状光ファイバー芯線と共
に収納され、水を吸水しても、テープ状光ファイバー芯
線に側圧を加えないことになり、マイクロベンディング
の恐れがない。
更に、これらの合成毛糸は、非常に嵩高性が大きく、
風合が柔らかく、吸水性樹脂沈着後も、それらの特性を
保持しているので、複数本合糸・加撚した諸糸は、加入
者系光ケーブルの溝付芯体間の扇形空隙部に収納する
際、扇形乃至楕円形断面状で収納できるので、円形断面
の光ケーブルをたやすく製造できる。又、合成毛糸及び
吸水性樹脂が難腐敗性であることからバクテリア等の細
菌を含む汚水が侵入しても、光ファイバーに有害な水素
ガスを発生せず、材料劣化も抑制され、ケーブルの長期
信頼性を確保できるし、特に難腐敗性海水吸水型吸水性
樹脂を使用することにより、水道水、マンホール内汚水
は勿論、海水がケーブルの破損部より侵入しても完全な
止水効果を発揮する。
(実施例) 太さ3デニール、長さ65mmのアクリル繊維ステープル
50kgおよび太さ5デニール、長さ75mmのアクリル繊維ス
テープル50kgを混合してカーディング機に通してスライ
バー状となし、スリット後リング精紡機にかけて撚り回
数120回/mのZ撚りした2.6番手紡毛単糸を得た。この単
糸の引張強度は2.3kg、伸び率は17%だった。
又、2.6番手単糸8本を合糸し、撚糸機で上撚り回数4
3回/本の撚りを与え2.6番八子糸(紡毛諸糸)を得た。
この八子糸の引張強度は、31kg、伸び率は25%だった。
次に、エチレンプロピレンゴム(バインダー)1.5k
g、日本触媒工業化学社製アクアリックCS7ES(海水吸水
型吸水性樹脂)6kg及び日本油脂製ラピゾールB−80
(界面活性剤)75gをトルエン10kgに溶解・分散させ海
水吸水型吸水性樹脂組成物を得た(固型分42.67%)。
2.6番手紡毛単糸を前記海水吸水型吸水性樹脂組成物
に浸漬し、マングルにて絞り、100℃のオーブン中で乾
燥させて、5000デニール吸水性介在紐を得た。吸水性樹
脂は繊維重量当たり41.6%沈着していた。この介在紐の
引張強度は2.7kg、伸びは16%だった。
又、2.6番八子糸(紡毛諸糸)を前記海水吸水型吸水
性樹脂組成物に浸漬し、マングルにて絞り、100℃のオ
ーブン中で乾燥させて40000デニール吸水性介在紐を得
た。吸水性樹脂は繊維重量当たり35.4%沈着していた。
この介在紐の引張強度は32kg、伸びは22%だった。
次いで、得られた5000デニール及び40000デニール介
在紐を下記試験に供し、特性を調べた。
(1)吸水倍率 介在紐10cmの重量を正確に測定し、人工海水(八洲薬
品社製アクアマリン)に3分間浸漬し、人工海水中から
吸水した介在紐をとり出し、3分間吊り下げて水切りを
行った後、重量を測定し、次式により吸水倍率を算出し
た。
(2)難腐敗性 落葉のある水辺の土壌500gを採取し、蒸留水2000mlと
共に3000mlビーカー内で混合・撹拌した後、6時間放置
し、濾紙にて濾過した後、濾液50ml、蒸留水150ml及び
リン酸二水素アンモン4gを300ml三角フラスコに採り、
検体4gを添加し、三角フラスコをシリコンゴム栓で密閉
し、光を遮断した30℃の恒温器中に30日間放置し、フラ
スコ内のガスをガスクロマトグラフィーで分析して、水
素ガスの発生を認めないものを難腐敗性が高いと判定す
る。尚、検体としてティシュペーパーを用いたブランク
テストも実施する。
(3)模擬的送水試験 径15mmφ・長さ5mのポリエチレンロッドを用意し、そ
の上部に幅1.6mm、深さ2.5mmの溝を切削加工により設け
た。このロッドの溝中に5000デニール吸水性介在紐を収
納し、ロッドの外周上に透明ビニルテープを巻付けた。
これをテーブル上に平行に横たえ、ロッドの片端にビニ
ルチューブを継なぎ、高さ1.1mの距離から人工海水(八
洲薬品社性アクアマリン)を溝中に流水させ、走水距離
を測定した。
又、径11.5mmφ・長さ5mのポリエチレンロッドを2本
用意して平行に並べて密着させ、ロッド間の扇状空隙部
分2ヵ所に40000デニール吸水性介在紐を差し込み、上
から透明ビニルテープを巻付けた。これをテーブル上に
平行に横たえ、片端にビニルチューブを継なぎ、高さ1.
1mの距離から人工海水を空隙部(介在紐差し込み部分)
内に流水させ、走水距離を測定した。
上記(1)、(2)及び(3)の結果を第1表に示
す。
尚、第1図は紡毛単糸、第2図は梳毛単糸、第3図は
紡毛八子糸(諸糸)、第4図は細径のトウ紡績単糸、第
5図は太径のトウ紡績単糸を示す外観展望図である。
(発明の効果) 以上詳述したように本発明によれば、難腐敗性合成繊
維よりなる紡毛単糸、梳毛単糸、それらの諸糸又はトウ
紡績単糸の表面に難腐敗性吸水性樹脂を沈着させること
で、ケーブルの破損個所から侵入する水道水、マンホー
ル内の水は勿論、海水をも吸水性介在紐の径を殆んど変
化させずに短い距離で止水させることができたものであ
る。又、本発明にて得られる吸水性介在紐は光ケーブル
の溝付芯体の溝中及び加入者系光ケーブルの溝付芯体間
の扇形空隙部に収納可能で、完全な円形断面のケーブル
を容易に製造できる。更に、バクテリア等細菌による光
ファイバーに有害な水素ガスの発生がなく、材料劣化も
認められないことから、あらゆる個所にケーブルを埋設
できる。本発明の吸水性介在紐は、更に電力ケーブルに
も適用でき、その実用的価値は極めて大である。
【図面の簡単な説明】 第1図は紡毛単糸の外観展望図、第2図は梳毛単糸の外
観展望図、第3図は紡毛八子糸(諸糸)の外観展望図、
第4図は細径のトウ紡績単糸の外観展望図、第5図は太
径のトウ紡績単糸の外観展望図、第6図は加入者系光フ
ァイバーケーブルの断面図である。 1……抗張力体 2……溝 3……溝付芯体 4……テープ状光ファイバー芯線 5……細径吸水性介在紐 6A……吸水性テープ 6B……吸水性テープ 6C……吸水性テープ 7……光ファイバーユニット 8……中心抗張力体 9……ラップシース 10……太径吸水性介在紐 11……銅線対
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 7/282 D02G 3/44 D06M 15/263 H01B 13/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】難腐敗性合成繊維からなる紡毛単糸、梳毛
    単糸、又はそれらの諸糸、あるいはトウ紡績単糸の表面
    に難腐敗性吸水樹脂を沈着させたことを特徴とするケー
    ブル用吸水性介在紐
JP26591590A 1990-10-02 1990-10-02 ケーブル用吸水性介在紐 Expired - Fee Related JP3168269B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26591590A JP3168269B2 (ja) 1990-10-02 1990-10-02 ケーブル用吸水性介在紐

