JP3166553U - オストメイト用便座 - Google Patents

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Abstract

【課題】人工肛門や人工膀胱を付けた患者が使用するのに便利であると共に介助人が手助けする際にも便利であり、更に、一般健常者が使用しても従来と殆ど変わらずに使用できるオストメイト用便座を提供する。【解決手段】便座本体1の前側に大きな円形部21と、便座本体1の奥側に前記円形部21よりも小さな略円形部22と、該略円形部22と前記円形部21を滑らかに接続する接続線部23とから成された穴2であって、前記略円形部22の少なくとも左右に膨らみ部3を設けたものと成す。また前記略円形部22の左右及び後部に膨らみ部3を設けたものとしても良い。【選択図】図1

Description

本考案は、自力で排便や排尿が行えず、人工肛門や人工膀胱を付けた大腸がんや膀胱がんの患者が使用する際、或いは介助人が排便や排尿の処理を手助けするのに便利なオストメイト用便座に関する。
一般に人工肛門や人工膀胱を付けた大腸がんや膀胱がんの患者が洋式便器を使用する場合、腹部のストーマバック(パウチ)に溜めた中身を便座の穴に向けて捨てていた。この時、患者は便器の前側に立ち、中腰になってストーマバックを開け、中身が空になった後、腹部のストーマ周囲が、皮膚炎症による痒みや痛みを生じないようにその周囲をきれいに消毒している。しかしながら、従来の洋式便器の便座の穴形状は、図1に示す点線のように前側が狭く後側が広くなる玉子状のものが殆んどであるため、患者が便器の前側に立ち、中腰になってストーマバックの中身を便座の穴に向けて捨てると、便座の表面に便や尿が付着し易く、不潔であると共にその都度きれいに拭取らなければならず、人工肛門や人工膀胱を付けた患者が用を済ますのに、時間が掛っているのが現状である。
一方、患者は立たずに、通常の使用時と同じように便座に座り、ストーマバックを開け、中身を便座の穴に向けて捨てる場合もあった。この時には、便座の穴の前側を広く開けるために、便座に座る位置を通常の位置よりも奥側に座らなければならず、極めて座りにくいものであった。又、便座に奥行きがない場合には座ることができず、腰を浮かせながらストーマバックを開けて中身を捨てなければならず、非常に不便であった。
このため、本考案者が実用新案登録第3155983号に於いて洋式便器のオストメイト用の便座を提案したところである。この構造は、便座に設けた穴を略ひょうたん形状と成し、且つ、そのひょうたんの先端を奥側に位置させると共に穴の奥行寸法を既存(従来の一般サイズ)のものよりも長くした便座である。又、その目的は、家庭用便器に取付け、人工肛門や人工膀胱を付けた患者や一般健常者が使用できる便座である。尚、全体がオストメイト対応型の洋式便器は従来にはなかった。特に便器本体がオストメイト対応型のものはなかった。
実用新案登録第3155983号公報
本考案は人工肛門や人工膀胱を付けた患者が使用するのに便利であると共に介助人が手助けする際にも便利であり、更に、一般健常者が使用しても従来と殆ど変わらずに使用できるオストメイト用便座を提供することを目的とする。
本考案は上記現状に鑑みて成されたものであり、つまり、便座本体の前側に大きな円形部と、便座本体の奥側に前記円形部よりも小さな略円形部と、該略円形部と前記円形部を滑らかに接続する接続線部とから成された穴であって、前記略円形部の少なくとも左右に膨らみ部を設けたものと成す。また前記略円形部の左右及び後部に膨らみ部を設けたものとしても良い。尚、本考案で言う「略円形部」には、円形部と長円形部が含まれるものとする。又、前記長円形部の向きは、前後方向に長くする場合と、左右方向に長くする場合とがある。
請求項1のように便座本体(1)の前側に大きな円形部(21)と、便座本体(1)の奥側に前記円形部(21)よりも小さな略円形部(22)と、該略円形部(22)と前記円形部(21)を滑らかに接続する接続線部(23)とから成された穴(2)であって、略円形部(22)の少なくとも左右に膨らみ部(3)を設けることにより、人工肛門や人工膀胱を付けた患者が使用する際に奥側で安定して座りながら、前側にできた余裕ある空間で排便や排尿処理が容易に行えると共に患者自身の手を後方横側から入れてそれらの処理がし易くなり、更に一般健常者が使用しても従来と殆ど変わらない状態で使用できるものとなる。このため、本考案品を特に学校のトイレや病院などの公共施設の便器(5)に取付ければ、患者が違和感なく使用でき、便利なものとなる。また本考案品を家庭で使用すれば重宝なものとなる。更に患者や手足の不自由な者の排便や排尿の処理を手助けする際、後方横側から手が容易に入れられるため、介助や介護がし易いものとなる。
請求項2のように略円形部(22)の左右及び後部に膨らみ部(3)を設けることにより、患者の排便や排尿の処理を手助けする際、後方横側及び後方から手が容易に入れられるため、介助や介護がよりし易いものとなる。
