JP3166873B2 - 感光性樹脂印刷版用粘着防止層組成物 - Google Patents
感光性樹脂印刷版用粘着防止層組成物Info
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Description
印刷版、特に水系処理液で現像可能なフレキソ印刷版の
粘着防止層組成物に関するものである。
該感光性樹脂原版の感光層の上に原図フイルムを真空密
着させて活性光線で露光する方法が主として用いられて
いる。
柔軟な感光性樹脂凸版の需要が増しており、そのため感
光性樹脂原版がより柔くなる傾向がある。
ることが多く、原版の硬度が低くなるとより一層その粘
着性が増す。粘着性が強いと、原図フイルムを密着させ
る際に均一な密着ができず、従って画像の再現性が悪く
なる。又、露光後に原図フイルムを原版から剥離する時
に両者の粘着により剥離不良となり、両者とも損傷が生
じるという問題がある。
般的に行なわれている方法は、感光性樹脂表面に粘着性
の少いポリマーの薄膜を塗付する技術である。例えば特
開昭51-49803号公報(ケン化度90%以上のポリビニール
アルコール)、特開昭52-110010号公報(重合度800以
上、ケン化度70%〜90%のポリビニールアルコール)、
特開昭54-68224号公報(水溶性ポリマー)、特開昭56-1
10941号公報(可溶性ポリアミド)等が知られている。
しかしながらこれらの方法には次のような問題がある。
合、カバーフイルムを剥離した時や、製版工程作業で原
版を内側や外側に曲げると原版表面に小ジワが発生す
る。小ジワはレリーフ表面に残留し、印刷物のインキ濃
度斑となる。
上のポリビニルアルコールを除く非晶性のポリマー(例
えば、アルキルセルロース、ビニル系ポリマーマレイン
酸共重合体など)はその薄膜の吸湿によって粘着性が著
しく上昇し、目的の原図フイルムの密着性に支障が生じ
る。又、その薄膜の製造工程でブロッキング等の問題が
ある。
性が無いが、近年感光性樹脂印刷版の現像には水系処理
液を用いるタイプが主流となっている。そのため、水溶
性もしくは水分散性ポリマーでないと、現像前にその薄
膜を除去する工程として、その薄膜を溶解するような有
機溶剤で予め薄膜除去の工程が増えるので好ましくな
い。
版用の場合、その感光性樹脂がより柔軟であり、粘着性
が強いために非粘着性塗膜層の要求度が高く、特に前記
の小ジワ発生の問題が起こりやすい。そこでフレキソ
印刷版用として、離型層をさらに設けた技術が特開昭57
-208556号公報に、またシワ防止としてポリビニルアル
コールに可塑剤を配合した技術が特開平2−113254号公
報にそれぞれ開示されている。
増えるのみならず、更に離型剤の上に非粘着性塗布層を
塗布することはコート欠陥が生じ易く、高度の塗布技術
が要求される。一方、後者の可塑剤を含むポリビニルア
ルコールの塗布層は湿度の影響を受け易く、高湿度下で
吸湿による塗布層の粘着が生じて本来の非粘着性の目的
が失なわれる欠点がある。
術にあっても水系処理液で現像でき、柔軟性のある感光
性樹脂版用の粘着防止剤としてまだ適切なものが無いの
が現状である。
ーフイルムの剥離を一度中断した後に、剥離を再開する
と、中断した箇所に線状のスジ状シワが生じるので、一
般にはカバーフイルムの剥離は中断せずに一機に剥離す
ることが要求されているが、剥離の操作ミスなどで剥離
を中断する機会があり、スジ状シワの発生を完全に防止
することは難しい。又、カバーフイルムを剥離した感光
性樹脂積層体を凹又は凸状に変形させた場合、通常の平
坦に戻すとその粘着防止層にシワが発生する。カバーフ
イルム剥離後の感光性樹脂積層体は、そのため移動させ
ることを極力避けることで対処しているが、止むを得ず
移動させなければならないこともあり、感光性樹脂積層
体の曲げ変型を避けた移動は容易でない。
ポリマーで、原図フイルムとの密着性が良く、しかも原
版の曲りがあっても小ジワの発生が無いと同時に湿度の
影響を受けない粘着防止用薄膜を与える材料を目的とし
ている。
組成物について、前記欠点を解決するため鋭意検討した
結果、遂に本発明を完成するに到った。すなわち本発明
は水系処理液で現像可能な感光性樹脂印刷版用の粘着防
止層組成物であって、該組成物に、オキシアルキレン基
を含有する不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケ
ン化することによって得られた変性ポリビニルアルコー
ルを含有することを特徴とする感光性樹脂印刷版用粘着
防止層組成物である。
アルコールはオキシアルキレン基を含有する不飽和単量
体と酢酸ビニルとをメタノールやエタノール等のアルコ
ールの存在下で共重合反応させ、得られた共重合体をケ
ン化したものであり、例えば特開昭59−155408
号公報に開示されている製造法により得られた変性ポリ
ビニルアルコールであり、通常のポリビニルアルコール
とはその構造および特性は全く相違するものである。具
体的にはオキシアルキレン基としてはポリオキシエチレ
ン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基
等が好適例として挙げられ、オキシアルキレン基を含有
する不飽和単量体としては、(メタ)アクリル酸エステ
ル型、(メタ)アクリル酸アミド型、(メタ)アリルア
ルコール型、ビニルエーテル型などが挙げられる。なお
前記不飽和単量体と酢酸ビニル以外に、他の共重合成分
を30モル%以下共重合してもよい。これらの他の共重
合成分としては、カルボン酸のビニルエステル、アルキ
ルビニルエステル、アルキルアリルエーテル、エチレン
性不飽和カルボン酸アルキルエステル、飽和カルボン酸
のアリルエステル、α−オレフィン、エチレン性不飽和
カルボン酸などが挙げられる。前記成分を反応させて得
られた共重合体はアルコールに溶解しアルカリ触媒の存
在下でケン化されて変性ポリビニルアルコールが得られ
る。
アルコールとしては、コーティング時の必要最小限の粘
性や薄膜形成能力などを考慮して、オキシアルキレン基
を含有する不飽和単量体が0.01〜50モル%、好ま
しくは0.01〜20モル%、特に0.01〜10モル
%共重合したものが望ましく、重合度は500以上、特
に700以上、ケン化度は50モル%以上、特に75モ
ル%以上、さらに90モル%以上が好ましい。
感光性樹脂積層体における粘着防止層として用いられる
が、該積層体としては少なくとも支持体上に接着層、感
光性樹脂層、粘着防止層およびカバーフイルムから構成
され、その製造法としてはカバーフイルムに予め、粘着
防止層を塗布し、一方支持体に予め接着層を塗布したも
のを準備してから感光性樹脂組成物を中心に両層材料を
圧着などの方法で積層する方法が普通行なわれている。
や耐熱性、機械的性能の上からポリエチレンテレフタレ
ートフイルムが最適であるが、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリスチレンその他の剥離可能な材料であれば
単一又は積層コートされたものを使用することができ
る。又カバーフイルムの表面は平滑でも良いが、表面粗
度が5μ以下のいわゆるマット状であればより好まし
い。該カバーフイルム上に本発明組成物を塗布する際、
変性ポリビニルアルコールを1〜10%、好ましくは4
〜6%の水溶液として塗布するのが好ましい。また本発
明組成物には、カバーフイルムへの塗工性を向上させる
ために、種々の界面活性剤、消泡剤、レベリング剤、浸
透剤などを配合してもよく、さらに、水溶性の放置安定
性のため、防腐剤を配合してもよい。なお乾燥後の粘着
防止層の厚みは0.1〜10μm 、好ましくは2〜5μmであ
る。
積層体における感光性樹脂組成物は、その成分として充
填ポリマー、光硬化剤、光増感剤、重合防止剤、その他
の添加剤などを含んでいるが、その主成分である充填ポ
リマーの種類によって、たとえばポリアミド系、ポリウ
レタン系、ポリビニルアルコール系、ポリエステル系、
ポリビニル酢酸系などと称され、本発明は公知のいずれ
の感光層へ適応してもよいが、特に好ましくは、水又は
水性現像液に、溶解又は膨潤する重合体とエチレン系不
飽和化合物と(及び)もしくは疎水性重合体と光開始剤
とからなる方法で得られるものに適用できる。たとえば
特開昭60−211451号、特開昭60−173055
号等により知られている。
ば(A)ガラス転移温度が5℃以下の疎水性ポリマー、
(B)親水性ポリマー、(C)エチレン性不飽和化合
物、(D)前記成分(B)の溶解度が成分(A)の溶解
度より大である溶剤及び(E)光重合開始剤を含有した
感光性樹脂組成物や、また感光性樹脂印刷原版および印
刷版において、該感光性樹脂層中に疎水性ポリマーを主
成分とする相を、親水性ポリマーを主成分とする相が包
