JPH09155814A - 圧縮木質材およびその製造方法 - Google Patents

圧縮木質材およびその製造方法

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JPH09155814A
JPH09155814A JP34540795A JP34540795A JPH09155814A JP H09155814 A JPH09155814 A JP H09155814A JP 34540795 A JP34540795 A JP 34540795A JP 34540795 A JP34540795 A JP 34540795A JP H09155814 A JPH09155814 A JP H09155814A
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wooden material
wood material
wood
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heating
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JP34540795A
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Tomiyasu Honda
富泰 本多
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 木質材の全体比重を高めることなく、表裏部
分のみの比重を高めて表裏に硬質層を形成し、軽量であ
りながら、曲げ強度、表面性状、寸法安定性に優れ、反
りやねじれの発生のない圧縮木質材を提供する。 【構成】 繊維飽和点以下に含水率調整された木質材1
を熱盤間にはさみ、木質材の結晶成分であるセルロース
の軟化点温度以下であって且つ非結晶成分の前記調整後
の含水率における軟化点温度以上の温度にて加熱圧縮
し、その後解圧、冷却することにより、木質材の表裏両
面に圧密化された硬質層2を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は木質材を加熱圧縮し
て得られる圧縮木質材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来法による木質材の加熱圧縮により圧
密化は、木質材を湿潤状態とするか、あるいは水蒸気雰
囲気中で加湿して、木質材を高含水率とした状態で行わ
れている。
【0003】この方法は、高含水率で、すなわち木質材
中に多量の水分が存在する状態で加熱圧縮による圧密化
を行うため、水が可塑剤、特に木材の主要成分中のヘミ
セルロース、リグニン等の非結晶成分に対して可塑剤と
して大きく作用し、それらの軟化点温度をそれぞれ60
℃程度にまで低下させ、木質材の可塑性を増大させるも
のである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高含水
率状態で木質材の加熱圧縮を行う場合、木質材の内部に
存在する水分の高蒸気圧力が解圧時には圧密化状態を復
元しようとする力として働き、さらに解圧によるスプリ
ングバック現象とあいまって、圧密化状態を維持するこ
とが困難である。また、特に比重の低い木質材において
は、該高蒸気圧力が一瞬のうちに放出されることにより
パンク(層間剥離)が発生するおそれがある。
【0005】高蒸気圧力の放出を防止するために、圧締
状態のままで冷却することも考えられるが、生産性がき
わめて低く、コストを大幅に上昇させてしまう。
【0006】さらには、前記従来技術によるときは、圧
密化状態を維持することができたとしても、高含水率状
態にある木質材全体が圧密化されることから、高比重の
木質材となってしまう。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記従来技術の
問題点を解消することを目的として創案されたものであ
って、繊維飽和点以下に含水率調整された木質材の加熱
