JP3225787B2 - 内燃機関のo2 センサ制御装置 - Google Patents

内燃機関のo2 センサ制御装置

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JP3225787B2
JP3225787B2 JP10876095A JP10876095A JP3225787B2 JP 3225787 B2 JP3225787 B2 JP 3225787B2 JP 10876095 A JP10876095 A JP 10876095A JP 10876095 A JP10876095 A JP 10876095A JP 3225787 B2 JP3225787 B2 JP 3225787B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関のO2 センサ
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、内燃機関の排気マニホルドに
2 センサを設け、このO2 センサ出力に基づいて機関
の空燃比を目標空燃比にフィードバック制御することに
より、O2 センサ下流側の排気通路に設けた排気浄化触
媒の浄化能力を高く維持する技術が知られている。
【0003】また、上記排気マニホルドに配置したO2
センサ(上流側O2 センサ)の出力特性の経年変化や個
体差によるばらつきを補償するために、排気浄化触媒下
流側の排気通路に更にO2 センサ(下流側O2 センサ)
を設け、上流側O2 センサ出力に基づく空燃比制御を下
流側O2 センサ出力に基づいて補正する、所謂ダブルO
2 センサシステムも一般に使用されている(特開昭61
−286550号公報参照)。
【0004】上流側O2 センサは機関に近接して配置さ
れるため、上流側O2 センサ部分では各気筒からの排気
が必ずしも均一に混合していない。また、上流側O2
ンサ部分では排気温度が高くO2 センサ自体の劣化が生
じやすい。このため、上流側O2 センサが特定の気筒か
らの排気の影響を強く受けたり、O2 センサが劣化した
ような場合には上流側O2 センサ出力に基づいて空燃比
フィードバック制御を行っていると正確な空燃比制御が
できなくなるおそれがある。一方、下流側O2センサの
位置では排気は触媒通過時に均一に混合されており排気
温度も低くなっている。このため、ダブルO2 センサシ
ステムでは、上流側O2 センサ出力に基づく空燃比フィ
ードバック制御を、下流側O2 センサ出力に基づいて補
正することにより、上流側O2 センサの特性の変化等が
生じた場合にも正確な空燃比制御を行うことが可能とな
っている。
【0005】さらに、上記ダブルO2センサシステムに
おいて、空燃比フィードバック制御中の下流側O2セン
サ出力の変動に基づいて、排気浄化触媒の劣化の有無を
判定する触媒劣化判定装置が知られている(特開平5−
263686号公報参照)。通常、排気浄化触媒として
使用される三元触媒は流入する排気空燃比が理論空燃比
よりリーン側になったときに排気中の酸素を吸着し、流
入する排気空燃比が理論空燃比よりリッチ側になったと
きに吸着した酸素を放出するO2ストレージ作用を行
う。このため、触媒に流入する排気空燃比がリーン側と
リッチ側とに変動している場合でも、O2ストレージ作
用による酸素の吸放出により触媒通過後の排気の空燃比
変動は少なくなり、下流側O2センサ出力の変動は少な
くなる。
【0006】しかし、触媒が劣化すると触媒のO2スト
レージ作用が低下し、触媒に吸着さる酸素量が少なく
なるため、触媒を通過した排気の空燃比は上流側排気と
同様に変動するようになる。上記特開平5−26368
6号公報の装置では、空燃比フィードバック制御中に下
流側のO2センサの出力がリッチからリーン及びリーン
からリッチに反転する周期を計測し、この周期から触媒
が劣化したか否かを判定している。すなわち、触媒が正
常であり十分なO2ストレージ作用が得られる場合に
は、触媒上流側の排気空燃比が変動するような場合で
も、触媒通過後の排気空燃比の変動は少なくなり下流側
2センサ出力の反転の周期は長くなる。
【0007】一方、触媒が劣化してO2 ストレージ作用
が低下すると、触媒通過後の排気空燃比も触媒上流側の
排気空燃比と同様に変動するようになるため、下流側O
2 センサ出力のリッチ側とリーン側との間の反転周期は
触媒劣化の進行に応じて長くなる。上記特開平5−26
3686号公報の装置では、空燃比フィードバック制御
中の下流側O2 センサ出力の反転周期を算出し、下流側
2 センサ出力の反転周期が所定値より大きくなったと
きに触媒が劣化したと判定するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のダブ
ルO2 センサシステム等のように触媒下流側の排気通路
に配置したO2 センサ出力に基づいて制御を行うシステ
ムでは、新品の三元触媒の使用開始時に問題が生じる場
合がある。三元触媒は、触媒作用により排気中のHC、
COの酸化とNOX の還元とを同時に行い、これらの有
害成分を同時に浄化する。また上記酸化、還元を促進す
る触媒活性は触媒が新しいうちは高く、触媒の使用時間
が長くなるにつれて徐々に低下して行く。従って、新品
の三元触媒の使用開始時には触媒活性が極めて強い状態
になっているため、比較的排気温度が高い状態では、 H2 O+CO→H2 +CO2 の水性ガスの還元反応が生じてしまい触媒でH2 が発生
する場合がある。このように、触媒でH2 が発生するの
は、排気温度が高くかつ触媒の使用開始直後の一定の期
間に限られるが、触媒でH2 が発生すると下流側O2
ンサに到達する排気中にH2 成分が存在することになる
ため、下流側O2 センサの出力特性が影響される問題が
生じる。
【0009】O2 センサは、ジルコニウム等の固体電解
質の両側に白金電極を配置し、この固体電解質の一方の
電極側に排気を接触させ、他方の電極側に大気を接触さ
せる構成をとっている。固体電解質の温度が所定温度以
上になると、大気と排気との酸素成分の濃度差により大
気側電極では大気中の酸素がイオン化して固体電解質中
を排気側に移動するようになるため、大気と排気との濃
度差に応じた電流が排気側電極から大気側電極に流れる
ようになり、電極間には酸素濃度差に応じた電圧が発生
する。O2 センサでは上記電圧を信号として取り出すこ
とにより排気中の酸素濃度を検出している。
