JP3160922B2 - パラジウム錯体化合物及びそれを用いた酪酸エステルの製造法 - Google Patents

パラジウム錯体化合物及びそれを用いた酪酸エステルの製造法

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は樹脂、医薬品、香料等の
原料として、また、溶剤として有用な酪酸エステルをプ
ロピレンから製造するのに触媒として好適に用いること
ができる新規なパラジウム錯体化合物及びそれを用いた
酪酸エステルの製造法に関するものである。とくにイソ
酪酸エステルはメタクリル樹脂の原料として工業的に重
要な化学品である。
【0002】
【従来の技術】アルコールの存在下においてオレフィン
と一酸化炭素とを、高温、高圧条件下で反応させて、カ
ルボン酸エステルを製造する方法は良く知られている。
この反応をパラジウム触媒の存在下でおこなう場合に
は、一般に、塩化水素又は金属ハロゲン化物の共存がこ
の反応を促進することも知られている(米国特許第3,
839,378号、及び同第3,919,272号の各
明細書;J.Org.Chem.,41,2885(1
976);Tetrahedron Letters,
1437(1963),同1811(1963),及び
同605(1964)。)。しかし、上記のようなハロ
ゲン化合物助触媒の使用は、反応装置の腐食問題を惹起
するため、好ましいものではない。
【0003】一方、ハロゲン化合物が存在しない条件下
でも、パラジウム金属又はパラジウムカルコゲナイドと
有機ホスフィンとpKa4以下の強酸との存在下でこの
反応が円滑に進行することが米国特許第3,501,5
18号及び同第3,437,676号の各明細書に記載
されている。該強酸の例としては硫酸、リン酸、過塩素
酸及びホウ酸等が挙げられている。また、欧州特許第4
3,382号にはリン酸及びトリフルオロ酢酸等の使用
について記載されている。また米国特許第4,414,
409号明細書には有機ホスフィン配位子を有するパラ
ジウム触媒と強酸であるパーフルオロスルホン酸とを組
み合わせて使用する方法が記載されている。さらに特開
昭59−82336号公報にはpKa2以下の強酸の使
用について記載されており、該強酸の代表的な例とし
て、過塩素酸、硫酸、2−ヒドロキシプロパン−2−ス
ルホン酸、p−トルエンスルホン酸およびトリフルオロ
メタンスルホン酸等が挙げられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな強酸の使用は、ハロゲン化合物助触媒の場合と同様
に、反応装置の腐食の問題を抱えている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上の事
実を考慮し、反応装置の腐食をまねくハロゲンや強酸を
使用しない酪酸エステルの製造方法について鋭意検討を
重ねた結果、パラジウムにパーフルオロスルホネートア
ニオンを配位させた新規なパラジウム錯体化合物を見出
し、該化合物を触媒に用いることにより、反応速度を大
幅に向上させ、また、反応装置の腐食の問題を回避でき
ることを見出した。すなわち、本発明の要旨は下記一般
式(I) Pd(SO3 Rf)(CO2 R)L2 …(I) (式中、Rfは炭素数1〜4の低級パーフルオロアルキ
ル基、Rは炭素数1〜4の低級アルキル基およびLは有
機ホスフィン化合物配位子を夫々表わす)で示されるパ
ラジウム錯体化合物、並びに、パラジウム触媒及びアル
コールの存在下、プロピレンを一酸化炭素と反応させて
酪酸エステルを製造する方法において、パラジウム触媒
として一般式(I)で示されるパラジウム錯体化合物を
用いることを特徴とする酪酸エステルの製造法に存す
る。
【0006】以下に本発明について更に詳細に説明す
る。一般式(I)で示されるパラジウム錯体化合物は新
規化合物である。そして、かかる化合物は次のようにし
て製造することができる。すなわち、一般式(II) PdX(CO2 R)L2 …(II) (式中のRおよびLは前記と同義であり、Xはハロゲン
原子を表わす。)で示されるパラジウム錯体化合物を既
知の方法で製造し、このパラジウム錯体化合物を溶媒に
溶解し、そこへ低級パーフルオロスルホン酸塩を添加す
ることでアニオン交換し、濾過および再結晶をおこなう
ことにより、一般式(I)で示されるパラジウム錯体化
合物を製造することができる。
【0007】一般式(II)で示されるパラジウム錯体化
合物は例えば、次の方法で製造することができる。即
ち、一般式(III) PdX2 2 …(III) (式中のXおよびLは前記と同義)で示されるパラジウ
ム錯体化合物をアルコールおよびアミン混合溶媒中に懸
濁させ、一酸化炭素雰囲気下で攪拌する。生成した沈澱
を濾過等により分離回収することにより、一般式(II)
で示されるパラジウム錯体化合物が得られる。
【0008】一般式(III)で示されるパラジウム錯体化
合物は常法に従い、例えば次の方法で製造することがで
きる。例えば、ジクロロビス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム錯体化合物を製造するには、まず、Kh
arasch塩と呼ばれるジクロロビス(ベンゾニトリ
ル)パラジウム錯体を合成し、その後、有機ホスフィン
と配位子交換させることで目的のパラジウム錯体を得る
