JPH09290409A - 建築用材およびその製造方法 - Google Patents
建築用材およびその製造方法Info
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- JPH09290409A JPH09290409A JP13093596A JP13093596A JPH09290409A JP H09290409 A JPH09290409 A JP H09290409A JP 13093596 A JP13093596 A JP 13093596A JP 13093596 A JP13093596 A JP 13093596A JP H09290409 A JPH09290409 A JP H09290409A
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Abstract
平滑性、表面硬度、寸法安定性等に優れた建築用材を提
供する。 【構成】 繊維飽和点以下に含水率調整された木質材を
該木質材の結晶成分であるセルロースの軟化点温度以下
であって且つ非結晶成分であるヘミセルロース、リグニ
ンの軟化点温度以上の温度にて加熱圧縮し、その後解圧
冷却することにより、木質材の表裏面にそれぞれ加熱圧
縮により圧縮化された高比重層2、2を形成し、次いで
その少なくとも表面の高比重層の表層部に樹脂層3を形
成し、さらに樹脂層の表面に着色塗装を施して着色塗膜
層4を形成して建築用材1を得る。
Description
て得られる圧縮木質材よりなる建築用材およびその製造
方法に関する。
であるいは水蒸気雰囲気中で加湿加温して高含水率・高
温状態とした後、加熱圧縮して製造されている。
存在する状態で高温の中で加熱圧縮して圧縮木質材を得
るものであり、セルロース、ヘミセルロース、リグニン
等の木材成分を軟化させ、特に非結晶成分であるヘミセ
ルロースおよびリグニンに対しては水分が可塑剤として
大きく作用してそれらの軟化温度をそれぞれ約60℃に
まで低下させ、木質材の可塑性を増大させつつ加熱圧縮
を行うものである。
率状態で木質材の加熱圧縮を行う従来技術による場合、
木質材の内部に存在する水分の高蒸気圧力が圧締の解圧
時に圧縮状態を復元しようとする力として働き、更に解
圧によるスプリングバック現象と相まって、圧縮状態を
維持することが困難である。
圧縮が容易になされるものの、水分の高蒸気圧力が圧締
の解圧時に一瞬のうちに放出されることによりパンク
(層間剥離)が発生するおそれがある。
圧縮状態を保持しつつ冷却することも考えられるが、生
産性がきわめて低く、コストを大幅に上昇させるので実
際的ではない。
としても、高含水率状態にある木質材全体に亘って圧縮
化されることから、高比重の木質材となってしまう。こ
のことは、圧縮化状態の維持により材積が小さくなり、
製品歩留まりを低下させ、コストを大幅に上昇させるこ
とを意味している。
よる問題点を解決することのできる新規な建築用材およ
びその製造方法を提供することを目的とする。
材の表裏面にそれぞれ加熱圧縮により圧縮化された高比
重層が設けられると共に、その少なくとも表面の高比重
層の表層部に樹脂含浸層が設けられ、さらに該樹脂層の
表面に着色塗膜層が設けられてなることを特徴とする。
下に含水率調整された木質材の表裏面にそれぞれ加熱圧
縮により圧縮化された高比重層が設けられると共に、そ
の少なくとも表面の高比重層の表層部に樹脂含浸層が設
けられ、さらに該樹脂層の表面に着色塗膜層が設けられ
てなることを特徴とする。
は、繊維飽和点以下に含水率調整された木質材を該木質
材の結晶成分であるセルロースの軟化点温度以下であっ
て且つ前記含水率調整後の含水率における非結晶成分の
軟化点温度以上の温度にて加熱圧縮し、その後解圧冷却
することにより、該木質材の表裏面にそれぞれ加熱圧縮
により圧縮化された高比重層を形成し、次いで、その少
なくとも表面の高比重層に樹脂を塗布して硬化させるこ
とにより該高比重層の表層部に樹脂層を形成し、さら
に、該樹脂層の表面に着色塗装を施すことにより着色塗
膜層を形成することを特徴とする。
いは集成材、単板積層材、合板、パーティクルボード、
繊維板等の加工材が用いられる。
のいずれもが使用可能であり、特に柔らかいもの、低比
重のものが好適に用いられる。
好ましくは35%以下に調整される。このため、木質材
として挽材が用いられる場合、木材を製材前に乾燥した
後挽材とするか、あるいは乾燥せずに挽材とした後に乾
燥して得られる。加工材を用いる場合にはその製造過程
で繊維飽和点以下に含水率調整される。
を、上下の熱盤の間隔を規制する厚さ規制治具(一般に
ディスタンスバーと呼ばれる)が取り付けられたホット
プレス装置の熱盤間に挿入する。
る厚さ規制治具は、最終的に得ようとする圧縮木質材の
厚みと略同じ厚みを有するものとされ、木質材の圧縮率
が5〜40%、より好ましくは8〜35%となるように
設けられることが好適である。換言すれば、木質材の厚
さの60〜95%、より好ましくは65〜92%の厚さ
を有する厚さ規制治具が好適に用いられる。