【0010】ところが、排気中にある程度以上の濃度の
2 成分が存在すると、排気中の酸素成分がH2 成分に
より阻止されて排気側電極に到達しにくくなる。このた
め、H2 成分が存在すると、O2 センサ出力は実際の酸
素濃度より低い酸素濃度信号を出力するようになる。す
なわち、O2 センサは実際よりリッチ空燃比側の出力信
号を発生するようになり、O2 センサの出力特性が全体
としてリーン空燃比側にシフトした状態になる。(下流
側O2 センサが理論空燃比として認識する空燃比が理論
空燃比よりリーン側にずれた状態になる。) 従って、触媒でH2 成分が発生するようになると、実際
に下流側O2 センサに到達する排気空燃比が理論空燃比
であった場合でも下流側O2 センサからはリッチ空燃比
信号が出力されるため、例えばダブルO2 センサシステ
ムでは下流側O 2 センサ出力に基づいて空燃比がリーン
側に制御されてしまい理論空燃比を維持できなくなり、
機関の運転性の悪化や排気エミッションの悪化を生じる
問題がある。
【0011】また、このような状態では、排気空燃比は
理論空燃比よりリーン側に制御されるようになるため、
触媒での酸素吸着量は飽和量に到達してしまい、もはや
2ストレージ作用による酸素の吸放出は生じなくな
り、触媒下流側の排気空燃比は上流側の排気空燃比と同
様に理論空燃比よりリーン側で変動を繰り返すようにな
る。一方、下流側O2 センサの出力特性はリーン側にシ
フトしており、理論空燃比よりリーン側のある空燃比の
値を理論空燃比として認識するため、実際の排気空燃比
がこの空燃比を通過して上下する毎に下流側O2 センサ
の出力信号が反転する。
【0012】従って、触媒で発生したH2 成分により下
流側O2 センサ出力特性がリーン側にシフトすると、機
関空燃比が全体としてリーン空燃比側に移行し、触媒に
流入する排気の空燃比が実際にリーンとリッチとの間で
反転しなくなるためにO2 ストレージ作用が生じなくな
り、触媒下流側の空燃比もリーン空燃比の範囲で上流側
と同じ変動を繰り返すようになる。また、この結果下流
側O2 センサ出力は上流側O2 センサ出力と同じ周期で
反転するようになるため、反転周期は短くなり使用開始
直後の触媒が劣化していると判定されてしまう問題が生
じる。
【0013】上記はダブルO2センサシステム及び触媒
劣化判定の制御について説明したが、このように下流側
2センサの出力特性のずれが生じると、下流側O2セン
サ出力に基づいて他の制御を行っていた場合には、同様
に制御に支障を生じることになる。本発明は、上記問題
に鑑み、触媒で発生したH2成分により下流側O2センサ
出力が悪影響を受けるために生じる種々の問題を解決可
能なO2センサ制御装置を提供することを目的としてい
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載意の発明
によれば、内燃機関の排気通路に配置された排気浄化触
媒と、前記排気浄化触媒の下流側排気通路に配置され
た、排気中の酸素成分濃度に応じた信号を出力する下流
側O2センサと、前記触媒で予め定めた所定濃度以上の
水素成分が発生しているか否かを判定するH 2 検出手段
と、前記H 2 検出手段により、前記所定濃度以上の水素
成分が発生していると判定されたときに、前記下流側O
2センサの出力に基づいて行われる制御を禁止する禁止
手段と、を備えた内燃機関のO2センサ制御装置が提供
される。
【0015】請求項2に記載の発明によれば、前記下流
側O2 センサ出力に基づいて行われる制御は、下流側O
2 センサ出力に基づいて機関空燃比を目標空燃比にフィ
ードバック制御する空燃比制御である請求項1に記載の
2 センサ制御装置が提供される。請求項3に記載の発
明によれば、 請求項1に記載のO2 センサ制御装置に
おいて更に、前記排気浄化触媒上流側排気通路に配置さ
れ、排気中の酸素成分濃度に応じた信号を出力する上流
側O2 センサと、前記下流側O2 センサ出力と上流側O
2 センサ出力とに基づいて機関空燃比を目標空燃比にフ
ィードバック制御する空燃比制御手段を備えた請求項1
に記載のO2 センサ制御装置が提供される。
【0016】請求項4に記載の発明によれば、前記下流
側O2センサ出力に基づいて行われる制御は、下流側O2
センサ出力の変動に基づいて前記排気浄化触媒の劣化の
有無を判定する触媒劣化判定制御である請求項1に記載
のO2センサ制御装置が提供される。
【0017】
【作用】請求項1のO2センサ制御装置では、H2検出手
段により触媒で所定濃度以上(例えば、下流側O 2 セン
サに影響を与える濃度)の2成分が発生していると判
定されると、禁止手段は下流側O2センサ出力に基づく
制御の実行を禁止する。これにより、誤った下流側酸素
濃度に基づく制御が実行されないため、誤制御による問
題が生じない。
【0018】請求項2のO2 センサ制御装置では、上記
禁止手段により下流側O2 センサ出力に基づく機関の空
燃比フィードバック制御が禁止される。このため、機関
空燃比のリーン化による運転性の悪化や排気エミッショ
ンの悪化が生じない。請求項3のO2 センサ制御装置で
は、上記禁止手段によりダブルO2 センサシステムにお
ける下流側O2 センサ出力に基づく上流側O2 センサ出
力の補正が禁止される。このため、機関空燃比のリーン
化による運転性の悪化や排気エミッションの悪化が生じ
ない。
【0019】請求項4のO2 センサ制御装置では、上記
禁止手段により下流側O2 センサ出力に基づく触媒劣化
検出制御が禁止される。このため、触媒劣化における誤
判定が生じない。
【0020】
【実施例】以下添付図面を用いて本発明の実施例につい
て説明する。図1は、本発明を自動車用内燃機関に適用
した場合の実施例の全体概略構成を示す図である。図1
において、1は内燃機関本体、2aは機関1の各気筒の
吸気ポートに接続された吸気マニホルド、11は各気筒
の排気ポートに接続された排気マニホルドをそれぞれ示
している。
【0021】吸気マニホルド2aは共通のサージタンク
2bを介して吸気通路2に接続されている。図1に3で
示したのは機関1の吸入空気量を検出するエアフローメ
ータである。エアフローメータ3は、例えばポテンショ
メータを内蔵した可動ベーン式のものが使用され、吸入
空気量に比例した電圧信号を発生する。また、吸気通路
2には運転者のアクセルペダルの操作量に応じた開度を
とるスロットル弁16が設けられ、更にスロットル弁1
