以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明するが、各図面において、同一の又は対応する構成については同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。また、型閉じを行う際の可動プラテンの移動方向を前方とし、型開きを行う際の可動プラテンの移動方向を後方として説明する。
図1は、本発明の一実施形態による射出成形機の型閉じ完了時の状態を示す図である。図2は、本発明の一実施形態による射出成形機の型開き完了時の状態を示す図である。
射出成形機10は、フレーム11と、フレーム11に固定プラテン支持部材40L、40Rを介して固定された固定プラテン12と、固定プラテン12と間隔をおいて配設されたトグルサポート15とを備える。固定プラテン12とトグルサポート15との間には、型締め時に前後方向に伸びる複数(例えば、四本)のタイバー16が架設されている。型締め時のタイバー16の伸びを許容するため、トグルサポート15はフレーム11に進退可能に載置されている。
射出成形機10は、固定プラテン12に対向して配設される可動プラテン13を更に備える。可動プラテン13は可動プラテン支持部材60L、60Rを介してスライダ14L、14Rに固定されており、スライダ14L、14Rはフレーム11に敷設されるガイド17L、17Rに沿って前後方向に移動自在である。これにより、可動プラテン13は、固定プラテン12に対して接離自在となっている。可動プラテン13には、タイバー16を貫通させる貫通孔が形成されているが、貫通孔の代わりに、切り欠きが形成されていてもよい。
可動プラテン13における固定プラテン12との対向面に可動金型33が、固定プラテン12における可動プラテン13との対向面に固定金型32が取り付けられる。固定金型32と可動金型33とで金型装置30が構成される。可動プラテン13が前進すると、可動金型33と固定金型32とが接触し、型閉じが行われる。また、可動プラテン13が後退すると、可動金型33と固定金型32とが離れ、型開きが行われる。
射出成形機10は、可動プラテン13とトグルサポート15との間に配設されるトグル機構20と、トグル機構20を作動させる型締め用モータ26とを更に備える。型締め用モータ26は、回転運動を直線運動に変換する運動変換部としてのボールねじ機構を備え、駆動軸25を進退させることで、トグル機構20を作動させる。
トグル機構20は、例えば、型開閉方向と平行な方向に進退自在なクロスヘッド24、クロスヘッド24に揺動自在に取り付けられた第2トグルレバー23、トグルサポート15に揺動自在に取り付けられた第1トグルレバー21、及び、可動プラテン13に揺動自在に取り付けられたトグルアーム22を有する。第1トグルレバー21と第2トグルレバー23との間、及び、第1トグルレバー21とトグルアーム22との間は、それぞれ、リンク結合される。このトグル機構20は、いわゆる、内巻5節点ダブルトグル機構であり、上下が対称の構成を有する。
固定プラテン12、可動プラテン13、トグルサポート15、トグル機構20、型締用モータ26等によって型締装置が構成される。
次に、上記構成の射出成形機10の動作を説明する。
型開き完了の状態(図2の状態)で、型締め用モータ26を正方向に駆動し、被駆動部材としてのクロスヘッド24を前進させることによって、トグル機構20を作動させる。そうすると、可動プラテン13が前進させられ、図1に示すように可動金型33と固定金型32とが接触し、型閉じが完了する。
続いて、型締め用モータ26を更に正方向に駆動すると、トグル機構20は、型締め用モータ26による推進力にトグル倍率を乗じた型締力を発生させる。その型締力によって型締めが行われる。そして、型締め状態の固定金型32と可動金型33との間に図示されないキャビティ空間が形成される。キャビティ空間に溶融樹脂が充填され、固化されて成形品となる。
続いて、型締め用モータ26を逆方向に駆動し、クロスヘッド24を後退させ、トグル機構20を作動させると、可動プラテン13が後退させられ、型開きが行われる。その後、エジェクタ装置を作動させることによって、成形品が可動金型33から突き出される。
尚、本実施形態の型締装置は、トグル機構20を使用して型締力を発生させるが、トグル機構20を使用することなく、型締用モータ26によって発生した推進力を直接型締力として可動プラテン13に伝達してもよい。また、型締用シリンダによって発生した推進力を直接型締力として可動プラテン13に伝達してもよい。また、リニアモータによって型開閉を行い、電磁石によって型締めを行ってもよく、型締装置の方式に制限はない。
図3は、可動プラテン側から見た固定プラテンの一例を示す図である。図3において、固定プラテン12におけるタイバー16を貫通させる孔の図示を省略する。また、図3において、プレート51L、51Rが存在しているために見えない部分も図示してある。図4は、図3のIV−IV線に沿った断面図である。
図3に示すように、固定プラテン12は、固定プラテン支持部材40L、40Rを介してフレーム11に固定される。
固定プラテン支持部材40L、40Rは、固定プラテン12を挟んで左右両側に設けられる。固定プラテン支持部材40L、40Rは、フレーム11に立設され、固定プラテン12を型開閉方向と垂直な側方(左右方向)から支持する。左右方向、前後方向(型開閉方向)、及び上下方向は、互いに垂直な方向である。
固定プラテン支持部材40L、40Rは、固定プラテン12を載置する載置面を有し、固定プラテン12をフレーム11から離して支持する。固定プラテン12とフレーム11とは接触しておらず、固定プラテン12とフレーム11との間に隙間が形成されている。そのため、射出成形時に高温の金型装置30と接触する固定プラテン12から、固定プラテン12よりも低温のフレーム11に熱が移動し難く、固定プラテン12の傾きの原因となる温度ムラが生じ難い。よって、固定プラテン12の傾きを抑えることができ、固定金型32と可動金型33との平行度を保つことができ、固定金型32と可動金型33との型締力の分布を金型装置30の中心線に対して対称に保つことができる。
固定プラテン支持部材40L、40Rは、図3に示すように、フレーム11に取り付けられる基部41L、41R、基部41L、41Rから上方に突出する柱部42L、42R、及び柱部42L、42Rの先端から水平に突出する嵌合部43L、43Rを備える。
基部41L、41R、及び柱部42L、42Rは、図3に示すように、固定プラテン12と接触しておらず、固定プラテン12との間に隙間を形成する。固定プラテン12から、固定プラテン支持部材40L、40Rを介して、フレーム11に熱が移動し難い。そのため、固定プラテン12の温度分布が金型装置30の中心線に対して対称になりやすい。
