JP3160673B2 - 原料レシチンからのオイルの除去方法 - Google Patents

原料レシチンからのオイルの除去方法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、オイル−及びレシチン−含有混合物から、
少なくとも1種の炭化水素を含む抽出剤(extractant)
を用いた抽出によりレシチンを回収する方法に関する。
貿易でレシチンと称されるホスファチドの混合物は、
下記の構成要素から構成されるリン脂質のグループ:各
々グリセロール、脂肪酸、リン酸、及びアミノアルコー
ルと炭水化物である。それらは実際上あらゆる動物及び
植物材料に見出される。それらは脳組織、卵黄、及び大
豆油や菜種油などの油料種子中に豊富に存在する。
野菜起源のホスファチドは、一般に高度に不飽和であ
る。動物起源のレシチン調製物中には、グリセロールエ
ステルの他にリン含有化合物として種々のスフィンゴ脂
質及びプラスマロゲンが見出される。大豆レシチンの主
要な構成成分は、ホスファチジルコリン、ホスファチジ
ルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホ
スファチジルセリン、ホスファチジン酸、リゾリン脂質
(lysophospholipids)、及びファイト糖脂質(phytogl
ycolipids)である。
大豆、菜種油、ひまわり種子、トウモロコシ、麻(he
mp)および亜麻仁等の油料種子及び穀物種子由来の植物
油中に、ホスファチドは0.2〜2重量%の濃度で存在す
る。卵黄、酵母脂質及びバクテリアのバイオマスも、ホ
スファチドの回収に利用される。上記材料はすべて本発
明のホスファチド混合物の供給源としても好適である。
1つの特別な例は、植物油脂の精製により得られた粗レ
シチンである。
現在、市販のレシチンの大部分は大豆油及び菜種油の
処理で得られる。それらはコロイド形態でレシチンを含
有する。オイルに対し正確に測定された量の水を攪拌下
に加えると、オイル中に含まれるレシチンは上昇された
温度で水和する。粘性の混合物が分離器中で分離され、
次いで乾燥器中で真空下に乾燥される。粘性の粗レシチ
ンが、この方法で得られる。精製操作中に大豆又は菜種
から抽出により回収されたこの粗レシチンは、約3分の
1のオイルと、約3分の2のアセトン−不溶性成分、す
なわちレシチンである。いくつかの用途に、該オイル含
有量は妨げになり、更なる精製が要求される。
本明細書中においてレシチンという用語は、天然のレ
シチンのみならず化学的に修飾されたレシチンをも意味
し、後者は関心が増加しつつある。
アセトンで抽出することにより粗レシチンからオイル
を分離するのが、従来技術の状態である。純粋なレシチ
ンと呼ばれる粉末製品は、2〜4重量%の残留オイル含
量を有する。アセトン抽出時に、リン脂質のアセトン懸
濁液と同時に脂肪/アセトン溶液が回収される。アセト
ンの大部分は、遠心分離によりリン脂質から分離され、
溶媒循環へフィードバックされる。次いで、部分的に乾
燥された製品は、少なくとも2工程で残留溶媒を除去さ
れる。第1の乾燥工程は、リン脂質が50〜70℃で加熱空
気により液化される、液化層乾燥器(fluidized bed dr
ier)中で行われる。これでアセトンの大部分は除去さ
れる。最後の痕跡量の溶媒さえ除去するため、生成物は
次いで真空乾燥オーブン中で乾燥される。この工程で、
リン脂質の薄層は、棚上に置かれ、数時間上昇温度(50
〜70℃)で処理される。アセトン抽出法の特有の問題
は、乾燥工程から排出される空気の流れであり、それは
適当な精製の後においてのみ環境へと放出され得る。純
粋なレシチンは、乳化食品添加剤としてだけでなく、低
カロリー食として希釈されない形態で使用される。従っ
てその純度は、例えば溶媒を含まないなど厳格な要求に
適合しなければならない。臭いに関する低い閾値を有す
るアセトンの場合、上記の側面に特別の注意が払われな
ければならない。
アセトン抽出により得られたレシチンは、70℃以下の
温度で乾燥されなければならない;さもなければリン脂
質の熱分解が起こるであろう。これらの温度においてさ
え、脱−オイル化されたリン脂質の感覚刺激性の性質を
損なったアセトン誘導生成物が、乾燥操作中に形成され
るであろう。かび臭い、干し草様の臭いと鋭い刺激性の
後味を有することが、質を損なうものとして記載され
る。
アセトン精製の上記の欠点により、近年粗レシチンの
他の処理方法が詳細に検討されている。例えば溶媒とし
て高密度ガスを用いることで、抽出剤の複合除去を避け
ることができる。
ドイツ出願公開第3011185号及びドイツ出願公開第322
9041号は、超臨界高密度二酸化炭素及びエタンを各々用
いた、粗レシチンの脱−オイル化方法を開示し、粗レシ
チンは圧力と温度に関し超臨界状態にある高密度ガスと
接触される。ここで、該オイルは、好ましくは溶解す
る。添加されたガスは、抽出工程から再生工程に送ら
れ、そこで温度及び/又は圧力の変化を通してガスと抽
出物に分離される。再生されたガスは、抽出工程にフィ
ードバックされる。大部分のオイルを除去した後、レシ
チンは非常にペースト状になり、結果として物質の移動
速度は非常に低くなり、抽出時間は非常に長くなるであ
ろう。さらに、それらは35MPa以上の圧力を要求し、そ
の圧力は該工程を非経済的にする。
そのような長い抽出時間を避けるため、短い接触時間
でノズルラインの二酸化炭素抽出剤中に粗レシチンを微
細に分配させることによりレシチンの脱オイル化を実現
することが提案された(ドイツ出願公開第3329249
号)。ここで得られたものは、粉末状の、白っぽい黄色
(whitish−yellow)の、オイルを有しない、無味無臭
のレシチンである。上記方法での抽出に要求される二酸
化炭素圧力は、90MPaである。しかし、高圧とノズルの
低処理量のため、該方法は高コストである。
ドイツ出願公開第3411755号は、レシチンの脱オイル
化が、高密度二酸化炭素の助けにより達成される方法を
提案し、該二酸化炭素に相当量のプロパンが同調因子
(entraining agent)として加えられる。この方法は、
2つの効果を有する: (a)抽出剤の高い負荷を達成するための圧力が8〜12
MPaに減少し、及び(b)脱−オイル化レシチンがこの
圧力範囲で、75%のプロパンと25%の二酸化炭素から構
成される抽出剤とともに液相を形成し、従って向流操作
及びパイプを通してカラムの底からの脱−オイル化生成
物の回収が可能となる。二酸化炭素が要求される結果、
2相が形成される。この抽出条件下で、二酸化炭素/プ
ロパンの混合物は超臨界である。しかしながら、抽出剤
混合物の使用は、抽出操作中に混合物の組成が持続的に
管理及び調整されなければならないため、追加のコスト
が発生する。
米国特許第2548434号は、油料種子の食事、クラック
リングのような脂肪含有材料の処理方法を提案する。そ
の方法で、脂肪は大気圧中でガスである液体炭化水素で
抽出される。抽出は、65〜95℃の範囲の温度でなされ
る。その方法に適した炭化水素は、従ってこの温度範囲
で1気圧よりも大きな蒸気圧を有する。溶媒の比率は、
容量の単位で表現され、約15〜30である。500kg/m3の液
体炭化水素の密度に基づくと、これは3〜6重量%の負
荷に相当する。35〜40バールの範囲の圧力は、79〜93℃
の温度でなされる抽出に用いられる。出発物質への酸性
白土(bleaching earth)の添加により、高品質の脱色
オイルが得られる。着色体、ガム及びホスファチドは、
植物又は動物起源の残留物質とともに残る。
その方法には、その臨界温度の60℃下から該臨界温度
の2〜3度上までの温度の溶媒が好適である。もしその
抽出工程が粗オイル処理に使用されれば、2つのフラク
ションが得られ、これらのフラクションの一方は着色
体、ガム及びホスファチドを含有せず、他方のフラクシ
ョンは着色体及びガムの他にホスファチドが濃縮されて
いる。出発物質中に0.5重量%までの濃度で存在するホ
スファチドは、3〜5重量%の濃度まで濃縮され得る。
これに対し、本発明による純粋なレシチンの調製方法
は、50〜70重量%の濃度のホスファチドを含有する粗レ
シチンから開始する。他方、該米国特許第2548434号
は、粗レシチンから純粋なレシチンを得ることを全く開
示していない。
本発明の目的は、純粋なレシチンの回収方法を提供す
ることにあり、該方法は既述の欠点を有することはな
く、従来可能であったのよりも相当低い圧力及び空間−
時間(space−time)で製造し、植物処理技術において
制限なしに使用できる実質的にオイルを有しない純粋な
レシチンを生ずることである。
従って、本発明は、炭化水素の少なくとも1種を含む
抽出剤を用いて抽出を行うことにより、オイルとレシチ
ンとを含む混合物からレシチンを回収する方法におい
て、C3またはC4炭化水素の1種又は2種以上を用いた抽
出を下記の条件下に行うことを特徴とする方法に関す
る: 抽出剤はレシチンと低粘度の溶液を形成し、抽出混合
物はオイルが濃縮された液相とレシチンが濃縮された液
相とに分離し、これらの2つの相を分離し、抽出剤の分
離により、オイルが濃縮された相から実質的にレシチン
を含まないオイルと、レシチンが濃縮された相から実質
的にオイルを含まない純粋なレシチンとを得る。
炭素数3〜4を有する、分枝を有する又は分枝を有し
ない易揮発性の炭化水素又はそれらの混合物が抽出剤と
して好適である;飽和炭化水素が好ましい。特に好まし
くは食品加工技術において無条件に認められる炭化水
素、例えばプロパン及びブタン又はその混合物であり、
好ましくはプロパンのみ又は25重量%以下のブタンとの
混合物である。純粋な溶媒は、溶媒混合物仁対して調節
により少ない努力しか要求しないため好ましい。
他に特定されない限り、“ブタン”は、n−ブタン、
イソブタン、及びその混合物を表す。市販のタイプのブ
タンは、通常n−ブタンとイソブタンの種々の濃度を含
む混合物である。これらの混合物は、それ自体又は既述
の他の炭化水素と組み合わせて、最初に各異性体を分離
することなく本発明の方法を抽出剤として使用できる。
抽出に使用される溶媒は、各方法の温度で高い蒸気圧
を有する。それらは好ましくは0.7〜1.0の範囲の低下温
度を有する。40℃において、特に好適な抽出剤であるプ
ロパンは0.85の低下温度を有し、一方ブタンは0.75の低
下温度を有する。
上記炭化水素は、低温での抽出後容易に分離され得
る。抽出温度以下で沸騰する炭化水素では、抽出は各蒸
気圧又はその上で行われる。圧力により、粗レシチン中
の上記の特に好適なアルカンの濃度を単純且つ信頼でき
る様式で調節できる。
ホスファチド/オイル混合物の粘度は、各オイルの粘
度よりも2〜3桁大きい。ホスファチドは、オイルが除
去されると、オイルが完全に除去される前に固化する。
液体プロパンがオイルを含まないホスファチド混合物に
加えられると、低粘度混合物が、特別な圧力を超えた場
合にのみ形成されることが観察される。固体ホスファチ
ドから低粘度の溶液への該転移は、非常に狭い範囲の温
度及び圧力下に起こるため、実際上この様な変化は融点
と呼ばれる。この“融解圧力関数(melting pressure f
unction)”は、例えばプロパンの場合、下記のデータ
により特徴づけられる:57℃での低粘度溶液への転移
は、30バールで起こり、65℃では40バールで起こり、70
℃では50バールで起こる。
例えばプロパンの圧力を約30バールに上昇させること
により、脱−オイル化レシチン中に非常に多くのプロパ
ンが溶解するため、通常の人工混合物(plastic mixtur
e)は、連続的な向流抽出を可能にする低粘度の溶液を
形成できる。しかしながら、圧力が室温での蒸気圧と同
等又はより高いときには単一の相を形成するであろう。
意外にも、圧力及び温度条件を適当に選択すれば、レ
シチン/オイル/炭化水素のシステムは2つの液相を形
成し、軽い相はオイルが濃縮されており、重い相はレシ
チンが濃縮されていることが見出された。
圧力及び温度は、抽出剤及び使用される粗レシチンに
各々依存する。レシチン含量が低いと、レシチン/オイ
ル/炭化水素のシステムは定圧で2つの分離相に分割さ
れる温度が上昇することが認められた。レシチン/大豆
油/プロパンのシステム(粗レシチン中のレシチン含量
が約65%)中、4MPaのプロパンの圧力で、約52℃以上の
温度で2つの相の出現が観察される。しかし同じシステ
ムでレシチン含量が10重量%であると、分離温度は約70
℃である。しかし、脱オイル化されたレシチン及びプロ
パンを用いると、4MPaの圧力で分離温度は32℃となる。
一方、50〜80℃の温度範囲では、オイルはすべての好
適な比率で液体プロパンと混和可能であるが、これは粗
レシチンでは正しくない。しかしながら、50℃で4MPaの
圧力に上昇させることでプロパンの密度を増加させる
と、粗レシチンもプロパンと液相を形成する。より高温
では、対応するより高い圧力が要求される。ブタン又は
プロパン/ブタン混合物を用いると、同じ温度で抽出剤
と脱オイル化レシチンが液相を形成する圧力は、プロパ
ンのみを使用したときより低い。
一般に、本発明の方法に使用される圧力は、1と8MPa
の間、好ましくは3と5MPaの間である。
温度の上限は、レシチンの熱安定性により決定され
る。従って、本発明の方法は、20〜100℃、好ましくは3
0〜85℃、特に50〜70℃の範囲の温度で都合よく行われ
る。
レシチンは70℃を超える温度で既に不安定になる。意
外にも、オイル中のレシチン濃度が減少すると熱安定性
が向上し、レシチン濃度が減少すると、レシチンを損な
うことなくより高い抽出温度が可能となる。しかしなが
ら、オイルを含まないホスファチドは70℃を超える温度
で処理することはできない。
従って、液体炭化水素によりオイルを含まないレシチ
ンを調製するとき、以下の制限が考慮されなければなら
ない。すなわち、一方では熱安定性の制限であり、他方
は融解圧力関数である。さらに、炭化水素の存在下でホ
スァチド/オイル混合物は高圧で1相の混合物を形成す
る。例えば、大豆から得られた粗レシチンは、オイル含
量35重量%を有し、40バールのプロパン圧力で単一の相
を形成するであろう。
特定の温度プロフィールで、向流抽出を行うことの特
別な有用性が、意外にも見出された。もちろん該温度プ
ロフィールは選択された各使用圧力に適合しなければな
らない。その様な温度プロフィールを使用すると、融解
圧力関数、熱安定性の限界及び単一相挙動の開始による
操作条件の制限に関し最も良い。しかしながら、それは
可能な炭化水素をプロパン及びブタンに限定する。
上記問題は、オイルとの混合物の形態で通常存在する
化学的に修飾されたホスファチドの処理にも関する。修
飾されたホスファチドの融解圧力関数は、天然のホスフ
ァチドの融解圧力関数とあまり大きな違いはない。従っ
て、化学的に修飾されたホスファチドは、本発明の方法
によっても純粋な形態で得られる。
温度プロフィールを用いると、抽出装置の下端の温度
は、抽出装置の上端の温度よりも好適には10〜80℃、好
ましく20〜70℃、特に30〜50℃低い。上記のように、軽
い相は分離装置の上部に向けてオイルが濃縮されるよう
になり、従って温度により感受性が低い。従って、抽出
物の温度は約70℃のレシチンの臨界温度よりも高くなる
であろう。それは、好ましくは60〜100℃の間である。
分離装置の下端の精製された物質の温度は、好ましくは
20〜60℃である。
既述のように、純粋な溶媒は、管理及び調節のために
より少ない努力しか要しないため溶媒混合物よりも好ま
しい。純粋な溶媒として特に好ましくはプロパンであ
る。EC−コミッション(EC−Commission)88/344/CEEの
指令(1988年6月24日付のジャーナル・オフィシール・
デ・コミュニティー・ユーロピエンヌNo.L157/28(Jour
nal officiel des communities europeennes No.L157/2
8 of June 24,1988))が、食品工業のグループ1の溶
剤として非制限的使用を許容するだけでなく、抽出の圧
力及び温度範囲はプロパンに特に好ましいため、粗レシ
チンの経済的抽出が可能である。
例えば、粗レシチン85gとプロパン115gの混合物は、6
0℃及び4MPaで、84重量%のプロパンと16重量%の実際
上不揮発性の材料からなると軽相と、31重量%のプロパ
ンと69重量%の実際上不揮発性の材料からなる重相に分
離する。軽相に溶解した物質は、65重量%のオイルと35
重量%のホスファチドである。重相には、レシチン及び
オイルは6/1の比率で溶解する。約11の分離係数は、非
常に有利である。
純粋なエタン及び純粋なブタンは抽出剤としてあまり
好適ではない。エタンに関しては、50MPaの圧力までい
かなる好適な濃度のホスファチド液体溶液の形成もなさ
れない。同じものが28℃の臨界温度よりも低い温度で適
用される。従って、エタンは経済的に魅力のある条件下
で単一溶媒としてほとんど使用できない。
ブタンが抽出剤として使用されると、分離温度がレシ
チンが不安定になる温度にまで上昇する。粗レシチン/
イソブタンのシステムでは、分離温度は2.2MPaで100℃
である。ブタンの使用の利点は、約1〜3MPaへの操作圧
力の低下である。非常に短い滞留時間で、70℃の温度を
超えても許容されるであろう。しかし、プロパンは熱損
傷による製品品質の減損を安全に防止するために通常好
ましいであろう。
ブタンは単一溶媒としてはプロパンよりも好ましくは
ないが、上記の他の溶媒と同様に、既述の他の炭化水素
と混合されれば抽出剤として好適である。例えば、25重
量%のイソブタンと混合されたプロパンの分離温度は4M
Paで62℃である。実施例は、純粋な溶媒は好ましいが、
プロパン中のいくらかの残量のブタンは(向流)抽出に
悪影響をもたないことを明らかにする。
本発明は、図面により説明され、図1は本発明の方法
に好適な抽出装置を示す;図2は、共存相中のプロパン
濃度の種々のレシチン/オイル比の温度に対するプロッ
トである。
経済上の理由から、本発明の抽出方法は、連続的な向
流操作として好ましく行われる。図1に図解的に示され
る装置が、本発明の方法に好適である。該装置は、実質
的に抽出塔(分離塔)及び再生塔からなる。
粘性の粗レシチンは、望ましいレベル、好ましくは塔
の中央まで分離塔にポンプで送られる。抽出剤は、好適
には塔の底部から加えられ、抽出塔の底から頂部へ流れ
る。圧力及び温度は、混合物が2つの液体相に分離する
様に調節する。オイル及び少量のレシチンは、抽出剤に
溶解される。オイルの混合物、抽出剤及びレシチンの混
合物は、抽出塔の頂部から放出され、再生塔へ導入され
る。温度を上昇させ、及び/又は圧力を低下させること
により、再生塔中の条件は、抽出剤が蒸気として存在す
るように、すなわち再生塔中の圧力が、各温度における
抽出剤の蒸気圧より下になるものである。従って、溶解
した物質は定量的に沈殿する。
抽出剤は塔頂部で蒸気の状態で再生塔から放出され
る。それは熱交換器で濃縮され、抽出塔にポンプで戻さ
れる。
再生塔で沈殿した生成物の一部は、抽出塔の頂部に還
流として好適にリサイクルされる。抽出されたオイルの
残部は再生塔の底から回収される。抽出剤は、圧力を低
下し及び/又は温度を上昇させることによりオイルから
分離される。室温で気体である抽出剤の場合、分離は環
境圧力への膨張により適当に行われる。生成物の規模に
もよるが、放出されたガス状の抽出剤は、各々再圧縮及
び濃縮されるか、又は焼却除去される。
より高密度のために、液体レシチンは、抽出塔中で下
方に流れ、従ってオイルを有しない。得られた純粋なレ
シチンは、抽出塔の底から回収される。圧力を低下させ
及び/又は温度を上昇させることにより、抽出剤はレシ
チンから分離される。漏出した溶媒は、必要であれば圧
縮及び/又は濃縮により回収される。レシチンは溶媒を
有しない無味無臭の白っぽい黄色の粉末として得られ
る。
抽出操作中に2相システムを維持するため、抽出塔は
温度勾配を創ることのできる装置を好適に装備される。
既に説明したように、抽出塔の頂部の温度は、塔底の温
度よりも10〜80℃、好ましくは20〜70℃、特に30〜50℃
高く調節されるのが好ましい。その様な温度勾配を創る
ために、例えばインライン熱交換器を用いることができ
る。それらは、オイルとレシチンの比率に無関係に塔中
に一定の圧力で2つの液体相を維持するのに役立つ。
図2は、共存相中のプロパン濃度が各々65/35、10/9
0、及び97/3のレシチン/オイル比率での温度の関数と
して示される。第1の場合、疑似二元システムの分離温
度は約52℃であり、第2の場合では約70℃である。例え
ば40℃及び4MPaにおいて、非常に多くのプロパンが純粋
なレシチンに溶解するため、純粋なレシチンは低粘度の
液体として存在する。
以下の実施例は、本発明の方法を説明する。
実施例1 40重量%のオイルと60重量%のレシチンを含有する粗
レシチンを図1に示される装置で処理する。粗レシチン
はポンプで抽出塔(分離塔)の略中央部に送られる。塔
は、種々の塔部分の温度を管理するインライン加熱要素
とともにワイアー・ネット・パッキング(wire net pac
king),Type Sulzer CYが装備される、精留ゾーンは8
の理論段を有し、ストリッピング・ゾーンは、10の理論
段を有する。プロパンは、4MPaの圧力で抽出剤として使
用される。該抽出剤は、塔の底部から頂部へ流れる。供
給地点での温度は65℃であり、底では45℃、頂部では80
℃である。プロパンの添加量は、約15重量%である。底
部のレシチン相は31重量%のプロパンを含む。
抽出塔の頂部を離れる加えられた抽出剤は、再生塔の
ほぼ中央に供給される。再生塔は80℃および2MPaで作動
する。プロパンは、これらの条件下ではガス状であり、
プロパンに溶解していた物質は完全に沈殿する。抽出物
は再生塔の底部から回収され、抽出物の一部(約20重量
%)は、抽出塔の頂部への還流としてリサイクルされ
る。残りは周囲の圧力へと膨張され、従ってプロパンは
溶液から放出される。さらに溶解したプロパンを除去
後、抽出物は98重量%のオイルと2重量%のレシチンか
らなる。
オイルを含まない精製物は、抽出塔の底部から回収さ
れる。溶解したプロパンは、周囲の圧力へ膨張しつつ蒸
発する。蒸発のエンタルピーにより生成物は冷却され
る。得られた微細なレシチン粉末は、98重量%のホスフ
ァチドと2重量%の付随物質からなる。
実施例2 35重量%のオイルと65重量%のレシチンを含有する粗
レシチンを図1に示される装置で抽出する。粗レシチン
は、60℃の温度で、ポンプで抽出塔の略中央部に送られ
る。塔は、種々の塔部分の温度を管理するインライン加
熱要素とともにワイアー・ネット・パッキング(wire n
et packing),Type Sulzer CYが装備される、精留ゾー
ンは8の理論段を有し、ストリッピング・ゾーンは、10
の理論段を有する。5重量%のイソブタンを含むプロパ
ンを抽出剤として供給し、圧力は3.5MPaである。該抽出
剤は、塔の底部から頂部へ流れる。供給地点での温度は
60℃であり、底では40℃、頂部では85℃である。抽出剤
の添加量は、約20重量%である。底部のレシチン相は34
重量%の溶解された抽出剤を含む。共存物の約2分の1
である、塔頂部のオイルの濃縮された液相は、抽出剤か
らなり、残りの半分は実質的に非揮発性の物質である。
抽出塔の頂部を離れる加えられた抽出剤は、再生塔の
ほぼ中央に供給される。再生塔は85℃および2MPaで作動
する。抽出剤は、これらの条件下ではガス状であり、溶
解していた物質は完全に沈殿する。抽出物は再生塔の底
部から回収され、抽出物の一部(約20重量%)は、抽出
塔の頂部への還流としてリサイクルされる。残りは周囲
の圧力へと膨張され、従って抽出剤は溶液から放出され
る。さらに溶解した抽出剤を除去後、抽出物は98重量%
のオイルと2重量%のレシチンからなる。
オイルを含まない生成物は、抽出塔の底部から回収さ
れる。溶解した抽出物は、周囲の圧力へ膨張しつつ蒸発
する。蒸発のエンタルピーにより生成物は冷却される。
得られた微細なレシチン粉末は、98重量%のホスファチ
ドと2重量%の付随物質からなる。
実施例3 35重量%のオイルと65重量%のレシチンを含有する粗
レシチンを図1に示される装置で抽出する。粗レシチン
は、ポンプで抽出塔(分離塔)の略中央部に送られる。
塔は、種々の塔部分の温度を管理する加熱要素とともに
スルザー・パッキング(Sulzer packing),Type CYが装
備される。最初は5MPaの圧力でプロパンが抽出剤として
使用される。該抽出剤は、塔の底部から頂部へ流れる。
供給地点での温度は64℃であり、底では55℃、頂部では
85℃である。しかしながら、この圧力及び温度では分離
は不可能であり、これは該システム、レシチン/オイル
/プロパンは、単一の相のみからなるためである。
2相システムを得るために、圧力は一定の温度プロフ
ィールで第2工程で3MPaに低下させた。高圧塔に組み込
まれた透明セルを通して該システムを観察すると、実際
に2相が形成されることが見出された。しかし、向流過
程における連続的分離は、レシチンが塔の下部に固体と
して沈殿し、ワイアー・パッキングを塞ぐため不可能で
あった。
圧力を3.5MPaへわずかに上昇させることにより、粘着
したレシチンの液化が可能になった。同時に2相システ
ムが観察された。これらの条件下に塔は数日間連続した
向流操作の下に維持された。
信頼でき、問題の起こらない塔の操作は、下限、すな
わち固化状態と上限、すなわち単一相形成の間でのみ可
能である。本実施例は、これらの限界が単純な実験によ
りどのように決定されるかを示す。
実施例4 35重量%のオイルと65重量%の化学的に修飾されたレ
シチンを含有する粗修飾レシチンを図1に示される装置
で分離する。該レシチンは、ホスファチジルエタノール
アミンの水素原子をCH3基で置換することにより化学的
に修飾された。このアセチル化により、レシチンの特に
価値のあるホスファチジルコリン含量が増加する。
アセチル化された粗レシチンが、ポンプで抽出塔(分
離塔)の略中央部に送られる。塔は、種々の塔部分の温
度を管理するインライン加熱要素とともにスルザー・パ
ッキング(Sulzer packing),Type BXが装備される。4M
Paの圧力でプロパンが抽出剤として使用する。該抽出剤
は、塔の底部から頂部へ流れる。供給地点での温度は64
℃であり、底部では55℃、頂部では85℃である。
抽出塔を離れるプロパンは、再生塔の略中央部に供給
される。再生塔は85℃および2.2MPaで作動する。プロパ
ンは、これらの条件下ではガス状であり、その中に溶解
していた物質は完全に沈殿する。抽出物は再生塔の底部
から回収され、周囲の圧力へ膨張する。かくして得られ
たガスを有しない抽出物は1%未満のレシチンを含む。
オイル含まない精製物質は、抽出塔の底部から回収さ
れる。直径0.3mm及びスプレー角度60゜の中空円錐ノズ
ル(hollow cone nozzle)を回収装置として使用する。
スプレーされた物質の流れの中で、溶解されたプロパン
は周囲の圧力に膨張しながら蒸発する。プロパンの蒸発
により、生成物は冷却され、微細に分散された流動性の
粉末として固体形態で得られる。かくして得られたレシ
チンは、トリグリセリドを含まず、95%を超えるホスフ
ァチドからなる。
実施例5 35重量%のオイルと65重量%の熱安定化レシチンを含
有する粗修飾レシチンを図1に示される装置で分離す
る。レシチンの安定化は、熱感受性の蛋白質及び糖含有
不純物の大部分を除去する濾過により達成される。さら
に、ホスファチジルエタノールアミンの水素原子の一部
はCH3基で置換される。この部分アセチル化により、レ
シチンの特に価値のあるホスファチジルコリン含量が増
加する。
粗修飾レシチンが、ポンプで抽出塔(分離塔)の略中
央部に送られる。塔は、種々の塔部分の温度を管理する
インライン加熱要素とともにスルザー・パッキング(Su
lzer packing),Type BXが装備される。4MPaの圧力でプ
ロパンを抽出剤として使用する。該抽出剤は、塔の底部
から頂部へ流れる。供給地点での温度は64℃であり、底
部では55℃、頂部では85℃である。
抽出塔を離れるプロパンは、再生塔のほぼ中央に供給
される。再生塔は85℃および2.2MPaで作動する。プロパ
ンは、これらの条件下ではガス状であり、その中に溶解
していた物質は完全に沈殿する。抽出物は再生塔の底部
から回収され、周囲の圧力へ膨張する。かくして得られ
たガスを有しない抽出物は1%未満のレシチンを含む。
オイルを含まない精製物質は、抽出塔の底部から回収
される。直径0.3mm及びスプレー角度60゜の中空円錐ノ
ズルを回収装置として使用する。スプレーされた物質の
流れの中で、溶解されたプロパンは周囲の圧力に膨張し
ながら蒸発する。プロパンの蒸発により、生成物は冷却
され、微細に分散された流動性の粉末として固体形態で
得られる。かくして得られたレシチンは、トリグリセリ
ドを含まず、95%を超えるホスファチドからなる。それ
は、この形態で直接使用することもでき、スクリーニン
グ及び顆粒化に供することもできる。
実施例6 35重量%のオイルと65重量%のレシチンを含有する粗
修飾レシチンを図1に示される装置で分離する。レシチ
ンは、水溶液中でホスホリパーゼによりリン脂質に結合
した脂肪酸残基を加水分解することにより化学的に修飾
された。かくして得られた乾燥レシチンは、リゾホスフ
ァチジルコリン(LPC)、シボホスファチジルエタノー
ルアミン(LPE)及びリゾホスファチジルイノシトール
(LPI)の高含量を有する。それは、例えばリポソーム
の調製に有利に使用され得る。
加水分解された粗レシチンは、ポンプで抽出塔(分離
塔)の略中央部に送られる。塔は、種々の塔部分の温度
を管理するインライン加熱要素とともにミキサー/セト
ラー・パッキング(mixer/settler packing)が装備さ
れる。4MPaの圧力でプロパンを抽出剤として使用する。
該抽出剤は、塔の底部から頂部へ流れる。供給地点での
温度は65℃であり、底部では55℃、頂部では75℃であ
る。
抽出塔を離れるプロパンは、再生塔の略中央部に供給
