JP3167161B2 - 拡径管引込装置 - Google Patents

拡径管引込装置

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靖夫 根岸
友博 黒沢
明 澤口
龍也 荒川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非開削にて土中にケー
ブル布設用管、上下水道管、ガス管等を布設する小口径
推進工法の分野において、推進工法の1工程目に布設し
たパイロット管1条をガイドにして、2工程目に2条以
上の布設管を土中に引込む拡径管引込装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】図6(イ)〜(ニ)は小口径推進工法に
よる管布設の施工手順の一例の説明図である。発進立坑
A内に元押し装置Cを設置し、その先端ジャッキを伸ば
し先端ヘッドを土中に圧入し、ついで発進立坑A内の元
押し装置Cの元押しジャッキを伸ばし、先端装置E及び
パイロット管Dを圧入する(図イ及び図ロ)。そして、
先端装置Eの推進長に見合う長さだけパイロット管Dを
順次ねじ込みにより1本づつ継ぎ足していく。
【0003】このようにして、先端装置Eが到達立坑B
に到達したら先端装置Eを取外し、先頭のパイロット管
Dに管引込装置Fを装着する(図ハ)。そして上記管引
込装置Fに布設すべき管Gを取付け、パイロット管Dを
ガイドとして元押し装置Cにより最大で3条の管を土中
に順次引込んでいく(図ニ)。この際、管Gの引込み長
に見合う長さだけ、パイロット管Dを順次ねじ外しによ
り1本づつ取外して回収していく。
【0004】従来の管引込装置は、引込み推力低減のた
め、油圧ジャッキが装置の中央部を振り分けにして2台
装備されており、この油圧ジャッキを地上から遠隔操作
で動作させることで先掘りを行なっている。
【0005】図5は従来の管引込装置の一部内部をあら
わした上面図である。1は単動型の油圧ジャッキ、2は
ピストンロッド、3は装置内の油通路、4はソケット、
5は油圧ホース、 100はパイロット管、 200は土中へ引
込む管路を示している。
【0006】地上の油圧ポンプから油圧ホース5を通っ
て管引込装置へ油圧を作用させると、装置内の油通路3
を通って油圧ジャッキ1内へ油圧が作用するために、ピ
ストンロッド2が2′の位置まで伸びて、これにより土
中を先掘りする。
【0007】次に先掘りした長さだけ、発進立坑内の元
押し装置でパイロット管100 をガイドとして管引込装置
を引込むことで、管引込装置の後部のソケット4に接続
されている管路200 が土中に順次引込まれていく。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のこの種の管引込
装置は、中央部のパイロット管100 と接続した後部の管
路200 は、既にパイロット管100 により土中に孔があい
ているところに引込みするので、引込み時の抵抗は小さ
いが、装置の中央部に対して振り分け位置にある油圧ジ
ャッキ1後方の管路は、土中に孔があいていないため引
込み時の抵抗は大となる。
【0009】従って、引込み時の推力低減のために先掘
り用の油圧ジャッキを装備しているが、管路1条に対し
て油圧ジャッキ1が1台という関係となる。このため、
3条以上の管路の引込みが出来なかったことと、管路引
込み距離50mとして、引込みに要する平均推力は30ton
程度ともなり、これの反力を受けるための発進立坑の壁
の強度を考慮すると、管路引込みの条数は3条より増す
ことができなかった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の問題点を
解消し、管路引込み時の推力を低減し、管路引込み条数
の増加を可能とした拡径管引込装置を提供するもので、
その特徴は、油圧モータを内部ケーシングの中心部に取
付け、前記油圧モータの回転軸に取付けたピニオンギヤ
を中心にしてその外側に複数のアイドラーギヤを、さら
にアイドラーギヤの外側にインターナルギヤをそれぞれ
配置し、インターナルギヤと一体となったケーシングの
外周面に複数のカッタ及びノズルを配置固定し、内部ケ
ーシングの端面に水又は水溶液を供給するためのホース
を固定し、内部ケーシング内に設けた通水孔を通して前
記ノズルより水又は水溶液を噴出させることにある。
【0011】
【実施例】図1は本発明の拡径管引込装置の具体例の構
造図で、主として管路引込み距離が50mまでの短距離用
に適用する。又図2(イ)は図1の左側面図、図2
(ロ)は図1のA−A断面図、図2(ハ)は図1のB−
B断面図、図2(ニ)は図1のC−C断面図である。
【0012】20は短距離用の拡径管引込装置であり、動
力源として油圧モータ27が内部ケーシング23に取付けら
