JP3160637U - 金型脱落防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】構成が簡単で、かつチェーンの取付が容易な金型脱落防止装置を提供する。【解決手段】クランププレート12の固定面12aに可動金型6が固定されているクランププレート12の上縁部に、その上縁部に沿って所定の間隙をおいて固定ブロック34aが配置されている。クランププレート12の上縁部の長さ方向に沿う軸回りに回転自在に、固定ブロック34aに可動ブロック38を支持してある。金型6に一端部が連結されたチェーン32の他端部側が可動ブロック38に固定される。可動ブロック38は、その上面側から下面側に向かう中途まで、チェーン32の1つの鎖環の正面側の少なくとも下側部分が固定面12a側を向いて収容可能なU字状の溝を有し、このU字の溝に交差して鎖環通路が連通している。この鎖環通路は、可動ブロック38の上面及び下面及び正面側で開口し、鎖環の幅寸法にほぼ等しい幅寸法を有している。【選択図】図1

Description

本考案は、金型をプラテンに固定した状態において、金型がプラテンから脱落することを防止する金型脱落防止装置に関する。
従来、金型脱落防止装置としては、例えば特許文献1に開示されているようなものがある。特許文献1の技術によれば、横型射出成形機のプラテンの頂部にベースブロックが固定される。このベースブロックにコイルチェーンが連結され、金型の被支持部に係止されるフックがこのコイルチェーンの先端に設けられている。ベースブロックには、コイルチェーンの水平リンクを上方から導入可能な第1溝部が設けられ、第1溝部の底部中央に第2溝部を凹設し、この第2溝部に鉛直リンクの下部を導入し、第1溝部に導入された水平リンクが金型の方へ移動しないように水平リンクを係止する係止壁部を設け、第1溝部に導入されて係止壁部に係止された水平リンクから金型側へ連なる鉛直リンクを導出可能に係止壁部及び係止壁部の下方近傍の近傍壁部に第3溝部が形成され、第1溝部の上面を被蓋する蓋部材がベースブロックに取り外し可能に設けられている。
実用新案登録第3136001号
このように構成された金型脱落防止装置では、ベースブロックを第1乃至第3の溝部及び係止壁部を設けた複雑な構成とした上に、蓋部材をベースブロックに取り付けなければならず、その構成が複雑な上に、コイルチェーンの取付作業が面倒であった。
本考案は、構成が簡単で、かつチェーンの取付が容易な金型脱落防止装置を提供することを目的とする。
本考案の一態様の金型脱落防止装置は、固定部を有している。固定部は2つの固定ブロックを備え、固定ブロックは、金型固定面に金型が固定されるクランププレートまたはこのクランププレートが設けられているプラテンの上縁部に、その上縁部に沿って所定の間隙をおいて配置され、前記クランププレートまたはプラテンに固定される。固定部は、2つの固定ブロックのみによって構成することもできるし、これら2つの固定ブロックを適切な連結手段によって連結したものとすることもできる。前記クランププレートまたはプラテンの上縁部の長さ方向に沿う軸回りに回転自在に、前記2つの固定ブロックに可動ブロックが支持されている。可動ブロックには、前記金型に一端部が連結されたチェーンの他端部側が固定される。チェーンの一端部の金型への連結は、例えば金型に設けたアイボルトに、チェーンの一端部に結合したフックを係合させることもできるし、フックやアイボルトを介さずに金型に直接にチェーンの一端部を結合することもできる。前記チェーンは、複数の環状の鎖環を有し、隣接する前記鎖環が交差するように連結されたものである。可動ブロックは、その上面側から下面側に向かう中途まで、前記チェーンの1つの鎖環の正面側の少なくとも下側部分が前記固定面側を向いて収容可能で前記固定面側及びその反対側への移動不能なU字状の溝を有し、さらに、このU字の溝に交差して連通し、前記可動ブロックの上面及び下面及び前記固定面側で開口し、前記鎖環の幅寸法にほぼ等しい幅寸法を有する鎖環通路を、有している。
このように構成された金型脱落防止装置では、2つの固定ブロックをクランププレートまたはプラテンの上面に固定した状態で、それら固定ブロックの間隙間に可動ブロックが回動自在に取り付けられている。この状態において、金型に連結されている端部と反対側の端部側のチェーンの鎖環の1つをその正面側が金型固定面側を向くようにして、U字の溝にその上方から挿入すると同時に、この鎖環に連結されている金型側の鎖環を鎖環通路にその上方から挿入する。これによって、金型固定面側を向いている鎖環の下方への移動と金型固定面側と反対側への移動が拘束されている。従って、可動ブロックは、U字状の溝と鎖環通路とを少なくとも備える構成であり、製造が容易であるし、可動ブロックへの鎖環の固定はU字の溝と鎖環通路とへの隣接する2つの鎖環の挿入のみが必要で、可動ブロックに鎖環を固定するための蓋等を取り付ける必要も無く、取付作業が容易である。