される。再生塔は90℃および2.2MPaで作動する。プロパ
ンは、これらの条件下ではガス状であり、その中に溶解
していた物質は完全に沈殿する。抽出物は再生塔の底部
から回収され、周囲の圧力へ膨張する。かくして得られ
たガスを有しない抽出物は1%未満のレシチンを含む。
オイルを含まない精製物質は、抽出塔の底部から回収
される。ディフューザーを備えたコントロールバルブを
回収装置として用いる。スプレーされた物質の流れの中
で、溶解されたプロパンは周囲の圧力に膨張しながら蒸
発する。プロパンの蒸発により、生成物は冷却され、微
細に分散された流動性の粉末として固体形態で得られ
る。かくして得られたレシチンは、トリグリセリドを含
まず、95%を超えるホスファチドからなる。
実施例7 高濃度の含水エタノールを用いて粉末化された卵黄を
全抽出し、70%のトリグリセリド、5%のコレステロー
ル、25%のリン脂質からなる混合物を得る。野菜起源の
リン脂質と異なり、これらのリン脂質は主としてホスフ
ァチジルコリン(>70%)からなる。残りは、実質的に
ホスファチジルエタノールアミンからなる。ホスファチ
ジルイノシトールのような他のホスファチドは、欠損し
ているか、又は痕跡量存在するのみである。オイルを有
しない生成物は、食物用途及びベビーフードとして特に
好ましい。
粉末化された卵黄の全抽出物を、図1に示される装置
で分離する。出発物質は、ポンプで抽出塔(分離塔)の
略中央部に送られる。塔は、種々の塔部分の温度を管理
するインライン加熱要素とともにスルザー・パッキング
(Sulzer packing),Type BXが装備される。4MPaの圧力
でプロパンを抽出剤として使用する。該抽出剤は、塔の
底部から頂部へ流れる。供給地点での温度は69℃であ
り、底では55℃、頂部では85℃である。
抽出塔を離れるプロパンは、再生塔の略中央部に供給
される。再生塔は85℃および2.2MPaで作動する。プロパ
ンは、これらの条件下ではガス状であり、その中に溶解
していた物質は完全に沈殿する。抽出物は再生塔の底部
から回収され、周囲の圧力へ膨張する。かくして得られ
たガスを有しない抽出物は1%未満のレシチンを含む;
それは、約5%のコレステロールも含む。
オイルを含まない精製物質は、抽出塔の底部から回収
される。直径0.3mm及びスプレー角度60゜の中空円錐ノ
ズルを回収装置として使用する。スプレーされた物質の
流れの中で、溶解されたプロパンは周囲の圧力に膨張し
ながら蒸発する。プロパンの蒸発により、生成物は冷却
され、粉末として固体形態で得られる。その高いホスフ
ァチジルコリン含量のために、この生成物は互いに粘着
する傾向がある。粗レシチンに2〜3%の分離剤を加え
ることにより、流動性の精製物質が得られるであろう。
例えば澱粉、ステアリン酸マグネシウム、エアロシル
(aerosil)等が分離剤として使用できる。かくして得
られたレシチンは、トリグリセリドを含まず、90%を超
えるホスファチドからなる。それはさらに約7%のコレ
ステロールを含む。
実施例8 液体卵黄を全抽出し、70%のトリグリセリド、5%の
コレステロール、及び25%のリン脂質からなる混合物を
得る。野菜起源のリン脂質と異なり、これらのリン脂質
は主としてホスファチジルコリン(>70%)からなる。
残りは、実質的にホスファチジルエタノールアミンから
なる。ホスファチジルイノシトールのような他のホスフ
ァチドは、欠損しているか、又は痕跡量存在するのみで
ある。オイルを有しない生成物は、食物用途及びベビー
フードとして特に好ましい。
液体卵黄の全抽出物を、図1に示される装置で分離す
る。出発物質は、ポンプで抽出塔(分離塔)の略中央部
に送られる。塔は、種々の塔部分の温度を管理するイン
ライン加熱要素とともにスルザー・パッキング(Sulzer
packing),Type BXが装備される。4MPaの圧力でプロパ
ンを抽出剤として使用する。該抽出剤は、塔の底部から
頂部へ流れる。供給地点での温度は69℃であり、底では
55℃、頂部では85℃である。
抽出塔を離れるプロパンは、再生塔の略中央部に供給
される。再生塔は85℃および2.2MPaで作動する。プロパ
ンは、これらの条件下ではガス状であり、その中に溶解
していた物質は完全に沈殿する。抽出物は再生塔の底部
から回収され、周囲の圧力へ膨張する。かくして得られ
たガスを有しない抽出物は1%未満のレシチンを含む;
それは、約5%のコレステロールも含む。
オイルを含まない精製物質は、抽出塔の底部から回収
される。直径0.3mm及びスプレー角度60゜の中空円錐ノ
ズルを回収装置として使用する。スプレーされた物質の
流れの中に、溶解されたプロパンは周囲の圧力に膨張し
ながら蒸発する。プロパンの蒸発により、生成物は冷却
され、粉末として固体形態で得られる。その高いホスフ
ァチジルコリン含量のために、この生成物は互いに粘着
する傾向がある。粗レシチンに2〜3%の分離剤を加え
ることにより、流動性の物質が得られる。例えば澱粉、
ステアリン酸マグネシウム、エアロシル(aerosil)等
