JP3162384B2 - 作業装置を備えた作業機械のための液圧装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は作業装置を備えた作業機械、例えば、ショベ
ルローダ、フォークリフトのための液圧装置であって、
少くとも１つの蓄圧器から成る荷重減衰装置を備え、該
荷重減衰装置は、１つは複数のリフトシリンダと制御弁
との間で、作業装置を昇降させるための液圧導管に接続
されおり、前記荷重減衰装置が所定の運転状態に依存し
て接続若しくは遮断可能である形式のものに関する。

空気タイヤ式の土木機械は、工事現場で使用する場合
には長い道程を走行するのが普通である。工事現場の変
更やその使用位置への走行は、いづれもそれ自体で行っ
ている。それは、たとえ場合によっては一定の制限が課
せられていても、公共交通への酸化の許可条件が充たさ
れているからである。

その使用の際に達成される走行速度は、機械の取扱い
能率ひいては機械の経済性に著しく貢献する。つまり工
事現場から工事現場への移動が頻繁な装置にあっては、
又はその移動のために長い道程を走行しなければならな
いような装置にあっては、このために必要な時間が経営
上のコスト計算に少なからざる影響を与えている。

この形式による作業機械の走行速度は、より強い勾配
を走行する場合を除いて、エンジン出力によって制限を
受けるのではなく、道路の非平面性に起因して発生する
振動によって制限を受ける。従って運転者は、能力的に
可能性のある速度よりもはるかに低い速度を選んで運転
している。機械の「振幅増加」に対する主要原因は、荷
重減衰装置が欠落していることにある。土木機械の荷重
減衰装置は、これまで特殊な目的、例えば60km/hを超え
る速度が要求される軍事用の使用の場合にだけ設計され
てきた。このような形式の土木機械がなぜ減衰作用を伴
わずに製造されてきたかという理由は、一方では積込み
作業に対して荷重減衰装置が持上げ力及び摩擦力の元で
撓むので不利であるという点にあり、他方では荷重減衰
装置の組込みには、当然著しいコスト高を惹き起すおそ
れのある比較的高い構造経費が伴うという点にあった。

ドイツ連邦共和国特許第3909205号明細書によれば土
木機械、特にショベルローダ、トラクタ及びそれに類似
する機械のための液圧装置が公知であり、これらの機械
は液圧シリンダを介して作動可能な作業工具、特に積込
みショベルを有しており、その際液圧シリンダの作動の
ために圧力源から制御弁を介して液圧シリンダに導かれ
る主要導管が設けられており、該主要導管から制御弁に
向って少くとも１つの蓄圧器に導かれる接続導管が分岐
し、該接続導管内には制御可能な遮断弁が配置されてい
る。その場合減圧弁が、液圧シリンダの支持圧力に調節
されていて、有利には圧力制限弁又は圧力遮断器として
形成されている。制御可能な遮断弁は、走行速度に依存
して制御される電磁弁又は作業器具の傾動角度に依存し
て制御される電磁弁として構成されており、この場合、
電磁弁の走行速度に依存して制御する際には、切換点が
第２のギヤ段で初めて超えることができるように調節さ
れている。

減圧弁を使用する場合には、各作業状態において実際
の値としてみることのできないような所定の支持圧力
（例えば120バール）にだけ調節可能であるため、この
場合に使用される荷重減衰装置は、作業機械の総ての運
転状態に対して充分であるとは見做し得ない。更に減圧
弁の、ギヤ段工程又は走行速度に依存する回路は、運転
状態に調節されているピッチング振動に、同じ様に最適
には適応し得ない。

国際公開第90/05814号パンフレットによれば、例えば
ショベルローダ、フォークリフト又はこれと類似の可動
機構のための衝撃緩衝装置が公知である。この衝撃緩衝
装置は、単数若しくは複数の液圧シリンダと切換弁との
間に設けられていて、蓄圧器を有しており、この蓄圧器
は、導管及び介在された弁を介して各シリンダの圧力側
に接続されている。各シリンダの吸込み側は、別の導管
及び同じ弁を介してタンクに接続されている。外部から
作用する衝撃に基づいてピストンが負荷されると、ピス
トンは変位して、シリンダの圧力側の圧力が上昇せしめ
られ、この際に、減圧オイルは所属の導管を介して蓄圧
器内に送られる。それと同時に、相応の他方の導管を介
してオイルがタンクから吸い上げられて、シリンダの、
圧力室とは反対側に供給される。この状態が得られる
と、蓄圧器は、弁の手前でバイパス内に配置された絞り
弁を介して圧力下にあるオイルを放出して、シリンダの
圧力側に送る。このような従来技術によれば、システム
内に生じた衝撃は緩衝されるが、可変な負荷及び振動に
合わせた、作業装置の緩衝は不可能であるので、ピッチ
振動（Nickschwingung）を補償することはできない。

