JP6764294B2 - 車両用ドア - Google Patents

車両用ドア Download PDF

Info

Publication number
JP6764294B2
JP6764294B2 JP2016186576A JP2016186576A JP6764294B2 JP 6764294 B2 JP6764294 B2 JP 6764294B2 JP 2016186576 A JP2016186576 A JP 2016186576A JP 2016186576 A JP2016186576 A JP 2016186576A JP 6764294 B2 JP6764294 B2 JP 6764294B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reinforcement
door
vehicle
frame
extension member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016186576A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018052140A (ja
Inventor
毅成 小林
毅成 小林
研太郎 山崎
研太郎 山崎
誠 関井
誠 関井
隼騎 岡嶋
隼騎 岡嶋
信介 齊藤
信介 齊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Subaru Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Subaru Corp filed Critical Subaru Corp
Priority to JP2016186576A priority Critical patent/JP6764294B2/ja
Publication of JP2018052140A publication Critical patent/JP2018052140A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6764294B2 publication Critical patent/JP6764294B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、車両用ドア、特に衝突時の不用意なドアの開放の抑制と車体への荷重分散と車室内空間の保持とが可能な車両用ドアに関する。
既存の車両用ドアでは、衝突時にドアビームの取付部位が変形して、ドアビームによる所望の支持反力を得ることが困難となる場合があった。
衝突エネルギー吸収性能が高い車両用ドアとして、ドアアウタパネルとドアインナパネルとの間に配置される骨格材におけるドアビーム取付部位に脆弱部を備える車両用ドアが知られている(特許文献1参照)。
このような車両用ドアでは、骨格材の前部及び後部に捩れ変形を促し、骨格材の下部がサイドシルに当接させることで、ドアビームの支持反力を高め、ドアビームの曲げ変形を適正に行わせることが可能となっている。
特許第2962036号公報
上述したような従来の車両用ドアは、ドアビーム以外の部分でも荷重吸収を行ってはいるが、ドアビームでの荷重吸収に大きく依存している。
更に、衝突荷重を受けたアウタパネルは大きく変形することが多い。アウタパネルが変形すると、アウタパネルに取付けられるドアハンドルと車体側のラッチとの相対位置が変化することがある。これに起因してドアハンドルがドア開放時のように引張り操作されたように変位し、結果として衝突によってドアが開状態となる可能性があった。
よって、本発明が解決しようとする課題は、衝突時の不用意なドアの開放の抑制と、ドア全体での良好な荷重吸収と、車室内空間の保持とが可能な車両用ドアを提供することである。
前記課題を解決するための手段として、本発明に係る車両用ドアは、車体に対して取付けられる車両用ドアであって、車室内側及び車室外側に配置されるパネル部と、パネル部の間に配置される枠状のフレーム部と、フレーム部に接続される延長部材と、を備え、ドアハンドルは、フレーム部に対して延長部材を介して取付けられる。
前記課題を解決するための別の手段として、車体に対して取付けられる車両用ドアであって、車室内側及び車室外側に配置されるパネル部と、パネル部の間に配置される枠状のフレーム部と、フレーム部の少なくとも前後部に渡されて取付けられるリンフォース部と、リンフォース部に接続される延長部材と、を備え、延長部材は、フレーム部とリンフォース部との間に渡されて取付けられ、ドアハンドルは、リンフォース部に対して延長部材を介して取付けられる。
本発明に係る車両用ドアにおいて、フレーム部は、パネル部の前後部においてそれぞれ上下方向に延在する前方部及び後方部と、前方部及び後方部の下部を接続する下方部と、を有し、リンフォース部は、前方部と後方部とを前後に接続する第1リンフォースと、第1リンフォースと下方部とを上下に接続する第2リンフォースと、を有し、延長部材は、後方部と第2リンフォースとの間に渡されて取付けられることが好ましい。
