JP3168015B2 - 水溶液の蒸発濃縮装置 - Google Patents

水溶液の蒸発濃縮装置

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JP3168015B2
JP3168015B2 JP03206091A JP3206091A JP3168015B2 JP 3168015 B2 JP3168015 B2 JP 3168015B2 JP 03206091 A JP03206091 A JP 03206091A JP 3206091 A JP3206091 A JP 3206091A JP 3168015 B2 JP3168015 B2 JP 3168015B2
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雅行 榑松
聡 湯沢
章一 黒田
典行 嶋村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は水溶液、例えばハロゲ
ン化銀写真感光材料の写真処理廃液の蒸発濃縮装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ハロゲン化銀写真感光材料の写
真処理は、黒白感光材料の場合には現像、定着及び水洗
等、カラー感光材料の場合には発色現像、漂白定着(ま
たは漂白、定着)、水洗、安定化等の機能の1つ又は2
つ以上を有する処理液を用いた行程を組合わせて行われ
ている。そして、多量の感光材料を処理する写真処理に
おいては、処理によって消費された成分を補充し、一
方、処理によって処理液中に溶出或は蒸発によって濃化
する成分(例えば、現像液における臭化物イオン、定着
液における銀錯塩のような)を除去して処理液成分を一
定に保つことによって処理液の性能を一定に維持する手
段が採られており、上記補充のために補充液が処理液に
補充され、写真処理における濃厚化成分の除去のために
処理液の一部が廃棄されている。
【0003】近年、補充液は水洗の補充液である水洗水
を含めて公害上や経済的理由から補充の量を大幅に減少
させたシステムに変わりつつあるが、写真処理廃液は自
動現像機の処理槽から廃液管によって導かれ、水洗水の
廃液や自動現像機の冷却水等で稀釈されて下水道等に廃
棄されていたが、これら以外の写真処理液〔例えば現像
液、定着液、発色現像液、漂白定着液(又は漂白液、定
着液)、安定液等〕の廃棄は、近年の公害規制の強化に
より実質的に不可能となっている。このため、各写真処
理業者は廃液を専門の廃液処理業者に回収料金を払って
回収してもらったり、公害処理設備を設置したりしてい
る。この廃液処理業者に委託するには、廃液を貯留して
おかなければならず、かなりのスペースが必要となる
し、またコスト的にも極めて高価である。かと言って公
害処理設備は初期投資(イニシャルコスト)が極めて大
きく、整備するのにかなり広大な場所を必要とする等の
欠点を有している。
【0004】写真処理廃液の公害負荷を低減させる公害
処理方法として具体的には、活性汚泥法(例えば特公
昭51−12943号、同51−7952号等)、蒸
発法(例えば特開昭49−89437号、同56−33
996号等)、電解酸化法(例えば特開昭48−84
462号、同49−119457号、同49−1194
58号、特公昭53−43478号等)、イオン交換
法(例えば特公昭51−37704号、同53−432
71号、特開昭53−383号等)、逆浸透法(例え
ば特開昭50−22463号等)、化学的処理法(例
えば特開昭49−64257号、同53−12152
号、同49−58833号、同53−63763号、特
公昭57−37395号、同57−37396号等)等
が知られているが、これらは未だ充分ではない。
【0005】一方、水資源面からの制約、給排水コスト
の上昇、自動現像機設備における簡易さと、自動現像機
周辺の作業環境上の点等から、近年、水洗に変わる安定
