JP3158217B2 - エネルギー用糖源とその用途 - Google Patents

エネルギー用糖源とその用途

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エネルギー用糖源とそ
の用途に関し、更に詳細には、ネオトレハロースからな
るエネルギー用糖源、および、有効成分としてネオトレ
ハロースを含有せしめたエネルギー補給用組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】エネルギー用糖源としては、古くから、
グルコース、フラクトースなど還元性を示す糖質が利用
されてきた。しかしながら、これら還元性を示す糖質
は、その還元性のため保存安定性が悪く、通常、アミノ
酸、ビタミンなど他の栄養物質などの共存下において一
層不安定となる。
【0003】そこで、還元性を示さない安定な糖質、例
えば、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、ラ
クチトール、シュクロース、トレハロースなどから選ば
れるエネルギー用糖源の実現が望まれている。しかしな
がら、キシリトール、ソルビトールなど単糖類アルコー
ルは、その使用量、使用方法を誤るとはげしい下痢を起
す欠点がある。また、マルチトール、ラクチトールなど
二糖類アルコールは、特公昭47−13699号公報、
特公昭47−42506号公報などに記載されているよ
うに、生体で代謝、利用され難く、ダイエット甘味料と
して利用されているのが実情であり、エネルギー用糖源
としては不適である。また、シュクロースは、酸性下で
容易に分解され、還元性を示すグルコース、フラクトー
スに変換され、保存安定性の悪い欠点がある。一方、ト
レハロースについても、特開昭63−240758号公
報で、「人体に消化、吸収され難く、低カロリーであ
る。」、「アミラーゼ等による酵素作用も受け難い。」
と記載されていることからも明らかなように、トレハロ
ースは、生体でエネルギー源にならない糖質として理解
されており、加えて、この糖質の大量入手が困難であ
り、その詳細な検討はなされていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】還元性を示さず、保存
安定性良好で、より広範な用途に向けることのできるエ
ネルギー用糖源と、有効成分としてそのエネルギー用糖
源を含有せしめたエネルギー補給用組成物の実現が強く
望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、エネルギ
ー用糖源について研究を続けてきた。とりわけ、還元性
を示さない安定な二糖類、トレハロースとその関連物質
について鋭意研究した。その結果、意外にもネオトレハ
ロース(O−α−D−グルコピラノシル β−D−グル
コピラノシド、別名α,β−トレハロース)は、トレハ
ロース(別名α,α−トレハロース)やイソトレハロー
ス(別名β,β−トレハロース)の場合とは違って、生
体で容易にエネルギー源として代謝、利用されることを
見いだし、しかも還元性を示さない安定な糖質であるこ
とから、より広範な用途に向けることのできる全く新し
いエネルギー用糖源であることを見いだし、加えて、有
効成分としてネオトレハロースを含有せしめたエネルギ
ー補給用組成物を確立して、本発明を完成した。また、
本発明のエネルギー補給用組成物は、ネオトレハロース
が還元性を示さず、保存安定性が高いことから、他の栄
養物質、薬効物質などを併用して、より総合的な栄養組
成物にすることも、また、より治療効果を高めた医薬組
成物にすることも有利に実施できる。
【0006】ネオトレハロースからなるエネルギー用糖
源と、有効成分としてネオトレハロースを含有せしめた
エネルギー補給用組成物は、本発明をもって嚆矢とす
る。
【0007】本発明のネオトレハロースからなるエネル
ギー用糖源の製造方法は問わない。例えば、特開昭63
−216492号公報に記載している澱粉または澱粉部
分分解物にシクロデキストリン合成酵素を作用させる方
法、または本発明者等が平成2年特許願第307054
号明細書に記載したラクトネオトレハロースにβ−ガラ
クトシダーゼを作用させる方法などにより生成したネオ
トレハロースを精製して利用すればよい。
【0008】本発明のエネルギー用糖源としては、ネオ
トレハロース含量ができるだけ高いものが適しており、
一般的には、固形物当り50W/W%以上のシラップま
たは粉末、望ましくは、80W/W%以上のシラップま
たは結晶性粉末、更に好ましくは、90W/W%以上の
結晶性粉末または結晶が好適である。
【0009】本発明のエネルギー補給用組成物は、有効
成分としてネオトレハロースを含有し、生体へエネルギ
ー補給できるものであればよく、一般的には、その効果
をより高めるために、ネオトレハロースを固形物当り1
0W/W%以上、望ましくは20W/W%以上含有せし
めるのが好適である。
【0010】本発明のエネルギー補給用組成物は、ネオ
トレハロース単体であってもよいが、通常、ネオトレハ
ロースとともに、目的に応じて他の物質、例えば、蛋白
質、アミノ酸、脂質、他の糖質、ビタミン、ミネラルな
どの栄養物質、または抗菌物質、酵素、ホルモン、サイ
トカインなどの薬効物質などから選ばれる一種または二
種以上を含有せしめて製造される。この際、必要ならば
他の適宜の物質、例えば、呈味料、着色料、着香料、安
定剤、増量剤、賦形剤などの一種または二種以上を使用
することも随意であり、また、得られる組成物を、目的
に応じて適宜の形状に選択することも随意である。
【0011】このようにして得られるエネルギー補給用
組成物は、経口的また非経口的に使用され、毒性、副作
用の懸念もなく、よく代謝、利用され、生体へのエネル
ギー補給に有利に利用することができる。
【0012】本発明のエネルギー用糖源の使用量は、そ
の有効成分のネオトレハロース固形物として、大人1日
当り約1乃至1,000グラム、好ましくは、約5乃至
500グラムの範囲から適宜選択される。
【0013】本発明のエネルギー用糖源と、有効成分と
してこれを含有せしめた組成物は、ヒトは勿論のこと、
必要に応じてウシ、ウマなどの家畜、イヌ、ネコなどの
ペットなどにも有利に利用することができる。
【0014】以下、本発明を実験で詳細に説明する。
【0015】(実験1) 生体外での消化性試験 実施例A1−2の方法で調製した結晶ネオトレハロース
を用いて、岡田等が日本栄養・食糧学会誌、第43巻、
第1号、第23乃至29頁(1990年)で報告してい
る方法に準じて、ネオトレハロースを水溶液とし、これ
の生体外(インビトロ)での消化性試験を行ない、その
ネオトレハロースの消化の程度を、次式により分解率
(%)として求めた。
【0016】
【数1】
【0017】結果は、表1にまとめた。
【0018】
【表1】
【0019】表1の結果から明らかなように、ネオトレ
ハロースは、小腸粘膜酵素により、よく消化される。
【0020】次に、小腸粘膜酵素を用いて、同様に、各
種二糖類の消化性試験を行なった。結果は、表2にまと
めた。
【0021】
【表2】
【0022】表2の結果から明らかなように、ネオトレ
ハロースは、小腸粘膜酵素によりマルトースに次いでよ
く消化され、その程度はスクロースよりもはるかに大き
いという意外な事実が判明した。
【0023】(実験2) 生体内での利用試験 (実験2−1) 実施例A1−2の方法で調製した結晶ネオトレハロース
を用いて、厚治等が臨床栄養、第41巻、第2号、第2
00乃至208頁(1972年)で報告している方法に
準じて、ネオトレハロース30グラムを20W/V%水
溶液とし、これをボランティア3名(健康な26才、3
9才、52才の男性)に経口投与し、経時的に採血し
