JP3161645B2 - 液晶配向膜及びその製造方法並びに液晶表示装置 - Google Patents
液晶配向膜及びその製造方法並びに液晶表示装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶配向膜およびその
製造方法並びに液晶表示装置に関するものである。
製造方法並びに液晶表示装置に関するものである。
【0002】さらに詳しくは、TV画像やコンピュータ
ー画像等を表示する液晶を用いた平面表示パネルに用い
る液晶配向膜、およびその製造方法並びにそれを用いた
液晶表示装置に関するものである。
ー画像等を表示する液晶を用いた平面表示パネルに用い
る液晶配向膜、およびその製造方法並びにそれを用いた
液晶表示装置に関するものである。
【0003】
【従来の技術】液晶表示装置には、液晶組成物に電界を
かけて正常に動作させるため、電極表面と液晶組成物と
の間に配向膜を設けることが必要である。この配向膜
は、モノクロ液晶素子、カラー液晶素子など一般的な液
晶素子に必要なものである。
かけて正常に動作させるため、電極表面と液晶組成物と
の間に配向膜を設けることが必要である。この配向膜
は、モノクロ液晶素子、カラー液晶素子など一般的な液
晶素子に必要なものである。
【0004】以下カラー液晶表示パネルを例にとって説
明する。従来のカラー液晶表示パネルは、マトリックス
状に配置された対向電極を形成した2つの基板の間にポ
リビニールアルコールやポリイミドをスピナーで塗布
(遠心スピンコーティング)して形成した液晶配向膜を
介して液晶を封入した装置が一般的であった。
明する。従来のカラー液晶表示パネルは、マトリックス
状に配置された対向電極を形成した2つの基板の間にポ
リビニールアルコールやポリイミドをスピナーで塗布
(遠心スピンコーティング)して形成した液晶配向膜を
介して液晶を封入した装置が一般的であった。
【0005】例えば図5のように、あらかじめ第1のガ
ラス基板1上に画素電極2を持ったTFT(thin film
transistor)アレイ3を形成したものと、第2のガラス
基板4上に複数個の赤青緑のカラーフィルター5が形成
され、さらにその上に共通透明電極6が形成されたも
の、それぞれにポリビニールアルコールやポリイミドな
どをスピナーを用いて塗布形成し、ラビングを行って液
晶配向膜7を形成し、スペーサー8を介して対向して接
着剤9でパネルの周囲を封止して組立てた後、液晶10
を注入し、パネルの裏表に偏光板11、12を設置しバ
ックライト光13を照射しながら、TFTを動作させ矢
印Aの方向にカラー画像を表示する構造である。
ラス基板1上に画素電極2を持ったTFT(thin film
transistor)アレイ3を形成したものと、第2のガラス
基板4上に複数個の赤青緑のカラーフィルター5が形成
され、さらにその上に共通透明電極6が形成されたも
の、それぞれにポリビニールアルコールやポリイミドな
どをスピナーを用いて塗布形成し、ラビングを行って液
晶配向膜7を形成し、スペーサー8を介して対向して接
着剤9でパネルの周囲を封止して組立てた後、液晶10
を注入し、パネルの裏表に偏光板11、12を設置しバ
ックライト光13を照射しながら、TFTを動作させ矢
印Aの方向にカラー画像を表示する構造である。
【0006】またラビングを必要としない液晶配向膜の
製造方法としてはLB膜を用いる方法がある。この方法
は水面上に形成された界面吸着剤の単分子膜を電極上に
移し取り、単分子層を電極上に固定、またはこれを繰り
返すことによって単分子膜を累積したものを電極上に固
定するというものであり、その後熱処理をして配向膜と
して用いる。また化学吸着膜についてもいくつかの提案
がなされている(EPC0476543A、特公昭58
−57082号公報、特開平3−7913号公報)。
製造方法としてはLB膜を用いる方法がある。この方法
は水面上に形成された界面吸着剤の単分子膜を電極上に
移し取り、単分子層を電極上に固定、またはこれを繰り
返すことによって単分子膜を累積したものを電極上に固
定するというものであり、その後熱処理をして配向膜と
