JP3162476B2 - 紙塗工用組成物及び該組成物を塗工して得られる塗工紙 - Google Patents

紙塗工用組成物及び該組成物を塗工して得られる塗工紙

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JP3162476B2
JP3162476B2 JP10701392A JP10701392A JP3162476B2 JP 3162476 B2 JP3162476 B2 JP 3162476B2 JP 10701392 A JP10701392 A JP 10701392A JP 10701392 A JP10701392 A JP 10701392A JP 3162476 B2 JP3162476 B2 JP 3162476B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面強度と塗工適性が
ともに良好である塗工紙を得ることが可能な紙塗工用組
成物及びそれを塗工した塗工紙に関わるものである。
【0002】
【従来の技術】近年、製紙業界に於いては、塗工紙の品
質に対する要求が高くなっており、特にドライ強度やウ
ェット強度に対する品質向上の要求は強く、接着強度の
優れた紙塗工用組成物が必要となってきた。また塗工紙
の生産性の向上を目的として、高速塗工化がなされてき
ており、塗工マシンは操業可能な限度に近い速度で操業
されている場合がある。そのため、塗工作業時にマシン
の汚れ等のトラブルが発生することが問題となってい
る。高速塗工時のマシン汚れで最も問題となり易いの
は、両面塗工機において、始めに片方の面が塗工された
後に、その反対面を塗工する第2コーターと称される塗
工装置のバックアップロール部分である。この第2コー
ターのバックアップロールには、始めに塗工されて乾燥
ゾーンを通った直後の塗工面が直接接触するため、塗工
層構成物の一部分が脱落しロール表面に汚れとして付着
し易い。また、この付着物を水で洗浄する目的でバック
アップロールには一般にフロークリーンドクターが設置
されている場合が多いが、この場合でも、付着した塗工
層構成物が水で分散しない性質であると汚れとして残っ
てしまう。このような汚れが付着し堆積した場合に、塗
工の不均一性等により得られた塗工紙の物性、例えば、
表面性や印刷適性の低下がおきたり、堆積がはなはだし
い場合には、操業を停止し、堆積物を除去しなければな
らなくなる事になる。このようなバックアップロールの
汚れを防ぐには、紙塗工組成物はロールへの付着性が少
ないような塗工組成物を用いること、または、付着した
場合でも、フロークリーン洗浄水によって洗浄しやすい
ような性質であることが必要となる。しかしながら、塗
工紙表面が接着強度に富むようなタイプの塗工組成物
は、通常、ロールへの付着性も強く、しかも洗浄水に対
しての分散性が悪いものである例が多く、結果的にバッ
クアップロール汚れとなり易いという結果を招くことに
なる。耐バックアップロール汚れ性を向上させる例とし
ては、特開昭63−8439号、特開昭63−1264
7号のように、ラテックスの耐ベタツキ性を向上させる
方法が開示されている。しかし、これらはまだ十分な汚
れ防止方法といえず、積極的に紙塗工組成物の水に対す
る再分散性を向上して、洗浄し易くするものではない。
以上のことより、フロークリン装置において、紙塗工組
成物の水に対する再分散性が高く、しかも塗工後の接着
強度が大であるような紙塗工用組成物が強く必要とされ
るものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、この問
題を解決すべく鋭意研究の結果、重合系内にポリオール
類を共存させて得られる脂肪族共役ジオレフィン系共重
合体ラテックスを、接着剤として使用する紙塗工用組成
物が、フロークリン適性の一つの指標となる水に対する
再分散性に優れるという事を見いだし、本発明を完成さ
せるに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は以下の通
りである。 (イ)顔料及び接着剤を主成分とする紙塗工用組成物に
於いて、該接着剤の構成重合体成分として、下記(1)
〜(3)を乳化重合する際に重合系内に、ポリオール類
を構成重合体に対し1〜10重量%の範囲で共存させ
て、重合して得られるラテックスを接着剤として含有し
