JP3158024B2 - ディストリビュ−タ−及びディストリビュ−タ−の接続方法 - Google Patents

ディストリビュ−タ−及びディストリビュ−タ−の接続方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディストリビュ−タ−及
びディストリビュ−タ−の接続方法に係り、特に、成形
が容易なディストリビュ−タ−及び該ディストリビュ−
タ−を用いて冷凍サイクルに組み込むことができるディ
ストリビュ−タ−の接続方法に関する。
【0002】
【従来の技術】冷凍サイクルを構成する部品として、デ
ィストリビュ−タ−(分配器)がある。これは、減圧装
置(たとえば、膨張弁)を通過した冷媒を蒸発器に等分
に分配して、蒸発器全体を有効に機能させるためのもの
である。
【0003】そして、通常、ディストリビュ−タ−には
オリフィスが設けられ、分配直前の冷媒が該オリフィス
を通過することにより、冷媒の通過速度を上げ、該冷媒
を液とガスの均一な混合体として、蒸発器へ均等に分配
するようになっている。
【0004】従来、ディストリビュ−タ−においては、
ディストリビュ−タ−本体の内壁に段部状に形成された
ストッパ−部にオリフィスを当接させ、更に、該オリフ
ィスのストッパ−部に当接した反対の面を他の部材で当
接させて、オリフィスをストッパ−部と他の部材で挟持
して所定位置に保持している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そのため、上述した従
来のディストリビュ−タ−においては、円筒状部材の内
壁を切削等により加工してストッパ−部を形成しなけれ
ばならないという不具合があった。
【0006】また、従来のディストリビュ−タ−の蒸発
器側へ接続する複数の蒸発器側導入配管接続通路は、い
ずれも、オリフィスの小孔に向かうように傾斜して設け
られているため、傾斜している分、ディストリビュ−タ
−自体が大きくなってしまうという不具合があった。
【0007】本発明は、上記不具合を解消するようにし
たディストリビュ−タ−及びディストリビュ−タ−の接
続方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、一端が開口した大径部、他
端が開口した前記大径部より小さい小径部、該小径部と
前記大径部とを接続し、前記小径部から前記大径部に向
かって拡大するテ−パ−部を有するテ−パ−部材と、小
孔部を有するオリフィス部材と、一端に蒸発器側へ接続
する複数の蒸発器側導入配管接続通路を、他端に前記複
数の蒸発器側導入配管接続通路に臨む空所を有する円筒
状部材とを有し、前記空所の側の前記円筒状部材の一端
を前記テ−パ−部材の前記大径部内に没入すると共に前
記オリフィス部材を前記テ−パ−部材の内壁と前記円筒
状部材の一端で挟持させ、前記円筒状部材と前記テ−パ
−部材との外側の接続部位を固着させたものである。
【0009】また、請求項2記載の発明は、一端が開口
した大径部、他端が開口した前記大径部より小さい小径
部、該小径部と前記大径部とを接続し、前記小径部から
前記大径部に向かって拡大するテ−パ−部を有するテ−
パ−部材と、小孔部を有するオリフィス部材と、一端に
蒸発器側へ接続する複数の蒸発器側導入配管接続通路
を、他端に前記複数の蒸発器側導入配管接続通路に臨む
空所を有する円筒状部材とを有し、前記複数の蒸発器側
導入配管接続通路は、いずれも前記円筒状部材の長手方
向の軸心に平行であり、前記空所の側の前記円筒状部材
の一端を前記テ−パ−部材の前記大径部内に没入すると
共に前記オリフィス部材を前記テ−パ−部材の内壁と前
記円筒状部材の一端で挟持させ、前記円筒状部材と前記
テ−パ−部材との外側の接続部位を固着させたものであ
る。
【0010】また、請求項3記載の発明は、請求項1ま
たは請求項2記載のディストリビュ−タ−において、オ
リフィス部材に取り付けられ、前記オリフィス部材の小
孔部に対向するように設けられたフィルタ−を有するも
のである。
【0011】また、請求項4記載の発明は、一端が開口
した大径部、他端が開口した前記大径部より小さい小径
部、該小径部と前記大径部とを接続し、前記小径部から
前記大径部に向かって拡大するテ−パ−部を有するテ−
パ−部材と、小孔部を有するオリフィス部材と、このオ
リフィス部材に取り付けられ、前記オリフィス部材の小
孔部に対向するように設けられたフィルタ−と、一端に