前記可動ブロックの前記軸回りの回動を検出する検出手段を、前記固定部に設けることもできる。検出手段としては、可動ブロックの回動によって押圧されることによって回動を検出するものや、可動ブロックの回動によって可動ブロックが接近してきたことを検出するものや、回動による光の遮断を検出するもの等を使用することができる。チェーンが緊張状態となるように、U状溝と鎖環通路とに挿入する鎖環を選択すると、U字状溝と鎖環通路とに鎖環を挿入すると、チェーンが緊張状態であるので、可動ブロックが軸の回りを金型固定面側に回動する。この回動が検出されたことにより、金型に連結されたチェーンが脱落防止装置に固定されたことを確認することができる。
以上のように、本考案によれば、金型脱落防止装置の構成を簡略化することができ、かつチェーンの取付を容易にすることができる。また、可動ブロックの回動を検出する検出手段を設けることによって、チェーンが脱落防止装置に取り付けられたことを検出することができる。
本考案の1実施形態の金型脱落防止装置を設けた横型射出成形機の部分省略側面図である。 図1の射出成形機のクランププレートの正面図である。 図1の金型脱落防止装置の平面図である。 図1の金型脱落防止装置の部分破断正面図である。 図1の金型脱落防止装置に使用している可動ブロックの斜視図である。 図1の金型脱落防止装置の可動ブロックが回動した状態と回動していない状態の縦断側面図である。 図1の金型脱落防止装置にチェーンを固定した状態の平面図である。 図1の金型脱落防止装置にチェーンを固定した状態の正面図である。 図1の金型脱落防止装置にチェーンを固定した状態の可動ブロックが回動した状態と回動していない状態の縦断側面図である。
本考案の1実施形態の金型脱落防止装置2は、例えば図1及び図2に示すような横型射出成形機の金型に取り付けられている。金型は、固定金型4と可動金型6とからなり、固定金型4は、固定プラテン8に、可動金型6は可動プラテン10にそれぞれ取り付けられている。固定プラテン8と可動プラテン10とは対向して配置され、固定金型4を固定プラテン8に取り付け、可動金型6を可動プラテン10に取り付けた状態において、可動プラテン10が固定プラテン8側に移動し、可動金型6が固定金型4に押圧される。この状態において、両金型4、6内にはキャビティが形成されており、このキャビティ内に固定プラテン8側に設けられている樹脂射出機(図示せず)から溶融状態の樹脂が注入される。樹脂の硬化後に、可動プラテン10が、固定プラテン8から離れる方向に移動され、可動プラテン10側に設けたエジェクタ機構(図示せず)によって射出成型品が可動金型4から外される。
可動プラテン10へ可動金型6を固定するために、例えば可動プラテン10における固定プラテン8側の面には、クランププレート12が取り付けられている。クランププレート12は、固定プラテン8側に、可動金型6が固定される固定面12aを有している。図2に示すように、複数のマグネットユニット14がクランクプレート12内に設けられている。マグネットユニット14は、複数の永久磁石と極性切換磁石とを有し、極性切換磁石を所定の極性に切り換えたとき、永久磁石と極性切換磁石とによる吸着力により可動金型6を固定面12aに吸着する。極性切換磁石を上記所定の極性と反対の極性に切り換えたとき、マグネットユニット14の吸着力が消滅し、可動金型6を固定面12aから外すことができる。なお、図2に示す16は、エジェクタ機構のエジェクタピンの挿通穴、18は、クランププレート12を固定プラテン8に取り付けているボルトである。
同様に、固定プラテン8もクランププレート20を有し、そのクランププレート20の固定面20aに固定金型4が固定されている。その構成は、クランクプレート12と同様なマグネットユニットを使用したものであるので、詳細な説明は省略する。
金型脱落防止装置2は、図1に示すようにクランププレート12、20にそれぞれ設けられている。固定金型4、可動金型6にそれぞれ設けられたアイボルト22、24に係合しているフック26、28がチェーン30、32の一端に結合され、これらチェーン30、32の他端側が金型脱落防止装置2に固定される。チェーン30、32は、複数の環状の鎖環を、隣接するものが交差するように連結したもので、金型脱落防止装置2によって固定される鎖環の位置は、チェーン30、32が緊張状態となるように選択されている。
固定プラテン8のクランクプレート20に設けた金型脱落防止装置2も可動プラテン10のクランププレート12に設けたものも同一構成であるので、以下、可動プラテン10側のクランププレート12に金型脱落防止装置2についてのみ説明する。
