JP3160705B2 - 増大された水のｐＨ上昇特性及び金属イオン吸着特性を有する電気石含有セラミック焼成品の製法 - Google Patents
増大された水のｐＨ上昇特性及び金属イオン吸着特性を有する電気石含有セラミック焼成品の製法Info
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、水の改質、浄化に
使用されるセラミック焼成品を製造する方法に係る。さ
らに詳述すれば、本発明は、電気石の微粉末を配合した
セラミック焼成品の製法に係る。
使用されるセラミック焼成品を製造する方法に係る。さ
らに詳述すれば、本発明は、電気石の微粉末を配合した
セラミック焼成品の製法に係る。
【０００２】
【従来の技術】電気石（tourmaline）は、一般式 XY9B3Si6O27(O,OH,F)4 （Ｘ＝Ca、Na、Ｋ、Mn；Ｙ＝Mg、Fe、Al、Cr、Mn、Ti、
Li）で表される組成を有するホウ素含有シクロケイ酸塩
鉱物であり、物理的性質としてピエゾ電気、パイロ電気
を示すことが知られており、組成中に含まれる金属元素
に応じて黒色、青黒色、暗カッ色、青色、緑色、赤色、
ピンク等の多彩な色を示して宝石として利用されると共
に、偏光板しても使用されている。
Li）で表される組成を有するホウ素含有シクロケイ酸塩
鉱物であり、物理的性質としてピエゾ電気、パイロ電気
を示すことが知られており、組成中に含まれる金属元素
に応じて黒色、青黒色、暗カッ色、青色、緑色、赤色、
ピンク等の多彩な色を示して宝石として利用されると共
に、偏光板しても使用されている。
【０００３】最近では、この電気石が、水のpHを上昇さ
せる特性及び金属イオンを吸着する特性を有することが
見出されている（久保哲治郎，「電気石がつくる水の界
面活性とその応用」，食品と開発，Vol．26，No．７（1
991)，p．21〜24）。そして、このような電気石の特性
を利用するため、電気石の粉末を焼成して粒状セラミッ
クとして、水処理に使用することが提案されている（特
開平３−118894号）。
せる特性及び金属イオンを吸着する特性を有することが
見出されている（久保哲治郎，「電気石がつくる水の界
面活性とその応用」，食品と開発，Vol．26，No．７（1
991)，p．21〜24）。そして、このような電気石の特性
を利用するため、電気石の粉末を焼成して粒状セラミッ
クとして、水処理に使用することが提案されている（特
開平３−118894号）。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題及びその解決手段】発明
者らは、上記電気石を含有するセラミック焼成品を製造
するに当たり、ベントナイトに代表されるスメクタイト
粘土鉱物を配合する場合には、電気石が有する上記特
性、すなわち水のpH上昇特性及び金属イオン吸着特性が
明らかに増大することを見出し、本発明に至った。
者らは、上記電気石を含有するセラミック焼成品を製造
するに当たり、ベントナイトに代表されるスメクタイト
粘土鉱物を配合する場合には、電気石が有する上記特
性、すなわち水のpH上昇特性及び金属イオン吸着特性が
明らかに増大することを見出し、本発明に至った。
【０００５】従って、本発明の目的は、水の改質、浄化
に使用されるセラミック焼成品を製造する方法におい
て、粒径10μ以下を有する電気石粉末、スメクタイト粉
末及び増量材を混合し、成形後、750℃以下の温度で焼
成することを特徴とするセラミック焼成品の製法を提供
することにある。
に使用されるセラミック焼成品を製造する方法におい
て、粒径10μ以下を有する電気石粉末、スメクタイト粉
末及び増量材を混合し、成形後、750℃以下の温度で焼
成することを特徴とするセラミック焼成品の製法を提供
することにある。
【０００６】本発明によれば、電気石を含有するセラミ
ック焼成品の製造に当たり、まず微粉状（すなわち粒径
10μ以下、好ましくは5.0μ以下、最適には0.1〜2.0
μ）の電気石粉末を調製する。
ック焼成品の製造に当たり、まず微粉状（すなわち粒径
10μ以下、好ましくは5.0μ以下、最適には0.1〜2.0
μ）の電気石粉末を調製する。
【０００７】この微粉状電気石にスメクタイト粉末及び