基部41L、41Rは、図3に示すように、柱部42L、42Rの少なくとも一部よりも左右方向に長くてよい。基部41L、41Rとフレーム11との接触面が左右方向に長くなるので、基部41L、41Rが嵌合部43L、43Rの左右方向への移動を抑制できる。すると、固定プラテン12が左右方向に熱膨張し難くなるので、固定プラテン12の中心線が左右方向にずれ難い。固定プラテン12は、左右方向に熱膨張し難くなる分、上下方向に熱膨張し易くなるが、フレーム11と離れているので、上下に均等に伸びることができる。そのため、固定プラテン12の中心線の上下方向の位置は、固定プラテン支持部材40L、40Rの上下方向への伸びで主に決まる。そして、固定プラテン支持部材40L、40Rと、可動プラテン支持部材60L、60Rとは、同程度に加熱され、同程度に上下方向に伸びる。そのため、固定プラテン12の中心線と、可動プラテン13の中心線とは、同じ方向(例えば上方)に同時に移動するので、上下方向にずれ難い。よって、固定プラテン12の中心線と、可動プラテン13の中心線とがずれ難い。
基部41L、41Rは、柱部42L、42Rの少なくとも一部よりも左右方向に長くなるように、図3に示すように、固定プラテン12とフレーム11との間に形成される隙間に向けて、柱部42L、42Rから左右方向内側に突出してよい。基部41L、41Rが柱部42L、42Rから左右方向外側に突出しておらず、フレーム11の左右方向長さが短く、射出成形機10の小型化が可能である。基部41L、41Rの端部は、固定プラテン12とフレーム11との間の隙間に入り込んでいてよい。
嵌合部43、43Rは、固定プラテン12と嵌合する。嵌合部43L、43Rは、固定プラテン12の側面の上下方向中央部を支持してよい。
固定プラテン支持部材40L、40Rと、固定プラテン12とが嵌合される。つまり、固定プラテン支持部材40L、40R、及び固定プラテン12の一方に形成される凸部と、他方に形成される凹部とが嵌合される。
固定プラテン12と固定プラテン支持部材40L、40Rとを嵌合させると、固定プラテン12と固定プラテン支持部材40L、40Rとの相対的な移動を制限することができる。例えば、図3に示すように、固定プラテン支持部材40L、40Rは、固定プラテン12を左右両側から挟み、フレーム11に対する固定プラテン12の左右方向の位置が決まる。また、固定プラテン支持部材40L、40Rは、フレーム11と所定の間隔をおいて固定プラテン12を支持し、フレーム11に対する固定プラテン12の上下方向の位置が決まる。
固定プラテン12及び固定プラテン支持部材40L、40Rの一方には他方を摺動自在に嵌合する案内溝が設けられる。例えば図3に示すように、固定プラテン12の側面には、固定プラテン支持部材40L、40R(詳細には嵌合部43L、43R)を摺動自在に嵌合する案内溝18L、18Rが設けられている。
案内溝18L、18Rは、固定プラテン支持部材40L、40Rに対して固定プラテン12を前後方向(型開閉方向)に案内してよい。固定プラテン12の案内方向(例えば前後方向)の位置は、位置調整部50L、50Rにより調整可能である。
位置調整部50L、50Rは、例えば固定プラテン12に固定されるプレート51L、51R、プレート51L、51Rの貫通孔に挿通されるボルト52L、52R、及び固定プラテン支持部材40L、40Rに形成され、ボルト52L、52Rを螺合するボルト孔等で構成される。左右の位置調整部50L、50Rの構成は略同一であるので、図4に基づいて、一方の位置調整部50Rについて説明し、他方の位置調整部50Lについて説明を省略する。
プレート51Rは、例えば固定プラテン12における金型取り付け面にボルト等で取り外し可能に固定される。固定プラテン12における金型取り付け面には、固定金型32を取り付けるためのボルト孔が多数形成されており、これらのボルト孔を利用してプレート51Rを固定プラテン12に固定できる。
ボルト52Rは、プレート51Rを貫通し、固定プラテン支持部材40Rのボルト孔53Rに螺合される。ボルト52Rをボルト孔53Rにねじ込むことで、ボルト52Rの頭部がプレート51Rを前方に押し、固定プラテン12を前進させる。
尚、位置調整部50L、50Rは、上記の構成に限定されない。例えば、固定プラテン支持部材40Rには、ボルト孔53Rが形成されておらず、ボルトが突設されていてもよい。このボルトはプレート51Rを貫通し、ボルトの先端部にナットが螺合される。ナットを回転させながら前進させることで、ナットがプレート51Rを前方に押し、固定プラテン12を前進させる。また、プレート51Rは、固定プラテン12における金型取り付け面とは反対側の面に固定されてもよい。
固定プラテン支持部材40L、40Rに対する固定プラテン12の案内方向(例えば前後方向)の基準位置は、位置決め部としての位置決めピン55L、55Rにより決定される。左右の位置決めピン55L、55Rの構成は略同一であるので、一方の位置決めピン55Rについて説明し、他方の位置決めピン55Lについて説明を省略する。
位置決めピン55Rは、例えば固定プラテン12に形成される案内溝18Rに固定されてよい。位置決めピン55Rは、案内溝18Rから突出しないように構成される。案内溝18Rに固定される位置決めピン55Rと、案内溝18Rに摺動自在に嵌合される固定プラテン支持部材40Rとの接触位置が、固定プラテン支持部材40Rに対する固定プラテン12の基準位置(図4に示す位置)となる。
位置決めピン55Rは、固定プラテン12の案内溝18Rに複数固定されてよい。複数の位置決めピン55Rが同時に固定プラテン支持部材40Rと接触することで、固定プラテン支持部材40Rに対する固定プラテン12の姿勢の自由度が少なくなり、固定プラテン12の姿勢が安定化する。
尚、本実施形態の位置決め部は、固定プラテン12と別に設けられるが、固定プラテン12の一部として設けられてもよい。例えば、位置決め部は、固定プラテン12の案内溝18Rの側壁に形成される段差部であってもよい。
次に、図3及び図4等に基づいて、上記構成の固定プラテン12及び固定プラテン支持部材40L、40Rの組み立て方法について説明する。
先ず、クレーン等で吊り下げた固定プラテン12と固定プラテン支持部材40L、40Rとを嵌合させ、固定プラテン12と固定プラテン支持部材40L、40Rとの相対的な移動を制限する。また、固定プラテン支持部材40L、40Rをフレーム11に対して固定する。
