JP3161592U - 避難所用折り畳み式パーティション - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易的に組み立てることが可能であり、かつ、各避難民の居住空間を固定することができる避難所用折り畳み式パーティションを提供する。【解決手段】折り畳み状態、展開状態、組立状態の3つの態様をとり、組立状態において、床面部と、床面部を取り囲む4つの壁面部とを備え、壁面部で囲まれる空間を避難用の居住空間とし、かつ、壁面部の一部に扉2aが形成され、床面部を第1パーツ11〜14で構成し、壁面部2を第2パーツ21〜24で構成し、第1パーツ11〜14と第2パーツ21〜24の間の境界ライン、及び、第2パーツと21〜24同士の間の境界ラインは、予め結束バンド3を用いて連結される第1境界ラインか、予め連結されない第2境界ラインのいずれかに設定され、折り畳むときは、第1境界ラインを折り畳むことで、全体として扁平な直方体状に折り畳むことができる。【選択図】図5
Description
本考案は、折り畳み状態、展開状態、組立状態の3つの態様をとることが可能な避難所用折り畳み式パーティションに関するものである。
地震や火災等の災害時には、体育館、公民館等の公共の場所が避難所として使用される。被災民は、かかる避難所を一時的な居住空間として使用するが、プライバシー保護の観点から、他人との居住空間を仕切るためのパーティションが必要である。かかる先行技術として、例えば、下記特許文献に開示されるパーティションが公知である。
特許文献1におけるパーティションは、建造物内の空間内に位置して空間を仕切る自立式フレキシブルパーティションであり、多数の壁面部がアコーディオン状に折り畳み可能に構成されている。
特許文献2におけるパーティション(間仕切り構造)も同様にアコーディオン状に折り畳み可能に構成されており、さらに、各壁面部を貫通する棚体が設けられている。
上記先行技術に係るパーティションは、アコーディオン式に折り畳み可能であり簡易的な構造である。しかしながら、多数の避難民が殺到した場合、パーティションの設置位置を整然とさせておくことが難しい。すなわち、パーティションは移動しやすいだけに、各避難民の居住空間を予め決めて守らせることが難しいという問題がある。従って、自分の都合で勝手にパーティションを移動させて、他の避難民の居住空間を侵食してしまうという問題がある。また、避難所では、通路を確保することも重要であり、パーティションの勝手な移動により通路が確保できなくなるという問題もある。
本考案は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、簡易的に組み立てることが可能であり、かつ、各避難民の居住空間を固定されたものにすることができる避難所用折り畳み式パーティションを提供することである。
上記課題を解決するため本考案に係る避難所用折り畳み式パーティションは、
折り畳み状態、展開状態、組立状態の3つの態様をとることが可能な避難所用折り畳み式パーティションであって、
前記組立状態において、床面部と、この床面部を取り囲むように配置される複数の壁面部とを備え、この壁面部で囲まれる空間を避難用の居住空間とし、かつ、前記壁面部の一部に扉が形成され、
前記床面部を第1パーツで構成するとともに、前記壁面部を第2パーツで構成し、第1パーツと第2パーツの間の境界ライン、及び/又は、第2パーツと第2パーツの間の境界ラインは、予め連結部材を用いて連結される第1境界ラインか、予め連結されない第2境界ラインのいずれかに設定され、前記折り畳み状態とするに際しては、前記第1境界部分を折り畳むことで、全体として扁平な直方体状に折り畳むことが可能に構成され、
前記折り畳み状態から展開して、床面部に対して壁面部を垂直に設定し、完成された組立状態とするように構成したことを特徴とするものである。
折り畳み状態、展開状態、組立状態の3つの態様をとることが可能な避難所用折り畳み式パーティションであって、
前記組立状態において、床面部と、この床面部を取り囲むように配置される複数の壁面部とを備え、この壁面部で囲まれる空間を避難用の居住空間とし、かつ、前記壁面部の一部に扉が形成され、
前記床面部を第1パーツで構成するとともに、前記壁面部を第2パーツで構成し、第1パーツと第2パーツの間の境界ライン、及び/又は、第2パーツと第2パーツの間の境界ラインは、予め連結部材を用いて連結される第1境界ラインか、予め連結されない第2境界ラインのいずれかに設定され、前記折り畳み状態とするに際しては、前記第1境界部分を折り畳むことで、全体として扁平な直方体状に折り畳むことが可能に構成され、