6近傍には、スロットル弁16が全閉時にアイドル状態
信号(LL信号)を発生するアイドルスイッチ17が設
けられている。
【0022】図1に7で示すのは、吸気マニホルド2a
の各気筒の吸気ポート近傍に配置された燃料噴射弁であ
る。燃料噴射弁7は、制御回路10からの信号に応じて
開弁し、加圧燃料を各気筒の吸気ポート毎に噴射する。
燃料噴射弁7からの燃料噴射制御については後述する。
排気マニホルド11は共通の排気管を介して触媒コンバ
ータ12に接続されている。触媒コンバータ12は、三
元触媒を内蔵し排気中のHC、CO、NOX の3成分を
同時に浄化することができる。また、触媒コンバータ1
2の上流側、すなわち排気マニホルド11の排気集合部
には上流側空燃比センサ13が、触媒コンバータ12の
下流側排気管14には下流側空燃比センサ15がそれぞ
れ設けられている。本実施例では空燃比センサ13、1
5として排気中の酸素成分濃度に応じた電圧信号を発生
するO2 センサが用いられている。図2はO2 センサ1
3、15の出力特性を示す図である。図2に実線で示し
たように、通常のO2 センサ出力は理論空燃比を境とし
て急激に変化し、リッチ空燃比側とリーン空燃比側とで
異なる出力電圧を発生する。このため、O2 センサ1
3、15の出力から現在空燃比が理論空燃比よりリッチ
側かリーン側かを判定することができる。
【0023】図1に18で示すのは、排気系に2次空気
を導入するための2次空気導入弁である。2次空気導入
弁18は機関減速時、アイドル運転時等に開弁して排気
マニホルド11に2次空気を導入してHC、COエミッ
ションを低減する操作を行う。更に、機関1の点火ディ
ストリビュータ4には、それぞれ機関クランク軸の一定
回転毎にパルス信号を発生する2つのクランク角センサ
5、6が設けられている。本実施例では、クランク角セ
ンサ5は例えば特定気筒が圧縮上死点に到達する毎に
(すなわちクランク回転角720°毎に)基準位置検出
用パルス信号を出力し、クランク角センサ6は例えばク
ランク回転角30°毎にクランク回転角検出用のパルス
信号を出力する。
【0024】また、機関1のシリンダブロックのウォー
タジャケット8には機関冷却水温度に応じたアナログ電
圧を出力する冷却水温度センサ9が設けられている。制
御回路10は、例えば入出力インターフェイス102、
CPU103、ROM104、RAM105、を相互に
双方向性バスで接続した公知の構成のマイクロコンピュ
ータとされ、更にマルチプレクサ内蔵型AD変換器10
1、電源に直接接続され機関イグニッションスイッチが
オフの状態でも記憶内容を保持可能なバックアップRA
M106、クロック発生回路107等を備えている。
【0025】制御回路10は、機関の燃料噴射制御、点
火時期制御等の基本制御を行う他、本実施例では、後述
するように上流側O2 センサ13と下流側O2 センサ1
5の出力に基づく空燃比フィードバック制御と、触媒使
用開始時のH2 発生検出時の制御とをおこなっている。
これらの制御を実行するため、制御回路10にはAD変
換器101を介してエアフローメータ3からの機関吸入
空気量信号、冷却水温度センサ9からの冷却水温度信
号、O2 センサ13、15からの空燃比信号がそれぞれ
入力されている他、入出力インターフェイス102を介
してクランク回転角センサ5、6からのパルス信号、ア
イドルスイッチ17からのアイドル信号等が入力されて
いる。
【0026】なお、機関吸入空気量信号、冷却水温度信
号は、一定クランク回転角毎に実行されるAD変換ルー
チンによって取り込まれ、RAM105の所定領域にそ
れぞれ機関吸入空気量データQ、冷却水温度データTH
Wとして格納される。また、クランク回転角センサ6の
パルス信号が入力する毎に、そのパルス間隔から図示し
ないルーチンにより機関回転速度が算出され、RAM1
05の所定領域に機関回転数データNeとして格納され
る。
【0027】一方、制御回路10は入出力インターフェ
イス102を介して燃料噴射弁7に接続され、燃料噴射
弁7からの燃料噴射を制御している。図1に108、1
09、110で示したのは、それぞれ燃料噴射弁7から
の燃料噴射量を制御するための、ダウンカウンタ、フリ
ップフロップ、駆動回路である。すなわち、後述するル
ーチンにおいて燃料噴射量(時間)TAUが算出される
と燃料噴射時間TAUがダウンカウンタ108にプリセ
ットされるとともに、フリップフロップ109がセット
され、駆動回路110が燃料噴射弁7の駆動信号を出力
する。これにより燃料噴射弁7は開弁し燃料噴射が開始
される。ダウンカウンタ108はクロック107のクロ
ック信号を計数してプリセットされた時間TAUが経過
するとフリップフロップ109にセット信号を出力す
る。これにより、フリップフロップ109がセットされ
るため、駆動回路110は燃料噴射弁7の駆動信号を停
止し、燃料噴射弁7は閉弁する。従って演算された燃料
噴射時間TAUに相当する時間だけ燃料噴射弁7が開弁
し、TAUに相当する量の燃料が燃料噴射弁7から機関
1に噴射されることになる。
【0028】また、制御回路10は入出力インターフェ
イス102を介して前述の2次空気導入弁18、及びア
ラーム19に接続されている。本実施例では、上流側O
2センサ13出力に基づいて空燃比をフィードバック制
御するとともに、下流側O2センサ15の出力に基づい
て上流側O2センサ13の出力特性のずれ等を補正する
制御をおこなうとともに、空燃比フィードバック制御中
の下流側O2センサ15出力のリッチ出力とリーン出力
との間の反転周期に基づいて触媒12の劣化の有無を
する制御をおこなっている。後述するように、触媒1
2の使用開始後の期間に触媒でH2成分が発生すると、
下流側O2センサ15の出力特性が変化するために下流
側O2センサ15出力を使用する空燃比制御が影響を受
けることになる。
【0029】そこで、触媒でのH2 発生時の制御を説明
する前に、本実施例の空燃比制御についてまず簡単に説
明する。図3は本実施例の燃料噴射量演算ルーチンを示
すフローチャートである。本ルーチンは、制御回路10
により一定クランク回転角毎(例えば360°毎)に実
行される。図3のルーチンでは、燃料噴射量、すなわち
燃料噴射弁7の燃料噴射時間TAUが、機関1回転当た
りの吸入空気量Q/Neと、後述する空燃比補正係数F
AFとに基づいて算出される。
【0030】すなわち、図3のルーチンでは、吸入空気
量データQ、回転数データNeをRAM105の所定領
