JP3027836B2 - 建築用材およびその製造方法 - Google Patents

建築用材およびその製造方法

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JP3027836B2 JP7055269A JP5526995A JP3027836B2 JP 3027836 B2 JP3027836 B2 JP 3027836B2 JP 7055269 A JP7055269 A JP 7055269A JP 5526995 A JP5526995 A JP 5526995A JP 3027836 B2 JP3027836 B2 JP 3027836B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は木質材の表面に塗装が施
されてなる建築用材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】壁板、床板、天井板、階段踏板、階段側
板、棚板、カウンター、扉用材、枠材、開口部材、造作
材等種々に用いられる建築用材としては、木質材、特に
木材の無垢挽材、あるいは集成材、合板、パーティクル
ボード等の基板表面に任意塗装や柄模様印刷等が施され
たものが用いられている。
【0003】一方、木質材を加熱圧縮して圧密化するこ
とが従来より提案されている。従来法による木質材の加
熱圧縮により圧密化は、木質材を湿潤状態とするか、あ
るいは水蒸気雰囲気中で加湿して、木質材を高含水率と
した状態で行われている。
【0004】この方法は、高含水率で、すなわち木質材
中に多量の水分が存在する状態で加熱圧縮による圧密化
を行うため、水が可塑剤、特に木材の主要成分中のヘミ
セルロース、リグニン等の非結晶成分に対して可塑剤と
して大きく作用し、それらの軟化点温度をそれぞれ60
℃程度にまで低下させ、木質材の可塑性を増大させるも
のである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の建築用板に
おいて、基板に針葉樹材を用いた場合、春材部木目部と
秋材部木目部との間に比重差があるため、塗料の吸い込
み量が異なるものとなり、色むらを生ずる。
【0006】広葉樹材の基板の場合、導管溝が大きく多
孔性であるため、塗料の該導管溝部でのブリッジング
や、逆に塗料が該導管溝部で陥没することによる発泡、
ピンホール等が発生する。また、木質材の経時的動きに
伴う塗膜割れを生ずる。
【0007】そこで、針葉樹材における表面の比重差を
小さくし、あるいは広葉樹材における導管溝を埋めて平
滑面とするために、基板表面にシーラー処理、目止め処
理等により表面の強化および平滑化を行った後に塗装を
していた。
【0008】しかしながら、このように塗装に先立って
前処理が必要とされることは、工程の繁雑化をもたら
し、また、塗布量や乾燥等に厳密な管理が要求されるた
め、生産性が低下し、コストアップの要因となってい
た。
【0009】また、木質材においては材自体の水分の吸
放出に伴う幅、長さおよび厚さ方向の寸法変化率が大き
いため、表面に塗装が施されたときに、表裏の吸湿率が
異なることからバランスが崩れ、反りやねじれの発生
や、それに起因する塗膜の割れ、剥離等が発生する。こ
れを防止するために、木質材の表面に防湿塗装や防湿シ
ート貼り等による防湿処理が施されるが、上記と同様に
工程の繁雑化による生産性低下、コストアップが避けら
れないものであった。
【0010】一方、前記従来法による木質材の圧密化処
理においては、高含水率状態で木質材の加熱圧縮が行わ
れるため、木質材の内部に存在する水分の高蒸気圧力が
解圧時には圧密化状態を復元しようとする力として働
き、さらに解圧によるスプリングバック現象とあいまっ
て、圧密化状態を維持することが困難である。また、特
に比重の低い木質材においては、該高蒸気圧力が一瞬の
うちに放出されることによりパンク(層間剥離)が発生
するおそれがある。
【0011】高蒸気圧力の放出を防止するために、圧締
状態のままで冷却することも考えられるが、生産性がき
わめて低く、コストを大幅に上昇させてしまう。
【0012】さらには、前記従来技術によるときは、圧
密化状態を維持することができたとしても、高含水率状
態にある木質材全体が圧密化されることから、高比重の