本発明に係る車両用ドアにおいて、車体に対して取付部材を介して取付けられる車両用ドアであって、フレーム部は、取付部材に車幅方向で重なる第1重複部と、サイドシルに車幅方向で重なる第2重複部と、を有することが好ましい。
本発明に係る車両用ドアにおいて、前記延長部材は、前記パネル部の間においてウィンドウ部より車室外側に配置されることが好ましい。
本発明によると、板状部材のパネル部に比べて車体に対する位置ズレが生じにくい枠状のフレーム部に延長部材を介してドアハンドルが取付けられているので、衝突時に車体のラッチに対してドアハンドルの位置ズレが生じにくくなり、ドアハンドルの変位に起因するドアの開放が抑制された車両用ドアを提供することができる。
また、本発明によると、衝突荷重を枠状のフレーム部で吸収するので、ドア全体での良好な荷重吸収が可能であり、ドア全体に荷重が分散されるので車室内側へのドア自体及び衝突物の侵入が低減又は抑制されて車室内空間の保持が可能な車両用ドアを提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態である車両用ドアを備えた車両を示す側面図である。 図2は、図1に示した車両用ドアの分解図である。 図3は、図1に示した車両用ドアの断面I−Iにおける断面概略図である。 図4は、図1に示した車両用ドアの一部を示す概略図である。 図5は、本発明の他の実施形態に係る車両用ドアの一部を側面視した概略図である。 図6は、本発明の他の実施形態に係る車両用ドアの一部を側面視した概略図である。 図7は、本発明の他の実施形態に係る車両用ドアの一部を側面視した概略図である。 図8は、本発明の他の実施形態に係る車両用ドアの一部を側面視した概略図である。 図9は、本発明の他の実施形態に係る車両用ドアの一部を側面視した概略図である。
(基本実施形態の概要)
本発明に係る車両用ドアの一実施形態について、図1〜図4を参照しつつ説明する。
なお、図1は、本発明の一実施形態である車両用ドア1を備えた車両100を示す側面図である。また、図2は、図1に示した車両用ドア1の分解図である。図3は、図1に示した車両用ドア1の断面I−Iにおける断面概略図である。図4は、図1に示した車両用ドア1の一部を示す概略図である。
図1に示すように、車両100の側方には車両用ドア1、具体的にはフロントドア101とリアドア102とが設けられている。フロントドア101及びリアドア102は、車体200側方においてAピラー103とBピラー104とCピラー105とルーフピラー106とサイドシル107とで形成される開口部に対して開閉自在である。フロントドア101は、車体200に設けられるヒンジ108を介して、車体200に対して回動可能であり、リアドア102は、車体200に設けられるラッチ109を介して、車体200に対して係合・脱離が可能である。ドア表面に露出するように設けられるドアハンドル110を操作することで、ラッチ109の係合状態の解除を行うことができる。本実施形態において、該ヒンジ108及び該ラッチ109に対して軸支及び係合する部位は、後述のフレーム部3に設けられている。
なお、フロントドア101及びリアドア102は、本発明に係る車両用ドアの一例である。
次に、図2及び図3を参照しつつ車両用ドア1の内部構成について説明する。
図2に示すように、フロントドア101は、パネル部2と、フレーム部3と、リンフォース部4とを備える。
パネル部2は、車室内側及び車室外側に配置される略板状部材である。パネル部2は、後述のフレーム部3に対して車室内側に設けられるインナパネル21と、フレーム部3に対して車室外側に設けられるアウタパネル22とを有する。インナパネル21及びアウタパネル22は、既存の車両用ドアに用いられる金属製、樹脂製の板材を用いることができる。なお、インナパネル21及びアウタパネル22は、図3に示すようにフロントドア101下部においてヘム加工等によって相互に固定された状態となる。
本実施形態の車両100においては、図3に示すように、車室内側には左右のサイドシル107間に渡されるように形成されたフロア部111が設けられる。フロア部111の上面側にはシートレール112が配設され、該シートレール112上に乗員が着座可能なシートSが配置される。また、車室内側の意匠を担保すると共に、ウィンドウの昇降操作部材等を取付けるために、インナパネル21の車室内側には樹脂製のドアトリムTが設けられている。
フレーム部3は、パネル部2のインナパネル21とアウタパネル22との間に配置されるフレーム状部材、具体的には筒状部材である。フレーム部3は、パネル部2の前後部においてそれぞれ上下方向に延在する前方部31及び後方部32と、前方部31及び後方部32の各下部を接続する下方部33とを有する枠状部材である。