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26591590A JP3168269B2 (ja) 1990-10-02 1990-10-02 ケーブル用吸水性介在紐

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04141911A JPH04141911A (ja) 1992-05-15
JP3168269B2 true JP3168269B2 (ja) 2001-05-21

Family

ID=17423867

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26591590A Expired - Fee Related JP3168269B2 (ja) 1990-10-02 1990-10-02 ケーブル用吸水性介在紐

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3168269B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04141911A (ja) 1992-05-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0544435B1 (en) Communication cable having a core wrap binder which provides water-blocking and strength properties
CN113005574A (zh) 包覆纱纺纱装置及阻燃抗静电包覆纱的制备方法
KR100215262B1 (ko) 팽팽하고 뻣뻣하며, 탄발성이 우수한 복합사
CN111254536A (zh) 一种防水导电纱线
AU598086B2 (en) Cord structure
JP3296447B2 (ja) 複合糸及びその製造法
JP3168269B2 (ja) ケーブル用吸水性介在紐
JPH03206140A (ja) 空気仮撚法によるポリエステル/羊毛/導電性繊維混紡糸
CN211394775U (zh) 带有长度与变径结构的竹节纱线
CN211005781U (zh) 一种涡流纺抗静电纱
JP4576078B2 (ja) 吸水性複合紡績糸
JP2534254B2 (ja) 繊維補強ホ−ス
JP3289800B2 (ja) 防シワ性に優れた麻複合糸及び布帛
JP2742430B2 (ja) 通信ケーブル用介在緩衝物
JPH0718099B2 (ja) ロ−プ
JPH0519347Y2 (ja)
CN217869295U (zh) 一种超细天丝羊毛混纺纱线
CN216156068U (zh) 一种抗菌防臭加弹丝
CN212983155U (zh) 一种阻燃的涤纶功能纱线
CN216427528U (zh) 一种高阻燃包覆型的涡流纺涤纶纱
CN212865127U (zh) 一种多芯包芯纱及带有其的混合纱线、手套和面料
JP2506393B2 (ja) 延 縄
JPH02154021A (ja) 制電性複合紡績糸
JPS6257724B2 (ja)
JP2506745B2 (ja) ロ−プ

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees