JP3163352B2 - 圧縮木質材およびその製造方法 - Google Patents
圧縮木質材およびその製造方法Info
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Description
の製造方法に関する。
従来より提案されている。従来法による木質材の加熱圧
縮による圧密化は、木質材を湿潤状態とするか、あるい
は水蒸気雰囲気中で加湿して、木質材を高含水率とした
状態で行われている。
中に多量の水分が存在する状態で加熱圧縮による圧密化
を行うため、水が可塑剤、特に木材の主要成分中のヘミ
セルロース、リグニン等の非結晶成分に対して可塑剤と
して大きく作用し、それらの軟化点温度をそれぞれ60
℃程度にまで低下させ、木質材の可塑性を増大させるも
のである。
来法による木質材の圧密化処理においては、高含水率状
態で木質材の加熱圧縮が行われるため、木質材の内部に
存在する水分の高蒸気圧力が解圧時には圧密化状態を復
元しようとする力として働き、さらに解圧によるスプリ
ングバック現象とあいまって、圧密化状態を維持するこ
とが困難である。また、特に比重の低い木質材において
は、該高蒸気圧力が一瞬のうちに放出されることにより
パンク(層間剥離)が発生するおそれがある。
状態のままで冷却することも考えられるが、生産性がき
わめて低く、コストを大幅に上昇させてしまう。
密化状態を維持することができたとしても、高含水率状
態にある木質材全体が圧密化されることから、高比重の
木質材となってしまう。
問題点を解消することを目的として創案されたものであ
って、繊維飽和点以下に含水率調整された無垢材、無垢
挽材または加工材のいずれかよりなる木質材を加熱圧縮
することにより表裏両面のみに圧密化された硬質層が設
けられ、その圧縮率が60〜95%であるとともに、硬
質層の硬さが1.5kgf/mm2以上である基材の木
口縁に防水処理が施されてなることを特徴とする圧縮木
質材である。
合成樹脂が含浸され得る。また、前記木口縁に縁貼り材
が貼着され得る。
は、繊維飽和点以下に含水率調整された無垢材、無垢挽
材または加工材のいずれかよりなる木質材を熱盤間には
さみ、木質材の結晶成分であるセルロースの軟化点温度
以下であって且つ非結晶成分の前記調整後の含水率にお
ける軟化点温度以上の温度にて、60〜95%の圧縮率
で加熱圧縮し、その後解圧、冷却することにより、木質
材の表裏両面のみに圧密化された硬さ1.5kgf/m
m2以上の硬質層を形成し、その木口縁に防水処理を施
すことを特徴とする。
木質材としては、木材の無垢材、無垢挽材、あるいは集
成材、単板積層材、合板、パーティクルボード、繊維板
等の加工材が用いられる。これら木材材としては、針葉
樹材、広葉樹材のいずれもが使用可能であり、特に柔ら
かいもの、低比重のものが好適に用いられる。
燥されて、繊維飽和点以下の含水率に調整される。ここ
で言う繊維飽和点以下の含水率とは、好ましくは35%
以下の含水率を意味する。
は、上下の熱盤の間隔を規制する一般にディスタンスバ
ーと呼ばれる厚さ規制治具が取り付けられたホットプレ
ス装置の熱盤間に挿入される。
60〜95%、より好ましくは65〜92%の厚さを有
するものが用いられる。言い換えれば、木質材の圧縮率
が5〜40%、より好ましくは8〜35%となるよう
に、厚さ規制治具が取り付けられる。
面に対する圧密化が不十分となり、硬質層として必要な
強度を得ることができない。逆に木質材の圧縮率が40
%を越えると表裏両面の圧密化が十分になされて硬質層
としての必要強度が得られるものの、全体比重が高くな
って重量増を招き、また、過大な圧縮率を与えることは
原料材のロスが大きくなるために歩留まりが低下し、コ
ストアップの原因となるので好ましくない。
材の樹種、材自体の比重、得ようとする表面硬度等に応
じて任意に選択することができ、該圧縮率に対応して厚
さ規制治具をセットする。
ス装置の上下熱盤間に挿入された木質材は、熱圧圧締に
より加熱圧縮され、表裏両面において圧密化されて硬質
層を形成する。
晶成分であるセルロースの軟化点温度以下であって且つ
非結晶成分の前記調整後の含水率における軟化点温度以
上の温度として行われる。
材自体の比重、柔らかさ等に応じて任意設定されるが、
圧締の際に前記厚さ規制治具が用いられて必要圧縮率が
得られるため、圧締時間3〜15分、圧締圧力5〜25
kg/cm2とすることが好ましい。
縮された木質材は、熱盤と直に接する表裏面より徐々に
中心部に向けて熱軟化および圧締力による圧密化が進行
するが、繊維飽和点以下の低含水率に調整されているこ
とから熱伝達が比較的緩慢であり、木質材の表裏部分の
みが圧密化される。このように、熱圧時においても木質
材自体の温度が全体に高くなることがないため、その後
の解圧により容易に冷却される。しかも、木材組織中に
は繊維質であるセルロースが熱軟化することなく残存し
ており、熱圧時に軟化溶融したヘミセルロース、リグニ
ンがセルロースに対して接着剤として作用するため、熱
圧圧締後の解圧に伴う木質材のスプリングバックが最小
限に抑えられ、表裏両面に圧密化された硬質層が形成さ
れる。
−2007による木材の硬さ試験方法において1.5k
gf/mm2以上であることが好ましい。硬質層が1.