域から読み込み、機関1回転当たりの吸入空気量Q/N
eを算出する(ステップ301)とともに、基本燃料噴
射時間TAUPを、 TAUP=α×Q/Ne として算出する(ステップ302)。ここで、基本燃料
噴射時間TAUPは燃焼室に供給される混合気を理論空
燃比とするために必要とされる燃料噴射時間であり、α
は定数である。
【0031】また、実際の燃料噴射時間TAUは、上記
TAUPを空燃比補正係数FAFで補正した値、 TAU=TAUP×FAF×β+γ として算出される(ステップ303)。ここで、β、γ
はそれぞれ機関運転状態に応じて決定される定数であ
る。また、上記により燃料噴射時間TAUが算出される
とステップ304では時間TAUがダウンカウンタ10
8にセットされ、時間TAUに応じた量の燃料が燃料噴
射弁7から噴射される。
【0032】次に、ステップ303の空燃比補正係数F
AFの算出について説明する。空燃比補正係数FAFは
上流側O2 センサ13出力に基づく第1の空燃比フィー
ドバック制御と下流側O2 センサ15出力に基づく第2
の空燃比フィードバック制御とにより算出される。図
4、図5は上流側O2 センサ13出力に基づく第1の空
燃比フィードバック制御を示すフローチャートである。
本ルーチンは制御回路10により一定時間間隔(例えば
4ms毎)に実行される。
【0033】本ルーチンでは、上流側O2 センサ13の
出力VOMを比較電圧VR1(理論空燃比相当電圧)と比
較し、触媒コンバータ下流側での排気空燃比が理論空燃
比よりリッチ(VOM>VR1)のときには空燃比補正量
FAFを減少させ、リーン(VOM≦VR1)のときには
FAFを増大させる制御を行う。O2 センサは排気空燃
比が理論空燃比よりリッチ側のときに、例えば0.9ボ
ルトの電圧信号を出力し、排気空燃比が理論空燃比より
リーン側のときに例えば0.1ボルト程度の電圧信号を
出力する。本実施例では、上記比較電圧VR1は0.45
ボルト程度に設定される。上記のように空燃比補正量F
AFを排気空燃比に応じて増減することにより、エアフ
ローメータ3、や燃料噴射弁7等の燃料供給系の機器に
多少の誤差が生じている場合でも機関空燃比は正確に理
論空燃比近傍に修正される。
【0034】以下、図4、図5のフローチャートを簡単
に説明すると、ステップ401はフィードバック制御実
行条件が成立しているか否かの判定を示す。フィードバ
ック制御実行条件は、例えば、O2 センサが活性化して
いること、機関暖機が完了していること、フュエルカッ
トから復帰後所定時間が経過していること、二次空気導
入弁18から二次空気が導入されていないこと等であ
り、実行条件が成立している時にのみステップ402以
下のFAF算出が行われる。フィードバック制御実行条
件が成立していない場合には、ルーチンは図5、ステッ
プ425に進み、フラグXMFBの値を0にセットして
ルーチンを終了する。フラグXMFBは第1の空燃比フ
ィードバック制御を実行中か否かを示すフラグであり、
XMFB=0は第1の空燃比フィードバック制御が停止
されていることを意味する。
【0035】ステップ402から415は空燃比の判定
を示す。ステップ409と415とに示すフラグF1
は、機関空燃比がリッチ(F1=1)かリーン(F1=
0)かを表す空燃比フラグであり、F1=0からF1=
1(リーンからリッチ)への切換えは上流側O2 センサ
13が所定時間(TDR)以上継続してリッチ信号(V
OM >VR1)を出力したときに(ステップ403、4
10から415)、またF1=1からF1=0(リッチ
からリーン)への切換えは上流側O2 センサ13が所定
時間(−TDL)以上継続してリーン信号(VOM
R1)を出力したときに行われる(ステップ403から
409)。CDLYは空燃比フラグ切換えタイミングを
判定するためのカウンタである。
【0036】図5ステップ416から423では、上記
により設定されたフラグF1の値に応じてFAFの増減
を行う。すなわち、今回ルーチン実行時のF1の値と前
回ルーチン実行時のF1の値を比較して、F1の値が変
化したか、すなわち空燃比がリッチからリーン、または
リーンからリッチに反転したかを判断する(ステップ4
16)。そして、現在のF1の値がF1=0(リーン)
の場合には、先ずF1=1からF1=0(リッチからリ
ーン)に変化(反転)した直後に比較的大きな値RSR
だけFAFをスキップ的に増大させ(ステップ417、
418)、その後はF1=0である間はルーチン実行毎
に比較的小さな値KIRずつ徐々にFAFを増大させる
(ステップ420、421)。同様に、現在のF1の値
がF1=1(リッチ)の場合には、先ずF1=0からF
1=1(リーンからリッチ)に反転した直後にRSLだ
けFAFを減少させ(ステップ417、419)、その
後はF1=1である間はルーチン実行毎にKILずつ徐
々にFAFを減少させる(ステップ420、422)。
また、上記により算出したFAFの値を最大値(本実施
例ではFAF=1.2)と最小値(本実施例ではFAF
=0.8)で定まる範囲を越えないようにガードした後
(ステップ423)、フラグXMFBの値を1にセット
して(ステップ424)本ルーチンは終了する。
【0037】次に、下流側O2 センサ15出力に基づく
第2の空燃比フィードバック制御について説明する。図
6、図7は第2の空燃比フィードバック制御ルーチンを
示している。本ルーチンは制御回路10により、第1の
空燃比フィードバック制御より長い所定間隔(例えば5
00ms毎)で実行される。本ルーチンでは、下流側O
2 センサ15の出力VOSを比較電圧VR2(理論空燃比
相当電圧、例えば0.45ボルト)と比較し、触媒コン
バータ下流側での排気空燃比が理論空燃比よりリッチ
(VOS >VR2)のときには第1の空燃比フィードバ
ック制御で用いる補正量RSR(図5ステップ418)
を減少させるとともにRSL(図5ステップ419)を
増大させる。また、触媒コンバータ下流側での排気空燃
比が理論空燃比よりリーン(VOS≦VR2)の時には補
正量RSRを増大させるとともにRSLを減少させる操
作を行う。これにより、触媒コンバータ下流側で排気空
燃比がリッチの場合には第1の空燃比フィードバック制
御ではFAFの値は全般的に小さく設定されるようにな
り、逆に下流側での排気空燃比がリッチの場合にはFA
Fの値は全般的に大きく設定されるようになる。このた
め、上流側O2 センサ13が劣化したり特定の気筒の排