リンフォース部4は、フレーム部3に接続される短冊形の板状部材である。リンフォース部4は、第1リンフォース41と第2リンフォース42とを有する。第1リンフォース41は、フレーム部3における前方部31と後方部32とを接続する部材である。第2リンフォース42は、第1リンフォース41とフレーム部3の下方部33とを接続する部材である。特に図3に示すように、本実施形態においては、第1リンフォース41と、第2リンフォース42と、フレーム部3の前方部31と、後方部32とで、パネル部2の間の領域、すなわちドアの内部空間に対する開口部Oを形成する。
なお、フレーム部3及びリンフォース部4は、剛性部材として形成され、例えば車両100の側方から生じる衝突で発生する荷重がフレーム部3及びリンフォース部4に作用したときに、荷重を吸収すると共に、骨格部材等の車体構成部材に対して荷重を伝達する部材として設けられている。特に本実施形態におけるフレーム部3は筒状部位の断面形状が圧縮変形することで荷重吸収が良好となり、リンフォース部4は車室外側から内側に向かって押圧されることで接続されているフレーム部3等への荷重伝達が良好となる。
フロントドア101には板状のガラス5が配置され、ドア内部でガラス5下端部が保持部6によって固定的に保持されている。保持部6はドア内部に配置される昇降機構部7に取付けられている。昇降機構部7はアクチュエータ、適宜のワイヤ状部材、及び上下方向に延在するレール部材等を有する。ガラス5及び保持部6は、略上下方向に沿って昇降機構部7により昇降動作可能となっている。
特に図2に示すようにフロントドア101は、ドアハンドル110が延長部材8を介して取付けられる。延長部材8は、短冊形の板状部材であり、フレーム部3の後方部32とリンフォース部4の第2リンフォース42との間に渡されて固定的に取付けられるブラケットのような部材である。ドアハンドル110は、延長部材8の車室外側面に固定的に取付けられ、アウタパネル22に形成されたドアハンドル用開口部221を介してドア表面に露出する。ドアハンドル110は、既存の車両用ドアのようにアウタパネル22に対して固定的な取付けはなされておらず、アウタパネル22に着脱自在になっている。
なお、延長部材8は、リンフォース部4と同様の材料等を用いて剛性部材として形成することができ、少なくともパネル部2より高い剛性を有する。
続いて図4を参照しつつ、フロントドア101内部の部材配置と、それによる作用効果等について説明する。図4には、フレーム部3及びリンフォース部4を実線で示し、それらに対応する位置にガラス5、ヒンジ108及びラッチ109等を破線で示している。なお、図4は、車室内側から見たフロントドア101のフレーム部3及びリンフォース部4を示している。
図4に示すように、本実施形態において第1リンフォース41は略前後方向に沿って延在し、第2リンフォース42は略上下方向に沿って延在する。また、前方部31はヒンジ108に車幅方向で重なる部位である前後重複部34を有し、後方部32はラッチ109に車幅方向で重なる部位である前後重複部34を有し、下方部33はサイドシルに車幅方向で重なる下方重複部35を有する。本実施形態では前後重複部34及び下方重複部35は、フレーム部3の車室内側の面に形成される。前後重複部34は本発明における第1重複部の一例であり、下方重複部35は本発明における第2重複部の一例である。
なお、図示していないが、本実施形態において、前方部31における前後重複部34にヒンジ108に対して軸支される部位が設けられ、後方部32における前後重複部34にラッチ109に対して係合する部位が設けられている。
本実施形態における前方部31、後方部32及び下方部33を有するフレーム部3の強度としては、図1に示した車体200のAピラー103、Bピラー104及びCピラー105等の骨格部材、並びに、既存の車両用ドアの内部に前後に亘って配置されるドアビーム等よりは低くても良く、冷間プレス加工がなされたハイテン材等と同程度に設定されている。このような強度のフレーム部3は、例えば鉄、アルミニウム、又は樹脂等によって形成される。
本実施形態に係るフロントドア101を備える車両100に対して別の車両等との衝突が側方から生じると、フレーム部3の前方部31及び後方部32と、リンフォース部4の第2リンフォース42とに対して衝突荷重が作用する。前方部31及び後方部32は、荷重を吸収しつつ、フレーム部3全体に荷重を分散する。
第2リンフォース42は、接続されている第1リンフォース41と下方部33とに荷重を伝達する。更に、第1リンフォース41は接続されている前方部31と後方部32とに荷重を伝達する。下方部33は荷重を吸収しつつ、フレーム部3全体に荷重を分散する。
リンフォース部4はガラス5より車室外側に配置されているので、車両用ドア1における乗員から離れた位置で荷重を受けることができ、衝突が進んで衝突物が車室内側に侵入しようとする間は荷重を吸収し続けることができるので、大きな荷重吸収が可能である。