増量材（たとえば、ゼオライト）を添加する。これら成
分間の配合割合は、混合物100重量部についてスメクタ
イト１０〜５０重量部（好ましくは２５〜３５重量
部）、微粉状電気石５〜５０重量部（好ましくは８〜２
５重量部）及び増量材０〜８５重量部（好ましくは４５
〜６７重量部）である。
増量材（たとえば、ゼオライト）を添加する。これら成
分間の配合割合は、混合物100重量部についてスメクタ
イト１０〜５０重量部（好ましくは２５〜３５重量
部）、微粉状電気石５〜５０重量部（好ましくは８〜２
５重量部）及び増量材０〜８５重量部（好ましくは４５
〜６７重量部）である。
【０００８】得られた混合物に水を添加し、混合し、所
望のサイズの粒状物（たとえば直径3.0〜3.5mmの球状）
に成形した後、乾燥し、所望の硬度が得られるように焼
成する。
望のサイズの粒状物（たとえば直径3.0〜3.5mmの球状）
に成形した後、乾燥し、所望の硬度が得られるように焼
成する。
【０００９】焼成は、一般の焼成炉（すなわち、焼成が
大気圧で行われる）又は減圧焼成炉を使用して行われ
る。
大気圧で行われる）又は減圧焼成炉を使用して行われ
る。
【００１０】焼成温度は、大気圧下、750℃より高い温
度では電気石の結晶が崩壊して、その特性を失うため、
一般の焼成炉では750℃以下でなければならない。好ま
しくは600℃以下である。減圧焼成炉を使用する場合に
は、減圧度によって変動するが、焼成温度600℃以下に
抑えることが望ましい。
度では電気石の結晶が崩壊して、その特性を失うため、
一般の焼成炉では750℃以下でなければならない。好ま
しくは600℃以下である。減圧焼成炉を使用する場合に
は、減圧度によって変動するが、焼成温度600℃以下に
抑えることが望ましい。
【００１１】焼成時間は、上記範囲内の焼成温度におい
て所望の硬度が得られるような時間であり、一般に２〜
６時間である。
て所望の硬度が得られるような時間であり、一般に２〜
６時間である。
【００１２】なお、電気石の上記特性を発揮させるため
には微粉状であることが必須条件であり、本発明では、
上述の如く粒径10μ以下となるように微粉砕している。
には微粉状であることが必須条件であり、本発明では、
上述の如く粒径10μ以下となるように微粉砕している。
【００１３】上述の如くして製造された電気石配合セラ
ミック焼成品は増大されたpH上昇特性及び金属イオン吸
着特性を発揮するため、各種用途の水と接触させること
により、水の性質を改善し、また水に含まれる金属イオ
ンを吸着除去できる。従って、接触処理した水は、洗濯
用水、浴水、飲料水、工業用水として利用される。
ミック焼成品は増大されたpH上昇特性及び金属イオン吸
着特性を発揮するため、各種用途の水と接触させること
により、水の性質を改善し、また水に含まれる金属イオ
ンを吸着除去できる。従って、接触処理した水は、洗濯
用水、浴水、飲料水、工業用水として利用される。
【００１４】次に、本発明の好適な１具体例である実施
例によって本発明をさらに詳述する。
例によって本発明をさらに詳述する。
【００１５】
【実施例】100μ以下の粒径を有するスメクタイト粉末3
0ｇ、粒径10μ以下で、平均2.8μの粒度分布を有する微
粉状電気石10ｇ及び増量材としてゼオライト 60ｇを均
質に混合し、さらに水30ｇを添加して混合した後、直径
3.0〜3.5mmを有する球状に造粒し、熱風乾燥し、減圧焼
成炉において、圧力−760mmHg、600℃で３時間焼成して
サンプル 85ｇを得た。
0ｇ、粒径10μ以下で、平均2.8μの粒度分布を有する微
粉状電気石10ｇ及び増量材としてゼオライト 60ｇを均
質に混合し、さらに水30ｇを添加して混合した後、直径
3.0〜3.5mmを有する球状に造粒し、熱風乾燥し、減圧焼
成炉において、圧力−760mmHg、600℃で３時間焼成して
サンプル 85ｇを得た。
【００１６】このようにして得たセラミック焼成品サン
プルのpH上昇特性及び金属イオン吸着特性をテストし
た。 （ｉ）水のpHの変動 上述の如くして調製したセラミック焼成品サンプル １
ｇをとり、蒸留水100mlを加えてゆっくりと撹拌し、所
定時間経過毎に水のpHを測定した。得られた結果を表１
に示す。なお、同時に行ったセラミック焼成品を添加し
ない場合、スメクタイトを含有せず、電気石10ｇ及び増
量材90ｇの混合物から上記と同じ条件下で焼成して得た
焼成品１ｇを添加した場合、及び電気石を配合すること
なく電気石10ｇ及び増量材90ｇの混合物から上記と同じ
条件下で焼成して得た焼成品１ｇを添加した場合の結果
を合わせて表１に示す。
プルのpH上昇特性及び金属イオン吸着特性をテストし
た。 （ｉ）水のpHの変動 上述の如くして調製したセラミック焼成品サンプル １
ｇをとり、蒸留水100mlを加えてゆっくりと撹拌し、所
定時間経過毎に水のpHを測定した。得られた結果を表１
に示す。なお、同時に行ったセラミック焼成品を添加し
ない場合、スメクタイトを含有せず、電気石10ｇ及び増
量材90ｇの混合物から上記と同じ条件下で焼成して得た
焼成品１ｇを添加した場合、及び電気石を配合すること
なく電気石10ｇ及び増量材90ｇの混合物から上記と同じ
条件下で焼成して得た焼成品１ｇを添加した場合の結果
を合わせて表１に示す。
【００１７】
【表１】 サ ン プ ル 経 過 時 間 開始時 10分後 30分後 １時間後 ２時間後 ５時間後 本発明の焼成品 6.4 6.5 7.5 8.3 9.0 9.6 水のみ 6.4 6.4 6.3 6.2 6.0 5.8 電気石のみ含有する 6.3 6.3 6.3 6.5 6.7 7.0 焼成品 スメクタイトのみ 6.0 6.2 6.5 6.9 8.2 8.8 含有する焼成品 表１の結果から、電気石とスメクタイトとの併用によ
り、pHの上昇効果が顕著に増大することが理解される。 （ii）金属イオン吸着性 上述の本発明によるセラミック焼成サンプル ５ｇをガ
ラスビンにとり、0.25％硫酸銅水溶液50mlを加えて密封
し、ゆっくり撹拌しながら24時間放置し、その後、上澄
液について銅イオン量を測定した。対照として、海砂
（直径0.3〜0.6mm）５ｇを添加した場合、スメクタイト
を配合せず、電気石10ｇ及び増量材90ｇの混合物から上
記と同じ条件下で焼成して得た焼成品５ｇ、及び電気石
を配合せず、スメクタイト 30ｇ及び増量材70ｇの混合
物から上記と同じ条件下で焼成して得た焼成品５ｇを添
加した場合の結果（１ｇ当たりで表示）を合わせて表２
に示す。
り、pHの上昇効果が顕著に増大することが理解される。 （ii）金属イオン吸着性 上述の本発明によるセラミック焼成サンプル ５ｇをガ
ラスビンにとり、0.25％硫酸銅水溶液50mlを加えて密封
し、ゆっくり撹拌しながら24時間放置し、その後、上澄
液について銅イオン量を測定した。対照として、海砂
（直径0.3〜0.6mm）５ｇを添加した場合、スメクタイト
を配合せず、電気石10ｇ及び増量材90ｇの混合物から上
記と同じ条件下で焼成して得た焼成品５ｇ、及び電気石
を配合せず、スメクタイト 30ｇ及び増量材70ｇの混合
物から上記と同じ条件下で焼成して得た焼成品５ｇを添
加した場合の結果（１ｇ当たりで表示）を合わせて表２
に示す。
【００１８】
【表２】銅イオンの吸着量（mg／1g) 本発明の焼成品 5.7 電気石のみの焼成品 0.49 スメクタイトのみの焼成品 2.1 海砂 0.034
【発明の効果】本発明によれば、微粉状電気石を含有す
るセラミック焼成品の製造に当たり、微粉状電気石と共
にスメクタイトを併用することにより、電気石が本来有
するpH上昇特性及び金属イオン吸着特性が明らかに増大
される。これにより、当該電気石含有セラミック焼成品
を利用する水処理の性能が改善される。
るセラミック焼成品の製造に当たり、微粉状電気石と共
にスメクタイトを併用することにより、電気石が本来有
するpH上昇特性及び金属イオン吸着特性が明らかに増大
される。これにより、当該電気石含有セラミック焼成品
を利用する水処理の性能が改善される。
Claims (1)
- 【請求項１】増大された水のｐＨ上昇特性及び金属イオ
ン吸着特性を有する電気石含有セラミック焼成品を製造
する方法において、粒径１０μ以下を有する電気石粉末
及びスメクタイト粉末を混合し、成形後、750℃以下の
温度で焼成することを特徴とする、増大された水のｐＨ
上昇特性及び金属イオン吸着特性を有する電気石含有セ
ラミック焼成品の製法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34717995A JP3160705B2 (ja) | 1995-12-15 | 1995-12-15 | 増大された水のｐＨ上昇特性及び金属イオン吸着特性を有する電気石含有セラミック焼成品の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34717995A JP3160705B2 (ja) | 1995-12-15 | 1995-12-15 | 増大された水のｐＨ上昇特性及び金属イオン吸着特性を有する電気石含有セラミック焼成品の製法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09165256A JPH09165256A (ja) | 1997-06-24 |
| JP3160705B2 true JP3160705B2 (ja) | 2001-04-25 |
Family
ID=18388462
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP34717995A Expired - Fee Related JP3160705B2 (ja) | 1995-12-15 | 1995-12-15 | 増大された水のｐＨ上昇特性及び金属イオン吸着特性を有する電気石含有セラミック焼成品の製法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3160705B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6421519B1 (en) | 2000-03-24 | 2002-07-16 | Hitachi Metals Ltd. | Magnet roll having an anisotropic bonded magnet portion containing rare earth-iron-nitrogen magnet powder |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100231738B1 (ko) * | 1997-10-08 | 1999-12-01 | 이길홍 | 투르말린과 주물 모래형틀로부터 생성되는 미분사를 이용한 세라믹 정화제 및 그 제조방법 |
| KR20010088719A (ko) * | 2001-08-24 | 2001-09-28 | 김영균 | 수 처리용 Bio Ceramics 제조 |
| KR20030045371A (ko) * | 2001-12-04 | 2003-06-11 | 주식회사 선목신소재 | 원적외선 방사체 및 그의 제조방법 |
| KR100465367B1 (ko) * | 2002-08-13 | 2005-01-13 | 황종율 | 오폐수정화세라믹의 제조방법 |
| KR20040040750A (ko) * | 2002-11-07 | 2004-05-13 | 김해용 | 순수 천연 무기광물로 만들어진 세탁볼에 의한 세탁방법 |
| KR100805271B1 (ko) * | 2003-09-19 | 2008-02-28 | 권기진 | 천연 광촉 음이온 제조방법 |
-
1995
- 1995-12-15 JP JP34717995A patent/JP3160705B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6421519B1 (en) | 2000-03-24 | 2002-07-16 | Hitachi Metals Ltd. | Magnet roll having an anisotropic bonded magnet portion containing rare earth-iron-nitrogen magnet powder |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH09165256A (ja) | 1997-06-24 |
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