JP3161239B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

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JP3161239B2
JP3161239B2 JP20363294A JP20363294A JP3161239B2 JP 3161239 B2 JP3161239 B2 JP 3161239B2 JP 20363294 A JP20363294 A JP 20363294A JP 20363294 A JP20363294 A JP 20363294A JP 3161239 B2 JP3161239 B2 JP 3161239B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の空燃比を所
定の空燃比にフィードバック制御する空燃比制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の排気系にO2 センサ等の空燃
比センサを設け、このセンサにより検出した排気空燃比
に基づいて機関の燃焼空燃比を所定空燃比(例えば理論
空燃比)にフィードバック制御する空燃比制御装置が従
来より知られている。このように、排気系に設けた空燃
比センサの出力に基づいて機関空燃比をフィードバック
制御する空燃比制御装置では、機関に失火が生じると機
関空燃比がリッチ側に制御されてしまい、機関が失火か
ら回復して正常な燃焼が開始されたときに機関空燃比が
理論空燃比から大幅に外れた状態で運転され、機関空燃
比に一時的な乱れを生じる問題がある。
【0003】すなわち、失火が発生すると、機関燃焼室
に吸入された空気中の酸素が燃焼により消費されること
なく排気系に排出されるようになり排気中の酸素濃度が
増大する。排気系に配置された空燃比センサにより、こ
の酸素濃度の増大が検出されると、空燃比制御装置は機
関空燃比がリーン(希薄空燃比)側になったと判断して
空燃比を理論空燃比に戻すべく機関に供給する燃料の量
を増大する。このため、機関に供給される混合気の空燃
比は失火中にリッチ(過濃空燃比)側に誤制御されてし
まい、機関が失火から回復したときには機関燃焼空燃比
が大幅にリッチになる。機関が失火から回復した後は空
燃比制御装置が正常に機能するのでリッチ化した空燃比
もフィードバック制御により理論空燃比に修正されるも
のの、理論空燃比に復帰するまでには多少の時間を要す
るため一時的に機関空燃比に乱れを生じ、リッチ混合気
の燃焼による触媒臭の発生や排気中のHC、CO成分の
増大による排気エミッションの悪化等の問題が生じるの
である。
【0004】上記問題を解決するため、機関減速時等の
失火が生じやすい領域では空燃比のフィードバック制御
を停止し、機関空燃比がリッチ側へ誤制御されることを
防止するようにした空燃比制御装置が種々考案されてい
る。この種の空燃比制御装置としては、例えば特開昭5
6−126646号公報に記載されたものがある。
【0005】上記公報の空燃比制御装置は、機関回転数
が所定値以上、かつスロットル弁開度が所定値以下の場
合に機関が減速状態にあり失火が生じ易くなっていると
判断して空燃比センサ出力に基づく空燃比フィードバッ
ク制御を停止し、機関回転数またはスロットル開度のい
ずれかについて上記条件が成立しなくなった場合に空燃
比フィードバック制御を再開するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開昭
56−126646号公報の装置のように、機関の失火
を生じやすい運転領域で空燃比フィードバック制御を停
止し、運転状態がこの領域から外れたときに空燃比フィ
ードバック制御を再開するような制御を行うと、空燃比
の乱れを完全に防止することができない問題がある。
【0007】これは、機関減速時のような失火が生じ易
い運転領域であっても常に機関に失火が生じているわけ
ではなく、失火が生じない場合や一旦失火が生じても短
時間で正常な燃焼状態に復帰するような場合があり、上
記公報の装置のように失火が生じやすい運転領域で一律
に空燃比フィードバック制御を停止すると、これらの運