更に、本実施形態では第1リンフォース41がガラス5に対して車室内側にも配置されているので、フレーム部3の上部での許容される荷重吸収量を大きくすることができ、より一層のフレーム部3全体での荷重受けが可能となる。
フレーム部3は前後重複部34及び下方重複部35を有するので、リンフォース部4、フレーム部3が受けた荷重は、上記Aピラー103、Bピラー104、Cピラー105及びサイドシル107等の車体側の骨格部材に伝達することができる。このとき、前方部31及び後方部32が前後重複部34を介してヒンジ108及びラッチ109に固定されているので、フレーム部3及びリンフォース部4に対して荷重が作用し続けている間に車両用ドア1の位置ズレの発生が抑制され、結果として車体200への荷重伝達がドアの位置ズレにより不能となることを抑制することができる。
また、フレーム部3及びリンフォース部4による良好な荷重の吸収、分散及び車体200側の骨格部材等への伝達によって、車両用ドア1が衝突体に押されて車室内に侵入することを抑制可能である。すなわち、車両用ドア1は車室内空間の保持が可能となる。
衝突によって特にアウタパネル22が変形した場合であっても、ドアハンドル110は延長部材8を介してフレーム部3及びリンフォース部4に対して取付けられているので、ドアハンドル110のラッチ109に対する相対位置のズレが生じ難い。つまり、上述したようにフレーム部3は前後重複部34及び下方重複部35を有するので、フレーム部3及びリンフォース部4は車体に対する位置ズレが生じ難いので、これらに取付けられた延長部材8を介して取付状態となっているドアハンドル110も同様に車体に対する位置ズレが生じ難くなる。これにより、ドアハンドル110の変位に起因するフロントドア101の開放が抑制される。
もっとも、本発明においてはフレーム部がフレーム状及び枠状であることによって、既存の車両用ドアにおいてドアハンドルが取付けられていた板状で変形し易いアウタパネルに比べて、車体、特にラッチ等のドアの取付部材に対して位置ズレが生じ難い。つまり、本発明における延長部材は、フレーム部に取付けられることによって、車体に対するドアハンドルの位置ズレを好適に低減又は抑制することができる。また、本発明における延長部材は、リンフォース部に取付けられることによって、上記位置ズレが小さいフレーム部に対してリンフォース部を介して間接的に取付けられていることになるので、結果として上記位置ズレを好適に低減又は抑制することができる。よって、延長部材はフレーム部及びリンフォース部の少なくともいずれかに取付けられていれば良い。
なお、フレーム部3及びリンフォース部4が荷重を受けて車体200に伝達するので、パネル部2は既存のドアパネルよりも薄型化、軽量化、材料の自由化、意匠の自由化等が可能である。
(変形例)
以下に、本発明の変形例及び好適例等について説明する。
図5〜図9には、本発明に係る車両用ドアの変形例を示した。
なお、図5〜図9は、本発明のそれぞれ別の実施形態に係る車両用ドアの一部を側面視した概略図である。図5〜図9に示すフレーム部3等は、図1〜図4に示した部材と同様の部材を用いているので、共通の参照符号を付すこととし、詳細な説明を省略する。
図5に示す車両用ドアであるフロントドア201は、上述の実施形態の延長部材8の配置を変更したものである。図5に示す延長部材81における、上記延長部材8との相違点としては、リンフォース部4の第1リンフォース41と第2リンフォース42との接続部位と、フレーム部3の後方部32とを傾斜して接続している点である。これにより、第1リンフォース41と後方部32と延長部材81とで略三角形状のトラス構造を有する枠状体が形成される。
トラス構造によって、第2リンフォース42より後方側の領域が、トラス構造の無い前方側の領域よりも相対的に良好な強度を確保することができる。よって、乗員の着座領域となることの多い第2リンフォース42より後方側において、衝突時にドア自体又は衝突物の車室内側への侵入をより確実に低減又は抑制することができ、車室内空間の保持により一層寄与することができる。
なお、本発明においてフレーム部とリンフォース部と延長部材とでトラス構造を形成する形態としては、図5の延長部材81の配置、傾斜方向等に限定されず、車両毎のドアハンドルの所望の位置上に延長部材が配置可能な限り様々な延長部材の配置が可能である。
図6に示す車両用ドアであるフロントドア301は、上述の実施形態の延長部材8の配置及び大きさを変更したものである。図6に示す延長部材82における、上記延長部材8との相違点としては、フレーム部3の後方部32のみに接続されている点である。
更に図7に示す車両用ドアであるフロントドア401は、上述の実施形態の延長部材8の配置及び大きさを変更したものである。図7に示す延長部材83における、上記延長部材8との相違点としては、リンフォース部4の第1リンフォース41のみに接続されている点である。