して用いる。また化学吸着膜についてもいくつかの提案
がなされている(EPC0476543A、特公昭58
−57082号公報、特開平3−7913号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
配向膜の作製は、ポリビニールアルコールやポリイミド
等の樹脂を有機溶媒に溶解させ回転塗布(スピンコー
ト)法などを用いて塗布形成した後、フェルト布等を用
いてラビング処理を行う方法が用いられていたため、大
面積パネル(例えば14インチディスプレイ)では配向
膜の均一コーティングが難しく、また回転塗布では塗布
厚が数ミクロン程度にもなり、強誘電性液晶のような1
000オングストローム程度の厚みの配向膜を必要とす
る表示パネルでは、性能が大幅に低下してしまうという
大きな課題があった。より具体的には、前記樹脂成分を
薄く均一厚さに塗布することが困難な上、ラビング処理
を均一圧力で行うことは困難であり、しかもガラス基板
に僅かの凸凹があったり、前記樹脂成分の膜厚にムラが
あると、凹部がラビングできないという課題があった。
配向膜の作製は、ポリビニールアルコールやポリイミド
等の樹脂を有機溶媒に溶解させ回転塗布(スピンコー
ト)法などを用いて塗布形成した後、フェルト布等を用
いてラビング処理を行う方法が用いられていたため、大
面積パネル(例えば14インチディスプレイ)では配向
膜の均一コーティングが難しく、また回転塗布では塗布
厚が数ミクロン程度にもなり、強誘電性液晶のような1
000オングストローム程度の厚みの配向膜を必要とす
る表示パネルでは、性能が大幅に低下してしまうという
大きな課題があった。より具体的には、前記樹脂成分を
薄く均一厚さに塗布することが困難な上、ラビング処理
を均一圧力で行うことは困難であり、しかもガラス基板
に僅かの凸凹があったり、前記樹脂成分の膜厚にムラが
あると、凹部がラビングできないという課題があった。
【0008】さらにラビングを行う際の静電気の発生に
より、液晶素子の中にMOS-FET を組み込み、表示特性の
改善を目指すアクティブマトリックス表示方式では、駆
動用のTFT を破壊するなどの問題点が発生する。
より、液晶素子の中にMOS-FET を組み込み、表示特性の
改善を目指すアクティブマトリックス表示方式では、駆
動用のTFT を破壊するなどの問題点が発生する。
【0009】また、LB法は配向が基板の引き上げ引き
上げ方向によって左右されるという配向メカニズムのた
め、プレチルト角の制御は非常に難しい。さらに化学吸
着膜についても改良が望まれていた。
上げ方向によって左右されるという配向メカニズムのた
め、プレチルト角の制御は非常に難しい。さらに化学吸
着膜についても改良が望まれていた。
【0010】本発明は、前記従来技術の問題点を解決す
るもので、従来のラビング処理による生じる問題点を解
決するのみならず、プレチルト角を容易に、しかも自由
に制御できる液晶配向膜ならびにその製造方法および液
晶表示装置を提供することを目的とする。
るもので、従来のラビング処理による生じる問題点を解
決するのみならず、プレチルト角を容易に、しかも自由
に制御できる液晶配向膜ならびにその製造方法および液
晶表示装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の液晶配向膜は、磁気モーメントを有するか
または磁化率異方性を有する分子であり、ラジカルを含
む分子もしくは金属を含む分子系で−Si−結合を含む
共有結合によって電極上に直接または間接的に化学吸着
され、かつ前記化学吸着された分子が一定の方向に所定
の角度で配向して薄膜を形成しているという構成を備え
たものである。
め、本発明の液晶配向膜は、磁気モーメントを有するか
または磁化率異方性を有する分子であり、ラジカルを含
む分子もしくは金属を含む分子系で−Si−結合を含む
共有結合によって電極上に直接または間接的に化学吸着
され、かつ前記化学吸着された分子が一定の方向に所定
の角度で配向して薄膜を形成しているという構成を備え
たものである。
【0012】次に本発明の液晶配向膜の製造方法は、基