転領域ではフィードバック制御されないまま機関の燃焼
が行われる場合が生じるためである。
【0008】例えば、機関減速開始初期に機関回転数が
高い状態でスロットル弁が全閉されて機関燃焼室に供給
される吸気の量が急減すると、燃焼室内の混合気の空燃
比は燃焼限界を越えて大幅にリッチとなり失火が生じ
る。しかし、減速により機関回転数が低下すると、スロ
ットル開度が同一であっても気筒の吸気充填効率が増加
して気筒に燃焼室に供給される吸気の量が増大する。こ
のため、減速開始時に失火を生じた場合でも減速中の機
関回転数低下により燃焼室内の混合気の空燃比が可燃範
囲になり、減速時の空燃比フィードバック制御停止中に
機関燃焼が再開される場合がある。
【0009】このような場合、燃焼再開時の混合気の空
燃比はリッチになっているにもかかわらず空燃比フィー
ドバック制御が停止されているために空燃比は修正され
ず、機関はリッチ空燃比のままで運転されることにな
る。このため、減速が終わりフィードバック制御が開始
されて空燃比が理論空燃比に修正されるまでリッチ空燃
比運転による前述の触媒臭の発生や排気エミッションの
悪化等の問題が生じることになる。
【0010】本発明は、機関の失火の生じやすい運転領
域で一律に空燃比フィードバック制御を停止するのでは
なく、実際の機関の燃焼状態に応じて空燃比フィードバ
ック制御の停止を行うことにより、上記問題を解決する
ことを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、機関排
気空燃比に基づいて機関燃焼空燃比を所定の空燃比にフ
ィードバック制御する空燃比フィードバック制御手段
と、機関運転状態が、機関に失火が生じることが予測さ
れる失火予測領域にあるか否かを判定する失火予測手段
と、前記失火予測手段により機関運転状態が失火予測領
域にあると判定されたときに前記空燃比フィードバック
制御手段による空燃比フィードバック制御を停止するフ
ィードバック制御停止手段と、前記失火予測領域におい
て機関の燃焼が正常に行われていることを検出する正常
燃焼検出手段と、前記正常燃焼検出手段により機関の正
常燃焼が検出されたときに、前記フィードバック制御停
止手段の作動を禁止してフィードバック制御を実行させ
るフィードバック制御停止解除手段、とを備えた内燃機
関の空燃比制御装置が提供される。
【0012】
【作用】失火予測手段により機関が失火予測領域で運転
されていることが検出されると、フィードバック制御停
止手段は空燃比フィードバック制御手段による空燃比フ
ィードバック制御を停止する。また、フィードバック制
御解除手段は失火予測領域において機関の正常燃焼を検
出するとフィードバック制御停止手段のフィードバック
制御停止動作を禁止する。従って、失火予測領域にあっ
ても機関が失火から回復して正常な燃焼が開始されると
空燃比フィードバック制御手段による空燃比フィードバ
ック制御が実行される。
【0013】
【実施例】以下、添付図面を用いて本発明の実施例を説
明する。図1は本発明の空燃比制御装置を適用する内燃
機関の全体概略図である。図1において、1は内燃機関
本体、2は吸気通路、16は運転者のアクセルペダル2
1の操作に応じた開度をとるスロットル弁、3は吸気通
路に設けられたエアフローメータを示している。エアフ
ローメータ3は吸入空気量を直接計測するものであっ
て、たとえばポテンショメータを内蔵した可動ベーン式
エアフローメータ等が使用され、吸入空気量に比例した
アナログ電圧の出力信号を発生する。この出力信号は制
御回路10のマルチプレクサ内蔵A/D変換器101に
入力される。ディストリビュータ4には、その軸がたと
えばクランク角に換算して720°毎に基準位置検出用
パルス信号を発生するクランク角センサ5、およびクラ
ンク角に換算して30°毎にクランク角検出用パルス信
号を発生するクランク角センサ6がそれぞれ設けられて
いる。これらクランク角センサ5、6のパルス信号は制
御回路10の入出力インターフェイス102に供給さ
れ、このうちクランク角センサ6の出力はCPU103
の割込み端子に供給される。
【0014】さらに、吸気通路2には各気筒毎に燃料供
給系から加圧燃料を吸気ポートへ供給するための燃料噴
射弁7が設けられている。また、吸気通路2のスロット
