JP3167052B2 - フォークリフト - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は自らの駆動力でトラック
等の荷台に対し乗り降りできるようにしたセルフランデ
ィングフォークリフトに関する。

【０００２】

【従来の技術】所定の場所から所定の場所へ荷物を搬送
する際に用いるフォークリフトは、一般にエンジンやモ
ータ等を駆動源として自ら走行するとともに昇降装置に
より荷物を受けるフォークを上下動させる機構になって
いる。

【０００３】従来のフォークを昇降させる装置は、例え
ば油圧シリンダをフォーク本体に立設し、この油圧シリ
ンダのロッドにチェーンホイールを設け、支柱に昇降自
在に設けたフォークに一端部を固定したチェーンの他端
部をチェーンホイールを介して支柱の中間部に設けた固
定部に取付け、油圧シリンダに作動油を供給してロッド
を上昇させることによってチェーンを介してフォークを
上昇させ、油圧シリンダから作動油を排出することによ
りフォークの自重でフォークが下降するようにしてい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来のフォー
クリフトは、工場等の限られた区域で使用され、例えば
工場において製品をトラックの荷台に載せるときに使用
し、また目的地でトラックの荷台から製品を降ろす場合
には目的地に設置したフォークリフトを使用するように
している。

【０００５】しかしながら、常に目的地にフォークリフ
トが置いてあるとは限らず、例えばマンションの建設現
場に多数のユニットバスを工場から搬送してきても、現
場にフォークリフトがないと、多数の作業者が製品を１
個ずつトラックの荷台から降ろし、更に所定の場所まで
運ばなければならず、作業者に重労働を強いることにな
るし作業効率も悪い。

【０００６】この場合、現場での作業を考慮してフォー
クリフトを製品とともにトラックの荷台に載せて運んで
行くことが考えられるが、フォークリフトは重いのでト
ラックの荷台に載せることが難しい。そこで、フォーク
の昇降動作を利用してフォークリフト本体をトラックの
荷台に持上げるようにすることが考えられるが、従来の
フォークリフトにあっては、フォークの下降方向に力が
働かないので、フォークリフト本体を持上げることはで
きない。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
本願の請求項１は、支柱にフォークを昇降自在に取付
け、支柱の下部に設けた底板にフォークを上昇させる上
昇用油圧シリンダを立て、この上昇用油圧シリンダ内に
移動自在に第１ピストンを挿入し、この第１ピストンか
ら上方に第１ロッドを延ばし、この第１ロッドの上端に
スプロケット又はプーリ等の第１ホイール部材を回転自
在に取付け、第１ホイール部材よりも低い位置で支柱か
ら側方にビームを延ばし、このビームにチェーン又はワ
イヤ等の第１連結部材の一端を取付け、この第１連結部
材を上方に延ばして第１ホイール部材の外周に掛けると
ともに下方に延ばして第１連結部材の他端をフォークの
基部に取付け、底板にフォークを下降させる下降用油圧
シリンダを立て、この下降用油圧シリンダ内に移動自在
に第２ピストンを挿入し、この第２ピストンから上方に
第２ロッドを延ばし、この第２ロッドの上端にスプロケ
ット又はプーリ等の第２ホイール部材を回転自在に取付
けるとともに第２ホイール部材をビームよりも高い位置
に配置し、底板に回転自在にスプロケット又はプーリ等
の第３ホイール部材を取付け、ビームにチェーン又はワ
イヤ等の第２連結部材の一端を取付け、この第２連結部
材を上方に延ばして第２ホイール部材の外周に掛けると
ともに下方に延ばして前記第３ホイール部材の下部外周
に掛け、更に第２連結部材を上方に延ばして他端をフォ
ークの基部に取付けた。

【０００８】また、本願の請求項２は、上昇用油圧シリ
ンダ及び下降用油圧シリンダをそれぞれ２本備えた。

【０００９】

【作用】請求項１では、フォークを下降させる場合に
は、下降用油圧シリンダの第２ポートから下降用油圧シ
リンダ内へ作動油を供給するとともに上昇用油圧シリン
ダの第１ポートから上昇用油圧シリンダ内の作動油を排
出する。 請求項２では、フォークを下降させる場合に
は、２本の下降用油圧シリンダ内へ作動油を供給すると
ともに２本の上昇用油圧シリンダ内の作動油を排出す
る。

