JP3163760B2 - 一体成形型ポリエチレン製ヒンジキャップ付き注出口栓 - Google Patents

一体成形型ポリエチレン製ヒンジキャップ付き注出口栓

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JP3163760B2 JP17546992A JP17546992A JP3163760B2 JP 3163760 B2 JP3163760 B2 JP 3163760B2 JP 17546992 A JP17546992 A JP 17546992A JP 17546992 A JP17546992 A JP 17546992A JP 3163760 B2 JP3163760 B2 JP 3163760B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチック製のボト
ル容器、パウチ容器、あるいは紙製のパック容器などの
液体容器、あるいはバックインボックス等の各種複合容
器の注出部に取付けて使用されるヒンジキャップ付き注
出口栓に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ヒンジキャップ付き注出口栓
は、スパウト(内容物注出用の開口部を備えた注出口本
体)の部分とキャップ(蓋部)の部分からなり、スパウ
トにヒンジ(蝶番)を介してキャップを開閉(開封、施
封)可能に連結したものである。
【0003】上記ヒンジキャップ付き注出口栓のヒンジ
及びそのヒンジ周辺の構成体の成形用樹脂としては、ヒ
ンジ成形性、ヒンジ強度などヒンジ適性(ヒンジ軸線方
向に対して直交する方向の延伸による分子配向性能)の
ある合成樹脂が使用され、例えばポリプロピレン樹脂が
使用される。
【0004】例えば、容器の密封性あるいは未開封性を
付与するために、上記ヒンジキャップ付き注出口栓のス
パウト開口部を閉鎖板にて閉塞し、その閉塞した閉鎖板
面に開封用のハーフカットを行ってリング状(例えば円
形状)のハーフカッティングパターンを施し、該パター
ン領域内に支柱とプルリングとを取付けたプルオープン
タイプのスパウトがある。
【0005】上記プルオープンタイプの閉鎖板を含めた
スパウトの成形においては、成形適性及びヒートシール
適性があり、しかもプルオープン適性のあるポリエチレ
ン樹脂(低密度ポリエチレン)が使用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ポ
リエチレン樹脂は、ポリプロピレン樹脂などのような良
好なヒンジ適性が得られないといった不都合があり、従
来、プルオープンタイプである無しにかかわらず、ヒン
ジキャップ付き注出口栓をポリエチレン樹脂のみによっ
て成形することは困難であり、又、上記のようにプルオ
ープンタイプのヒンジ付き注出口栓を得るためには、2
種類の樹脂を用いた別体成形による2パーツ以上の複数
の成形パーツを必要とする。
【0007】本発明は、ポリエチレン樹脂による一体成
形によってヒンジキャップ付き注出口栓を1パーツにて
成形できるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、筒状側壁1か
らなるスパウト構成体A1 と、筒状側壁5及び天板6か
らなるキャップA2 とを、それぞれの側壁1,5外周に
てヒンジ11を介して開閉可能にプラスチックにて一体
成形により接続加工したヒンジキャップ付き注出口栓に
おいて、閉姿勢での前記キャップA2 におけるヒンジ1
1側方近傍の側壁5外周部に弾力性のあるフレキシブル
なテープ状プレート10と、該プレート10の一端部又
は両端部若しくは両端部とその中間の適宜個所に係合部
10aを設け、該プレート10の下側に対向する側壁1
外周部に垂直な案内孔1dと、該案内孔1d内に係合部
1eとを設けて、ポリエチレン樹脂を用いて一体成形加
工され、閉姿勢での前記キャップA2 の水平なプレート
10を案内孔1d内に直角姿勢に装通し、キャップA2
の開閉動作により案内孔1d内を摺動移動する係合部1
0aを係合部1e毎に係合動作させて、キャップA2
開閉動作をその係合動作毎に一旦停止できるようにした
ことを特徴とする一体成形型ポリエチレン製ヒンジキャ
ップ付き注出口栓である。
【0009】
【実施例】本発明のヒンジキャップ付き注出口栓を、図
1のプルオープンタイプのヒンジキャップ付き注出口栓
における一実施例に従って以下に詳細に説明する。スパ
ウトA1 本体は、円形若しくは角形の筒状側壁1からな
り、キャップA2本体は、該スパウトA1 の平面サイズ