体に直接または間接的に、非水系溶媒中で磁気モーメン
ト有するかまたは磁化率異方性を有するシラン系界面吸
着剤を磁場存在下で化学吸着反応を行い、−Si−結合
を含む共有結合によって電極上に直接または間接的に化
学吸着させ、かつ前記化学吸着された分子を一定の方向
に所定の角度で配向して薄膜を形成することを特徴とす
る。
体に直接または間接的に、非水系溶媒中で磁気モーメン
ト有するかまたは磁化率異方性を有するシラン系界面吸
着剤を磁場存在下で化学吸着反応を行い、−Si−結合
を含む共有結合によって電極上に直接または間接的に化
学吸着させ、かつ前記化学吸着された分子を一定の方向
に所定の角度で配向して薄膜を形成することを特徴とす
る。
【0013】前記構成においては、液晶配向膜を形成し
た後、液晶セルを作製し、前記液晶セルを磁場中に置
き、液晶を液晶相状態または等方相状態で注入すること
が好ましい。
た後、液晶セルを作製し、前記液晶セルを磁場中に置
き、液晶を液晶相状態または等方相状態で注入すること
が好ましい。
【0014】また前記構成においては、前記の液晶配向
膜を形成した基体を少なくとも1枚用いて、2枚の基体
をスペーサーを介して挟み、前記2枚の基板間に液晶相
または等方相の液晶が挟まれた状態で磁場をかけること
が好ましい。
膜を形成した基体を少なくとも1枚用いて、2枚の基体
をスペーサーを介して挟み、前記2枚の基板間に液晶相
または等方相の液晶が挟まれた状態で磁場をかけること
が好ましい。
【0015】また前記構成においては、磁気モーメント
有するかまたは磁化率異方性を有するシラン系界面吸着
剤が、磁気モーメントを有するかまたは磁化率異方性を
有するクロロシランであることが好ましい。
有するかまたは磁化率異方性を有するシラン系界面吸着
剤が、磁気モーメントを有するかまたは磁化率異方性を
有するクロロシランであることが好ましい。
【0016】また前記構成においては、磁化率異方性を
有するシラン系界面吸着剤が、芳香族を有するシラン系
界面吸着剤であることが好ましい。
有するシラン系界面吸着剤が、芳香族を有するシラン系
界面吸着剤であることが好ましい。
【0017】次に本発明の液晶表示装置は、磁気モーメ
ントを有するかまたは磁化率異方性を有する分子であ
り、ラジカルを含む分子もしくは金属を含む分子系で−
Si−結合を含む共有結合によって電極上に直接または
間接的に化学吸着され、かつ前記化学吸着された分子が
一定の方向に所定の角度で配向して薄膜を形成した電極
と対向する電極の間に液晶が存在しているという構成を
備えたものである。
ントを有するかまたは磁化率異方性を有する分子であ
り、ラジカルを含む分子もしくは金属を含む分子系で−
Si−結合を含む共有結合によって電極上に直接または
間接的に化学吸着され、かつ前記化学吸着された分子が
一定の方向に所定の角度で配向して薄膜を形成した電極
と対向する電極の間に液晶が存在しているという構成を
備えたものである。
【0018】
【作用】前記した本発明の構成によれば、液晶の配向膜
として磁気モーメントを有する、もしくは磁化率異方性
を有する単分子膜を用いるものである。そのため、浸漬
により単分子膜形成する時に、または浸漬により単分子
膜を形成した後に、または浸漬により単分子膜が形成さ
れた基体を用いて液晶セルを作製した後に磁場を印加し
てやることにより、磁気モーメントを有した単分子膜の
それぞれの分子は、磁気モーメントが磁場方向と平行に
向くように配向し、磁化率異方性を有する分子の単分子
膜はそのそれぞれの分子の磁化率の大きい方向が磁場方
向と平行方向を向くように配向する。つまり、適当な角
度で磁場中に単分子膜をおいてやることにより、自由に
吸着分子のプレチルト角を制御することができる。また
従来のラビング法による配向処理は行わないので、静電
気の発生によるTFT の破壊は起こらず、基板表面に凹凸
があっても配向膜形成は容易にできる。
として磁気モーメントを有する、もしくは磁化率異方性
を有する単分子膜を用いるものである。そのため、浸漬
により単分子膜形成する時に、または浸漬により単分子
膜を形成した後に、または浸漬により単分子膜が形成さ