ル弁16には、スロットル弁が全閉状態か否かを示す信
号、すなわちLL信号を発生するアイドルスイッチ17
が設けられている。このアイドル状態出力信号LLは制
御回路10の入出力インターフェイス102に入力され
る。
【0015】機関本体1のシリンダブロックのウォータ
ジャケット8には、冷却水の温度を検出するための水温
センサ9が設けられている。水温センサ9は冷却水の温
度に応じたアナログ電圧の電気信号を発生する。この出
力もA/D変換器101に供給されている。機関1の排
気マニホールド11より下流の排気系には、排気ガス中
の3つの有害成分HC、CO、NOX を同時に浄化する
三元触媒を収容する触媒コンバータ12が設けられてい
る。また、触媒コンバータ12の上流側の排気マニホー
ルド11には、空燃比センサ(本実施例ではO2 セン
サ)13が設けられている。
【0016】O2 センサ13は、排気ガス中の酸素成分
濃度を検出し、排気中の酸素成分濃度に応じた電圧信号
を発生する。機関排気中の酸素濃度は、理論空燃比を境
にして機関燃焼空燃比がリッチ側になると急激に低下す
る。このため、O2 センサ13の出力電圧は理論空燃比
近傍で急激に変化することになり、機関空燃比が理論空
燃比に対してリーン側かリッチ側かで異なる出力電圧を
発生する。従ってO2センサの出力から機関空燃比が理
論空燃比よりリッチかリーンかを判定することができ
る。O2 センサ13の出力電圧は、制御回路10のA/
D変換器101に供給されている。
【0017】制御回路10は、たとえばマイクロコンピ
ュータとして構成され、A/D変換器101、入出力イ
ンターフェイス102、CPU103の他に、ROM1
04、RAM105、バックアップRAM106、クロ
ック発生回路107等が設けられている。制御回路10
の、ダウンカウンタ108、フリップフロップ109、
および駆動回路110は燃料噴射弁7を制御するための
ものである。すなわち、後述のルーチンにおいて、燃料
噴射量(噴射時間)TAUが演算されると、噴射時間T
AUがダウンカウンタ108にプリセットされると共に
フリップフロップ109がセットされる。この結果、駆
動回路110が燃料噴射弁7の付勢を開始する。他方、
ダウンカウンタ108がクロック信号(図示せず)を計
数して最後にその出力端子が“1”レベルとなったとき
に、フリップフロップ109がセットされて駆動回路1
10は燃料噴射弁7の付勢を停止する。つまり、上述の
燃料噴射時間TAUだけ燃料噴射弁7は付勢され、時間
TAUに応じた量の燃料が機関1の燃焼室に供給される
ことになる。
【0018】エアフローメータ3の吸入空気量データお
よび冷却水温データは所定時間もしくは所定クランク角
毎に実行されるA/D変換ルーチンによって取込まれて
RAM105の所定領域に格納される。つまり、RAM
105における吸入空気量データおよび冷却水温データ
は所定時間毎に更新されている。また、回転速度データ
はクランク角センサ6の30°CA(クランク角)毎の
割込みによって演算されてRAM105の所定領域に格
納される。
【0019】本実施例では、後述するように、制御回路
10は排気マニホルド11に配置したO2 センサ13の
出力に基づいて機関空燃比を理論空燃比にフィードバッ
ク制御している。ところが、前述のように機関に失火を
生じると失火により排気中の酸素濃度が増大するためO
2 センサ13はリーン空燃比出力を発生する。このため
空燃比のフィードバック制御を実施していると機関空燃
比が大幅にリッチ側に制御されてしまうことになる。ま
た、これを防止するために失火が生じやすい運転領域で
一律に空燃比フィードバック制御を停止するようにする
と、失火回復後に機関がリッチ空燃比のままで比較的長
期間運転されるようになり、排気性状の悪化や触媒臭の
発生等の問題が生じることになる。
【0020】本実施例では、機関に失火が生じることが
予測される運転領域(失火予測領域)では上記空燃比の
フィードバック制御を停止して、失火による空燃比のリ
ッチ側への制御を防止するとともに、機関が失火から回
復して正常な燃焼が開始されたことを検出した場合には
上記失火予測領域で機関が運転されている場合でも空燃
比のフィードバック制御を実行する。