前記折り畳み状態から展開して、床面部に対して壁面部を垂直に設定し、完成された組立状態とするように構成したことを特徴とするものである。
かかる構成による避難所用折り畳み式パーティションの作用・効果を説明する。このパーティションは、折り畳み状態、展開状態、組立状態の3つの態様をとることができる。パーティションを運搬するときは、折り畳み状態にすることで、持ち運びが容易な状態にする。避難所で組み立てる際は、折り畳み状態から展開状態に移行し、さらに、組立状態にして使用可能な状態にする。組立状態では、床面部とこれを取り囲む壁面部により構成される。壁面部により囲まれる空間が居住空間であるから、居住空間の大きさははじめから決められている。すなわち、床面部の面積が、居住空間の平面的な大きさを表し、固定された大きさになる。
床面部は第1パーツにより構成され、壁面部は第2パーツにより構成される。通常は、これら第1パーツと第2パーツは正方形もしくは長方形となる。便宜上、第1パーツと第2パーツと区別しているが、これらは異なるサイズ・材質であってもよいし同じサイズ・材質であってもよい。第1パーツ(1つもしくは複数)と第2パーツ(複数)は部品としては分かれているが、これらは連結部材により予め連結されている。すなわち、第1パーツと第2パーツの間の境界ライン、及び/又は、第2パーツと第2パーツの間の境界ラインは、予め連結部材を用いて連結される第1境界ラインか、予め連結されない第2境界ラインのいずれかに設定されている。これにより、各パーツはばらばらにならずに可能な限り一体化させておくことができる。そして、折り畳み状態とするに際しては、第1境界部分を折り畳むことで、全体として扁平な直方体状に折り畳むことができ、持ち運びが容易になる。また、上記境界ラインには、予め、連結されていない第2境界ラインもあり、かかる第2境界ラインが設定されていることで、組立状態で立体的なパーティションを平面的な状態に折り畳ませることができる。予め、連結されていない第2境界ラインについては、必要に応じて、組立状態にしてから適宜の方法(例えば、ガムテープによる結合)により連結させることができる。
以上の構成によれば、境界ラインを折り畳むことで簡単に折り畳み状態とすることができ、それを展開していくことで最終的に組立状態に完成させることができる。居住空間は床面部の大きさに支配されるので、各避難民の居住空間を固定されたものにすることができる。
本考案において、前記第1パーツ及び/又は前記第2パーツの前記第1境界ラインに沿って複数の連結孔を形成し、かつ、互いに隣接する第1パーツと第2パーツ、及び/又は、第2パーツと第2パーツ、の連結孔同士を連結するための前記連結部材をひも状部材で構成し、
折り畳み状態では、前記連結孔同士をひも状部材で緩く連結した状態にしておき、組立状態では、ひも状部材を締め付けることで、隣接するパーツ同士を強固に連結可能に構成することが好ましい。
折り畳み状態では、前記連結孔同士をひも状部材で緩く連結した状態にしておき、組立状態では、ひも状部材を締め付けることで、隣接するパーツ同士を強固に連結可能に構成することが好ましい。
隣接するパーツ同士を連結する連結部材については、種々の構成が考えられるが、ひも状部材とすることが好ましい。ひも状部材で連結するため、隣接する第2パーツと第2パーツ(あるいは第1パーツ)の境界ラインに沿って連結孔を形成する。この連結孔にひも状部材を通して、隣接するパーツ同士を連結することができる。また、折り畳み状態にするためには、ひも状部材でゆるく連結した状態にすれば、折り畳み作業を容易にすることができる。そして、組立状態にするときに、きつく締め付けることで隣接するパーツ同士を強固に連結することができる。
本考案に係るひも状部材は、結束バンドであることが好ましい。結束バンドは、バンドの片端にロック用部品がついており、これに反対側の端を通して結束する。結束バンドは、市販のものを用いることができ、安価に構成することができる。
本考案において、前記扉を有する壁面部は、壁面部を構成する前記第2パーツを複数の小パーツにさらに分割し、この小パーツ同士の境界ラインを前記連結部材で連結することで扉のヒンジとして機能させるように構成したことが好ましい。