気の影響を強く受けたために上流側O2 センサ13出力
が実際の排気空燃比からずれたような場合でもFAFの
値は下流側O2センサ15出力に基づいて補正されるの
で、機関空燃比は正確に理論空燃比に維持される。
【0038】以下、図6、図7のフローチャートを簡単
に説明すると、図6ステップ600、601、602は
フィードバック制御実行条件が成立しているか否かの判
定を示す。ステップ600では、後述する触媒でのH2
発生の有無を示すフラグXH 2 の値が0か否かを判定す
る。フラグXH2 の値は、後述するルーチンにより触媒
12でH2 が発生しているときに1に、H2 が発生して
いないときに0にセットされる。ステップ600でフラ
グXH2 =1、すなわち触媒12でH2 が発生している
と判定された場合には下流側O2 センサ15出力に基づ
く第2の空燃比フィードバック制御は実行せず、ステッ
プ603に進みフラグXFBの値を0にセットしてその
ままルーチンを終了する。フラグXSFBは第2の空燃
比フィードバック制御を実行中か否かを示すフラグであ
り、XSFB=0は第2の空燃比フィードバック制御が
停止されていることを意味する。これにより、触媒12
でH2 が発生している場合には下流側O2 センサ15出
力に基づく第2の空燃比フィードバック制御は停止され
る。
【0039】また、ステップ601の判定条件は、図4
ステップ401のものと同様である。さらに、ステップ
602では第1の空燃比フィードバック制御が実施され
ているか否かが判定され、制御実施中(フラグXMFB
=1)の場合にのみステップ604以下の制御が実行さ
れる。制御が実施されていない場合には(XMFB≠
1)、ステップ603でフラグXSFBの値を0にセッ
トしてルーチンを終了する。
【0040】ステップ602で第1の空燃比フィードバ
ック制御を実行中であった場合には、ステップ604で
フラグXSFBの値を1にセットした後、下流側O2
ンサ15で検出した排気空燃比がリッチか否かにより補
正量RSR、RSLの値を増減する操作を行う。すなわ
ち、図7ステップ605では下流側O2 センサ15の出
力VOSをAD変換して読み込み、ステップ606では
VOSがリーン空燃比相当値(VOS≦VR2)か否かを
判定し、VOSの値がリーン空燃比相当値であった場合
には、ステップ607でRSRの値を一定量ΔRSだけ
増大し、増大後のRSRが所定の最大値MAX(本実施
例ではMAX=0.09)を越えないようにガードする
(ステップ608、609)。また、ステップ606で
VOSの値がリッチ空燃比相当値(VOS>VR2)であ
った場合には、ステップ610でRSRの値を一定量Δ
RSだけ減少させ、減少後のRSRが所定の最小値MI
N(本実施例ではMIN=0.01)より小さくならな
いようにガードする(ステップ611、612)。
【0041】また、上記により算出されたRSRの値を
用いてステップ613では第1の空燃比フィードバック
制御ルーチンで用いるRSL(図5ステップ419)の
値を、RSL=0.1−RSRとして算出する。すなわ
ち、RSRとRSLとの和は本実施例では常に一定値
(0.1)に保持されており、RSRが増大するとRS
Lが減少しRSRが減少するとRSLは増大するように
なっている。
【0042】上記第2の空燃比フィードバック制御ルー
チン実行により、下流側O2 センサ15で検出した排気
空燃比がリッチの場合にはRSRの減少とRSLの増大
が、また、排気空燃比がリーンの場合にはRSRの増大
とRSLの減少とが同時に行われる。図8は、図4、図
5の第1の空燃比フィードバック制御を行った場合の、
上流側O2 センサ13で検出した空燃比(A/F)変化
(図8(A) )に対するカウンタCDLY(同(B) )、フ
ラグF1(同(C) )、空燃比補正係数FAF(同(D))
の変化を示している。図8(A) に示すように、A/Fが
リーンからリッチに変化した場合でも空燃比フラグF1
(図8(C) )の値は直ちに0から1には変化せず、カウ
ンタCDLYの値が0からTDRに増大するまでの時間
(図8(C) T1)の間は0のまま保持され、T1 経過後
に0から1に変化する。また、A/Fがリッチからリー
ンに変化した場合もF1の値はカウンタCDLYの値が
0からTDL(TDLは負の値)に減少するまでの時間
(図8(C) T2 )の間は1のまま保持され、T2 経過後
に1から0に変化する。このため、図8(A) にNで示し
たように外乱等により上流側O2 センサ13の出力が短
い周期で変化したような場合でもフラグF1の値は追従
して変化しないため、空燃比制御が安定する。
【0043】第1の空燃比フィードバック制御の結果、
空燃比補正係数FAFの値は図8(D) に示すように周期
的に増減を繰り返し、機関空燃比はリッチ空燃比とリー
ン空燃比とに交互に変動する。また、図3で説明したよ
うに、FAFの値が増大すると燃料噴射時間TAUは増
大し、FAFの値が減少すると燃料噴射時間TAUも減
少する。
【0044】また、図8(D) から判るように、第2の空
燃比フィードバック制御(図6、図7)によりRSRが
増大しRSLが減少すると、リッチ空燃比側への振れ幅
が大きくなり空燃比が全体的にリッチ空燃比側に移行す
る。また、逆にRSRが減少しRSLが増大すると、機
関空燃比のリーン空燃比側への振れ幅が大きくなり空燃
比が全体的にリーン空燃比側に移行する。
【0045】従って、第2の空燃比フィードバック制御
によりRSR、RSLの値が増減されると、機関空燃比
はリッチ側またはリーン側に変化する。なお、本実施例
では第2の空燃比フィードバック制御でRSR、RSL
を設定する場合について説明したが、第1の空燃比制御
における他の補正量を第2の空燃比フィードバック制御
で設定することによっても機関空燃比を変化させること
ができる。
【0046】例えば、KIR、KIL(図5ステップ4
21、422)の値、またはTDR、TDL(図4ステ
ップ407、413)の値を第2の空燃比フィードバッ
ク制御に基づいて設定することによっても同様に機関空
燃比を変化させることが可能であるし、或いは上流側O
2 センサ13の比較電圧VR1(図4ステップ403)の
値を第2の空燃比フィードバック制御に基づいて設定す
ることによっても同様に機関空燃比を変化させることが
可能である。次に、本実施例の触媒12でのH2 発生時
の制御について説明する。前述のように、触媒使用開始