両面に対する圧縮化が不十分となり、高比重層として必
要な強度を得ることができない。逆に、圧縮率が40%
を超えると、表裏両面の圧縮化は十分に行われて高比重
層としての必要強度が得られるものの、全体比重が高く
なって重量増を招き、また過大な圧縮率を与えることに
よる材積の減少、すなわち原材料のロスが大きくなるた
めに歩留まりが低下し、コストアップの原因となるので
好ましくない。
使用する木質材の樹種、比重、得ようとする表裏面の硬
度等に応じて任意に選択することができ、その選択され
た圧縮率に対応して厚さ規制治具をセットする。
材の種類、樹種、材自体の比重、柔らかさ等に応じて任
意に設定されるが、一般に圧締時間3〜15分、圧締圧
力5〜25kg/cm2とすることが好ましい。
締は、その熱圧温度を、木質材の結晶成分であるセルロ
ースの軟化点温度以下であって且つ前記含水率調整後の
含水率における非結晶成分(ヘミセルロース、リグニ
ン)の軟化点温度以上の温度として行われる。
縮された木質材は、熱盤の熱が表裏部分に伝わり、該表
裏部分において熱軟化および圧縮力による圧縮化が進行
するが、木質材が繊維飽和点以下の含水率に調整されて
いることから、熱伝達は比較的緩慢な速度で内部に移行
し、従って木質材の表裏部分のみが早期に圧縮化され
る。
化点温度は、樹種によって若干異なるものの、概ね20
0〜250℃であり、しかも木質材の含水率にかかわら
ずほぼ一定している。これに対して、木質材の非結晶成
分であるヘミセルロース、リグニンの軟化点温度は木質
材の含水率によって大きく変化し、絶乾状態におけるヘ
ミセルロースおよびリグニンの軟化点温度はそれぞれ約
180℃、約150℃であるが、木質材の繊維飽和点で
ある35%の含水率においては共に軟化点温度が60℃
付近にまで低下する。従って、繊維飽和点以下に含水率
調整された木質材を用いる本発明において、セルロース
の軟化点以上の温度で熱圧圧締することにより、結晶成
分であるセルロースが熱軟化すると同時に、非結晶成分
であるヘミセルロースおよびリグニンも軟化溶融する。
圧冷却する。先に述べたように、熱圧時においても木質
材自体の温度が全体的に高くなることがないため、その
後の解圧により容易且つ短時間に冷却される。
あるセルロースの軟化点温度以下であって且つ前記含水
率調整後の含水率における非結晶成分(ヘミセルロー
ス、リグニン)の軟化点温度以上の温度とされることか
ら、木質材の木質組織中には繊維質であるセルロースが
熱軟化することなく圧縮変形した状態で残存しており、
熱圧時に軟化溶融したヘミセルロース、リグニンがセル
ロースに対して接着剤として作用するため、熱圧後の解
圧に伴う木質材のスプリングバックが最小限に抑えら
れ、表裏両面に圧縮化された高比重層が形成される。
Z−2007による木材の硬さ試験法において1.5
kgf/mm2以上であることが好ましい。これにより
表面の耐衝撃性が十分なものとなって傷がつきにくくな
り、材自体の曲げ強度を向上させると共に、疎水性、膨
潤率、吸水率の減少により木質材としての寸法安定性を
向上させる。なお、上記試験法による硬さの数値は、そ
の各々の高比重層を研削等により外面に露出させた状態
で測定したものである。
滑性を向上させ、圧縮化された木質材の厚さを均一化さ
せるため、一度熱圧圧締した後に、木質材の材温が高い
うちに、あるいは常温にまで材温を冷却した後に、再度
熱圧圧締を行うことによる2段階熱圧圧締方式を採用し
てもよい。
圧圧締に用いられるホットプレス装置において同じ厚さ
規制治具を用い、1回目の熱圧圧締後の木質材のスプリ
ングバックによる戻り分を2回目の熱圧圧締で再圧する
ことができる。
いては最終的に得ようとする木質材の厚さよりも厚い厚
さ規制治具を用いて熱圧圧締した後、2回目のホットプ
レス装置において最終的に得ようとする木質材の厚さと
同じ厚さの厚さ規制治具を用いて熱圧圧締することによ
り、スプリングバックによる戻りを抑制するようにして
もよい。
の木質材の表面または表裏面に水を塗布して表層の含水
率調整を行った後に、2回目の熱圧圧締を行うことがで
きる。1回目の熱圧圧締により木質材の表層部は絶乾状
態となるが、このように1回目の熱圧圧締後に水を塗布
して表層部の含水率を高めておくことで、木質材の表層
部に可塑性を付与し、圧縮化を容易にすることができ
る。
縮により圧縮化された高比重層を有する圧縮化材を得た
後、その少なくとも表面の高比重層に樹脂を塗布する。
ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹
脂、フッ素樹脂、アルキド樹脂等の樹脂またはその変性
物を単独であるいは任意混合して用いられる。また、こ
のような樹脂を塗膜形成要素として得られる塗料を用い
てもよい。
重層内に含浸され、加熱または加熱加圧により乾燥硬化
させて、樹脂層を形成する。これにより、高比重層の安
定固着がなされ、表面の疎水性が向上されると共に、膨
潤率および吸水率が減少され、圧縮化率の戻りがなく、
寸法安定性を向上させる。