その結果、例えば図3に示すように、固定プラテン支持部材40L、40Rは、固定プラテン12を左右両側から挟み、フレーム11に対する固定プラテン12の左右方向の位置が決まる。また、固定プラテン支持部材40L、40Rは、フレーム11と所定の間隔をおいて固定プラテン12をおいて支持し、フレーム11に対する固定プラテン12の上下方向の位置が決まる。
このように、固定プラテン12と固定プラテン支持部材40L、40Rとを嵌合させることで、フレーム11に対する固定プラテン12の位置合わせ作業の少なくとも一部が行われるので、位置合わせ作業が容易である。
次いで、固定プラテン12にプレート51L、51Rを固定する。また、プレート51L、51Rを貫通するボルト52L、52Rの先端部を、固定プラテン支持部材40L、40Rのボルト孔にねじ込み、位置調整部50L、50Rを作動させる。
すると、ボルト52L、52Rの頭部がプレート51L、51Rと接触し、プレート51L、51Rを前方に押し、固定プラテン12を前進させる。固定プラテン12と共に前進する位置決めピン55L、55Rが、固定プラテン支持部材40L、40Rと接触すると、固定プラテン12の前進が止まり、フレーム11に対する固定プラテン12の前後方向の位置が決まる。
次いで、固定プラテン支持部材40L、40Rと固定プラテン12とをボルト等で締結し、フレーム11に対する固定プラテン12の前後方向の位置を基準位置(図4に示す位置)で固定する。作業者の熟練度等に関係なく、フレーム11に対する固定プラテン12の前後方向の位置を決めることができる。
その後、固定プラテン支持部材40L、40Rのボルト孔からボルト52L、52Rを抜き取り、固定プラテン12からプレート51L、51Rを取り外す。固定プラテン12の金型取り付け面に、固定金型32が取り付けられる。
図5は、固定プラテン側から見た可動プラテンの一例を示す図である。図5において、プレート71L、71Rが存在しているために見えない部分も図示してある。また、図5において、可動プラテン13におけるタイバー16を貫通させる孔の図示を省略する。図6は、図5のVI-VI線に沿った断面図である。
図5に示すように、可動プラテン13は、可動プラテン支持部材60L、60Rを介してスライダ14L、14Rに固定される。
可動プラテン支持部材60L、60Rは、可動プラテン13を挟んで左右両側に設けられる。可動プラテン支持部材60L、60Rは、スライダ14L、14Rに立設され、可動プラテン13を側方から支持する。
可動プラテン支持部材60L、60Rは、可動プラテン13を載置する載置面を有し、可動プラテン13をフレーム11から離して支持する。可動プラテン13とフレーム11とは接触しておらず、可動プラテン13とフレーム11との間に隙間が形成されている。よって、射出成形時に高温の金型装置30と接触する可動プラテン13から、可動プラテン13よりも低温のフレーム11に熱が移動し難く、可動プラテン13の傾きの原因となる温度ムラが生じ難い。よって、可動プラテン13の傾きを抑えることができる。
可動プラテン支持部材60L、60Rは、図5に示すように、スライダ14L、14Rに取り付けられる基部61L、61R、基部61L、61Rから上方に突出する柱部62L、62R、及び柱部62L、62Rの先端から水平に突出する嵌合部63L、63Rを備える。
基部61L、61R、及び柱部62L、62Rは、図5に示すように、可動プラテン13と接触しておらず、可動プラテン13との間に隙間を形成する。可動プラテン13から、可動プラテン支持部材60L、60Rを介して、フレーム11に熱が移動し難い。そのため、可動プラテン13の温度分布が金型装置30の中心線に対して対称になりやすい。
基部61L、61Rは、図5に示すように、柱部62L、62Rの少なくとも一部よりも左右方向に長くてよい。基部61L、61Rが嵌合部63L、63Rの左右方向への移動を抑制できる。すると、可動プラテン13が左右方向に熱膨張し難くなるので、可動プラテン13の中心線が左右方向にずれ難い。可動プラテン13は、左右方向に熱膨張し難くなる分、上下方向に熱膨張し易くなるが、フレーム11と離れているので、上下に均等に伸びることができる。そのため、可動プラテン13の中心線の上下方向の位置は、可動プラテン支持部材60L、60Rの上下方向への伸びで主に決まる。そして、可動プラテン支持部材60L、60Rと、固定プラテン支持部材40L、40Rとは、同程度に加熱され、同程度に上下方向に伸びる。そのため、可動プラテン13の中心線と、固定プラテン12の中心線とは、同じ方向(例えば上方)に同時に移動するので、上下方向にずれ難い。よって、可動プラテン13の中心線と、固定プラテン12の中心線とがずれ難い。
基部61L、61Rは、柱部62L、62Rの少なくとも一部よりも左右方向に長くなるように、図5に示すように、可動プラテン13とフレーム11との間に形成される隙間に向けて、柱部62L、62Rから左右方向内側に突出してよい。基部61L、61Rが柱部62L、62Rから左右方向外側に突出しておらず、フレーム11の左右方向長さが短く、射出成形機10の小型化が可能である。基部61L、61Rの端部は、可動プラテン13とフレーム11との間の隙間に入り込んでいてよい。
嵌合部63L、63Rは、可動プラテン13と嵌合する。嵌合部63L、63Rは、可動プラテン13の側面の上下方向中央部を支持してよい。
可動プラテン支持部材60L、60Rと、可動プラテン13とが嵌合される。つまり、可動プラテン支持部材60L、60R、及び可動プラテン13の一方に形成される凸部と、他方に形成される凹部とが嵌合される。これにより、可動プラテン13と可動プラテン支持部材60L、60Rとの相対的な移動を制限することができる。例えば、図5に示すように、可動プラテン支持部材60L、60Rは、可動プラテン13を左右両側から挟み、フレーム11に対する可動プラテン13の左右方向の位置が決まる。また、可動プラテン支持部材60L、60Rは、フレーム11と所定の間隔をおいて可動プラテン13を支持し、フレーム11に対する可動プラテン13の上下方向の位置が決まる。このように、可動プラテン13と可動プラテン支持部材60L、60Rとを嵌合させることで、フレーム11に対する可動プラテン13の位置合わせ作業の少なくとも一部が行われるので、位置合わせ作業が容易である。
可動プラテン13及び可動プラテン支持部材60L、60Rの一方には他方を摺動自在に嵌合する案内溝が設けられる。例えば図5に示すように、可動プラテン13の側面には、可動プラテン支持部材60L、60R(詳細には嵌合部63L、63R)を摺動自在に嵌合する案内溝19L、19Rが設けられている。