壁面部は通常であれば1つの第2パーツで構成することができるが、扉を構成する場合は、第2パーツを複数の小パーツで構成する。この小パーツ同士の境界ラインを連結部材で連結することで、小パーツ同士を折りたたむことが可能になる。すなわち、境界ラインをヒンジとして機能させることができる。これにより、扉を簡素な構成で形成することができる。
本考案に係る床面部は1対の前記第1パーツにより構成され、組立状態で互いに向かい合う1対の第2パーツの夫々に第1パーツを前記連結部材で連結し、1対の第1パーツが平面的に並んだ状態で床面部が形成されていることが好ましい。
床面部は1つの第1パーツにより構成することもできるが、その場合、第1パーツが第2パーツよりもかなり大きなサイズになる可能性がある。そこで、1対の第1パーツで床面部を構成する。互いに向かい合う第2パーツに夫々上記第1パーツを連結部材で連結しておく。組み立てるときは、1対の第1パーツを平面的に並べた状態で床面部を構成することができる。すなわち、床面部の面積も2つの第1パーツに対応した面積とすることができる。かかる構成にすることで、第1パーツと第2パーツのサイズを同じか近いサイズにすることができ、折り畳み状態のサイズをコンパクトにすることができる。
本考案において、床面部は4つの前記第1パーツにより構成され、床面部を取り囲む4つの第2パーツの夫々に第1パーツを前記連結部材で連結し、組立状態で互いに向かいあう1対の第1パーツが平面的に並んだ状態で床面部を形成することで、床面部は第1パーツが上下に2枚重ねになることが好ましい。
通常であれば、壁面部は床面部の周囲に4つ設けられるので、互いに向かい合う2対の第2パーツが存在することになる。これら4つの第2パーツに夫々第1パーツを連結させる。これにより、組立状態では第1パーツが2枚重ねになるようにすることができる。床面部の面積は2つの第1パーツに対応した面積となる。例えば、体育館のような避難所は、冬場においては、床面の温度も低く、床面部の厚さが薄いと、体感温度も低くなりがちである。そこで、床面部を2枚重ねになるように構成することで、断熱性を高めることができ、住み心地の良い空間とすることができる。
本考案において、前記床面部、壁面部は、段ボールにより形成することが好ましい。これにより、安価な段ボールを用いてパーティションを作成することができる。また、再利用することも可能であり、環境にも配慮したパーティションとすることができる。
本考案において、前記床面部、壁面部は、ウレタンボード、または、樹脂発泡ボードにより形成されることが好ましい。かかる素材を用いても、比較的安価で強度を有するパーティションを提供することができる。また、再利用することも可能である。
本考案に係る避難所用折り畳み式パーティション(以下、単に「パーティション」と称する。)の好適な実施形態を図面を用いて説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係るパーティションの組立状態を示す。図2は、パーティションを途中まで展開した状態を示す図である。図3は、折り畳み状態を示す図である。図4は、展開作業の途中を示す図である。図5は、組立状態における平面図である。
図1は、第1実施形態に係るパーティションの組立状態を示す。図2は、パーティションを途中まで展開した状態を示す図である。図3は、折り畳み状態を示す図である。図4は、展開作業の途中を示す図である。図5は、組立状態における平面図である。
図1に示すように、パーティションは、床面部1と、この床面部1を四方から取り囲むように立てられる4つの壁面部2から構成される。壁面部2は、組み立てた状態では床面部1に対して垂直姿勢となる。4つの壁面部2のうちの1つは、開閉可能な扉2aを有している。図1に示すパーティション(以下、「基本構成」ということがある。)を多数用意しておき、基本構成が同じものを多数、避難所に配置するようにする。
図2は、途中まで展開した状態を示す図である。床面部1は、4つの第1パーツ11〜14により構成される。各第1パーツ11〜14は、同じサイズの矩形である。壁面部2は全部で4つ設けられ床面部1を取り囲むように構成される。各壁面部2は、4つの第2パーツ21〜24により構成される。各第2パーツ21〜24は、同じサイズの矩形であるが、扉2aが設けられる第2パーツ21は、更に2つの小パーツ21A,21Bにより構成され、小パーツ21Bが扉2aとして機能する。2つの小パーツ21A,21Bの大きさについては、適宜設定することができる。
