JP6921365B1 - 含クロム溶鋼の精錬方法 - Google Patents

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Abstract

精錬容器内を減圧にして含クロム溶鋼中に酸素ガスを含むガスを吹き込んで精錬を行う含クロム溶鋼の精錬方法において、耐火物溶損低減と還元材使用量削減を両立させることのできる精錬方法を提供する。容器内を400torr超大気圧以下の範囲の圧力として酸素ガスを含むガスを吹き込む第1ステップと、容器内を200torr超400torr以下に減圧して酸素ガスを含むガスを吹き込む第2ステップと、容器内を200torr以下に減圧してガスを吹き込む第3ステップとを有し、精錬終了時のスラグ量が溶鋼1トン当たり35〜110kgであることを特徴とする含クロム溶鋼の精錬方法である。これにより、耐火物溶損低減と還元材使用量削減を両立させることができる。

Description

本発明は、精錬容器内で含クロム溶鋼中に酸素ガスを含むガスを吹き込んで精錬を行う、含クロム溶鋼の精錬方法に関する。
含クロム鋼、特にステンレス鋼のように11%以上のクロムを含むような含クロム鋼を精錬するに際しては、精錬容器内に収容した溶鋼中に酸素ガス又は酸素ガスと不活性ガスの混合ガスを吹き込むAOD法によって脱炭精錬を行う方法が広く用いられている。AOD法では、脱炭が進行して溶鋼中の[C]濃度が低下してくると[Cr]が酸化されやすくなることから、[C]濃度の低下にともない吹き込みガス中におけるArガス等の不活性ガスの比率を高くし、[Cr]の酸化を抑える方法がとられている。しかし、低[C]濃度域では脱炭速度が低下するために所望の[C]濃度に到達するのに長時間を要し、かつ吹き込みガス中の不活性ガスの比率を高くするため、高価な不活性ガスの消費量が大幅に増加することから、経済的にも不利となる。
このような低[C]濃度域における脱炭を促進する方法として、真空精錬法の利用が挙げられる。特許文献1においては、吹き込みガスとして酸素ガスまたは酸素ガスと不活性ガスとの混合ガスを供給し、溶鋼中の[C]濃度が0.5質量%に低下するまでは大気圧下で脱炭処理し、[C]濃度がこの値以下に低下した後は、容器内を200torr以下に減圧して脱炭処理する方法が開示されている。これにより、比較的高[C]濃度より減圧下での処理を行うとともに、減圧下において酸素ガスとの混合ガスで脱炭処理を行うため、脱炭酸素効率が向上するために同一酸素供給量で脱炭速度の向上が図れ、還元用Si原単位および高価な不活性ガス原単位が低減するとともに、精錬時間を短縮することができる。減圧処理における容器内圧力を200torr以下とするのは、これより高い圧力では脱炭酸素効率が低下するからであるとしている。
特許文献2には、精錬容器内で含クロム溶鋼中に酸素ガスを含むガスを吹き込んで精錬を行う精錬方法において、容器内を400torr〜大気圧範囲の圧力として酸素ガスを含むガスを吹き込む第1ステップと、容器内を250torr〜400torrに減圧して酸素ガスを含むガスを吹き込む第2ステップと、容器内を250torr以下に減圧してガスを吹き込む第3ステップとを有することを特徴とする含クロム溶鋼の精錬方法が開示されている。中炭領域、特に[C]0.2〜0.5%の領域においては、溶鋼の強攪拌を行うことにより、250〜400torrの圧力でも高い脱炭酸素効率が得られる。さらに、減圧操業の圧力を従来のように200torr以下とするのではなく250〜400torrの範囲とすることにより、ダストの発生を抑えることができる。また、圧力を250〜400torrの範囲とすることにより、底吹きガス吹き込み量の増大を図ることができ、その結果精錬時間の短縮を図ることが可能になる。
特開平6−287629号公報 特開2001−286694号公報