れた基体を用いて液晶セルを作製した後に磁場を印加し
てやることにより、磁気モーメントを有した単分子膜の
それぞれの分子は、磁気モーメントが磁場方向と平行に
向くように配向し、磁化率異方性を有する分子の単分子
膜はそのそれぞれの分子の磁化率の大きい方向が磁場方
向と平行方向を向くように配向する。つまり、適当な角
度で磁場中に単分子膜をおいてやることにより、自由に
吸着分子のプレチルト角を制御することができる。また
従来のラビング法による配向処理は行わないので、静電
気の発生によるTFT の破壊は起こらず、基板表面に凹凸
があっても配向膜形成は容易にできる。
【0019】また本発明の製造方法によれば、前記液晶
配向膜を効率良く合理的に製造することができる。
配向膜を効率良く合理的に製造することができる。
【0020】
【実施例】以下実施例を用いてさらに具体的に説明す
る。磁気モーメントを有する、または磁化率異方性を有
するシラン系界面吸着剤を1.0〜1.0×10-5mol/
l 程度の濃度で非水系混合溶媒に溶解し化学吸着剤を調
製した。前記非水系混合溶媒は、80容量%n−ヘキサ
デカン、12容量%四塩化炭素、8容量%クロロホルム
溶液である。この化学吸着剤をの中に、例えば、図1に
示すような、よく乾燥したITO電極14等を有したガ
ラスや石英等の基板15を浸漬する。
る。磁気モーメントを有する、または磁化率異方性を有
するシラン系界面吸着剤を1.0〜1.0×10-5mol/
l 程度の濃度で非水系混合溶媒に溶解し化学吸着剤を調
製した。前記非水系混合溶媒は、80容量%n−ヘキサ
デカン、12容量%四塩化炭素、8容量%クロロホルム
溶液である。この化学吸着剤をの中に、例えば、図1に
示すような、よく乾燥したITO電極14等を有したガ
ラスや石英等の基板15を浸漬する。
【0021】前記基板は表面が親水性であり、表面には
−OH基、−NH2 基、>NH基または−SH基のうち
少なくとも一つの基が含まれていればよい。従って例え
ばSiCl3 基と−OH基、−NH2 基、>NH基また
は−SH基のとのいずれかが脱塩酸反応して−SiO−
結合、または−Si−N<結合が生成され、磁気モーメ
ントを有する、もしくは磁化率異方性を有するシラン界
面吸着剤による単分子吸着膜16が基板表面に一層形成
される。
−OH基、−NH2 基、>NH基または−SH基のうち
少なくとも一つの基が含まれていればよい。従って例え
ばSiCl3 基と−OH基、−NH2 基、>NH基また
は−SH基のとのいずれかが脱塩酸反応して−SiO−
結合、または−Si−N<結合が生成され、磁気モーメ
ントを有する、もしくは磁化率異方性を有するシラン界
面吸着剤による単分子吸着膜16が基板表面に一層形成
される。
【0022】用いる磁気モーメントを有するシラン系界
面吸着剤としては、例えば下記式(化1)示すラジカル
を有する界面吸着剤がある。
面吸着剤としては、例えば下記式(化1)示すラジカル
を有する界面吸着剤がある。
【0023】
【化1】
【0024】別のシラン系界面吸着剤としては、例えば
下記式(化2)に示すFe、Ni、Co、Mn、Cr、Ti、Pt、Gd
などの金属原子を有する界面吸着剤がある。
下記式(化2)に示すFe、Ni、Co、Mn、Cr、Ti、Pt、Gd
などの金属原子を有する界面吸着剤がある。
【0025】
【化2】
【0026】別のシラン系界面吸着剤としては、例えば
下記式(化3)に示す芳香族系分子を含む界面吸着剤が
ある。
下記式(化3)に示す芳香族系分子を含む界面吸着剤が
ある。
【0027】
【化3】
【0028】また磁化率異方性を有するシラン系界面吸
着剤としては、Cu、Ag、Au、Hg、Pb、Bi、Sb等の金属化
合物を有する界面吸着剤、大部分の有機化合物や塩類を
有する界面吸着剤等があるが、最も用い易いのはラジカ
ル系、金属系または芳香環を有する界面吸着剤である。
着剤としては、Cu、Ag、Au、Hg、Pb、Bi、Sb等の金属化
合物を有する界面吸着剤、大部分の有機化合物や塩類を
有する界面吸着剤等があるが、最も用い易いのはラジカ
ル系、金属系または芳香環を有する界面吸着剤である。
