JP2590901B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

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JP2590901B2 JP19030687A JP19030687A JP2590901B2 JP 2590901 B2 JP2590901 B2 JP 2590901B2 JP 19030687 A JP19030687 A JP 19030687A JP 19030687 A JP19030687 A JP 19030687A JP 2590901 B2 JP2590901 B2 JP 2590901B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は触媒コンバータの上流側および下流側に空燃
比センサ(本明細書では、酸素濃度センサ(O2センサ)
を設け、上流側のO2センサによる空燃比フィードバック
制御に加えて下流側のO2センサによる空燃比フィードバ
ック制御を行う内燃機関の空燃比制御装置に関する。
〔従来の技術〕
単なる空燃比フィードバック制御(シングルO2センサ
システム)では、酸素濃度を検出するO2センサをできる
だけ燃焼室に近い排気系の個所、すなわち触媒コンバー
タより上流である排気マニホールドの集合部分に設けて
いるが、O2センサの出力特性のばらつきのために空燃比
の制御精度の改善に支障が生じている。かかるO2センサ
の出力特性のばらつきおよび燃料噴射弁等の部品のばら
つき、経時あるいは経年的変化を補償するために、触媒
コンバータの下流に第2のO2センサを設け、上流側O2
ンサによる空燃比フィードバック制御に加えて下流側O2
センサによる空燃比フィードバック制御を行うダブルO2
センサシステムが既に提案されている(参照:特開昭58
−48756号公報)。このダブルO2センサシステムでは、
触媒コンバータの下流側に設けられたO2センサは、上流
側O2センサに比較して、低い応答速度を有するものの、
次の理由により出力特性のばらつきが小さいという利点
を有している。
(1)触媒コンバータの下流では、排気温が低いので熱
的影響が少ない。
(2)触媒コンバータの下流では、種々の毒が触媒にト
ラップされているので下流側O2センサの被毒量は少な
い。
(3)触媒コンバータの下流では排気ガスは十分に混合
されており、しかも、排気ガス中の酸素濃度は平衡状態
に近い値になっている。
従って、上述のごとく、2つのO2センサの出力にもと
づく空燃比フィードバック制御(ダブルO2センサシステ
ム)により、上流側O2センサの出力特性のばらつきを下
流側O2センサにより吸収できる。実際に、第2図に示す
ように、シングルO2センサシステムでは、O2センサ出力
特性が悪化した場合には、排気エミッション特性に直接
影響するのに対し、ダブルO2センサシステムでは、上流
側O2センサの出力特性が悪化しても、排気エミッション
特性は悪化しない。つまり、ダブルO2センサシステムに
おいては、下流側O2センサが安定な出力特性を維持して
いる限り、良好な排気エミッションが保証される。
上述のダブルO2センサシステムにおいては、下流側O2
センサによる空燃比フィードバック制御実行中にあたっ
ては、上流側O2センサ出力にもとづく空燃比補正量FAF
の制御定数たとえばリッチスキップ量RSR、リーンスキ
ップ量RSLを下流側O2センサの出力にもとづいて可変制
御するシステムがあるが、下流側O2センサの非活性等に
より下流側O2センサの出力による制御定数の可変制御を
停止するときには、制御定数が可変制御されていたとき
にバックアップRAM等に記憶されていた値を用いて上流
側O2センサの出力のみによる空燃比フィードバック制御
が行われていた(参照:特開昭61−192828号公報、特開
