JP3167602B2 - アシカ科動物由来のアミノ酸・ペプチド混合物の製造方法 - Google Patents
アシカ科動物由来のアミノ酸・ペプチド混合物の製造方法Info
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Description
のアミノ酸・ペプチド混合物の製造方法に関し、詳しく
は、アシカ科動物の臓器及び/又は筋肉より効率よくア
ミノ酸・ペプチド混合物を製造する方法に関する。
の補給源等として、そのものが使用され、あるいはこれ
が食品や飲料、医薬品、化粧品などに添加されて広く一
般に使用されている。
器や筋肉などの組織を加水分解することにより得られる
が、例えば、特許第135829号「動物ホルモンを含
む滋養強壮剤の製法」では、ホルモン含有の動物臓器を
軽く蒸煮あるいは、生のまますり潰したものに、玄米ま
たは粗精白の小麦または大麦などの穀類あるいはフスマ
の如きこれらの残渣を使用し製した麹をまぜ、水を用い
ず、予め準備した乳酸菌の純培養物および、酵母菌の純
培養物を混合して仕込み、充分醗酵した時点で、アルコ
ールを減圧で溜去し、残りの固形物を凍結乾燥した後、
粉砕し篩分することにより、動物ホルモンを含む粉末を
得ている。しかし、この方法で得られる目的物たる粉末
は、臓器臭があり、且つ褐色に着色していてしかも苦み
を有していた。
38010号公報では、アシカ科動物の臓器および筋肉
を、フスマ麹で加水分解し、ここに得られる分解物を、
炭末で脱色後、アルコール80%以上の濃度でもって沈
殿するところの不溶物を除いたのち、その上清を再び炭
末で脱色後濃縮、乾燥することを特徴とする麹法による
アシカ科動物臓器及び筋肉の加水分解物の製造法が記載
されている。しかし、この方法では、フスマ麹を製造す
る手間や、加水分解に12〜24時間と長時間を要する
という問題や、さらに、得られる目的物の収量が一定し
ないという問題点があった。
なされたものであり、アシカ科動物の臓器及び/又は筋
肉より、臭い、着色、苦み等が十分に除去されたアミノ
酸・ペプチド混合物を、効率よく製造する方法を提供す
ることを課題とする。
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、アシカ科動物
の臓器及び/又は筋肉をタンパク質分解酵素を用て加水
分解させ、得られる加水分解物水溶液を有機溶媒と混合
した後、有機溶媒層を除去することで、臭い、着色、苦
み等が十分に除去されたアミノ酸・ペプチド混合物を、
効率よく製造することが可能であることを見出し、本発
明を完成させた。
動物の臓器及び/又は筋肉をタンパク質分解酵素を用い
て加水分解し、得られる加水分解物水溶液を有機溶媒と
混合した後、有機溶媒層を除去することを特徴とするア
シカ科動物由来のアミノ酸・ペプチド混合物の製造方法
である。
シカ科に属する哺乳動物としては、例えば、カリフォル
ニアアシカ、オタリア、トド、ミナミアシカ、オースト
ラリアアシカ、オットセイ等を挙げることができるが、
本発明の製造方法が好適に用いられるアシカ科哺乳動物
としてオットセイが挙げられる。
カ科に属する哺乳動物の臓器及び/又は筋肉をタンパク
質分解酵素を用いて加水分解するが、具体的には、必要
に応じて加水分解反応を行いやすくするためにミンチに
する等の処理を施されたアシカ科動物の臓器及び/又は
筋肉に、水、タンパク質分解酵素を添加し、これらを混
合して加水分解を行う。ここでアシカ科動物の臓器及び
/又は筋肉に必要に応じて施される前処理には、前記ミ
ンチにする等の処理の他に、細切断し凍結乾燥後粉末化
する等の処理を挙げることができる。
記アシカ科動物の臓器及び/又は筋肉の加水分解反応を
触媒する働きを有するが、この様なタンパク質分解酵素
として、例えば、パパイン、ブロメライン、ペプシン、
トリプシン等を挙げることができる。本発明の製造方法
においては、安定性に優れ、目的物が高収率で得られる
パパインが好ましく用いられる。
タンパク質分解酵素としてパパインを用いる場合には、
アシカ科動物の臓器及び/又は筋肉1g当たり28〜3
2単位とすることが好ましい。なお、ここで用いる酵素
の単位は、以下の方法で測定されるタンパク消化力単位
である。
ンパク質分解酵素の約0.5gを精密に量り、システイ
ンEDTA混液を加えて溶かし、正確に100mlとす
る。この液1mlを量り、システインEDTA混液を加
えて正確に50mlとし、これを試験溶液とする。試験
