JP3166625B2 - ドアパネルの構造 - Google Patents

ドアパネルの構造

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JP3166625B2 JP19045996A JP19045996A JP3166625B2 JP 3166625 B2 JP3166625 B2 JP 3166625B2 JP 19045996 A JP19045996 A JP 19045996A JP 19045996 A JP19045996 A JP 19045996A JP 3166625 B2 JP3166625 B2 JP 3166625B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のドアパネ
ルの構造に関し、詳しくはドアハンドル近傍のドアパネ
ルの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車のフロントドアは、外側からキー
シリンダで施錠するのが面倒な場合に、車室内のドアロ
ックを施錠状態にして、ドアハンドルを引いた状態のま
までドアを閉めると施錠されるキーレスロック機構を採
用している。キーレスロック機構を使用してドアをロッ
クするときに、親指をドアハンドルの上方のドアアウタ
パネルに押し付けるので、この部分がへこみ、ドアアウ
タパネルの耐デント性が低いという問題点があった。そ
こで、実開平4−45121号公報に、ドアハンドルの
上方のドアアウタパネル内面にリンフォースを設けたド
アパネルの構造が提案されている。このドアパネルの構
造では、ドアハンドル上方のドアアウタパネル内面に接
合材を介してリンフォースが接合されている。リンフォ
ースの上端部はドアアウタパネルの上端部に、リンフォ
ースの下端部はドアアウタパネルに形成されているドア
ハンドル取付けフランジにそれぞれ溶接されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ドアパネルの構造では、リンフォースの上下端部を溶接
によりドアアウタパネルに固定している。特に、リンフ
ォースの下端部をドアハンドル取付けフランジに溶接し
ているため、次の問題点が発生する。 1.溶接によりドアハンドル取付けフランジの表面に歪
みが発生し、ドアハンドルをドアハンドル取付けフラン
ジに取り付けるときに、ドアハンドルがドアハンドル取
付けフランジに密着せず、ドアハンドルとドアハンドル
取付けフランジとの間に隙間を生じ、ドアハンドルの取
付け不良が発生する点。 2.補強部材をドアハンドル取付けフランジに溶接する
溶接面が小さいので、溶接作業性が低く、多くの工数を
要し、また、溶接の際にドアアウタパネル接合面のねじ
り等の影響でドアアウタパネルの表面に歪みが発生し、
品質感が損なわれる点。 3.リンフォースとドアアウタパネルとの間の接合材が
硬化したとき、リンフォースに引け現象が発生してドア
アウタパネルの表面に歪みが発生し、品質感が損なわれ
る点。
【0004】よって、本発明の目的は、ドアハンドルの
取付け不良を防止し、溶接作業性を向上し、ドアアウタ
パネルに対する引け現象を防止するドアパネルの構造を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ドア
ハンドルを有するアウトサイドハンドルの上方であって
ドアアウタパネルの内面に、接合材を介してリンフォー
スが接合されているドアパネルの構造において、リンフ
ォースの下端をアウトサイドハンドルのドアアウタパネ
ルへの固定部まで延長し、接合材が硬化した後に、この
リンフォースの下端と上記ドアアウタパネルと上記アウ
トサイドハンドルとを共締めすると共にリンフォースの
下端にボルトのねじ径より大径の孔を設けている。
【0006】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。図1において、符号1は車両のフロントドアを
示す。フロントドア1は、フロントドア1の外形を形成
するドアアウタパネル2、ドアロックやウインドレギュ
レータ等が取り付けられる図示しないドアインナパネ
ル、ウインドガラス3を案内するとともに保持するサッ
シュ4、ドアアウタパネル2の上端縁を覆うベルトライ
ンモールディング5及びフロントドア1を開閉操作する
ハンドル部6から主に構成されている。
【0007】ハンドル部6は、手で挾持するドアハンド
ル7と、このドアハンドル7をドアアウタパネル2に取
り付けるアウトサイドハンドル8とから構成されてい
る。図2に示すように、アウトサイドハンドル8のドア
ハンドル7の両側には、アウトサイドハンドル8をドア
アウタパネル2に取り付ける固定部9がそれぞれ設けら
れている。固定部9には、ナット10がアウトサイドハ
ンドル8の内側からそれぞれ埋設されており、ナット1
0とアウトサイドハンドル8とは、実質的に一体結合し
ている。アウトサイドハンドル8には、フロントドア1
の施錠及び解錠を行うキーシリンダ11が設けられてい
る。
【0008】ドアハンドル7の上方であってドアアウタ
パネル2の内面には、ベルトラインリンフォース12
(以下、単にリンフォースという)が配設されている。
リンフォース12は、フロントドア1の長さと略同じ長
さを有しており(図1参照)、フロントドア1の剛性を
向上するとともに、ドアハンドル7上方の部位の耐デン
ト性を向上する。
【0009】ドアアウタパネル2の内面とリンフォース
12との間には、接合材としてのマスチックシーラ13
が介在されており、マスチックシーラ13によって、ド
アアウタパネル2とリンフォース12とは一体結合され
ている。
【0010】図3において、リンフォース12の上端部
は、ドアアウタパネル2の上端部にスポット溶接されて
いる。リンフォース12の下端部には、このリンフォー
ス12を固定するための、アウトサイドハンドル8の固
定部9まで延出している延長部としての取付け片14が
それぞれ設けられている。取付け片14には、ナット1
0のねじ径よりも大きい径の孔14aが穿設されてい
る。孔14aの孔径は、マスチックシーラ13の硬化に
よる引け現象により、取付け片14の位置が移動して