【0021】これにより、機関に実際に失火が生じてい
る場合には空燃比フィードバック制御が停止され、機関
空燃比がリッチ側に制御されてしまうことが防止される
とともに、機関が失火から回復した場合には直ちに空燃
比フィードバック制御が開始され空燃比が短時間で理論
空燃比に修正されるため、排気性状の悪化や触媒臭の発
生が防止される。
【0022】本実施例では、失火予測領域は機関回転数
と機関1回転当たりの吸入空気量とに基づいて判断す
る。すなわち、機関回転数が高く機関1回転当たりの吸
入空気量が少ない場合には機関の吸気充填効率が低下し
ており、機関に失火が生じやすくなっていると考えられ
る。そこで、本実施例では機関回転数が所定値以上であ
り、かつ機関1回転当たりの吸入空気量が所定値以下と
なった場合に機関が失火予測領域で運転されていると判
定している。
【0023】また、本実施例では機関が失火から回復し
て正常な燃焼が再開されたか否かは、O2 センサ13の
出力から判断する。すなわち、機関に失火が生じると吸
気中の酸素は燃焼により消費されずにそのまま排気通路
に排出されるため、排気中の酸素濃度が増加してO2
ンサ13はリーン空燃比に相当する出力を発生する。し
かし、この状態で機関の失火が回復すると機関の燃焼が
再開され、吸気中の酸素が燃焼により消費されて排気中
の酸素濃度が低下するため、O2 センサ13はリッチ空
燃比に相当する出力を発生する。本実施例では、上記失
火予測領域で、O2 センサ13がリッチ空燃比出力を一
定時間以上連続して出力したときに機関が失火から回復
して正常な燃焼が開始されたと判断し、O2 センサ13
出力に基づく空燃比制御を開始するようにしている。
【0024】図2は、上記の空燃比フィードバック制御
実施可否判定を含む空燃比フィードバック制御操作を示
すフローチャートである。本ルーチンは図1の制御回路
10により一定時間毎(例えば4ms毎)に実行され
る。図2、ステップ201から211はO2 センサ13
出力に基づく空燃比フィードバック制御実施のための前
提条件が成立しているか否かの判定を示す。空燃比フィ
ードバック制御はステップ201から211の条件が全
て成立している場合にのみ実施され、これらの条件のい
ずれか1つでも成立していない場合には、ステップ22
3に進み、後述する空燃比補正係数FAFを1.0にセ
ットしてステップ225で本ルーチンを終了する。
【0025】以下、ステップ201から211を説明す
ると、ステップ201では機関が始動中か否かを示す始
動フラグXTEFIの値がゼロにリセットされているか
否かが判定される。XTEFI=0は機関が始動状態を
脱していることを意味している。XTEFI=1の場
合、すなわち機関始動中である場合には始動時の燃料噴
射量増量が実施されており、空燃比フィードバック制御
を実行する必要がないため、ステップ223を実行後ル
ーチンを終了する。なお、XTEFIは制御回路10に
より別途実行されるルーチンにより、機関回転数が所定
回転数(例えば400rpm)以上になったときにゼロ
にリセットされ、機関回転数が上記回転数より低い所定
の回転数(例えば200rpm)以下になったときに1
にセットされる。
【0026】次に、ステップ203では現在、触媒過熱
防止のための燃料噴射量の増量(OTP増量)が実施さ
れているか否かを判定する。触媒過熱防止のために燃料
噴射増量が行われている場合には、空燃比フィードバッ
ク制御を実行する必要はないため、ルーチンはステップ
223に進む。また、ステップ205では、冷却水温度
センサ9から読み込んだ機関冷却水温度が所定値以上か
否か判断される。機関冷却水温度が所定値以下の場合に
は機関が冷間状態にあり、暖機のための燃料噴射量増量
が実施されているため、ステップ223に進み空燃比フ
ィードバック制御は実行しない。
【0027】さらに、ステップ207では減速時のフュ
エルカット(F/C)終了後所定時間(例えば0.7
秒)が経過しているか否かが判定される。フュエルカッ
ト終了後上記所定時間の間は燃料供給再開後の燃料噴射
増量が実施されているため、ステップ223に進み空燃
比フィードバック制御は実行しない。また、ステップ2
09では現在の燃料噴射量TAUが下限値TAUMIN
