JP3161807B2 - パージング剤 - Google Patents
パージング剤Info
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Description
ルコール共重合体(以下EVOHと記す)を溶融成形す
る装置において溶融流路内に残存するEVOHをすみや
かに排出でき、かつEVOHを再度、流路内に導入した
場合、該パージング剤の残存による製品不良ロスが大幅
に改善されるパージング剤に関する。
ルム、容器、特に酸素に対するバリアー性が必要な食
品、保香性を必要とする製品などの包装資材として有効
性が認められている。しかしながら、EVOHを溶融押
出し成形を行う場合、長時間運転を行うと、樹脂流路内
の滞留部分などでEVOHがゲル化あるいは分解が生
じ、製品中にブツ、ゲル状物の混入、あるいは厚みム
ラ、スジ等の発現による外見不良が生じる事がある。ま
た運転を停止した後、再度運転を開始する場合、樹脂流
路内のゲル化、あるいは発泡分解し黄変化したEVOH
が長期にわたり排出される為、正常な製品が採取するの
に多大な時間と格外ロス品が生じてしまう。最悪の場
合、装置流路内を分解掃除する必要がある。
中、ゲル、スジ等の異常が発生した場合、あるいは運転
を停止する場合、EVOH樹脂の流路内を、たとえば高
密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチ
レン(LLDPE)、ポリスチレン(PS)、ポリプロ
ピレン(PP)等で置換(パージング)する方法が採用
されている。特にパージングの効率を上げる為、パージ
ング剤の溶融粘度指数(190℃ メルトインデックス
0.05〜10g/10分)の低い樹脂を使用し、あ
るいは場合によっては段階的に粘度指数の低い樹脂に切
り替え、押出温度を下げる、あるいは/及び吐出量を増
す等の処置が取られている。
あり、かつ多くの時間とパージング剤が必要なだけでな
く、悪い事にはパージング完了後、流路にEVOHを導
入し、再立上げを行う場合、パージング剤が長期間製品
中に残存し、正常な製品が採取可能になる為に多大の時
間が必要である。特にEVOHとの共押出、共射出多層
構造体において透明性が要求されるPS、ポリエチレン
テレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)
等の多層品あるいは延伸操作が加わる構成体において
は、パージング剤によるゲル、ブツ状物の混入あるいは
ゲル、ブツ状物による延伸時のEVOH層の破れピンホ
ールが問題となる。さらに悪い事にはEVOH流路内の
滞留ゲル状物を除去するには、パージング剤の溶融粘性
指数(メルトインデックス)が低いほど効果的である
が、逆にEVOHで再立上げを行った場合、パージング
剤の排出が容易でなく、長時間製品中に残存、混入す
る。この対策としてEVOHで再立上げする場合に際し
パージング剤のメルトインデックスを段階的に増す方法
も一部で採用されているが、操作が煩雑であり、時間及
びパージング剤の量が非常に多くなり効果的でなかっ
た。それ故EVOH流路内の滞留ゲル状物の除去が容易
であり、かつ、EVOHによるパージング剤の排出が容
易である、すなわちEVOHでの再立上げ時、短時間で
製品化可能なパージング剤の開発が重要な課題の一つで
ある。
に優れた諸特性を持っている反面、溶融押出し成形を長
期間あるいは停止再立上げを行うと、ゲル、ブツ、スジ
等が製品に混入する場合がある。しかして、本発明の目
的は、EVOH流路内に滞留するゲル状物の除去が容易
であり、かつEVOHで再立上げ時短時間で排出が可能
なパージング剤を提供することにある。
フィン系重合体に周期律表第II族の金属塩を該金属に換
算して、0.05〜1重量%含有する組成物(A)から
なり、かつ下記式(I)を満足するEVOHのパージン
グ剤を提供することによって達成される。 0.1 ≦ MI ≦ 20 … (I) ただし、 MI…メルトインデックス (190℃−2160g荷重下で測定した値、g/10
分)
(A)にエチレン含量15〜70モル%、けん化度90
%以上のEVOHを両成分の合計量に対し10〜70重
量%配合した組成物(B)からなり、かつ下記式(I
I)、(III)および(IV)を満足するEVOHのパージ
