JP3161019B2 - 鉛筆芯 - Google Patents

鉛筆芯

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JP3161019B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焼成芯体の気孔中に油
状物を含浸してなる鉛筆芯に関する。
【0002】
【従来の技術】上記した種の鉛筆芯は、粘土、各種合成
樹脂などを結合材として使用し、黒鉛などの体質材及び
必要に応じて使用される着色材、気孔形成材、可塑剤、
溶剤などとともに加圧ニ−ダ−、ヘンシェルミキサ−、
3本ロ−ルなどで均一分散させた後、高温熱処理して多
孔質の焼成芯体を得、これに油状物を含浸して製造され
ている。ここで、油状物としては、スピンドル油、シリ
コ−ン油、流動パラフィン、マイクロクリスタリンワッ
クス、モンタンワックス、ボヘミアワックス、パラフィ
ンワックス、カルナバワックスなど種々知られており、
複数種のものを併用することも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】油状物は、大概の場合
において、濃度向上を目的に使用されている。しかし、
中には、強度向上に役立つものもある。一般的には、濃
度向上に大きく寄与するものは強度向上に寄与しにく
く、強度向上に対して大きく寄与するものは濃度向上に
寄与しにくいという傾向にある。
【0004】濃度向上に寄与するものと強度向上に寄与
するものとを併用すれば両特性の向上に寄与するか、即
ち、鉛筆芯における濃度−強度の逆相関関係の改善に寄
与するかと言えば、必ずしも、そうはならない。むし
ろ、多くの場合は、併用する油状物の各々のものを単独
使用した場合の折衷的結果となる。
【0005】
【課題を解決するための手段】特定の油状物を組み合わ
せることによって、濃度−強度の逆相関関係の改善をな
せる。即ち、本発明は、焼成芯体の気孔中に油状物を含
浸してなる鉛筆芯において、前記油状物は、ポリエチレ
ンワックス−シリコーンオイルの併用物又はカルナバワ
ックス−ヤシ油脂肪酸とグリセリンとの部分エステルの
併用物であることを特徴とする鉛筆芯を要旨とする。
【0006】以下、詳述する。油状物の組合せは、ポリ
エチレンワックスと、シリコーンオイルとを組み合わせ
たもの、又は、カルナバワックスと、ヤシ油脂肪酸とグ
リセリンとの部分エステルとを組み合わせたものであ
る。この組合せにおいて、ポリエチレンワックス及びカ
ルナバワックスは常温で固体状のものであり、シリコー
ンオイル及びヤシ油脂肪酸とグリセリンとの部分エステ
ルは常温で液体状のものであり、これら常温で固体状の
ものと、常温で液体状のものとは、相溶しないものの組
合せになっている。
【0007】上記常温で固体状油状物であるポリエチレ
ンワックス及びカルナバワックスと、常温で液状油状物
であるシリコーンオイル及びヤシ油脂肪酸とグリセリン
との部分エステルとの好ましい含浸割合は、常温で固体
状のものの重量を100としたとき、常温で液状のもの
が1〜50、望ましくは5〜20である。この割合は、
筆記面に対する筆跡の定着性も考慮したものである。
【0008】即ち、先に、出願人は、焼成芯体に常温で
固体状の油状物を含浸した鉛筆芯を使用し、油状物を軟
らかくした加熱状態で筆記し、筆記面に対する筆跡の定
着性を良好にすることについての一提案をしているが
(特開平3−284996号公報参照)、本発明の鉛筆
芯も常温で固体状のものを用いている点で共通性を有
し、そして、本発明の鉛筆芯として、上述割合で常温で
液状の特定の物質を併用したものとすると、通常筆記に
おける筆跡の定着性がやや良好になるばかりか、加熱筆
記における筆跡の定着性がきわめて良好になるのであ
る。
【0009】尚、焼成芯体については、前述したような
種々のものであってよい。例えば、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、尿素樹脂、メ
ラニン樹脂、フラン樹脂、ポリビニルアルコ−ル、ポリ
アクリルアミド、ブチルゴムなどを結合材として使用
し、炭化処理して得られたもの、また、粘土を結合材と
して使用し、焼結処理して得られたものなどである。黒
鉛、窒化硼素などの体質材やその他の材料も適宜選択さ
れてよい。気孔率も10〜60%程度であれば、十分に
油状物を含浸できるし、また、芯体自体の強度も、シャ
−プペンシル用芯の比較的細径のものとするにも十分で
ある。勿論、気孔率がこの範囲外のものであっても、そ
れなりに改善される。
【0010】また、焼成芯体への油状物の含浸は、例え
ば、常温で固体状の油状物を溶剤で希釈しておき、加熱
含浸した後、溶剤を除去し、更にその後、常温で液状の
油状物を、常温で固体状の油状物の含浸状態が維持され
る範囲の温度で含浸したり、一旦、常温で固体状の油状
物を所望量以上に含浸した後、溶剤で一部溶出し、更に
その後、常温で液状の油状物を含浸したり、常温で固体
状の油状物と常温で液状の油状物との分散混合物を使用
し、一度に加熱含浸したりといったように適宜なせばよ
い。必要に応じて、水ガラスなどの含浸も併せてでき
る。
【0011】
【実施例】以下、製造例を通じて説明する。尚、量や割
合に関するものは、気孔率以外、すべて重量に基づく。
【0012】<例1> ポリ塩化ビニル 30部 黒鉛 50部 カ−ボンブラック 5部 ステアリン酸 2部 フタル酸ジオクチル 15部 上記配合材料を3本ロ−ルで十分に混練後、細線状に押
出成形し、空気中で300℃まで熱処理後、不活性雰囲
気中で1000℃まで熱処理した。得たのは、呼び径
0.5のシャ−プペンシル用芯の焼成芯体で、ベンジル
アルコ−ル法による測定での気孔率は約45%であっ
た。この焼成芯体を、ネオワックスE(安原油脂工業
(株)製の低分子量ポリエチレンワックス:融点;10
0℃)の50%メチルイソブチルケトン溶液(110℃
に加熱)に30分間浸漬した。メチルイソブチルケトン
揮発後、焼成芯体に対するネオワックスEの含浸率を測
定したところ18%であった。この後、TSF−431
(東芝シリコ−ン(株)製のシリコ−ンオイルの一種:
メチルフェニルシリコ−ンオイル)(80℃に加熱)を
含浸させた。このTSF−431の測定含浸率は3%で
あった。
【0013】<例2>例1で得た焼成芯体を、ネオワッ
クスE(前述)(110℃に加熱;溶剤は使用せず)に
5時間浸漬した後、遠心分離機で余剰分を除去し、次い
で、TSF−431(前述)(80℃に加熱)を含浸さ
せた。ネオワックスEの含浸率は25%、TSF−43
1の含浸率は1.3%であった。
【0014】<例3>例1で得た焼成芯体を、ネオワッ
クスEの60%メチルイソブチルケトン溶液(110℃
に加熱)に15分間浸漬し、メチルイソブチルケトン揮
発後、TSF−431(40℃に加熱)を含浸させた。
ネオワックスEの含浸率は15%、TSF−431の含
浸率は3%であった。
【0015】<例4>例2において、TSF−431を
使用する代わりに、このTSF−431の50%メチル
エチルケトン希釈液を使用した以外、すべて例2と同様
にした。メチルエチルケトン揮発後、TSF−431の
含浸率は0.5%であった。
【0016】<例5>例3において、TSF−431の
温度を40℃から100℃に変えた以外、すべて例3と
同様にした。TSF−431の含浸率は7%であった。
【0017】<例6>例1で得た焼成芯体を、WAX2
808(ヘンケル白水(株)製のカルナバワックス)
(100℃に加熱)に15分間浸漬した後、メチルエチ
ルケトンの熱溶液中で軽く洗浄し、メチルエチルケトン
揮発後、エデノアPPE(ヘンケル白水(株)製のヤシ
油脂肪酸とグリセリンの部分エステル化物)(110℃
に加熱)に浸漬した。WAX2808の含浸率は20
%、エデノアPPEの含浸率は3%であった。
【0018】<例7>例2において、焼成芯体にネオワ
ックスEのみ含浸した(TSF−431は含浸しなかっ
た)。(ネオワックスEの含浸率は25%)
【0019】<例8>例1で得た焼成芯体を、ネオワッ
クスEと、このネオワックスEと相溶する流動パラフィ
ンの1:1の混合物(120℃に加熱)に1時間浸漬し
た。混合物の含浸率は28%であった。
【0020】<例9>例1において、焼成芯体にTSF
−431のみ含浸した(ネオワックスEは含浸しなかっ
た)。TSF−431の含浸率は27%であった。
【0021】<例10>例6において、焼成芯体にWA
X2808のみ含浸した(エデノアPPEは含浸しなか
った)。(WAX2808の含浸率は20%)
【0022】<例11>例1で得た焼成芯体を、WAX
2808と、このWAX2808と相溶するスピンドル
油の1:2の混合溶融物(120℃に加熱)に1時間浸
漬した。混合物の含浸率は26%であった。
【0023】以上において、例1〜例6で得られたもの
が本発明の鉛筆芯の一例であり、例7〜例11は比較の
ものであるが、これら各例で得たものについて、JIS
S6005の測定方法に準じて曲げ強さと筆跡濃度を測
定した結果を表1に示す。
【0024】また、例1,6,7,8,10で得たもの
について、通常及び加熱状態で筆記したときの筆跡濃度
と筆跡定着性を測定した結果を表2に示す。得たもの
を、プロッタ−のシャ−プペンシル構造の鉛筆芯保持部
に収容し、鉛筆芯保持部の芯保護管に設けた加熱部の設
定温度を25℃及び120℃にし、荷重400gで上質
紙((株)きもと:KGP)に筆記したもので、筆跡の
定着性は、プロッタ−による筆記部の反射率をα、筆記
部を一定条件で擦り筆記部外の汚れたところの反射率を
βとしたとき、{定着性}=(100−β)÷(100
−α)×100として求めた。値は小さいほど定着性が
よい。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【発明の効果】表1の結果をグラフにすると添付図1に
なる。この図1より明らかなとおり、本発明の鉛筆芯
は、濃度−強度の逆相関関係が改善されたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】表1の結果を示すグラフ。縦軸は曲げ強さ、横
軸は濃度で、数字は対応する例番号のものであることを
示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼成芯体の気孔中に油状物を含浸してな
    る鉛筆芯において、前記油状物は、ポリエチレンワック
    ス−シリコーンオイルの併用物又はカルナバワックス−
    ヤシ油脂肪酸とグリセリンとの部分エステルの併用物で
    あることを特徴とする鉛筆芯。
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