JP3161523B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として半導体基
板上にシリコン膜による下部電極と誘電体膜及び上部電
極とから成るHSG(hemispherical g
rains)化された容量電極を形成する半導体装置の
製造方法であって、詳しくはHSG化された容量電極を
熱処理することでHSGグレイン中に高濃度のドーパン
トを導入する半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、DRAM等の半導体装置では、ス
タックキャパシタ,トレンチキャパシタ等の容量電極を
形成する必要がある。例えばスタック容量電極を形成す
る場合、半導体基板上に絶縁膜を介してポリシリコン膜
を成長させた後、リン等の不純物をポリシリコン膜中に
導入してからフォトレジスト膜を用いてプラズマエッチ
ング等によりポリシリコン膜のパターニングを行って下
部電極を形成した上、下部電極の表面を酸化膜,窒化膜
等から成る誘電体膜で被膜した後、下部電極を形成する
場合と同様にして上部電極を形成している。
【0003】ところで、こうした下部電極と誘電体膜及
び上部電極とから成る容量電極は、その形成に際してH
SG化される場合とされない場合とがある。
【0004】図2は、従来のスタック容量電極要部を示
した側面図であり、同図(a)はHSG化を行わない場
合に関するもの,同図(b)はHSG化を行った場合に
関するものである。
【0005】ここでは、HSG化の有無によりSiO2
による半導体基板1における容量コンタクト3上の下部
電極2の形状が異なる様子を示している。即ち、HSG
化を行うと下部電極2の表面に直径300〜700オン
グストローム程度のマッシュルーム状の凸凹を成すHS
Gグレイン2aが多数生じ、下部電極2の表面積を増大
させている。このHSGグレイン2aの形成による表面
積の増加は、HSG化を行わない場合と比べて約2倍に
達する。従って、HSG化を行ったスタック容量電極で
の理想的な容量増加率は、表面積の増加率に等しい約2
倍となる。
【0006】ところが、近年ではデバイス設計上、容量
形成プロセスにおける熱処理を低減する要求が強くなっ
ている。例えば1GDRAMやロジック回路と混載され
るDRAMでは、容量形成プロセスで炉を用いた800
℃以上の熱処理を行うことが難しくなっている。このよ
うに熱処理温度が低下するに従ってHSG化した容量電
極では、固有の問題として空乏化による容量低下という
現象が現れている。
【0007】図3は、HSG化した容量電極における上
部電極の印加電圧(V)に対する容量(A.U.)の特
性(C−V特性)を示したもので、同図(a)は理想的
な容量増加が得られた場合に関するもの,同図(b)は
HSG形成後のプロセス温度が低下した場合(例えば最
高熱処理温度が800℃×10分)に関するものであ
る。図3(a),(b)を比較すれば、HSG形成後の
プロセス温度が低下した場合、上部電極の印加電圧(プ
レート電極の印加電圧Vp)がマイナスになると容量の
低下が著しくなっているが、これはHSGグレイン内部
が空乏化していることを示している。
【0008】このようなHSGグレインの空乏化がプロ
セス温度の低下に伴って生じる理由は、以下のように説
明できる。即ち、図4(a)に示されるように、HSG
グレイン2aが形成されたHSG化直後では、HSGグ
レインの内部はほぼ空乏化領域Eによるノンドープ状態
であるが、その後の高温熱処理後には、図4(b)に示
されるように、スタックからHSGグレイン2a中へリ
ンが十分に拡散して空乏化領域Eが消滅する。ところ
が、プロセス温度が低下した熱処理のみによるドーピン
グを行うと、図4(c)に示されるように、HSGグレ
イン2a中へのリンの拡散が不十分となって空乏化領域
Eが残ってしまう。この空乏化領域Eの存在によって、
プレート電極の印加電圧Vpがマイナスになった場合の
容量低下が生じる。
【0009】そこで、この空乏化を抑制する方法とし
て、POCl3 を用いたリンの固相拡散が知られてい
る。これはPOCl3 を流した炉の中でHSG化したウ
ェハを熱処理するもので、こうしたリン拡散によるドー
ピングを行えば、図5に示されるように、HSGグレイ
ン2a表面にリンを高濃度に含んだSiO2 を形成する
ことにより、このSiO2 からHSGグレイン2a内部
へとリンが導入され、リンによる拡散領域p2が形成さ
れるようになっている。
【0010】因みに、こうしたDRAM等の容量電極を