て、血糖値およびインスリン値を測定した。対照として
はグルコースを用いた。その結果、ネオトレハロース
は、グルコースの場合と同様の挙動を示し、血糖値、イ
ンスリン値ともに、経口投与後、約0.5乃至1時間で
同様の最大値を示した。従って、ネオトレハロースは、
容易に消化吸収、代謝利用されて、エネルギー源になる
ことが判明した。
【0024】(実験3) 急性毒性試験 7週齢のdd系マウスを使用して、実施例A1−2の方
法で調製した結晶ネオトレハロースを経口投与して急性
毒性テストをしたところ、マウス体重1kg当たり5g
までは死亡例は見られず、これ以上の投与は困難であっ
た。従って、本物質の毒性は極めて低い。
【0025】以下本発明のネオトレハロースからなるエ
ネルギー用糖源の例を実施例Aで、本発明の有効成分と
してネオトレハロースを含有せしめたエネルギー補給用
組成物の例を実施例Bで述べる。
【0026】(実施例A1) ネオトレハロース (実施例A1−1) ラクトネオトレハロースの調製 市販の乳糖50重量部およびデキストリン(DE8、松
谷化学工業株式会社販売、商品名パインデックス#1)
50重量部を水150重量部に加熱溶解し、この溶液を
温度60℃、pH6.0にして、バチルス・ステアロサ
ーモフィラス由来のシクロマルトデキストリン・グルカ
ノトランスフェラーゼ(株式会社林原生物化学研究所販
売)をデキストリングラム当り300単位加えて20時
間反応させ、次いで100℃に30分間加熱して、酵素
を失活させた。この溶液を温度55℃、pH5.0にし
て、グルコアミラーゼ(ナガセ生化学工業株式会社販
売、商品名グルコチーム)をデキストリングラム当り1
5単位加えて16時間反応させ、次いで100℃に15
分間加熱して酵素を失活させた。本溶液には、新規オリ
ゴ糖、ラクトネオトレハロースを固形物当り約24W/
W%含有していた。本溶液を活性炭で脱色し、イオン交
換樹脂(H型およびOH型)にて脱塩して精製し、濃度
約45W/W%液に濃縮して、カラムクロマトグラフィ
ーを行ない、ラクトネオトレハロース高含有画分を採取
した。分画用樹脂は、塩型強酸性カチオン交換樹脂(オ
ルガノ株式会社販売、商品名アンバーライトXT−10
16Na型)を使用し、内径5.4cmのジャケット付
ステンレス製カラムに水懸濁状で充填した。この際、樹
脂層長5mのカラム4本を連続して樹脂層全長を約20
mになるようにした。カラム内温度を55℃に維持しつ
つ、原料の糖溶液を5V/V%加え、これに55℃の温
水をSV0.3の流速で流して分画し、ラクトネオトレ
ハロース高含有画分を採取した。この方法を繰り返して
採取されたラクトネオトレハロース高含有液(固形物当
りラクトネオトレハロースを約67W/W%含有)の一
部をとり、濃度75W/W%に濃縮し20℃に一夜放置
したところ、結晶が析出した。この結晶を前記ラクトネ
オトレハロース高含有液の濃度70W/W%に濃縮した
液に種晶として加え、ゆっくり撹拌しながら助晶し、得
られるマスキットを分蜜し、結晶に少量の水をスプレー
して洗浄して高純度の結晶を得、この結晶を水に溶解
し、同様に処理して再結晶化させ、純度99.8W/W
%以上の極めて高純度の結晶を約3重量部採取した。
【0027】(実施例A1−2) ネオトレハロースの
調製 実施例A1−1の方法で得た結晶ラクトネオトレハロー
ス1重量部を水30重量部に加熱溶解し、温度40℃、
pH4.5とし、これにβ−ガラクトシダーゼ(ケイア
イ化成株式会社販売、商品名ラクターゼLP)をラクト
ネオトレハロースグラム当り10単位加えて20時間反
応させ、次いで、100℃で10分間加熱して酵素を失
活させた。本溶液には、ネオトレハロースとガラクトー
スとを固形物当りそれぞれ約66W/W%、33W/W
%含有していた。本溶液を実施例A1−1の場合と同様
に脱色、脱塩して精製し、濃縮して、塩型強酸性カチオ