金型脱落防止装置2は、固定部34を有し、この固定部34は、2つの固定ブロック34a、34bからなる。固定ブロック34a、34bは、概略直方体状のもので、図2に示すように、クランププレート12の上縁部の中央の両側に所定の間隙をおいて配置され、複数のボルト36によってクランププレート12の上縁に取り付けられている。
図3及び図4に示すように、固定ブロック34a、34b間の間隙に可動ブロック38が配置されている。可動ブロック38は、図5に示すように、概略直方体状のブロック38aの上面の背面側に膨大部38bを一体に設けたもので、その側面形状が概略L字状をなしている。膨大部38bの両側面間を貫通して軸挿通孔40が形成されている。この軸挿通孔40に図3に示す軸42が挿通されている。固定ブロック34a、34bの上述した間隙に面する面に形成した軸孔44a、44bに、この軸42の両端がそれぞれ挿通され、軸42はクランププレート10の上縁に沿って位置し、可動ブロック38は固定ブロック34a、34bに支持され、かつ軸42の回りに回転自在である。
図6(a)、(b)に示すように、可動ブロック38のブロック38aの下面51の後端には傾斜面46が形成されている。この傾斜面46にブロック34bに設けたストッパ48が接触し、可動ブロック38は、その下面51がほぼ水平となるように保持されている。
ブロック38aの上面50のほぼ中央からその下面51側の中途まで、ブロック38aの正面側から見て概略U字状をなす溝52が形成されている。このU字の溝52は、図8に示すように、チェーン32の1つの鎖環の下端から中央よりやや上側の部分までが、U字の溝52の内部に収容される深さに形成されている。またU字状の溝52の幅寸法は、1つの鎖環の幅より幾分大きいものとされている。
図5に示すように、U字状の溝52の正面側の中央からブロック38aの正面54にまで貫通するように、鎖環通路56がU状の溝52と交差して形成されている。この鎖環通路56の幅寸法は、図7に示すように1つの鎖環の幅寸法よりも幾分大きく選択されている。1つの鎖環32aの下端から中央よりも幾分上の部分までがU字状の溝52に収容されつつある状態で、この鎖環32aがU字状の溝52にその上方から挿入されるとき、この鎖環32aと連結されているフック28側の鎖環32bが、鎖環通路56の上方から挿入されて、鎖環通路56の下端から下部が突出するように、この鎖環通路56は、ブロック38aの上面50及び下面51側で開口している。
図5に示すように、U字の溝52の背面側の中央からさらに後方に、溝58が形成されている。この溝58は、ブロック38の下面51から膨大部38bの上面まで貫通しており、この溝58の幅寸法は、1つの鎖環の幅寸法よりも幾分大きく形成されている。図7、図9(a)、(b)に示すように、U字状の溝52に鎖環32aが挿通されたとき、鎖環32bと反対側で鎖環32aに連結されている鎖環32cが、この溝58に挿通される。この溝58に鎖環32cが挿通可能なように、ブロック38aの上面の奥行きと膨大部38bの奥行きとは設定されている。なお、図7、図9(a)、(b)に示すように、鎖環32cに連結されている鎖環38dが滑らかに膨大部38bの後方に傾斜できるように、膨大部38bの正面の上縁部には、傾斜面60が形成されている。
可動ブロック38が軸40の回りに回動したことを検出する回動検出器62、例えば近接スイッチが、固定ブロック34bには、図4に示すように設けられている。この回動検出器62は、図6(b)に示すように、ブロック38aの下面51が水平な状態では、可動ブロック38の側面が近接していないが、同図(a)に示すように、ブロック38aの下面51が正面側を向くように傾斜したとき、可動ブロック38の側面が近接して、可動ブロック38が回動したことを検出する。
このように構成された金型脱落防止装置2では、可動金型4をクランププレート12に取り付けた後、アイボルト22にフック28を掛ける。その後、U字状の溝52に固定するとチェーン32を緊張状態とできる鎖環32aを決定し、これを図9(a)に示すように、U字状の溝52にその上方から収容し、同時に鎖環32bを鎖環通路56にその上方から挿通する。このとき、U字の溝52の溝底とその正面側の壁によって鎖環32aの移動が拘束され、チェーン32によって可動金型6はクランププレート12に押圧され、クランププレート12から脱落することが防止できる。なお、チェーン32における鎖環32bと反対側で鎖環32aと連結されている鎖環32cは溝58に挿通され、この鎖環32cに連結されている鎖環32dは傾斜面60によって傾斜され、可動ブロック38の後方に垂らされる。また、チェーン32が緊張状態であることにより、可動ブロック38が図9(a)に示すように正面側に回動し、回動検出器62によって可動ブロック38の回動が検出される。この回動が検出されるまで、図示していない表示装置にチェーン32による脱落防止が行われていない旨の表示をしておき、回動の検出後に、この表示を消滅させることによって、脱落防止装置の作動忘れを防止することができる。或いは、回動検出器62が可動ブロック38の回動を検出するまで、射出成形機を作動させないようにすることにより、確実に脱落防止装置を作動させることもできる。