ことができる。即ち、市販の塩化パラジウムをベンゾニ
トリルに加熱、溶解した後に、石油エーテルを加えると
黄色の沈澱が生成し、これを濾過、乾燥することでジク
ロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム錯体が得られ
る。そして、このパラジウム錯体をベンゼン溶媒に溶解
し、トリフェニルホスフィンを加えると黄色の沈澱が生
成し、これを濾過、乾燥することによりジクロロビス
(トリフェニルホスフィン)パラジウム錯体が得られ
る。
【0009】パラジウム源としてはパラジウムおよびパ
ラジウム化合物である。パラジウム化合物としては、塩
化パラジウム、硝酸パラジウム、硫酸パラジウム等の鉱
酸塩;酢酸パラジウム、ビス(アセチルアセトナト)パ
ラジウム等の有機酸塩或いは有機キレート化合物;ビス
(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド、テ
トラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等の配
位化合物等が挙げられ、好ましくは2価のパラジウム化
合物である。
【0010】有機ホスフィンとしては、トリアルキルホ
スフィン、ジアルキルモノアリールホスフィン、モノア
ルキルジアリールホスフィンおよびトリアリールホスフ
ィン等が挙げられる。特にモノアルキルジアリールホス
フィンおよびトリアリールホスフィンが好ましい。その
具体的な例としては、エチルジフェニルホスフィン、プ
ロピルジフェニルホスフィン、1,6−ヘキサメチレン
ビス(ジフェニルホスフィン)、トリフェニルホスフィ
ン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−m−トリルホ
スフィン、トリ−p−トリルホスフィン、ジ−o−トリ
ルフェニルホスフィン、ジ−m−トリルフェニルホスフ
ィン、トリス(o−メトキシフェニル)ホスフィン、ト
リス(m−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(p
−メトキシフェニル)ホスフィン等が挙げられる。
【0011】一般式(II)で示されるパラジウム錯体を
溶解する際の溶媒としては、ジクロロメタン、トリクロ
ロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が挙
げられ、特にジクロロメタンが好ましい。低級パーフル
オロスルホン酸塩としては炭素数1〜4のパーフルオロ
アルキル基をもつスルホン酸塩であり、具体的にはトリ
フルオロメタンスルホン酸銀、ペンタフルオロエタンス
ルホン酸銀、ノナフルオロブタンスルホン酸銀などが挙
げられる。
【00012】一般式(II)で示されるパラジウム錯体
化合物を製造する際の前記アルコールとしては例えば炭
素数1〜4の低級アルコールが挙げられるが具体的に
は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、is
o−プロパノール、n−ブタノール等が挙げられ、とく
にメタノールが好ましい。また、一般式(II)で示され
るパラジウム錯体化合物を製造する際の前記アミンとし
ては例えば第3級アミンが好ましく、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシ
ルアミン、トリオクチルアミン等が挙げられ、特にトリ
エチルアミンおよびトリオクチルアミンが好ましい。本
発明のパラジウム錯体化合物はプロピレンから酪酸エス
テルを製造する触媒として用いることにより、効率よく
工業的に有利に行なうことができる。
【0013】次に酪酸エステルを製造法について詳細に
説明する。また、本発明の酪酸エステルの製造法におい
ては、パラジウム触媒及びアルコールの存在下、プロピ
レンを一酸化炭素でカルボニル化する方法において、パ
ラジウム触媒として一般式(I)で示されるパラジウム
錯体化合物を用いることを特徴とする。一般式(I)で
示されるパラジウム錯体化合物の使用量はプロピレン1
モル当たり、パラジウム原子として通常、10-5〜1モ
ル、好ましくは10-4〜0.1モルの範囲である。
【0014】なお、本発明方法においては、一般式
(I)で示されるパラジウム錯体化合物を安定化させる
目的で、過剰の有機ホスフィンを使用することもでき
る。有機ホスフィンとしては前記と同様の有機ホスフィ
ンが挙げられる。有機ホスフィンの使用量は通常、パラ
ジウム原子1モル当たり、1〜104 モル、好ましくは
2〜103 モルの範囲である。
【0015】反応で使用するアルコールはとくに限定さ
れるものではないが、好ましくは1〜20個の炭素原子
を有するものが使用され、具体例としては、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノ
ール、n−ブタノール、sec−ブタノール、iso−
ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノー
ル、n−ヘキサノール、n−オクタノール、ステアリル
アルコール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコー
ル、エチレングリコール、ブタンジオール等が挙げられ
る。アルコールの使用量は、プロピレン1モル当たり、