木質材となってしまう。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記従来技術の
問題点を解消することを目的として創案されたものであ
って、繊維飽和点以下に含水率調整された木質材の表裏
部分のみに加熱圧縮により圧密化された硬質層が形成さ
れてなる圧密化材を基材として、少なくともその表面に
着色塗装が施されてなることを特徴とする建築用材であ
る。
【0014】
【0015】また、本発明による建築用材の製造方法
は、繊維飽和点以下に含水率調整された木質材を熱盤間
にはさみ、木質材の結晶成分であるセルロースの軟化点
温度以下であって且つ非結晶成分の前記調整後の含水率
における軟化点温度以上の温度にて加熱圧縮し、その後
解圧、冷却することにより、木質材の表裏部分のみに
密化された硬質層を有する圧密化材を得、該圧密化材の
少なくとも表面に着色塗装を施すことを特徴とする。
【0016】本発明の建築用材の基板として用いる木質
材としては、木材の無垢材、無垢挽材、あるいは集成
材、単板積層材、合板、パーティクルボード、繊維板等
の加工材が用いられる。これら木材材としては、針葉樹
材、広葉樹材のいずれもが使用可能であり、特に柔らか
いもの、低比重のものが好適に用いられる。
【0017】これら木質材は、製材前または製材後に乾
燥されて、繊維飽和点以下の含水率に調整される。ここ
で言う繊維飽和点以下の含水率とは、好ましくは35%
以下の含水率を意味する。
【0018】繊維飽和点以下に含水率調整された木質材
は、上下の熱盤の間隔を規制する一般にディスタンスバ
ーと呼ばれる厚さ規制治具が取り付けられたホットプレ
ス装置の熱盤間に挿入される。
【0019】熱盤間の厚さ規制治具は、木質材の厚さの
80〜95%、より好ましくは82〜92%の厚さを有
するものが用いられる。言い換えれば、木質材の圧縮率
が5〜20%、より好ましくは8〜18%となるよう
に、厚さ規制治具が取り付けられる。
【0020】木質材の圧縮率が5%未満であると表裏両
面に対する圧密化が不十分となり、硬質層として必要な
強度を得ることができない。逆に木質材の圧縮率が20
%を越えると表裏両面の圧密化が十分になされて硬質層
としての必要強度が得られるものの、全体比重が高くな
って重量増を招き、また、過大な圧縮率を与えることは
原料材のロスが大きくなるために歩留まりが低下し、コ
ストアップの原因となるので好ましくない。
【0021】圧縮率は、上記範囲内において、使用木質
材の樹種、材自体の比重、得ようとする表面硬度等に応
じて任意に選択することができ、該圧縮率に対応して厚
さ規制治具をセットする。
【0022】厚さ規制治具が取り付けられたホットプレ
ス装置の上下熱盤間に挿入された木質材は、熱圧圧締に
より加熱圧縮され、表裏両面において圧密化されて硬質
層を形成する。
【0023】 熱圧圧締は、その熱圧温度を、木質材の
結晶成分であるセルロースの軟化点温度以下であって且
つ非結晶成分の前記調整後の含水率における軟化点温度
以上の温度として行われる。
【0024】圧締時間および圧締圧力は、使用木質材の
材自体の比重、柔らかさ等に応じて任意設定されるが、
圧締の際に前記厚さ規制治具が用いられて必要圧縮率が
得られるため、圧締時間3〜15分、圧締圧力5〜25
kg/cmとすることが好ましい。
【0025】ホットプレス装置の上下熱盤間にて加熱圧
縮された木質材は、熱盤と直に接する表裏面より徐々に
中心部に向けて熱軟化および圧締力による圧密化が進行
するが、繊維飽和点以下の低含水率に調整されているこ
とから熱伝達が比較的緩慢であり、木質材の表裏部分の
みが圧密化される。このように、熱圧時においても木質
材自体の温度が全体に高くなることがないため、その後
の解圧により容易に冷却される。しかも、木材組織中に
は繊維質であるセルロースが熱軟化することなく残存し
ており、熱圧時に軟化溶融したヘミセルロース、リグニ
ンがセルロースに対して接着剤として作用するため、熱
圧圧締後の解圧に伴う木質材のスプリングバックが最小
限に抑えられ、表裏両面に圧密化された硬質層が形成さ
れる。
【0026】圧密化された硬質層の硬さは、JIS Z
−2007による木材の硬さ試験方法において4.5k
gf/mm以上であることが好ましい。硬質層が4.