図2に示すように、第1パーツ11〜14の大きさはW1×W2であらわされる。また第2パーツ21〜24の大きさはW1×H(高さ)で表わされる。図5に示すように、第1パーツ11〜14の短辺の長さW2は長辺の長さW1のちょうど半分である。なお、高さHを長さW2に合わせれば、第1パーツ11〜14と第2パーツ21〜24のサイズを同じにすることができる。
パーティションを組立状態にしたとき、隣接するパーツ間の境界ラインは、予め、結束バンド3(連結部材、ひも状部材に相当)により連結される第1境界ラインL1と、予め、結束バンド3で連結されない第2境界ラインL2のいずれかに設定されている。図2に示すように、隣接する第2パーツ(21と22)(22と23)(23と24)の境界ラインは第1境界ラインL1である。これらの第1境界ラインL1は結束バンド3により連結される。ただし、第2パーツ(21と24)の境界ラインは、第2境界ラインL2であり、結束バンド3による連結はされない。
第2パーツ21については、2つの小パーツ21A,21Bに分割されており、これらの境界ラインも第1境界ラインL1であり、結束バンド3により連結される。これにより、第1境界ラインL1を扉のヒンジとして機能させることができる。
第1パーツ11と第2パーツ21、第1パーツ12と第2パーツ22、第1パーツ13と第2パーツ23、第1パーツ14と第2パーツ24は、夫々、第1境界ラインL1において結束バンド3により連結される。第1パーツ11〜14の他の境界ラインは、第2境界ラインL2である。なお、扉2aが設けられる第2パーツ21については、小パーツ21Aのみが第1パーツ11と連結される。これにより、開閉自在な扉2aを設けることができる。
図5に示すように、組立状態では互いに向かい合う第2パーツ21と第2パーツ23に連結されている第1パーツ11と第1パーツ13が床面部1の表面にくる。第1パーツ11と第1パーツ13は、平面的に並んだ状態で配置されるので、床面部1の面積は1つの第1パーツ11,13夫々の面積を合わせた面積となる。また、もう1つの向かい合う第1パーツ12と第1パーツ14は、第1パーツ11と第1パーツ13の裏側に配置される。
従って、壁面部2の厚みは、1つの第2パーツ21〜24の厚みで構成されるが、床面部1は、第1パーツ11〜14の二重構造となるので厚みは壁面部2の2倍となる。特に、冬場においては、避難所では暖房が効いていない可能性もあり、避難所の床面がかなり冷えている状態になる。従って、その冷温が伝わりにくい構造が望まれる。床面部1を第1パーツ11〜14の二重構造にすれば、断熱性を高めることができ、快適な避難空間とすることができる。
なお、上記二重構造とする場合、第1パーツ12と第1パーツ14を表面側になるようにし、第1パーツ11と第1パーツ13を裏面側になるように組み立ててもよい。
図6は、結束バンド3での連結状態を拡大して示す図である。第1境界ラインL1に対応する箇所には、第1パーツ11〜14と第2パーツ21〜24とも、多数の連通孔2bが形成されている。結束バンド3は市販のものを使用することができる。なお、連通孔2bの個数については、パーツ間の結合強度を考慮して適宜決めることができる。連通孔2bを多めに形成しておき、結束バンド3を使用する連通孔2bをその中から適宜選択して、結合強度を調整するようにしてもよい。
<具体的寸法例>
パーティションの具体的な寸法例を説明する。居住空間の大きさとしてはW1×W1×H=2.7m×2.7m×1.5mとすることができる。L1=3mとすれば、第1パーツ11〜14と第2パーツ21〜24の大きさを同じにすることができる。また、結束バンド3としては、幅5mm×長さ200mm程度のものを使用し、連通孔2bもφ6mmとすることができる。
パーティションの具体的な寸法例を説明する。居住空間の大きさとしてはW1×W1×H=2.7m×2.7m×1.5mとすることができる。L1=3mとすれば、第1パーツ11〜14と第2パーツ21〜24の大きさを同じにすることができる。また、結束バンド3としては、幅5mm×長さ200mm程度のものを使用し、連通孔2bもφ6mmとすることができる。
床面部1のサイズを上記のようにすれば、家族4人用の居住空間として提供可能である。1人当たりの空間は、上記の例では1人/1.8m2程度になる。
なお、具体的な数値は上記に限定されるものではなく、事情に応じて適宜決めることができる。また、床面部1は正方形でなくてもよく、長方形に形成してもよい。例えば、W1については、エコノミータイプでは2830mm(面積は8m2仕様:1人/2m2)、標準タイプでは3000m(面積は9m2仕様:1人/2.25m2) 、余裕タイプでは2700〜3000mmとすることができる。