通常、0.1〜103 モル、好ましくは1〜100モル
程度の範囲である。
【0016】本発明は溶媒の不存在下に、すなわち反応
原料であるアルコールそのものを媒体として実施するこ
ともできるが、溶媒を使用することもできる。このよう
な溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、アニソー
ル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチル
エーテル、ジオキサン等のエーテル類;アセトン、メチ
ルエチルケトン、アセトフェノン等のケトン類;メタノ
ール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノー
ル、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸n
−ブチル、安息香酸ベンジル等のエステル類;ベンゼ
ン、トルエン、エチルベンゼン、テトラリン等の芳香族
炭化水素;n−ヘキサン、n−オクタン、シクロヘキサ
ン等の脂肪族炭化水素;ジクロロメタン、トリクロロエ
タン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ニトロ
メタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物;N,N−ジ
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、
N−メチルピロリドン等のカルボン酸アミド類;ヘキサ
メチルリン酸トリアミド、N,N,N′,N′−テトラ
エチルスルフアミド等の無機酸アミド類;N,N′−ジ
メチルイミダゾリドン、N,N,N′,N′−テトラメ
チル尿素等の尿素類;ジメチルスルホン、テトラメチレ
ンスルホン等のスルホン類;ジメチルスルホキシド、ジ
フェニルスルホキシド等のスルホキシド類;γ−ブチロ
ラクトン、ε−カプロラクトン等のラクトン類;テトラ
グライム、18−クラウン−6等のポリエーテル類;ア
セトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジメチ
ルカーボネート、エチレンカーボネート等の炭酸エステ
ル類等が挙げられる。
【0017】本発明方法により酪酸エステルを製造する
ためには、反応容器にアルコールと触媒成分ならびに所
望により溶媒を装入し、これにプロピレンと一酸化炭素
を導入すればよい。一酸化炭素は窒素や二酸化炭素等の
反応に不活性なガスで希釈されたものであってもよい。
水素も少量ならば混入していても差し支えない。しか
し、多量の水素が存在すると副生物が生成するので、反
応系内における水素濃度は一酸化炭素の10%以下に抑
制するのが好ましい。反応温度は通常20〜250℃、
好ましくは50〜150℃である。反応系内の一酸化炭
素分圧は通常1〜300kg/cm2 、好ましくは10〜2
00kg/cm2 である。さらに低い圧力または高い圧力下
で実施することもできるが、工業的に有利ではない。
【0018】反応は回分方式および連続方式のいずれで
実施することもできる。回分方式の場合の所要反応時間
は通常15分〜20時間である。反応生成液からは、蒸
留、抽出等の通常の分離精製手段により、目的物である
酪酸エステルを回収することができる。また、蒸留残渣
は触媒成分として反応系に循環することができる。
【0019】本発明による酪酸エステルの製造方法にお
いて、一般式(I)で示されるパラジウム錯体化合物中
のパーフルオロスルホネートアニオン配位子の作用機構
については、今のところ明確にはなっていないが、パー
フルオロスルホネートアニオン配位子の持つ強い電子吸
引性により、パラジウム上の電子密度が減少し、その結
果が反応速度の向上をもたらしているものと考えられ
る。強酸添加系ではPd−H錯体種が活性種である(A
ccounts Chem.,,144(196
9))のとは異なり、一般式(I)で示されるパラジウ
ム錯体化合物が活性種あるいは前駆体であり、両者の反
応機構はまったく異なるものである。
【0020】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明は、その要旨をこえない限り、以下の
実施例によって限定されるものではない。 実施例−1 ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド
5gを300ml容積の3ツ口フラスコに入れ、メタノー
ル100mlおよびトリ−n−オクチルアミン100mlを
更に入れた。一酸化炭素をバブルしながら、室温下で1
5時間攪拌した。終始懸濁状態ではあるが、反応液の色
は黄色からオレンジ色そして肌色に変化した。沈澱を濾
過し、メタノールおよびトルエンで洗浄した後、減圧乾
燥した。灰白色沈澱が4.8g(収率92.7%)得ら
れた。この錯体はPdCl(CO 2 Me)(PPh3
2 であり、IRスペクトルの測定で1670cm-1及び1
060cm-1にメトキシカルボニルの吸収が認められた。
元素分析値を以下に示す。実測値(%):C,62.6
9;H,4.49。理論値(%):C,62.98;
H,4.58。
【0021】上記の方法で合成したPdCl(CO2
e)(PPh3 2 錯体1gをジクロロメタン25mlに
溶解する。そこへトリフルオロメタンスルホン酸銀0.