本考案の実施形態を示す斜視図である。 図1のA−A断面図である。 本実施形態の複数の便座本体の穴を示す説明図である。 本考案の作用を示す説明図である。
図1は本考案の実施形態を示す図であり、これに基づき説明する。(1)は洋式の一般的な便器(5)の上に持上げ可能に取付ける便座本体であり、該便座本体(1)の厚さは、前半分にテーパーを付けて前側が薄くなるように形成すると良い。また前記便座本体(1)の奥側(上側)の幅が、図3(c)に示すように前側(下側)の幅よりも狭く形成させると、奥側に座った際に座り易いものとなる。
(2)は便座本体(1)に設けた穴であり、該穴(2)は、前側に大きな円形部(21)と、奥側に前記円形部(21)よりも小さな略円形部(22)と、該略円形部(22)と円形部(21)を滑らかに接続する接続線部(23)とから成されている。前記穴(2)の形状としては、図3(a)に示すように接続線部(23)が平行線で接続されたもの、或いは図3(b)に示すように接続線部(23)が斜線で接続されたもの等とするのが良い。前記円形部(21)の大きさとしては、便座本体(1)の前側の外縁から15〜40mm前後残した円形部、つまり、便座本体(1)の幅よりも30〜80mm前後小さなものである。また前記穴(2)の長さは、405〜500mmの範囲が良い。尚、従来品の普通サイズの穴の長さは、320〜350mmである。
(3)は略円形部(22)の左右及び後部に設けられた膨らみ部であり、該膨らみ部(3)は略円形部(22)の外周側を円弧状に切欠いて形成されている。この膨らみ部(3)を設けることにより、手が後方横側或いは後方から入り易いものとなる。尚、前記膨らみ部(3)は左右だけに設けられたものとしても良い。
(4)は便座本体(1)の奥側表面に設けた湾曲部であり、該湾曲部(4)は図2に示すように中央が凹むように湾曲されている。この湾曲部(4)を設けると、便座本体(1)の奥側に座っても安定して且つ心地良く座ることが出来るものとなる。尚、前記穴(2)の全周に沿って面取部を設けておくことが好ましい。
次に本考案の使い方について説明する。予め本考案品を図4に示すように便器(5)の上に持上げて回動可能に取付けておく。先ず始めに人工肛門や人工膀胱を付けた患者が洋式便器を使用する場合或いは介助人が付く場合について説明する。先ず蓋(6)を持上げ、便座本体(1)が便器(5)の上に載置された状態で、図4に示す点線のように便座本体(1)の奥側(右側)に座る。患者が便座本体(1)に腰掛けると、目の前には円形部(21)が設けられているので、患者は腹部に取付けたストーマバックを外し、その中身を円形部(21)に向けて捨てる。この時、介助人が介助する際は、後方横側から手を入れてストーマバックを外し易くし、或いはそれを外すことも可能となる。このため、便座本体(1)の表面に排便や排尿が付着することなく処理できるものとなり、便座本体(1)が清潔で、且つ、心地良く腰掛けられるものとなる。またストーマバックの中身を空にした後、便座本体(1)に腰掛けて安定した状態で患者が、ストーマの周囲をきれいに消毒することが出来ると共に医療用の消耗品等の交換も行えるものとなるのである。その後、身なりを整えて便座本体(1)から離れ、水を流せば良い。
次に手足の不自由な者が使用する場合について説明する。上記同様に便座本体(1)が便器(5)の上に載置された状態で、図4に示す点線位置或いはそれよりも前側に座る。そして、従来通りの排便或いは排尿を行う。この時、介助或いは介護する際は、後方横側の膨らみ部(3)から手を入れて、手足の不自由な者の代りにトイレットペーパーで拭き取ってやれば良い。又、健常者が使用する場合には、上記同様に便座本体(1)が便器(5)の上に載置された状態で、図4に示す2点鎖線のように便座本体(1)の前側(通常位置)に座る。そして、従来通りの排便或いは排尿を行う。この時、便座本体(1)が多少長くなるが、前側を基準にして腰掛ければ、違和感なく座れ、且つ、スムーズに排便或いは排尿をすることができ、健常者も普通に使用出来るのである。
1 便座本体
2 穴
21 円形部
22 略円形部
23 接続線部
3 膨らみ部
5 便器

Claims (2)

  1. 便器(5)の上に持上げ可能に取付けると共に、便座本体(1)の前側に大きな円形部(21)と、前記便座本体(1)の奥側に前記円形部(21)よりも小さな略円形部(22)と、該略円形部(22)と前記円形部(21)を滑らかに接続する接続線部(23)とから成された穴(2)を有する便座であって、前記略円形部(22)の少なくとも左右に膨らみ部(3)が設けられたことを特徴とするオストメイト用便座。
  2. 前記略円形部(22)の左右及び後部に膨らみ部(3)が設けられた請求項1記載のオストメイト用便座。
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