案内溝19L、19Rは、可動プラテン支持部材60L、60Rに対して可動プラテン13を前後方向(型開閉方向)に案内してよい。可動プラテン13の案内方向(例えば前後方向)の位置は、位置調整部70L、70Rにより調整可能である。
位置調整部70L、70Rは、例えば可動プラテン13に固定されるプレート71L、71R、プレート71L、71Rの貫通孔に挿通されるボルト72L、72R、及び可動プラテン支持部材60L、60Rに形成され、ボルト72L、72Rを螺合するボルト孔等で構成される。左右の位置調整部70L、70Rの構成は、略同一であるので、図6に基づいて、一方の位置調整部70Rについて説明し、他方の位置調整部70Lについて説明を省略する。
プレート71Rは、例えば可動プラテン13における金型取り付け面にボルト等で取り外し可能に固定される。可動プラテン13における金型取り付け面には、可動金型33を取り付けるためのボルト孔が多数形成されており、これらのボルト孔を利用してプレート71Rを可動プラテン13に固定できる。
ボルト72Rは、プレート71Rを貫通し、可動プラテン支持部材60Rのボルト孔73Rに螺合される。ボルト72Rをボルト孔73Rにねじ込むことで、ボルト72Rの頭部がプレート71Rを後方に押し、可動プラテン13を後退させる。
尚、位置調整部70L、70Rは、位置調整部50L、50Rと同様に、上記の構成に限定されない。
可動プラテン支持部材60L、60Rに対する可動プラテン13の案内方向(例えば前後方向)の基準位置は、位置決め部としての位置決めピン75L、75Rにより決定される。左右の位置決めピン75L、75Rの構成は略同一であるので、一方の位置決めピン75Rについて説明し、他方の位置決めピン75Lについて説明を省略する。
位置決めピン75Rは、例えば可動プラテン13に形成される案内溝19Rに固定されてよい。位置決めピン75Rは、案内溝19Rから突出しないように構成される。案内溝19Rに固定される位置決めピン75Rと、案内溝19Rに摺動自在に嵌合される可動プラテン支持部材60Rとの接触位置が、可動プラテン支持部材60Rに対する可動プラテン13の基準位置(図6に示す位置)となる。
位置決めピン75Rは、可動プラテン13の案内溝19Rに複数固定されてよい。複数の位置決めピン75Rが同時に可動プラテン支持部材60Rと接触することで、可動プラテン支持部材60Rに対する可動プラテン13の姿勢の自由度が少なくなり、可動プラテン13の姿勢が安定化する。
尚、本実施形態の位置決め部は、可動プラテン13と別に設けられるが、可動プラテン13の一部として設けられてもよい。例えば、位置決め部は、可動プラテン13の案内溝19Rの側壁に形成される段差部であってもよい。
尚、可動プラテン13及び可動プラテン支持部材60L、60Rの組み立て方法は、固定プラテン12及び固定プラテン支持部材40L、40Rの組み立て方法と略同一であるので説明を省略する。
以上、射出成形機の一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、置換が可能である。
例えば、上記実施形態の射出成形機は、固定プラテン支持部材40L、40Rと、可動プラテン支持部材60L、60Rとの両方を有するが、いずれか一方(例えば、固定プラテン支持部材40L、40R)のみを有してもよい。
また、上記実施形態では、型締め時のタイバー16の伸びを許容するため、タイバー16で連結される固定プラテン12とトグルサポート15のうち、トグルサポート15がフレーム11に対して進退可能となっているが、トグルサポート15がフレーム11に固定され、固定プラテン12がフレーム11に対して進退可能となっていてもよい。この場合、固定プラテン12を支持する固定プラテン支持部材40L、40Rはガイド17L、17Rに沿って移動自在なスライダに取り付けられてよい。
また、上記実施形態では、プラテン支持部材側に形成される凸部と、プラテン側に形成される凹部とが嵌合されるが、凸部と凹部との配置は逆であってもよい。例えば、図7に示すように、固定プラテン支持部材140L、140R側に形成される凹部と、プラテン112側に形成される凸部とが嵌合されてもよい。
また、上記実施形態では、プラテン及びプラテン支持部材の一方には、他方に形成される凸部を摺動自在に嵌合する案内溝18L、18R、19L、19Rが設けられるが、案内溝の代わりに、凸部よりも僅かに大きい凹部が設けられてもよい。凹部は、凸部を凸部の挿入方向と垂直な方向に移動困難に嵌合する。
また、上記実施形態の案内溝18L、18R、19L、19Rは、プラテン支持部材に対してプラテンを型開閉方向(前後方向)に案内するが、型開閉方向に対して斜め方向に案内してもよい。
図8は、固定プラテンに形成される案内溝の変形例を示す図である。図8(a)は固定プラテン支持部材に対する固定プラテンの案内方向の位置が基準位置のときの状態を示し、図8(b)は固定プラテン支持部材に対する固定プラテンの案内方向の位置が基準位置から変位したときの状態を示す。図8(b)において、図8(a)の固定プラテン212の位置を破線で示す。本変形例の内容は、可動プラテンに形成される案内溝にも適用できる。
図8の固定プラテン支持部材240Rと、図示されない固定プラテン支持部材とが固定プラテン212を左右両側から挟み、フレーム11に対する固定プラテン212の左右方向の位置が決まる。図8の固定プラテン212の側面に形成される案内溝218Rは、側面視において、固定プラテン支持部材240Rに対して固定プラテン212を、型開閉方向に対して斜め方向に案内する。固定プラテン212の案内方向の位置は、位置調整部50Rにより調整可能である。また、固定プラテン212の案内方向の基準位置は、位置決め部としての位置決めピン55Rにより決定される。例えば、図8(a)に示す状態で、位置調整部50Rを作動させることで、図8(b)に示すように、固定プラテン212が上下動し、固定プラテン212と可動プラテン13との上下方向の位置合わせが可能である。固定プラテン212の上下方向の変位量は、位置調整部50Rのボルト52Rの回転量で調整可能である。
図9は、固定プラテンに形成される案内溝の別の変形例を示す図である。図9(a)は図3に相当する図、図9(b)は図9(a)のB−B線に沿った断面図である。図9(b)は、固定プラテン支持部材に対する固定プラテンの案内方向の位置が基準位置のときの状態を示し、図9(c)は固定プラテン支持部材に対する固定プラテンの案内方向の位置が基準位置から変位したときの状態を示す。図9(c)において、図9(b)の固定プラテン312の位置を破線で示す。図9において、ボルト52Lを螺合するボルト孔53Lも図示する。本変形例の内容は、可動プラテンに形成される案内溝にも適用できる。