化処理を用い、自動現像機外に水洗の給排水のための配
管を要しない自動現像機(いわゆる無水洗自動現像機)
による写真処理が普及しつつある。この処理には処理液
の温度をコントロールするための冷却水も省略されたも
のが望まれている。
【0006】このような実質的に水洗水や冷却水を用い
ない写真処理は廃液量が少ないことから、給廃液用の機
外の配管を省略でき、それにより従来の自動現像機の欠
点と考えられる配管を設置するために設置後は移動が困
難であり、足下スペースが狭く、設置時の配管工事に多
大の費用を要し、温水供給圧のエネルギー費を要する等
の欠点が解消され、オフィスマシンとして使用できるま
でコンパクト化、簡易化が達成されるという極めて大き
い利点が発揮される。
【0007】反面、その廃液は水によって稀釈されない
ため、極めて高い公害負荷を有しており、河川はもとよ
り下水道にさえ、公害規制に照らして破棄することは不
可能となってきている。さらにこのような写真処理(多
量の流水を用いて、水洗を行わない処理)の廃液量は、
少ないとは言え、比較的小規模なカラー処理ラボ店でも
1日に10リットル程度ある。
【0008】このカラー処理ラボ店から出る廃液は、一
般には廃液回収業者によって回収され、二次及び三次処
理され無害化されているが、回収費の高騰により廃液引
き取り価格は年々高くなるばかりでなく、回収効率が悪
いため、なかなか回収に来てもらうことができず、廃液
が店に充満する等の問題を生じている。この問題を解決
するために写真処理廃液の処理を小規模なカラー処理ラ
ボ店でも容易に行えるようにするために廃液を加熱して
水分を蒸発乾固ないし固化することが研究されている
(例えば実開昭60−70841号等)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述の装置において、
廃液を蒸発釜内で蒸発させるときに、沸騰による異常突
沸が起こると、臭気を発生させたり、液面センサーの誤
動作を招くことから、最近、濃縮時に消泡剤を添加する
ことによって沸騰を安定化させ異常突沸を抑え、臭気防
止及び液面センサーの誤動作の防止に寄与できることを
見出した。ところが、消泡剤を濃縮運転中継続して入れ
ると、消泡剤が水溶液中のオイル成分を集めて濃縮さ
れ、濃縮液の表面に浮いて液面センサーにタール状に付
着し、誤動作を生じさせるという問題があった。
【0010】また、蒸発釜及び冷却釜の減圧手段として
真空ポンプと水流ポンプを使用したものがあるが、後者
のものは凝縮水回収容器内の水をポンプにて汲上げ、エ
ジェクターの垂直管部を通して該容器内に戻すときに、
前記垂直管部に直交する水平管部側が真空域になり、該
水平管部(真空吸引口)を冷却釜の底部に接続しておく
と、そこに溜まった凝縮水を含め、冷却釜並びに蒸発釜
内の空気を強制吸引して釜内を減圧安定化させるもので
ある。このように水流ポンプを通した空気(ガス)は凝
縮水に触れつつ取出されるため、真空ポンプを使用した
ものより臭気防止上有利であるばかりでなく、小型化及
び低コスト化に寄与するものである。ところが、水流ポ
ンプを使用した減圧手段ではポンプ及びエジェクターの
循環水が経時的に凝縮水と等しくなってくる。特に、濃
縮する水溶液が写真処理廃液のようなアンモニアや炭酸
塩を含有したガスの発生し易い液の場合にその傾向が強
くなる。このため、循環水のガスの溶解性や蒸発釜内の
減圧性能が減衰し、蒸発釜の加熱手段及び冷却釜の冷却
手段としてヒートポンプ回路の放熱部及び吸熱部を用い
た装置ではヒートポンプの動作条件が崩れ、蒸発濃縮が
正常に行かなくなるという問題があった。
【0011】この発明は上記の問題を解消するためのも
ので、その目的とするところは、水流ポンプを使用した
減圧手段の運転中、循環水のガス溶解性を向上させ得る
水溶液の蒸発濃縮装置を提供する点にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明は水溶液を蒸発濃縮せしめる蒸発釜の加熱