圧縮により表裏両面に圧密化された硬質層が形成されて
なることを特徴とする圧縮木質材である。
【0008】また、本発明による圧縮木質材の製造方法
は、繊維飽和点以下に含水率調整された木質材を熱盤間
にはさみ、木質材の結晶成分であるセルロースの軟化点
温度以下であって且つ非結晶成分の前記調整後の含水率
における軟化点温度以上の温度にて加熱圧縮し、その後
解圧、冷却することにより、木質材の表裏両面に圧密化
された硬質層を形成することを特徴とする。
【0009】この方法においては、加熱圧締の際に前記
熱盤間に厚さ調整治具を介在させて前記木質材の圧縮率
を5〜40%とすることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】木質材としては、木材の無垢材、
無垢挽材、あるいは集成材、単板積層材、合板、パーテ
ィクルボード、繊維板等の加工材が用いられる。これら
木材材としては、針葉樹材、広葉樹材のいずれもが使用
可能であり、特に柔らかいもの、低比重のものが好適に
用いられる。
【0011】これら木質材は、製材前または製材後に乾
燥されて、繊維飽和点以下の含水率に調整される。ここ
で言う繊維飽和点以下の含水率とは、好ましくは35%
以下の含水率を意味する。
【0012】繊維飽和点以下に含水率調整された木質材
は、上下の熱盤の間隔を規制する一般にディスタンスバ
ーと呼ばれる厚さ規制治具が取り付けられたホットプレ
ス装置の熱盤間に挿入される。
【0013】熱盤間の厚さ規制治具は、木質材の厚さの
60〜90%の厚さを有するものが好適に用いられ、特
に好適には65〜92%の厚さを有するものである。言
い換えれば、木質材の圧縮率が5〜40%、特に好適に
は8〜35%となるように、厚さ規制治具を取り付るこ
とが好ましい。
【0014】木質材の圧縮率が10%未満であると表裏
両面に対する圧密化が不十分となり、硬質層として必要
な強度を得ることができない。逆に木質材の圧縮率が4
0%を越えると表裏両面の圧密化が十分になされて硬質
層としての必要強度が得られるものの、全体比重が高く
なって重量増を招き、また、過大な圧縮率を与えること
は原料材のロスが大きくなるために歩留まりが低下し、
コストアップの原因となるので好ましくない。
【0015】圧縮率は、上記範囲内において、使用木質
材の樹種、材自体の比重、得ようとする表面硬度等に応
じて任意に選択することができ、該圧縮率に対応して厚
さ規制治具をセットする。
【0016】厚さ規制治具が取り付けられたホットプレ
ス装置の上下熱盤間に挿入された木質材は、熱圧圧締に
より加熱圧縮され、表裏両面において圧密化されて硬質
層を形成する。
【0017】熱圧圧締は、その熱圧温度を、木質材の結
晶成分であるセルロースの軟化点温度以下であって且つ
非結晶成分の前記調整後の含水率における軟化点温度以
上の温度として行われる。
【0018】圧締時間および圧締圧力は、使用木質材の
材自体の比重、柔らかさ等に応じて任意設定されるが、
圧締の際に前記厚さ規制治具が用いられて必要圧縮率が
得られるため、圧締時間3〜15分、圧締圧力5〜25
kg/cmとすることが好ましい。
【0019】ホットプレス装置の上下熱盤間にて加熱圧
縮された木質材は、熱盤と直に接する表裏面より徐々に
中心部に向けて熱軟化および圧締力による圧密化が進行
するが、繊維飽和点以下の低含水率に調整されているこ
とから熱伝達が比較的緩慢であり、木質材の表裏部分の
みが圧密化される。このように、熱圧時においても木質
材自体の温度が全体に高くなることがないため、その後
の解圧により容易に冷却される。しかも、木材組織中に
は繊維質であるセルロースが熱軟化することなく残存し
ており、熱圧時に軟化溶融したヘミセルロース、リグニ
ンがセルロースに対して接着剤として作用するため、熱
圧圧締後の解圧に伴う木質材のスプリングバックが最小
限に抑えられ、表裏両面に圧密化された硬質層が形成さ
れる。
【0020】圧密化された硬質層の硬さは、JIS Z
−2007による木材の硬さ試験方法において1.5k
gf/mm以上であることが好ましい。硬質層が1.