ング剤を提供することによって達成される。 0.1 ≦ MI(0) ≦ 20 … (II) 0.1 ≦ MI(15) ≦ 20 … (III) 100 ≦ MI(300) ≦ 10,000 … (IV) ただし、 MI(0) …溶融直後のメルトインデックス (190℃−2160g荷重下で測定した値、g/10分) MI(15) …220℃(窒素中)15分間加熱後のメルトインデックス (190℃−2160g荷重下で測定した値、g/10分) MI(300)…220℃(窒素中)300分間加熱後のメルトインデックス (190℃−2160g荷重下で測定した値、g/10分)
プ、ボトル等に溶融押出成形、共押出成形、共射出成形
するに際し、長期間運転あるいは運転停止再立上げ時、
ゲル状物の混入及びスジなどが発生する。そこで本発明
者らはEVOH樹脂流路を各種パージング剤でパージン
グを行い、ゲル、スジの推移を観察し、パージング剤の
効果を調べた。すなわちパージング剤として溶融粘性指
数(メルトインデックス、190℃−2160g荷重下
で測定した値)がEVOHのそれより高いPE、PS等
はゲル、スジの改善効果は少なく、逆にメルトインデッ
クスがEVOHより低いものはパージング時ゲル等の排
出が認められ効果が期待されたが、EVOHでの再立上
げ時、長期間にわたりパージング剤の排出が認められ、
多大の格外品が生じた。
結果、周期律表第II族の金属塩を含有するポリオレフィ
ン系重合体をパージング剤として使用したところ、ゲ
ル、スジの改善効果が大きいだけでなく、驚くべきこと
に、EVOHでの再立上げ時に際し、短時間でブツ、ゲ
ル、スジの無い良好な製品が採取可能である事がわか
り、本発明に至った。このパージング剤の特徴は、置換
される樹脂がパージング剤よりもメルトインデックスが
低くても、EVOHの排出が容易であり、EVOHで再
立上げする際に、パージング剤の排出が容易である。こ
の事実は、後述する実施例からも明らかである。以下、
本発明を更に詳しく説明する。本発明に使用されるポリ
オレフィン重合体とはポリエチレン(低圧、中圧、高
圧)、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブテン等のポリオレフィン、オレフィンとこれと共重
合しうるコモノマー(ビニルエステル、不飽和カルボン
酸エステルなど)との共重合体、たとえばエチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチルエステ
ル共重合体などを意味する。
周期律表第II族に属する金属としては、ベリリウム(B
e)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、亜
鉛(Zn)、バリウム(Ba)があげられ、その塩とし
ては、炭酸塩、酢酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ステアリン
酸塩などがあげられる。これらの物質の添加方法として
は、これらの物質を直接ポリオレフィン系重合体に添加
して混合してもよく、あるいは、これらの物質をポリオ
レフィン系重合体に添加して混合後、溶融押出しペレッ
ト化しても良い。
レフィン系重合体に対し0.05〜1重量%であること
が重要であり、この範囲をはずれると本発明の目的が達
成されない。周期律表第II族の金属塩の好適な含有量は
0.05〜0.5重量%である。またこの組成物(A)
のMIは、前記式(I)を満足することが重要で、好適
にはMIは0.3〜20である。
の金属塩を含有する前記ポリオレフィン系重合体組成物
(A)にEVOHを配合した組成物(B)を使用するこ
とにより、後述する実施例からも明らかなように、より
短時間で立上げが可能となるので好ましい。EVOHの
配合割合は組成物(B)に対し好適には10〜70重量
%、さらに好適には20〜60重量%である。
V)式を満足する粘性挙動を示すことが好ましい。この
ような挙動を示すようにEVOHを選択して使用するこ
とが好適であるが、EVOHとしてはたとえば特開昭6
4−66262号公報に記載されているような方法によ
り得られるEVOHを使用するのが最適である。
EVOHに(a)周期律表第II族に属する金属の一種ま
たは二種以上金属塩、(b)pka(25℃での酸度指
数)3.5以上で常圧下での沸点が180℃以上の酸性