5kgf/mmに満たないと、表面の耐衝撃性が不十
分となって傷がつきやすくなり、また、圧密化が不十分
であるために材自体の曲げ強度の向上がなされず、疎水
性、膨潤率、吸水率を減少させることもできないので寸
法安定化が達成されない。
【0027】このようにして得られた表裏両面に硬質層
を有する圧密化材を基材として、少なくともその表面
に、塗布装置を用いて着色塗料を塗布後乾燥して着色塗
装を施す。着色塗料には、任意着色されたアミノアルキ
ッド樹脂塗料、アクリル樹脂塗料、ウレタン樹脂塗料、
ポリエステル樹脂塗料等の合成樹脂塗料を用いることが
でき、透明または不透明であってよい。このような着色
塗料を1回塗りまたは任意複数回重ね塗りして、基材表
面に着色塗膜層を形成する。着色塗膜層の上にさらに常
法により柄模様印刷、透明塗装等を施してもよい。
【0028】基材の表面硬質層には、必要に応じて、そ
の表面にワイヤブラシ掛け、サンダー掛け等により微細
溝を形成することができる。微細溝は硬質層の表面積を
増大させ、またそれによる投錨効果が発揮されるので、
硬質層表面に施される着色塗装の塗膜密着力を向上させ
る。
【0029】
【作用】木質材中の結晶成分であるセルロースの軟化点
温度は、木質材の含水率にかかわらず200〜250℃
でほぼ一定しているが、非結晶成分であるヘミセルロー
ス、リグニンの軟化点温度は木質材の含水率によって大
きく変化し、絶乾状態におけるヘミセルロース、リグニ
ンの軟化点温度はそれぞれ約180℃、約150℃であ
るが、木質材の繊維飽和点である35%の含水率におい
てはともに軟化点温度が60℃付近まで低下する。すな
わち、実質的に非可塑性であるセルロースと異なり、ヘ
ミセルロースおよびリグニンは繊維飽和点以下であって
も木質材に含有される水分が可塑剤として作用して可塑
化する。
【0030】したがって、たとえば繊維飽和点である3
5%の含水率に調整された木質材の場合は、約60〜約
200℃の範囲の熱圧温度とすることにより、結晶成分
であるセルロースはほとんど軟化させずに、組織細胞内
において非結晶成分であるヘミセルロース、リグニンを
熱軟化させることができる。
【0031】繊維飽和点以下の低含水率の木質材をこの
ような温度で加熱圧縮することにより、木質材の表裏近
くの部分のみが圧密化されて硬質層が形成される。
【0032】硬質層の上に着色塗装が施されて、本発明
の建築用材が得られる。
【0033】
【実施例】図1は本発明による建築用材の概略構成を示
し、基材1である木質材の表裏両面には圧密化による硬
質層2、2が形成され、その一表面に着色塗装による塗
膜層4が形成されている。
【0034】基材1の一実施例として、厚さ30mm、
幅150mm、長さ100mm、全体比重約0.5のア
ガチス無垢挽材を、繊維飽和点以下の低含水率(19〜
21%)に乾燥した後に、25mmの厚さ規制治具を取
り付けたホットプレス装置の熱盤間に挿入し、熱盤温度
160℃、圧締圧力10kgf/cm、圧締時間15
分間の条件にて加熱圧締したところ、得られた厚さ25
mmの圧縮無垢挽材の表裏面よりそれぞれ約8〜10m
mの厚さ範囲において比重0.6〜1.0の硬質層2、
2が形成され、その内側中心部3の比重は圧密化処理前
の全体比重(約0.5)のままでほぼ一定であった。ま
た、硬質層の硬さは4.5〜16.5kgf/mm
あり、圧密化処理前の材硬さ2.6〜3.4kgf/m
に比して著しく向上したものであった。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、全体比重を高めること
なく、木質材の表裏部分のみの比重を高めて硬質層が形
成されるため、軽量でありながら、曲げ強度、表面平滑
性、表面硬度等向上が図られ、また、表裏のバランス
が保たれることから、その一方の表面のみに塗装を施し
ても、反りやねじれを発生させることがない。
【0036】また、基材である木質材の表裏の硬質層は
主として木質材中の非結晶成分であるヘミセルロース、
リグニンが一旦軟化溶融された後に圧縮された高密度に
硬化して形成されるものであるため、疎水性の被膜とな
り、圧密化による親水性の低減とあいまって、膨潤率お
よび吸水率を減少させることができ、木質材の寸法安定
性を大幅に向上させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による建築用材の概略構成を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 基材 2 硬質層 3 中心部 4 着色塗膜層

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維飽和点以下に含水率調整された木質材
    の表裏部分のみに加熱圧縮により圧密化された硬質層が
    形成されてなる圧密化材を基材として、少なくともその
    表面に着色塗装が施されてなることを特徴とする建築用
    材。
  2. 【請求項2】硬質層の厚さが4.5kg/mm2以上で
    あることを特徴とする請求項1の建築用材。
  3. 【請求項3】繊維飽和点以下に含水率調整された木質材
    を熱盤間にはさみ、木質材の結晶成分であるセルロース
    の軟化点温度以下であって且つ非結晶成分の前記調整後
    の含水率における軟化点温度以上の温度にて加熱圧縮
    し、その後解圧、冷却することにより、木質材の表裏部
    分のみに圧密化された硬質層を有する圧密化材を得、該
    圧密化材の少なくとも表面に着色塗装を施すことを特徴
    とする建築用材の製造方法。
  4. 【請求項4】圧密化材の硬質層表面に微細溝を形成した
    後、着色塗装を施すことを特徴とする請求項3の建築用
    材の製造方法。
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