JP3160508B2 - 含クロム溶鋼の脱炭精錬方法 - Google Patents
含クロム溶鋼の脱炭精錬方法Info
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Description
脱炭精錬方法に関し、とくにスラグ中の有価金属を還元
回収しない未還元法において、精錬中におけるCr酸化量
を低減すると共に、リサイクルスラグを有効に活用する
ことにより、精錬能率の一層の向上を図ろうとするもの
である。
吹錬中に酸化生成したクロム酸化物を、吹精終了後、Al
やFeSiなどの還元剤によって鋼中に還元回収している。
また、この発明法のように、還元剤を使用せず、クロム
酸化物を含有するスラグを次回の脱炭精錬またはクロム
鉱石の溶融還元精錬にリサイクル使用する方法もある。
かようなリサイクル方法としては、特開平7-62413号公
報、特開昭62−243711号公報および特開平2−232312号
公報に記載の方法がある。
昭62−243711号公報に記載の方法は、脱炭精錬終了後、
未還元スラグを炉内に残留させ、次回の脱炭精錬工程の
高炭素濃度操業中に、次式 (Cr2O3) + 3〔C〕= 2〔Cr〕+ 3 CO の反応により還元回収するものである。
方法では、スラグの増加に伴ってクロム酸化量の増加を
招き、その結果クロムの酸化ロスが増大するというとこ
ろに問題を残していた。また、脱炭精錬後の含クロムス
ラグを還元せずに、次のチャージまたは溶融還元炉にリ
サイクルする場合は、上掲式の反応が生じにくいという
ところに問題を残していた。
く開発されたもので、脱炭精錬によって生成したスラグ
中のクロムを還元回収しない未還元法において、スラグ
量増加に伴うクロム酸化量の増大を阻止するために、
スラグ量を低減する、同一スラグ量においても、より
低塩基度として次式 (Cr2O3) + 3〔C〕= 2〔Cr〕+ 3 CO に示すスラグ−メタル間反応を促進する、ことにより、
脱炭精錬中におけるクロム酸化量を効果的に低減すると
共に、リサイクルスラグの還元反応を促進することによ
り、未還元法における溶鋼中Cr歩留りの有利な向上を図
ったものである。
精錬ガスの上吹き機能または上底吹き両機能をそなえる
容器内で含クロム溶鋼を脱炭精錬したのち、スラグ中の
有価金属を還元回収することなしに出鋼する含クロム溶
鋼の脱炭精錬方法において、吹錬中における(CaO + Si
O2)量が 50 kg/t以下となるように添加フラックス量を
調整することを特徴とする含クロム溶鋼の脱炭精錬方法
(第1発明)である。
または上底吹き両機能をそなえる容器内で含クロム溶鋼
を脱炭精錬したのち、スラグ中の有価金属を還元回収す
ることなしに出鋼し、該チャージで生成したスラグは、
該容器内に一部または全量残留させて、次回の脱炭精錬
に利用する含クロム溶鋼の脱炭精錬方法において、次回
の吹錬中における(CaO + SiO2)量が 50 kg/t以下とな
るように添加フラックス量および/または残留スラグ量
を調整することを特徴とする含クロム溶鋼の脱炭精錬方
法(第2発明)である。
2発明において、さらにスラグ塩基度(CaO/SiO2)を
0.8〜2.5 の範囲に調整した含クロム溶鋼の脱炭精錬方
法(第3発明)である。
中のCrによりCの活量が低下し、脱Cと同時にCr酸化が
生じる Cr酸化速度=酸化Cr生成速度(1) −酸化Cr還元速度(2) ---(3) 2〔Cr〕+ 3/2 O2 = (Cr2O3) ---(1) (Cr2O3) + 3〔C〕= 2〔Cr〕+ 2 CO ---(2) 脱炭中のCr酸化は (3)式に示されるように、供給された
酸素ガスによってCrが酸化される (1)式の反応と、酸化
したクロム酸化物が鋼中〔C〕によって還元される(2)
式の反応のバランスで決まる。そのうち (2)式の反応速
度は d〔Cr〕/dt=−A/V・k・〔 (%Cr) − (%Cr)e) 〕 と表せる。 ここで、A:スラグ−メタル反応界面積 V:浴体積 k:還元反応速度定数 ( )〔 〕はそれぞれスラグ中、メタル中を表す。
成した (Cr2O3)つまりスラグ中のCr濃度が、スラグ量が
多いために希釈される結果、 (2)式の反応速度が小さく
なる。そのため (3)式より、 (1)式で示される酸化クロ
ム生成速度が一定の場合には、Cr酸化量が増大する。脱
炭精錬におけるスラグは、主に CaO, SiO2からなる。Si
O2量は、吹錬中の溶銑中のSiまたはFeCr合金中のSiより
生成するSiO2、コ−クス名の灰分に含まれるSiO2で決ま
る。また CaOは、それに対して供給する焼石灰量で決ま
る。
招くことのない脱炭精錬を実現すべく、精錬時における
スラグ量に着目して実験を重ねた。その結果、図1に示
すように、スラグ量が(CaO +SiO2)換算で 50 kg/t以
下であれば、Cr酸化量を低位に安定して維持できること
の知見を得た。従って、第1発明では、吹錬中における
(CaO + SiO2)量が 50 kg/t以下となるように添加フラ
ックス量を調整することにしたのである。また、第2発
明では、次回の吹錬中における(CaO + SiO2)量が 50