壁面部2の高さは1.0m〜1.5m程度にすることが好ましい。壁面部2の高さは高くすればするほど、プライバシー保護の点では好ましい。しかし、避難用であることを考慮すれば、パーティションの外部から内部を確認できることが望まれる。今回は4人仕様を基本に一辺を2.7mとしたことより、高さはより好ましい1.5mとした。
<組立手順>
次に、パーティションを折り畳んだ状態から組み立てるときの手順を説明する。図3は、パーティションを完全に折り畳んだ状態を示す概念図である。この図3は天井側からみた図である。折り畳んでいる順番は、図3の右側から第2パーツ21、第1パーツ11、第2パーツ23、第1パーツ13、第1パーツ14、第2パーツ24、第1パーツ12、第2パーツ22の順である。また、折り畳み作業を容易にするために、結束バンド3での締め付け状態は緩い状態にしておく。すなわち、第2パーツ21と第2パーツ22は、かなり緩んだ状態で連結する。第2パーツ22と第2パーツ23も少し緩んだ状態で連結する。第2パーツ23と第2パーツ24も少し余裕がある状態で連結する。第1パーツ11〜14と第2パーツ21〜24の連結状態も少し余裕がある状態で連結することが好ましい。
次に、パーティションを折り畳んだ状態から組み立てるときの手順を説明する。図3は、パーティションを完全に折り畳んだ状態を示す概念図である。この図3は天井側からみた図である。折り畳んでいる順番は、図3の右側から第2パーツ21、第1パーツ11、第2パーツ23、第1パーツ13、第1パーツ14、第2パーツ24、第1パーツ12、第2パーツ22の順である。また、折り畳み作業を容易にするために、結束バンド3での締め付け状態は緩い状態にしておく。すなわち、第2パーツ21と第2パーツ22は、かなり緩んだ状態で連結する。第2パーツ22と第2パーツ23も少し緩んだ状態で連結する。第2パーツ23と第2パーツ24も少し余裕がある状態で連結する。第1パーツ11〜14と第2パーツ21〜24の連結状態も少し余裕がある状態で連結することが好ましい。
この折り畳み状態は、扁平な直方体状になっており、コンパクトに折り畳まれ携帯性を有している。平面的な大きさは、第1パーツ11〜14あるいは第2パーツ21〜24の大きさとほぼ同一である。従って、携帯性に優れるとともに、上下方向にも多数を積み重ねて保管できるので、保管性にも優れている。なお、図3は概念図であり、各パーツの端面が完全にそろった状態で折り畳む必要はなく、端面をずらした状態で折り畳んでもよい。
また折り畳んだときにパーツが重なる順番は、図3の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形例が考えられる。
図4は、図3の状態から少し展開した状態を示す平面図である。作業員Mが2人で展開作業をすることができる。まずは、第2パーツ22を基準として(1人の作業員Mが支える)、第2パーツ21を開く(S1)。次に第2パーツ22を基準にして、別の作業員Mが第2パーツ23,24を同時に開く(S2)(S3)。次に第2パーツ24のコーナーを第2パーツ21のコーナーに合わせる(S4)。第2パーツ21〜24の展開時には、第1パーツ11〜14は第2パーツ21〜24に対して展開させなくてもよい。第2パーツ21〜24の展開を終了した後に、第1パーツ11〜14を展開して床面部1が形成される。
以上のように、各パーツの位置が決定すると、結束バンド3の締め付けを行い、パーツ間の連結を強固にする。締め付けにより結束バンド3が固定された後は、バンドの余分な部分をニッパー等でカットする。カットした先端は尖った形状になっており、安全のために、各パーツ(段ボール製)の中に押し込みガムテープを貼って露出しないように処置をする。
組立状態において、形状をしっかりと保持するためには、予め接続されていない第2境界ラインL2を必要に応じて接続させる。例えば、図5に示す互いに向かい合う第1パーツ11,13の境界ラインL2’をガムテープ等のテープ、接着剤等により連結することができる。また、結束バンド3で連結されていない第1パーツ11,13と第2パーツ22,24の第2境界ラインL2”も同様にガムテープ等で連結することが好ましい。
以上のように、パーティションの組み立ては、きわめて簡単な作業により短時間で行うことができ、緊急の場合にも容易に対応することができる。