囲している粒子が分散相として存在していることを特徴
とする感光性樹脂組成物などが挙げられ、本発明ではこ
れらの組成物が特に好ましい。
℃以下の疎水性ポリマーとしては、汎用エラストマーと
して用いられているものが含まれる。例えば共役ジエン
系炭化水素を重合させて得られる重合体または共役ジエ
ン系炭化水素とモノオレフィン系不飽和化合物を重合さ
せて得られる共重合体、共役ジエン系炭化水素を含まな
い重合体等が挙げられる。共役ジエン系炭化水素として
は、1,3-ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が使
用される。共役ジエン系炭化水素は単独で用いてもよい
し、2種類以上混合使用してもよい。
スチレン、α−メチルスチレン、0−メチルスチレン、
m−メチルスチレン、P−メチルスチレン、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、アクリルアミド、メタクリルアミド酢酸ビニル、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等が使用さ
れる。
る重合体、又は、共役ジエン系炭化水素とモノオレフィ
ン系不飽和化合物を重合させて得られる共重合体として
は、ブタジエン重合体、イソプレン重合体、クロロプレ
ン重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−
イソプレン共重合体、スチレン−クロロプレン共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロ
ニトリル−イソプレン共重合体、アクリロニトリル−ク
ロロプレン共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン
共重合体、メタクリル酸メチル−イソプレン共重合体、
メタクリル酸メチル−クロロプレン共重合体、アクリル
酸メチル−ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル−イ
ソプレン共重合体、アクリル酸メチル−クロロプレン共
重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重
合体、アクリロニトリル−イソプレン−スチレン共重合
体、アクリロニトリル−クロロプレン−スチレン共重合
体等があげられる。
して塩素を特定量含有するエラストマー及び非共役ジエ
ン系炭化水素を挙げることが出来る。ゴム弾性を示すも
のは、塩素含有率が50〜10重量%で、かつガラス転移温
度(以下Tgという)が5℃以下のポリマーであり、例え
ば塩素原子を含有する単量体の重合、又は塩素原子を含
有する単量体と共重合しうる他の単量体との共重合から
得られる。又、塩素又は塩素を含む活性物質と塩素原子
を含有しない重合体を反応することからも得られる。具
体的には下記のものを挙げることができる。エピクロル
ヒドリン重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキシ
ド共重合体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキシド
共重合体および、又はこれらとアリルグリシジルエーテ
ルの共重合体であるエピクロルヒドリンゴム〔大阪曹達
工業株製エピクロマー、Goodvich株製 HYDRIN、日本ゼ
オン株製 GECHRON、ゼオスパン、Hercules株製 HERCLO
R〕、塩素化ポリエチレン〔昭和電工株製、エラスレ
ン、大阪曹達工業株製 ダイソラック、Hoechst株製 HO
RTALITZ、Dow Chemical株製 DOWCPE〕、塩化ビニル共重
合体、塩化ビニリデン、塩化化ポリプロピレン、塩素化
エチレン−プロピレンゴムなどが挙げられ、これらのポ
リマーは単独でも、二種以上組合せて用いてもよい。ポ
リマーの塩素含有率は、10〜50重量%、好ましくは15〜
40重量%であり、この範囲をはずれると、その柔軟性が
損なわれたり、熱安定性が悪くなって、感光性樹脂組成
物が硬すぎたり、着色が生じ易くなるので好ましくな
い。なお塩素原子を含む共役ジエン系炭化水素重合体又
はその共重合体は主鎖中に炭素不飽和結合を含有するの
で、耐候性などの化学安定性が飽和結合のみの場合より