が分離剤として使用できる。かくして得られたレシチン
は、トリグリセリドを含まず、90%を超えるホスファチ
ドからなる。それはさらに約7%のコレステロールを含
む。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ツァング,ツェンフェン ドイツ国 91054 エルランゲン ジー クリッツホーファー シュトラーセ 21 (56)参考文献 特開 平1−277457(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23J 7/00 C11B 1/10 C11B 3/00 C11B 7/00

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1または2以上の炭化水素からなる抽出剤
    を用いて抽出を行うことにより、オイルとレシチンとを
    含む混合物からレシチンを回収する方法において、 抽出剤が、炭素数3の炭化水素、炭素数4の非分岐の炭
    化水素、炭素数4の分岐の炭化水素およびこれらの混合
    物からなる群から選ばれこと、 抽出が、下記の温度及び圧力条件下に行なわれること; その条件下では、抽出剤はレシチンと低粘度の溶液を形
    成し、該レシチン/オイル/炭化水素システム内では2
    つの液相が形成され、一方の相はオイルが濃縮され、他
    の相はレシチンが濃縮される、 これらの2つの相を分離し、抽出剤の分離により、オイ
    ルが濃縮された相から実質的にレシチンを含まないオイ
    ルと、レシチンが濃縮された相から実質的にオイルを含
    まない純粋なレシチンとを回収すること を特徴とする方法。
  2. 【請求項2】抽出剤が、プロパン、ブタンおよびこれら
    の混合物からなる群から選ばれることを特徴とする請求
    項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】抽出剤として、プロパンまたはプロパンと
    25重量%までのブタンの混合物を使用することを特徴と
    する請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】抽出を圧力1〜8MPaで、好ましくは3〜5M
    Paで行うことを特徴とする請求項1乃至3の少なくとも
    1つに記載の方法。
  5. 【請求項5】抽出を温度20〜100℃で、好ましくは30〜8
    5℃で、特に50〜70℃で行うことを特徴とする請求項1
    乃至4の少なくとも1つに記載の方法。
  6. 【請求項6】出発原料として、油乃至脂肪をさらに含む
    植物起源または動物起源の、好ましくは植物起源のレシ
    チン含有混合物、特に大豆、菜種、ヒマワリ種子、トウ
    モロコシ、麻および亜麻仁の様な油料種子および穀物種
    子からの植物性油を使用することを特徴とする請求項1
    乃至5の少なくとも1つに記載の方法。
  7. 【請求項7】抽出を分離塔(抽出塔)において、好まし
    くは連続的に向流プロセスで行なって、塔底からレシチ
    ンが濃縮された抽出物を、また塔頂からオイルが濃縮さ
    れた抽出物を回収することを特徴とする請求項1乃至6
    の少なくとも1つに記載の方法。
  8. 【請求項8】分離塔(抽出塔)内において、塔底の温度
    に比して、塔頂での温度が10〜80℃、好ましくは20〜70
    ℃、特に30〜50℃高くなる様に温度勾配を形成すること
    を特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】塔底の出口を離れる精製物の温度が20〜60
    ℃であり、塔頂を離れる抽出物の温度が60〜100℃であ
    ることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】塔頂から回収されたオイルが濃縮された
    抽出物を再生塔に導き、この中で減圧および/または昇
    温により、抽出剤と生成物とに分離することを特徴とす
    る請求項7乃至9の少なくとも1つに記載の方法。
  11. 【請求項11】再生塔の塔底から回収される生成物の一
    部を抽出塔へ、好ましくはその塔頂に還流としてとして
    リサイクルすることを特徴とする請求項10に記載の方
    法。
  12. 【請求項12】塔頂で回収されたレシチンが濃縮された
    相を、減圧および/または昇温により実質的にオイルを
    含まない純粋レシチンと抽出剤とに分離することを特徴
    とする請求項7〜9の少なくとも1つに記載の方法。
  13. 【請求項13】必要ならばリサイクルするために、減圧
    および/または昇温により分離された抽出剤を再圧縮お
    よび/または濃縮することを特徴とする請求項10および
    12の1つまたは双方に記載の方法。
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