5kgf/mmに満たないと、表面の耐衝撃性が不十
分となって傷がつきやすくなり、また、圧密化が不十分
であるために材自体の曲げ強度の向上がなされず、疎水
性、膨潤率、吸水率を減少させることもできないので寸
法安定化が達成されない。
【0021】表面硬質層には、必要に応じて、その表面
にワイヤブラシ掛け、サンダー掛け等により微細溝を形
成することができる。微細溝は硬質層の表面積を増大さ
せ、またそれによる投錨効果が発揮されるので、硬質層
表面に塗装や柄模様印刷等を施す際の塗膜密着力を向上
させ、あるいは化粧紙、合成樹脂シート等の化粧材を貼
着する際の接着力を向上させる。
【0022】木質材中の結晶成分であるセルロースの軟
化点温度は、木質材の含水率にかかわらず200〜25
0℃でほぼ一定しているが、非結晶成分であるヘミセル
ロース、リグニンの軟化点温度は木質材の含水率によっ
て大きく変化し、絶乾状態におけるヘミセルロース、リ
グニンの軟化点温度はそれぞれ約180℃、約150℃
であるが、木質材の繊維飽和点である35%の含水率に
おいてはともに軟化点温度が60℃付近まで低下する。
すなわち、実質的に非可塑性であるセルロースと異な
り、ヘミセルロースおよびリグニンは繊維飽和点以下で
あっても木質材に含有される水分が可塑剤として作用し
て可塑化する。
【0023】したがって、たとえば繊維飽和点である3
5%の含水率に調整された木質材の場合は、約60〜約
200℃の範囲の熱圧温度とすることにより、結晶成分
であるセルロースはほとんど軟化させずに、組織細胞内
において非結晶成分であるヘミセルロース、リグニンを
熱軟化させることができる。
【0024】繊維飽和点以下の低含水率の木質材をこの
ような温度で加熱圧縮することにより、木質材の表裏近
くの部分のみが圧密化されて硬質層が形成される。
【0025】図1は本発明による圧縮木質材の概略構成
を示し、木質材1の表裏両面には圧密化による硬質層
2、2が形成されている。
【0026】一実施例によれば、厚さ30mm、幅15
0mm、長さ100mm、全体比重約0.5のアガチス
無垢挽材を、繊維飽和点以下の低含水率(19〜21
%)に乾燥した後に、25mmの厚さ規制治具を取り付
けたホットプレス装置の熱盤間に挿入し、熱盤温度16
0℃、圧締圧力20kgf/cm、圧締時間5分間の
条件にて加熱圧締したところ、得られた厚さ25mmの
圧縮無垢挽材の表裏面よりそれぞれ約4〜5mmの厚さ
範囲において比重0.6〜1.0の硬質層2、2が形成
され、その内側中心部3の比重は圧密化処理前の全体比
重(約0.5)のままでほぼ一定であった。また、硬質
層の硬さは1.5〜3.6kgf/mmであり、圧密
化処理前の材硬さ0.8〜1.1kgf/mmに比し
て著しく向上したものであった。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、全体比重を高めること
なく、木質材の表裏のみの比重を高めて硬質層が形成さ
れるため、軽量でありながら、曲げ強度、表面平滑性、
表面硬度等のの向上が図られ、また、表裏のバランスが
保たれることから反りやねじれを発生させることがな
い。
【0028】また、表裏の硬質層は主として木質材中の
非結晶成分であるヘミセルロース、リグニンが一旦軟化
溶融された後に圧縮された高密度に硬化して形成される
ものであるため、疎水性の被膜となり、圧密化による親
水性の低減とあいまって、膨潤率および吸水率を減少さ
せることができ、木質材の寸法安定性を大幅に向上させ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による圧縮木質材の概略構成を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 木質材 2 硬質層 3 中心部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維飽和点以下に含水率調整された木
    質材の加熱圧縮により表裏両面に圧密化された硬質層が
    形成されてなることを特徴とする圧縮木質材。
  2. 【請求項2】 繊維飽和点以下に含水率調整された木
    質材を熱盤間にはさみ、木質材の結晶成分であるセルロ
    ースの軟化点温度以下であって且つ非結晶成分の前記調
    整後の含水率における軟化点温度以上の温度にて加熱圧
    縮し、その後解圧、冷却することにより、木質材の表裏
    両面に圧密化された硬質層を形成することを特徴とする
    圧縮木質材の製造方法。
  3. 【請求項3】 加熱圧締の際に前記熱盤間に厚さ調整
    治具を介在させて前記木質材の圧縮率を5〜40%とす
    ることを特徴とする請求項2の圧縮木質材の製造方法。
JP34540795A 1995-12-11 1995-12-11 圧縮木質材およびその製造方法 Pending JPH09155814A (ja)

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