手段及び蒸気を冷却し凝縮し液化する冷却釜の冷却手段
としてヒートポンプ回路の放熱部及び吸熱部を用い、該
蒸発釜と冷却釜とを連通状態として全体を減圧手段で減
圧できるようにした蒸発濃縮装置において、該減圧手段
が水流ポンプを使用したものであり、その循環水を、酸
又はアルカリで中和できるようにし、循環水のガス溶解
性を向上させ得るように構成したものである。
【0013】
【実施例】次に、この発明を添付図面に示す実施例に基
づいて説明する。図において、1は減圧に耐える蒸発釜
で、該蒸発釜1内には水溶液(具体的には写真処理廃
液)が注入貯留される。2は蒸発釜1の外側に同心状に
設けた冷却釜で、該冷却釜2の上部は蒸発釜1と連通
し、底部2aは減圧手段3に接続されている。この蒸発
釜1内を大気圧より低い減圧下にすると、そのものの沸
騰点以下で沸騰が起こることは知られており、この実施
例ではガス発生の起こりにくい低温での蒸発をこの減圧
下で行なうものである。
【0014】4は前記蒸発釜1内に三次元配置した加熱
手段で、該加熱手段4はヒートポンプ回路5の放熱部を
用い、その表面温度は減圧蒸発下では100℃以下、特
に、臭気ガスの発生を防止するには20〜60℃に管理
することが最も好ましい。この加熱手段4は下部を写真
処理廃液Wに浸し、上部を液面上から突出して空中に露
出している。ここに加熱手段4を液中と空中とにまたが
るように三次元配置とした理由は、液中と液面を同時
に、しかも効率良く加熱できるようにするためである。
【0015】6はカラー処理ラボ店から出る写真処理廃
液Wを溜めた貯槽(容器)、7は該貯槽6から廃液を汲
み上げ、蒸発釜1内に給送する電磁弁を備えた汲上手段
である。汲上手段7は蒸発釜1内で加熱蒸発により廃液
の液面の降下が、液面センサー7aにより検出され、そ
の検出信号を受領することにより汲上作動をするように
なっている。この汲上手段7により汲み上げられた廃液
は蒸発釜1内で空中の加熱手段4に直接散布させるよう
に供給するか、図示の如く、適当な邪魔板8を介して水
面を波立たせないように供給する。なお、加熱手段4の
液中部分と空中にある部分とは通常同じ温度で管理され
るが、その場合は電熱効果の相違により空中にある部分
の方が実質的に表面温度は高くなる。このため、これに
直接供給廃液を散布すると急加熱による不快ガスの発生
もあり得る。その対策として供給量を加減するか、空中
にある加熱手段4の温度をガス発生温度以下に抑えるこ
とが必要となる。又は液中、液外で加熱手段4を分けて
別々に適温に制御してもよい。
【0016】9は前記冷却釜2内に設置した冷却手段
で、該冷却手段9はヒートポンプ回路5の吸熱部を使用
し、蒸発釜1内で蒸発し、上部空間を通して冷却釜2内
に進入してきた水蒸気を捕らえて冷却凝縮させる。その
凝縮水は冷却釜2の底部2aに溜められ、釜外に設置し
た回収容器10に回収される。この回収は本実施例では
エジェクター3aを使用した減圧手段3により行われ
る。即ち、凝縮水回収容器10内の水をポンプ3bにて
矢印方向に汲み上げ、エジェクター3aの垂直管部を通
して同容器10内に戻すと、該垂直管部に直交する水平
管部側が真空域になるから該水平管部を前記冷却釜底部
2aの延出端にチューブを介して接続しておくと、冷却
釜2の底部2aに溜まった凝縮水及び冷却釜2並びにこ
れに連通している蒸発釜1内の空気が強制的に吸引さ
れ、両釜1、2内の減圧安定化に寄与する。
【0017】ここに凝縮と凝縮水の回収を連続して行う
ことは、発生蒸気によって蒸発釜1内の圧力が上昇する
と、減圧バランスが崩れるが、これをすぐさま冷却凝縮
して圧力上昇を抑制するために効果的に作用する。な
お、10aは回収容器10をオーバーフローした水の貯
留容器であり、この容器10a内に溜められた水はその
まま下水道に流して問題ない。
【0018】11は前記ヒートポンプ5の冷媒圧縮用の
コンプレッサー、12は前記蒸発釜1の加熱手段4の上
流側に設けた冷媒空冷手段である。冷媒空冷手段12は