管(18×180mm)にカゼイン溶液5mlを量り、
37±0.5℃で5分間放置した後、試験溶液1mlを
加え直ちに振り混ぜる。この液を37±0.5℃で正確
に10分間放置し、トリクロル酢酸試液5mlを加えて
振り混ぜ、再び37±0.5℃で30分間放置した後、
濾紙(東洋ろ紙No131、φ11cm)を用いて濾過
する。この濾液につき、波長275nmにおける吸光度
A10を測定する。
酢酸試液5mlを加えて振り混ぜ、次にカゼイン溶液5
mlを加えて振り混ぜ、37±0.5℃で30分間放置
し、以下同様に操作して吸光度A0を測定する。また、
チロジン標準液(50μg/ml)について同吸光度A
3を測定する。更に、0.1N塩酸について吸光度A3 0
を測定する。
チロジンに相当するアミノ酸の増加をもたらす酵素量を
1タンパク消化力単位とし、次式により計算する。
味を表す。 50 : チロジン標準液1ml中のチロジン量(μg) 11 : 単位換算計数(液量) 1/10 : 単位換算計数(時間) 5000 : 単位換算計数(希釈率)
用いられるアシカ科動物の臓器及び/又は筋肉の重量に
対して1〜1.5倍程度が好ましい。上記加水分解の条
件としては、用いられるタンパク質分解酵素が作用する
至適条件が好ましく挙げられ、例えば、タンパク質分解
酵素としてパパインを用いた場合には、pH7.5〜
8.5、40〜50℃、3〜4時間が適当である。加水
分解の際には、必要に応じて撹拌等を行ってもよい。
は筋肉はタンパク質分解酵素の働きにより加水分解され
るが、加水分解反応終了後、反応混合物から未反応のあ
るいは十分に反応しなかったアシカ科動物の臓器及び/
又は筋肉、さらにタンパク質分解酵素を、通常の方法、
例えば、タンパク質分解酵素を失活させた後、遠心分離
を行う等の方法で除去することによって加水分解物が水
溶液として得られる。
て得られる加水分解物水溶液を有機溶媒と混合した後、
有機溶媒層を除去する。この処理により加水分解物に含
まれる臭い、着色、苦み等の原因物質を含む不純物が有
機溶媒に溶出し除去される。上記有機溶媒としては、水
と任意の割合で溶け合わない疎水性の有機溶媒であっ
て、加水分解物に含まれる、臭い、着色、苦み等の原因
物質等を溶出させることが可能な有機溶媒であれば特に
制限されないが、例えば、n−ヘキサン、メチルジエチ
ルメタン、ジメチルプロピルメタン、ジメチルイソプロ
ピルメタン、トリメチルエチルメタン等を好ましく挙げ
ることができる。これら有機溶媒は、1種を単独で用い
てもよいし2種以上の混合物として用いてもよい。さら
に、有機溶媒による上記処理は、好ましくは、数回にわ
たって行われるが、この場合、処理毎に用いる有機溶媒
の種類を変えることも可能である。
を混合する際の混合割合であるが、加水分解物に対して
容量で概ね0.8〜1.2倍量の有機溶媒を添加、混合
すればよい。また、有機溶媒と加水分解物水溶液を混合
するに際して、撹拌等の手段を用いて加水分解物中の不
純物が有機溶媒に溶出し易くすることが好ましい。この
様にして十分に混合された有機溶媒と加水分解物水溶液
は、暫く放置すると有機溶媒層と加水分解物層(水層)
の2層に分離するので、分液ロート等を用いて、加水分
解物から溶出された臭い、着色、苦み等の原因物質を含
む不純物を含有する有機溶媒層のみを除去する。得られ
る加水分解物層は、少量の有機溶媒を含有している場合
もあり、その場合には、必要に応じて有機溶媒を除去す
る処理が施される。例えば、水蒸気蒸留や、エタノール
等の低級アルコールを加えて環流した後、アルコール分
を蒸発除去する等がその処理の方法である。また、加水
分解物層に臭気がわずかに残っている様な場合には、エ
タノール等によるこの様な処理が、前記臭気の除去に寄
与することもある。
及び/又は筋肉の加水分解物は、水分を含有するエキス
のかたちで用いられたりもするが、これを凍結乾燥等で
乾燥した乾燥粉末としても用いられる。本発明の方法で
得られるアシカ科動物の臓器及び/又は筋肉由来のエキ
スや粉末は、アミノ酸及びペプチドの混合物を主成分と
するが、栄養の補給用として、エキスや粉末そのもの
を、あるいはこれを食品やその他飲料、医薬品、化粧品
などに添加したりして使用される。
質分解酵素としてパパインを、また不純物を溶出する有
機溶媒としてn−ヘキサンを用いた場合を例にして、以
下に説明する。
加えて均一に分散させ、これに所定の量のパパインを加
えた後、全体を40〜50℃程度に加温しながら3〜4
