JP3163405B2 - カメラ用測距装置 - Google Patents

カメラ用測距装置

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浩幸 斉藤
顕 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カメラなどの測距装
置、さらに詳しくはアクティブ式のカメラ用測距装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からアクティブ式のさまざまな測距
装置が提案されているが、これらの測距装置において被
写体からの光信号を増幅する際に、まず数回投光して増
幅回路のゲインを決定し(以下、これを予備発光とい
う)、その後で投光回路をあらかじめ決められた回数あ
るいは時間だけ動作させ(以下これを本発光という)、
その出力結果から被写体までの距離を算出し、撮影レン
ズを合焦させていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが前記のような
測距装置では、まず予備発光によって受光回路を構成す
る増幅回路の最適なゲインを決定し、さらに本発光によ
って被写体距離を算出するため、投光開始から撮影レン
ズの合焦までに非常に時間がかかり、ひいてはシャッタ
チャンスを逃す原因になっていた。
【0004】本発明は、被写体へ光を照射する投光手段
と、前記投光手段の照射光が前記被写体で反射する光を
受光し2つの電流に変換する受光手段と、前記受光素子
の一方の出力電流を電圧に変換する第1の電流電圧変換
回路と、前記受光手段の他方の出力電流を電圧に変換す
る第2の電流電圧変換回路と、前記第1または第2の電
流電圧変換回路の出力を選択する選択手段と、前記選択
手段の選択した出力信号を増幅する増幅回路と、前記増
幅回路の出力信号を積分する積分回路と、前記積分回路
の出力信号を所定の信号と比較する比較手段と、前記選
択手段が前記第1の電流電圧変換回路の出力を選択して
いる際の前記比較手段の比較結果に基づいて前記増幅回
路の第1のゲイン値を設定するとともに前記選択手段が
前記第2の電流電圧変換回路の出力を選択している際の
前記比較手段の比較結果に基づいて前記増幅回路の第2
のゲイン値を設定し、前記第1のゲイン値と第2のゲイ
ン値とから非無限遠被写体までの距離信号得る演算
手段とを備えている。
【0005】
【作用】被写体からの光信号を増幅する際に、予備発光
を行ない増幅回路のゲインを決定すると共に、そのゲイ
ンから被写体距離を簡易に求め、本発光に入ることなく
撮影レンズを合焦させる。
【0006】
【実施例】本発明の一実施例の構成を図1に基づいて説
明する。投光回路10は近赤外投光素子(以下IRED
という)14を駆動するための駆動回路であり、トラン
ジスタ11、ベース抵抗12、コレクタ抵抗13および
IRED14からなる。演算回路(以下CPUという)
80から投光信号が出力されると、IRED14は発光
する。発光した光は投光レンズ1を通り、不図示の被写
体によってその一部を反射され、反射した光の一部は受
光レンズ2を通って半導体位置検出素子(以下PSDと
いう)3に入射する。本発明ではIRED14はパルス
駆動される。
【0007】電流電圧変換回路20(遠距離側)と30
(近距離側)とはPSD3と一体となって受光回路を構
成する。PSD3に光信号が入射すると、PSD3はそ
の強度と入射位置に応じた電流を電流電圧変換回路20
と30に出力する。電流電圧変換回路20はアンプ21
と帰還抵抗22で構成された、入力電流に比例した電圧
を出力する回路であり、電流電圧変換回路30はアンプ
31と帰還抵抗32とを備え、電流電圧変換回路20と
まったく同じ構成で、信号電流に応じた電圧が出力さ
れ、スイッチ4に導かれる。
【0008】スイッチ4は電流電圧変換回路20および
30のいずれかの出力を後段の回路に伝える役割を有
し、その状態はCPU80によって制御される。遠距離
側の測距を行うときは電流電圧変換回路20、近距離側
の測距を行うときは電流電圧変換回路30側にオンす
る。
【0009】増幅回路40と50はゲイン切換の可能な
増幅回路である。これらの回路はまったく同様な構成な
ので、増幅回路40を例にとって説明する。増幅回路4
0の前にはカップリングコンデンサ5が接続され、入力
信号の直流分はここでカットされる。増幅回路40はア
ンプ41と3個の帰還抵抗で構成された、入力信号をあ
る一定のゲインで増幅する回路である。回路中にスイッ
チ46と47という2つのスイッチを備え、これらのス
イッチはCPU80によってオン/オフを制御できる。