昭61−234241号公報)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、下流側O2センサによる制御定数の可変
制御が、たとえば触媒過熱防止のための空燃比リッチ化
制御(OTP増量)により一旦停止された後、該リッチ化
制御終了と同時に再び前記制御定数可変制御を実行開始
すると、空燃比が過補正される問題がある。すなわち、
リッチ化制御中に、触媒内にストアされていた酸素が大
部分消費されてしまうために、仮にリッチ化制御終了後
リーン空燃比の排ガスが触媒内に導入されても、触媒内
に酸素がストアされ切るまで触媒下流にはリーン空燃比
のガスが排出されない。従って、下流側O2センサはその
間リッチと判定し、よって、制御定数の可変制御により
リーン側へ過補正されてしまうのである。
従って、本発明の目的は、上述のオープンループ制御
としてのリッチ化条件(たとえばOTP増量中)から閉ル
ープ制御移行後における空燃比過補正によるエミッショ
ンの悪化、ドライバビリティの悪化等を防止したダブル
O2センサシステムを提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上述の問題点を解決するための手段は第1図に示され
る。すなわち、内燃機関の排気通路に設けられた三元触
媒CCR0の上流側の排気通路には、機関の空燃比を検出す
る上流側空燃比センサが設けられ、また、三元触媒CCR0
の下流側の排気通路には、機関の空燃比を検出する下流
側空燃比センサが設けられている。下流側空燃比制御判
別手段は下流側空燃比センサによる空燃比制御条件が空
燃比閉ループ条件かオープンループ条件かを判別し、遅
延時間演算手段は、オープンループによるリッチ化条件
の持続時間に基づき遅延時間を演算し、制御定数演算手
段はオープンループ条件から空燃比閉ループ条件へ移行
した後この遅延時間を経過したときに下流側空燃比セン
サの出力V2に応じて空燃比フィードバック制御定数たと
えばスキップ量RSR,RSLを演算する。空燃比補正量演算
手段は空燃比フィードバック制御定数RSR,RSLおよび上
流側空燃比センサの出力V1に応じて空燃比補正量FAFを
演算する。そして、空燃比調整手段はこの空燃比補正量
FAFに応じて機関の空燃比を調整するものである。
〔作 用〕
上述の手段によれば、オープンループによるリッチ化
条件(たとえばOTP増量(オーバヒート防止燃料増
量))により空燃比がリッチとなってから空燃比閉ルー
プ条件に移行した場合には、リッチ化条件状態の持続時
間に基づき演算された遅延時間だけ空燃比フィードバッ
ク制御定数は更新されず、これにより、オープンループ
によるリッチ化条件の持続に伴う空燃比フィードバック
制御定数RSR,RSLの過補正を是正する。
〔実施例〕
第3図は本発明に係る内燃機関の空燃比制御装置の一
実施例を示す全体概略図である。第3図において、機関
本体1の吸気通路2にはエアフローメータ3が設けられ
ている。エアフローメータ3は吸入空気量を直接計測す
るものであって、ポテンショメータを内蔵して吸入空気
量に比例したアナログ電圧の出力信号を発生する。この
出力信号は制御回路10のマルチプレクサ内蔵A/D変換器1
01に供給されている。ディストリビュータ4には、その
軸がたとえばクランク角に換算して720゜毎に基準位置
検出用パルス信号を発生するクランク角センサ5および
クランク角に換算して30゜毎に基準位置検出用パルス信
号を発生するクランク角センサ6が設けられている。こ
れらクランク角センサ5,6のパルス信号は制御回路10の
入出力インターフェイス102に供給され、このうち、ク
ランク角センサ6の出力はCPU103の割込み端子に供給さ
れる。
さらに、吸気通路2には各気筒毎に燃料供給系から加
圧燃料を吸気ポートへ供給するための燃料噴射弁7が設
けられている。
また、機関本体1のシリンダブロックのウォータジャ
ケット8には、冷却水の温度を検出するための水温セン
