JP3162946B2 - 深絞り加工性に優れた塗装鋼板 - Google Patents

深絞り加工性に優れた塗装鋼板

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哲男 坂井
矢野  宏和
佳克 宇田川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、家電製品や暖房機器な
どの外装部材または器物などを絞り加工により製造する
のに好適な深絞り加工性に優れた塗装鋼板に関する。
【0002】
【従来技術】プレコ−ト鋼板は、切断、加工するだけで
目的の部材を製造することができるので、従来より家電
製品や暖房機器などの外装部材または器物などの製造に
使用されている。このプレコ−ト鋼板で主に使用されて
いるのは鋼板に熱硬化型樹脂のプライマ−層を形成し、
その上に熱硬化型樹脂の上塗り層を形成したもので、鋼
板としてはZn系めっき鋼板、Al系めっき鋼板などが
使用され、また、プライマ−層にはポリエステル系樹脂
やエポキシ系樹脂の塗膜が、上塗り層には高分子ポリエ
ステル系樹脂の塗膜が用いられている。
【0003】プレコ−ト鋼板を用いた部材の製造は、冷
延鋼板やめっき鋼板を部材に加工後塗装するポストコ−
ト法に比べ生産性が優れているので、用途が拡大し、新
しい特性も要求されるようになってきている。その1つ
が絞り加工、引張り加工あるいは曲げ加工などにより部
材を製造した場合、塗膜伸びの生じた部位の光沢が低下
し、他の部分と外観が調和しないという問題があった。
【0004】この塗膜光沢の低下は、塗装原板の加工部
表面の粗面化と塗膜の分子鎖配向による屈折率の変化と
が光の拡散反射を促進することに起因して生じるもので
ある。このため、プレコ−ト鋼板製造の際、塗装原板に
表面が鏡面仕上げのものを使用したり、あるいは加工の
際に加工形状を工夫して、塗装原板の加工部表面が粗面
化されるのを少なくしたりしていたが、光沢低下を防止
することは困難であった。また、塗膜の分子鎖配向を少
なくするのに、塗膜構造を配向し易い糸まりタイプから
橋かけタイプに変更することも検討されたが、橋かけが
多くなると、分子鎖配向は少なくなるが、塗膜加工性な
どが損なわれ、他の特性が失われてしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、鋼板に熱硬
化型樹脂のプライマ−層を形成し、その上に熱硬化型樹
脂の上塗り層を形成した塗装鋼板において、塗膜伸びを
伴うような加工を施しても塗膜光沢が低下しにくい塗装
鋼板を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱硬化型プラ
イマ−層を20℃での弾性率が5×103〜9×103
/mm2のものにし、かつ、熱硬化型上塗り層を20℃
での弾性率が1×103〜3.5×103N/mm2のもの
にした。
【0007】
【作用】従来のプレコ−ト鋼板の加工性に対する塗膜設
計は、プライマ−層を20℃での弾性率が1×103
2.0×103N/mm2、破断伸びが50〜150%の
ものにし、上塗り層は下塗り層より弾性率が大きく、破
断伸びが100%前後のものにしていた。この塗膜構造
では、下塗り層、上塗り層とも破断伸びが大きいので、
加工性は優れている。しかし、本発明者らの調査によれ
ば、下塗り層は弾性率が不充分で、加工に伴う塗装原板
表面の粗面化や塗膜の加工歪みによる分子鎖の配向の影
響を下塗り層だけで抑制できないものであった。このた
め、上塗り層も影響を受けて、表面の粗面化や分子鎖の
配向が生じ、光沢が低下してしまうことが判明した。
【0008】そこで、本発明者らは、塗膜の光沢低下を
抑制する方法を種々検討した結果、プライマ−層と上塗
り層との弾性率の大きさを逆にして、前者が大きく、後
者が小さくなるようにし、、かつ、両層の弾性率を従来
より大きくして、プライマ−層の弾性緩衝作用を大きく
するとともに、上塗り層を分子鎖配向に対する緩和能力
の大きいゴム弾性変形し易いものにしたところ、光沢低
下を抑制できることを見いだしたのである。
【0009】すなわち、本発明では、プライマ−層を2
0℃での弾性率が5×103〜9×103N/mm2のも
のに、上塗り層を20℃での弾性率が1×103〜3.5
×103N/mm2のものにしたのである。ここで、プラ
イマ−層の弾性率が前記範囲より小さいと、弾性緩衝作
用が小さく、逆に前記範囲より大きくなると、プライマ