本発明における延長部材は、フロントドア301の延長部材82、及び、フロントドア401の延長部材83のように、少なくともフレーム部3及びリンフォース部4のいずれかに接続されていれば良い。フレーム部3及びリンフォース部4は、上述したように前後重複部34、ヒンジ108及びラッチ109によって、衝突に起因したフロントドア301及び401の位置ズレの発生が抑制される。これにより、フレーム部3及びリンフォース部4は車体に対する位置ズレが生じ難いので、いずれかに取付けられた延長部材82又は83を介して取付状態となっているドアハンドル110も同様に車体に対する位置ズレが生じ難くなる。これにより、衝突に際して、ドアハンドル110の変位に起因するフロントドア101の開放が抑制される。
次に図8に示す車両用ドアであるフロントドア501は、下方重複部35に係合部36を有している。係合部36は、衝突時にサイドシル107に係合する部材である。図8に示す係合部36は、具体的には下方重複部35の表面部からサイドシル107に向かって突出するボスとして形成されている。この場合、ボスが挿入可能な孔又は溝等がサイドシル107に形成される。
フロントドア501に対して衝突が生じたときに、フレーム部3が荷重を受けて車体側に押付けられることによって、係合部36であるボスがサイドシル107の孔等に挿入されて係合状態となる。係合部36が車体と係合状態となることで、衝突荷重が作用し続けている間にフロントドア501の位置ズレの発生がより一層抑制され、車体200への荷重伝達がより一層確実に行われる。
なお、図8に係合部36をボスとして形成し、サイドシル107に挿入孔を形成する実施形態を記載したが、突起部と孔とを逆に配置しても良い。つまり、サイドシル107の板組みの内、中側に配置される板材に車室外側に向かってボスを突設し、下方部33には係合部としてボスの挿入可能な孔又は溝等を形成する形態であっても良い。この場合、衝突によって下方部33がサイドシル107に押付けられたときにサイドシル107の車室外側の板材をボスが突き破って露出し、係合部である孔又は溝にボスが挿入されて係合する。これにより、サイドシル107に孔等を形成しないので従来のサイドシル107の強度を維持しつつ、係合部による衝突時の車両用ドアの位置ズレも抑制可能となる。
本発明における係合部と該係合部に係合する部位との組合せの実施形態としては、例えばサイドシルキャッチャとそれに係合可能な部材との組合せ、フランジとそれに挿入、係止可能なスリットとの組合せ、凹凸部とそれに挿入、嵌合可能な凹凸部との組合せ等、様々に変形可能である。
続いて図9に示す車両用ドアであるフロントドア601は、第1リンフォース41に脆弱部43を有している。脆弱部43は、第1リンフォース41における第2リンフォース42の接続部位より前方に設けられる部位であり、第1リンフォース41に荷重が作用した時に変形の起点に成り得る部位である。図9に示す脆弱部43は、具体的には第1リンフォース41の表面部に略上下方向に沿った溝として形成されている。
フロントドア601に対して衝突が生じたときに、リンフォース部4が受けた荷重は、リンフォース部4自体で一部を吸収しつつフレーム部3及び車体200に伝達される。吸収及び伝達可能な大きさを超えた荷重がリンフォース部4に作用すると、脆弱部43が起点となって第1リンフォース41が変形する。このとき、第1リンフォース41は、脆弱部43に対して前側が後側より変形し易い。これは、脆弱部43に対して後側部位においては第1リンフォース41と第2リンフォース42とフレーム部3とで矩形状の枠状体が形成されるので、該枠状体での荷重分散が前側部位に比べて効率的に行われるからである。これにより、第1リンフォース41の脆弱部43より後側、つまり車室内では乗員が着座している領域のドア部材が車室内側に侵入し難いので、乗員保護の観点から好ましい。
本実施形態において脆弱部43は車室外側の第1リンフォース41に設けられている。これは、脆弱部43は、第2リンフォース42との接続配置によって第2リンフォース42からの荷重伝達が生じ得る車室外側の第1リンフォース41に形成する必要があるからである。
なお、体格、体型等を考慮に入れた乗員の着座領域と、特に乗員室内側に侵入が生じ易い衝突形態である前方からの斜め衝突、ポール衝突等の侵入想定領域とに鑑みて第2リンフォース42の前後位置が設定されるのが好ましい。よって、図9に示すような脆弱部43を設ける形態の場合は、設定された第2リンフォース42の位置に応じて脆弱部43の形成位置を設定するのが良い。
以上のように図示した実施形態以外にも、本発明の目的を達成可能な範囲で様々な形態を採用することができる。
上述した実施形態ではパネル部2とフレーム部3とは別体で形成されているが、本発明においては例えばパネル部の間に渡されるフランジ状部位とパネル部とによってフレーム部3のような筒状部位を形成して本発明のフレーム部としても良い。これにより、部品点数の削減、車両用ドアの軽量化に寄与することができる。