サ9が設けられている。水温センサ9は冷却水の温度TH
Wに応じたアナログ電圧の電気信号を発生する。この出
力もA/D変換器101に供給されている。
排気マニホールド11より下流の排気系には、排気ガス
中の3つの有毒成分HC,CO,NOxを同時に浄化する三元触
媒を収容する触媒コンバータ12が設けられている。
排気マニホールド11には、すなわち触媒コンバータ12
の上流側には第1のO2センサ13が設けられ、触媒コンバ
ータ12の下流側の排気管14には第2のO2センサ15が設け
られている。O2センサ13,15は排気ガス中の酸素成分濃
度に応じた電気信号を発生する。すなわち、O2センサ1
3,15は空燃比が理論空燃比に対してリーン側かリッチ側
かに応じて、異なる出力電圧を制御回路10のA/D変換器1
01の出力端子に発生させる。制御回路10は、たとえばマ
イクロコンピュータとして構成され、A/D変換器101、入
出力インターフェイス102,CPU103の外に、ROM104,RAM10
5、バックアップRAM106、クロック発生回路107等が設け
られている。
また、吸気通路2のスロットル弁16には、スロットル
弁16が全閉か否かを検出するためのアイドルスイッチ17
が設けられており、この出力信号は制御回路10の入出力
インターフェイス102に供給される。
また、制御回路10において、ダウンカウンタ108、フ
リップフロップ109、および駆動回路110は燃料噴射弁7
を制御するためのものである。すなわち、後述のルーチ
ンにおいて、燃料噴射量TAUが演算されると、燃料噴射
量TAUがダウンカウンタ108にプリセットされると共にフ
リップフロップ109もセットされる。この結果、駆動回
路110が燃料噴射弁7の付勢を開始する。他方、ダウン
カウンタ108がクロック信号(図示せず)を計数して最
後にそのキャリアウト端子が“1"レベルとなったとき
に、フリップフロップ109がセットされて駆動回路110は
燃料噴射弁7の付勢を停止する。つまり、上述の燃料噴
射量TAUだけ燃料噴射弁7は付勢され、従って、燃料噴
射量TAUに応じた量の燃料が機関本体1の燃料室に送り
込まれることになる。
なお、CPU103の割込み発生は、A/D変換器101のA/D変
換終了時、入出力インターフェイス102がクランク角セ
ンサ6のパルス信号を受信した時、クロック発生回路10
7からの割込信号を受信した時、等である。
エアフローメータ3の吸入空気量データQおよび冷却
水温データTHWは所定時間毎に実行されるA/D変換ルーチ
ンによって取込まれてRAM105の所定領域に格納される。
つまり、RAM105におけるデータQおよびTHWは所定時間
毎に更新されている。また、回転速度データNeはクラン
ク角センサ6の30゜CA毎の割込みによって演算されてRA
M105の所定領域に格納される。
第4図は上流側O2センサ13の出力にもとづいて空燃比
補正係数FAFを演算する第1の空燃比フィードバック制
御ルーチンであって、所定時間たとえば4ms毎に実行さ
れる。
ステップ401では、上流側O2センサ13による空燃比の
閉ループ(フィードバック)条件が成立しているか否か
を判別する。たとえば、冷却水温が所定値以下の時、機
関始動中、始動後増量中、暖機増量中、パワー増量中、
上流側O2センサ13の出力信号が一度も反転していない
時、燃料カット中等はいずれも閉ループ条件が不成立で
あり、その他の場合が閉ループ条件成立である。閉ルー
プ条件が不成立のときには、ステップ427に進んで空燃
比補正係数FAFを1.0とする。なお、FAFを閉ループ制御
終了直前値としてもよい。この場合には、ステップ428
に直接進む。他方、閉ループ条件成立の場合はステップ
402に進む。
ステップ402では、上流側O2センサ13の出力V1をA/D変
換して取込み、ステップ403にてV1が比較電圧VR1たとえ
ば0.45V以下か否かを判別する、つまり、空燃比がリッ