【００１０】

【実施例】以下に本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。ここで、図１は第１発明に係るフォークリフ
トの要部正面図、図２は図１のＡ−Ａ線に沿う断面図、
図３はフォーク上昇状態での図２と同様な断面図であ
る。フォークリフトは、底板としてのシリンダサポート
１の両側に２本の支柱２，２を立設し、この２本の支柱
２，２間に基部としての保持体３を昇降自在に装着し、
この保持体３にフォーク４を取付けている。

【００１１】そして、シリンダサポート１と支柱２，２
間の略中間部に横架したビームとしてのクロスビーム６
との間に上昇用油圧シリンダ７及び下降用油圧シリンダ
８を立設している。これらの油圧シリンダ７，８は内部
に第１ピストンとしてのピストン部９ａ、第２ピストン
としてのピストン部１０ａを有する第１ロッドとしての
ロッド９及び第２ロッドとしてのロッド１０をそれぞれ
摺動自在に挿通し、下部には作動油の供給及び排出を行
うための第１ポートとしてのポート７ａ、第２ポートと
してのポート８ａを設けている。尚、これらの油圧シリ
ンダ７，８に対し作動油の供給／排出をするためのポン
プや弁等は図示していないがフォークリフトに設けられ
ている。

【００１２】前記上昇用油圧シリンダ７のロッド９の上
端部にはホイールサポート１１を取付け、このホイール
サポート１１の両端部に２個の第１ホイール部材として
の第１ホイール１２，１２を回転自在に軸支し、フォー
ク４の保持体３の上面に第１連結部材としての２本の第
１チェーン１３，１３の一端部を取付け、これらの第１
チェーン１３，１３はスプロケット等からなる第１ホイ
ール１２，１２を介してその他端部をクロスビーム６に
それぞれ取付けている。尚、チェーンの代りにワイヤ等
をまたスプロケットの代りにプーリを用いてもよい。

【００１３】前記下降用油圧シリンダ８のロッド１０の
上端部にはホイールサポート１４を取付け、このホイー
ルサポート１４の両端部に２個の第２ホイール部材とし
ての第２ホイール１５，１５を回転自在に軸支するとと
もに、フォークリフトの下部となるシリンダサポート１
にホイールサポート１６，１６を取付け、このホイール
サポート１６，１６に第３ホイール部材としての第３ホ
イール１７，１７を回転自在に軸支し、フォーク４の保
持体３の下面に２本の第２チェーン１８，１８の一端部
を取付け、これらの第２連結部材としての第２チェーン
１８，１８は第３ホイール１７，１７及び第２ホイール
１５，１５を介してその他端部をクロスビーム６にそれ
ぞれ取付けている。

【００１４】以上のように構成したので、図２に示す状
態で上昇用油圧シリンダ７のポート７ａに作動油を供給
し、下降用油圧シリンダ８のポート８ａから作動油を排
出することによって、上昇用油圧シリンダ７のロッド９
が上昇して第１ホイール１２が上昇し、第１チェーン１
３の他端部は固定のクロスビーム６に取付けられている
ので、ロッド９の上昇に伴って第１チェーン１３を介し
てフォーク４の保持体３が引っ張られて図３に示すよう
に上昇する。

【００１５】また、図３に示す状態で下降用油圧シリン
ダ８のポート８ａに作動油を供給し、上昇用油圧シリン
ダ７のポート７ａから作動油を排出することによって、
下降用油圧シリンダ８のロッド１０が上昇して第２ホイ
ール１５が上昇し、第２チェーン１８の他端部は固定の
クロスビーム６に取付けられ、その一端部は第３ホイー
ル１７を介してフォーク４の保持体３に取付けられてい
るので、ロッド１０の上昇に伴って第２チェーン１８を
介してフォーク４の保持体３が引っ張られて図２に示す
ように下降する。

【００１６】このようにして、フォーク４の保持体３に
は上昇時だけでなく下降時にも下降方向の力が作用する
ので、フォーク４を上昇させた状態でフォーク４をトラ
ックの荷台等に固定し、ここで前記のとおり下降用油圧
シリンダ８を作動させることによって下降方向の力が働
いてフォークリフト全体を上昇させることができるよう
になる。