特許文献2に記載の発明により、中炭領域、特に[C]0.2〜0.5%の領域においては、溶鋼の強攪拌を行うことにより、250〜400torrの圧力でも高い脱炭酸素効率が得られる。さらに、減圧操業の圧力を従来のように200torr以下とするのではなく250〜400torrの範囲とすることにより、ダストの発生を抑えることができる。また、圧力を250〜400torrの範囲とすることにより、底吹きガス吹き込み量の増大を図ることができ、その結果精錬時間の短縮を図ることが可能になった。
さらに、耐火物溶損低減と還元材使用量削減を両立させることができれば、精錬コストを大幅に低減することができる。
本発明は、精錬容器内を減圧にして含クロム溶鋼中に酸素ガスを含むガスを吹き込んで精錬を行う含クロム溶鋼の精錬方法において、耐火物溶損低減と還元材使用量削減を両立させることのできる精錬方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明の要旨とするところは、以下のとおりである。
(1)精錬容器内で含クロム溶鋼中に酸素ガスを含むガスを吹き込んでSUS304ステンレス鋼を溶製する精錬を行う精錬方法において、
容器内を400torr(53.3kPa)超大気圧以下の範囲の圧力として酸素ガスを含むガスを吹き込む第1ステップと、容器内を200torr(26.7kPa)超400torr(53.3kPa)以下に減圧して酸素ガスを含むガスを吹き込む第2ステップと、容器内を200torr(26.7kPa)以下に減圧してガスを吹き込む第3ステップとを有し、
質量%で、溶鋼中の[C]濃度が1.5〜0.1%で第1ステップから第2ステップに切り替え、溶鋼中の[C]濃度が0.5〜0.1%で第2ステップから第3ステップに切り替え、
精錬終了時のスラグ量が溶鋼1トン当たり35〜65kgであることを特徴とする、
耐火物溶損低減と還元材使用量削減を両立させた含クロム溶鋼の精錬方法
(2)精錬容器内で含クロム溶鋼中に酸素ガスを含むガスを吹き込んで精錬を行う精錬方法において、
容器内を400torr(53.3kPa)超大気圧以下の範囲の圧力として酸素ガスを含むガスを吹き込む第1ステップと、容器内を200torr(26.7kPa)超400torr(53.3kPa)以下に減圧して酸素ガスを含むガスを吹き込む第2ステップと、容器内を200torr(26.7kPa)以下に減圧してガスを吹き込む第3ステップとを有し、
質量%で、溶鋼中の[C]濃度が1.5〜0.1%で第1ステップから第2ステップに切り替え、溶鋼中の[C]濃度が0.5〜0.1%で第2ステップから第3ステップに切り替え、
精錬終了時のスラグ量が溶鋼1トン当たり35〜40kgであることを特徴とする、
耐火物溶損低減と還元材使用量削減を両立させた含クロム溶鋼の精錬方法。
本発明は、含クロム溶鋼の精錬方法において、炉内の圧力を第1ステップ〜第3ステップに分けて順次減圧していくことに加え、精錬終了時のスラグ量を溶鋼1トン当たり35〜110kgとすることにより、耐火物溶損低減と還元材使用量削減を両立させた含クロム溶鋼の精錬方法を実現することができる。
本発明の精錬容器の一例を示す図であり、減圧精錬時の状態を示す図である。 本発明の精錬容器の一例を示す図であり、大気圧精錬時の状態を示す図である。
本発明は、精錬容器内で含クロム溶鋼中に酸素ガスを含むガスを吹き込んで精錬を行う精錬方法に関するものである。減圧精錬を行うに際しては例えば図1Aに示す精錬容器1が、大気圧精錬を行うに際しては例えば図1Bに示す精錬容器1が用いられる。精錬容器1内には溶鋼4が収容され、溶鋼4の上にスラグ6が形成され、精錬容器内で含クロム溶鋼中に底吹き羽口2を通して底吹きガス5を吹き込む。また、精錬容器1は着脱可能な排気フード3を有しており、減圧精錬時には図1Aに示すように精錬容器1に排気フード3を装着し、排気管7を経由してガス吸引を行うことにより精錬容器内を減圧する。大気圧精錬時には、図1Bに示すように排気フード3を装着しないので、吹き込みガスとしては、底吹き羽口2のみならず上吹きランス12を併用してガスを吹き込むことも可能である。