てなる紙塗工用組成物。 (1)脂肪族共役ジオレフィン系単量体20〜60重量
% (2)オレフィン系単量体1〜10重量% (3)その他の単量体30〜79重量% (ロ)ポリオール類が、平均分子量200〜2000の
ジアルコールまたは3価以上の多価アルコールの群から
選ばれた1種または2種以上の混合物である上記(イ)
記載の紙塗工用組成物。 (ハ)脂肪族共役ジオレフィン系単量体が、1,3-ブタジ
エン、2-メチル-1,3-ブタジエン、2-クロロ-1,3-ブタジ
エンの単独または2種以上の組み合わせである上記
(イ)記載の紙塗工用組成物。 (ニ)オレフィン系単量体が、不飽和カルボン酸類、不
飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル類、不飽和ス
ルホン酸類、オレフィン系不飽和カルボン酸アミド類及
びそのN置換化合物、官能性アルキルエステル化合物類
またはビニルエステル類の単独または2種以上の組み合
わせである上記(イ)記載の紙塗工用組成物。 (ホ)その他の単量体が、芳香族オレフィン系単量体
類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、
シアン化オレフィン系単量体類の単独または2種以上の
組み合わせである上記(イ)記載の紙塗工用組成物。 (ヘ)ラテックスが、トルエン不溶解分の含有重量割合
(ゲル含有率)に於いて、該ラテックス中30〜90重
量%の範囲にあることを特徴とする上記(イ)記載の紙
塗工用組成物。 (ト)上記(イ)〜(ヘ)記載の何れかの紙塗工用組成
物を塗工して得られる塗工紙。
【0005】以下、本発明に付き詳細に説明する。本発
明において使用するラテックスは、広義の意味では、乳
化重合によって作られるSBRラテックス、MBRラテ
ックス、SMBRラテックス等と称されて紙塗工用組成
物中の接着剤として用いられている紙塗工用ラテックス
と同様の成分からなる。本発明に用いられるラテックス
は、乳化重合系内にポリオール類を、構成重合体に対し
て1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の範囲で用
いることが適当である。ポリオール類が、構成重合体に
対して1重量%以下になると、紙塗工用組成物の水に対
する再分散性に寄与がなく、また、10重量%以上を超
えると、得られた塗工紙の表面強度が著しく低下する。
ポリオール類は、例えば、ジエチレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオー
ル等のジオール類、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトール、ソルビトール、しょ糖等の3価以上の多
価アルコール類、上記のジオール又は多価アルコール類
及び/又は水、アニリン、トリレンジアミン、p,p'- シ
゛アミノ- シ゛フェニルメタン等の芳香族アミン、エチ
レンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン
等の脂肪族アミン、或はアルカノールアミン等の、活性
水素を持つ化合物の1種又は2種以上の混合物に、プロ
ピレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドとエチレ
ンオキサイドを付加重合して得られたポリエーテルポリ
オール類が挙げられる。以上のほか、高級脂肪酸エステ
ルポリオール及びポリカルボン酸と、低分子量ポリオー
ルとを反応させて得たポリエステルポリオール及びカプ
ロラクトンを重合させて得たポリエステルポリオール、
ポリテトラエチレンエーテルポリオール類、ポリカーボ
ネートポリオール類、ポリカプロラクトンポリオール
類、ポリエチレンアジペートのようなポリエステルポリ
オール類、ポリブタジエンポリオール類、ヒマシ油のよ
うな高級脂肪酸のエステル類、ポリエーテルポリオール
又はポリエステルポリオールにビニルモノマーをグラフ
トして得たポリマーポリオール類等も使用できる。これ
らは単独あるいは2種以上組み合わせて使用することが
できる。本発明に用いたポリオール類は、平均分子量が
200〜2000、好ましくは200〜1000の範囲
が適当であり、また、水に対する溶解度が30重量%以
上が適当である。ポリオールの水に対する溶解度が30
重量%未満では、紙塗工用組成物の水に対する再分散性
の寄与は小さい。ポリオール類は、平均分子量が200