ン交換樹脂を用いるカラムクロマトグラフィーにかけ、
ネオトレハロース高含有画分を採取した。
【0028】得られたネオトレハロース高含有液(固形
物当りネオトレハロースを約88W/W%含有)の一部
をとり、濃度75W/W%に濃縮し、20℃に一夜放置
したところ、結晶が析出した。この結晶を前記ネオトレ
ハロース高含有液の濃度70W/W%に濃縮した液に種
晶として加え、ゆっくり撹拌しながら助晶し、得られる
マスキットを分蜜し、結晶に少量の水をスプレーして洗
浄して高純度の結晶を得、この結晶を水に溶解し、同様
に処理して再結晶化させ、純度99.8W/W%以上の
極めて高純度の結晶を約0.15重量部採取した。
【0029】本品は、経口的または非経口的に利用でき
るエネルギー用糖源である。本品を含有せしめて、栄養
組成物、医薬組成物など各種エネルギー補給用組成物を
有利に製造できる。
【0030】(実施例A2) ネオトレハロース 実施例A1−2の方法で反応、精製した固形物当り約6
6W/W%のネオトレハロース含有溶液を原料糖液と
し、これを濃縮して濃度約45W/W%にした。本液の
ネオトレハロース含量を高めるため、分画用樹脂とし
て、塩型強酸性カチオン交換樹脂(ダウケミカル社販
売、商品名ダウエックス50W×4、Ca型)を用いた
以外は、実施例A1−1の方法に従ってカラムクロマト
グラフィーを行ない、ネオトレハロース高含有画分を採
取した。本高含有液は、固形物当り約85W/W%のネ
オトレハロースを含有していた。本溶液を濃度約83W
/W%に濃縮して助晶缶にとり、種晶約1W/W%を混
合した後、バットにとり、20℃で4日間静置して晶出
固化させ、次いで切削型粉砕機にて粉砕し、乾燥して含
密型結晶性ネオトレハロース粉末を固形物収率約70W
/W%で得た。本品は、経口的または非経口的に利用で
きるエネルギー用糖源である。本品を含有せしめて、栄
養組成物、医薬組成物など各種エネルギー補給用組成物
を有利に製造できる。
【0031】(実施例1) チョコレート カカオペースト40重量部、カカオバター10重量部、
実施例A1−2の方法で得た結晶ネオトレハロース50
重量部を混合してレファイナーに通して粒度を下げた
後、コンチェに入れて50℃で2昼夜練り上げる。この
間に、レシチン0.5重量部を加え充分に混和分散させ
た。次いで、温度調節機で31℃に調節し、バターの固
まる直前に型に流し込み、振動機でアワ抜きを行ない、
10℃の冷却トンネルを20分間くぐらせて固化させ
た。これを型抜きして包装し製品を得た。
【0032】本品は、吸湿性がなく、色、光沢共によ
く、内部組織も良好で、口中でなめらかに溶け、上品な
甘味とまろやかな風味を有する。本品はエネルギー補給
用組成物として有利に使用できる。
【0033】(実施例B2) チューインガム ガムベース3重量部を柔らかくなる程度に加熱溶融し、
これに蔗糖4重量部および実施例A2の方法で得た結晶
性ネオトレハロース粉末3重量部とを加え、更に適量の
香料と着色料とを混合し、常法に従って、ロールにより
練り合わせ、成形、包装して製品を得た。
【0034】本品は、テクスチャー、風味とも良好なチ
ューインガムである。本品は、エネルギー補給用組成物
として有利に使用できる。
【0035】(実施例B3) カスタードクリーム コーンスターチ100重量部、実施例A1−2の方法で
反応、精製した固形物当り約66W/W%のネオトレハ
ロース含有溶液を濃度約70W/W%に濃縮し、このネ
オトレハロース含有シラップ150重量部、マルトース
30重量部、蔗糖20重量部および食塩1重量部を充分
に混合し、鶏卵280重量部を加えて撹拌し、これに沸
騰した牛乳1000重量部を徐々に加え、更に、これを
火にかけて撹拌を続け、コーンスターチが完全に糊化し
て全体が半透明になった時に火を止め、これを冷却して
適量のバニラ香料を加え、計量、充填、包装して製品を
得た。