また、ヒンジ及びラッチとの連結部材が取付けられる部材としては、上述したフレーム部3の前後重複部34以外にも、例えばインナパネル、又はフレーム部とインナパネルとの間に適宜に設けられる他の部材等が挙げられる。フレーム部以外に連結部材が取付けられる場合であっても、フレーム部が前後重複部を有していることで衝突時のフレーム部から車体に対する荷重伝達が阻害されることは無い。
本発明に係る車両用ドアにドアビームを設けても良いが、上述したようにフレーム部及びリンフォース部により荷重吸収及び伝達がなされるので、既存の車両用ドアに比べて荷重吸収のドアビームへの依存度合いを低減することができる。
上述した実施形態においてリンフォース部4の第1リンフォース41はガラス5に対して車室内外の両側からガラス5を挟みこむように配置していたが、本発明においては第1リンフォースを車室内側のみ、又は車室外側のみに配置しても良い。
本発明において車室内側のみに第1リンフォースを配置する場合、第2リンフォースをガラスの昇降を行う昇降機構部の軌道部分と兼用することができる。更に、第1リンフォースより車室外側、つまりガラス、フレーム部及びアウタパネル等が配置される側の領域をいわゆるクラッシャブルゾーンとして利用することができるので、車両用ドアでの大きな荷重吸収量を確保することができ、特にリンフォース部より車室内側への車両用ドア及び衝突物の侵入を好適に抑制可能となる。
車室外側のみに第1リンフォースを配置する場合、リンフォース部を乗員保護に特化させることができる。つまり、リンフォース部を車室内側のみに設ける場合よりも高い強度を有する材料でリンフォース部を形成することで、本発明におけるリンフォース部での荷重吸収量を向上させ、車両用ドア及び衝突物の車室内側への侵入を好適に抑制可能となる。
上述の実施形態では車体の側方に設けられる車両用ドアを示したが、本発明は車両後方のハッチバック型車両用ドアに適用することもできる。ハッチバック型ドアに本発明が適用される場合、フレーム部の前方部及び後方部に代えて、左右両側にそれぞれ配置される上下方向に沿ったフレーム状部材が、Cピラー又はDピラーの後面側に重複して配置される。また、下方部に代えて、左右方向に沿ったフレーム状部材が、荷室の底面部を構成する部材及びその周辺の車体構成部材等に重複して配置される。更に、これらのフレーム状部材を適宜に接続するリンフォース部が配置される。これにより、フレーム部及びリンフォース部を備えたハッチバック型ドアは荷重の吸収及び車体への伝達が良好となり、後突時の車両用ドア及び衝突物の車室内側への侵入を好適に抑制可能となる。
上述の実施形態における車両100を側方視した場合に第1リンフォース41と第2リンフォース42とにより略T字型を成すリンフォース部4に代えて、第1リンフォース及び第2リンフォースの形状を適宜に変更して例えば略Y字型等の形態も採用可能である。また、上述の実施形態における車両100を側方視した場合に前方部31と後方部32と下方部33とにより角部が略直角のU字型を成すフレーム部3に代えて、角部を適宜にカットした略U字型等の形態も採用可能である。
延長部材は、上述の板形状に代えて、ドアビームと同等の材料及び形状にしても良い。これにより、衝突時の延長部材の変形がより一層抑制され、ドアハンドルとラッチとの相対的な位置ズレが更に良好に抑制される。また、ドアビームの配置高さにドアハンドルが設置可能であればドアビーム自体を延長部材としても良い。
本発明における延長部材は、ドアハンドルとウィンドウ部、特にガラスとが干渉しないように、ウィンドウ部より車室外側に設けられる。よって、延長部材がリンフォース部に接続される形態である場合は、延長部材が接続されるリンフォース部はウィンドウ部に対して車室外側に設けられる。もっとも、ウィンドウ部に対して車室内外の両側にリンフォース部が設けられ、車室外側のリンフォース部にのみ延長部材が接続されるようになっていても良い。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により、本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
1:車両用ドア、2:パネル部、21:インナパネル、22:アウタパネル、3:フレーム部、31:前方部、32:後方部、33:下方部、34:前後重複部、35:下方重複部、36:係合部、4:リンフォース部、41:第1リンフォース、42:第2リンフォース、43:脆弱部、5:ガラス、6:保持部、7:昇降機構部、8、81、82及び83:延長部材、100:車両、101、201、301、401、501及び601:フロントドア、102:リアドア、103:Aピラー、104:Bピラー、105:Cピラー、106:ルーフピラー、107:サイドシル、108:ヒンジ、109:ラッチ、110:ドアハンドル、111:フロア部、112:シートレール、200:車体、O:開口部、S:シート、T:ドアトリム