劣る欠点がある。また光照射後の感光性樹脂組成物の物
性は本発明における(A)成分の性質に大きく依存する
ので、(A)成分が本質的にゴム弾性体であることが好
ましい。そのため、そのTgは5℃以下が必要であり、特
に−10℃以下が好ましい。
は、前記(A)成分であるポリマーのみならずこれと相
容性の良好かつ耐オゾン性のあるエラストマー、たとえ
ばアクリルゴム、ポリウレタン系エラストマーなどをブ
レンドしてもよい。なお(A)成分の全組成物中の含有
率は、印刷版としての物性および形状保持性を考慮して
20重量%以上、特に30重量%以上が好ましく、また光重
合性の点からみて、80重量%以下、特に70重量%以下が
好ましい。
または水を主成分として、アルカリ性水溶液、酸性水溶
液、有機溶剤、又は界面活性剤等を含む現像液に可溶あ
るいは膨潤(分散)するポリマーを意味し、−CO2M基、
−SO3M基、(Mは水素原子、周期表第I、II、III 族元
素、アミン、アンモニウムを示す)−NH2、−OHなどの
親水基を有し、かつ鎖状で架橋の無いポリマーである。
このような親水性ポリマーの例として、ポリビニルアル
コール(PVA) カルボキシメチルセルロースなどの汎用樹
脂の他に(メタ)アクリル酸とジエン化合物を共重合さ
せたジエン系ゴム、無水マレイン酸で変性した液状ポリ
ブタジエン、又特に効果的な骨格としては−COOM(Mは
水素原子、周期表第 I、II、III 族元素、アミン、ア
ンモニウムを示す)を50〜50,000当量/106g有するポリ
マーであり、前記周期表第I、II、III 族元素として
は、ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金
属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金
属、ホウ素、アルミニウムなどが挙げられる。なお本発
明において−COOM基が50当量/106g未満では水に対する
親和性が劣り中性水で現像することが難しく、一方50,0
00当量/106gを超えると、耐水系インキ性が劣るので好
ましくない。
含有ポリウレタン、−COOM基含有ポリウレアウレタン、
−COOM基含有ポリエステル、−COOM基含有エポキシ化合
物、−COOM基含有ポリアミド酸、−COOM基含有アクリロ
ニトリル−ブタジエンコポリマー、−COOM基含有スチレ
ン・ブタジエン・コポリマー、−COOM基含有ポリブタジ
エン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウ
ム、ポリビニルアルコール(PVA) 、カルボキシメチルセ
ルロース(CMC) 、ヒドロキシエチルセルロース(HEC) 、
メチルセルロース(MC)、ポリエチレンオキサイド、ポ
リエチレンイミン、及び該化合物誘導体等が使用g きる
が、これらに限定されるものではない。
ボキシル基の少なくとも一部を中和するために使用され
る化合物としては、水酸化リチウム、水酸化カリウム、
水酸化ナトリウム等アルカリ金属の水酸化物、炭酸リチ
ウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の炭酸アルカリ
金属塩、カリウムt−ブトキサイド、ナトリウムメトキ
サイド等のアルカリ金属のアルコキサイド、水酸化カル
シウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の
多価金属の水酸化物、アルミニウムイソプロポキサイド
を始めとする多価金属アルコキサイド、トリエチルアミ
ン、トリn−プロピルアミン等の第3級アミン、ジエチ
ルアミン、ジ−n−プロピルアミン等第2級アミンエチ
ルアミン、n−プロピルアミン等第1級アミン、モルホ
リン等の環状アミン、N,N-ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレート等アミノ基含有(メタ)アクリレート、炭
酸アンモニウム等、アンモニウム塩、等を挙げることが
出来る。これらは、単独あるいは複数種組み合せて使用
してよい。また前記親水性ポリマーは−COOM基以外に親
水部としてポリオキシアルキレン鎖を有していてもよ
く、また架橋剤として作用できるようにエチレン性不飽
和基を含有していてもよい。
以外に例えば、水酸基、アミノ基、スルホン酸基等の親
水性基および/あるいはポリオキシアルキレン鎖を有す