チかリーンかを判別する。つまり、空燃比がリーン(V1
≦VR1)であれば、スキップ404にてディレイカウンタCD
LYが正か否かを判別し、CDLY>0であればステップ405
にてCDLYを0とし、ステップ406に進む。ステップ406で
は、ディレイカウンタCDLYを1減算し、ステップ407,40
8にてディレイカウンタCDLYを最小値TDLでガードする。
この場合、ディレイカウンタCDLYが最小値TDLに到達し
たときにはステップ409にて第1の空燃比フラグF1を
“0"(リーン)とする。なお、最小値TDLは上流値O2
ンサ13の出力においてリッチからリーンへの変化があっ
てもリッチ状態であるとの判断を保持するためのリーン
遅延状態であって、負の値で定義される。他方、リッチ
(V1>VR1)であれば、ステップ410にてディレイカウン
タCDLYが負か否かを判別し、CDLY<0であればスキップ
411にてCDLYを0とし、ステップ412に進む。ステップ41
2ではディレイカウンタCDLYを1加算し、ステップ413,4
14にてディレイカウンタCDLYを最大値TDRでガードす
る。この場合、ディレイカウンタCDLYが最大値TDRに到
達したときにはステップ415にて第1の空燃比フラグF1
を“1"(リッチ)とする。なお、最大値TDRは上流側O2
センサ13の出力においてリーンからリッチへの変化があ
ってもリーン状態であるとの判断を保持するためのリッ
チ遅延時間であって、正の値で定義される。
ステップ416では、第1の空燃比フラグF1の符号が反
転したか否かを判別する、すなわち遅延処理後の空燃比
が反転したか否かを判別する。空燃比が反転していれ
ば、ステップ417にて、第1の空燃比フラグF1の値によ
り、リッチからリーンへの反転か、リーンからリッチへ
の反転かを判別する。リッチからリーンへの反転であれ
ば、ステップ418にてFAF←FAF+RSRとスキップ的に増大
させ、逆に、リーンからリッチへの反転であれば、ステ
ップ419にてFAF←FAF−RSLとスキップ的に減少させる。
つまり、スキップ処理を行う。
ステップ416にて第1の空燃比フラグF1の符号が反転
していなければ、ステップ420,421,422にて積分処理を
行う。つまり、ステップ420にて、F1=“0"か否かを判
別し、F1=“0"(リーン)であればステップ421にてFAF
←FAF+KIRとし、他方F1=“1"(リッチ)であればステ
ップ422にてFAF←FAF−KILとする。ここで、積分定数KI
R,KILはスキップ定数RSR,RSLに比して十分小さく設計し
てあり、つまりKIR(KIL)<RSR(RSL)である。従っ
て、ステップ421はリーン状態(F1=“0")で燃料噴射
量を徐々に増大させ、ステップ422はリッチ状態(F1=
“1")で燃料噴射量を徐々に減少させる。
ステップ418,419,421,422にて演算された空燃比補正
係数FAFはステップ423,424にて最小値たとえば0.8にて
ガードされ、また、ステップ425,426にて最大値たとえ
ば1.2にてガードされる。これにより、何らかの原因で
空燃比補正係数FAFが大きくなり過ぎ、もしくは小さく
なり過ぎた場合に、その値で機関の空燃比を制御してオ
ーバリッチ、オーバリーンになるのを防ぐ。
上述のごとく演算されたFAFをRAM105に格納して、ス
テップ428にてこのルーチンは終了する。
第5図は第4図のフローチャートによる動作を補足設
計するタイミング図である。上流側O2センサ13の出力に
より第5図(A)に示すごとくリッチ、リーン判別の空
燃比信号A/Fが得られるとディレイカウンタCDLYは、第
5図(B)に示すごとく、リッチ状態でカウントアップ
され、リーン状態でカウントダウンされる。この結果、
第5図(C)に示すごとく、遅延処理された空燃比信号
A/F′(フラグF1に相当)が形成される。たとえば、時
刻t1にて空燃比信号A/Fがリーンからリッチ変化して