Claims (5)

  1. 車体に対して取付けられる車両用ドアであって、
    車室内側及び車室外側に配置されるパネル部と、
    前記パネル部の間に配置される枠状のフレーム部と、
    前記フレーム部に接続される延長部材と、を備え、
    ドアハンドルは、前記フレーム部に対して前記延長部材を介して取付けられる、
    車両用ドア。
  2. 車体に対して取付けられる車両用ドアであって、
    車室内側及び車室外側に配置されるパネル部と、
    前記パネル部の間に配置される枠状のフレーム部と、
    前記フレーム部の少なくとも前後部に渡されて取付けられるリンフォース部と、
    前記リンフォース部に接続される延長部材と、を備え、
    前記延長部材は、前記フレーム部と前記リンフォース部との間に渡されて取付けられ、
    ドアハンドルは、前記リンフォース部に対して前記延長部材を介して取付けられる、
    車両用ドア。
  3. 前記フレーム部は、前記パネル部の前後部においてそれぞれ上下方向に延在する前方部及び後方部と、該前方部及び該後方部の下部を接続する下方部と、を有し、
    前記リンフォース部は、前記前方部と前記後方部とを前後に接続する第1リンフォースと、該第1リンフォースと前記下方部とを上下に接続する第2リンフォースと、を有し、
    前記延長部材は、前記後方部と前記第2リンフォースとの間に渡されて取付けられる、
    請求項に記載の車両用ドア。
  4. 前記車体に対して取付部材を介して取付けられる車両用ドアであって、
    前記フレーム部は、前記取付部材に車幅方向で重なる第1重複部と、サイドシルに車幅方向で重なる第2重複部と、を有する、
    請求項1〜のいずれかに記載の車両用ドア。
  5. 前記延長部材は、前記パネル部の間においてウィンドウ部より車室外側に配置される、
    請求項1〜のいずれかに記載の車両用ドア。
JP2016186576A 2016-09-26 2016-09-26 車両用ドア Active JP6764294B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016186576A JP6764294B2 (ja) 2016-09-26 2016-09-26 車両用ドア

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016186576A JP6764294B2 (ja) 2016-09-26 2016-09-26 車両用ドア

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018052140A JP2018052140A (ja) 2018-04-05
JP6764294B2 true JP6764294B2 (ja) 2020-09-30

Family

ID=61834883

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016186576A Active JP6764294B2 (ja) 2016-09-26 2016-09-26 車両用ドア

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6764294B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3912840B1 (en) 2019-01-15 2023-07-19 Nippon Steel Corporation Automobile door

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2962036B2 (ja) * 1992-04-16 1999-10-12 日産自動車株式会社 自動車のドア構造
JP3166625B2 (ja) * 1996-07-19 2001-05-14 三菱自動車工業株式会社 ドアパネルの構造
JP2004114714A (ja) * 2002-09-24 2004-04-15 Toyota Motor Corp 車両のドア構造
UA112663C2 (uk) * 2011-09-30 2016-10-10 Арселормітталь Інвестігасіон І Десаррольо, С.Л. Легкі сталеві двері для транспортного засобу і спосіб для їх виготовлення
JP2016088215A (ja) * 2014-10-31 2016-05-23 トヨタ自動車株式会社 車両ドア構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018052140A (ja) 2018-04-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6764293B2 (ja) 車両用ドア
DE102017011779B4 (de) Seiten-Fahrzeugkarosseriestruktur für ein Fahrzeug
US9381944B2 (en) Upper vehicle-body structure of automotive vehicle provided with sun roof
EP1808362B1 (en) vehicle body
JP6040644B2 (ja) 車両の側部車体構造
US7631926B2 (en) Side impact crash event body structure improvement
US8052201B2 (en) Floor structure of cabin
JP6460135B2 (ja) 車両の側部車体構造
JP2019014354A (ja) 自動車の下部車体構造
JP2007152998A (ja) 車両の下部車体構造
JP2007022485A (ja) 車体側部構造
JP2010247795A (ja) 車両の下部車体構造
JP6178546B2 (ja) 車体構造
JP2006199173A (ja) 車体構造
JP5396945B2 (ja) 車両の車体下部構造
JP5353364B2 (ja) 車両の車体下部構造
JP2008018894A (ja) 車両フロア構造
KR101526397B1 (ko) 차체 시트 장착부 보강구조
JP6764294B2 (ja) 車両用ドア
JP6784555B2 (ja) 車両用ドア
JP2016190599A (ja) 車両のピラー構造
US11180008B2 (en) Vehicle body structure of automobile
JP5831130B2 (ja) フロントピラー構造
JP2011131685A (ja) 車両の後部車体構造
JP6281546B2 (ja) 自動車の後部車体構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190628

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200602

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200713

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200818

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200911

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6764294

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250