と同形状の筒状側壁5と、その上側の天板6からなる。
【0010】該側壁1上端外周部のうちいずれかのヒン
ジ取付部1a(外面が25°乃至45°程度のハング状
傾斜面を備える)と、側壁5下端外周部のヒンジ取付部
9(外面が25°乃至45°程度の傾斜面を備える)
が、ヒンジ11を介して接続されている。なおヒンジ1
1は、成形によって得られる直線状の細線薄膜部であ
り、その薄膜部に沿って繰り返し屈曲乃至延伸させ、そ
の薄膜部の樹脂をヒンジ回動軸線に直交する方向に分子
配向させて強化する公知のヒンジ成形加工方式によって
得られるものである。
【0011】側壁1上端外周部の前記ヒンジ11に相対
する外周部、若しくは該側壁1上端外周部のうちのヒン
ジ11近傍を除外した外周部には、嵌合部1bを備え、
その側壁1下端部には、必要に応じて、容器本体B側の
嵌合部と嵌合接続するための適宜に嵌合部1cを備え
る。あるいは、該側壁1下端部には、側壁1外周に沿っ
て外側に突出するような容器本体B側に適宜接合部材な
どを介して接続するためのリング状のフランジ部(図示
せず)を備えるようにすることは可能である。
【0012】前記筒状側壁1の外周部に前記ヒンジ11
側方下側に対向して、側壁1に沿って下方(ほぼ垂直方
向)に案内孔1dが孔設され、該案内孔1d内側の適宜
個所に係合部1e(例えば突起状のもの)が設けられて
いる。
【0013】又、前記筒状側壁1の内側には、筒内開口
部4を閉塞する閉鎖板2を備え、該閉鎖板2面には、薄
膜状に刻設したハーフカット2c(円形状、楕円形状な
ど)が施され、該ハーフカット2cのカッティング内側
領域2aの上面に支柱2dとプルリング2eが設けられ
る。
【0014】又、該閉鎖板2のカッティング外側領域2
b上面には、側壁1の上端部の高さより上方に突出する
注出袖3が設けられる。
【0015】スパウトA1 に前記ヒンジ11によって接
続され矢印方向に開閉自在なキャップA2 は、その側板
5下端部に沿って封止部8を備え、該封止部8外周面
は、側壁1上端部内周面に密に嵌合する。
【0016】前記キャップA2 の側壁5下側外周部の前
記ヒンジ11に相対する外周部、若しくは該側壁5下側
外周部のうちのヒンジ11近傍を除外した外周部に沿っ
て、嵌合側壁7を備え、該側壁7内面側に、前記スパウ
トA1 側壁1の嵌合部1bと嵌合して係止する嵌合部7
aを備える。
【0017】スパウトA1 に対して前記ヒンジ11によ
って接続されたキャップA2 は、ヒンジ11を介して矢
印方向に開閉自在(実線表示は閉蓋姿勢を示し、点線表
示は開蓋姿勢を示す)であり、筒内開口部4上側のプル
リング2e、注出袖3上側より被覆して閉蓋される。
【0018】閉蓋姿勢におけるキャップA1 の前記ヒン
ジ11より上側のヒンジ取付部9(外面が25°乃至4
5°程度の傾斜面を備える)、若しくは、その近傍の側
壁5に水平状態に比較的弾力性のあるフレキシブルなテ
ープ状プレート10が連設され、該プレート10面に
は、係合部10aが適宜間隔に設けられている。係合部
10aは、例えばプレート10の長手方向全面に突起部
を等間隔に設けたもの、あるいは突起状にプレート10
の一端部若しくは両端部、中間部などに設置される。
【0019】上記テープ状プレート10は直角の姿勢に
して、それと対向するスパウトA1の側壁1外周部に孔
設した前記案内孔1d内に装通されている。
【0020】図1に示すように、キャップA2 をヒンジ
11を介して閉蓋した状態(実線部分)においては、プ
レート10は、ほぼ直角姿勢に屈曲されており、そのプ
レート10先端部は、案内孔1d内における上方に引上
げられて、係合部1eと、係合部10aとによって係止
されて、係合部の設置位置に応じて適宜位置に仮固定状
態で停止する。
【0021】図1に示すように、キャップA2 をヒンジ
11を介して開蓋した状態(点線部分)においては、プ
レート10は、屈曲姿勢から直線に近い姿勢に修正され
て、開蓋動作に追従して、案内孔1d内を下降方向に摺
動移動し、そのプレート10先端部は、案内孔1d内の
下方に引き下げられて、嵌合部1eと、プレート10の
所定の嵌合部10aとによって係止されて仮固定状態で
停止する。
【0022】このように、キャッブA2 の閉蓋姿勢又は
開蓋姿勢又はその間のいずれかの姿勢において、嵌合部
1e,10aによる係合によって、キャップA2 の当該
姿勢が維持でき、仮固定できるものである。
【0023】図2は、本発明のヒンジキャップ付き注出
口栓の外観背面図であり、例えば、ヒンジ11は、テー