図7に示す組立状態は扉2aを閉めた状態を示す。壁面部2には、番地表示部4と表札部5が設けられる。番地表示部4には、例えば、体育館の中に設置するのであれば、予め決められた館内の位置が表示される。これにより、避難所での設置作業を効率よく短時間で行うことができる。なお、番地表示部4と表札部5は、扉2aではなく、扉2aに隣接する壁面部2あるいは他の壁面部2に設けてもよい。扉2aは、避難所の通路側に配置されるので、上記の構成により、パーティションに居住する避難者の氏名等を容易に確認することができる。
なお、折り畳んだパーティション(パーティションとして使用する前)は、シュリンク包装(専用のビニールフィルムで覆い、加熱収縮させて固定保持する包装)し、さらに、防虫剤、除湿剤を入れてパック包装して保管しておくことが好ましい。また、避難所の大きさに合わせて、必要なパック数を保管し、各パックに管理(配置)ナンバーをつけておくことが好ましい。
パーティションを構成する床面部1や壁面部2は、紙製の段ボールにより形成することができる。段ボールの場合、使用後にリサイクル処理が可能になる。また、段ボールは、断熱性が高く、床面部1として用いる場合の厚みは、強度面も考慮して6〜10mm(二重に重なるため設置時の厚みは12〜20mm程度)となり好ましい。これにより、避難所の床面が冷えていたとしても、熱が逃げにくくなり、快適性を確保することができる。
材質は、紙製の段ボールに限定されるものではなく、樹脂製の段ボール、ウレタンボード、樹脂発泡ボード等を使用してもよい。材質等については、他の実施形態も同じである。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係るパーティションの構成を図8により説明する。第1実施形態を示す図2と異なるのは、床面部1を構成する第1パーツ12,14が4つではなく2つである点である。従って、床面部1は第1実施形態とは異なり、二重構造ではなく、一重構造である。なお、一重とする場合、第1パーツ12と第1パーツ14の組み合わせではなく、第1パーツ11と第1パーツ13の組み合わせでもよい。
次に、第2実施形態に係るパーティションの構成を図8により説明する。第1実施形態を示す図2と異なるのは、床面部1を構成する第1パーツ12,14が4つではなく2つである点である。従って、床面部1は第1実施形態とは異なり、二重構造ではなく、一重構造である。なお、一重とする場合、第1パーツ12と第1パーツ14の組み合わせではなく、第1パーツ11と第1パーツ13の組み合わせでもよい。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係るパーティションの構成を図9により説明する。この実施形態では、第2パーツ22に、2つの第1パーツ12A,12Bが連結されており、第2パーツ24に2つの第1パーツ14A,14Bが連結される。第1パーツ12Aと第1パーツ14Aが夫々第2パーツ22と第2パーツ24に結束バンド3で連結される。また、第1パーツ12A,12B同士と、第1パーツ14A,14B同士も結束バンド3で連結される。これにより、床面部1は二重構造となる。なお、第1パーツ12A,12B同士と、第1パーツ14A,14B同士は、テープで連結してもよい。
次に、第3実施形態に係るパーティションの構成を図9により説明する。この実施形態では、第2パーツ22に、2つの第1パーツ12A,12Bが連結されており、第2パーツ24に2つの第1パーツ14A,14Bが連結される。第1パーツ12Aと第1パーツ14Aが夫々第2パーツ22と第2パーツ24に結束バンド3で連結される。また、第1パーツ12A,12B同士と、第1パーツ14A,14B同士も結束バンド3で連結される。これにより、床面部1は二重構造となる。なお、第1パーツ12A,12B同士と、第1パーツ14A,14B同士は、テープで連結してもよい。
上記変形例として、第1パーツ12Bと第1パーツ14Bをなくせば、床面部1は一重構造となる。また、第1パーツ12A,12Bを1つの大きな第1パーツとし、第1パーツ14A,14Bを1つの大きな第1パーツとして形成してもよい。
<パーティションの配置構成例>
図10は、多数のパーティションの配置構成例を示す平面図である。例えば、体育館を避難所とした場合の配置構成例である。1つのパーティション(1パック=基本構成)のサイズは2.7m×2.7mである。1人当たりのスペースは約1.8m2として考える。図示の配置例では、4パックを1区画として、区画と区画の間に通路Rを形成している。これにより、整然とした状態でパーティションを配置することができ、人の移動の際にも混乱が生じることがない。扉2aも同じ側にそろうようにする。