前記コンプレッサー11に加圧圧縮されて高温にされた
冷媒を適切な設定温度にまで下げるためのものであり、
空冷ファン13を備える。14は膨張弁の役目をなすキ
ャピラリーチューブであり、該キャピラリーチューブ1
4の下流側の吸熱部は前記凝縮水回収容器10内の水の
冷却手段9a、及び冷却釜2内の冷却手段9として利用
される。即ち、キャピラリーチューブ14を挟んで上流
側が加熱域、下流側が冷却域となる。しかして、冷却釜
2の冷却手段9を通過した冷媒はコンプレッサー11に
還流する。
【0019】15は蒸発濃縮を繰り返して高濃度に固形
化した成分(スラリー)を溜めるスラリー溜部で、該ス
ラリー溜部15は蒸発釜1の底部に設けられている。1
6はスラリー溜部15の底面と同一レベルの側壁外面に
突設したスラリー取出口で、該取出口16は栓手段17
により密栓されている。この栓手段17はボールバル
ブ、バタフライバルブ、スライドバルブで構成しても良
いが、図示の場合は蒸発釜1内の減圧状態を維持させる
ためにパッキング材により構成され、把手18を引いた
り押したりすることによりスラリー取出口16を開閉で
きるようになっている。19はスラリー回収容器であ
る。
【0020】20はスラリー溜部15に設けた回転羽根
で、該回転羽根20は蒸発釜1の頂面に設置した駆動源
21から垂下した出力軸22の下端に固着されている。
この回転羽根20はスラリー溜部15の内底面を全面的
に攪拌でき、かつ、スラリーをその取出口16へ向けて
掃き出し易い形態になっている。勿論、ハンドル操作に
より手動回転させ得るように構成してもよい。
【0021】36は前記蒸発釜1内の水溶液(濃縮液)
に消泡剤を供給する消泡剤供給手段で、該手段36は蒸
発濃縮運転のスタート時(蒸発濃縮運転が終了し、スラ
リー取出作業を終えた後、貯槽6から新たに濃縮せしめ
る水溶液を注入して運転開始する再スタート時も含む)
にのみ適量の消泡剤を供給できるようにした制御手段を
備えている。例えば、図示しない噴出ポンプを設け、こ
れが蒸発濃縮運転開始スイッチのON作動に連動して作
動するようにする。
【0022】前記消泡剤としてはフッ素系、シリコーン
系が好ましく、特にシリコーン系が良い。シリコーン系
消泡剤は下記化学式で示されるものが好ましい。
【0023】前記消泡剤の1回の添加量は0.001〜
1.0g/リットルであり、より好ましくは0.01〜
0.2g/リットルである。この消泡剤は乳化分散した
ものが好ましく、入手はダウコーニング社、信越シリコ
ーン社、トーレシリコーン社及び日本ユニカー社等より
可能である。
【0024】37は凝縮水回収容器10から循環水を取
出す電磁弁、38は蛇口Jと凝縮水回収容器10とを接
続したチューブCの途中に設けた電磁弁であり、これら
の電磁弁37、38は前記水流ポンプ3bを使用した減
圧手段3の運転中に、制御手段39の作用で開放し、凝
縮水回収容器10内の循環水の少なくとも一部を取出し
て貯留容器10aへ排出し、同量の新しい水を注入・交
換できるようになっている。この制御手段39は凝縮水
回収容器10a内の循環水の水質検出し、前記電磁弁3
7、38に作動信号を出力する。上記希釈の水量は処理
速度(発生する凝縮水)の5〜1000倍量の水(水道
水が好ましい)を供給することが好ましく、特に好まし
くは10〜200倍量の範囲である。
【0025】40aは前記凝縮水回収容器10内の循環
水に酸を滴下する滴下器、40bは同循環水にアルカリ
を滴下する滴下器であり、それぞれ循環水を中和させる
ためのものである。ここに用いる酸、アルカリはBOD
値、COD値を持たない無機物であることが公害防止上
好ましく、酸としては塩酸、硝酸、硫酸、硫酸水素ナト
リウム、硫酸水素カリウム、スルファミン酸、炭酸が好
ましい。また、アルカリとしてはNaOH、KOH、N
a2 CO3 、K2 CO3 、NH4 OHが好ま
しい。この中和による調整PH値は、PH5〜PH8.
6の範囲が好ましく、より好ましくはPH6〜PH8.