【0036】本品は、なめらかな光沢を有し、温和な甘
味で美味である。本品は、エネルギー補給用組成物とし
て有利に利用できる。
【0037】(実施例B4) ういろうの素 米粉90重量部に、コーンスターチ20重量部、実施例
A2の方法で得た結晶性ネオトレハロース粉末120重
量部、プルラン4重量部を均一に混合してういろうの素
を製造した。ういろうの素と適量の抹茶と水とを混練
し、これを容器に入れて60分間蒸し上げて抹茶ういろ
うを製造した。
【0038】本品は、照り、口当りも良好で、風味も良
い。また、澱粉の老化も抑制され、日持ちもよい。本品
は、エネルギー補給用組成物として有利に利用できる。
【0039】(実施例B5) 乳酸飲料 脱脂乳10重量部を80℃で20分間加熱殺菌した後、
40℃に冷却し、これにスターター0.3重量部を加え
て約37℃で10時間醗酵させた。次いで、これをホモ
ゲナイズした後、実施例A2の方法で得た結晶性ネオト
レハロース粉末4重量部、蔗糖1重量部および異性化糖
シラップ2重量部を加えて70℃に保って殺菌した。こ
れを冷却し、適量の香料を加え、ビン詰して製品を得
た。
【0040】本品は、風味、甘味が酸味とよく調和した
高品質の乳酸飲料である。本品は、エネルギー補給用組
成物として有利に使用できる。
【0041】(実施例B6) 粉末ジュース 噴霧乾燥により製造したオレンジ果汁粉末33重量部に
対し、実施例A1−2の方法で得た結晶ネオトレハロー
ス50重量部、蔗糖10重量部、無水クエン酸0.65
重量部、リンゴ酸0.1重量部、L−アスコルビン酸
0.1重量部、クエン酸ソーダ0.1重量部、プルラン
0.5重量部、粉末香料適量をよく混合撹拌し、粉砕し
微粉末にしてこれを流動層造粒機に仕込み、排風温度4
0℃、風量毎分150mとし、これに、実施例A2の
方法で得たネオトレハロース高含有溶液をバインダーと
してスプレーし、30分間造粒し、計量、包装して製品
を得た。
【0042】本品は、果汁含有率約30W/W%の粉末
ジュースである。また、本品は異味、異臭がなく、吸湿
固結も起こさず長期に安定であった。本品は、エネルギ
ー補給用組成物として有利に使用できる。
【0043】(実施例B7) 流動食用固体製剤 実施例A1−2の方法で得た結晶ネオトレハロース50
0重量部、粉末卵黄270重量部、脱脂粉乳209重量
部、塩化ナトリウム4.4重量部、塩化カリウム1.8
5重量部、硫酸マグネシウム4重量部、チアミン0.0
1重量部、アスコルビン酸ナトリウム0.1重量部、ビ
タミンEアセテート0.6重量部およびニコチン酸アミ
ド0.04重量部からなる配合物を調製し、この配合物
25グラムずつを防湿性ラミネート小袋に充填し、ヒー
トシールして製品を得た。
【0044】本品は、1袋分を約150乃至300ml
の水に溶解して流動食とし、経口的、または鼻腔、胃、
腸などへ経管的使用方法により利用される。本品は、エ
ネルギー補給用組成物として有利に使用できる。
【0045】(実施例B8) 輸液剤 実施例A1−2の方法で得た結晶ネオトレハロースを水
に濃度約10W/V%に溶解し、次いで、常法に従っ
て、精密濾過し、プラスチック製ボトルに無菌的に充填
し施栓して製品を得た。
【0046】本品は、経日変化もなく安定な輸液剤で、
静脈内、腹腔内などに投与するのに好適である。本品
は、濃度10W/V%で血液と等張で、グルコースの場
合の2倍濃度でエネルギー補給できる。
【0047】(実施例B9) 輸液剤 実施例A1−2の方法で得た結晶ネオトレハロースと下
記組成のアミノ酸配合物とがそれぞれ5W/V%、30
W/V%になるように水に混合溶解し、次いで実施例B
8と同様に精製し、更に、プラスチック製バッグに充填
し施栓して製品を得た。 アミノ酸配合物の組成 L−イソロイシン 180(ミリグラム/100ml) L−ロイシン 410 L−リジン塩酸塩 620 L−メチオニン 240 L−フェニルアラニン 290 L−スレオニン 180 L−トリプトファン 60 L−バリン 200 L−アルギニン塩酸塩 270 L−ヒスチジン塩酸塩 130 グリシン 340