れており、装置の中心部に位置している。この油圧モー
タ27の回転軸にはピニオンギヤ30が取付けられており、
ピニオンギヤ30の外側にはこれとかみ合うアイドラーギ
ヤ29が配置されており、ピニオンギヤ30を中心として相
対して2個装備されている。なお、アイドラーギヤ29の
軸は31と33であり、この軸は内部ケーシング23及び閉塞
円板35とで固定的に支持されている。又アイドラーギヤ
29の外側にはこれとかみ合うインターナルギヤ28があ
り、このインターナルギヤ28はケーシング26及び回転リ
ング34とねじ結合により一体構造となっている。これら
のギヤ28,29,30により油圧モータ27の回転速度を減速
することで回転トルクを増している。
【0013】上述のように、インターナルギヤ28とねじ
結合により一体構造をなしているケーシング26の外周面
には20個のカッタ24と4個のノズル25が設けられてい
る。このケーシング26は内部ケーシング23及び閉塞円板
35で回転自由に各種軸受にて支持されており、油圧モー
タ27を回転させると、前記の3種のギヤ28,29,30を介
して回転する。従ってケーシング26の外周面に配置され
ているカッタ24で土砂を掘削するので、管路200 引込み
時の推力を低減することが可能となる。
【0014】内部ケーシング23はパイロット管100 とね
じにより接続されており、パイロット管100 内には、滑
材用ホース22が1条と油圧モータ27へ作動油を送るため
の油圧ホース2条が収納されていて発進立坑側へ通じて
いる。滑材用ホース22は内部ケーシング23の端面に接続
固定されており、内部ケーシング23に設けている通水孔
を通って4個のノズル25から滑材を含む水又は水溶液を
噴出させることにより、カッタ24で掘削した土砂をスラ
リー状にして間隙排土を行うことで、管引込み時の推力
をさらに低減させることが出来る。
【0015】油圧ホース31は内部ケーシング23を通して
エルボ32を介して油圧モータ27へ直接接続されている。
又連結円板36が閉塞円板35へ複数個のボルトで固定され
ており、連結円板36に設けている軸とピン38とで、ソケ
ット37と連結する構造になっており、管路200 がねじに
よりソケット37に接続される。
【0016】図3は本発明の拡径管引込装置の他の具体
例の構造図で、主として管路引込み距離が 120m程度ま
での長距離用に適用する。又図4(イ)は図3の左側面
図、図4(ロ)は図3のA−A断面図、図4(ハ)は図
3のB−B断面図、図4(ニ)は図3のC−C断面図で
ある。
【0017】本具体例において、40は長距離用拡径管引
込装置で、動力源としての油圧46を内蔵している等の動
力伝達機構、カッタでの土砂の掘削及び滑材を含む水又
は水溶液の噴出の働きにより管路引込み時の推力を低減
することは、図1に示す短距離用拡径管引込装置と同様
である。図1の短距離用拡径管引込装置と大きく異なる
点は油圧モータ46へ作動油を送るための油圧ホース(図
示していない)2条が1条づつ管路200 内に収納され、
装置の後部に取付けられている油圧ホース接続用のカプ
ラ56へ接続され、到達立坑側に設置されている油圧ポン
プより作動油が圧送されることである。
【0018】図面において、46は長距離用拡径管引込装
置40の動力源である油圧モータを示し、この油圧モータ
46は内部ケーシング42に取付けられており、装置の中心
部に位置している。この油圧モータ46の回転軸にはピニ
オンギヤ49が取付けられており、このピニオンギヤ49の
外側にはアイドラーギヤ48がかみ合っており、ピニオン
ギヤ49を中心として相対して2個装備されている。な
お、アイドラーギヤ48の軸は50であり、この軸50は内部
ケーシング42と閉塞円板54とで固定的に支持されてい
る。又このアイドラーギヤ48の外側にはこれとかみ合う
インターナルギヤ47があり、このインターナルギヤ47は
ケーシング45及び回転リング53とねじ結合により一体構
造となっている。これらのギヤ47,48,49により油圧モ
ータ46の回転速度を減速することで回転トルクを増して
いる。
【0019】インターナルギヤ47と一体構造をなしてい
るケーシング45の外周面には28個のカッタ43と4個のノ
ズル44が配置固定されている。このケーシング45は内部
ケーシング42及び閉塞円板54とで回転自由に各種軸受に
て支持されており、油圧モータ46を回転させると、前記
3種のギヤ49,48,47を介して回転する。従ってケーシ
ング45の外周面に配置固定されているカッタ43で土砂を
掘削する。
【0020】内部ケーシング42はパイロット管100 とね
じにより接続されており、パイロット管100 内には滑材
用ホース41が1条収納されており、発進立坑側に通じて
いる。滑材用ホース41は内部ケーシング42端に接続固定
されており、内部ケーシング42に設けている通水孔を通