図9の固定プラテン支持部材340L、340Rはフレーム11と所定の間隔をおいて固定プラテン312を支持し、フレーム11に対する固定プラテン312の上下方向の位置が決まる。図9の固定プラテン312の側面に形成される案内溝318L、318Rは、上面視において、固定プラテン支持部材340L、340Rに対して固定プラテン312を、型開閉方向に対して斜め方向に案内する。固定プラテン312の案内方向の位置は、位置調整部50L、50Rにより調整可能である。また、固定プラテン312の案内方向の基準位置は、位置決め部としての位置決めピン55L、55Rにより決定される。例えば、図9(b)に示す状態で、位置調整部50L、50Rを作動させることで、図9(c)に示すように、固定プラテン312が左右に移動し、固定プラテン312と可動プラテン13との左右方向の位置合わせが可能である。固定プラテン312の左右方向の変位量は、位置調整部50L、50Rのボルト52L、52Rの回転量で調整可能である。
また、上記実施形態の案内溝18L、18R、19L、19Rは、案内方向と垂直な断面形状が矩形状であるが、その断面形状は特に限定されない。例えば、案内方向と垂直な断面形状は台形状であって、案内方向と垂直な方向へのプラテン支持部材の移動が制限されてよい。この場合、プラテン支持部材は、案内方向にスライドさせながら案内溝に挿入させ、嵌合させる。
また、上記実施形態の位置調整部50L、50R、70L、70Rは、射出成形機10の組み立て時に作動するが、射出成形時に作動してもよい。例えば、金型装置30の温度に応じて、フレーム11に対する固定プラテン12の前後方向(型開閉方向)の位置を調整してもよい。
また、上記実施形態の左右一対の位置調整部50L、50Rの一方が作動し、固定プラテン12の中心線が型開閉方向と平行になるように、固定プラテン12の左端部又は右端部を前進させてもよい。同様に、左右一対の位置調整部70L、70Rの一方が作動し、可動プラテン13の中心線が型開閉方向と平行になるように、可動プラテン13の左端部又は右端部を前進させてもよい。
また、上記実施形態のプラテン支持部材は、型開閉方向と垂直な側方(左右方向)からプラテンを支持するが、左右方向からプラテンを支持すると共に、金型取り付け面と反対側(可動プラテン支持部材の場合は後方、固定プラテン支持部材の場合は前方)からプラテンを支持してもよい。
図10は、可動プラテン支持部材の変形例を示す図であって、トグル機構側(つまり後方)から見た図である。図10において、タイバー16の図示を省略する。図11は、可動プラテン支持部材の変形例を示す図であって、型開閉方向と垂直な右側方から見た図である。本変形例の内容は、固定プラテン支持部材にも適用できる。
可動プラテン支持部材460L、460Rは、可動プラテン413を挟んで左右両側に設けられる。可動プラテン支持部材460L、460Rは、可動プラテン413を載置する載置面を有し、可動プラテン413をフレーム11から離間して支持する。可動プラテン支持部材460L、460Rは、型開閉方向と垂直な側方(左右方向)から可動プラテン413を支持すると共に、金型取り付け面と反対側(後方)から可動プラテン413を支持する。
可動プラテン支持部材460L、460Rは、図10に示すように、スライダ14L、14Rに取り付けられる基部461L、461R、基部461L、461Rから上方に突出する柱部462L、462R、柱部462L、462Rの先端から水平に突出する嵌合部463L、463R、及び嵌合部463L、463Rに固定されるプレート部464L、464Rを備える。
基部461L、461R、柱部462L、462R、及び嵌合部463L、463Rは、図5の基部61L、61R、柱部62L、62R、及び嵌合部63L、63Rと同じ構成であるので、説明を省略する。
プレート部464L、464Rは、嵌合部463L、463Rと一体に形成されてもよいし、嵌合部463L、463Rと別に形成され、嵌合部463L、463Rにボルトなどで固定されてもよい。
プレート部464L、464Rは、可動プラテン413の金型取り付け面と反対側の面(後端面)にボルト(例えば、後述の位置調整部470L、470Rのボルト471L〜472R)などで固定され、金型取り付け面と反対側(後方)から可動プラテン413を支持する。
尚、図11では、プレート部464Rが可動プラテン413の後端面と接触しているが、離間していてもよい。この場合、プレート部464Rは、ボルト471R、472Rを介して、後方から可動プラテン413を支持する。
ところで、可動プラテン413の後端面には、図11等に示すように、上下一対のトグル取付け部434、435が設けられている。各トグル取付け部434、435には、図1等に示すトグルアーム22が揺動自在に取り付けられる。トグル機構20が作動し、可動プラテン413が進退するとき、一対のトグル取付け部434、435の一方に他方よりも大きな力が加わることがある。そうすると、可動プラテン413を前傾又は後傾させる力が生じる。
本変形例では、可動プラテン支持部材460L、460Rが後方から可動プラテン413を支持するので、トグル機構20の作動時に可動プラテン413の前傾や後傾を抑制でき、可動金型33の前傾や後傾を抑制できる。
この効果は、図10に示すように、プレート部464L、464Rにおいて、可動プラテン413と結合される部分が、可動プラテン支持部材460L、460Rと結合される部分よりも上下方向(一対のトグル取付け部434,435を結ぶ方向)に長い場合に顕著である。プレート部464L、464Rは、図10に示すようにT字状でもよいし、L字状でもよく、その形状は特に限定されない。
尚、可動プラテン支持部材460L、460Rの嵌合部463L、463Rは、可動プラテン413と嵌合することで、可動プラテン413の前傾や後傾をある程度抑制できる。
図12は、図10のXII-XII線に沿った断面図であって、位置調整部の動作を示す図である。図12(a)は、可動プラテン支持部材460R、460Lと可動プラテン413とを嵌合し、ボルト472L、472Rの頭部がプレート部464L、464Rに接触したときの状態を示す。図12(b)は可動プラテン支持部材460R、460Lに対する可動プラテン413の位置が基準位置のときの状態を示す。可動プラテン413の側面には、可動プラテン支持部材460L、460R(詳細には嵌合部463L、463R)を摺動自在に嵌合する案内溝419L、419Rが設けられている。
位置調整部470L、470Rは、可動プラテン支持部材460L、460Rに対する可動プラテン413の案内方向の位置を調整する。位置調整部470L、470Rは、例えば、プレート部464L、464Rを貫通するボルト471L〜472R(図10等参照)、及び可動プラテン413に形成され、ボルト471L〜472Rを螺合するボルト孔等で構成される。