物質および(c)pka3.5以上で常圧下の沸点が1
20℃以下の酸性物質で処理することにより得られる。
ここで(a)の金属塩の周期律表第II族に属する金属と
しては、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、
カルシウム(Ca)、亜鉛(Zn)、バリウム(Ba)
があげられ、その塩としては炭酸塩、酢酸塩、硫酸塩、
リン酸塩、などがあげられる。このうち酢酸カルシウ
ム、酢酸マグネシウムがEVOHの経時的粘性変化のコ
ントロール、EVOHの色相の点から好ましい。使用に
際しては、これらの金属塩を1種あるいは2種以上用い
ることができる。
数)3.5以上で常圧下の沸点が180℃以上の酸性物
質としては、コハク酸、アジピン酸、安息香酸、カプリ
ン酸、クエン酸、ラウリン酸等の有機酸、ホウ酸、リン
酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム等の無機酸
性物質、アスパラギン酸、アミノ安息香酸、グルタミン
酸等のアミノ酸をあげることができるが、必ずしもこれ
らに限定されない。これらの融点が250℃以上の酸性
物質が好ましい。使用に際しては、これらのうち1種ま
たは2種以上を用いることができる。
融点が120℃以下の酸性物質としてはアセト酢酸、ギ
酸、酢酸などがあげられるが、酢酸がより好適である。
これらの物質のEVOHの添加方法としては、これらの
物質を直接EVOHに添加して混合してもよく、あるい
はこれらの物質を水に溶解して調整した水溶液中にEV
OHを浸漬する操作をとってもよい。
の、EVOH中の各物質の含有量は、(a)の金属塩に
ついてはその金属に換算してそれぞれ0.0005〜
0.5重量%、好適には0.001〜0.3重量%、
(b)のpka3.5以上で常圧下沸点が180℃以上
の酸性物質については0.002〜2重量%、好適には
0.005〜1.0重量%、また(c)のpka3.5
以上で常圧下沸点120℃以下の酸性物質については
0.01〜2重量%、好適には0.02〜1重量%であ
る。EVOH中にケン化時に副生する酢酸ソーダを含ま
ない方が好ましいが、0.05重量%程度含んでいて
も、上記の特性を何ら阻害することはない。
うち周期律表第II族の金属塩を含む場合は、その金属塩
とポリオレフィン中に含まれる周期律表第II族の金属塩
との合計量が前記した周期律表第II族の金属塩を金属に
換算した値0.05〜1重量%を満足していることが重
要となる。
チレン含有量15〜70モル%、好適には20〜60モ
ル%、酢酸ビニル成分のけん化度は90%以上、好適に
は95%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物
である。このEVOHは少量の共重合モノマーで変性さ
れていてもよく、変性用モノマーとしては、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペン
テン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マ
レイン酸、フタル酸、イタコン酸、アルキルビニルエー
テル、N−ビニルピロリドン、N−ノルマルブトキシメ
チルアクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノエチ
ル)メタクリルアミド類あるいはその4級化物、N−ビ
ニルイミダゾールあるいはその4級化物、ケイ素を含有
するオレフィン性不飽和モノマー(ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメ
トキシシラン、ビニルトリアセトキシシランなど)を例
示することができる。
関しては特に限定されるものではなく、たとえば、一軸
押出機、二軸押出機が使用され、また単層フィルム押出
機、単層インフレ押出機、共押出シート製膜機、共押出
フィルム製膜機、共押出ブロー成形機、共射出成形機等
も使用される。
EVOH側押出機ホッパー内の樹脂が無くなった後、パ
ージング剤を押出機樹脂滞留量の約6〜20倍投入す
る。この場合スクリュー回転数の増加、押出機温度の増
加等が効果的である。パージング完了後、降温停止する
場合もあり、また引きつづき直ちにEVOHで再立上げ
する場合もある。引きつづきEVOHで再立上げする場