るポリマーなどを併用してもよい。なお(B)成分の全
組成物中の含有率は、水系現像性や耐水系インク性を考
慮して、5〜50重量%、特に7〜40重量%がさらに7〜
30重量%が特に好ましい。また(B)成分の全組成物中
の含有率は、(A)成分より少ないことが必須であり、
(A)成分より多いと耐水系インク性が悪くなる。
なくとも1個の末端エチレン性基を含有するものであ
り、この化合物は遊離ラジカル開始された連鎖生長付加
重合により高分子重合体を形成し得るものである。適当
なエチレン性不飽和化合物はポリオール類の不飽和エス
テル、特にα−メチレンカルボン酸とのかかるエステル
類であり、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、グリセロールジアクリレート、1,3-プロパンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メ
タ)アクリレート、1,2,4-ブタントリオールトリ(メ
タ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、1,6-メキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレートジアリルフタレート、フマル酸ジエチルエステ
ル、マレイン酸ジブチルエステルなどが挙げられ、また
N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ラ
ウリルマレイミドなどのN置換マレイミド化合物、オリ
ゴニトリル・ブダジエンジ(メタ)アクリレート、オリ
ゴニトリル・ウレタン(メタ)アクリレート、オリゴウ
レタンジ(メタ)アクリレート、オリゴブタンジエンジ
(メタ)アクリレート、オリゴブタジエン・ウレタンジ
(メタ)アクリレートなどのオリゴ(メタ)アクリレー
トが挙げられ、これらは単独でも組合せて用いてもよ
い。
量%が好ましく、1重量%より少ないと光重合性に支障
が出るため、現像後に画像が残らなくなる。逆に50重量
%より多いと形状保持性に支障が出る。また光照射後の
版が硬く、脆くなるため、フレキソ印刷用版材としては
不向きになるので好ましくない。さらに望ましくは5〜
40重量%である。
分(A)の溶解度より大である溶剤としては、極性の高
い溶剤が挙げられる。即ち親水性ポリマー(B)成分を
膨潤、分散、溶解するが、疎水性ポリマーに対する膨潤
度が小さい溶剤である。このような溶剤として具体的に
は、水、炭素数が1〜5であるアルコール等を挙げるこ
とが出来、前記水にはアルキルベンゼンスルホン酸ソー
ダ、アルキルナフタレンスルホン酸ソーダ、アルキルス
ルホン酸ソーダ、アルキルエーテルスルホン酸ソーダな
どの界面活性剤や脂肪酸、水酸化リチウム、水酸化カリ
ウム、水酸化ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、炭酸ナト
リウム、酢酸ナトリウム、酢酸マグネシウムあるいはそ
れらの塩を含有していても良い。またアルコールとして
はメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアル
コール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、
イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、ペンチ
ルアルコール、ネオペンチルアルコールなどが挙げられ
る。更には(D)の要件を満たすものであれば、エステル
系、ケトン系、アミド系溶剤等を挙げることが出来る。
具体的には酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、
メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルブチルケトン、ホルムアミド、
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが挙
げられる。これらの溶剤は単独あるいは組み合せて混合
溶剤として使用することが出来る。
現上全組成物中に含有される量が限定され、その範囲
は、全組成物に対して0.001重量%〜5重量%であり好
ましくは、 0.001重量%〜2.0 重量%未満である。(D)