35gを入れ、攪拌するとやや茶色の沈澱が析出した。
それを濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、n−ペンタンを
加えると、灰白色の沈澱が生成するので、これを濾過
し、n−ペンタンで洗浄した後、減圧下で乾燥した。灰
白色沈澱が0.89g(収率76.9%)得られた。こ
の錯体はPd(SO3 CF3 )(CO2 Me)(PPh
3 2 であり、IRスペクトルの測定で1670cm-1
び1023cm-1にメトキシカルボニルの吸収が認められ
た。元素分析値を以下に示す。実測値(%):C,5
5.35;H,3.78;F,7.09;O,10.0
3;P,7.41;S,3.84;Pd,12.5。理
論値(%):C,55.82;H,3.97;F,6.
79;O,9.53;P,7.38;S,3.82;P
d,12.68。
【0022】このようにして合成したPd(SO3 CF
3 )(CO2 Me)(PPh3 2 錯体0.6mmol、メ
タノール5mlおよびジオキサン15mlを70mlハステロ
イCミクロオートクレーブに入れ、オートクレーブ内を
一酸化炭素で十分置換した。そしてプロピレンを86.
7mmolオートクレーブに導入した後、一酸化炭素を全圧
が100kg/cm2 になるまで導入した。120℃に昇温
し、30分反応を行なった。冷却、放圧後、反応液を内
部標準法によりガスクロマトグラフィーで分析した。酪
酸メチルが59.1mmol生成し、TOF(パラジウム原
子1モル及び反応時間1時間当たりの生成物のモル数)
は197mol /mol −Pd・hrであった。
【0023】比較例−1 Pd(SO3 CF3 )(CO2 Me)(PPh3 2
体の代わりにPdCl(CO2 Me)(PPh3 2
体を用いた以外は実施例−1と同様に5時間反応を行な
ったところ、酪酸メチルが27.6mmol生成し、TOF
は9mol /mol−Pd・hrであった。
【0024】比較例−2 Pd(SO3 CF3 )(CO2 Me)(PPh3 2
体の代わりにPd(CH3 CO2 )(CO2 Me)(P
Ph3 2 錯体を用いた以外は実施例−1と同様に8時
間反応を行なったところ、酪酸メチルが29.9mmol生
成し、TOFは6mol /mol −Pd・hrであった。
【0025】実施例−2 Pd(SO3 CF3 )(CO2 Me)(PPh3 2
体0.3mmol、メタノール5mlおよびジオキサン15ml
を70mlハステロイCミクロオートクレーブに入れ、オ
ートクレーブ内を一酸化炭素で十分置換した。プロピレ
ンを約80mmolオートクレーブに導入した後、一酸化炭
素を全圧が100kg/cm2 になるまで導入した。120
℃に昇温し、30分反応をおこない、実施例−1におけ
るのと同様に生成物を定量した。酪酸メチルが46.4
mmol生成し、TOFは310mol/mol −Pd・hrで
あった。
【0026】実施例−3 実施例−2において全圧を50kg/cm2 に下げた以外は
同様にして反応を行なったところ、酪酸メチルが51.
9mmol生成し、TOFは346mol /mol −Pd・hr
であった。
【0027】実施例−4 実施例−2において、更にオートクレーブにトリフェニ
ルホスフィン0.6mmolを仕込んだ以外は、同様にして
反応を行なったところ、酪酸メチルが72.5mmol生成
し、TOFは483mol /mol −Pd・hrであった。
【0028】実施例−5 実施例−2において更にオートクレーブにトリフェニル
ホスフィン3.0mmolを仕込んだ以外は、同様にして反
応を行なったところ、酪酸メチルが54.9mmol生成
し、TOFは366mol /mol −Pd・hrであった。
【0029】
【発明の効果】本発明は樹脂、医薬品、香料等の種々の
用途の原料として、また溶剤として有用な酪酸エステル
をプロピレンから製造するのに触媒として好適に用いる
ことができる新規で工業的に有用なパラジウム錯体及び
それを用いて効率的にプロピレンから酪酸エステルを製
造する方法を提供するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−82336(JP,A) 特開 昭61−289046(JP,A) 特開 昭64−25771(JP,A) 特開 昭60−19750(JP,A) 特開 平3−123736(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 51/14 B01J 21/00 - 38/74 C07C 67/38 C07C 69/24 C07B 61/00 300 CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) Pd(SO3 Rf)(CO2 R)L2 …(I) (上記式中のRfは炭素数1〜4の低級パーフルオロア
    ルキル基、Rは炭素数1〜4の低級アルキル基およびL
    は有機ホスフィン化合物配位子)で示されるパラジウム
    錯体化合物。
  2. 【請求項2】 パラジウム触媒及びアルコールの存在
    下、プロピレンを一酸化炭素と反応させて酪酸エステル
    を製造する方法において、パラジウム触媒として請求項
    1に記載のパラジウム錯体化合物を用いることを特徴と
    する酪酸エステルの製造法。
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