スイッチ46は帰還抵抗43を、スイッチ47は帰還抵
抗43と帰還抵抗44とをそれぞれオン/オフするの
で、これらのスイッチの状態によりアンプ41のゲイン
が段階的に変化し、この変化したゲインに応じて増幅し
増幅回路50に出力される。増幅回路50もまったく同
様な動作をし、CPU80はスイッチ56と57を操作
して適切なゲインを設定し、それにしたがって増幅回路
40の出力した信号の増幅が行われる。増幅回路50の
出力信号はスイッチ7を経て後段の積分回路60に出力
される。
【0010】積分回路60はアンプ61、入力抵抗6
2、積分コンデンサ63、スイッチ64、電圧ホロワ6
5で構成された、入力電圧を時間積分するための回路で
ある。積分動作に先だって積分コンデンサ63に残って
いる電荷を放電するためスイッチ64がオンする。十分
に放電されるとスイッチ64はオフする。積分動作がス
イッチ7のオンによって開始されると、積分コンデンサ
63には入力信号の時間積分値が電荷として貯えられ
る。このときの積分コンデンサ63端子間電圧の値はコ
ンパレータ71に出力される。積分動作が終了するとス
イッチ7はオフする。
【0011】レベル判定回路70はコンパレータ71と
基準電源72とで構成された入力電圧のレベルを判定す
るための回路である。コンパレータ71は入力電圧の値
を基準電源72の電圧V1と比較し、入力電圧の方が高
ければ’H’レベル、入力電圧の方が低ければ’L’レ
ベルをCPU80に出力する。
【0012】次に本発明の実施例の回路の動作について
説明する。この測距ルーチンに入ると、まず図1内のす
べての回路の電源をオンする。次にCPU80は読み書
き可能な記憶装置(以下RAMと言う)81の内容をク
リアし、増幅回路40と増幅回路50の最適なゲインを
決定する。このゲイン決定の動作の中で被写体がある距
離未満の位置にあると判定された場合はRAM81中の
至近フラグがセットされるので、その場合は測距を行わ
ずに至近と判定する。以上のゲイン決定の動作の中で、
値S1とS2とが定まるので、これらの値から一義的に
決定されるROM82のアドレスに格納されている撮影
レンズ駆動量に基づいて鏡筒86を駆動する。最後に測
距回路の電源をオフして、このルーチンを抜ける。
【0013】次に、電流電圧変換回路20に対する増幅
回路40と増幅回路50のゲイン決定の動作を図2、図
3を使って説明する。最初にCPU80によってスイッ
チ4を電流電圧変換回路20側にオンする。スイッチ6
4をオンし、積分コンデンサ63にたまっている電荷を
放電させる(図2a)。十分に電荷を放電した後、スイ
ッチ64をオフし、そしてカウントリセット信号CRに
よってカウンタ83の値N1を0にクリアする(図2
b)。そしてCPU80は投光回路10を動作させ、投
光を開始する。投光開始に伴う各アンプの立ち上り時間
の確保と電源変動の影響とを軽減するため、投光後時間
T1を経過してから(図2c)、積分回路を時間T2の
間だけ動作させる。それが終わると投光および積分を停
止して(図2d)、時間T3の間だけ待機し(図2
e)、カウントアップ信号CUによってカウンタに1を
加える。
【0014】図3のように、この動作をあらかじめ決め
られた回数Ng(たとえば10回)だけ繰り返した後、
積分コンデンサ63の端子間電圧すなわち積分電圧Vi
をコンパレータ71で基準電源72の電圧V1と比較し
てその結果をデジタル信号に変換してCPU80に出力
する。CPU80はコンパレータ71の出力がHレベル
ならば(図2f)、スイッチ46をオンする。以下同様
に、積分動作と比較演算とを繰り返し、コンパレータ7
1の出力がHレベルならスイッチ56、スイッチ47、
スイッチ57の順でオンする。もしもすべてのスイッチ
をオンしてもコンパレータ71の出力がHレベルなら至
近フラグをセットする。以上のようにして電流電圧変換
回路20にとって最適な増幅回路40と増幅回路50の
ゲインが決定される。
【0015】以上が本実施例における回路の動作であ
る。以上の動作をフローチャートで表わすと図5〜図7
のようになる。まず、メインルーチンを図5に基づいて
説明する。この測距ルーチンに入ると、CPU80は測
距回路全体の電源をオンし(#001)、RAM81の
内容をクリアする(#002)。次に電流電圧変換回路
20での最適ゲイン決定動作を行い、ゲインによって一
義的に定まる値S1を決定してRAM81に保存し(#
003)、さらに電流電圧変換回路30での最適ゲイン
決定動作を行い、ゲインによって一義的に定まる値S2
を決定してRAM81に保存する(#004)。次に至
近フラグの状態を確認し(#005)、もしセットされ
ていればDVを撮影が可能な最至近距離(たとえば0.