も、遅延処理された空燃比信号A/F′はリッチ遅延時間T
DRだけリーンに保持された後に時刻t2にてリッチに変化
する。時刻t3にて空燃比信号A/Fがリッチからリーンに
変化しても、遅延処理された空燃比信号A/F′はリーン
遅延時間(−TDL)相当だけリッチに保持された後に時
刻t4にてリーンに変化する。しかし空燃比信号A/Fが時
刻t5,t6,t7のごとくリッチ遅延時間TDRの短い期間で反
転すると、ディレイカウンタCDLYが最大値TDRに到達す
るのに時間を要し、この結果、時刻t8にて遅延処理後の
空燃比信号A/F′が反転される。つまり、遅延処理後の
空燃比信号A/F′は遅延処理前の空燃比信号A/Fに比べて
安定となる。このように遅延処理後の安定した空燃比信
号A/F′にもとづいて第5図(D)に示す空燃比補正係
数FAFが得られる。
次に、下流側O2センサ15による第2の空燃比フィード
バック制御について説明する。第2の空燃比フィードバ
ック制御としては、第1の空燃比フィードバック制御定
数としてのスキップ量RSR,RSL、積分定数KIR,KIL、遅延
時間TDR,TDL、もしくは上流側O2センサ13の出力V1の比
較電圧VR1を可変にするシステムと、第2の空燃比補正
係数FAF2を導入するシステムとがある。
たとえば、リッチスキップ量RSRを大きくすると、制
御空燃比をリッチ側に移行でき、また、リーンスキップ
量RSLを小さくしても制御空燃比をリッチ側に移行で
き、他方、リーンスキップ量RSLを大きくすると、制御
空燃比をリーン側に移行でき、また,リッチスキップ量
RSRを小さくしても制御空燃比をリーン側に移行でき
る。従って、下流側O2センサ15の出力に応じてリッチス
キップ量RSRおよびリーンスキップ量RSLを補正すること
により空燃比が制御できる。また、リッチ積分定数KIR
を大きくすると、制御空燃比をリッチ側に移行でき、ま
た、リーン積分定数KILを小さくしても制御空燃比をリ
ッチ側に移行でき、他方、リーン積分定数KILを大きく
すると、制御空燃比をリーン側に移行でき、また、リッ
チ積分定数KIRを小さくしても制御空燃比をリーン側に
移行できる。従って、下流側O2センサ15の出力に応じて
リッチ積分定数KIRおよびリーン積分定数KILを補正する
ことにより空燃比が制御できる。リッチ遅延時間TDR>
リーン遅延時間(−TDL)と設定すれば、制御空燃比は
リッチ側に移行でき、逆に、リーン遅延時間(−TDL)
>リッチ遅延時間(TDR)と設定すれば、制御空燃比は
リーン側に移行できる。つまり、下流側O2センサ15の出
力に応じて遅延時間TDR,TDLを補正することにより空燃
比が制御できる。さらにまた、比較電圧VR1を大きくす
ると制御空燃比をリッチ側に移行でき、また、比較電圧
VR1を小さくすると制御空燃比をリーン側に移行でき
る。従って、下流側O2センサ15の出力に応じて比較電圧
VR1を補正することにより空燃比が制御できる。
これらスキップ量、積分定数、遅延時間、比較電圧を
下流側O2センサによって可変とすることはそれぞれに長
所がある。たとえば、遅延時間は非常に微妙な空燃比の
調整が可能であり、また、スキップ量は、遅延時間のよ
うに空燃比のフィードバック周期を長くすることなくレ
スポンスの良い制御が可能である。従って、これら可変
量は当然2つ以上組み合わされて用いられ得る。
第6図、第7図、第8図を参照して空燃比フィードバ
ック制御定数としてのスキップ量を可変にしたダブルO2
センサシステムについて説明する。
第6図は下流側O2センサ15の出力にもとづいてスキッ
プ量RSR,RSLを演算する第2の空燃比フィードバック制
御ルーチンであって、所定時間たとえば512ms毎に実行
される。ステップ601〜604では、下流側O2センサ15によ
る閉ループ条件か否かを判別する。たとえば、上流側O2
センサ13による閉ループ条件の不成立(ステップ601)