の表面に、必要に応じてワイヤブラシ掛け、サンダー掛
け等により微細溝を形成することができる。高比重層の
表面に微細溝を形成することにより、高比重層の表面積
の増大を通じて、樹脂の含浸を促進させると共に、その
投錨効果により樹脂層の密着力を向上させる。
し、乾燥して、着色塗膜層を形成する。着色塗料には、
任意着色されたアミノアルキド樹脂塗料、アクリル樹脂
塗料、ウレタン樹脂塗料、ポリエステル樹脂塗料等の透
明または不透明の樹脂塗料を用いることができ、このよ
うな着色塗料を1回塗りまたは任意複数回重ね塗りして
着色塗装を施し、着色塗膜層を形成するものである。
率調整された木質材の表裏面にそれぞれ加熱圧縮により
圧縮化された高比重層2、2が設けられると共に、その
少なくとも表面の高比重層の表層部に樹脂層3が設けら
れ、さらに樹脂層3の表面に着色塗膜層4が設けられて
なることを特徴とする本発明の建築用材1が得られる
(図1)。樹脂層3および着色塗膜層4は表裏の高比重
層2、2の表層部にそれぞれ形成してもよいことは勿論
である。
模様印刷、透明上塗り塗装等を施すことができる。
なく、木質材の表裏面およびその厚さ方向の中心にそれ
ぞれ高比重層が形成されるため、軽量でありながら曲げ
強度、表面平滑性、表面硬度の向上がなされ、また表裏
のバランスが保たれることから反りやねじれを発生させ
ることのない建築用材が得られる。
重層は、木質材の結晶成分であるセルロースが軟化さ
れ、また非結晶成分であるヘミセルロース、リグニンが
軟化溶融された後に圧縮されて高比重に硬化して形成さ
れるものであるため、疎水性の被膜となり、圧縮化によ
る親水性の低減と相まって、膨潤率および吸水率を減少
させることができ、木質材の寸法安定性を大幅に向上さ
せる。
部に樹脂層が形成されることにより、高比重層が安定的
に固着され、寸法安定性をさらに向上させる。
である。
Claims (3)
- 【請求項1】 木質材の表裏面にそれぞれ加熱圧縮によ
り圧縮化された高比重層が設けられると共に、その少な
くとも表面の高比重層の表層部に樹脂層が設けられ、さ
らに該樹脂層の表面に着色塗膜層が設けられてなること
を特徴とする建築用材。 - 【請求項2】 繊維飽和点以下に含水率調整された木質
材の表裏面にそれぞれ加熱圧縮により圧縮化された高比
重層が設けられると共に、その少なくとも表面の高比重
層の表層部に樹脂層が設けられ、さらに該樹脂層の表面
に着色塗膜層が設けられてなることを特徴とする建築用
材。 - 【請求項3】 繊維飽和点以下に含水率調整された木質
材を該木質材の結晶成分であるセルロースの軟化点温度
以下であって且つ前記含水率調整後の含水率における非
結晶成分の軟化点温度以上の温度にて加熱圧縮し、その
後解圧冷却することにより、該木質材の表裏面にそれぞ
れ加熱圧縮により圧縮化された高比重層を形成し、次い
で、その少なくとも表面の高比重層に樹脂を塗布して硬
化させることにより該高比重層の表層部に樹脂層を形成
し、さらに、該樹脂層の表面に着色塗装を施すことによ
り着色塗膜層を形成することを特徴とする建築用材の製
造方法。
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---|---|---|---|
JP8130935A JP2992550B2 (ja) | 1996-04-27 | 1996-04-27 | 建築用材およびその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008087963A1 (ja) * | 2007-01-19 | 2008-07-24 | Electric Power Development Co., Ltd. | 可撓性積層木質材の製法 |
JP2008238598A (ja) * | 2007-03-27 | 2008-10-09 | Matsushita Electric Works Ltd | 木質板 |
JP2017515713A (ja) * | 2014-05-09 | 2017-06-15 | アクツェンタ パネーレ ウント プロフィレ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 化粧壁パネルまたは化粧床パネルの製造方法、およびこの製造方法で製造された化粧壁パネルまたは化粧床パネル |
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US10618346B2 (en) | 2015-08-19 | 2020-04-14 | Akzenta Paneele + Profile Gmbh | Method for producing a decorated wall or floor panel |
-
1996
- 1996-04-27 JP JP8130935A patent/JP2992550B2/ja not_active Expired - Fee Related
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