5kgf/mm2に満たないと、表面の耐衝撃性が不十
分となって傷がつきやすくなり、また、圧密化が不十分
であるために材自体の曲げ強度の向上がなされず、疎水
性、膨潤率、吸水率を減少させることもできないので寸
法安定化が達成されない。
を有する圧密化材の木口縁に防水処理を施す。この防水
処理は、木口縁に合成樹脂を含浸することにより行うこ
とができる。すなわち、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂
系、エポキシ樹脂系、塩化ビニル樹脂系、フェノール樹
脂系等の合成樹脂塗料を木口縁に塗布含浸し、乾燥す
る。含浸のみならず、木口縁に該合成樹脂による被膜を
形成するものであってもよい。
を貼着することによって防水処理を行うことができる。
すなわち、合成樹脂シート、合成樹脂板、金属シート、
金属板、合成樹脂強化紙、合成樹脂強化単板等の縁貼り
材を、接着剤を介して、あるいは熱融着により、木口縁
に貼着する。
様印刷や着色塗装を施し、あるいは化粧紙や化粧合成樹
脂シート、突板等の化粧材を貼着することにより、化粧
層が形成される。
化点温度は、木質材の含水率にかかわらず200〜25
0℃でほぼ一定しているが、非結晶成分であるヘミセル
ロース、リグニンの軟化点温度は木質材の含水率によっ
て大きく変化し、絶乾状態におけるヘミセルロース、リ
グニンの軟化点温度はそれぞれ約180℃、約150℃
であるが、木質材の繊維飽和点である35%の含水率に
おいてはともに軟化点温度が60℃付近まで低下する。
すなわち、実質的に非可塑性であるセルロースと異な
り、ヘミセルロースおよびリグニンは繊維飽和点以下で
あっても木質材に含有される水分が可塑剤として作用し
て可塑化する。
5%の含水率に調整された木質材の場合は、約60〜約
200℃の範囲の熱圧温度とすることにより、結晶成分
であるセルロースはほとんど軟化させずに、組織細胞内
において非結晶成分であるヘミセルロース、リグニンを
熱軟化させることができる。
ような温度で加熱圧縮することにより、木質材の表裏近
くの部分のみが圧密化されて硬質層が形成される。
浸あるいは縁貼り材の貼着等による防水処理が施され
て、本発明の圧縮木質材が得られる。
を示し、基材1である木質材の表裏両面には圧密化によ
る硬質層2、2が形成され、その一表面には化粧層4が
形成されるとともに、両端木口縁には縁貼り材5が貼着
されている。
幅150mm、長さ100mm、全体比重約0.5のア
ガチス無垢挽材を、繊維飽和点以下の低含水率(19〜
21%)に乾燥した後に、25mmの厚さ規制治具を取
り付けたホットプレス装置の熱盤間に挿入し、熱盤温度
160℃、圧締圧力20kgf/cm2、圧締時間5分
間の条件にて加熱圧締したところ、得られた厚さ25m
mの圧縮無垢挽材の表裏面よりそれぞれ約4〜5mmの
厚さ範囲において比重0.6〜1.0の硬質層2、2が
形成され、その内側中心部3の比重は圧密化処理前の全
体比重(約0.5)のままでほぼ一定であった。また、
硬質層の硬さは1.5〜3.6kgf/mm2であり、
圧密化処理前の材硬さ0.8〜1.1kgf/mm2に
比して著しく向上したものであった。
なく、木質材の表裏のみの比重を高めて硬質層が形成さ
れるため、軽量でありながら、曲げ強度、表面平滑性、
表面硬度等の向上が図られ、また、表裏のバランスが保
たれることから、その一方の表面のみに化粧層および耐
摩耗性塗膜層を形成しても、反りやねじれを発生させる
ことがない。
質材中の非結晶成分であるヘミセルロース、リグニンが
一旦軟化溶融された後に圧縮された高密度に硬化して形
成されるものであるため、疎水性の被膜となり、圧密化
による親水性の低減とあいまって、膨潤率および吸水率
を減少させることができる。さらに、本発明においては
木質材の木口縁に防水処理が施されているため、木口縁
の強度向上が図られると同時に木口縁からの吸水が防止
され、寸法安定性が大幅に向上される。
図である。
Claims (2)
- 【請求項1】繊維飽和点以下に含水率調整された無垢
材、無垢挽材または加工材のいずれかよりなる木質材を
加熱圧縮することにより表裏両面のみに圧密化された硬
質層が設けられ、その圧縮率が60〜95%であるとと
もに、硬質層の硬さが1.5kgf/mm2以上である
基材の木口縁に防水処理が施されてなることを特徴とす
る圧縮木質材。 - 【請求項2】繊維飽和点以下に含水率調整された無垢
材、無垢挽材または加工材のいずれかよりなる木質材を
熱盤間にはさみ、木質材の結晶成分であるセルロースの
軟化点温度以下であって且つ非結晶成分の前記調整後の
含水率における軟化点温度以上の温度にて、60〜95
%の圧縮率で加熱圧縮し、その後解圧、冷却することに
より、木質材の表裏両面のみに圧密化された硬さ1.5
kgf/mm2以上の硬質層を形成し、その木口縁に防
水処理を施すことを特徴とする圧縮木質材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34541395A JP3163352B2 (ja) | 1995-12-11 | 1995-12-11 | 圧縮木質材およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP34541395A JP3163352B2 (ja) | 1995-12-11 | 1995-12-11 | 圧縮木質材およびその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH09155818A JPH09155818A (ja) | 1997-06-17 |
JP3163352B2 true JP3163352B2 (ja) | 2001-05-08 |
Family
ID=18376436
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP34541395A Expired - Lifetime JP3163352B2 (ja) | 1995-12-11 | 1995-12-11 | 圧縮木質材およびその製造方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3163352B2 (ja) |
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1995
- 1995-12-11 JP JP34541395A patent/JP3163352B2/ja not_active Expired - Lifetime
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