0を超えると常温でも高粘性または固体状となり、紙塗
工用組成物の水に対する再分散性の寄与は小さくなって
好ましくない。また平均分子量が200以下でも、紙塗
工用組成物の水に対する再分散性の寄与は小さくなり好
ましくない。本発明のラテックスの構成単量体の1つで
ある脂肪族共役ジオレフィン系単量体は、1,3-ブタジエ
ン、2-メチル -1,3-ブタジエン、2-クロロ -1,3-ブタジ
エンが挙げられこれら単独であるいは2種以上を組み合
わせて使用するとが出来る。これら単量体は共重合体に
適度の弾性を与えるものであり、その使用量は構成重合
体の20〜60重量%が適当である。20重量%未満で
は、ラテックスのガラス転移温度が高くなって、得られ
た紙塗工用組成物の接着力が低下し、また、60重量%
を越えると得られた塗工紙の剛度及び耐水性等が低下す
る。好ましくは25〜50重量%が適当である。
【0006】本発明に用いられるオレフィン系単量体と
しては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、イタコン酸、フマル酸及びマレイン酸などの不飽和
カルボン酸類、更にイタコン酸モノエチルエステル、フ
マル酸モノブチルエステル及びマレイン酸モノプロピル
エステル等の不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステ
ル類、2-スルホエチルアクリレート、スチレンスルホン
酸、アクリルアミドプロパンスルホン酸等の不飽和スル
ホン酸類等が挙げられる。また、アクリルアミド、メタ
クリルアミド、N-メチロールアクリルアミド等のオレフ
ィン系不飽和カルボン酸アミド類及びそのN置換化合
物、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエ
チルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等の官
能性アルキルエステル化合物類及び酢酸ビニル等のビニ
ルエステル類等が挙げられ、ラテックスに対して接着力
や安定性等、得られた塗工紙には適度の硬さを与えるも
のであり、単独あるいは2種以上を組み合わせて使用す
ることが出来る。その使用量は、構成重合体に対し1〜
10重量%である。1重量%未満ではラテックスの重合
安定性が悪く、また、10重量%を超えるとラテックス
の粘度が高くなり使用する事が困難となる。好ましくは
2〜8重量%である。本発明に用いられるその他の単量
体として、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビ
ニルトルエン等の芳香族オレフィン系単量体類、メチル
アクリレート、エチルアクリレート等のアクリル酸エス
テル類、メチルメタクリレート等のメタクリル酸エステ
ル類等の単量体、アクリロニトリル、α-クロルアクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化オレフィ
ン系単量体類等が挙げられる。該単量体の使用量は、構
成重合体の30〜79重量%であり、30%未満では重
合体ラテックスのガラス転移温度が低くなり、これを用
いた紙塗工用組成物の水に対する再分散性が悪くなる。
また、79重量%を超えると得られた塗工紙の表面強度
が低下する。本発明における紙塗工用組成物のラテック
ス製造方法は、公知の乳化重合法の何れも採用でき、特
に限定されない。本発明に用いられる乳化剤としては、
例えば高級アルコール硫酸エステル、アルキルベンゼン
スルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩等のアニオン性界面
活性剤、ポリエチレングリコールのアルキルエステル
型、アルキルフェニルエーテル型、アルキルエーテル型
等のノニオン性界面活性剤、及びベタイン型等の両性界
面活性剤等が単独または2種以上組み合わせて用いられ
る。これら界面活性剤の使用量は、得られるラテックス
の耐水性を考慮すると、構成重合体に対して1重量%以
下であることが望ましい。
【0007】本発明に用いられる重合開始剤としては、
例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸
ソーダ等の水溶性開始剤、過酸化ベンゾイル、アゾビス
イソブチロニトリル等の油溶性開始剤、あるいはレドッ
クス系開始剤が使用できる。得られたラテックスのゲル