り大きいか以下か否かを判定する。TAU≦TAUMIN
の場合には空燃比フィードバック制御により燃料噴射量
を制御する余地がないためステップ223に進み空燃比
フィードバック制御は実行しない。
【0028】ステップ211では現在減速時のフュエル
カットを実行中か否かを判定する。フュエルカットは、
例えば機関減速時等で機関回転数が所定値以上であり、
スロットル弁16が全閉(アイドルスイッチ17のLL
信号がオン)のときに実行され、機関への燃料供給が停
止される。現在フュエルカット実行中であれば空燃比フ
ィードバック制御により燃料噴射量を制御する必要がな
いため、ステップ223に進み空燃比フィードバック制
御は実行しない。
【0029】次に、上記前提条件が全部成立した場合に
は、ステップ213でO2 センサ13が活性化している
か否かが判定される。機関始動後O2 センサ13が一度
もリッチ空燃比側の信号を出力していない場合はO2
ンサ13が活性化していないと考えられ、O2 センサ出
力に基づく空燃比フィードバック制御を実行することは
できないため、ステップ223に進み空燃比フィードバ
ック制御は実行しない。
【0030】ステップ213でO2 センサ13が活性化
していると判断された場合のみステップ215以下が実
行される。ステップ215と217は機関が失火予測領
域で運転されているか否かの判定を示す。前述のよう
に、機関回転数が高く、しかも機関1回転当たりの吸入
空気量が少ない場合(例えば、機関減速時等)には機関
に失火が生じることが予測されるため、ステップ21
5、217では機関の運転状態が上記の領域にあるか否
かが判定される。
【0031】すなわち、ステップ215では、RAM1
05に格納した最新の回転数データを読み出して機関回
転数Nが所定値(本実施例では1200rpm)以上か
否かを、また、ステップ217では吸入空気量データQ
と機関回転数Nとから機関1回転当たりの吸入空気量Q
/Nが所定値(本実施例では0.2グラム/回転)以下
か否かを判定する。ステップ215とステップ217の
いずれかが成立しない場合には、機関の運転状態は失火
予測領域にないためステップ221に進み、後述する空
燃比制御フィードバック制御が実行される。
【0032】また、ステップ215とステップ217の
両方の条件が成立した場合には、機関回転数が高く機関
1回転当たりの吸入空気量が低下しており、失火が生じ
ることが予測されるため、ステップ219に進み現実に
機関に失火が生じているか否かを判断する。ステップ2
19では、カウンタCMRICHの値が所定値以上(本
実施例では200以上)であるか否かにより、現実に機
関に失火が生じているか(実際には、機関の燃焼が正常
に行われているか)否かを判断している。カウンタCM
RIHはO2 センサ13が連続してリッチ空燃比信号を
出力した時間を表すカウンタである。
【0033】図4は別途制御回路10により実行される
カウンタCMRICHのカウントアップ操作を示すフロ
ーチャートである。本ルーチンではO2 センサ13の出
力電圧VOXをAD変換して読み込み(ステップ40
1)、この出力電圧VOXが比較電圧VR1以下か否かによ
り、空燃比がリッチかリーンかを判別する(ステップ4
03)。比較電圧VR1は、通常O2 センサ出力の振幅中
心付近の電圧をとり、本実施例ではVR1=0.45Vで
ある。
【0034】ステップ403でO2 センサ13出力がリ
ッチ空燃比を示していた場合(すなわちVOX>VR1であ
った場合)には、ステップ405でカウンタCMRIC
Hの値をΔtだけ増大する。また、O2 センサ13出力
がリッチ空燃比を示していない場合には、ステップ40
7でカウンタCMRICHをクリアする。ここで、ステ
ップ405のカウンタ増加分Δtはこのルーチンの実行
間隔(例えば4ms)に等しく設定されている。このた
め、CMRICHの値はO2 センサ13がリッチ空燃比
信号を連続して出力している時間を表すことになる。
【0035】図2ステップ219でCMRICH≧20
0、すなわちO2 センサ13が連続して200ms以上
リッチ空燃比信号を出力している場合には、すなわち現
在燃焼が行われており、機関に失火が生じていないか、
または一旦生じた失火がおさまって機関が失火から回復
していると考えられる。このため、この場合には、失火
予測領域であっても空燃比フィードバック制御を実行す
ることとしてステップ221に進む。また、ステップ2
19でCMRICH<200であった場合には、現在失
火が生じており燃焼が正常に行われておらず排気中の酸
素濃度が増大していると判断されるため、ステップ22
3に進み空燃比フィードバック制御を停止する。
【0036】上述のステップ215から219に示すよ
うに、本実施例では機関回転数と機関吸入空気量とに基
づいて、機関が失火予測領域で運転されているか否かを
判断する。また、失火予測領域で運転されている場合に
はO2 センサ13の出力から機関に実際に失火が生じて
いるか否かを判断し、失火が生じている場合には空燃比
フィードバック制御を停止して失火により機関空燃比が
リッチ側に誤制御されてしまうことを防止する。また、
失火が生じていない場合、または機関が一旦生じた失火
から回復している場合には失火予測領域であっても空燃
比フィードバック制御を実行する。
【0037】このように、失火予測領域において一律に
空燃比フィードバック制御を停止するのではなく、機関
の正常な燃焼が行われている場合には失火予測領域であ
っても空燃比フィードバック制御を実行するようにした
ことにより、失火予測領域において機関が理論空燃比か
ら外れた状態で運転されることが防止され、短時間で機
関空燃比が理論空燃比に修正される。
【0038】次に、図2ステップ221で実行される空
燃比フィードバック制御の詳細を図3のフローチャート
を用いて説明する。本フィードバック制御では、O2
ンサ13出力に基づいて後述する燃料噴射量の補正係数
(空燃比補正係数)FAFを算出し、空燃比を理論空燃
比にフィードバック制御する。
【0039】すなわち、本フィードバック制御では、O
2 センサ13出力を基に、機関空燃比が理論空燃比より
リッチかリーンかを判定し、空燃比がリッチであれば空
燃比補正係数FAFを減少させ、リーンであれば増大さ
せる。また、空燃比FAFの増減操作はスキップ係数R
SR、RSL、及び積分係数KIR、KILを用いて行
う。すなわち、以下に詳述するように、空燃比が反転
(例えばリーン空燃比からリッチ空燃比または、リッチ
空燃比からリーン空燃比に変化)したときには、先ずス
キップ係数に応じた量だけスキップ的にFAFを増減
し、その後積分係数の大きさに応じた速度でFAFを徐
々に変化させる。
【0040】図3ステップ301では、O2 センサ13
の出力VOXをA/D変換して取込み、ステップ303に
て図4ステップ403と同様VOXが比較電圧VR1以下か
否かにより、空燃比がリッチかリーンかを判別する。ま
た、ステップ305と307では上記判定結果に応じて
空燃比フラグF1の値を設定する。すなわち、ステップ
303で、VOX≦VR1であった場合には、機関空燃比は
理論空燃比よりリーンであるのでステップ305に進み
空燃比フラグF1を0にセットし、VOX>VR1であった
場合には、機関空燃比はリッチであるので、ステップ3
07に進み空燃比フラグF1の値を1に設定する。
【0041】次に、ステップ309では、前回ルーチン
実行時から空燃比フラグF1の符号が反転したか否か、
すなわち機関空燃比がリーンからリッチ、若しくはリッ
チからリーンに変化したか否かを判別する。空燃比が反
転していれば、ステップ311にて、空燃比フラグF1
の値により、リッチからリーンへの反転か、リーンから
リッチへの反転かを判別する。リッチからリーンへの反
転であれば、ステップ313でリッチスキップ係数RS
Rを用いて空燃比補正係数FAFを、FAF=FAF+
RSRとスキップ的に増大させ空燃比をリッチ側に補正
する。また、逆にリーンからリッチへの反転であれば、
ステップ315にて、リーンスキップ係数RSLを用い
てFAFを、FAF=FAF−RSLとFAFをスキッ
プ的に減少させて空燃比をリーン側に補正する。
【0042】ステップ309で空燃比フラグF1の符号
が反転していなければ、ステップ317、319、32
1でリッチ積分係数KIRまたはリーン積分係数KIL
を用いた積分処理を行う。つまり、ステップ317で、
F1=“1”か否かを判別し、F1=“0”(リーン)
であればステップ319にてFAF=FAF+KIRと
し、他方、F1=“1”(リッチ)であればステップ3
21にてFAF=FAF−KILとする。ここで、積分
係数KIR,KILはスキップ係数RSR,RSLに比
して十分小さく設定してあり、KIR(KIL)<RS
R(RSL)である。従って、ステップ319はリーン
状態(F1=“0”)で空燃比を徐々にリッチ側に移行
させ、ステップ321はリッチ状態(F1=“1”)で
空燃比を徐々にリーン側に移行させる。
【0043】上記ステップを実行後、本ルーチンは図2
ステップ225にて終了する。図5は上記空燃比補正係
数FAFに基づいた噴射量演算ルーチンを示す。本ルー
チンはエンジン制御回路10により、所定クランク角た
とえば360°毎に実行される。図5でルーチンがスタ
ートすると、ステップ501では、RAM105より吸
入空気量データQ及び回転速度データNを読出して基本
噴射量TAUP(TAUPは理論空燃比を得る噴射時
間)を演算する。たとえばTAUP=α・Q/N(αは
定数)とする。ステップ503では、最終噴射量TAU
を、上記ルーチンにより決定された空燃比補正係数FA
Fを用いて、TAU=TAUP・FAF・β+γにより
演算する。なお、β,γは他の運転状態パラメータによ
って定まる補正量である。次いで、ステップ505に
て、噴射量TAUをダウンカウンタ108にセットする
と共にフリップフロップ109をセットして燃料噴射を
開始させる。そして、ステップ507にてこのルーチン
を終了する。
【0044】なお、上述のごとく、噴射量TAUに相当
する時間が経過すると、ダウンカウンタ108の出力信
号によってフリップフロップ109がリセットされて燃
料噴射は終了する。上記燃料噴射量演算ルーチンによ
り、機関燃料噴射量は空燃比フィードバック制御ルーチ
ン(図2、図3)により設定される空燃比補正係数FA
Fの値に応じて増減され、機関空燃比は理論空燃比にフ
ィードバック制御される。
【0045】
【発明の効果】本発明は、機関の失火予測領域で空燃比
フィードバック制御を停止するとともに、機関の正常な
燃焼がおこなわれていることが検出された場合には失火
予測領域であっても空燃比フィードバック制御を実行す
るようにしたことにより、失火予測領域において機関が
理論空燃比から外れた状態で運転されることが防止され
るので、失火予測領域における排気性状の悪化や触媒臭
の発生を完全に防止することが可能となる効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した内燃機関の実施例の概略構成
を示す図である。
【図2】図1の実施例の空燃比フィードバック制御動作
の示すフローチャートの一部である。
【図3】図1の実施例の空燃比フィードバック制御動作
の示すフローチャートの一部である。
【図4】図2のフローチャートに使用するカウンタの設
定動作を示すフローチャートである。
【図5】図1の実施例の燃料噴射量演算ルーチンを示す
フローチャートである。
【符号の説明】
1…内燃機関本体 5、6…クランク回転角センサ 7…燃料噴射弁 10…制御回路 13…O2 センサ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関排気空燃比に基づいて機関燃焼空燃
    比を所定の空燃比にフィードバック制御する空燃比フィ
    ードバック制御手段と、 機関運転状態が、機関に失火が生じることが予測される
    失火予測領域にあるか否かを判定する失火予測手段と、 前記失火予測手段により機関運転状態が失火予測領域に
    あると判定されたときに前記空燃比フィードバック制御
    手段による空燃比フィードバック制御を停止するフィー
    ドバック制御停止手段と、 前記失火予測領域において機関の燃焼が正常に行われて
    いることを検出する正常燃焼検出手段と、 前記正常燃焼検出手段により機関の正常燃焼が検出され
    たときに、前記フィードバック制御停止手段の作動を禁
    止してフィードバック制御を実行させるフィードバック
    制御停止解除手段、とを備えた内燃機関の空燃比制御装
    置。
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