成分の含有量が全組成物に対して5重量%を越えると、
光重合前の原版が軟くなりコールドフロー、塑性変形等
が発生することになり、また光重合、製版後のレリーフ
として、凸部の変形(いわゆるロースポット)を生じ、
鮮明な画像を得ることが出来ない。
ベンゾフェノン類、ベンゾイン類、アセトフェノン類、
ベンジル類、ベンゾイン・アルキル・エーテル類、ベン
ジルアルキルケタール類、アントラキノン類、チオキサ
ントン類等が挙げられる。具体的には、ベンゾフェノ
ン、クロルベンゾフェノン、ベンゾイン、アセトフェノ
ン、ベンジルベンゾイン、メチルエーテル、ベンゾイン
エチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベ
ンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケター
ル、ベンジルジエチルケタール、ベンジルジイソプロピ
ルケタール、アントラキノン、2−クロルアントラキノ
ン、チオキサントン、2−クロル・チオキサントン等が
ある。これらは組成物中、0.01〜5重量%含有されるの
が好ましい。0.01%より少ないと光重合開始能に支障が
出、5%より多いと、自ら庶光により硬化深度が得られ
なくなり、現像により画像が欠け易くなるので好ましく
ない。さらに望ましくは0.1〜3重量%である。
合のみを防止するために、前記要件(A)〜(E)以外
に、(F)熱重合禁止剤を0.001〜5重量%含有させて
もよい。有用な熱重合禁止剤としては例えば、ハイドロ
キノン、ハイドロキノンモノエチルエーテル、カテコー
ル、p−t−ブチルカテコール、2,6-ジ−t−ブチル−
p−クレゾールなどが挙げられる。
液状ポリブタジエンゴム、液状ポリアクリロニトルブタ
ジエンゴム、液状ポリスチレンブタジエンゴム、液状イ
ソプレンゴム等の、液状ゴムやポリビニルクロライド、
塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、等の比較
的低分子量のエラストマー、シリカ、硅藻土等の微粉体
等を含有することができる。
版および印刷版を作成する方法としては、前記各組成分
を任意の順序により適当な溶剤、例えばテトラヒドロフ
ラン、ジオキサン、メチルエチルケトン、トルエンシク
ロヘキサノン、クロロホルム等及び水、アルコールを始
めとする親水性ポリマーを膨潤、分散、溶解させる溶剤
すなわち(D)成分に通常の条件で溶解混合し、溶剤を
除去して後適当な支持体、例えばポリエステル、ポリエ
チレン、ポリプロピレンなどのフイルムに加熱、圧着す
ることにより作成することが出来る。支持体と異なる面
に、本発明組成物である可塑剤を含むヒドロキシアルキ
ルセルロース塗布膜を感光性樹脂面になるようにコート
したカバーフイルムを圧着して感光性樹脂の積層体を作
成する。
原版を硬化させる際に使用される紫外線は150 〜500mμ
の波長、特に300 〜400mμの波長領域のものが有効であ
り、使用される光源としては低圧水銀灯、高圧水銀灯、
カーボンアーク灯、紫外線けい光灯、ケミカルランプ、
キセノンランプ、ジルコニウムランプなどが望ましい。
前記感光性樹脂印刷原版は上記光源を用いて透明画像を
有するネガフイルムを当てて紫外線を照射し画像露光さ
せた後、露光されない非画像部を約25℃〜45℃で現像液
を用いて除去することにより、鮮明なレリーフ画像を有
する本発明印刷版が得られる。
pH5.0 〜9.0の水が最適であり、該水を主成分として、
水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ性化合
物、界面活性剤、水溶性有機溶剤等を含有してもよい。
なお上記界面活性剤としては、アルキルナフタレンスル
ホン酸ソーダ、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ等が
最適であり、他に、アニオン系界面活性剤、ノニオン系
界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤が
使用できる。
現像液を露光した感光性樹脂印刷原版にブラシを接触さ
せながら浸漬又は噴霧して実施される。現像液の接触に
よって、本発明組成よりなる粘着防止層は膨潤、ゼイ化
し、ブラシがけで容易に除去され、次いで非露光部分が
除去される。
とした後、更に付着した水をふき取り乾燥する。乾燥は