【0048】本品は、糖質とアミノ酸との複合輸液剤に
もかかわらず、ネオトレハロースが還元性を示さないた
め、経日変化もなく安定な輸液剤で、静脈内、腹腔内な
どへ投与するのに好適である。本品は、エネルギー補給
用組成物として、エネルギー補給のみならず、アミノ酸
補給のためにも有利に利用できる。
【0049】(実施例B10) 外傷治療用膏薬 実施例A2の方法で得た結晶性ネオトレハロース粉末5
00重量部に、沃素3重量部を溶解したメタノール50
重量部を加えて混合し、更に10W/W%プルラン水溶
液200重量部を加えて混合し、適度の延び、付着性を
示す外傷治療用膏薬を得た。
【0050】本品は、沃素による殺菌作用のみならず、
ネオトレハロースによる細胞へのエネルギー補給用組成
物としても作用することから、治癒期間が短縮され、創
面もきれいに治る。
【0051】(実施例B11) 糖衣錠 重量150mgの素錠を芯剤とし、これに実施例A1−
2の方法で得た結晶ネオトレハロース40重量部、プル
ラン(平均分子量20万)2重量部、水30重量部、タ
ルク25重量部および酸化チタン3重量部からなる下掛
け液を用いて錠剤重量が約230mgになるまで糖衣
し、次いで、同じ結晶ネオトレハロース65重量部、プ
ルラン1重量部および水34重量部からなる上掛け液を
用いて糖衣し、更に、ロウ液で艷出しして光沢のある外
観の優れた糖衣錠を得た。
【0052】本品は、糖衣掛け時の作業性が優れている
だけでなく、耐衝撃性にも優れており、高品質を長期間
維持する。本品は、エネルギー補給用組成物として有利
に利用できる。
【0053】
【発明の効果】上記から明らかなように、本発明のネオ
トレハロースからなるエネルギー用糖源は、還元性を示
さない安定な糖質であって、しかも、類似のトレハロー
ス(別名α,α−トレハロース)やイソトレハロース
(別名β,β−トレハロース)の場合とは全く違って、
生体で容易にエネルギー源として代謝、利用される特長
を有している。
【0054】また、本発明の有効成分としてネオトレハ
ロースを含有せしめたエネルギー補給用組成物は、ネオ
トレハロースが還元性を示さず、保存安定性が高いこと
から、他の栄養物質、薬効物質などを併用して、より総
合的な栄養組成物にすることも、また、より治療効果を
高めた医薬組成物にすることも容易に実施できる特長を
有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/236 A61K 31/70

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 還元性を示さず、保存安定性に優れた
    オトレハロースを有効成分として含有せしめたエネルギ
    ー補給用組成物。
  2. 【請求項2】 エネルギー補給用組成物が医薬用組成物
    である請求項1記載のエネルギー補給用組成物。
  3. 【請求項3】 エネルギー補給用組成物が非経口的に使
    用される組成物である請求項1または2記載のエネルギ
    ー補給用組成物。
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DE69133387T DE69133387T2 (de) 1991-09-20 1991-11-14 Verwendung von Neotrehalose zur Herstellung eines Medikaments zur Energiesupplementierung bei einem lebenden Organismus
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