ボルト471L〜472Rは、プレート部464L、464Rを貫通し、可動プラテン413のボルト孔に螺合される。可動プラテン413のボルト孔にボルト471L〜472Rをねじ込むことで、ボルト471L〜472Rの頭部がプレート部464L、464Rを前方に押し、反動で可動プラテン413が後退する。
可動プラテン支持部材460L、460Rに対する可動プラテン413の案内方向(例えば前後方向)の基準位置は、位置決め部としての可動プラテン413の後端面により決定される。可動プラテン413の後端面と、プレート部464L、464Rとの接触位置が基準位置となる。
図13は、図12の変形例を示す図である。本変形例の内容は、可動プラテン支持部材にも適用できる。図13に示す例は、可動プラテン413の金型取り付け面とは反対側の面(後端面)に、プレート部464L、464Rを嵌合する嵌合溝436L、436Rが設けられている点で、図12に示す例と相違する。以下、相違点について主に説明する。
図13(a)に示す状態で、可動プラテン413のボルト孔にボルト471L〜472Rをねじ込むと、ボルト471L〜472Rの頭部がプレート部464L、464Rを前方に押し、反動で可動プラテン413が後退する。そうすると、図13(b)に示すように、可動プラテン413の嵌合溝436L、436Rの溝底面と、プレート部464L、464Rとが接触し、位置決めをすることができる。この場合、可動プラテン413の嵌合溝436L、436Rが位置決め部となる。
ところで、上記実施形態のプラテン支持部材は、型開閉方向と垂直な側方(左右方向)からプラテンを支持するが、型開閉方向と垂直な側方(左右方向)からプラテンを支持しなくてもよい。例えば、プラテン支持部材は、金型取り付け面と反対側(可動プラテン支持部材の場合は後方、固定プラテン支持部材の場合は前方)からプラテンを支持してもよい。
図14は、可動プラテン支持部材の別の変形例を示す図である。図14は型開閉方向と垂直な右側方から見た図である。本変形例の内容は、固定プラテン支持部材にも適用できる。
図14に示す可動プラテン支持部材560Rは、型開閉方向と垂直な側方(左右方向)から可動プラテンを支持せずに、後方から可動プラテン513を支持する。
可動プラテン支持部材560Rは、図14に示すように、スライダ14Rに取り付けられる基部561R、基部561Rから上方に突出する柱部562R、及び柱部562Rの先端から水平に突出する嵌合部563Rを備える。
基部561R、及び柱部562Rは、図14に示すように、可動プラテン513と接触しておらず、可動プラテン513との間に隙間を形成する。可動プラテン513から、可動プラテン支持部材560Rを介して、フレーム11に熱が移動し難い。そのため、可動プラテン513の温度分布が金型装置30の中心線に対して対称になりやすい。
基部561Rは、図14に示すように、柱部562Rの少なくとも一部よりも前後方向に長くてよい。基部561Rが嵌合部563Rの前後方向への移動を抑制でき、可動プラテン513の前傾や後傾を抑制できる。
基部561Rは、柱部562Rの少なくとも一部よりも前後方向に長くなるように、図14に示すように、可動プラテン513とフレーム11との間に形成される隙間に向けて、柱部562Rから前方に突出してよい。可動プラテン513と可動プラテン支持部材560Rとの合計の前後方向長さが比較的短くなる。基部561Rの端部は、可動プラテ5ン13とフレーム11との間の隙間に入り込んでいてよい。
嵌合部563Rは、可動プラテン513と嵌合する。嵌合部563Rは、可動プラテン513の側面の上下方向中央部を支持してよい。
可動プラテン支持部材560Rは、フレーム11と所定の間隔をおいて可動プラテン513を支持し、フレーム11に対する可動プラテン513の上下方向の位置が決まる。可動プラテン513と可動プラテン支持部材560Rとを嵌合させることで、フレーム11に対する可動プラテン513の位置合わせ作業の少なくとも一部が行われるので、位置合わせ作業が容易である。
図15は、固定プラテン支持部材の変形例を示す図であって、前方から見た図である。図15において、固定プラテン612におけるタイバー16を貫通させる孔の図示を省略する。図16は、固定プラテン支持部材の変形例を示す図であって、型開閉方向と垂直な右側方から見た図である。本変形例の内容は、可動プラテン支持部材にも適用できる。
固定プラテン612は、固定金型が取り付けられる固定プラテン本体627と、固定プラテン本体627の側面から突出する突出部628L、628Rとを備える。突出部628L、628Rは、固定プラテン本体627を挟んで左右両側に設けられる。
固定プラテン支持部材640L、640Rは、固定プラテン612を挟んで左右両側に設けられる。固定プラテン支持部材640L、640Rは、固定プラテン612の突出部628L、628Rを載置する載置面を有し、固定プラテン612をフレーム11から離間して支持する。固定プラテン支持部材640L、640Rは、型開閉方向と垂直な側方(左右方向)から固定プラテン612を支持すると共に、金型取り付け面と反対側(前方)から固定プラテン612を支持する。
固定プラテン支持部材640L、640Rは、フレーム11に立設される柱部642L、642Rと、柱部642L、642Rの先端から水平に突出する嵌合部643L、643Rと、嵌合部643L、643Rに固定されるプレート部644L、644Rとを備える。
柱部642L、642Rは、フレーム11に直接固定されている点で、図3に示す柱部42L、42Rと異なるが、それ以外の点では、図3に示す柱部42L、42Rと同じ構成なので、説明を省略する。
尚、本変形例の柱部642L、642Rは、フレーム11に直接固定されるが、図3に示す柱部42L、42Rと同様に、図3に示す基部41L、41Rを介してフレーム11に固定されてもよい。
嵌合部643L、643Rは、固定プラテン612の突出部628L、628Rを挿入する溝618L、618Rを有し、固定プラテン本体627と嵌合する。溝618L、618Rは、位置合わせ時に固定プラテン支持部材640L、640Rに対して固定プラテン612を所定方向に案内する案内溝であってよい。
溝618L、618Rの下側壁面は、突出部628L、628Rを載せる面である。溝618L、618Rの下側壁面は、固定プラテン支持部材640L、640Rと固定プラテン612との位置合わせ後に、突出部628L、628Rの下面に対してボルト646L、646Rで固定される。