強制空気又は赤外線で行うが、特にその条件は制約され
ない。乾燥後の版は露光に用いた光源によって更に露光
するいわゆる後露光操作によって、完全に硬化される。
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお実施例中、部とあるのは重量部を意味する。
%以上の変性ポリビニルアルコール〔日本合成化学工業
(株)製 OKS−9067N〕を15部添加し、70
〜80℃の温湯バス中で約1時間攪拌して水溶液を得
た。次にこの水溶液を毎分6mの速度で125μのケミ
カルマットしたポリエチレンテレフタレートフイルム
(東洋クロス(株)製 TC−5000)上にロールコ
ーターでコートし、100℃で乾燥させた。このように
して得られた粘着防止層は、2.0μmの厚みであっ
た。
%以上の変性ポリビニルアルコール〔日本合成化学工業
(株)製 OKS−9067N〕を15部添加し、実施
例1と同様にして溶解後、界面活性剤〔ライオン(株)
製 サンノールPP−2030を0.25部添加し、室
温で約30分間攪拌した。この水溶液を用いて実施例1
と同様にして乾燥したところ1.8μm厚みの粘着防止
層を得た。
%以上の変性ポリビニルアルコール〔日本合成化学工業
(株)製 OKS−9013N〕を15部添加し、実施
例1と同様にして溶解後、コートおよび乾燥して1.8
μm厚みの粘着防止層を得た。
上の変性ポリビニルアルコール〔日本合成化学工業
(株)製 OKS−9067G〕を15部添加し、実施
例1と同様にして溶解後、コートおよび乾燥して2.0
μm厚みの粘着防止層を得た。
ヘキサメチレンジイソシアネート21.8部、ジメチロ
ールプロピオン酸15.4部、ポリテトラメチレングリ
コール(PG−100 日本ポリウレタン工業(株)
製)7.6部、およびジラウリン酸ジ−n−ブチルスズ
1.0部をテトラヒドロフラン300部に溶解した溶液
を攪拌機の付いた1lフラスコに入れ、攪拌を続けなが
らフラスコを65℃に加熱し3時間反応を続けた。別の
容器で、末端アミノ基含有アクリロニトリル・ブタジエ
ンオリゴマー(Hycar ATBNX 1300×1
6宇部興産(株)製)55.3部をメチルエチルケトン
100部に溶解して調整した溶液を上記の1lフラスコ
内に室温下で攪拌しながら添加した。得られたポリマー
溶液を減圧乾燥してテトラヒドロフラン、メチルエチル
ケトンを除去し、数平均分子量が21000のポリマー
を得た。次に該ポリマー100部をメチルエチルケトン
100部に溶解した溶液に、水酸化リチウム4.8部を
メチルアルコール100部に溶解した溶液を室温下で攪
拌しながら添加し、さらに30分間攪拌することによっ
て親水性ポリマー〔I〕を得た。
ポリマーとして、塩素化ポリエチレン(H−135 大
阪曹達(株)製)45部、スチレン・ブタジエンゴム
(JSR1507 日本合成ゴム(株)製)15部、ブ
タジエンオリゴアクリレート(PB−A 共栄社油脂
(株))28.5部、ベンジルジメチルケタール(イル
ガキュア651、チバガイギー(株)製)1部およびハ
イドロキノンモノメチルエーテル0.5部をトルエン4
0部、水10部に溶解、分散させ、加熱ニーダーを用い
て105℃で混練し溶解し脱泡後、感光性樹脂組成物を
得た。
ス機で100℃、150Kg/cm2 の圧力で、125
μ厚みのポリエステルフイルムと、実施例1〜4で得ら
れた粘着防止層を有するケミカルマットポリエステルフ
イルム間で、粘着防止層が感光性樹脂と接するように1
0秒間加熱加圧して厚さ2.0mmのシート(印刷原
版)を作成した。次にそれぞれの最上層のカバーフィル
ムであるポリエステルフイルムの剥離強度を測定したと
ころ、実施例1では6g/cm、実施例2では3g/c
m、実施例3では7g/cmであり、剥離は容易であっ
た。なお実施例4の剥離強度は10g/cmであった
が、剥離できないものではなかった。さらに実施例1〜
4で得られた粘着防止層の表面を観察したところ平滑で
鏡面状の表面を示し、触手による粘着性はなかった。ま
たポリエステルフイルムを剥離した感光性樹脂層上の小
ジワの発生具合を観察したところ、平坦の場合、実施例
1〜4共に小ジワの発生は全く認められなかった。さら
に感光性樹脂を内側に曲げ、小ジワの発生する角度を測
定したところ、それぞれ20〜30度で問題問題になる
ようなシワの発生はなかった。次に前記2.0mm厚み