に加えて、冷却水温THWが所定値(たとえば70℃)以下
のとき(ステップ602)、スロットル弁16が全閉(LL=
“1")のとき(ステップ603)、下流側O2センサ15の出
力V2が一度も基準電圧を横切っていないとき(すなわ
ち、下流側O2センサ15が活性化していないとき)(ステ
ップ604)、軽負荷のとき(Q/Ne/X1)(ステップ60
5)、等が閉ループ条件が不成立であり、その他の場合
が閉ループ条件不成立である。閉ループ条件でなければ
ステップ621に進む。
ステップ621では、リッチ化条件状態、この場合、OTP
増量状態の接続時間に対応する遅延カウンタCNTを演算
するが、これについては後述する。
下流側O2センサ15による閉ループ条件成立であれば、
ステップ606に進み、遅延カウンタCNTが0か否かを判別
する。
この結果、CNT=0のときのみステップ607〜620に進
んで実質的なスキップ量RSR,RSLの更新を行い、CNT≠0
であればステップ621に進む。つまり、ステップ606は、
ステップ601〜605による閉ループ条件成立があっても、
その実質的な成立を遅延カウンタCNTに応じた時間だけ
遅延させるものである。
ステップ607では、下流側O2センサ15の出力V2をA/D変
換して取込み、ステップ608にてV2が比較電圧VR2たとえ
ば0.55V以下か否かを判別する、つまり、空燃比がリッ
チかリーンかを判別する。
ステップ608にてV2≦VR2(リーン)であればステップ
609〜614に進み、他方、V2>VR2(リッチ)であればス
テップ615〜620に進む。
ステップ609では、RSR←RSR+ΔRSとし、つまり、リ
ッチスキップ量RSRを増大させて空燃比をリッチ側に移
行させる。ステップ610,611ではRSRを最大値MAXたとえ
ば7.5%にてガードする。さらに、ステップ612にてRSL
←RSL−ΔRSとし、つまり、リッチスキップ量RSLを減少
させて空燃比をリッチ側に移行させる。ステップ613,61
4では、RSLを最小値MINたとえば2.5%にてガードする。
他方、V2>VR2(リッチ)のときには、ステップ615に
てRSR←RSR−ΔRSとし、つまり、リッチスキップ量RSR
を減少させて空燃比をリーン側に移行させる。ステップ
616,617では、RSLを最小値MINにてガードする。さら
に、ステップ618にてRSL←RSL+ΔRSとし、つまり、リ
ーンスキップ量RSL増加させて空燃比をリーン側に移行
させる。ステップ619,620では、RSLを最大値MAXにてガ
ードする。
すなわち、本例の場合は、OTP増量等によるリッチ化
条件のもとでの空燃比フィードバック制御停止中は、下
流側O2センサ15の出力V2がリッチであることを前提と
し、下流側O2センサ15による空燃比フィードバック制御
条件成立後所定期間経過すると、下流側O2センサ15の出
力V2がリーン出力を示すことを予想している。
そして、上述のごとく演算されたRSR,RSLはRAM105に
格納された後に、ステップ622にてこのルーチンは終了
する。
第7図は第6図のステップ621の詳細なルーチンであ
る。すなわち、ステップ701にてRAM105よりFOTP増量値
を読出し、FOTP>1.0か否かを判別する。つまり、実質
的にOTP増量中か否かを判別する。OTP増量中であれば
(FOTP>1.0)、ステップ702にてステップ702内に示す
1次元マップΔCを読出し、ステップ703にて遅延時間
としての遅延カウンタCNTをΔCだけカウントアップす
る。この場合、OTP増量値が大きくなる程ΔCを大きく
設定するのは、OTP増量が大きくなれば、単位時間当り
の触媒のO2の掃出し量も大きくなるからである。なお、
ΔC=1とすることもできる。他方、ステップ701に
て、FOTP≦1.0であれば、実質的にFOTP増量中でないの
で、つまり、リッチ化条件状態でないので、ステップ70
4に進み、ステップ704内に示す一次元マップΔfを読出