0の範囲である。なお、凝縮水回収容器10内の循環水
の少なくとも一部を新しいと交換することと、PH値
調整は選択的に適用してもよい。
【0026】上記実施例において、汲上手段7を作動さ
せて蒸発釜1内に廃液Wを必要水位まで注入し、凝縮水
回収容器10内には水道水を注入貯留する。しかる後、
濃縮運転を開始させると同時に消泡剤供給手段36から
所定量の消泡剤を注入する。運転開始により減圧手段3
のポンプ3bの作動によりエジェクター3aを通して冷
却釜2及び蒸発釜1が減圧され、しかる後、ヒートポン
プ回路5のコンプレッサー11及び冷媒空冷手段12の
空冷ファン13を作動させる。このようにして濃縮運転
がスタートする。そして、蒸発釜1内の加熱手段4が所
定の温度まで加熱され、冷却釜2内の冷却手段9が冷却
され、廃液はその沸騰点以下の温度、例えば35°Cで
沸騰し、蒸発することとなる。
【0027】蒸発釜1内で蒸発した水蒸気は上部空間を
通して冷却釜2内に進入し、ここで冷却凝縮されて水滴
となって、冷却釜2の底部2aに溜められる。この凝縮
水は底部2aの延出端からチューブを経てエジェクター
3aの真空吸引口端にて強制的に吸引され、回収容器1
0に溜められる。この凝縮水と同時に、冷却釜2並びに
これに連通している蒸発釜1内の空気(ガス)も吸引さ
れるが、このガスは回収容器10内の凝縮水に触れつつ
空中に放出されることからガスに含む臭気は除去され
る。
【0028】上述した如く、蒸発により釜1内に予め注
入した廃液が減少すると、これに伴い、汲上手段7が作
動し、新たな液を補給される。この補給時には消泡剤の
供給はない。このように蒸発・補給の繰り返しにより廃
液は徐々に濃縮される。しかして高濃度に固形化した成
分はスラリーとなって底部に設けたスラリー溜部15に
溜められる。
【0029】かくして、廃液の濃縮処理が終了したなら
ば、密栓されていたスラリー取出口16を開放させ、蒸
発釜1の底部に溜まったスラリーをスラリー回収容器1
9に取り出す。この取出し時には駆動源22により回転
羽根20が回転し、スラリーの取出作業を効率よく行う
こととなる。
【0030】次に、試験例を述べる。 ○試験例−1 カラーペーパー用の発色現像廃液と銀含有漂白定着廃液
を等容量混合した廃液を用い、その濃縮処理(1回の濃
縮倍率は10倍)を行いつつ、次の〜の試験を行っ
た。上記廃液にシリコーン系消泡剤(ダウコーニング
社製FS−アンチフォーム90)を0.1g/リットル
添加した。廃液そのまま。濃縮運転開始時に、蒸発
釜内の廃液にと同じ消泡剤を同量添加した。
【0031】上記の結果、の試験では2回目の1/8
まで濃縮した時点で液面センサーが誤動作した。の試
験では運転直後より凝縮水が薄黄色に着色した(及び
の試験では無色透明)。の試験は都合5回行った
が、何れも液面センサーは正常に作動した。なお、運転
後、液面センサーを観察した処、の試験では液面セン
サーに黒灰色のタール状物質が固まりで付着しているこ
とが確認された。及びの試験では液面センサーに付
着物は確認されなかった。
【0032】○試験例−2 試験例−1と同様の廃液を用いて同様の濃縮倍率で処理
しつつ、次の〜の試験を行い、10時間の平均廃液
処理速度を求めた。減圧手段の水流ポンプの循環水は
そのまま。前記循環水に、水道水を少量づつ継続的に
1時間当たり100リットル加えた。前記循環水を、
硫酸で5分に1回づつPH7.0に調整した(調整前は
PH値は9.3前後であった。)。
【0033】上記〜の結果、 の試験では1.4リットル/時間 の試験では2.0リットル/時間 の試験では2.0リットル/時間 であった。
【0034】○試験例−3 試験例−1と同様の廃液を用いて同様の濃縮倍率で処理
しつつ、次の〜の希釈水量(水道水)の変化に対す
る廃液処理速度を求めた。その結果、 水量 2リットル/時間 処理速度 1.5リットル/時間 〃 10 〃 〃 1.7 〃 〃 20 〃 〃 1.8 〃 〃 50 〃 〃 1.9 〃 〃 200 〃 〃 2.0 〃 〃 500 〃 〃 2.0 〃 〃 1000 〃 〃 2.0 〃 〃 5000 〃 〃 2.0 〃 であった。なお、水量200リットル/時間以上では処