含有率は、ラテックスの造膜性や接着力と関係が強く、
ラテックスの重要な物性である。ラテックスのゲル含有
率調節には、乳化重合時に連鎖移動剤を用いるが、オク
チルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、t-ドデシ
ルメルカプタン等のメルカプタン類、テトラエチルチウ
ラムスルフィド等のスルフィド類があり、これらを単独
または2種以上を併用してもよい。ゲル含有率(トルエ
ン不溶解分の含有重量割合)は、ラテックス構成重合体
の30〜90重量%であり、この範囲以外では得られる
塗工紙の表面強度が著しく低下する。なお、ゲル含有率
は、フィルム(常温乾燥)をトルエンに48時間浸積し
た後不溶解分を測定する。本発明に用いられるラテック
スは、重合温度50〜100℃、ゲージ圧力0〜10K
g/cm2 の範囲で行われ、使用する単量体及びその他
の添加剤は、一括添加、分割添加、連続添加のいづれの
添加方法でも行うことができる。また、重合中の粒子の
安定化を図る目的で、保護コロイド剤として、例えば、
ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、ポリビニルアルコール等を添加してもよい。上記
単量体の重合の後、アルカリ金属化合物にてpH調整を
行う際、用いる中和剤としては、例えば、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、リン酸3ナト
リウム、リン酸2ナトリウム、リン酸3カリウム、リン
酸2カリウム等であり、これらを単独あるいは2種以上
を併用することができる。得られるラテックスの粒子径
は、通常70〜350nmが適当であるが、本発明にお
いて用いられるラテックスの粒子径は80〜250nm
が好ましい。なお、本発明における粒子径は日科機製:
COULTER N4SD 粒子径測定機により測定した値である。
本発明の紙塗工用組成物は顔料とラテックス以外に、分
散剤、耐水化剤、粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、着色
剤、凝固剤、離型剤など種々の添加剤を必要に応じて添
加することも有効である。本発明で使用することが出来
る顔料としては、例えば、クレー、炭酸カルシウム、酸
化チタン、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、硫酸
バリウム、酸化マグネシウム、タルクやコロイダルシリ
カなどの無機顔料、ポリスチレン及びフェノール樹脂な
どの有機顔料はすべて使用することができ、通常2種以
上が併用される。また、接着剤としては、本発明に用い
られるラテックスの他に必要に応じて、デンプン、カゼ
イン、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子、ポリ酢
酸ビニル、アクリル酸エステル共重合体などのエマルシ
ョンを併用することが出来る。本発明のラテックスは、
塗工紙用組成物を構成する顔料に対して、通常5〜30
重量%の範囲で用いられる。このようにして得られた紙
塗工用組成物は、例えば、エアナイフコーター、ブレー
ドコーター、ロールコーター、バーコーター等の塗工装
置によって、一般の塗工紙製造と同様に塗工されるが、
この塗工紙用組成物の固形分は、通常40〜70重量%
が適当である。また、塗工紙には、坪量40〜300g
/m2 の上質紙、中質紙、板紙や、これらに予め片面や
両面に紙塗工用組成物を塗工したコート紙などが原紙と
して用いられる。前記の如く、本発明に用いるラテック
スの構成重合体成分として、脂肪族共役ジオレフィン系
単量体20〜60重量%、オレフィン系単量体1〜10
重量%、その他の単量体30〜79重量%を、乳化重合
する際に重合系内に、ポリオール類を共存させて重合し
得られるラテックスを接着剤として使用する紙塗工用組
成物は、表面強度と塗工紙製造時のフロークリン適性と
のバランスがとれた塗工紙の製造を可能としている。以
下に本発明の実施例及び比較例を挙げて更に記述する
が、本発明はこれらにより何等限定されるものではな
い。なお、以下例中において用いる部数および%は、特
記のない限り重量基準を示す。
【0008】
【実施例】
製造例1 (ラテックスAの製造)窒素置換した撹拌機付きオート
クレーブ中に、脱イオン水150部、ラウリル硫酸ソー