のシートを30℃/85%RH及び50℃で加熱加湿下
3週間放置してカバーフィルムの剥離性およびカバーフ
ィルム剥離後の感光性樹脂層表面の粘着性を評価したと
ころ、いずれも全く問題はなかった。
ネガフイルムをその上に密着して水銀灯(大日本スクリ
ーン社製)で、照度25W/m2 、5分間露光を行っ
た。ネガフイルムを除いた後、アルキルナフタレンスル
ホン酸ソーダ2重量%を含有する中性水で40℃15分
間、ブラシによる現像を行ったところ、レリーフ(印刷
版)の深度0.8mmの画像パターンが得られた。この
画像パターンは使用したネガフイルムの画像を忠実に再
現していた。また得られたレリーフはインキの受理転移
性もよく、鮮明な画像を示していた。
ン化度86.5〜89mol%のポリビニルアルコー
ル〕5部を94.1部の純水に80℃で加熱攪拌して完
全に溶解させた。この溶液に分子量1000のポリエチ
レングリコール0.88部を混合溶解した。この溶液か
らワイヤーバーによって125μ厚みのポリエチレンテ
レフタレートフイルム上に2.5μの厚みのポリエチレ
ングリコール8%を含む粘着防止層を作成した。参考例
1に記載した方法でこの粘着防止層を感光性樹脂層に積
層させて、カバーフイルムであるポリエチレンテレフタ
レートフイルムを剥離したところ剥離できず、ポリエス
テルフイルムを剥離した時、その表面は人体皮フ表面状
の大きなシワが発生した。また参考例1と同様にして露
光・現像を行ったところ、光硬化した画像の表面はシワ
が残り、印刷物にはインキの転移斑が認められた。
性を有し柔軟性に優れた変性ポリビニルアルコールを用
いているので、カバーフイルムを剥離する時に剥離力が
小さくてすみ、より少い力で剥離しやすくなる効果があ
る。また本発明の粘着防止層組成物によって得られるも
う一つの効果は感光性樹脂積層体のカバーフイルムを剥
離した時に感光性樹脂層上に残る粘着防止層がシワを発
生せずにカバーフイルムを剥離できることにある。この
ことは製版作業を容易にすると共に印刷物の信頼性を向
上するものである。さらに本発明粘着防止層組成物は、
湿度や温度による影響を全く受けないので、その作業環
境が広がり、産業界に寄与すること大である。
Claims (1)
- 【請求項1】 水系処理液で現像可能な感光性樹脂印刷
版用の粘着防止層組成物であって、該組成物に、オキシ
アルキレン基を含有する不飽和単量体と酢酸ビニルとの
共重合体をケン化することによって得られた変性ポリビ
ニルアルコールが含有されていることを特徴とする感光
性樹脂印刷版用粘着防止層組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7515492A JP3166873B2 (ja) | 1992-02-25 | 1992-02-25 | 感光性樹脂印刷版用粘着防止層組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7515492A JP3166873B2 (ja) | 1992-02-25 | 1992-02-25 | 感光性樹脂印刷版用粘着防止層組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05232708A JPH05232708A (ja) | 1993-09-10 |
JP3166873B2 true JP3166873B2 (ja) | 2001-05-14 |
Family
ID=13568008
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7515492A Expired - Fee Related JP3166873B2 (ja) | 1992-02-25 | 1992-02-25 | 感光性樹脂印刷版用粘着防止層組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3166873B2 (ja) |
-
1992
- 1992-02-25 JP JP7515492A patent/JP3166873B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05232708A (ja) | 1993-09-10 |
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