図10は、多数のパーティションの配置構成例を示す平面図である。例えば、体育館を避難所とした場合の配置構成例である。1つのパーティション(1パック=基本構成)のサイズは2.7m×2.7mである。1人当たりのスペースは約1.8m2として考える。図示の配置例では、4パックを1区画として、区画と区画の間に通路Rを形成している。これにより、整然とした状態でパーティションを配置することができ、人の移動の際にも混乱が生じることがない。扉2aも同じ側にそろうようにする。
<作用・効果>
以上のような構成によれば、避難所の限られたスペースを効率よく区画することができ、整然と配置することができる。通路も整然と形成することができ、人の行き来で混乱することがない。また、避難民が避難所に殺到して来た場合にでも、予め区画整理することができるので、陣取り合戦による混乱・トラブルをなくすことができる。
以上のような構成によれば、避難所の限られたスペースを効率よく区画することができ、整然と配置することができる。通路も整然と形成することができ、人の行き来で混乱することがない。また、避難民が避難所に殺到して来た場合にでも、予め区画整理することができるので、陣取り合戦による混乱・トラブルをなくすことができる。
<別実施形態>
本実施形態において壁面部2に、窓を形成してもよい。壁面部2を繰り抜くことで窓を形成することができる。なお、窓を形成するか否かは任意であり、また、どの壁面部2に窓を形成するかについても適宜行うことができる。
本実施形態において壁面部2に、窓を形成してもよい。壁面部2を繰り抜くことで窓を形成することができる。なお、窓を形成するか否かは任意であり、また、どの壁面部2に窓を形成するかについても適宜行うことができる。
本実施形態において、オプション的に天井部を設けてもよい。天井部は予め壁面部2を構成するいずれかの第2パーツ21〜24に結束バンド3で連結しておくことができる。なお、防災上、天井部で覆うのは居住空間の一部のみとすることが好ましい。天井部は、別部材として後からガムテープ等で取り付けるように構成してもよい。
本実施形態において扉2aは、第2パーツを構成する小パーツにより形成しているが、壁面部2をくりぬいて別部材により扉を構成してもよい。扉2aを設ける場所は、本実施形態に限定されるものではない。例えば、小パーツ21Aの側が扉2aになるように構成してもよい。また、どの壁面部2に扉2aを設けるかも任意である。
本実施形態では、第1パーツ11〜14と第2パーツ21〜24をすべて連結した状態にしているが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、結束バンド2で連結するのは、第2パーツ21〜24のみとし、これらのみを折り畳み状態とする。第1パーツは第2パーツ21〜24とは、分離されたパーツとし、組み立てるときに、第2パーツ21〜24とガムテープ等で連結するようにしてもよい。包装するときは、折り畳んだ第2パーツ21〜24と、第1パーツを重ねて包装すれば、コンパクトな形で包装することができる。
本実施形態において、第1パーツ11〜14と第2パーツ21〜24とは、必ずしも同じ材質でなくてもよい。
連結部材として、本実施形態では結束バンド3を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。結束バンド3以外のひも状部材を用いてもよい。例えば、単なるひもで連結してもよい。
1 床面部
2 壁面部
2a 扉
2b 連通孔
3 結束バンド
11〜14 第1パーツ
21〜24 第2パーツ
21A,21B 小パーツ
L1 第1境界ライン(境界ライン)
L2 第2境界ライン(境界ライン)
2 壁面部
2a 扉
2b 連通孔
3 結束バンド
11〜14 第1パーツ
21〜24 第2パーツ
21A,21B 小パーツ
L1 第1境界ライン(境界ライン)
L2 第2境界ライン(境界ライン)
Claims (8)
- 折り畳み状態、展開状態、組立状態の3つの態様をとることが可能な避難所用折り畳み式パーティションであって、
前記組立状態において、床面部と、この床面部を取り囲むように配置される複数の壁面部とを備え、この壁面部で囲まれる空間を避難用の居住空間とし、かつ、前記壁面部の一部に扉が形成され、