【0029】この吸着時に基板に対して電磁石17等で
磁場をある一定の角度でかけると界面吸着剤が基体に吸
着するときに、磁気モーメントを有する界面吸着剤なら
ば磁場に対してその磁気モーメントが平行になるように
吸着し、また磁気異方性を有する界面吸着剤ならば、そ
の分子は磁化率の大きい方向を磁場に対しては平行の方
向に向き吸着する。つまりこのような吸着剤は基板に対
してある一定の角度で吸着するため、吸着形成された吸
着分子は、基体に対してある一定の角度を有し、一様方
向に配向している。また吸着時に磁場を印加しなくて
も、単分子膜の形成された基体を、磁場中においてもよ
い。
磁場をある一定の角度でかけると界面吸着剤が基体に吸
着するときに、磁気モーメントを有する界面吸着剤なら
ば磁場に対してその磁気モーメントが平行になるように
吸着し、また磁気異方性を有する界面吸着剤ならば、そ
の分子は磁化率の大きい方向を磁場に対しては平行の方
向に向き吸着する。つまりこのような吸着剤は基板に対
してある一定の角度で吸着するため、吸着形成された吸
着分子は、基体に対してある一定の角度を有し、一様方
向に配向している。また吸着時に磁場を印加しなくて
も、単分子膜の形成された基体を、磁場中においてもよ
い。
【0030】さらに、図2に示すようにこの磁気モーメ
ントを有する、もしくは磁化率異方性を有する単分子膜
18の形成された基体19でスペーサー20を用いて、
液晶セル21を作製し液晶22を注入するとき、または
液晶を注入した後に磁場を印加すると先ほどと同様、磁
場方向を変化させることによりに、自由な角度で面内で
配向した配向膜が得られる。この液晶注入時に液晶は等
方相で注入しても、液晶相で注入しても構わないが、加
熱処理などを施した等方相状態で注入する方がよい。
ントを有する、もしくは磁化率異方性を有する単分子膜
18の形成された基体19でスペーサー20を用いて、
液晶セル21を作製し液晶22を注入するとき、または
液晶を注入した後に磁場を印加すると先ほどと同様、磁
場方向を変化させることによりに、自由な角度で面内で
配向した配向膜が得られる。この液晶注入時に液晶は等
方相で注入しても、液晶相で注入しても構わないが、加
熱処理などを施した等方相状態で注入する方がよい。
【0031】この時に印加する磁場は、0.1テスラ以
上であれば好ましいが、1テスラ以上であるとさらに良
い。従ってこのような配向膜の形成された基板に液晶が
接すると、液晶22の分子は、吸着単分子膜18の隙間
に入り込み、全体として液晶の配向角度が制御される。
上であれば好ましいが、1テスラ以上であるとさらに良
い。従ってこのような配向膜の形成された基板に液晶が
接すると、液晶22の分子は、吸着単分子膜18の隙間
に入り込み、全体として液晶の配向角度が制御される。
【0032】さらに、このような配向膜を用いて、液晶
表示装置を作製する場合、図3に示した一例に基づき説
明する。あらかじめマトリックス状に載置された第一の
電極群23と、この電極を駆動するトランジスター群2
4を有する第一の基板25上と、第一の電極群と対向す
るようにカラーフィルター群26と、第二の電極27を
有する第二の基板28とを用意する。
表示装置を作製する場合、図3に示した一例に基づき説
明する。あらかじめマトリックス状に載置された第一の
電極群23と、この電極を駆動するトランジスター群2
4を有する第一の基板25上と、第一の電極群と対向す
るようにカラーフィルター群26と、第二の電極27を
有する第二の基板28とを用意する。
【0033】これらの基板25と基板28をそれぞれ磁
気モーメントを有する、もしくは磁化率異方性を有する
シラン系界面吸着剤を有する非水系の有機溶媒中(例え
ばパラフィン類を用いれば、長い分子の配向を効率よく
制御することができ、特にn-ヘキサデカンは、その効果
が著しい。)に浸漬し、シラン系界面吸着剤を吸着さ
せ、それぞれの基板表面に直接界面吸着剤のシリコンと
基板表面の自然酸化膜とを化学結合させて、液晶配向膜
29を作製する。
気モーメントを有する、もしくは磁化率異方性を有する
シラン系界面吸着剤を有する非水系の有機溶媒中(例え