し、ステップ705にて遅延カウンタCNTをΔfだけカウン
トダウンする。
ステップ706では、遅延カウンタCNTを“00"〜“FF"
(16進表示)の範囲でガードし、ステップ707にてこの
ルーチンは終了する。
なお、ステップ705の値Δfを一定値たとえば1とす
ることもできる。
第8図は噴射量演算ルーチンであって、所定クランク
角毎たとえば360゜CA毎に実行される。ステップ801では
RAM105より吸入空気量データQおよび回転速度データNe
を読出して基本噴射量TAUPを演算する。たとえばTAUP←
α・Q/Ne(αは定数)とする。ステップ802にてRAM105
より冷却水温データTHWを読出してROM104に格納された
1次元マップにより暖機増量値FWLを補間計算する。ス
テップ803では、OTP増量値FOTPを演算する。なお、FOTP
値は、回転速度Ne、負荷Q/Ne等に応じて演算され、これ
により、吸入空気量、負荷の増大による排気温度の上昇
を防止して、触媒コンバータ、排気管等の過熱、損傷を
防止するものであり、さらに、点火時期のノッキング遅
角補正および高温遅角補正が行われた場合には、排気温
度の上昇を招くことになるので、上述のFOTP値にこれに
よる遅角増量補正を加算する。次に、ステップ804で
は、最終噴射量TAUを、TAU←TAUP・FAF・(FWL+β)・
(FOTP)+γにより演算する。なお、β,γは他の運転
状態パラメータにより定まる補正量である。次いで、ス
テップ805にて、噴射量TAUをダウンカウンタ108にセッ
トすると共にフリップフロップ109をセットして燃料噴
射を開始させる。そして、ステップ806にてこのルーチ
ンは終了する。
なお、上述のごとく、噴射量TAUに相当する時間が経
過すると、ダウンカウンタ108のキャリアウト信号によ
りフリップフロップ109がリセットされて燃料噴射は終
了する。
なお、上述の実施例においては、リッチ化条件とし
て、OTP増量を用いたが、他のパラメータたとえばパワ
ー増量値等を合わせて用いてもよい。
また、触媒下流のみにO2センサを設けて、空燃比フィ
ードバック制御を行うシングルO2センサシステムにおい
ては、上述の第1の空燃比フィードバックルーチンに代
え第2の空燃比フィードバックルーチンのRSR,RSLをFAF
として計算してやればよい。
また、第1の空燃比フィードバック制御は4ms毎に、
また、第2の空燃比フィードバック制御は512ms毎に行
われるのは、空燃比フィードバック制御は応答性の良い
上流側O2センサによる制御を主として行い、応答性の悪
い下流側O2センサによる制御を従にして行うためであ
る。
また、上流側O2センサによる空燃比フィードバック制
御における他の制御定数、たとえば遅延時間、積分定
数、等を下流側O2センサの出力により補正するダブルO2
センサシステムにも、また、第2の空燃比補正係数を導
入するダブルO2センサシステムにも本発明を適用し得
る。また、スキップ量、遅延時間、積分定数のうちの2
つを同時に制御することにより制御性を向上できる。さ
らにスキップ量RSR,RSLのうち一定を固定し他方のみを
可変とすることも、遅延滞時間TDR,TDLのうちの一方を
固定し他方のみを可変とすることも、あるいはリッチ積
分定数KIR、リーン積分定数KILの一方を固定し他方を可
変とすることも可能である。
また、吸入空気量センサとして、エアフローメータの
代りに、カルマン渦センサ、ヒートワイヤセンサ等を用
いることもできる。
さらに、上述の実施例では、吸入空気量および機関の
回転速度に応じて燃料噴射量を演算しているが、吸入空
気圧および機関の回転速度、もしくはスロットル弁開度
および機関の回転速度に応じて燃料噴射量を演算しても
よい。
さらに、上述の実施例では、燃料噴射弁により吸気系
への燃料噴射量を制御する内燃機関を示したが、キャブ
レタ式内燃機関にも本発明を適用し得る。たとえば、エ