って4個のノズル44から滑材を含む水溶液又は水を噴出
させる。
【0021】油圧モータ46へ作動油を送る油圧ホース
(図示していない)は、管路200 の1条毎に1条を通
し、合計2条のホースを到達立坑側より通してカプラ56
に接続するので、作動油は油管52を通ってマニホールド
ブロック51を介して油圧モータ46へ送られる。又連結円
板55は閉塞円板54へ複数のボルト等で固定されており、
連結円板55に設けている軸とピン59とで連結器具58が連
結する構造となっており、連結管57が複数の袋ナット等
により閉塞円板54へ連結する構造となっている。さら
に、管路200 は連結器具58及び連結管57にねじにより接
続される。
【0022】
【実験例】従来の管引込装置と本発明の拡径管引込装置
との管路引込み時の推力を比較する実験を実施した結果
を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】上記の実験結果に示す通り、本発明の拡径
管路引込装置は、従来の管引込装置に比して大幅に推力
を低減しており、管路1条当りで比較すると管路引込み
時の推力が1/5となった。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の拡径管引
込装置によれば、管路引込み時の推力を大幅に低減する
ことが可能となる。従って非開削にて土中にケーブル布
設用管路、上下水道管及びガス管等を布設する小口径推
進工法の分野において2条以上の布設管を土中に引込む
際に本発明の装置を利用すると布設管の条数を3条以上
に増加することが可能となり効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の拡径管引込装置の一具体例の構造図で
ある。
【図2】図2(イ)は図1の左側面図、図2(ロ)は図
1のA−A断面図、図2(ハ)は図1のB−B断面図、
図2(ニ)は図1のC−C断面図である。
【図3】本発明の拡径管引込装置の他の具体例の構造図
である。
【図4】図4(イ)は図3の左側面図、図4(ロ)は図
3のA−A断面図、図4(ハ)は図3のB−B断面図、
図4(ニ)は図3のC−C断面図である。
【図5】従来の管引込装置の一部内部をあらわした上面
図である。
【図6】図6(イ)〜(ニ)は小口径推進工法による管
布設の施工手順の一例の説明図である。
【符号の説明】
21 油圧ホース 22,41 滑材ホース 23,42 内部ケーシング 24,43 カッタ 25,44 ノズル 26,45 ケーシング 27,46 油圧モータ 28,47 インターナルギヤ 29,48 アイドラーギヤ 30,49 ピニオンギヤ 35,54 閉塞円板 37 ソケット 56 カプラ 57 連結管 58 連結器具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤口 明 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 荒川 龍也 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−29998(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 9/06 311 E21D 9/08 E21D 9/12 F16L 1/024

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧モータを内部ケーシングの中心部に
    取付け、前記油圧モータの回転軸に取付けたピニオンギ
    ヤを中心にしてその外側に複数のアイドラーギヤを、さ
    らにアイドラーギヤの外側にインターナルギヤをそれぞ
    れ配置し、インターナルギヤと一体となったケーシング
    の外周面に複数のカツタ及びノズルを配置固定し、内部
    ケーシングの端面に水又は水溶液を供給するためのホー
    スを固定し、内部ケーシング内に設けた通水孔を通し
    て、前記ノズルより水又は水溶液を噴出させることを特
    徴とする拡径管引込装置。
  2. 【請求項2】 油圧モータへ作動油を送る油圧ホースが
    パイロット管内を通り、かつ内部ケーシングも通って油
    圧モータへ直接接続されていることを特徴とする請求項
    1記載の拡径管引込装置。
  3. 【請求項3】 油圧モータへ作動油を送る油圧ホースが
    引込み用管路内を通って内部ケーシングと反対側の位置
    から油管及びマニホールドブロックを介して油圧モータ
    へ接続されていることを特徴とする請求項1記載の拡径
    管引込装置。
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