ばパラフィン類を用いれば、長い分子の配向を効率よく
制御することができ、特にn-ヘキサデカンは、その効果
が著しい。)に浸漬し、シラン系界面吸着剤を吸着さ
せ、それぞれの基板表面に直接界面吸着剤のシリコンと
基板表面の自然酸化膜とを化学結合させて、液晶配向膜
29を作製する。
【0034】なお基板25及び基板28の表面に例えば
SiO2 等の薄膜を、例えばCVD 法やスパッタ法を用い
て形成して用いてもよく、また、例えばポリビニルアル
コール、ゼラチン等の親水性高分子を塗布してもよい。
SiO2 等の薄膜を、例えばCVD 法やスパッタ法を用い
て形成して用いてもよく、また、例えばポリビニルアル
コール、ゼラチン等の親水性高分子を塗布してもよい。
【0035】シラン系界面吸着剤を化学結合させた第一
の基板25と第二の基板28とをそれぞれ電極が対向す
るように位置合わせして、互いの基板にスペーサー30
で間隙を設け、接着剤31で固定する。このようにして
形成された間隙に所定の液晶32を注入する。その後、
偏光板33、34を組み合わせて完成する。
の基板25と第二の基板28とをそれぞれ電極が対向す
るように位置合わせして、互いの基板にスペーサー30
で間隙を設け、接着剤31で固定する。このようにして
形成された間隙に所定の液晶32を注入する。その後、
偏光板33、34を組み合わせて完成する。
【0036】このようなデバイスでは、バックライト3
5を全面に照射しながら、ビデオ信号を用いて各々のト
ランジスターを駆動すれば矢印Aの方向に映像を表示で
きる。
5を全面に照射しながら、ビデオ信号を用いて各々のト
ランジスターを駆動すれば矢印Aの方向に映像を表示で
きる。
【0037】なお本実施例によれば、配向膜の製造工程
でラビングは必ずしも必要ではないが、ラビングは行っ
てもよいことは勿論である。以下具体的実施例を説明す
る。
でラビングは必ずしも必要ではないが、ラビングは行っ
てもよいことは勿論である。以下具体的実施例を説明す
る。
【0038】実施例1 4-(4- トリクロロシロキシ) ブトキシ安息香酸 (S)-4-
(2- メチル) ブトキシフェニルを1.0容量%の濃度で
非水系混合溶媒に溶解し、化学吸着剤を調製した。前記
非水系混合溶媒は、80容量%n−ヘキサデカン、12
容量%四塩化炭素、8容量%クロロホルム溶液である。
この化学吸着剤の中に、表面にITO電極36を有した
よく乾燥したガラスの基板37および38を浸漬し、脱
塩化水素反応を行わせる。その後クロロホルムで洗浄
し、未反応物を洗浄・除去する。さらに水洗を行い、化
学吸着単分子膜39を形成する。このようにして化学吸
着膜39の形成されたガラス基板37、38を、図4に
示すように電極部分が向かい合うようにしてスペーサー
40で隙間をあけ、液晶セルを作製する。このようにし
て作製した液晶セルを、電磁石41により生じた磁場中
(1テスラ)にセルの法線方向に対して70度の角度に
おいて、加熱して等方性状態である液晶42(ZLI−
4318、メルク(株)製)を注入した。なお磁場中
で、そのまま液晶相になるまで放冷した。この液晶セル
は電場無印加時にはモノドメインなプレチルト角70度
を有する配向を示し、電場印加時には均一な配向性を示
した。
(2- メチル) ブトキシフェニルを1.0容量%の濃度で
非水系混合溶媒に溶解し、化学吸着剤を調製した。前記
非水系混合溶媒は、80容量%n−ヘキサデカン、12
容量%四塩化炭素、8容量%クロロホルム溶液である。
この化学吸着剤の中に、表面にITO電極36を有した
よく乾燥したガラスの基板37および38を浸漬し、脱
塩化水素反応を行わせる。その後クロロホルムで洗浄
し、未反応物を洗浄・除去する。さらに水洗を行い、化
学吸着単分子膜39を形成する。このようにして化学吸
着膜39の形成されたガラス基板37、38を、図4に
示すように電極部分が向かい合うようにしてスペーサー
40で隙間をあけ、液晶セルを作製する。このようにし
て作製した液晶セルを、電磁石41により生じた磁場中
(1テスラ)にセルの法線方向に対して70度の角度に
おいて、加熱して等方性状態である液晶42(ZLI−