【００１７】尚、上記実施例では１組の油圧シリンダ
７，８を用いているが、図４に示すように２本の上昇用
油圧シリンダ７，７及び２本の下降用油圧シリンダ８，
８を備え、各上昇用油圧シリンダ７，７のロッド９，９
にホイールサポート１１，１１を別個に取付けて第１ホ
イール１２，１２を回転自在に軸支し、同様に各下降用
油圧シリンダ８，８のロッド１０，１０にホイールサポ
ート１４，１４を別個に取付けて第２ホイール１５，１
５を回転自在に軸支するようにすることもできる。

【００１８】次に、図５は参考とするフォークリフトの
要部正面図、図６は図５のＢ−Ｂ線に沿った断面図、図
７はフォーク上昇状態での図６と同様の断面図である。
このフォークリフトにあっては、シリンダサポート１と
クロスビーム６との間に上昇及び下降用の油圧シリンダ
２１を立設している。この油圧シリンダ２１は内部にピ
ストン部２２ａを有するロッド２２を摺動自在に挿通
し、下部及び上部には作動油の供給及び排出を行うため
のポート２１ａ，２１ｂを設けている。

【００１９】この油圧シリンダ２１のロッド２２の上端
部には上下方向長さがフォークストロークの略半分のホ
イールサポート２３を取付け、このホイールサポート２
３の上側両端部に２個の第１ホイール２４，２４を回転
自在に軸支し、下側両端部に２個の第２ホイール２５，
２５を回転自在に軸支している。

【００２０】そして、フォーク４の保持体３の上面に２
本の第１チェーン２６，２６の一端部を取付け、これら
の第１チェーン２６，２６は第１ホイール２４，２４を
介してその他端部をクロスビーム６にそれぞれ取付け、
またフォーク４の保持体３の下面に２本の第２チェーン
２７，２７の一端部を取付け、これらの第２チェーン２
７，２７は第２ホイール２５，２５を介してその他端部
をクロスビーム６にそれぞれ取付けている。

【００２１】ここで、ホイールサポート２３の上下方向
長さは、第１，第２ホイール２４，２５の取付けピッチ
を、｛保持体３のチェーン取付けピッチＬ＋（フォーク
ストローク／２）｝に保つ長さに設定する。

【００２２】以上のように構成したので、図６に示す状
態で油圧シリンダ２１のポート２１ａに作動油を供給し
ポート２１ｂから作動油を排出することによって、油圧
シリンダ２１のロッド２２が上昇して第１ホイール２４
が上昇し、第１チェーン２６の他端部は固定のクロスビ
ーム６に取付けられているので、ロッド２２の上昇に伴
って第１チェーン２６を介してフォーク４の保持体３が
引っ張られて図７に示すように上昇する。

【００２３】このとき、同図に示すようにホイールサポ
ート２３が上昇するので第２ホイール２５も上昇し、こ
の図７に示す状態で油圧シリンダ２１のポート２１ｂに
作動油を供給しポート２１ａから作動油を排出すること
によって、油圧シリンダ２１のロッド２２が下降して第
２ホイール２５が下降し、第２チェーン２７の他端部は
固定のクロスビーム６に取付けられているので、ロッド
２２の下降に伴って第２チェーン２７を介してフォーク
４の保持体３が引っ張られて図６に示すように下降す
る。

【００２４】このようにしても、フォーク４の保持体３
には上昇時だけでなく下降時にも下降方向の力が作用す
るので、前述したようにフォーク４を上昇させた状態で
フォーク４をトラックの荷台等に固定し、ここで前記の
とおり油圧シリンダ２１を下降作動させることによって
下降方向の力が働いてフォークリフト全体を上昇させる
ことができるようになる。

【００２５】

【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
支柱にフォークを昇降自在に取付け、支柱の下部に設け
た底板にフォークを上昇させる上昇用油圧シリンダを立
て、この上昇用油圧シリンダ内に移動自在に第１ピスト
ンを挿入し、この第１ピストンから上方に第１ロッドを
延ばし、この第１ロッドの上端にスプロケット又はプー
リ等の第１ホイール部材を回転自在に取付け、第１ホイ
ール部材よりも低い位置で支柱から側方にビームを延ば
し、このビームにチェーン又はワイヤ等の第１連結部材
の一端を取付け、この第１連結部材を上方に延ばして第
１ホイール部材の外周に掛けるとともに下方に延ばして
第１連結部材の他端をフォークの基部に取付け、底板に
フォークを下降させる下降用油圧シリンダを立て、この
下降用油圧シリンダ内に移動自在に第２ピストンを挿入
し、この第２ピストンから上方に第２ロッドを延ばし、
この第２ロッドの上端にスプロケット又はプーリ等の第
２ホイール部材を回転自在に取付けるとともに第２ホイ
ール部材をビームよりも高い位置に配置し、底板に回転
自在にスプロケット又はプーリ等の第３ホイール部材を
取付け、ビームにチェーン又はワイヤ等の第２連結部材
の一端を取付け、この第２連結部材を上方に延ばして第
２ホイール部材の外周に掛けるとともに下方に延ばして
第３ホイール部材の下部外周に掛け、更に第２連結部材
を上方に延ばして他端をフォークの基部に取付けたの
で、自らの力でフォークリフトをトラックの荷台等に簡
単に乗り降りさせるようにすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１発明に係るフォーク昇降装置を備えたフォ
ークリフトの要部正面図