ダ0.6部、過硫酸カリウム0.6部、ノルマルドデシ
ルメルカプタン0.6部、ポリオールであるポリエーテ
ルグリコール(プロピレンオキシド−エチレンオキシド
コポリマー)3.0部、および単量体としてブタジエン
25部、スチレン40部、メチルメタクリレート22
部、アクリロニトリル5部、イタコン酸2部、アクリル
酸2部、ヒドロキシエチルメタクリレート4部の合計1
00部を仕込み、70℃、10時間で、重合率98%の
ラテックスを得た。次いで、25%苛性ソーダ水溶液に
てpHを8.0に調節して、スチームストリッピングを
行い、未反応単量体を除去した後、脱イオン水を添加し
て、固形分濃度を50.0%に調整してラテックスAを
得た。なお、表−1中のPEGはポリエチレングリコー
ル、PG(PO−EO)はポリエーテルグリコールのプ
ロピレンオキシド−エチレンオキシドコポリマー、PP
G−PAAはポリアクリル酸のポリプロピレングリコー
ルのポリエステルポリオールであり、EGはエチレング
リコールを意味しており、添付の数字は平均分子量を表
している。 製造例2〜5 (ラテックスB、C、D、Eの製造)前記ラテックスA
の製造例において、ブタジエン、スチレン、メチルメタ
クリレートなどの使用量を、表−1に示すように変更し
た以外は、ラテックスAと同様の条件で製造してラテッ
クスB、C、D、Eを得た。重合時に用いたポリオール
の種類と量は表−1に示した。 製造比較例1〜6 (ラテックスF、G、H、I、J、Kの製造)製造比較
例は本発明の紙塗工用組成物と比較対象のためのラテッ
クスである。ラテックスF、G、Hは製造プロセスは、
製造例1と同じではあるが、ポリオールの量がそれぞれ
本発明の範囲外のラテックスである。ラテックスIは、
ポリオールの替わりに単量体のエチレングリコールを用
いて製造したラテックスである。ラテックスJに関して
は、製造例1のプロセスとは異なり、スチームストリッ
ピング等の後処理を経たラテックスに、ポリオールを後
添加したものである。ラテックスKに関しては、本発明
範囲外のゲル含有率を持つラテックスである。ラテック
スF、G、H、I、J、Kの単量体組成、ポリオールの
種類と使用量等を表−1に示す。
【0009】
【表1】
【0010】実施例1〜5、比較例1〜6 (塗工紙の製造)先に製造したラテックスを用いて、以
下の配合処方にて紙塗工用組成物を調製した。 (配合処方) カオリンクレー 70部 炭酸カルシウム 30部 分散剤 0.3部 NaOH 0.1部 酸化デンプン 2部 ラテックス 13部 全固形分 60% カオリンクレー、炭酸カルシウムや分散剤、苛性ソーダ
をカウレス分散機を用いて水に分散させた後、加熱溶解
した酸化デンプン水溶液とラテックスを加えて固形分を
60%に調整して紙塗工用組成物を得た。表−2に示す
実施例と比較例の番号は、それぞれラテックスの製造例
と製造比較例の番号に対応するものであり、ラテックス
以外の紙塗工用組成物の配合処方は、すべて同条件であ
る。実施例と比較例の結果を表−2にまとめて示す。上
記の実施例および比較例で得られた紙塗工用組成物を用
いて、下記の方法で試験用塗工紙を作成した。上記紙塗
工用組成物を、上質紙に片面の塗工量が乾燥重量で15
g/m2となる様に、適当なクリアランスを持ったアプリケ
ーターバーにて塗工し、直ちにボックス型熱風乾燥機に
て、120℃で20秒乾燥を行う。得られた塗工紙は、
さらに20℃で相対湿度65%の条件にて一昼夜シーズ
ニングを行い、その後60℃、線圧100kg/cmの
条件にてスーパーキャレンダー処理を2回行い、これに
て得られた塗工紙を印刷表面強度試験等に供した。得ら
れた塗工紙は、以下に示す試験法に従って評価を行い、
その結果を紙塗工用組成物の水に対する再分散性の結果
とともに表−2に示す。
【0011】
【表2】
【0012】(1)ドライ強度試験 RI印刷適性試験機(明製作所製)を用い、タックイン
ク(東洋インキSMXタック15)の印刷にて紙むけ状
態を目視にて判定し、10点法(10点を優、1点を
劣)で評価した。 (2)ウェット強度試験 RI印刷適性試験機で、モルトンロールを用いて湿し水
を与え、タックインク(東洋インキSMXタック10)
の印刷にて紙むけの状態を目視にて判定し、10点法
(10点を優、1点を劣)で評価した。 (3)白紙光沢 スーパーキャレンダー処理後の塗工紙を、村上式グロス
メーターにて、光沢を75゜−75゜反射率で測定し