4318、メルク(株)製)を注入した。なお磁場中
で、そのまま液晶相になるまで放冷した。この液晶セル
は電場無印加時にはモノドメインなプレチルト角70度
を有する配向を示し、電場印加時には均一な配向性を示
した。
【0039】実施例2 4-(4- トリクロロシロキシ) ブトキシ安息香酸 (S)-4-
(2- メチル) ブトキシフェニルを1.0容量%の濃度で
非水系混合溶媒に溶解し、化学吸着剤を調製した。前記
非水系混合溶媒は、80容量%n−ヘキサデカン、12
容量%四塩化炭素、8容量%クロロホルム溶液である。
この化学吸着剤の中に表面にITO電極14を有したよ
く乾燥したガラスの基板15を浸漬し脱塩化水素反応を
行わせる。その後クロロホルムで洗浄し、未反応物を洗
浄・除去する。次に水洗を行う。このようにして化学吸
着膜16の形成されたガラス基板15を、図2に示すよ
うに法線方向に対して45度の角度で5テスラの磁場中
に置き、基板表面を120℃に加熱してそのまま磁場中
で放冷した。このような処理を行った基板を2枚用い
て、液晶セルを作製し、液晶(ZLI−4318)を注
入した。電圧無印加時はモノドメインなプレチルト角4
5度を有する配向を示し、電場印加時には均一な配向性
を示した。
(2- メチル) ブトキシフェニルを1.0容量%の濃度で
非水系混合溶媒に溶解し、化学吸着剤を調製した。前記
非水系混合溶媒は、80容量%n−ヘキサデカン、12
容量%四塩化炭素、8容量%クロロホルム溶液である。
この化学吸着剤の中に表面にITO電極14を有したよ
く乾燥したガラスの基板15を浸漬し脱塩化水素反応を
行わせる。その後クロロホルムで洗浄し、未反応物を洗
浄・除去する。次に水洗を行う。このようにして化学吸
着膜16の形成されたガラス基板15を、図2に示すよ
うに法線方向に対して45度の角度で5テスラの磁場中
に置き、基板表面を120℃に加熱してそのまま磁場中
で放冷した。このような処理を行った基板を2枚用い
て、液晶セルを作製し、液晶(ZLI−4318)を注
入した。電圧無印加時はモノドメインなプレチルト角4
5度を有する配向を示し、電場印加時には均一な配向性
を示した。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明は、液晶配向膜及び
その製造方法並びに液晶表示装置に関するもので、液晶
配向膜として磁気モーメントを有するか、もしくは磁化
率異方性を有するシラン系界面吸着剤を用いているた
め、磁場をかけることにより配向膜をラビングなしで作
製できる。そのため従来のラビング処理における問題点
をすべて解決するだけでなく、自由にプレチルト角を制
御できるという優れたものである。
その製造方法並びに液晶表示装置に関するもので、液晶
配向膜として磁気モーメントを有するか、もしくは磁化
率異方性を有するシラン系界面吸着剤を用いているた
め、磁場をかけることにより配向膜をラビングなしで作
製できる。そのため従来のラビング処理における問題点
をすべて解決するだけでなく、自由にプレチルト角を制
御できるという優れたものである。
【図1】本発明の一実施例の磁場による配向膜のプレチ
ルト角発現方法概念断面図
ルト角発現方法概念断面図
【図2】本発明の一実施例の磁場により配向した液晶セ
ルの概念断面図
ルの概念断面図
【図3】本発明の一実施例の液晶表示装置の断面図
【図4】本発明の一実施例の磁場による液晶配向膜の配
向概念断面図
向概念断面図
【図5】従来の液晶表示装置の断面図
1 基板 2 電極 3 TFTアレイ 4 基板 5 カラーフィルター 6 透明電極 7 液晶配向膜 8 スペーサー 9 接着剤 10 液晶 11 偏光板 12 偏光板 13 バックライト光 14 透明電極 15 基板 16 本実施例の配向膜 17 電磁石 18 本実施例の配向膜 19 基板 20 スペーサー 21 液晶セル 22 液晶分子 23 電極 24 TFTアレイ 25 基板 26 カラーフィルター 27 透明電極 28 基板 29 本実施例の液晶配向膜 30 スペーサー 31 接着剤 32 液晶 33 偏光板 34 偏光板 35 バックライト光 36 透明電極 37 基板 38 基板 39 本実施例の液晶配向膜 40 スペーサー 41 電磁石 42 液晶分子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−7913(JP,A) 特開 平4−356020(JP,A) 特開 平3−279922(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1337