有する半導体装置の製造に関連する周知技術としては、
例えば特開平5−343614号公報に開示された半導
体素子の製造方法や、特開平7−38062号公報並び
に特開平9−289292号公報に開示された半導体装
置の製造方法等が挙げられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したリン拡散によ
るドーピングの場合、リンを含むSiO2 を形成するた
めにシリコンの酸化を利用してPSG(phospho
silicate glass)膜を形成しているた
め、拡散前のHSGグレイン2a´に対して目減り△D
が生じてHSGグレイン2aが小さくなってしまう。
【0012】この結果、HSGグレイン2aの表面積が
小さくなって容量増加を十分に計り難くなってしまう
他、HSGグレイン2aの根本が細くなって機械的強度
が小さくなってしまうという問題がある。
【0013】本発明は、このような問題点を解決すべく
なされたもので、その技術的課題は、適度な低温条件下
でHSGグレインを小さくすること無く空乏化による容
量減少を防止し得る半導体装置の製造方法を提供するこ
とにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、半導体
基板上にシリコン膜による下部電極と誘電体膜及び上部
電極とから成るHSG化された容量電極を形成する容量
電極形成工程を含む半導体装置の製造方法において、H
SG化された容量電極へのドーピング前に自然酸化膜を
除去又は該自然酸化膜の形成を防止する工程と、HSG
表面において酸素を含まない雰囲気中で昇温してからシ
リコンに対して反応物を生成しないドーパントガス中で
容量電極を熱処理する熱処理工程とを含む半導体装置の
製造方法が得られる。
【0015】又、本発明によれば、上記何れかの半導体
装置の製造方法において、熱処理工程では、熱処理によ
りHSGグレインを小さくすることなく該HSGグレイ
ン中に高濃度のドーパントを導入する半導体装置の製造
方法が得られる。
【0016】上記半導体装置の製造方法において、ドー
パントガスをAsH3 やPH3 とすることは好ましく、
更にAsH3 とした場合には熱処理工程での熱処理の温
度を600〜800[℃]とすることは好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げ、本発明の半
導体装置の製造方法について、図面を参照して詳細に説
明する。
【0018】最初に、本発明の半導体装置の製造方法の
概要を簡単に説明する。この半導体装置の製造方法は、
半導体基板上にシリコン膜による下部電極と誘電体膜及
び上部電極とから成るHSG化された容量電極を形成す
る容量電極形成工程の後、HSG化された容量電極への
ドーピング前に自然酸化膜を除去又は自然酸化膜の形成
を防止する工程と、HSG表面において酸素を含まない
雰囲気中で昇温してからシリコンに対して反応物を生成
しないドーパントガス中で容量電極を熱処理する熱処理
工程とを実行するものである。但し、この熱処理工程で
は、ドーパントガスとしてAsH3 やPH3 を用いる。
又、熱処理工程では、熱処理によりHSGグレインを小
さくすることなくHSGグレイン中に高濃度のドーパン
トを導入し、空乏化による容量低下を抑制し得る温度と
する。ドーパントガスとしてAsH3 を用いた場合には
熱処理工程での熱処理の温度を600〜800[℃]と
することが好ましい。
【0019】図1は、本発明の半導体装置の製造方法を
適用した一実施例に係るHSGグレインの空乏化を抑制
するためのAsH3 気相拡散によるドーピングを示した
容量電極局部の断面側面図である。ここでは、上述した
熱処理工程での熱処理によりHSGグレイン2aを小さ
くすることなくHSGグレイン2a中に高濃度のドーパ
ントであるヒ素(As)を導入し、空乏化による容量低
下を抑制し得る温度として、熱処理の温度を600〜8
00[℃]とするため、HSGグレイン2a内部へAs
が導入されて拡散領域p1が形成される際、拡散後にH
SGグレイン2aの目減りが生じない様子を示してい
る。
【0020】即ち、本発明の半導体装置の製造方法で
は、HSGグレイン2aの空乏化を抑制する方法とし
て、シリコンと反応しないドーパントガスを用いた気相
拡散によるドーパントの導入を行っているため、シリコ
ンとの反応が無くHSGグレイン2aが小さくならな
い。ドーパントガスとしてのAsH3 は、文献SSDM
97,Extended Abstract p.55
2によれば、600℃程度の低温でも高濃度のAsを導