初期には触媒でH2 が発生する。また、排気中にH2
分が存在すると、O2 センサの電極への排気中の酸素の
到達が阻止されるためO2 センサの出力特性が変化す
る。図2の点線は排気中にある程度の濃度のH2 成分が
存在する場合のO2 センサの出力特性を示している。図
2に点線で示したように、H2 成分の存在下では、O2
センサは実際には理論空燃比またはリーン空燃比であっ
てもリッチ出力を出力するようになるため、出力特性が
正常時(図2実線)に較べて全体的にリーン空燃比側に
シフトした状態になる。このため、下流側O2 センサ1
5では、排気空燃比が理論空燃比よりリーン側の或る値
(例えば、図2にST′で示す空燃比)になったときに
理論空燃比相当出力を発生するようになる。従って、上
流側O2 センサ13出力に基づく第1の空燃比フィード
バック制御により実際の排気空燃比が理論空燃比に制御
された場合でも下流側O2 センサ15はリッチ空燃比相
当出力を発生するため、第2の空燃比フィードバック制
御によりRSRの低減とRSLの増大とが行われるよう
になり、機関空燃比は次第に理論空燃比よりリーン側に
移行するようになる。このため、新品の触媒使用開始後
のH2 が発生する期間では空燃比のリーン化による機関
出力の低下や、触媒のNOX 浄化能力の低下等が生じや
すくなる。
【0047】前述のように、触媒12で水性ガスの還元
反応(H2 O+CO→H2 +CO2)が生じるのは、触
媒使用開始後で触媒活性が非常に強い状態においてのみ
であり、触媒の使用により触媒活性が僅かに低下すれば
排気温度が高い運転状態でもH2 は発生しなくなる。そ
こで、本実施例では、触媒使用開始後に下流側O2 セン
サ15に影響を与える程度の濃度のH2 が発生している
間は下流側O2 センサ15に基づく第2の空燃比フィー
ドバック制御を禁止するようにして、空燃比のリーン化
を防止している。
【0048】図9は本実施例の上記H2 発生時の第2の
空燃比フィードバック制御禁止を行うルーチンを示すフ
ローチャートである。本ルーチンは制御回路10により
一定時間毎に実行される。本ルーチンでは、触媒により
2 が発生しているか否かは、所定条件が成立した後に
機関が排気温度が高い状態で運転された時間の合計によ
り判断するようにしている。高温の排気に曝されると、
触媒の活性は次第に低下して行くため、高排気温の運転
が所定時間継続した場合には、触媒の活性は下流側O2
センサ15に影響を与える濃度のH2 を発生しなくなる
程度まで低下したと考えることができるためである。
【0049】触媒使用開始後、高排気温度での使用によ
り触媒活性が徐々に低下すると高排気温運転中のH2
生量も徐々に低下する。従って、高負荷運転時等の排気
温度が高い状態での運転が継続すると、触媒使用開始直
後は排気中のH2 成分濃度が高いため下流側O2 センサ
15出力特性のリーン側へのシフトも大きいが、運転時
間が経過するにつれて排気中のH2 成分濃度も低下し、
下流側O2 センサ15出力特性のリーン側へのシフトも
小さくなる。
【0050】このため、触媒使用開始直後の高排気温運
転では、第1の空燃比フィードバック制御により排気空
燃比が理論空燃比を中心に図8のように規則的にリッチ
とリーンとの反転を繰り返している場合でも、下流側O
2 センサ15出力はリッチ側に留まっておりリーン側出
力は発生しない。一方、高排気温運転状態がある程度続
き、触媒活性が徐々に低下して排気中のH2 成分濃度の
減少のために下流側O 2 センサ15の出力特性が徐々に
通常時に近づいてくると、下流側O2 センサ15出力は
リッチ空燃比出力とリーン空燃比出力との間で反転する
ようになる。
【0051】本実施例では、高温運転状態で下流側O2
センサ15出力がリッチ側に留まった後反転を開始する
ようになった時点からの、機関が高温状態で運転された
時間の積算値を求め、この積算時間が所定値以上になる
まで第2の空燃比フィードバック制御を停止するように
している。触媒の初期活性はそれぞれの触媒コンバータ
毎にばらつく可能性があるため、単に使用開始後の高温
運転時間によりH2 の発生の有無を判定したのでは誤判
定を生じる可能性がある。一方、触媒活性が低下し始め
てから、下流側O2 センサ15に影響を生じない程度ま
で触媒活性が低下する時間は初期活性のばらつきにかか
わらず略一様である。このため、本実施例では、触媒活
性が低下し始めたことを下流側O2 センサ15出力が反
転を開始したことにより検出し、その後の高温運転時間
により触媒でのH2 発生の有無を判定するようにしたも
のである。
【0052】図9においてルーチンがスタートすると、
ステップ901では、現在の排気温度が所定の温度以上
になっているか否かが判定される。排気温度の判定は、
排気通路に温度センサを設けることにより直接計測する
ことも可能であるが、本実施例では機関負荷(すなわち
機関1回転当たりの吸入空気量Q/N)に基づいて判断
するようにしている。すなわち、ステップ901では、
Q/Nの値が所定値(Q/N)C 以上であった場合に機
関排気温度が所定値以上になったと判定するようにして
いる。
【0053】ステップ901で現在の機関排気温度が所
定値より低い場合には、本ルーチンはそのまま終了す
る。また、ステップ901で排気温度が所定値以上と判
断された場合には、ステップ903以下の操作が実行さ
れる。すなわち、ステップ903では、フラグXRの値
が1にセットされているか否かが判定され、XR≠1の
場合にはステップ905で計時カウンタCCATの値を
一定値Mにセットする。またXR=1の場合にはカウン
タCCATの値を1だけカウントダウンする。
【0054】ここで、XRは後述する図10のルーチン
により、所定の高温条件下で下流側O2 センサ15出力
が一定時間以上リッチ空燃比相当出力を継続して出力し
た後リーン空燃比相当出力を発生した場合に1に設定さ
れるフラグである。すなわち、フラグXRは触媒の使用
開始後活性が低下し始めていることを表す。これによ
り、カウンタCCATの値は、触媒の初期活性が低下を
開始するまでは一定値Mに保持され、活性の低下開始後
はステップ903の排気温度条件が成立している限り、
本ルーチン実行毎に1ずつカウントダウンされることに
なる。
【0055】また、ステップ908では、現在のカウン
タCCATの値がバックアップRAM106の所定領域
に格納され、ステップ901の条件が一時的に成立しな
くなった場合でもCCATの値を保持する。これによ