溝618L、618Rの底壁面は、固定プラテン本体627の側面に対して平行な面である。溝618L、618Rの底壁面は、固定プラテン支持部材640L、640Rと固定プラテン612との位置合わせ後に、突出部628L、628Rの先端面に対してボルト647L、647Rで固定される。
プレート部644L、644Rは、嵌合部643L、643Rと一体に形成されてもよいし、嵌合部643L、643Rと別に形成され、嵌合部643L、643Rにボルトなどで固定されてもよい。
プレート部644L、644Rの後面は、固定プラテン612の金型取り付け面に対して平行な面である。プレート部644L、644Rの後面は、固定プラテン支持部材640L、640Rと固定プラテン612との位置合わせ後に、固定プラテン本体627の前面に対してボルト648L、648Rで固定される。
このように、固定プラテン支持部材640L、640Rは、固定プラテン612の突出部628L、628Rを載せる面と、固定プラテン本体627の側面に対して平行な面と、固定プラテン612の金型取り付け面に対して平行な面とで、固定プラテン612に対して固定される。固定プラテン支持部材640L、640Rにおける固定プラテン612を固定する3つの固定面の向きは、互いに異なる。
固定プラテン612には、型締めなどによって、左右を軸とする回転モーメントが加わることがある。
固定プラテン支持部材640L、640Rにおける固定プラテン612を固定する3つの固定面のうち、固定プラテン本体627の側面に対して平行な面は、左右方向に対して垂直であるので、左右を軸とする回転モーメントを、面と面との摩擦で押さえる。
一方、上記3つの固定面のうち、残りの2つの固定面は、固定プラテン本体627の側面に対して垂直な面であって、固定プラテン612に加わる回転モーメントを面で押し返す。つまり、上記3つの固定面のうち、残りの2つの固定面は、固定プラテン支持部材640L、640Rの剛性で、固定プラテン612に加わる回転モーメントを押し返す。よって、固定プラテン612の前傾や後傾を抑制することができ、固定金型32の前傾や後傾を抑制することができる。
尚、本変形例では、固定プラテン支持部材640L、640Rと、固定プラテン612とがボルトで固定されるが、例えば溶接などで固定されてもよく、固定方法は多種多様であってよい。
また、固定位置も多種多様であってよい。例えば、本変形例では、プレート部644L、644Rの後面が、固定プラテン本体627の前面に固定されるが、突出部628L、628Rの前面に固定されてもよく、両方に固定されてもよい。
図17は、固定プラテン支持部材の別の変形例を示す図であって、前方から見た図である。図17において、固定プラテン712におけるタイバー16を貫通させる孔の図示を省略する。図18は、固定プラテン支持部材の別の変形例を示す図であって、型開閉方向と垂直な右側方から見た図である。本変形例の内容は、可動プラテン支持部材にも適用できる。
図15及び図16に示す変形例では、固定プラテン側に形成される凸部と、固定プラテン支持部材側に形成される凹部とが嵌合する。これに対して、本変形例は、固定プラテン側に形成される凹部と、固定プラテン支持部材側に形成される凸部とが嵌合する点で相違する。
固定プラテン712は、固定金型が取り付けられる固定プラテン本体727と、固定プラテン本体727の側面から突出する突出部728L、728Rと、固定プラテン本体727の側面に設けられる溝718L、718Rとを備える。突出部728L、728Rは、固定プラテン本体727を挟んで左右両側に設けられる。溝718L、718Rは、位置合わせ時に固定プラテン支持部材740L、740Rに対して固定プラテン712を所定方向に案内する案内溝であってよい。
固定プラテン支持部材740L、740Rは、固定プラテン712を挟んで左右両側に設けられる。固定プラテン支持部材740L、740Rは、固定プラテン712の突出部728L、728Rを載置する載置面を有し、固定プラテン712をフレーム11から離間して支持する。固定プラテン支持部材740L、740Rは、型開閉方向と垂直な側方(左右方向)から固定プラテン712を支持すると共に、金型取り付け面と反対側(前方)から固定プラテン712を支持する。
固定プラテン支持部材740L、740Rは、フレーム11に立設される柱部742L、742Rと、柱部742L、742Rの先端から水平に突出する嵌合部743L、743Rと、嵌合部743L、743Rに固定されるプレート部744L、744Rとを備える。
柱部742L、742Rは、フレーム11に直接固定されている点で、図3に示す柱部42L、42Rと異なるが、それ以外の点では、図3に示す柱部42L、42Rと同じ構成なので、説明を省略する。
尚、本変形例の柱部742L、742Rは、フレーム11に直接固定されるが、図3に示す柱部42L、42Rと同様に、図3に示す基部41L、41Rを介してフレーム11に固定されてもよい。
嵌合部743L、743Rは、固定プラテン本体727の側面に設けられる溝718L、718Rに挿入され、固定プラテン本体727と嵌合する。
嵌合部743L、743Rの上面は、突出部728L、728R、及び固定プラテン本体727を載せる面である。嵌合部743L、743Rの上面は、固定プラテン支持部材740L、740Rと固定プラテン712との位置合わせ後に、突出部728L、728Rの下面に対してボルト746L、746Rで固定される。
嵌合部743L、743Rの先端面は、固定プラテン本体727の側面に対して平行な面である。嵌合部743L、743Rの先端面は、固定プラテン支持部材740L、740Rと固定プラテン712との位置合わせ後に、固定プラテン本体727の側面に設けられる溝718L、718Rの底壁面に対してボルト747L、747Rで固定される。
プレート部744L、744Rは、嵌合部743L、743Rと一体に形成されてもよいし、嵌合部743L、743Rと別に形成され、嵌合部743L、743Rにボルトなどで固定されてもよい。
プレート部744L、744Rの後面は、固定プラテン712の金型取り付け面に対して平行な面である。プレート部744L、744Rの後面は、固定プラテン支持部材740L、740Rと固定プラテン712との位置合わせ後に、突出部728L、728Rの前面に対してボルト748L、748Rで固定される。
このように、固定プラテン支持部材740L、740Rは、固定プラテン712の突出部728L、728Rを載せる面と、固定プラテン本体727の側面に対して平行な面と、固定プラテン712の金型取り付け面に対して平行な面とで、固定プラテン712に対して固定される。固定プラテン支持部材740L、740Rにおける固定プラテン712を固定する3つの固定面の向きは、互いに異なる。