合、押出機ホッパー内の樹脂が無くなった後、EVOH
を投入して運転を続行する場合もあるが、正常な製品を
早く得る為にパージング剤のメルトインデックスを上記
とは逆に段階的に高いものに変更した後、EVOHを投
入する事がよりのぞましい場合もある。運転停止後昇温
して再立上げをする場合、パージング剤で短期間押出し
を行った後、EVOHに切替える事がのぞましい。この
場合もパージング剤のメルトインデックスを段階的に高
いものに変更した後EVOHに切替える事がより効果的
である。
成形に供される樹脂(置換される樹脂)としては、前記
したパージングに使用されるEVOHと同じEVOH樹
脂が好適であるが、これ以外に上記したポリオレフィ
ン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなども使用できる。以下
実施例により本発明をさらに説明するが本発明はこれに
よってなんら限定を受けるものではない。
出機220℃、接着性樹脂押出機230℃、PET側押
出機280℃、フィードブロック及びダイ270℃)を
用い、最外層にポリエステル(クラレ製PET KX9
00−9)層各800μ、接着性樹脂(無水マレイン酸
によるグラフト変性エチレン−酢酸ビニル共重合体;ク
ラレ製ED551)層各50μ、さらに中間層にEVO
H(エチレン含有量44モル%、けん化度99.5%、
MI=5.5g/10分)層50μのシートを成形した
所、3日後よりEVOH層にスジ及びゲルが認められる
様になった。そこで上記運転条件下、EVOH押出機
(吐出量5kg/hr)にパージング剤を約30分投入
した後、再度EVOHに切換えた所、90分後より、ス
ジ、ブツのない良好な製品シートが得られた。次に再度
パージング剤で上記同条件下パージした後、運転を停止
した。翌日、装置を昇温し上記運転条件下、EVOH側
押出機(吐出量5kg/hr)をパージング剤で約30
分置換した後、EVOHに切替えた所、30分後よりス
ジ、ブツの無い良好な製品シートが得られた。結果を表
1および表2に示す。
それ以外は実施例1と同様に行った。いずれの場合も良
好な結果が得られた。
が、いずれの場合もパージング剤としては不適当であっ
た。
Hを溶融成形する装置において、溶融流路内に残存する
EVOHをすみやかに排出でき、かつEVOHを再度、
流路内に導入した場合、パージング剤自身の排出を短時
間で行うことができるため、パージング剤の残存による
製品ロスを大幅に改善することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 ポリオレフィン系重合体に周期律表第II
族の金属塩を該金属に換算して、0.05〜1重量%含
有する組成物(A)からなり、かつ下記式(I)を満足
するエチレン−ビニルアルコール共重合体のパージング
剤。 0.1 ≦ MI ≦ 20 … (I) ただし、 MI…メルトインデックス (190℃−2160g荷重下で測定した値、g/10
分) - 【請求項2】 請求項1記載の組成物(A)にエチレン
含量15〜70モル%、けん化度90%以上のエチレン
−ビニルアルコール共重合体を両成分の合計量に対し1
0〜70重量%配合した組成物(B)からなり、かつ下
記式(II)、(III)および(IV)を満足するエチレン
−ビニルアルコール共重合体のパージング剤。 0.1 ≦ MI(0) ≦ 20 … (II) 0.1 ≦ MI(15) ≦ 20 … (III) 100 ≦ MI(300) ≦ 10,000 … (IV) ただし、 MI(0) …溶融直後のメルトインデックス (190℃−2160g荷重下で測定した値、g/10分) MI(15) …220℃(窒素中)15分間加熱後のメルトインデックス (190℃−2160g荷重下で測定した値、g/10分) MI(300)…220℃(窒素中)300分間加熱後のメルトインデックス (190℃−2160g荷重下で測定した値、g/10分)
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ID=14492903
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1992
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