本発明の含クロム溶鋼の精錬方法は、容器内を400torr超大気圧以下の範囲の圧力として酸素ガスを含むガスを吹き込む第1ステップと、容器内を200torr超400torr以下に減圧して酸素ガスを含むガスを吹き込む第2ステップと、容器内を200torr以下に減圧してガスを吹き込む第3ステップとを有する。質量%で、溶鋼中の[C]濃度が1.5〜0.1%で第1ステップから第2ステップに切り替え、溶鋼中の[C]濃度が0.5〜0.1%で第2ステップから第3ステップに切り替える。
第2ステップを中炭領域に配置し、同時に溶鋼を強攪拌することにより、この中炭領域における脱炭酸素効率を高い値に維持することができ、さらにダストの発生を抑制することが可能になる。第2ステップにおいて圧力200torr超400torr以下の範囲とすることにより、底吹きガス吹き込み量の増大を図ることができ、その結果精錬時間の短縮を図ることが可能になる。底吹きガス吹き込み速度は溶鋼トン当たり0.4Nm/min以上とすると好ましい。これにより、200torr超の圧力で高い脱炭酸素効率を得るための強攪拌を実現するとともに、精錬時間を短縮することができ、また、200torr超の圧力であれば底吹きガスの吹き込み速度が溶鋼トン当たり0.4Nm/min以上であってもダスト発生量を低位に抑えることが可能である。底吹きガス吹き込み速度は溶鋼トン当たり0.5Nm/min超とすると一層好ましい結果を得ることができる。
精錬容器内の圧力が400torr超である第1ステップから圧力200torr超400torr以下の第2ステップに移行する時期としては、溶鋼中の[C]濃度が1.5〜0.1%において移行する。[C]濃度が1.5%より高い[C]領域においては、減圧精錬を行うにしても圧力を400torrより高い圧力に設定して酸素ガス吹き込み速度を増大した方が効率的に精錬を行えるからであり、あるいは大気圧精錬を行って上吹き酸素ガス吹き込みを併用した方が高い酸素ガス吹き込み速度を確保して効率的に精錬を行えるからである。一方、[C]濃度が0.1%より低い[C]領域まで400torrを超える圧力で精錬を継続すると、脱炭酸素効率の低下をきたし、精錬時間の延長につながるので好ましくない。
精錬容器内の圧力が200torr超400torr以下である第2ステップから圧力が200torr以下である第3ステップに移行する時期としては、溶鋼中の[C]濃度が0.5〜0.1%において移行する。[C]濃度が0.5%よりも高い[C]領域を第2ステップの200torr超400torr以下の圧力とすることにより、精錬能率の向上やダスト発生量の低減という本発明の効果を十分に発揮することができるからである。一方、[C]濃度が0.1%より低い[C]領域まで200torrを超える圧力で精錬を継続すると、脱炭酸素効率の低下をきたし、精錬時間の延長をきたすので好ましくない。
本発明の含クロム溶鋼の精錬方法は、精錬終了時のスラグ量が溶鋼1トン当たり35〜110kgであることを特徴とする。これにより、耐火物溶損低減と還元材使用量削減を両立させた含クロム溶鋼の精錬方法とすることができる。ここで精練終了時とは、減圧精練及びその後の還元処理を完了した時点を意味する。
含クロム溶鋼の精錬において、AODの前工程で発生したスラグは溶鋼と主にAODに持ち込まれる。また、副材として炉内にCaO、MgO、SiO、Alのいずれかを含む酸化物、およびCaFの内、2種類以上を投入し、これらが精錬終了時のスラグの構成要素となる。また、溶鋼中のCr、Si、Al、Mnが酸素精錬によって酸化し、形成された酸化物が精錬終了時のスラグの構成要素となる。