入することができ、これは同文献SSDM97,Ext
ended Abstract p.110の記載によ
れば、PH3 にはない特徴である。従って、ドーパント
ガスとしては、PH3 よりもAsH3 を用いる方が好ま
しい。
【0021】そこで、以下は本発明の半導体装置の製造
工程を幾つかの実施例により具体的に説明する。
【0022】[実施例1] 実施例1では、先ず容量電極形成工程として、半導体基
板上にシリコン膜によるスタック容量電極を形成したウ
ェハを高真空中で熱処理することにより、リンを1E2
0cm-3含むa−Siで形成されたスタック容量電極に
HSG化を行った。
【0023】次に、一旦HSG形成装置からウェハを出
した後、希釈HF(フッ化水素)を用いてスタック容量
電極表面の酸化膜を除去する工程を行った。このときの
条件は例えばHF:SiO2 =1:100で5分とす
る。
【0024】更に、熱処理工程として、このウェハのH
SG表面を炉内にロードして酸素を含まない雰囲気(真
空か、或いはN2 又はH2 雰囲気またはAsH3 雰囲
気)中で昇温した。このときの温度は600〜750℃
程度である。この状態でAsH3 を炉内に導入する。こ
のとき、AsH3 の分圧は0.05〜50[Torr]
程度、時間は30秒〜10分程度とする。このAsH3
中で熱処理を行った結果、HSGグレイン中には図1に
示されるようにドーパントであるAsが導入される。こ
の後、容量窒化膜を成長し、必要であれば熱酸化を行っ
た後、上部電極用にP又はAsを含んだポリシリコン
か、或いはアモルファスシリコンを成長し、パターニン
グしてキャパシタ(スタック容量電極)の完成とする。
【0025】このスタック容量電極を有する半導体装置
の場合は、HSGグレイン2a中に高濃度のAsが導入
された結果、HSG化したスタック容量電極における上
部電極の印加電圧に対する容量特性(C−V特性)は、
図3(a)に示されるようにほぼ理想的なものになる。
【0026】[実施例2] 実施例2では、先ず容量電極形成工程として、半導体基
板上にシリコン膜によるスタック容量電極を形成したウ
ェハを高真空中(1E-7Torr以下)で熱処理を行う
ことで、リンを1E20cm-3含むa−Siで形成され
たスタック容量電極にHSG化を行った。
【0027】次に、高真空状態を破らずにウェハを別の
チャンバに移送することにより自然酸化膜の形成を防止
する工程を行った後、熱処理工程として、このウェハの
HSG表面を酸素を含まない雰囲気(真空か、或いはN
2 又はH2 雰囲気またはAsH3 雰囲気)中で昇温し
た。このときの温度は600〜750℃程度である。こ
の状態でAsH3 を炉内に導入する。このとき、AsH
3 の分圧は0.05〜50[Torr]程度、時間は3
0秒〜10分程度とする。このAsH3 中で熱処理を行
った結果、HSGグレイン2a中には図1に示されるよ
うにドーパントであるAsが導入される。この後、容量
窒化膜を成長し、必要であれば熱酸化を行った後、上部
電極用にP又はAsを含んだポリシリコンか、或いはア
モルファスシリコンを成長し、パターニングしてキャパ
シタ(スタック容量電極)の完成とする。
【0028】このスタック容量電極を有する半導体装置
の場合も、先の実施例1の場合と同様に、HSGグレイ
ン2a中に高濃度のAsが導入された結果、HSG化し
たスタック容量電極における上部電極の印加電圧に対す
る容量特性(C−V特性)は、図3(a)に示されるよ
うなほぼ理想的なものとなる。
【0029】[実施例3] 実施例3では、先ず容量電極形成工程として、半導体基
板上にシリコン膜によるスタック容量電極を形成したウ
ェハを高真空中(1E-7Torr以下)で熱処理を行う
ことで、リンを1E20cm-3含むa−Siで形成され
たスタック容量電極にHSG化を行った。
【0030】次に、高真空状態を破ることなく同一チャ
ンバ内で熱処理工程を行うことにより自然酸化膜の形成
を防止する工程とし、熱処理工程ではウェハのHSG表
面を酸素を含まない雰囲気(真空か、或いはN2 又はH
2 雰囲気またはAsH3 雰囲気)中で昇温した。このと
きの温度は600〜750℃程度である。この状態でA
sH3 を炉内に導入する。このとき、AsH3 の分圧は
0.05〜50[Torr]程度、時間は30秒〜10
分程度とする。その後、AsH3 雰囲気中でウェハを7
00以下まで降温する。このAsH3 中で熱処理を行っ
た結果、HSGグレイン2a中には図1に示されるよう
にドーパントであるAsが導入される。この後、容量窒