5m)に設定し(#006)、#008にジャンプす
る。ここでDVはRAM81中に予約された一定長の領
域である。至近フラグがセットされていなければ、RA
M81中の値S1の値と値S2の値とから参照すべきR
OM82のアドレスを生成し(#007)、そのアドレ
スに格納されている鏡筒86の駆動量を読み出してDV
にセットし(#008)、DVに基づいてモータ85を
制御して鏡筒86を合焦位置まで駆動する(#00
9)。最後に測距回路の電源をオフし(#010)、こ
のルーチンを抜けて露出作動に移る。
【0016】次に、各サブルーチン内での動作を説明す
る。まず値S1の決定のサブルーチンを図6に基づいて
説明する。値S1はRAM81中の適切なアドレスに保
持される1バイトのデータである。後段の増幅回路のゲ
イン決定のサブルーチンに入ると、CPU80はスイッ
チ4を電流電圧変換回路20側にオンし(#101)、
値S1を0にクリアし(#102)、スイッチ64をオ
ンし積分コンデンサ63にたまっている電荷を放電させ
て(#103)、カウンタ83の値N1を0にクリアす
る(#104)。
【0017】続いてCPU80によって投光回路10を
動作させ(#105)、時間T1だけ待機する(#10
6)と、スイッチ7をオンし積分動作をしながら(#1
07)、時間T2だけ待機する。この間積分コンデンサ
63には電荷が貯えられる(#108)。それから投光
回路10の動作を止めて投光動作を終了し、スイッチ7
をオフし積分動作を終えて(#109)、時間T3だけ
待機し(#110)、カウンタ83に1を加える(#1
11)。カウンタ83の値N1があらかじめ決められた
回数Ng未満ならば#105にジャンプする(#11
2)。値N1が回数Ng以上ならば積分電圧Viはコン
パレータ71に出力され、コンパレータ71はその電圧
を基準電源72の電圧V1と比較し、その結果電圧Vo
をCPU80に出力する(#113)。CPU80は電
圧Voのレベルを判断し(#114)、Hレベルであれ
ばメインルーチンに戻る。
【0018】電圧VoがLレベルだった場合、CPU8
0は値S1に1を加え(#115)、値S1が1に等し
いかどうかを確認し(#116)、等しければスイッチ
46をオンしてアンプ41のゲインをより小さくしてか
ら(#117)、#103にジャンプする。次に2に等
しいかどうかを確認し(#118)、等しければスイッ
チ56をオンしてアンプ51のゲインをより小さくして
から(#119)、#103にジャンプする。次に3に
等しいかどうかを確認し(#120)、等しければスイ
ッチ47をオンしてアンプ41のゲインをより小さくし
てから(#121)、#103にジャンプする。次に4
に等しいかどうかを確認し(#122)、等しければス
イッチ57をオンしてアンプ51のゲインをより小さく
してから(#123)、#103にジャンプする。値S
1の値が0から3のいずれでもなければ、RAM81中
の至近フラグをセットし(#124)、このサブルーチ
ンを抜け、メインルーチンに戻る。
【0019】次に値S2の決定のサブルーチンを図7に
示す。動作は値S1の決定の場合とほぼ同様であり、C
PU80はスイッチ4を電流電圧変換回路20側にオン
し、RAM81中の適切なアドレスに保持される1バイ
トのデータである値S2に1を加算しながら適切なゲイ
ンを決定する。このルーチンから抜ける際にはゲインに
よって一義的に定まる値S2が決定されているか、また
はRAM81中の至近フラグがセットされているかのい
ずれかである。
【0020】本実施例では受光素子として2つの電極を
有するPSDを使用しているが、中間電極などを持つ3
つ以上の電極からなる受光素子、とりわけ分割フォトダ
イオード(SPD)などの素子を用いてもよいことは言
うまでもない。
【0021】また、本実施例では2つの電流電圧変換回
路が1つの増幅回路をスイッチによって共有している