た。 (4)印刷光沢 RI印刷適性試験機を用い、印刷用インク(東洋インキ
ニューブライト藍)にて印刷後、村上式グロスメーター
にて、光沢を75゜−75゜の反射率で測定した。 (5)吸水着肉 RI印刷適性試験機を用い、モルトンロールで試験片に
水を塗布し、紙むけの起きない条件で、印刷用インク
(東洋インキニューブライト藍)にて印刷後、マクベス
濃度計にてインク濃度を測定した。 (6)紙塗工用組成物の水に対する再分散性 紙塗工用組成物を一定量ウレタンシートに塗工して、風
乾させた後、水に浸して、再分散して塗工層が脱落する
様子を目視で判定し、○×法で評価した。 ◎:塗工層が殆どウレタンシートより脱落した。 ○:塗工層の半分以上がウレタンシートより脱落した。 △:塗工層が一部ウレタンシートより脱落した。 ×:塗工層が殆どウレタンシートより脱落しなかった。
【0013】
【発明の効果】本発明の紙塗工用組成物は、塗工紙製造
時の作業適性に優れ、得られた塗工紙は、良好な表面強
度を有し、塗工紙の品質アップと生産性が大きく向上す
ることは実施例より明かである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−61594(JP,A) 特開 昭63−235593(JP,A) 特開 昭60−59192(JP,A) 特開 平2−53996(JP,A) 特開 昭60−199998(JP,A) 特開 昭63−12647(JP,A) 特開 昭63−8439(JP,A) 特公 昭44−24486(JP,B1) 特公 昭45−21244(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 19/58 C08F 2/22 C08F 236/06

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料及び接着剤を主成分とする紙塗工用
    組成物に於いて、該接着剤の構成重合体成分として、下
    記(1)〜(3)を乳化重合する際に、重合系内に、構
    成重合体に対しポリオール類を1〜10重量%の範囲で
    共存させて、重合して得られるラテックスを接着剤とし
    て含有してなる紙塗工用組成物。 (1)脂肪族共役ジオレフィン系単量体20〜60重量
    % (2)オレフィン系単量体1〜10重量% (3)その他の単量体30〜79重量%
  2. 【請求項2】 ポリオール類が、平均分子量200〜2
    000のジアルコールまたは3価以上の多価アルコール
    の群から選ばれた1種または2種以上の混合物である請
    求項1記載の紙塗工用組成物。
  3. 【請求項3】 脂肪族共役ジオレフィン系単量体が、1,
    3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、2-クロロ-1,
    3-ブタジエンの単独または2種以上の組み合わせである
    請求項1記載の紙塗工用組成物。
  4. 【請求項4】 オレフィン系単量体が、不飽和カルボン
    酸類、不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル類、
    不飽和スルホン酸類、オレフィン系不飽和カルボン酸ア
    ミド類及びそのN置換化合物、官能性アルキルエステル
    化合物類またはビニルエステル類の単独または2種以上
    の組み合わせである請求項1記載の紙塗工用組成物。
  5. 【請求項5】 その他の単量体が芳香族オレフィン系単
    量体類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル
    類、シアン化オレフィン系単量体類の単独または2種以
    上の組み合わせである請求項1記載の紙塗工用組成物。
  6. 【請求項6】 ラテックスが、トルエン不溶解分の含有
    重量割合(ゲル含有率)に於いて、該ラテックス中30
    〜90重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1記
    載の紙塗工用組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れかに記載の紙塗工用
    組成物を塗工して得られる塗工紙。
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