レクトリック・エア・コントロールバルブ(EACV)によ
り機関の吸入空気量を調整して空燃比を制御するもの、
エレクトリック・ブリード・エア・コントロールバルブ
によりキャブレタのエアブリード量を調整してメイン系
通路およびスロー系通路への大気の導入により空燃比を
制御するもの、機関の排気系へ送り込まれる2次空気量
を調整するもの、等に本発明を適用し得る。この場合に
は、ステップ801における基本噴射量TAUP相当の基本燃
料噴射量がキャブレタ自身によって決定され、すなわ
ち、吸入空気量に応じた吸気管負圧と機関の回転速度に
応じて決定され、ステップ803にて最終燃料噴射量TAUに
相当する供給空気量が演算される。
さらに、上述の実施例では、空燃比センサとしてO2
ンサを用いたが、COセンサ、リーンミクチャセンサ等を
用いることもできる。
さらに、上述の実施例はマイクロコンピュータすなわ
ちディジタル回路によって構成されているが、アナログ
回路により構成することもできる。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明によれば、触媒のO2ストレ
ージ効果等により下流側空燃比センサのリーンからリッ
チへの出力特性が遅い場合にあっても、制御定数等のリ
ーン過補正を防止でき、排気エミッションの低減、ドラ
イバビリティの悪化の防止等に役立つものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を説明するための全体ブロック
図、 第2図はシングルO2センサシステムおよびダブルO2セン
サシステムを説明する排気エミッション特性図、 第3図は本発明に係る内燃機関の空燃比制御装置の一実
施例を示す全体概略図、 第4図、第6図、第7図、第8図は第3図の制御回路の
動作を説明するためのフローチャート、 第5図は第4図のフローチャートを補足説明するための
タイミング図である。 1……機関本体、 3……エアフローメータ、 4……ディストリビュータ、 5,6……クランク角センサ、 10……制御回路、 12……触媒コンバータ、 13……上流側O2センサ、 15……下流側O2センサ、 17……アイドルスイッチ。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の排気通路に設けられ、O2ストレ
    ージ効果を有する三元触媒と、 該三元触媒の上流側の排気通路に設けられ、前記機関の
    空燃比を検出する上流側空燃比センサと、 該三元触媒の下流側の排気通路に設けられ、前記機関の
    空燃比を検出する下流側空燃比センサと、 該下流側空燃比センサによる空燃比制御条件が空燃比閉
    ループ条件かオープンループによるリッチ化条件かを判
    別する下流側空燃比制御判別手段と、 前記オープンループによるリッチ化条件の持続時間に基
    づき遅延時間を演算する遅延時間演算手段と、 前記オープンループ条件から前記空燃比閉ループ条件へ
    移行した後該遅延時間を経過したときに前記下流側空燃
    比センサの出力に応じた空燃比フィードバック制御定数
    の演算を開始する制御定数演算手段と、 前記空燃比フィードバック制御定数および前記上流側空
    燃比センサの出力に応じて空燃比補正量を演算する空燃
    比補正量演算手段と、 前記空燃比補正量に応じて前記機関の空燃比を調整する
    空燃比調整手段と、 を具備する内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 【請求項2】前記遅延時間演算手段は前記リッチ化条件
    の持続時間およびリッチ化条件のときのリッチ化度に基
    づいて前記遅延時間を演算する特許請求の範囲第1項に
    記載の内燃機関の空燃比制御装置。
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