り、CCATの値は、機関が高温条件で運転された累積
時間に対応した値となる。ステップ909では、カウン
タCCATの値が正の値か否かが判定される。CCAT
>0であった場合には、触媒の活性が低下し始めてから
機関が高排気温度状態で運転された時間の積算値が所定
値Mに到達していないことを示しているため、触媒から
下流側O2 センサ15に影響を与える濃度のH2 が発生
している可能性があるため、フラグXH2 の値を1にセ
ットしてルーチンを終了する。これにより、図6ステッ
プ600では下流側O2 センサ15出力に基づく第2の
空燃比フィードバック制御が禁止されるため、機関空燃
比のリーン化が防止される。なお、上記CCATの判定
値Mは触媒の種類、容量等に応じて、予め実験等により
決定される。
【0056】また、ステップ909でCCAT≦0であ
った場合には、触媒の活性が低下し始めてから、機関が
十分に長い時間高排気温度状態で運転されているため、
触媒の活性は低下しており、もはや下流側O2 センサ1
5に影響を与える程度の濃度のH2 は発生していないと
考えることができるため、ステップ913でフラグXH
2 の値を0にセットしてルーチンを終了する。これによ
り、図6ではステップ601以下の下流側O2 センサ1
5出力に基づく第2の空燃比フィードバック制御の実行
が許可されるようになる。
【0057】図10は上記フラグXRの設定ルーチンを
示すフローチャートである。本ルーチンは制御回路10
により一定時間毎に実行される。図10においてルーチ
ンがスタートすると、ステップ1001では現在上流側
2センサ13出力に基づく第1の空燃比フィードバッ
ク制御が実行されているか否かがフラグXMFBの値
(図5ステップ424、425参照)から判定される。
【0058】また、ステップ1003では機関運転開始
後、触媒温度が十分に上昇しているか否かがフラグHC
の値から判定される。HCは触媒暖機が完了したときに
1に設定されるフラグである。本実施例では、別途実行
される図示しないルーチンにより、機関始動後の機関吸
入空気量の積算値が所定値以上になったときに触媒暖機
が完了したと判断し、フラグHCの値を1に設定するよ
うにしている。機関吸入空気量は機関で発生する熱量に
ほぼ比例するため、吸入空気量の積算値は排気から触媒
に与えられる熱量に対応しているためである。
【0059】また、ステップ1005では、図9ステッ
プ901と同様にQ/Nの値から機関排気温度が所定値
以上になっているか否かが判定される。上記ステップ1
001から1005の条件のいずれか1つでも成立しな
い場合には本ルーチンは直ちに終了し、ステップ100
7以下は実行されない。ここで、第1の空燃比フィード
バック制御実行中であること(ステップ1001)を条
件としているのは、後述するステップ1009で、下流
側O2 センサ15出力が反転を開始したことを検出して
フラグXRの値を1にセットするため、機関空燃比が図
8に示したように、リッチ空燃比とリーン空燃比との間
で反転を繰り返す状態になっている必要があること、ま
た、触媒暖機が完了していること(ステップ100
3)、及び排気温度が所定温度以上であること(ステッ
プ1005)を条件としているのは、触媒でH2 が発生
する条件が成立している必要があるためである。
【0060】上記条件が全て成立している場合には、ス
テップ1007で、前回ルーチン実行時までに、下流側
2 センサ15出力VOSが所定時間以上連続してリッ
チ空燃比相当出力を発生しているか否か(VOS>VR2
が所定時間以上成立しているか否か)が判定される。ま
た、ステップ1007の条件が成立していた場合には、
ステップ1009に進み、現在の下流側O2 センサ15
出力VOSがリーン空燃比相当出力か否か(VOS≦V
R2)が判定される。ステップ1007、1009の条件
が成立した場合には、下流側O2 センサ15出力がリッ
チ空燃比側に留まっていたあと、リーン空燃比とリッチ
空燃比との間で反転を開始していること、すなわち触媒
の活性が低下を開始していることを意味するため、ステ
ップ1011で前述のフラグXRの値を1にセットし、
この値をバックアップRAM106の所定領域に格納後
ルーチンを終了する。なお、フラグXRの初期値は0に
設定されており、一旦図10の条件が全て成立してXR
=1にセットされると、再度0にリセットされることは
ない。
【0061】上述のように、本実施例では触媒使用開始
後のH2 が発生する期間内は下流側O2 センサ15出力
に基づく空燃比フィードバック制御を禁止するようにし
たことにより、空燃比のリーン化による機関出力の低下
や排気エミッションの悪化を防止することが可能とな
る。ところで、前述したように触媒のH2 発生により下
流側O2 センサ出力特性がリーン側にシフトした状態で
は、上記空燃比フィードバック制御以外にも下流側O2
センサ出力に基づく制御を行っていると問題が生じる。
例えば、前述のように、下流側O2 センサ出力の反転周
期に基づいて触媒劣化の有無を判定しているような場合
には、出力特性のシフトにより触媒のO2 ストレージ作
用が発揮されなくなるため、新品の触媒が劣化したと誤
判定されてしまう不都合が生じる。そこで、本実施例で
は、上記フラグXH2 の値が1にセットされている場合
には同様に下流側O2 センサ15出力に基づく触媒の劣
化判定を禁止して誤判定が生じることを防止している。
【0062】図11から図12は本実施例の触媒劣化判
定ルーチンのフローチャートを示している。本実施例で
は、前述の特開平5−263686と同様に、上流側O
2 センサ13出力に基づく空燃比フィードバック制御実
行中の下流側O2 センサ15出力の反転周期に基づいて
触媒劣化の有無を判定している。以下、図11、図12
のルーチンを簡単に説明する。
【0063】図11においてルーチンがスタートする
と、ステップ1101から1103では、触媒劣化判定
実行条件が成立しているか否かが判定される。これらの
条件は、上流側O2 センサ13出力に基づく第1の空
燃比フィードバック制御が実行されていること(ステッ
プ1101)、上流側O2 センサ13出力が所定時間
以上リーン側に貼りついていないこと(ステップ110
2)、上流側O2 センサ13出力が所定時間リッチ側
に貼りついていないこと(ステップ1103)とされ
る。との条件が必要とされるのは、触媒劣化判定の
ためには触媒に流入する排気空燃比がリッチ側とリーン