プ状プレート10の両側に一対設けられているものであ
る。
【0024】図3は、本発明のヒンジキャップ付き注出
口栓AのキャップA2 を開蓋した状態を示す外観斜視図
であり、図4は、閉蓋した状態を示す外観斜視図であ
る。
【0025】
【作用】本発明のヒンジキャップ付き注出口栓は、筒状
側壁1からなるスパウト本体若しくはスパウト構成体A
1 と、筒状側壁5及び天板6とからなるキャップA2
をそれぞれその側壁1,5外周にてヒンジ11を介して
開閉可能に接続し、ヒンジ11側方近傍の側壁5外周部
に弾力性のあるフレキシブルなテープ状プレート10を
設け、該プレート10の下側に対向する側壁1外周部に
垂直な案内孔1d内に直角姿勢にプレート10を装通し
たので、キャップA2 の開閉動作により案内孔1d内を
摺動移動するプレート10の係合部10aを、案内孔1
d内の係合部1e毎に係合動作させて、キャップA2
開閉動作をその係合動作毎に一旦停止できるので、キャ
ップA2 を開位置で確実に止めることができ、内容物の
注出操作に支障を来さないものである。
【0026】又、ヒンジ11は、該ヒンジ11とプレー
ト10とによる二重構造となり、例えば、ポリエチレン
樹脂によって一体成形にてヒンジ11を成形した場合
に、ヒンジ11に掛かる開閉動作における応力の負荷
が、プレート10によって軽減され、使用に耐えるポリ
エチレン樹脂製のヒンジが得られる。
【0027】又、プルオープン機能を備えたヒンジキャ
ップ付き注出口栓をポリエチレン樹脂によって一体成形
により得ることができる。
【0028】
【発明の効果】本発明のヒンジキャップ付き注出口栓
は、従来、プルオープンタイプである無しにかかわら
ず、ヒンジキャップ付き注出口栓をポリエチレン樹脂の
みによって成形することができ、2種類の樹脂を用いた
別体成形による2パーツ以上の複数の成形パーツを必要
とせず、ポリエチレン樹脂による一体成形によってヒン
ジキャップ付き注出口栓を1パーツにて成形できる効果
があり、しかも従来のスナップ式ヒンジキャップと同様
に閉位置に片手操作によって確実に止めることができ
て、注出操作に支障を来さないなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヒンジキャップ付き注出口栓の一実施
例を説明する側断面図である。
【図2】本発明のヒンジキャップ付き注出口栓の一実施
例における外観背面図である。
【図3】本発明のヒンジキャップ付き注出口栓の開蓋状
態を示す外観斜視図である。
【図4】本発明のヒンジキャップ付き注出口栓の閉蓋状
態を示す外観斜視図である。
【符号の説明】
1…筒状側壁 1d…案内孔 1e…係合部 2…閉鎖
板 3…注出袖 4…筒内開口部 5…筒状側壁6…天
板 7…嵌合外壁 8…嵌合側壁 9…ヒンジ取付部 10…テープ状プレート 10a…
係合部 11…ヒンジ A…ヒンジキャップ付き注出口栓 A1 …スパウト A
2 …キャップ B…容器本体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 43/16 B65D 43/16 101 B65D 43/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】筒状側壁1からなるスパウト構成体A
    1 と、筒状側壁5及び天板6からなるキャップA2
    を、それぞれの側壁1,5外周にてヒンジ11を介して
    開閉可能にプラスチックにて一体成形により接続加工し
    ヒンジキャップ付き注出口栓において、閉姿勢での前
    記キャップA2 におけるヒンジ11側方近傍の側壁5外
    周部に弾力性のあるフレキシブルなテープ状プレート1
    0と、該プレート10の一端部又は両端部若しくは両端
    部とその中間の適宜個所に係合部10aを設け、該プレ
    ート10の下側に対向する側壁1外周部に垂直な案内孔
    1dと、該案内孔1d内に係合部1eとを設けて、ポリ
    エチレン樹脂を用いて一体成形加工され、閉姿勢での前
    記キャップA2 の水平なプレート10を案内孔1d内に
    直角姿勢に装通し、キャップA2 の開閉動作により案内
    孔1d内を摺動移動する係合部10aを係合部1e毎に
    係合動作させて、キャップA2 の開閉動作をその係合動
    作毎に一旦停止できるようにしたことを特徴とする一体
    成形型ポリエチレン製ヒンジキャップ付き注出口栓。
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