前記床面部を第1パーツで構成するとともに、前記壁面部を第2パーツで構成し、第1パーツと第2パーツの間の境界ライン、及び/又は、第2パーツと第2パーツの間の境界ラインは、予め連結部材を用いて連結される第1境界ラインか、予め連結されない第2境界ラインのいずれかに設定され、前記折り畳み状態とするに際しては、前記第1境界ラインを折り畳むことで、全体として扁平な直方体状に折り畳むことが可能に構成され、
前記折り畳み状態から展開して、床面部に対して壁面部を垂直に設定し、完成された組立状態とするように構成した避難所用折り畳み式パーティション。 - 前記第1パーツ及び/又は前記第2パーツの前記第1境界ラインに沿って複数の連結孔を形成し、かつ、互いに隣接する第1パーツと第2パーツ、及び/又は、第2パーツと第2パーツ、の連結孔同士を連結するための前記連結部材をひも状部材で構成し、
折り畳み状態では、前記連結孔同士をひも状部材で緩く連結した状態にしておき、組立状態では、ひも状部材を締め付けることで、隣接するパーツ同士を強固に連結可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載の避難所用折り畳み式パーティション。 - 前記ひも状部材は、結束バンドであることを特徴とする請求項2に記載の避難所用折り畳み式パーティション。
- 前記扉を有する壁面部は、壁面部を構成する前記第2パーツを複数の小パーツにさらに分割し、この小パーツ同士の境界ラインを前記連結部材で連結することで扉のヒンジとして機能させるように構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の避難所用折り畳み式パーティション。
- 床面部は1対の前記第1パーツにより構成され、組立状態で互いに向かい合う1対の第2パーツの夫々に第1パーツを前記連結部材で連結し、1対の第1パーツが平面的に並んだ状態で床面部が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の避難所用折り畳み式パーティション。
- 床面部は4つの前記第1パーツにより構成され、床面部を取り囲む4つの第2パーツの夫々に第1パーツを前記連結部材で連結し、組立状態で互いに向かいあう1対の第1パーツが平面的に並んだ状態で床面部を形成することで、床面部は第1パーツが上下に2枚重ねになることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の避難所用折り畳み式パーティション。
- 前記床面部、壁面部は、段ボールにより形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の避難所用折り畳み式パーティション。
- 前記床面部、壁面部は、ウレタンボード、または、樹脂発泡ボードにより形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の避難所用折り畳み式パーティション。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010003286U JP3161592U (ja) | 2010-05-19 | 2010-05-19 | 避難所用折り畳み式パーティション |
Applications Claiming Priority (1)
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JP3161592U true JP3161592U (ja) | 2010-08-05 |
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Family Applications (1)
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JP2010003286U Expired - Fee Related JP3161592U (ja) | 2010-05-19 | 2010-05-19 | 避難所用折り畳み式パーティション |
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2010
- 2010-05-19 JP JP2010003286U patent/JP3161592U/ja not_active Expired - Fee Related
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