化膜を成長し、必要であれば熱酸化を行った後、上部電
極用にP又はAsを含んだポリシリコンか、或いはアモ
ルファスシリコンを成長し、パターニングしてキャパシ
タ(スタック容量電極)の完成とする。
【0031】このスタック容量電極を有する半導体装置
の場合も、先の実施例1の場合と同様に、HSGグレイ
ン2a中に高濃度のAsが導入された結果、HSG化し
たスタック容量電極における上部電極の印加電圧に対す
る容量特性(C−V特性)は、図3(a)に示されるよ
うなほぼ理想的なものとなる。
【0032】
【発明の効果】以上に述べた通り、本発明の半導体装置
の製造方法によれば、半導体基板上にHSG化された容
量電極を形成する容量電極形成工程の後、HSG化され
た容量電極へのドーピング前に自然酸化膜を除去又は自
然酸化膜の形成を防止する工程と、HSG表面において
酸素を含まない雰囲気中で昇温してからシリコンに対し
て反応物を生成しないドーパントガス中で容量電極を熱
処理する熱処理工程とを実行しているので、ほぼ800
℃以下の適度な低温条件下でHSGグレインを小さくす
ること無くHSGグレイン中に高濃度のドーパントを導
入し、空乏化による容量減少を防止し得るようになり、
又ここで形成される容量電極はHSGグレインが小さく
ならないため、HSGグレインの根本の機械的強度も十
分なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の製造方法を適用した一実
施例に係るHSGグレインの空乏化を抑制するためのA
sH3 気相拡散によるドーピングを示した容量電極局部
の断面側面図である。
【図2】従来のスタック容量電極要部を示した側面図で
あり、(a)はHSG化を行わない場合に関するもの,
(b)はHSG化を行った場合に関するものである。
【図3】HSG化した容量電極における上部電極の印加
電圧に対する容量特性(C−V特性)を示したもので、
(a)は理想的な容量増加が得られた場合に関するも
の,(b)はHSG形成後のプロセス温度が低下した場
合に関するものである。
【図4】HSGグレインの空乏化がプロセス温度の低下
に伴って生じる理由を説明するために示した容量電極局
部の断面側面図であり、(a)はHSG化直後に関する
もの,(b)は高温熱処理後に関するもの,(c)は熱
処理のみによるドーピングに関するものである。
【図5】既存のHSGグレインの空乏化を抑制するため
のリン拡散によるドーピングを示した容量電極局部の断
面側面図である。
【符号の説明】
1 半導体基板 2 下部電極 2a HSGグレイン 3 容量コンタクト E 空乏化領域 p1,p2 拡散領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 27/04 H01L 21/822 H01L 21/8242 H01L 27/108

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上にシリコン膜による下部電
    極と誘電体膜及び上部電極とから成るHSG化された容
    量電極を形成する容量電極形成工程を含む半導体装置の
    製造方法において、前記HSG化された容量電極へのド
    ーピング前に自然酸化膜を除去又は該自然酸化膜の形成
    を防止する工程と、前記HSG表面において酸素を含ま
    ない雰囲気中で昇温してからシリコンに対して反応物を
    生成しないドーパントガス中で該容量電極を熱処理する
    熱処理工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、前記熱処理工程では、前記熱処理によりHSG
    グレインを小さくすることなく該HSGグレイン中に高
    濃度のドーパントを導入することを特徴とする半導体装
    置の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、前記ドーパントガスはAsH3 であることを特
    徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、前記ドーパントガスはPH3 であることを特徴
    とする半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、前記熱処理工程では、前記熱処理の温度を60
    0〜800[℃]とすることを特徴とする半導体装置の
    製造方法。
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