側とに規則的に変動している必要があるためである。上
記からのいずれかの条件が成立しない場合には、ル
ーチンは図12ステップ1116に進みそのままルーチ
ンを終了する。
【0064】ついで、ステップ1104では、上述のフ
ラグXH2 の値が1にセットされているか否かを判断
し、XH2 =1の場合には、触媒でH2 が発生している
ため、下流側O2 センサ15出力に基づいて触媒劣化の
判定を行うと誤判定を生じる可能性があるので、同様に
図12ステップ1116に進みルーチンを終了する。す
なわち、触媒劣化検出は実施されない。
【0065】上記実行条件が全て成立した場合には、図
12ステップ1105以下の触媒劣化判定が実施され
る。図12では、図11の実行条件が成立後所定期間が
経過するまで(ステップ1105、1106)下流側O
2 センサ15出力VOSが反転した回数CSを計数し
(ステップ1107、1108)、所定時間経過後、こ
の反転回数が所定値CS0 以上か否かを判断する(ステ
ップ1109)。そして、所定時間内の下流側O2 セン
サ15出力VOSの反転回数CSが所定値CS0 以上の
場合には、すなわち下流側O2 センサ15出力の反転周
期が短くなっているため、触媒が劣化したと判定してア
ラームフラグALMを1にセットするとともに、劣化ア
ラーム(図1に19で示す)を点灯する(ステップ11
10、1111)。また、ステップ1109で反転回数
が所定値より少ない場合にはアラームフラグALMをリ
セットするとともに、アラーム19を消灯する(ステッ
プ1112、1113)。また、このアラームフラグの
値はバックアップRAM106に格納され、次回の修
理、点検に備えられる。
【0066】図11、図12の実施例によれば、触媒で
2 が発生しており、下流側O2 センサ出力特性がリー
ン側にシフトしている場合には、触媒の劣化判定が禁止
されるため(図11ステップ1104)、新品の触媒が
劣化していると誤判定される問題が防止される。なお、
上述の実施例では、下流側O2 センサ出力に基づく制御
の例として空燃比フィードバック制御と触媒劣化検出制
御について例をとって説明したが、他にも下流側O2
ンサ出力に基づく制御が行われている場合には、触媒で
2 が発生している場合に、上記と同様に制御実行を禁
止して、誤制御を防止するようにすることが好ましい。
【0067】
【発明の効果】各請求項に記載の発明によれば、触媒使
用開始初期の水素発生により、下流側O2 センサ出力特
性が影響を受けている間は下流側O2 センサ出力に基づ
く制御が禁止されるため、触媒による水素発生時に機関
の誤制御が生じることが防止できるという共通の効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を自動車用機関に適用した実施例の概略
構成を示す図である。
【図2】排気中のH2 成分の影響によるO2 センサの出
力特性の変化を説明する図である。
【図3】図1の機関の燃料噴射量演算ルーチンを説明す
るフローチャートである。
【図4】上流側空燃比センサ出力に基づく第1の空燃比
フィードバック制御の一例を示すフローチャートの一部
である。
【図5】上流側空燃比センサ出力に基づく第1の空燃比
フィードバック制御の一例を示すフローチャートの一部
である。
【図6】下流側空燃比センサ出力に基づく第2の空燃比
フィードバック制御の一例を示すフローチャートの一部
である。
【図7】下流側空燃比センサ出力に基づく第2の空燃比
フィードバック制御の一例を示すフローチャートの一部
である。
【図8】図4から図7のフローチャートを補足説明する
タイミング図である。
【図9】触媒でのH2 発生判定ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図10】図9のルーチンに使用するフラグの設定動作
を示すフローチャートである。
【図11】触媒劣化判定ルーチンを示すフローチャート
の一部である。
【図12】触媒劣化判定ルーチンを示すフローチャート
の一部である。
【符号の説明】
1…機関本体 3…エアフローメータ 4…ディストリビュータ 5、6…クランク回転角センサ 7…燃料噴射弁 10…制御回路 12…触媒コンバータ 13…上流側O2 センサ 15…下流側O2 センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/14 F01N 3/20 F02D 45/00 314

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気通路に配置された排気浄
    化触媒と、 前記排気浄化触媒の下流側排気通路に配置された、排気
    中の酸素成分濃度に応じた信号を出力する下流側O2
    ンサと、前記触媒で予め定めた所定濃度以上の水素成分が発生し
    ているか否かを判定するH 2 検出手段と、 前記H 2 検出手段により、前記所定濃度以上の水素成分
    が発生していると判定されたときに、 前記下流側O2
    ンサの出力に基づいて行われる制御を禁止する禁止手段
    と、を備えた内燃機関のO2センサ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記下流側O2 センサ出力に基づいて行
    われる制御は、下流側O2 センサ出力に基づいて機関空
    燃比を目標空燃比にフィードバック制御する空燃比制御
    である請求項1に記載のO2 センサ制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のO2 センサ制御装置に
    おいて更に、前記排気浄化触媒上流側排気通路に配置さ
    れ、排気中の酸素成分濃度に応じた信号を出力する上流
    側O2 センサと、前記下流側O2 センサ出力と上流側O
    2 センサ出力とに基づいて機関空燃比を目標空燃比にフ
    ィードバック制御する空燃比制御手段を備えた請求項1
    に記載のO2 センサ制御装置。
  4. 【請求項4】 前記下流側O2センサ出力に基づいて行
    われる制御は、下流側O2センサ出力の変動に基づいて
    前記排気浄化触媒の劣化の有無を判定する触媒劣化判定
    制御である請求項1に記載のO2センサ制御装置。
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