理速度が同じであることが判った。
【0035】○試験例−4 試験例−1と同様の廃液を用い、その廃液の中に硫酸を
入れてPH4とし、炭酸ガスが出やすい状態として同様
の濃縮倍率で処理しつつ、次の〜の希釈水量(水道
水)の変化に対する廃液処理速度を求めた。その結果、 水量 0リットル/時間 処理速度 1.1リットル/時間 〃 2 〃 〃 1.2 〃 〃 10 〃 〃 1.5 〃 〃 20 〃 〃 1.6 〃 〃 50 〃 〃 1.8 〃 〃 200 〃 〃 1.9 〃 〃 500 〃 〃 1.9 〃 〃 1000 〃 〃 2.0 〃 〃 5000 〃 〃 2.0 〃 であった。なお、水量1000リットル/時間以上では
処理速度が同じであることが判った。
【発明の効果】以上の如く、この発明は水溶液を蒸発濃
縮せしめる蒸発釜の加熱手段及び蒸気を冷却し凝縮し液
化する冷却釜の冷却手段としてヒートポンプ回路の放熱
部及び吸熱部を用い、該蒸発釜と冷却釜とを連通状態と
して全体を減圧手段で減圧できるようにした蒸発濃縮装
置において、該減圧手段が水流ポンプを使用したもので
あり、その循環水を、酸又はアルカリで中和できるよう
したから、循環水のガス溶解性を向上させ、蒸発釜の
加熱手段及び冷却釜の冷却手段として用いたヒートポン
プの動作条件を改善し、蒸発濃縮を正常に行えるという
れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願蒸発濃縮装置の概略図である。
【符号の説明】
1 蒸発釜 2 冷却釜 3 減圧手段 3a エジェクター 3b ポンプ 4 加熱手段 5 ヒートポンプ 6 貯槽(容器) 7 汲上手段 7a 液面センサー 8 邪魔板 9 冷却手段 10 凝縮水回収容器 10a オーバーフロー水の貯留容器 11 コンプレッサー 12 空冷凝縮器 13 ファン 14 キャピラリーチューブ 15 スラリー溜部 16 スラリー取出口 17 栓手段 18 把手 19 スラリー回収容器 20 回転羽根 21 駆動源 22 出力軸 36 消泡剤供給手段 37 電磁弁 38 電磁弁 39 制御手段 40a 酸滴下器 40b アルカリ滴下器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03D 3/00 G03D 3/00 F (72)発明者 黒田 章一 東京都千代田区内幸町1−1−3 東京 電力株式会社内 (72)発明者 嶋村 典行 東京都千代田区内幸町1−1−3 東京 電力株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−156502(JP,A) 特開 昭54−120279(JP,A) 特開 平3−258386(JP,A) 特開 平4−4087(JP,A) 特開 平3−293078(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 1/00 - 1/30 C02F 1/04 G03D 3/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶液を蒸発濃縮せしめる蒸発釜の加熱
    手段及び蒸気を冷却し凝縮し液化する冷却釜の冷却手段
    としてヒートポンプ回路の放熱部及び吸熱部を用い、該
    蒸発釜と冷却釜とを連通状態として全体を減圧手段で減
    圧できるようにした蒸発濃縮装置において、該減圧手段
    が水流ポンプを使用したものであり、その循環水を、酸
    又はアルカリで中和できるようにしたことを特徴とする
    水溶液の蒸発濃縮装置。
  2. 【請求項2】 前記濃縮せしめる水溶液が、写真処理廃
    液である請求項1に記載の水溶液の蒸発濃縮装置。
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