kg/t以下となるように添加フラックス量および/または
残留スラグ量を調整することにしたのである。しかしな
がら、スラグ量があまりに少ないと、スロッピングやダ
ストの発生増加が顕著となるため、少なくとも 20 kg/t
程度は存在させることが好ましい。
成したSiO2量に対する CaO量すなわち CaO/SiO2比が小
さい低塩基度で脱炭精錬を行う方が、スラグが軟化し、
前述した (2)式の反応が促進されるため、Cr酸化量の一
層の低減が可能になること、すなわち同一スラグ量でも
塩基度を低くした方が一層の効果が得られることも併せ
て見出した。同図より明らかなように、塩基度(CaO/Si
O2) が 2.5以下であれば、同一スラグ量においてCr酸化
量を効果的に低減することができた。このように、 CaO
/SiO2を 2.5以下とすることによってCr酸化量の効果的
な低減が達成できる理由は、スラグの液相が増加したた
めと考えられる。図3に、 Cr2O3存在下における CaO/
SiO2比とスラグの液相比率との関係を示したが、 CaO/
SiO2比が 2.5以下になるとスラグの液相比率が急激に上
昇している。しかしながら、 CaO/SiO2比が 0.8を下回
ると、図4に示すように、耐火物の損耗が著しくなるの
で、 CaO/SiO2比は 0.8〜2.5 の範囲に限定した。
種々に変化させ、吹錬中の( CaO+SiO2)量とCr酸化量
との関係について調査した結果を図1に示す。同図より
明らかなように、吹錬中の(CaO + SiO2)量が 50 kg/t
以下であればCr酸化量を低く抑えることができた。また
図2には、(CaO+SiO2)量とCr酸化量との関係に及ぼす
塩基度(CaO/SiO2)の影響について調べた結果を示した
が、同図から明らかなように、塩基度が 2.5以下になる
とスラグの液相比率が増加して、同一スラグ量でもCr酸
化量を低減することができた。
のスラグを還元回収しない未還元法において、吹錬中の
スラグ(CaO + SiO2) 量を 50 kg/t以下に制限し、さら
にはスラグ塩基度を0.8 ≦ CaO/SiO2≦2.5 の範囲に制
御することにより、耐火物損耗増加を招くことなしに、
脱炭中におけるCr酸化量を安定して低位に維持すること
ができる。その結果、従来に比べてクロムの酸化ロスを
大幅に低減できるのでCr歩留りが向上し、またCr酸化量
推定により操業の安定も可能となった。
化量との関係を示したグラフである。
基度(CaO/SiO2)の影響を示したグラフである。
ラグの液相比率との関係を示したグラフである。
を示したグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】 精錬ガスの上吹き機能または上底吹き両
機能をそなえる容器内で含クロム溶鋼を脱炭精錬したの
ち、スラグ中の有価金属を還元回収することなしに出鋼
する含クロム溶鋼の脱炭精錬方法において、 吹錬中における(CaO + SiO2)量が 50 kg/t以下となる
ように添加フラックス量を調整することを特徴とする含
クロム溶鋼の脱炭精錬方法。 - 【請求項2】 精錬ガスの上吹き機能または上底吹き両
機能をそなえる容器内で含クロム溶鋼を脱炭精錬したの
ち、スラグ中の有価金属を還元回収することなしに出鋼
し、該チャージで生成したスラグは、該容器内に一部ま
たは全量残留させて、次回の脱炭精錬に利用する含クロ
ム溶鋼の脱炭精錬方法において、 次回の吹錬中における(CaO + SiO2)量が 50 kg/t以下
となるように添加フラックス量および/または残留スラ
グ量を調整することを特徴とする含クロム溶鋼の脱炭精
錬方法。 - 【請求項3】 請求項1または2において、スラグ塩基
度(CaO/SiO2)を、 0.8〜2.5 の範囲に調整した含クロ
ム溶鋼の脱炭精錬方法。
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JP25301695A JP3160508B2 (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | 含クロム溶鋼の脱炭精錬方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP25301695A JP3160508B2 (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | 含クロム溶鋼の脱炭精錬方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
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-
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- 1995-09-29 JP JP25301695A patent/JP3160508B2/ja not_active Expired - Fee Related
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