このように、本実施形態の金型脱落防止装置2では、チェーンの取付は、3つの連結された鎖環32c、32a、32bを溝58とU状の溝52と鎖環通路56とにその上方から挿入するだけの作業で、可動金型6を固定することができ、蓋を止めるような作業が不要である。しかも、可動ブロック38にU状の溝52とこれらと連通した溝58と鎖環通路56とを設けるだけでよく、その製造が容易である。また、回動検出器62を設けてあるので、脱落防止装置2へチェーンを結合することを忘れたまま射出成形機を作動させることを防止することもできる。
上記の実施形態では、金型脱落防止装置2を横型射出成形機に使用したが、これに限ったものではなく、金型を使用する機器、例えばプレス成型機に使用することもできる。また、上記の実施形態では、固定金型4及び可動金型6は、マグネットユニット14の極性切換磁石の極性を切り換えることによってクランププレート12に磁気クランプされたり、解除されたりするものを使用したが、これに限ったものではなく、例えば電磁石への電流の供給及びその停止により磁気クランプしたり、解除したりする磁気クランプ装置を使用することもできる。上記の実施形態では、固定部34は、クランププレート12、20に設けたが、固定プラテン8、可動プラテン10に設けることもできる。また、固定部34は、別個に形成した2つの固定ブロック34a、34bによって構成したが、2つのブロック34a、34bをそれらの下面で連結した一体ものに構成することもできる。その場合、可動ブロック38の両側面に軸を一体に形成し、そのうちの一方の軸は可動ブロックの内外に進退する構成とすると、固定ブロック34a、34bへの取付が容易になる。上記の実施形態では、可動ブロック38には、膨大部38bを設けたが、場合によっては膨大部38bを除去することができる。その場合、軸挿通孔40はブロック38aの側面間を貫通させる。また、溝58や傾斜面60を設けたが、これらも場合によっては除去することができる。上記の実施形態では、回動検出器62に近接スイッチを使用したが、これに限ったものではなく、例えば光電検出器や、可動ブロックの回動によって操作される機械スイッチを使用することもできる。
2 金型脱落防止装置
4 固定金型
6 可動金型
8 固定プラテン
10 可動プラテン
12 磁気クランププレート
12a 固定面
34 固定部
34a 34b 固定ブロック
38 可動ブロック
52 U状の溝
56 鎖環通路

Claims (2)

  1. 金型固定面に金型が固定されるクランププレートまたはこのクランププレートが設けられているプラテンの上縁部に、その上縁部に沿って所定の間隙をおいて配置され、前記クランププレートまたはプラテンに固定される2つの固定ブロックを有する固定部と、
    前記クランププレートまたはプラテンの上縁部の長さ方向に沿う軸回りに回転自在に、前記2つの固定ブロックに支持され、前記金型に一端部が連結されたチェーンの他端部側が固定される可動ブロックとを、
    具備し、前記チェーンは、複数の環状の鎖環を有し、隣接する前記鎖環が交差するように連結されたものであり、
    前記可動ブロックは、その上面側から下面側に向かう中途まで、前記チェーンの1つの鎖環の正面側の少なくとも下側部分が前記固定面側を向いて収容可能で前記固定面側及びその反対側への移動不能なU字状の溝を有し、さらに、このU字の溝に交差して連通し、前記可動ブロックの上面及び下面及び前記固定面側で開口し、前記鎖環の幅寸法にほぼ等しい幅寸法を有する鎖環通路を、有する金型脱落防止装置。
  2. 請求項1記載の金型脱落防止装置において、前記可動ブロックの前記軸回りの回動を検出する検出手段を、前記固定部に設けた金型脱落防止装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109277856A (zh) * 2018-08-31 2019-01-29 江苏华电铁塔制造有限公司 一种用于工字钢的加紧装置

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