が、それぞれの電流電圧変換回路に回路的に等価な別々
の増幅回路を接続し、これらの増幅回路のゲインを別々
に切り替え、そのようにして得られた2つのゲインから
距離信号を生成するようにしてもよい。
【0022】また、本実施例では積分回路の出力信号の
レベルをコンパレータによって判定しているが、アナロ
グ/デジタル変換器など別の比較手段を用いてもよい。
【0023】また、測距モードの切り換えを可能にする
スイッチを別に設け、そのスイッチを操作することで本
実施例に説明したような測距作動と通常の被写体距離を
求める測距作動とを選択的に使用できるようにしてもよ
い。
【0024】
【発明の効果】本発明の構成によれば、増幅回路の第1
および第2のゲイン値を設定すると共に、その第1およ
び第2のゲイン値とから非無限遠被写体までの距離信
得るので、ゲイン設定用の光の照射と被写体に対す
る距離信号を得るための光の照射とを兼用できる。よっ
て、測距時間の短縮および省電力化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す構成図である。
【図2】本発明の実施例の積分動作を説明する動作図で
ある。
【図3】本発明の実施例の増幅回路40と増幅回路50
のゲイン決定の方法を説明する動作図である。
【図4】本発明の実施例の値S1およびS2から距離を
求めるROM82上のテーブルである。
【図5】本発明の実施例の動作を示すフローチャートで
ある。
【図6】図5のフローチャートの値S1の決定の部分の
サブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】図5のフローチャートの値S2の決定の部分の
サブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 投光回路 3 PSD(受光素子) 20 電流電圧変換回路(遠距離側) 30 電流電圧変換回路(近距離側) 4 スイッチ 40 増幅回路 50 増幅回路 60 積分回路 70 レベル判定回路 80 CPU(演算手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−12215(JP,A) 特開 平3−276010(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 7/28 - 7/40 G03B 3/00 - 3/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体へ光を照射する投光手段と、 前記投光手段の照射光が前記被写体で反射する光を受光
    し2つの電流に変換する受光手段と、 前記受光素子の一方の出力電流を電圧に変換する第1の
    電流電圧変換回路と、 前記受光手段の他方の出力電流を電圧に変換する第2の
    電流電圧変換回路と、 前記第1または第2の電流電圧変換回路の出力を選択す
    る選択手段と、 前記選択手段の選択した出力信号を増幅する増幅回路
    と、 前記増幅回路の出力信号を積分する積分回路と、 前記積分回路の出力信号を所定の信号と比較する比較手
    段と、 前記選択手段が前記第1の電流電圧変換回路の出力を選
    択している際の前記比較手段の比較結果に基づいて前記
    増幅回路の第1のゲイン値を設定するとともに前記選択
    手段が前記第2の電流電圧変換回路の出力を選択してい
    る際の前記比較手段の比較結果に基づいて前記増幅回路
    の第2のゲイン値を設定し、前記第1のゲイン値と第2
    のゲイン値とから非無限遠被写体までの距離信号
    る演算手段とを備えたことを特徴とするカメラ用測距装
    置。
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