時間撹拌する。その後、90℃程度に温度を上げて10
分程煮沸してパパインを失活させる。この混合液を48
00〜5200rpmで約50〜60分間遠心分離し
て、分離した下層の未消化残渣(上記熱処理により失活
したパパインを含む)を除去して上液のみを分取する。
えて10分程撹拌し、これからn−ヘキサン層を取り除
く。この操作を数回繰り返した後、得られた水層から水
蒸気蒸留によりn−ヘキサンを除去する。この水層から
100℃の湯煎上で水分を除きながら濃縮物をある程度
まで濃縮して泥状濃縮物とする。前記泥状濃縮物にエタ
ノールを加えて混ぜ合わせ、70℃付近で15〜25分
間還流した後、エタノール分を蒸発除去する。これを、
凍結、減圧乾燥させて、アミノ酸・ペプチド混合粉末を
得る。
たオットセイの筋肉500gに水500mlを加えて均
一に分散させ、これにパパイン(天野製薬製)1500
0単位(37.5mg)を加えた後、全体を45℃に加
温しながら3時間撹拌を続けた。その後、90℃に温度
を上げて10分間煮沸してパパインを失活させた。この
混合液を5000rpmで一時間遠心分離し、分離した
下層の未消化残渣を除去し、800mlの上液を分取し
た。
0mlを加えて10分間の撹拌を行った後、分液ロート
を用いてn−ヘキサン層を取り除いた。この操作を3回
繰り返した後、得られた水層を20分間水蒸気蒸留して
n−ヘキサンを完全に除去した。その後、水層から10
0℃の湯煎上で水分を除きながら濃縮物が160gにな
るまで濃縮して泥状濃縮物とした。
ルを160g加えて混ぜ合わせ、70℃で20分間還流
した後、エタノールを蒸発除去した。これを、−20℃
で凍結させ、さらに30℃で減圧乾燥させて、アミノ酸
・ペプチド混合粉末を得た。得られたアミノ酸・ペプチ
ド混合粉末は25.5gであった。
全く同様にして、ミンチしたオットセイの筋肉500g
を原料として、アミノ酸・ペプチド混合粉末を更に2回
製造した。各製造時における収量を表1に示す。
造方法によれば、アシカ科動物の臓器及び/又は筋肉よ
りアミノ酸・ペプチド混合物を収率一定で得ることが可
能である。
プチド混合物においては、臭い、着色、苦み等は何れも
十分に除去されていた。
物の臓器及び/又は筋肉より、臭い、着色、苦み等が十
分に除去されたアミノ酸・ペプチド混合物を、短時間、
収率一定で効率よく製造することが可能である。
Claims (2)
- 【請求項1】アシカ科に属する哺乳動物の臓器及び/又
は筋肉をタンパク質分解酵素としてパパインを用いて加
水分解し、得られる加水分解物水溶液を有機溶媒と混合
した後、有機溶媒層を除去することを特徴とするアシカ
科動物由来のアミノ酸・ペプチド混合物の製造方法。 - 【請求項2】有機溶媒がn−ヘキサン、メチルジエチル
メタン、ジメチルプロピルメタン、ジメチルイソプロピ
ルメタン、トリメチルエチルメタンから選ばれることを
特徴とする請求項1に記載のアミノ酸・ペプチド混合物
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29445495A JP3167602B2 (ja) | 1995-11-13 | 1995-11-13 | アシカ科動物由来のアミノ酸・ペプチド混合物の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09131200A JPH09131200A (ja) | 1997-05-20 |
JP3167602B2 true JP3167602B2 (ja) | 2001-05-21 |
Family
ID=17807997
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP29445495A Expired - Lifetime JP3167602B2 (ja) | 1995-11-13 | 1995-11-13 | アシカ科動物由来のアミノ酸・ペプチド混合物の製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3167602B2 (ja) |
-
1995
- 1995-11-13 JP JP29445495A patent/JP3167602B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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