本発明の課題は、前記国際公開第90/05814号パンフレ
ットに開示された装置を改良して、搬送走行時に生じ
る，負荷のピッチング振動も、特に不都合な走行面にお
いて減少させることができるようにすることにある。

この課題は本発明によれば、蓄圧器の負荷圧力をリフ
トシリンダの夫々の負荷圧力の可変に調節することがで
きるようにするため、複数の切換弁に接続された少くと
も１つのノズルが荷重減衰装置とリフトシリンダとの間
に設けられており、更に前記切換弁が、前制御発信器と
制御弁との間の前制御導管内に設けられた圧力スイッチ
を介して操作可能であることによって解決することがで
きた。

本発明の別の有利な構成は請求項２以下に述べられて
いる。

本発明の液圧装置は、空又は積載された作業装置と一
緒に移送又は搬送走行を行うために特に良好に適してい
る。

運転者が前制御発信器を作動せしめると、それと協働
している圧力スイッチによって切換弁が中立位置に接続
され、かつ荷重減衰装置が遮断される。蓄圧器内の液圧
は、ノズルを介しリフトシリンダ内の負荷圧力に応じて
調整される。運転者が前制御発信器を再び中立位置にも
たらす、荷重減衰装置は自動的に接続される。負荷圧力
がノズルを介して蓄圧器内でほぼ調整された後、荷重減
衰装置を自動的に接続する際に、作業装置が著しく降下
するようなことはない。１つ又は複数の蓄圧器を介し
て、１つ又は複数のリフトシリンダが許容できない程度
に減衰されることを阻止するため、所定のリフト高さか
ら誘導スイッチを介して荷重減衰装置を自動的に遮断す
ることができる。

本発明を図示の実施例に基いて詳細に説明する。

図１は、ショベルローダを示す図、 図２は、図１のショベルローダのための油圧回路図で
ある。

図１には原理概略図として、空気タイヤ２で走行可能
なショベルローダ１が図示されている。ショベルローダ
１は、とりわけ運転室４とバケット５とを備えたシャー
シ３を有し、該バケット５は装備６に枢着状に支承され
ており、その際装備６は、バケット４を持上げ及び傾動
するため設けられた複数の液圧シリンダ7,8に接続され
ている。

図２には、図１に示したショベルローダ１のための荷
重減衰装置９の液圧回路図が図示されており、この液圧
回路図は、例えばフォークリフトのような別の作業機械
に同じ様な形式で転用することができる。この液圧回路
図によれば荷重減衰装置９は、リフトシリンダ12,13と
制御弁14との間の昇降用の液圧導管10,11に接続されて
いる。上昇用の液圧導管10は、２ポート２位置切換弁15
を介して、中立位置では遮断されていて、接続位置では
１つ又は複数の蓄圧器16,17,18,19に接続されている。
蓄圧器16〜19は車両特有のガスバイアス装置を有してい
る。蓄圧器16〜19とリフトシリンダ12,13との間のバイ
パス20のリフトシリンダ側にはノズル21が位置してい
る。下降側導管11は、別の２ポート２位置切換弁22を介
して、中立位置では遮断されていて、接続位置では戻り
導管23に接続されている。前制御導管24,25,26,27（上
昇、下降、小傾動、大傾動）の前制御発信器28と制御弁
14との間には圧力スイッチ29,30,31,32が位置してい
る。ショベルローダ１の符号の付けられていない前方フ
レームにおける所定の高さ位置には、同じ様に図示して
いない誘導スイッチが設けられている。

荷重減衰装置のスイッチをオンオフ（持続及び遮断）
するため、ショベルローダ１の運転室４内に図示してい
ない主開閉器が配置されている。主開閉器を介して荷重
減衰装置が作動せしめられて、前制御発信器28が中立位
置にある場合には、上昇導管10及び下降導管11内の２ポ
ート２位置切換弁15,22が自由貫流位置に切換えられ
る。つまり上昇導管10及びリフトシリンダ12,13が蓄圧
器16〜19に接続される。その結果下降導管11及びリフト
シリンダ12,13が戻り導管23に接続される。このため走
行路の非平面性に起因するピッチング運動は、高い走行
速度に維持したままで、蓄圧器16〜19を介して可変に、
つまり夫々の運動状態に依存して、減衰及び減少せしめ
られる。