発明者らは、精錬終了時のスラグ量の低減を試みた。精錬中の炉内圧力の推移については、上記本発明の条件を適用した。AODに持ち込まれるスラグ量を低減するため、AOD装入前にスラグドラッガーを用いて前工程で発生したスラグを溶鋼から分離した。また、AOD処理前の溶鋼中のSi、Mn、Alが高い場合には、AOD処理開始後から減圧精錬開始までの間に、それらを酸化させてスラグとし、排滓して炉外に排出することによって、精錬終了時のスラグ量を低減した。その結果、精錬終了時のスラグ量が少なくなるほど、耐火物溶損低減と還元材使用量削減が実現できることがわかった。精錬終了時のスラグ量が溶鋼1トン当たり110kg以下であれば、耐火物溶損低減と還元材使用量削減を両立させることができる。溶鋼1トン当たり70kg以下であればより好ましい。鋼1トン当たり65kg以下であればさらに好ましい。一方、精錬終了時のスラグ量が溶鋼1トン当たり35kg未満であると、副材として投入するCaOの投入量を抑制する必要があり、スラグの脱硫能が低下する結果、溶鋼の脱硫不足となる。そこで、精錬終了時のスラグ量の下限を溶鋼1トン当たり35kgとした。
減圧精錬の好ましい実施の形態について説明する。
第1ステップについては、その全体を大気圧下で精錬を行う場合、その全体を減圧下で精錬を行う場合、当初大気圧下でその後減圧下で精錬を行う場合のいずれを採用しても良い。第1ステップにおいて大気圧下で精錬を行うに際しては、精錬容器の上に減圧精錬のための排気フード3を設置しないので、ガス吹き込みとして上吹きと底吹きを併用することができる。第1ステップにおいて大気圧下で精錬を行うに際しては、吹き込むガスとして酸素のみを用いることができる。第1ステップの精錬を当初大気圧下で行い、その後400torr超の圧力として減圧下で行うことができる。第1ステップの最初から減圧精錬を実施しても良い。
第2ステップにおける底吹きガスの吹き込みガス種としては、第2ステップの最初から酸素と不活性ガスの混合ガスとしても良いが、最初は酸素ガス単独吹き込みとし、第2ステップ内で順次不活性ガス比率を増大するパターンとしても良い。第2ステップ内における精錬容器内の圧力は、200torr超400torr以下の範囲内において一定の圧力を保持することもできるが、高い圧力から低い圧力に順次変化させていくパターンとしても良い。
第3ステップについては、容器内を200torr以下に減圧してガスを吹き込む。溶鋼中の[C]濃度が低下するほど、高い脱炭酸素効率を得るための最適な容器内圧力が低下するので、脱炭が進行した第3ステップにおいては第2ステップより低い圧力を採用することが好ましい。併せて、[C]濃度が低いほど脱炭反応に対する溶鋼攪拌の影響が大きくなる。同一のガス吹き込み速度では容器内圧力が低いほどガスの膨張代が大きくなり、溶鋼攪拌力が増大することから、第2ステップよりも低い圧力とすることが好ましい。第3ステップにおいては、溶鋼中の[C]濃度低下に伴って容器内の圧力を順次段階的に低下させると好ましい。第3ステップにおいては、[C]濃度が十分に低下しているので、吹き込みガスとして酸素ガスを用いずに不活性ガスのみを吹き込むこととしても良い。また、吹き込みガスとして酸素ガスと不活性ガスとの混合ガスを供給するに際し、さらに溶鋼中のC濃度低下に伴って混合ガス中の酸素ガスの比率を徐々に低下させると好ましい。
図1A、図1Bに示すような溶鋼量60トンのAOD炉において、SUS304ステンレス鋼(8質量%Ni−18質量%Cr)を溶製するに際して本発明を適用した。大気圧精錬においては、図1Bに示す態様にて上吹きは行わずに底吹きを行い、減圧精錬においては図1Aに示す態様にて精錬容器内を減圧した上で底吹きを行った。溶製開始時の溶鋼中[C]濃度は約1.7%であり、[C]0.03%まで脱炭精錬を行い、その後容器内圧力を大気圧まで戻しながら、脱炭中に酸化したクロムを還元するための還元剤としてFe−Si合金鉄を添加して、Arガスのみの吹き込みにより還元処理を行い、取鍋へ出鋼した。
表1に示すパターンを採用して精錬を行った。第1ステップを大気圧精錬として底吹きを行った。[C]濃度0.5%〜0.2%を第2ステップとし、第2ステップ内で容器内圧力を400torrと200torrの2段階圧力とした。第3ステップは容器内圧力を50torr、40torrの2段階圧力とし、[C]濃度0.03%まで脱炭精錬を行った。第1ステップ、第2ステップ、及び第3ステップの圧力50torrまでは、いずれも底吹きガスとして酸素ガスとアルゴンガスを併用した。第3ステップの圧力40torrではArガス単独吹き込みとした。