【図２】図１のＡ−Ａ線に沿う断面図

【図３】フォーク上昇状態での図２と同様な断面図

【図４】第１発明に係る別のフォーク昇降装置を備えた
フォークリフトの要部正面図

【図５】参考とするフォーク昇降装置を備えたフォーク
リフトの要部正面図

【図６】図５のＢ−Ｂ線に沿った断面図

【図７】フォーク上昇状態での図６と同様の断面図

【符号の説明】

１…底板（シリンダサポート）、２…支柱、３…フォー
クの基部（保持体）、４…フォーク、６…ビーム（クロ
スビーム）、７…上昇用油圧シリンダ、８…下降用油圧
シリンダ、９…第１ロッド（ロッド）、１０…第２ロッ
ド（ロッド）、１１，１４…ホイールサポート、１２…
第１ホイール部材（第１ホイール）、１３…第１連結部
材（第１チェーン）、１５…第２ホイール部材（第２ホ
イール）、１７…第３ホイール部材（第３ホイール）、
１８…第２連結部材（第２チェーン）。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 支柱にフォークを昇降自在に取付け、支
   柱の下部に設けた底板に前記フォークを上昇させる上昇
   用油圧シリンダを立て、この上昇用油圧シリンダ内に移
   動自在に第１ピストンを挿入し、この第１ピストンから
   上方に第１ロッドを延ばし、この第１ロッドの上端にス
   プロケット又はプーリ等の第１ホイール部材を回転自在
   に取付け、前記第１ホイール部材よりも低い位置で前記
   支柱から側方にビームを延ばし、このビームにチェーン
   又はワイヤ等の第１連結部材の一端を取付け、この第１
   連結部材を上方に延ばして第１ホイール部材の外周に掛
   けるとともに下方に延ばして第１連結部材の他端をフォ
   ークの基部に取付け、前記底板にフォークを下降させる
   下降用油圧シリンダを立て、この下降用油圧シリンダ内
   に移動自在に第２ピストンを挿入し、この第２ピストン
   から上方に第２ロッドを延ばし、この第２ロッドの上端
   にスプロケット又はプーリ等の第２ホイール部材を回転
   自在に取付けるとともに第２ホイール部材を前記ビーム
   よりも高い位置に配置し、前記底板に回転自在にスプロ
   ケット又はプーリ等の第３ホイール部材を取付け、前記
   ビームにチェーン又はワイヤ等の第２連結部材の一端を
   取付け、この第２連結部材を上方に延ばして第２ホイー
   ル部材の外周に掛けるとともに下方に延ばして前記第３
   ホイール部材の下部外周に掛け、更に第２連結部材を上
   方に延ばして他端をフォークの基部に取付けることで、
   フォークを上昇させる場合には、上昇用油圧シリンダの
   第１ピストンより下方に設けた第１ポートから上昇用油
   圧シリンダ内へ作動油を供給するとともに下降用油圧シ
   リンダの第２ピストンより下方に設けた第２ポートから
   下降用油圧シリンダ内の作動油を排出し、フォークを下
   降させる場合には、下降用油圧シリンダの前記第２ポー
   トから下降用油圧シリンダ内へ作動油を供給するととも
   に上昇用油圧シリンダの前記第１ポートから上昇用油圧
   シリンダ内の作動油を排出するようにしたことを特徴と
   するフォークリフト。
2. 【請求項２】 前記上昇用油圧シリンダ及び下降用油圧
   シリンダをそれぞれ２本備えたことを特徴とする請求項
   １に記載のフォークリフト。