も、取付け片14の固定を可能とするために余裕を持っ
ている。
【0011】取付け片14は、アウトサイドハンドル8
をドアアウタパネル2に取り付けるときに、ナット10
とボルト15によって、アウトサイドハンドル8ととも
にドアアウタパネル2に締結固定される。
【0012】次に、リンフォース12のドアアウタパネ
ル2への取付けについて簡単に説明する。まず、作業者
は、リンフォース12のドアアウタパネル2への取付け
面に適量のマスチックシーラ13を塗布する。次に、作
業者は、このリンフォース12をドアアウタパネル2の
内面に接合するとともに、リンフォース12の上端部を
ドアアウタパネル2の上端部にスポット溶接する。
【0013】溶接工程終了後、車体は塗装工程に搬送さ
れ、車体には焼き付け塗装が行われる。焼き付け塗装時
に、マスチックシーラ13が加熱硬化することにより、
リンフォース12の下端部に引け現象が発生し、取付け
片14が僅かながら移動することがある。
【0014】塗装工程終了後、作業者は、アウトサイド
ハンドル8をドアアウタパネル2へ取り付ける。このと
き、取付け片14を、ナット10とボルト15によっ
て、アウトサイドハンドル8とともにドアアウタパネル
2に締結固定する。
【0015】その後、ドアハンドル7、サッシュ4、ド
アロック及びウインドレギュレータ等の取付けを行うと
ともに、ドアアウタパネル2の上端縁にベルトラインモ
ールディング5を取り付ける。ベルトラインモールディ
ング5を取り付けることによって、リンフォース12と
ドアアウタパネル2との上端部の溶接部が覆い隠され
る。
【0016】以上説明したドアパネルの構造によって、
リンフォース12の下端部を溶接による固定ではなく、
締結による固定としたので、溶接による歪みの発生を無
くすことができるとともに、アウトサイドハンドル8の
取付け性を向上することができる。また、溶接箇所が減
るので、溶接に要する工数を低減することができる。さ
らに、マスチックシーラ13の加熱時に、リンフォース
12の下端部が固定されていないので、マスチックシー
ラ13の加熱硬化によるリンフォース12の変形は、取
付け片14の移動によって吸収される。したがって、ド
アアウタパネル2の引け現象の発生が防止されてドアア
ウタパネル2の表面の歪みも防止され、ドアアウタパネ
ル2の品質感を向上できる。
【0017】前述の実施例では、リンフォース12は、
フロントドア1の長さと略同じ長さを有していたが、要
はキーレスロック機構を使用してフロントドア1をロッ
クするときに力が加わる部分を補強すれば良く、リンフ
ォース12は、アウトサイドハンドル8と略同様の長さ
でも良い。また、リンフォース12の下端部を、アウト
サイドハンドル8の両側の固定部9によってそれぞれ固
定していたが、リンフォース12の取付け片14を一つ
省略して、リンフォース12の下端部を一方の固定部9
のみで固定しても良い。この際、左右ドアに係わらずア
ウトサイドハンドル8の車体前側の固定部9を使用す
る。これは、キーレスロック機構を使用してフロントド
ア1をロックするときに力が加わる部分が、ドアハンド
ル7の上前方であるためである。なお、前述の実施例で
は、フロントドアのドアハンドル部の補強について説明
したが、リヤドアやバックドア等のドアハンドルの補強
にも適用できることは勿論である。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、リンフォースの下端をアウトサイドハンドルの
ドアアウタパネルへの固定部まで延長し、接合材が硬化
した後に、このリンフォースの下端と上記ドアアウタパ
ネルと上記アウトサイドハンドルとを共締めすると共に
リンフォースの下端にボルトのねじ径より大径の孔を設
たので、接合材の硬化時には、リンフォースの下端部
が固定されておらず、接合材の硬化(引け現象)により
リンフォースに変形が生じたときには、その変形はリン
フォースの下端部が移動することによって吸収される。
したがって、ドアアウタパネルの引け現象の発生が防止
されてドアアウタパネルの表面の歪みも防止され、ドア
アウタパネルの品質感を向上できるとともに、リンフォ
ースの取付け剛性が向上し、耐デント性を向上すること
ができる。また、従来必要としていたリンフォースの下
端部を溶接する必要がなくなったので、リンフォースの
下端部における溶接による歪みの発生を無くすことがで
きるとともに、アウタサイドハンドルの取付け性を向上
することもできる。さらに、溶接箇所が減るので、溶接
による工数も低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車のフロントドアの正面図である。
【図2】図1におけるドアハンドル近傍の拡大図であ
る。
【図3】図2におけるIII−III断面図である。
【符号の説明】
2 ドアアウタパネル 6 ハンドル部 7 ドアハンドル 8 アウトサイドハンドル 9 固定部 10 ナット 12 ベルトラインリンフォース 13 マスチックシーラ 14 取付け片 14a 孔 15 ボルト
フロントページの続き (56)参考文献 実開 平4−45121(JP,U) 実開 平4−127014(JP,U) 実開 昭58−76416(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60J 5/04 B60J 5/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ドアハンドルを有するアウトサイドハンド
    ルの上方であってドアアウタパネルの内面に、接合材を
    介してリンフォースが接合されているドアパネルの構造
    において、 上記リンフォースの下端を、上記アウトサイドハンドル
    の上記ドアアウタパネルへの固定部まで延長し、上記接
    合材が硬化した後に、このリンフォースの延長部と上記
    ドアアウタパネルと上記アウトサイドハンドルとを共締
    めすると共にリンフォースにボルトのねじ径より大径の
    孔を設けたことを特徴とするドアパネルの構造。
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