Figure 0006921365
Figure 0006921365
副材としてのCaO、MgO、SiO、Alのいずれかを含む酸化物、およびCaFの内、2種類以上の投入量の調整、スラグドラッガーを用いたAOD持ち込みスラグ量の低減、およびAOD処理前の溶鋼中のSi、Mn、Alが高い場合には、AOD処理開始後から減圧精錬開始までの間に、それらを酸化させてスラグとし、排滓して炉外に排出することにより、表2に示すように、精錬終了時のスラグ量を鋼1トン当たり20kg〜160kgの範囲で変化させた。精錬終了時のスラグ量については、減圧精練及び還元処理が完了し、炉外排出後、溶鋼と分離させて、天井クレーンに取り付けられた重量計を用いて評価した。各水準において、還元材としてのFe−Si合金鉄使用量を評価し、参考例No.8の値を基準として指数化し、表2に示した。また、精錬炉の耐火物溶損状況について、精錬終了後、底吹き羽口の外側から目盛付きの測定棒を差し込んで、その残寸を随時記録していくことにより評価を行った。耐火物の溶損量が著しく少なく、経済的効果が高い場合を“S”、溶損量が少なく、経済的効果がある場合を“A”、耐火物が溶損するが、操業に支障が出ることはない場合を“B”、著しい溶損あるいは局所的に偏溶損し、操業に支障をきたす場合を“X”とし、表2に示した。
表2から明らかなように、精錬終了時のスラグ量が本発明範囲内にある発明例No.3〜は、耐火物損耗状況、脱硫状況ともに良好であった。それに対し、比較例No.1、2はスラグ量が不足し、脱硫状況が不良であった。また比較例No.9〜11はスラグ量が多すぎ、耐火物損耗状況が不良であった。また、精練終了時のスラグ量が少ないほど、還元材使用量が低減することが明らかである。
1 精錬容器
2 底吹き羽口
3 排気フード
4 溶鋼
5 底吹きガス
6 スラグ
7 排気管
12 上吹きランス

Claims (2)

  1. 精錬容器内で含クロム溶鋼中に酸素ガスを含むガスを吹き込んでSUS304ステンレス鋼を溶製する精錬を行う精錬方法において、
    容器内を400torr(53.3kPa)超大気圧以下の範囲の圧力として酸素ガスを含むガスを吹き込む第1ステップと、容器内を200torr(26.7kPa)超400torr(53.3kPa)以下に減圧して酸素ガスを含むガスを吹き込む第2ステップと、容器内を200torr(26.7kPa)以下に減圧してガスを吹き込む第3ステップとを有し、
    質量%で、溶鋼中の[C]濃度が1.5〜0.1%で第1ステップから第2ステップに切り替え、溶鋼中の[C]濃度が0.5〜0.1%で第2ステップから第3ステップに切り替え、
    精錬終了時のスラグ量が溶鋼1トン当たり35〜65kgであることを特徴とする、
    耐火物溶損低減と還元材使用量削減を両立させた含クロム溶鋼の精錬方法。
  2. 精錬容器内で含クロム溶鋼中に酸素ガスを含むガスを吹き込んで精錬を行う精錬方法において、
    容器内を400torr(53.3kPa)超大気圧以下の範囲の圧力として酸素ガスを含むガスを吹き込む第1ステップと、容器内を200torr(26.7kPa)超400torr(53.3kPa)以下に減圧して酸素ガスを含むガスを吹き込む第2ステップと、容器内を200torr(26.7kPa)以下に減圧してガスを吹き込む第3ステップとを有し、
    質量%で、溶鋼中の[C]濃度が1.5〜0.1%で第1ステップから第2ステップに切り替え、溶鋼中の[C]濃度が0.5〜0.1%で第2ステップから第3ステップに切り替え、
    精錬終了時のスラグ量が溶鋼1トン当たり35〜40kgであることを特徴とする、
    耐火物溶損低減と還元材使用量削減を両立させた含クロム溶鋼の精錬方法。
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