Claims (3)
- 【請求項1】 磁気モーメントを有するかまたは磁化率
異方性を有する分子であり、ラジカルを含む分子もしく
は金属を含む分子系で−Si−結合を含む共有結合によ
って電極上に直接または間接的に化学吸着され、かつ前
記化学吸着された分子が一定の方向に所定の角度で配向
して薄膜を形成している液晶配向膜。 - 【請求項2】 基体に直接または間接的に、非水系溶媒
中で磁気モーメント有するかまたは磁化率異方性を有す
るシラン系界面吸着剤を磁場存在下で化学吸着反応を行
い、−Si−結合を含む共有結合によって電極上に直接
または間接的に化学吸着させ、かつ前記化学吸着された
分子を一定の方向に所定の角度で配向して薄膜を形成す
ることを特徴とする液晶配向膜の製造方法。 - 【請求項3】 磁気モーメントを有するかまたは磁化率
異方性を有する分子であり、ラジカルを含む分子もしく
は金属を含む分子系で−Si−結合を含む共有結合によ
って電極上に直接または間接的に化学吸着され、かつ前
記化学吸着された分子が一定の方向に所定の角度で配向
して薄膜を形成した電極と対向する電極の間に液晶が存
在している液晶表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1343593A JP3161645B2 (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | 液晶配向膜及びその製造方法並びに液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1343593A JP3161645B2 (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | 液晶配向膜及びその製造方法並びに液晶表示装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06230387A JPH06230387A (ja) | 1994-08-19 |
JP3161645B2 true JP3161645B2 (ja) | 2001-04-25 |
Family
ID=11833055
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1343593A Expired - Fee Related JP3161645B2 (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | 液晶配向膜及びその製造方法並びに液晶表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3161645B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH022695A (ja) * | 1988-06-16 | 1990-01-08 | Fanuc Ltd | レーザ発振装置 |
-
1993
- 1993-01-29 JP JP1343593A patent/JP3161645B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06230387A (ja) | 1994-08-19 |
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Date | Code | Title | Description |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |