JPH07208153A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JPH07208153A
JPH07208153A JP6004667A JP466794A JPH07208153A JP H07208153 A JPH07208153 A JP H07208153A JP 6004667 A JP6004667 A JP 6004667A JP 466794 A JP466794 A JP 466794A JP H07208153 A JPH07208153 A JP H07208153A
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catalyst
air
fuel ratio
sensor
output
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JP6004667A
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Hidetoshi Amano
英敏 天野
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Publication date
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    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 触媒の劣化状態にかかわらず触媒暖機操作を
適切に行う。 【構成】 触媒12の暖機操作を制御する制御回路10
を設け、触媒上流側に設けたO2 センサ13の出力と、
下流側に設けたO2 センサ15の出力とに基づいて触媒
が活性化したか否かを判定するとともに、触媒非活性時
には機関1の点火時期遅角とアイドルスピード制御弁
(ISC弁)22の開度増大とを行い触媒の温度を上昇
させる。触媒の活性化状態を直接検出して触媒暖機を行
うため、触媒が短時間で確実に活性化するとともに、無
駄な触媒暖機操作が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の排気浄化装
置に関し、詳細には三元触媒の劣化の程度に応じて適切
な触媒暖機操作を行うことが可能な排気浄化装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の排気通路に、排気中のHC、
CO、NOX の3つの有害成分を同時に浄化可能な三元
触媒を用いた触媒コンバータを配置した内燃機関の排気
浄化装置が従来より広く用いられている。一般に、上記
のような排気浄化装置に用いられる三元触媒はある温度
(活性化温度)以上の温度にならないと排気浄化能力を
発揮しない。このため、機関冷間始動時等に、例えば機
関点火時期を遅角させる等の手段により触媒を通過する
排気の温度を上昇させ、触媒温度を早期に活性化温度に
到達させる、いわゆる触媒の暖機操作が行われる。
【0003】一方、触媒の活性化温度は常に一定ではな
く、新しい触媒では活性化温度は比較的低く、触媒の劣
化が進むにつれて活性温度は上昇する傾向を示すため、
上記触媒の暖機操作は触媒の劣化程度に応じて行う必要
がある。例えば、特開昭60−153473号公報に
は、触媒温度を検出して、この触媒温度が予め定められ
た所定温度以下の場合には機関点火時期を遅角して触媒
暖機操作を行うとともに、機関の累積運転時間の増加に
つれて上記所定温度を上昇させるようにした内燃機関の
排気浄化装置が開示されている。
【0004】触媒の劣化程度は、使用時間、すなわち機
関の累積運転時間が増加するにつれて進行すると考えら
れることから、触媒の活性化温度も機関累積運転時間が
増大するにつれて高くなると考えられる。上記公報の装
置では、前記所定温度を機関累積運転時間が増加するに
つれて高くなるように予め設定しておき、実際に検出し
た触媒温度が上記所定温度以下の場合には触媒が活性化
していないものとして点火時期遅角による触媒暖機を行
い、触媒温度が上記所定温度以上になった時には触媒が
活性化したものとして触媒暖機を停止するようにしたも
のである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開昭
60−153473号公報の装置のように、触媒温度が
機関の累積運転時間に基づいて決定される所定温度に到
達したか否かのみによって触媒が活性化したか否かを判
断していると現実には問題が生じる場合がある。すなわ
ち、触媒の活性化温度は使用時間のみによって決定され
るものではなく、機関の使用状態や製品毎のばらつきに
より触媒の劣化状態が変わってくるため、同一の使用時
間(累積運転時間)であっても必ずしも触媒の活性化温
度は一致しない場合がある。このため、上記公報の装置
のように、触媒温度が所定温度に到達したか否かのみに
よって触媒の活性の有無を判断していると、実際には触
媒が十分に活性化していないにもかかわらず触媒暖機操
作が停止されてしまい、触媒の活性化が遅れて排気性状
が悪化したり、或いは、実際には触媒が十分に活性化し
ているにもかかわらず点火時期遅角による触媒暖機操作
が続けられるため、機関出力の低下や燃料消費増大等の
問題が生じるのである。
【0006】この問題を解決するためには、触媒の活性
化の有無を触媒温度などを用いて間接的に検出するので
はなく、直接的に触媒の活性化の有無を検出して、この
検出結果に基づいて触媒の暖機操作を制御する必要があ
る。本発明は、上記に鑑み、触媒の活性化の有無を直接
検出して触媒暖機操作を行うことが可能な内燃機関の排
気浄化装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、内燃機
関の排気通路に設けられた三元触媒と、該三元触媒の上
流側排気通路に設けられ、三元触媒上流側の排気空燃比
を検出する上流側空燃比センサと、前記三元触媒の下流
側排気通路に設けられ、三元触媒下流側の排気空燃比を
検出する下流側空燃比センサと、少なくとも前記上流側
空燃比センサ出力に基づいて前記機関の空燃比を制御す
る空燃比制御手段と、前記上流側空燃比センサ出力と前
記下流側空燃比センサ出力とに基づいて前記三元触媒が
非活性状態にあることを検出する触媒非活性状態検出手
段と、前記三元触媒の温度を上昇させる触媒昇温手段
と、前記三元触媒が非活性状態にあることが検出された
時に、前記三元触媒昇温手段を制御して前記三元触媒の
温度を上昇させる操作を行う触媒活性化手段と、を備え
た内燃機関の排気浄化装置が提供される。
【0008】
【作用】触媒非活性状態検出手段は、上流側空燃比セン
サ出力と下流側空燃比センサ出力とに基づいて三元触媒
が非活性状態にあることを検出し、触媒活性化手段は触
媒非活性状態検出手段により、触媒が非活性状態にある
ことが検出されたときにのみ触媒の暖機を行う。このた
め、触媒温度にかかわらず、触媒が実際に活性化してい
ない場合には暖機操作が実行され、触媒が実際に活性化
した場合には暖機操作が停止されるので、触媒の劣化程
度に応じて適切な暖機操作が行われる。
【0009】
【実施例】以下、添付図面を用いて本発明の実施例を説
明する。図1は本発明の排気浄化装置を適用した内燃機
関の全体概略図である。図1において、1は内燃機関本
体、2は吸気通路、3は吸気通路に設けられたエアフロ
ーメータを示している。エアフローメータ3は吸入空気
量を直接計測するものであって、たとえばポテンショメ
ータを内蔵した可動ベーン式エアフローメータ等が使用
され、吸入空気量に比例したアナログ電圧の出力信号を
発生する。この出力信号は制御回路10のマルチプレク
サ内蔵A/D変換器101に入力される。ディストリビ
ュータ4には、その軸がたとえばクランク角に換算して
720°毎に基準位置検出用パルス信号を発生するクラ
ンク角センサ5、およびクランク角に換算して30°毎
にクランク角検出用パルス信号を発生するクランク角セ
ンサ6がそれぞれ設けられている。これらクランク角セ
ンサ5、6のパルス信号は制御回路10の入出力インタ
ーフェイス102に供給され、このうちクランク角セン
サ6の出力はCPU103の割込み端子に供給される。
【0010】さらに、吸気通路2には各気筒毎に燃料供
給系から加圧燃料を吸気ポートへ供給するための燃料噴
射弁7が設けられている。また、吸気通路2のスロット
ル弁16には、スロットル弁16が全閉状態か否かを示
す信号、すなわちLL信号を発生するアイドルスイッチ
17が設けられている。このアイドル状態出力信号LL
は制御回路10の入出力インターフェイス102に供給
される。
【0011】本実施例では、吸気通路2にはスロットル
弁16をバイパスするバイパス通路21と、このバイパ
ス通路21を通って流れる空気量を制御するアイドルス
ピードコントロール弁(ISC弁)22とが設けられて
いる。ISC弁22はステッパモータ等の適宜な形式の
アクチュエータにより駆動される流量制御弁であり、制
御回路10からの出力信号により作動し、アイドル時の
機関吸入空気量を調節して機関のアイドル回転数を目標
回転数に制御するのに用いられる。
【0012】本実施例では、ISC弁22は、後述のよ
うに触媒が活性化していない場合に機関アイドル回転数
を上昇させることにより排気流量を増大させて触媒温度
を上昇させる触媒昇温手段の一部としても機能する。ま
た、機関本体1のシリンダブロックのウォータジャケッ
ト8には、冷却水の温度を検出するための水温センサ9
が設けられている。水温センサ9は冷却水の温度に応じ
たアナログ電圧の電気信号を発生する。この出力もA/
D変換器101に供給されている。
【0013】機関1の排気マニホールド11より下流の
排気系には、排気ガス中の3つの有害成分HC、CO、
NOX を同時に浄化する三元触媒を収容する触媒コンバ
ータ12が設けられている。また、触媒コンバータ12
の上流側の排気マニホールド11、及び触媒コンバータ
12の下流側の排気管14には、それぞれ上流側空燃比
センサ(本実施例ではO2 センサ)13と下流側空燃比
センサ(本実施例ではO2 センサ)15とが設けられて
いる。
【0014】O2 センサ13、15は、排気ガス中の酸
素成分濃度を検出し、空燃比が理論空燃比に対してリー
ン側かリッチ側かに応じて異なる出力電圧を発生するも
のである。O2 センサ13、15の出力電圧は、制御回
路10のA/D変換器101に供給されている。図1に
18で示したのは2次空気導入吸気弁であって、減速時
あるいはアイドル時等に図示しないエアポンプ等の空気
源から2次空気を排気マニホルド11に供給して、H
C、COエミッションを低減するためのものである。
【0015】制御回路10は、たとえばマイクロコンピ
ュータとして構成され、A/D変換器101、入出力イ
ンターフェイス102、CPU103の他に、ROM1
04、RAM105、バックアップRAM106、クロ
ック発生回路107等が設けられている。本実施例で
は、制御回路10は、機関1の燃料噴射制御、点火時期
制御等の基本制御を行う他、後述のように機関空燃比を
制御する空燃比制御手段、触媒12が活性状態にあるか
否かを検出する触媒非活性状態検出手段、機関点火時期
の遅角とISC弁22とを制御して触媒暖機を行う触媒
活性化手段等の請求項1に記載した各手段としての機能
を果たしている。
【0016】さらに、制御回路10において、ダウンカ
ウンタ108、フリップフロップ109、および駆動回
路110は燃料噴射弁7を制御するためのものである。
すなわち、後述のルーチンにおいて、燃料噴射量(噴射
時間)TAUが演算されると、噴射時間TAUがダウン
カウンタ108にプリセットされると共にフリップフロ
ップ109がセットされる。この結果、駆動回路110
が燃料噴射弁7の付勢を開始する。他方、ダウンカウン
タ108がクロック信号(図示せず)を計数して最後に
その出力端子が“1”レベルとなったときに、フリップ
フロップ109がセットされて駆動回路110は燃料噴
射弁7の付勢を停止する。つまり、上述の燃料噴射時間
TAUだけ燃料噴射弁7は付勢され、時間TAUに応じ
た量の燃料が機関1の燃焼室に供給されることになる。
【0017】また、制御回路10の入出力インターフェ
イス102は、点火回路112に接続されており、機関
1の点火時期を制御している。すなわち、制御回路10
は入出力インターフェイス102にクランク角センサ6
の基準クランク角パルス信号を入力後、クランク軸が所
定の回転角度に達する毎に点火回路112に点火信号を
出力し、各気筒の点火プラグ(図示せず)にスパークを
発生させる。機関1の点火時期は、負荷(例えば機関1
回転当たりの吸入空気量)、回転数等の運転条件の関数
として制御回路10のROM104に最適値が格納され
ており、最適な点火時期が運転条件に応じて決定され
る。
【0018】エアフローメータ3の吸入空気量データお
よび冷却水温データは所定時間もしくは所定クランク角
毎に実行されるA/D変換ルーチンによって取込まれて
RAM105の所定領域に格納される。つまり、RAM
105における吸入空気量データおよび冷却水温データ
は所定時間毎に更新されている。また、回転速度データ
はクランク角センサ6の30°CA(クランク角)毎の
割込みによって演算されてRAM105の所定領域に格
納される。
【0019】本実施例では、制御回路10は上流側O2
センサ13出力に基づいて機関空燃比を制御する第1の
空燃比制御と、下流側O2 センサ15出力に基づいて、
この第1の空燃比制御を補正する第2の空燃比制御とを
行う。以下、図2から図6を用いて制御回路10により
実行される、この第1と第2の空燃比制御について説明
する。
【0020】図2、図3は上流側O2 センサ13の出力
に基づいて空燃比補正係数FAFを演算する第1の空燃
比フィードバック制御ルーチンを示している。本ルーチ
ンは、所定時間たとえば4ms毎に実行される。ステップ
201では、上流側O2 センサ13による空燃比の閉ル
ープ(フィードバック)条件が成立しているか否かを判
別する。たとえば、冷却水温が所定値(例えば70℃)
以下の時、機関始動中、始動後増量中、暖機増量中、パ
ワー増量中、触媒過熱防止のための燃料噴射量増量中、
上流側O2 センサ13の出力信号が一度も反転していな
い時、燃料カット中等はいずれも閉ループ条件が不成立
であり、その他の場合が閉ループ条件成立である。閉ル
ープ条件が不成立のときには、図3、ステップ225に
進み、空燃比フィードバックフラグXMFBを“0”と
し、ステップ226に進みルーチンを終了する。なお、
空燃比補正係数FAFを1.0としてもよい。他方、閉
ループ条件成立の場合はステップ202に進む。
【0021】ステップ202では、上流側O2 センサ1
3の出力VOMをA/D変換して取込み、ステップ20
3にてVOMが比較電圧VR1以下か否かにより、空燃比
がリッチかリーンかを判別する。比較電圧VR1は、通常
2 センサ出力の振幅中心の電圧をとり、本実施例では
R1=0.45Vである。ステップ204から209、
及びステップ210から215は、ステップ203で判
定した上流側O2 センサ13出力の値に基づくフ空燃比
フラグF1の設定操作を示す。
【0022】空燃比フラグF1は、触媒12上流側の排
気空燃比がリッチかリーンかを示すフラグであり、フラ
グF1の値はディレイカウンタCDLYのカウントダウ
ン(リーン空燃比時)またはカウントアップ(リッチ空
燃比時)操作により(ステップ206、212)上流側
2 センサ13出力が所定の遅延時間(TDL、TD
R)以上リッチまたはリーンに保持された場合1(リッ
チ)から0(リーン)、または0から1に変更される
(ステップ207から209、ステップ213から21
5)。ここで、TDL(ステップ207、208)は上
流側O2 センサ13の出力がリッチからリーンに変化し
てもリッチ状態であるとの判断を保持するためのリーン
遅延時間であって、負の値で定義され、TDR(ステッ
プ213、214)は上流側O2 センサ13の出力がリ
ーンからリッチに変化してもリーン状態であるとの判断
を保持するためのリッチ遅延時間であって、正の値で定
義される。
【0023】次に、ステップ216では、空燃比フラグ
F1の符号が反転したか否か、すなわち遅延処理後の空
燃比が反転したか否かを判別する。空燃比が反転してい
れば、ステップ217にて、空燃比フラグF1の値によ
り、リッチからリーンへの反転か、リーンからリッチへ
の反転かを判別する。リッチからリーンへの反転であれ
ば、ステップ218にて空燃比補正係数FAFを、FA
F←FAF+RSRとスキップ的に増大させ、空燃比を
リッチ側に補正する。また、逆にリーンからリッチへの
反転であれば、ステップ219にて、FAF←FAF−
RSLとFAFをスキップ的に減少させて空燃比をリー
ン側に補正する。つまり、スキップ処理を行う。
【0024】ステップ216にて空燃比フラグF1の符
号が反転していなければ、ステップ220,221,2
22にて積分処理を行う。つまり、ステップ220に
て、F1=“1”か否かを判別し、F1=“0”(リー
ン)であればステップ221にてFAF←FAF+KI
Rとし、他方、F1=“1”(リッチ)であればステッ
プ222にてFAF←FAF−KILとする。ここで、
積分定数KIR,KILはスキップ量RSR,RSLに
比して十分小さく設定してあり、KIR(KIL)<R
SR(RSL)である。従って、ステップ221はリー
ン状態(F1=“0”)で空燃比を徐々にリッチ側に移
行させ、ステップ222はリッチ状態(F1=“1”)
で空燃比を徐々にリーン側に移行させる。
【0025】次に、ステップ223では、ステップ21
8,219,221,222にて演算された空燃比補正
係数FAFは最小値たとえば0.8にてガードされ、ま
た、最大値たとえば1.2にてガードされる。これによ
り、何らかの原因で空燃比補正係数FAFが大きくなり
過ぎ、もしくは小さくなり過ぎた場合に、その値で機関
の空燃比を制御してオーバリッチ、オーバリーンになる
のを防ぐ。
【0026】ステップ224では、空燃比フィードバッ
クフラグXMFBを“1”とし、上述のごとく演算され
たFAFをRAM105に格納して、ステップ226に
てこのループは終了する。次に、本発明を上流側O2
ンサ13の出力VOM 及び下流側O2 センサ15の出
力VOS の両方を用いて空燃比フィードバック制御を
行うダブルO2 センサシステムに適用した場合について
説明する。
【0027】図4は図2、図3のフローチャートによる
動作を補足説明するタイミング図である。上流側O2
ンサ13の出力VOMにより図4(A)に示すごとくリ
ッチ、リーン判別の空燃比信号A/Fが得られると、デ
ィレイカウンタCDLYは、図4(B)に示すごとく、
リッチ状態でカウントアップされ、リーン状態でカウン
トダウンされる。この結果、図4(C)に示すごとく、
遅延処理された空燃比信号A/F′(フラグF1に相
当)が形成される。たとえば、時刻t1 にて空燃比信号
A/F′がリーンからリッチに変化しても、遅延処理さ
れた空燃比信号A/F′はリッチ遅延時間TDRだけリ
ーンに保持された後に時刻t2 にてリッチに変化する。
時刻t3 にて空燃比信号A/Fがリッチからリーンに変
化しても、遅延処理された空燃比信号A/F′はリーン
遅延時間(−TDL)相当だけリッチに保持された後に
時刻t4 にてリーンに変化する。しかし空燃比信号A/
F′が時刻t5,6,7 のごとくリッチ遅延時間TDR
より短い期間で反転すると、ディレイカウンタCDLY
が最大値TDRに到達するのに時間を要し、この結果、
時刻t8 にて遅延処理後の空燃比信号A/F′が反転さ
れる。つまり、遅延処理後の空燃比信号A/F′は遅延
処理前の空燃比信号A/Fに比べて安定となる。このよ
うに遅延処理後の安定した空燃比信号A/F′にもとづ
いて図4(D)に示す空燃比補正係数FAFが得られ
る。
【0028】次に、下流側O2 センサ15による第2の
空燃比フィードバック制御について説明する。第2の空
燃比フィードバック制御としては、第1の空燃比フィー
ドバック制御定数としてのスキップ量RSR,RSL、
積分定数KIR,KIL、遅延時間TDR,TDL、も
しくは上流側O2 センサ13の出力VOMの比較電圧V
R1を可変にするシステムと、第2の空燃比補正係数FA
F2を導入するシステムとがある。
【0029】たとえば、リッチスキップ量RSRを大き
くすると、制御空燃比をリッチ側に移行でき、また、リ
ーンスキップ量RSLを小さくしても制御空燃比をリッ
チ側に移行でき、他方、リーンスキップ量RSLを大き
くすると、制御空燃比をリーン側に移行でき、また、リ
ッチスキップ量RSRを小さくしても制御空燃比をリー
ン側に移行できる。したがって、下流側O2 センサ15
の出力に応じてリッチスキップ量RSRを補正すること
により空燃比が制御できる。また、リッチ積分定数KI
Rを大きくすると、制御空燃比をリッチ側に移行でき、
また、リーン積分定数KILを小さくしても制御空燃比
をリッチ側に移行でき、他方、リーン積分定数KILを
大きくすると、制御空燃比をリーン側に移行でき、ま
た、リッチ積分定数KIRを小さくしても制御空燃比を
リーン側に移行できる。従って、下流側O2 センサ15
の出力に応じてリッチ積分定数KIRおよびリーン積分
定数KILを補正することにより空燃比を制御できる。
リッチ遅延時間TDRを大きくもしくはリーン遅延時間
(−TDL)を小さく設定すれば、制御空燃比はリッチ
側に移行でき、逆に、リーン遅延時間(−TDL)を大
きくもしくはリッチ遅延時間(TDR)を小さく設定す
れば、制御空燃比はリーン側に移行できる。つまり、下
流側O2 センサ15の出力VOSに応じて遅延時間TD
R,TDLを補正することにより空燃比が制御できる。
さらにまた、比較電圧VR1を大きくすると制御空燃比を
リッチ側に移行でき、また、比較電圧VR1を小さくする
と制御空燃比をリーン側に移行できる。従って、下流側
2 センサ15の出力VOSに応じて比較電圧VR1を補
正することにより空燃比が制御できる。
【0030】これらスキップ量、積分定数、遅延時間、
比較電圧を下流側O2 センサによって可変とすることは
それぞれに長所がある。たとえば、遅延時間を可変とす
ることにより非常に微妙な空燃比の調整が可能であり、
また、スキップ量を可変とすることにより遅延時間のよ
うに空燃比のフィードバック周期を長くすることなくレ
スポンスの良い制御が可能である。従って、これら可変
量は当然2つ以上組み合わされて用いられ得る。
【0031】次に、空燃比フィードバック制御定数とし
てのスキップ量を可変にしたダブルO2 センサシステム
について説明する。図5、図6は下流側O2 センサ15
の出力VOSにもとづく第2の空燃比フィードバック制
御ルーチンであって、所定時間たとえば512ms毎に実
行される。ステップ501〜506では、下流側O2
ンサ15出力による閉ループ制御条件が成立しているか
条件か否かを判別する。たとえば、上流側O2 センサ1
3による閉ループ条件の不成立(ステップ501)に加
えて、冷却水温THWが所定値(たとえば70℃)以下
のとき(ステップ502)、スロットル弁16が全閉
(LL=“1”)のとき(ステップ503)、回転速度
e 、車速、アイドルスイッチ17の信号LL、冷却水
温THW等にもとづいて2次空気が導入されているとき
(ステップ504)、軽負荷のとき(機関1回転当たり
の吸入空気量Q/Ne が所定値X1 より小さいとき)
(ステップ505)、下流側O2 センサ15が活性化し
ていないとき(ステップ506)、等が閉ループ条件が
不成立であり、その他の場合が閉ループ条件成立であ
る。閉ループ条件不成立であれば、ステップ519に進
み、空燃比フィードバックフラグXSFBをリセットし
(“0”)、閉ループ条件成立であればステップ508
に進み、空燃比フィードバックフラグXSFBをセット
する(“1”)。
【0032】ステップ509〜518のフローについて
説明する。ステップ509は、下流側O2 センサ15の
出力VOSをA/D変換して取り込み、ステップ510
にてVOSが比較電圧VR2(たとえばVR2=0.55
V)以下か否かを判別する、つまり、空燃比がリッチか
リーンかを判別する。なお、比較電圧VR2は触媒コンバ
ータ12の上流、下流で生ガスの影響による出力特性が
異なることおよび劣化速度が異なること等を考慮して上
流側O2 センサ13の出力の比較電圧VR1より高く設定
されているが、この設定は任意でもよい。この結果、V
OS≦VR2(リーン)であればステップ511、51
2,513に進み、VOS>VR2(リッチ)であればス
テップ514,515,516に進む。すなわち、ステ
ップ511では、RSR←RSR+ΔRS(ΔRSは一
定値)とし、つまり、リッチスキップ量RSRを増大さ
せて空燃比をリッチ側に移行させ、ステップ512,5
13では、RSRを最大値MAX(=0.075)にて
ガードし、他方、ステップ514にてRSR←RSR−
ΔRSとし、つまり、リッチスキップ量RSRを減少さ
せて空燃比をリーン側に移行させ、ステップ515,5
16にてRSRを最小値MIN(=0.025)にてガ
ードする。なお、最小値MINは過渡追従性がそこなわ
れないレベルの値であり、また、最大値MAXは空燃比
変動によりドライバビリティの悪化が発生しないレベル
の値である。
【0033】ステップ517では、リーンスキップ量R
SLを、 RSL←0.1−RSR とする。つまり、RSR+RSL=0.1とする。ステ
ップ518では、スキップ量RSR,RSLをRAM1
05に格納し、ステップ520に進みルーチンを終了す
る。
【0034】図7は噴射量演算ルーチンであって、所定
クランク角たとえば360°毎に実行される。ステップ
701では、RAM105より吸入空気量データQ及び
回転速度データNe を読出して基本噴射量TAUP(T
AUPは理論空燃比を得る噴射時間)を演算する。たと
えばTAUP←α・Q/Ne (αは定数)とする。ステ
ップ702では、最終噴射量TAUを、TAU←TAU
P・FAF・β+γにより演算する。なお、β,γは他
の運転状態パラメータによって定まる補正量である。次
いで、ステップ703にて、噴射量TAUをダウンカウ
ンタ108にセットすると共にフリップフロップ109
をセットして燃料噴射を開始させる。そして、ステップ
704にてこのルーチンを終了する。
【0035】なお、上述のごとく、噴射量TAUに相当
する時間が経過すると、ダウンカウンタ108の出力信
号によってフリップフロップ109がリセットされて燃
料噴射は終了する。次に、本実施例の触媒暖機制御につ
いて説明する。本実施例では、制御回路10は後述する
ように上流側O2 センサ13と下流側O2 センサ15と
に基づいて触媒12が活性化しているか(排気浄化能力
を発揮しているか)否かを判断し、触媒12が非活性状
態にあると判断された場合には点火時期を遅角させると
ともに、前述のISC弁22の開度を増加させる。
【0036】機関点火時期を遅角させることにより、各
気筒での燃焼が排気行程近くで生じるようになるため排
気温度は上昇し、さらにISC弁22の開度を増加させ
ることにより機関吸入空気量が増大し、排気ガス量が増
大する。このため触媒12に流入する排気ガスの温度は
上昇し、しかも排気ガス流量も増大するため触媒12の
暖機が促進される。また、上記暖機操作により触媒12
の温度が上昇して触媒12が活性化すると、制御回路1
0は機関点火時期を進角させて最適点火時期に設定する
とともに、ISC弁22の開度を運転状態により定まる
最適開度に設定する。これにより、触媒12が活性化し
て正常な排気浄化作用が開始されると点火時期とISC
弁22開度とは通常運転時の値に速やかに復帰すること
になる。
【0037】以下、本実施例の触媒暖機制御を、触媒
の活性状態の判定動作、触媒の暖機動作に分けて説明
する。
【0038】触媒活性状態の判定動作 本実施例では、触媒12のO2 ストレージ作用を利用し
て触媒12が活性状態にあるか否かを判断する。すなわ
ち、三元触媒は一般に排気空燃比がリーンのときに排気
中の余剰酸素を吸着し、排気空燃比がリッチになると吸
着した酸素を放出するO2 ストレージ作用を行う。機関
1がO2 センサ13、15の出力に基づいて前述のよう
にフィードバック制御されていると、図4に示したよう
に機関空燃比(FAF)はリッチ空燃比とリーン空燃比
との間で周期的に変動し、触媒に流入する排気の空燃比
もリッチ空燃比とリーン空燃比との間で周期的に変動す
ることになる。触媒が活性化して正常に機能している場
合には、上述のO2 ストレージ作用により、流入する排
気の空燃比がリーン側に振れたときには排気中の余剰の
酸素が触媒に吸着され、流入する排気の空燃比がリッチ
側に振れたときには吸着された酸素が排気に放出される
ため、触媒を通過した排気の空燃比変動は小さくなり、
理論空燃比近傍に維持される。
【0039】しかし、触媒が非活性状態にあり正常に機
能していない場合には、触媒12のO2 ストレージ作用
が低下するため、触媒を通過した排気の空燃比変動は大
きくなり、触媒に流入する排気の空燃比変動に伴って周
期的に変動するようになる。従って、上流側O2 センサ
13出力と下流側O2 センサ15出力とを比較すること
により触媒12が活性化しているか否かを正確に検出す
ることができる。
【0040】図8(A) (B) は空燃比フィードバック制御
中の触媒12上流側のO2 センサ13出力VOMと下流
側O2 センサ15出力VOSの変化を示し、図8(A) は
触媒12が活性化して正常に機能している場合を、図8
(B) は触媒12が非活性状態にある場合をそれぞれ示し
ている。空燃比フィードバック制御中は、図4に示した
ように、機関空燃比はリッチ空燃比とリーン空燃比との
間で周期的に変動を繰り返すため、上流側O2 センサ1
3出力VOMもリッチ空燃比相当出力(例えば0.9ボ
ルト)とリーン空燃比相当出力(例えば0.1ボルト)
との間で周期的な変動を繰り返すことになる(図8(A)
(B) VOM参照)。
【0041】一方、触媒12が活性状態にあって正常に
機能している場合には、触媒を通過した排気の空燃比変
動は触媒12のO2 ストレージ作用により緩和されるた
め、触媒上流側の排気空燃比が変動していても触媒下流
側の排気空燃比は略理論空燃比に維持され、下流側O2
センサ15出力VOSは長い周期でリッチ側とリーン側
との間を変動する(図8(A) VOS参照)。この状態で
は、図8(A) に示すように、下流側O2 センサ15出力
VOSの軌跡長さは比較的小さく、また、出力VOSと
基準電圧VR2とで囲まれる部分の面積は比較的大きい。
【0042】また、触媒12が非活性状態にある場合に
は、触媒12のO2 ストレージ作用の低下のため、触媒
12下流側の排気空燃比は上流側の排気空燃比変動に伴
って同様な周期的変動を繰り返すようになり、下流側O
2 センサ15出力VOSは上流側O2 センサ13出力V
OMと同様な変動を繰り返すようになる(図8(B) 参
照)。この状態では、図8(B) に示すように、下流側O
2 センサ15出力VOSの軌跡長さは比較的大きくな
り、出力VOSと基準電圧VR2とで囲まれる部分の面積
は比較的小さくなる。
【0043】本実施例では、制御回路10は、下流側O
2 センサ15出力VOSの軌跡長さLVOSと上流側O
2 センサ13出力VOMの軌跡長さLVOMとの比、L
RATIO(LRATIO=LVOS/LVOM)及
び、下流側O2 センサ15出力VOSと基準電圧VR2
で囲まれる面積AVOSと上流側O2 センサ13出力V
OMと基準電圧VR1とで囲まれる面積ARATIO(A
RATIO=AVOS/AVOM)とを計算し、LRA
TIOとARATIOとが一定の関係にあるときに触媒
12が非活性状態にあると判断する。
【0044】すなわち、触媒12が非活性状態から活性
状態になり、触媒の排気浄化能力が増大するにつれて軌
跡長比LRATIOは小さくなり、逆に面積比ARAT
IOは大きくなる。そこで、本実施例では、図9に示す
ような判定マップを用いて、軌跡長比LRATIOと面
積比ARATIOとの関係が図9の斜線で示した領域に
ある場合には、触媒12が非活性状態にあると判断して
いる。
【0045】なお、本実施例で下流側O2 センサ15出
力VOSの軌跡長と面積とをそれぞれ上流側O2 センサ
13出力VOMの軌跡長と面積とで割った軌跡長比LR
ATIO、ARATIOを用いているのは、運転状態に
よる機関空燃比変動状態の変化による影響を排除して正
確に触媒活性化の判断を行うためである。また、図9の
判定マップでは、軌跡長比LRATIOが所定値(K
1)以下の場合には面積比ARATIOの値にかかわら
ず触媒が活性化したと判定しているが、これは機関空燃
比が理論空燃比を中心として小さな振幅で制御されてい
るような場合、触媒が活性化していると、触媒下流側の
排気空燃比は理論空燃比に一致したまま殆ど変動しなく
なり、AVOS、AVOMともに極めて小さくなり、A
RATIOに基づいて活性化の判断を行うと誤判断を生
じる恐れがあるためである。
【0046】図10から図13は制御回路10により実
行される上記触媒活性化判断のルーチンを示すフローチ
ャートである。本ルーチンは、一定時間、例えば4ms毎
に実行される。図10、でルーチンがスタートすると、
ステップ1001から1004では、触媒活性化判定の
ための条件が成立しているか否かが判断される。ここ
で、判定のための条件は、(1) 上流側O2 センサ13出
力による第1の空燃比制御が実施されていること、すな
わちフラグXMFB(図2、ステップ224、225)
の値が1にセットされていること(ステップ100
1)、(2) リーンモニタにより上流側O2 センサ13の
出力が所定時間以上リーン側に留まっていることが検出
されていないこと(ステップ1002)、(3) リッチモ
ニタにより上流側O2 センサ13出力が所定時間以上リ
ッチ側に留まっていることが検出されていないこと(ス
テップ1003)、(4) 下流側O2 センサ15出力によ
る第2の空燃比制御が実施されていること、すなわちフ
ラグXSFB(図5、ステップ508、519)の値が
1にセットされていること(ステップ1004)、等で
あり、上記条件の全てが成立した場合にのみステップ1
005以下の触媒活性化判定が実行される。
【0047】なお、上記条件(2) (3) を設けたのは、上
流側O2 センサ13出力による空燃比フィードバック制
御実行中であっても、上流側O2 センサ13出力VOM
がリーン側かリッチ側かに偏ったままで変動していると
面積AVOMの有効な値が得られない場合があるためで
ある。上記条件の全部が成立した場合には、ルーチンは
図11、ステップ1005に進み、上流側O2 センサ1
3出力の軌跡長LVOMと面積AVOMとが、以下の式
により演算される。
【0048】 LVOM ← LVOM +|VOM − VOMi-1 | AVOM ← AVOM +|VOM − VR1| ここで、VOMi-1 は前回ルーチン実行時のVOMの値
を示している。すなわち、本実施例では、ルーチン実行
毎の上流側O2 センサ13出力VOMの変化から、図1
3に示すように軌跡長LVOMと面積AVOMを近似的
に積分値として求めている。なお、図13では説明のた
め、センサ出力の変化に対してサンプリング間隔を実際
よりかなり長く取った場合を示している。また、さらに
正確に軌跡長と面積とを計算するために出力軌跡の波形
(傾き)を考慮して軌跡長と面積とを計算するようにし
てもよい。
【0049】次いで、ステップ1006では、上記と同
様に下流側O2 センサ15出力の軌跡長LVOSと面積
AVOSとが以下の式により演算される。 LVOS ← LVOS +|VOS − VOSi-1 | AVOS ← AVOS +|VOS − VR2| また、ステップ1007では次回のルーチン実行に備え
てVOMi-1 とVOS i-1 の値が更新される。
【0050】上記の演算の後、ルーチンは図12、ステ
ップ1009に進みカウンタCTIMEをカウントアッ
プするとともに、ステップ1010ではCTIMEの値
が所定値C0 を越えたか否かが判定される。ここで、C
0 は、触媒活性化を判断する上で有意義な軌跡長、面積
を得ることができる時間に相当するルーチン繰り返し回
数である。この時間は少なくとも上流側O2 センサ13
出力のリッチ、リーン間の反転回数の数回分以上である
ことが必要とされ、この時間が長い程正確な活性化判定
が可能となる。
【0051】ステップ1010で上記時間が経過してい
た場合には、ステップ1011で、軌跡長比LRATI
Oと面積比ARATIOとが、 LRATIO ← LVOS/LVOM ARATIO ← AVOS/AVOM として計算される。
【0052】次いで、ステップ1012から1014で
は上記により計算した軌跡長比LRATIOと面積比A
RATIOとを用いて、図9に示した関係から触媒12
が活性化しているか否かが判定される。すなわち、ステ
ップ1012では軌跡長比LRATIOが所定値K1
(図9参照)以上か否かが判定され、LRATIO<K
1であれば触媒12が活性化していると考えられるた
め、ステップ1014に進み、触媒活性状態フラグFA
CTの値を1に設定する。
【0053】また、LRATIO≧K1であればステッ
プ1012に進み、更に軌跡長比LRATIOと面積比
ARATIOとの比LRATIO/ARATIOの値が
所定値K2(図9参照)以上か否かを判断する。LRA
TIO/ARATIO<K2であれば、すなわち軌跡長
比LRATIOと面積比ARATIOとの関係が、図9
の斜線領域に入っていなければ、上記と同様ステップ1
014でフラグFACTの値が1に設定され、LRAT
IO/ARATIO≧K2、すなわち図9の斜線領域に
あれば、触媒が非活性状態にあると考えられるため、ス
テップ1013でフラグFACTの値はゼロに設定され
る。また上記ステップを終了後ステップ1015でCT
IME、LVOM、AVOM、LVOS、AVOS、V
OMi-1、VOSi-1 等の変数がクリアされ本ルーチン
は終了する。
【0054】触媒の暖機動作 図14は、上記触媒活性化判定結果に基づく触媒暖機動
作のフローチャートを示している。本ルーチンは制御回
路10により、例えば図12、ステップ1010の所定
時間C0 より短い間隔で実行される。図14において、
ルーチンがスタートするとステップ1401では、触媒
活性化フラグFACTの値から触媒12が活性化してい
るか否かが判定される。
【0055】触媒12が非活性状態にある場合(FAC
T=0)には、ステップ1402で機関点火時期(BT
DC)AIGが所定値A1だけ遅角されるとともに、ス
テップ1403でISC弁22の開度DISCが所定値
A2だけ増大される。また、ステップ1401で触媒1
2が活性化している場合(FACT=1)には、ステッ
プ1404、1405で点火時期AIGがA1だけ進角
され、ISC弁22の開度DISCはA2だけ減少され
る。
【0056】次いでステップ1406から1409で
は、上記により設定された点火時期AIGは機関の許容
最大遅角点火時期AIGMAX と最適点火時期AIGOPT
とでガードされる。すなわち、点火時期AIGはAIG
MAX より遅角されることはなく、最適点火時期AIG
OPT より進角されることはない。ここで、最適点火時期
AIGOPT は別途制御回路10により実行されるルーチ
ン(図示せず)により、機関運転条件に応じて設定され
る値である。
【0057】また、ステップ1410から1413では
同様に、ISC弁開度DISCが許容最大開度DISC
MAX と、運転状態に応じて設定される最適開度DISC
OPTとによりガードされる。次いで、ステップ1414
では上記により設定された点火時期AIGとISC弁開
度DISCとをRAM105に格納しルーチンを終了す
る。
【0058】上記ルーチン実行により、触媒12が非活
性状態にある場合には機関点火時期はルーチン実行毎に
所定量ずつ遅角され、ISC弁開度は所定量ずつ増大さ
れる。また、これにより触媒12の温度が上昇して触媒
12が活性化した後は点火時期とISC弁開度とは、機
関運転状態に応じた最適点火時期と最適開度とが得られ
るまでルーチン実行毎にそれぞれ所定量づつ進角及び減
少され、最適点火時期と最適開度とに到達後はそれぞれ
その状態に維持されることになる。
【0059】なお、本実施例では点火時期とISC弁開
度との急激な変化を避けるために変化量A1、A2は比
較的小さい量に設定して、その代わりにルーチン実行間
隔を比較的短く(例えば図12、ステップ1010の所
定時間C0 より短い間隔に)設定しているが、変化量A
1、A2を比較的大きな量に設定して本ルーチンの実行
間隔を比較的長く(例えば上記C0 より長い間隔に)設
定することも可能である。
【0060】上述のように、本実施例によれば触媒が非
活性状態にある場合には点火時期の遅角とISC弁の開
度増大とが行われて触媒の温度が上昇し続けるため、触
媒の劣化により活性化温度が上昇したような場合でも短
時間で確実に触媒を活性化させることが可能となる。ま
た、触媒が活性化した後は逆に点火時期の進角とISC
弁開度減少とが行われるため、触媒暖機操作は常に必要
最小限の範囲で実行されることになり無駄な触媒暖機操
作が行われることが防止される。
【0061】なお、触媒の劣化が大幅に進行した場合に
は触媒暖機操作によっても触媒が十分な排気浄化能力を
発揮しなくなる場合が考えられる。図14には示してい
ないが、このような場合に対処するため、点火時期が最
大限に遅角された状態(図14ステップ1407)が一
定時間継続したときに警報信号を発生して、運転者に触
媒の異常を報知するようにすることも可能である。
【0062】
【発明の効果】本発明は、上述のように触媒の活性化の
有無を直接検出して、触媒が非活性状態にあるときにの
み触媒暖機操作を行うようにしたことにより、触媒の劣
化状態にかかわらず確実に触媒を短時間で活性化させる
ことができるとともに、無駄な触媒暖機操作が行われる
ことを防止できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排気浄化装置を適用した内燃機関の一
実施例を示す概略図である。
【図2】本実施例の内燃機関の空燃比制御を説明するフ
ローチャートの一部である。
【図3】本実施例の内燃機関の空燃比制御を説明するフ
ローチャートの一部である。
【図4】図2、図3のフローチャートを捕捉説明するタ
イミング図である。
【図5】本実施例の内燃機関の空燃比制御を説明するフ
ローチャートの一部である。
【図6】本実施例の内燃機関の空燃比制御を説明するフ
ローチャートの一部である。
【図7】本実施例の燃料噴射量演算動作を説明するフロ
ーチャートである。
【図8】本実施例の触媒活性化判定原理を説明するタイ
ミング図である。
【図9】触媒活性化判定用のマップの一例を示す図であ
る。
【図10】触媒活性化判定動作を説明するフローチャー
トの一部である。
【図11】触媒活性化判定動作を説明するフローチャー
トの一部である。
【図12】触媒活性化判定動作を説明するフローチャー
トの一部である。
【図13】O2 センサ出力の軌跡長と面積とを説明する
図である。
【図14】触媒暖機動作を説明するフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1…機関本体 3…エアフローメータ 10…制御回路 12…触媒コンバータ 13…上流側O2 センサ 15…下流側O2 センサ 22…ISC弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 43/00 301 D L F02P 5/15

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気通路に設けられた三元触
    媒と、 該三元触媒の上流側排気通路に設けられ、三元触媒上流
    側の排気空燃比を検出する上流側空燃比センサと、 前記三元触媒の下流側排気通路に設けられ、三元触媒下
    流側の排気空燃比を検出する下流側空燃比センサと、 少なくとも前記上流側空燃比センサ出力に基づいて前記
    機関の空燃比を制御する空燃比制御手段と、 前記上流側空燃比センサ出力と前記下流側空燃比センサ
    出力とに基づいて前記三元触媒が非活性状態にあること
    を検出する触媒非活性状態検出手段と、 前記三元触媒の温度を上昇させる触媒昇温手段と、 前記三元触媒が非活性状態にあることが検出された時
    に、前記三元触媒昇温手段を制御して前記三元触媒の温
    度を上昇させる操作を行う触媒活性化手段と、を備えた
    内燃機関の排気浄化装置。
JP6004667A 1994-01-20 1994-01-20 内燃機関の排気浄化装置 Pending JPH07208153A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7073321B2 (en) 2003-10-17 2006-07-11 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Controller for internal combustion engine
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KR101326817B1 (ko) * 2011-09-02 2013-11-11 현대자동차주식회사 차량의 촉매 활성 시간 단축 방법

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