固定プラテン712には、型締めなどによって、左右を軸とする回転モーメントが加わることがある。
固定プラテン支持部材740L、740Rにおける固定プラテン712を固定する3つの固定面のうち、固定プラテン本体727の側面に対して平行な面は、左右方向に対して垂直であるので、左右を軸とする回転モーメントを、面と面との摩擦で押さえる。
一方、上記3つの固定面のうち、残りの2つの固定面は、固定プラテン本体727の側面に対して垂直な面であって、固定プラテン712に加わる回転モーメントを面で押し返す。つまり、上記3つの固定面のうち、残りの2つの固定面は、固定プラテン支持部材740L、740Rの剛性で、固定プラテン712に加わる回転モーメントを押し返す。よって、固定プラテン712の前傾や後傾を抑制することができ、固定金型32の前傾や後傾を抑制することができる。
尚、本変形例では、固定プラテン支持部材740L、740Rと、固定プラテン712とがボルトで固定されるが、例えば溶接などで固定されてもよく、固定方法は多種多様であってよい。
また、固定位置も多種多様であってよい。例えば、本変形例では、プレート部744L、744Rの後面が、突出部728L、728Rの前面に固定されるが、固定プラテン本体727の前面に固定されてもよく、両方に固定されてもよい。
本変形例によれば、固定プラテン支持部材740L、740Rにおける固定プラテン712を固定する3つの固定面の向きが互いに異なるので、固定プラテン支持部材740L、470Rと、固定プラテン712との位置合わせが容易である。
図19は、固定プラテン支持部材のさらに別の変形例を示す図であって、前方から見た図である。図19において、固定プラテン812におけるタイバー16を貫通させる孔の図示を省略する。本変形例の固定プラテン支持部材を右側方から見た図は図18と同様であるので図示を省略する。本変形例の内容は、可動プラテン支持部材にも適用できる。
図17および図18に示す変形例では、固定プラテン支持部材と、固定プラテンとの位置合わせを易化する目的で、固定プラテンと、固定プラテン支持部材とが嵌合する。これに対して、本変形例では、同じ目的で、固定プラテン支持部材が互いに向きの異なる3つの面で固定プラテンに対して固定される。本変形例では、固定プラテンと、固定プラテン支持部材とが嵌合していない。
固定プラテン812は、固定金型が取り付けられる固定プラテン本体827と、固定プラテン本体827の側面から突出する突出部828L、828Rとを備える。突出部828L、828Rは、固定プラテン本体827を挟んで左右両側に設けられる。
固定プラテン支持部材840L、840Rは、固定プラテン812を挟んで左右両側に設けられる。固定プラテン支持部材840L、840Rは、固定プラテン812の突出部828L、828Rを載置する載置面を有し、固定プラテン812をフレーム11から離間して支持する。固定プラテン支持部材840L、840Rは、型開閉方向と垂直な側方(左右方向)から固定プラテン812を支持すると共に、金型取り付け面と反対側(前方)から固定プラテン812を支持する。
固定プラテン支持部材840L、840Rは、フレーム11に立設される柱部842L、842Rと、柱部842L、842Rの先端から水平に突出する係合部843L、843Rと、係合部843L、843Rに固定されるプレート部844L、844Rとを備える。
柱部842L、842Rは、フレーム11に直接固定されている点で、図3に示す柱部42L、42Rと異なるが、それ以外の点では、図3に示す柱部42L、42Rと同じ構成なので、説明を省略する。
尚、本変形例の柱部842L、842Rは、フレーム11に直接固定されるが、図3に示す柱部42L、42Rと同様に、図3に示す基部41L、41Rを介してフレーム11に固定されてもよい。
係合部843L、843Rは、固定プラテン812と係合する。
係合部843L、843Rの上面は、突出部828L、828Rを載せる面である。係合部843L、843Rの上面は、突出部828L、828Rの下面に対してボルト846L、846Rで固定される。
係合部843L、843Rの先端面は、固定プラテン本体827の側面に対して平行な面である。係合部843L、843Rの先端面は、固定プラテン本体827の側面に対してボルト847L、847Rで固定される。
プレート部844L、844Rは、係合部843L、843Rと一体に形成されてもよいし、係合部843L、843Rと別に形成され、係合部843L、843Rにボルトなどで固定されてもよい。
プレート部844L、844Rの後面は、固定プラテン812の金型取り付け面に対して平行な面である。プレート部844L、844Rの後面は、突出部828L、828Rの前面に対してボルト848L、848Rで固定される。
このように、固定プラテン支持部材840L、840Rは、固定プラテン812の突出部828L、828Rを載せる面と、固定プラテン本体827の側面に対して平行な面と、固定プラテン812の金型取り付け面に対して平行な面とで、固定プラテン812に対して固定される。固定プラテン支持部材840L、840Rにおける固定プラテン812を固定する3つの固定面の向きは、互いに異なる。固定プラテン支持部材840L、840Rと、固定プラテン812との位置合わせが容易である。
ところで、固定プラテン812には、型締めなどによって、左右を軸とする回転モーメントが加わることがある。
固定プラテン支持部材840L、840Rにおける固定プラテン812を固定する3つの固定面のうち、固定プラテン本体827の側面に対して平行な面は、左右方向に対して垂直であるので、左右を軸とする回転モーメントを、面と面との摩擦で押さえる。
一方、上記3つの固定面のうち、残りの2つの固定面は、固定プラテン本体827の側面に対して垂直な面であって、固定プラテン812に加わる回転モーメントを面で押し返す。つまり、上記3つの固定面のうち、残りの2つの固定面は、固定プラテン支持部材840L、840Rの剛性で、固定プラテン812に加わる回転モーメントを押し返す。よって、固定プラテン812の前傾や後傾を抑制することができ、固定金型32の前傾や後傾を抑制することができる。
尚、本変形例では、固定プラテン支持部材840L、840Rと、固定プラテン812とがボルトで固定されるが、例えば溶接などで固定されてもよく、固定方法は多種多様であってよい。
また、固定位置も多種多様であってよい。例えば、本変形例では、プレート部844L、844Rの後面が、突出部828L、828Rの前面に固定されるが、固定プラテン本体827の前面に固定されてもよく、両方に固定されてもよい。