−層の凝集破壊が生じる。また、上塗り層の場合は弾性
率が前記範囲より小さいと、ゴム弾性変形が小さいた
め、分子鎖の配向が生じ易く、逆に前記範囲より大きく
なると、加工歪みにより塗膜割れが生じ、加工性が損な
われる。
【0010】プライマ−層の弾性率を上記のようにする
には、塗料樹脂に比較的分子量の大きな樹脂、例えば、
数平均分子が10000前後のポリエステル系樹脂やエ
ポキシ系樹脂を用い、それに配合する硬化剤の種類、配
合量を調整すればよい。また、上塗り層の弾性率を上記
のようにするには、塗料樹脂に比較的分子量の大きな樹
脂塗料、例えば、数平均分子が15000〜30000
のポリエステル系樹脂や高分子ポリエステル系樹脂を用
い、それに配合する硬化剤の種類、配合量を調整すれば
よい。
【0011】塗膜厚は、プライマ−層、上塗り層とも従
来と同様でよく、プライマ−層で3〜15μm、、上塗
り層で10〜25μmにすればよい。プライマ−層には
必要に応じて着色顔料、防錆顔料、体質顔料などを添加
してもよく、また、上塗り層にも着色顔料、体質顔料を
添加してもよい。
【0012】本発明の塗装鋼板の製造は、めっき鋼板、
ステンレス鋼板などにクロメ−ト処理やリン酸塩処理の
ような前処理を施して、ロ−ルコ−ト法、カ−テンコ−
ト法、スプレ−法などのような公知塗装法で熱硬化型樹
脂のプライマ−塗料を塗装して、焼付乾燥した後、その
上に熱硬化型樹脂の上塗り塗料を塗装して、焼付乾燥す
ればよい。
【0013】
【実施例】チタンキルド鋼の冷延鋼板をめっきした溶融
亜鉛めっき鋼板(板厚:0.5mm、亜鉛付着量:片面
60g/m2)に塗布型クロメ−ト処理を施して、種々
のポリエステル系樹脂のプライマ−塗料を乾燥塗膜厚で
10μmになるように塗装し、215℃で50秒間焼付
乾燥した後、その上に種々のポリエステル系樹脂の上塗
り塗料を乾燥塗膜厚で20μmになるように塗装して、
230℃で60秒間焼付乾燥した。このようにして得ら
れた塗装鋼板の塗膜加工性と加工部の光沢変化を次の要
領で調査した。その結果を表1に示す。
【0014】(1)塗膜加工性 万能型深絞り試験機(エリクセン社製142−20型)
を用いて角筒型(縦横各42mm、深さ20mm)に絞
り、コ−ナ−部の塗膜亀裂状態を倍率10倍のル−ペで
観察し、塗膜に異状がないものを記号◎、塗膜に極僅か
亀裂が認められたものを記号○、塗膜にかなり亀裂が認
められたものを記号△、肉眼で塗膜に亀裂が認められた
ものを記号×で評価した。
【0015】(2)光沢保持性 (A)深絞り加工後 未加工鋼板と前記塗膜加工性の調査で深絞り加工した角
筒型の光沢を測定して、加工後の光沢保持率が80%以
上のものを記号○、60〜79%のものを記号△、59
%以下のものを記号×で評価した。 (B)引張試験後 未加工鋼板と万能型引張試験機(島津製作所製GT20
00型)を用いて15%の伸びを与えた鋼板との光沢を
測定して、加工後の光沢保持率を前記(A)深絞り加工
後の場合と同一基準で評価した。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】以上のように、本発明の塗装鋼板は、塗
膜伸びを伴うような加工を施しても、塗膜の光沢が小さ
くなりにくい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇田川 佳克 千葉県市川市高谷新町7番地の1 日新 製鋼株式会社 鉄鋼研究所 塗覆装研究 部内 (56)参考文献 特開 平5−98210(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 15/08 B05D 7/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板に熱硬化型樹脂のプライマ−層を
    形成し、その上に熱硬化型樹脂の上塗り層を形成した塗
    装鋼板において、前記プライマ−層を20℃での弾性率
    が5×103〜9×103N/mm2のものにし、かつ、
    前記上塗り層を20℃での弾性率が1×103〜3.5×
    103N/mm2のものにしたことを特徴とする深絞り加
    工性に優れた塗装鋼板。
JP09956695A 1995-03-31 1995-03-31 深絞り加工性に優れた塗装鋼板 Expired - Fee Related JP3162946B2 (ja)

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