運転者が前制御発信器を操作すると、２ポート２位置
切換弁15,22が圧力スイッチ29〜32を介して中立位置に
接続せしめられ、かつ荷重減衰装置は遮断せしめられ
る。蓄圧器16〜19内の液圧はノズル21を介しリフトシリ
ンダ12,13内の負荷圧力に対応して調整される。運転者
が前制御発信器28を再度中立位置に投入すると、荷重減
衰装置が自動的に接続される。負荷圧力が蓄圧器16〜19
内のノズル21を介して夫々の運転状態に調整された後
に、荷重減衰装置を自動的に接続する際、バケット５及
び装備６が揺動するようなことは発生しない。

蓄圧器16〜19を介してリフトシンリンダ12,13が許容
できない程度に減衰されることがないようにするため、
荷重減衰装置は、所定のストローク高さを越えると、シ
ョベルローダ１のフレーム上の誘導スイッチを介して自
動的に遮断されるようになっている。ショベルローダ１
の運転状態における特定の使用においては、ノズル21を
例えば電磁弁33によって遮断する必要がある。

本発明の液圧装置の機能を、実際の例に基いて説明す
ることにする。

無負荷走行（バケットが空）の場合、シリンダ12,13
は例えば30バールの圧力下にあり、その際、蓄圧器16〜
19は18バールの独自のバイアスで負荷されている。この
圧力の元で無負荷走行時に最大走行速度が得られ、その
際振動、特にピッチング振動を最大限に抑制することが
できる。

バケット５の負荷運転の際には、圧力スイッチ29〜32
を介して弁15及び22がニュートラルに、かつ弁33が貫流
位置に夫々接続される。蓄圧器16〜19には、図示してい
ないポンプによって生ぜしめられた圧力及びノズル21を
介して夫々の運転圧力に調節される。つまり液圧シリン
ダ12,13内の圧力が200バールである場合には、蓄圧器16
〜19内の圧力もほぼ200バールになる。

壁部では例えば弁33を介して180バールのシリンダ圧
力が液圧シリンダ12,13の領域内で調整される。これに
対し蓄圧器圧力は、このような形式で釣合を得るため、
弁33及びノズル21を介して上記の圧力180バールに近付
けられる。運転者が前制御発信器28を操作すると直ち
に、弁15及び22が圧力スイッチ29〜32を介して接続さ
れ、それによって蓄圧器16〜29がシリンダ12,13に接続
せしめられる。既に説明したように、所定のストローク
高さの場合に誘導スイッチを作動せしめて荷重減衰装置
を遮断することができる。

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−13785（ＪＰ，Ａ) 国際公開90／5814（ＷＯ，Ａ１) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B66F 9/22 E02F 9/22

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】作業装置を備えた作業機械、例えばショベ
   ルローダ（１）又はフォークリフトのための液圧装置で
   あって、少くとも１つの蓄圧器（16,17,18,19）から成
   る荷重減衰装置（９）を備え、該荷重減衰装置（９）
   は、１つ又は複数のリフトシリンダ（12,13）と制御弁
   （14）との間で、作業装置を昇降させるための液圧導管
   （10,11）に接続されており、前記荷重減衰装置（９）
   が所定の運転状態に依存して接続若しくは遮断可能であ
   る形式のもにおいて、 蓄圧器（16,17,18,19）の負荷圧力をリフトシリンダ（1
   2,13）の夫々の負荷圧力に可変に調節することができる
   ようにするため、複数の切換弁（15,22,23）に接続され
   た少くとも１つのノズル（21）が荷重減衰装置（９）と
   リフトシリンダ（12,13）との間に設けられており、更
   に前記切換弁（15,22,23）が、前制御発信器（28）と制
   御弁（14）との間の前制御導管（24,25,26,27）内に設
   けられた圧力スイッチ（29,30,31,32）を介して操作可
   能であることを特徴とする、作業装置を備えた作業機械
   のための液圧装置。
2. 【請求項２】切換弁（15,22,23）が２ポート２位置弁と
   して構成されていることを特徴とする、請求項１記載の
   液圧装置。
3. 【請求項３】荷重減衰装置（９）と液圧シリンダ（12,1
   3）との間で上昇導管（10）に、ノズル（21）を備えた
   バイパス（20）が設けられていることを特徴とする、請
   求項１又は２記載の液圧装置。
4. 【請求項４】前記ノズル（21）を遮断する切換弁（３）
   が設けられていることを特徴とする、請求項１から３ま
   でのいづれか１項記載の液圧装置。
5. 【請求項５】作業機械（１）のフレームの、所定の高さ
   に設けられた少くとも１つのスイッチ、殊に、荷重減衰
   装置（９）を遮断するための誘導スイッチを有している
   ことを特徴とする、請求項１から４までのいづれか１項
   記載の液圧装置。
6. 【請求項６】作業機械（１）の運転室（４）内に、荷重
   減衰装置を作動せしめる主開閉器が配置されていること
   を特徴とする、請求項１から５までのいづれか１項記載
   の液圧装置。