蒸発器側へ接続する複数の蒸発器側導入配管接続通路
を、他端に前記複数の毛細管接続通路に臨む空所を有す
る円筒状部材とを有し、前記複数の蒸発器側導入配管接
続通路は、いずれも前記円筒状部材の長手方向の軸心に
平行であり、前記空所の側の前記円筒状部材の一端を前
記テ−パ−部材の前記大径部内に没入すると共に前記オ
リフィス部材を前記テ−パ−部材の内壁と前記円筒状部
材の一端で挟持させ、前記円筒状部材と前記テ−パ−部
材との外側の接続部位を第1の固着物で固着させたディ
ストリビュ−タ−であって、このディストリビュ−タ−
の前記小径部をディストリビュ−タ−導入配管と接続し
て接続部位を第2の固着物で、前記ディストリビュ−タ
−の前記複数の蒸発器側導入配管接続通路に複数の蒸発
器側導入配管を接続して接続部位を第3の固着物で、そ
れぞれ固着し、前記第2の固着物及び前記第3の固着物
の溶融温度を前記第1の固着物の溶融温度より低く設定
して接合したものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1乃至図4において、1は、
冷凍サイクルで、冷凍サイクル1は、概略的に、圧縮機
2、凝縮器3、減圧装置(例えば、膨張弁)4、蒸発器
5を冷媒配管で順次接続して構成されている。
【0013】そして、減圧装置4と蒸発器5の間には、
ディストリビュ−タ−Dが設けられている。ディストリ
ビュ−タ−Dは冷媒を蒸発器5に分配して、蒸発器5全
体を有効に機能させるものである。
【0014】このディストリビュ−タ−Dは、概略的
に、テ−パ−部材6、オリフィス部材7、円筒状部材8
とから構成されている。
【0015】テ−パ−部材6は、例えば、無酸素銅棒を
テ−パ−状に形成したもので、一端が開口した大径部6
1、他端が開口した大径部61より小さい小径部62、該小
径部62と大径部61とを接続し、小径部62から大径部61に
向かって拡大するテ−パ−部63を有している。
【0016】小径部62から大径部61に向かって拡大する
部位のテ−パ−部材6の内壁には、メッシュ状に形成さ
れた(例えば、金網)フィルタ−9が圧接して設けられ
ている。
【0017】また、オリフィス部材7は、すり鉢状に形
成され、該すり鉢状の底の中央に小孔部71、該すり鉢状
の先端は屈曲して外周に鍔部72を有している。
【0018】このオリフィス部材7には、小孔部71に対
向するように、メッシュ状に形成された(例えば、金
網)フィルタ−10が圧着溶接等により固着して取り付け
られている。
【0019】なお、フィルタ−9、10は、冷媒中の金属
片、砂、ごみ等の異物を除去するためのもので、該異物
が混入して、冷凍サイクル1中を循環すると、該異物に
より圧縮機2の吐出弁、吸入弁、膨張弁4のオリフィス
等に支障を生じ、冷凍サイクル1が故障する原因ともな
る。
【0020】また、円筒状部材8は、例えば、無酸素銅
棒を鍛圧(鍛造、絞り、シゴキ)スエ−ジング加工して
形成されるもので、一端に蒸発器5側へ接続する複数
(例えば、6個)の蒸発器側導入配管接続通路81を、他
端に複数の蒸発器側導入配管接続通路81に臨む空所82を
有している。
【0021】この複数の蒸発器側導入配管接続通路81
は、いずれも円筒状部材8の長手方向の軸心に平行にな
るように形成されている。
【0022】また、蒸発器側導入配管接続通路81には、
溶接する際、炉材が蒸発器側導入配管22の開放端を塞ぐ
ことを防止するために、余分な炉材を溜める蒸発器側導
入配管接続通路81の一部に膨出する膨出部81a を形成し
ている。
【0023】そして、空所82の側の円筒状部材8の一端
をテ−パ−部材6の大径部61内に没入すると共にオリフ
ィス部材7をテ−パ−部材6の内壁と円筒状部材8の一
端で挟持させ、円筒状部材8とテ−パ−部材6との外側
の接続部位を第1の固着物11[例えば、溶融温度925
℃ 、銅95% りん5%、(ミズノ、ハンディ−、ハ
−マン社製 商品名 シリオス(JIS−BCUP−
1))]で固着させている。
【0024】また、ディストリビュ−タ−Dの小径部62
を冷媒配管、例えば、ディストリビュ−タ−導入配管21
と接続して接続部位を第2の固着物12[例えば、溶融温
度720℃ 、銅87% りん7% 銀6%、(ミズ
ノ、ハンディ−、ハ−マン社製商品名 シリオス(JI
S−BCUP−4))]で、ディストリビュ−タ−Dの
複数の蒸発器側導入配管接続通路81に冷媒配管、例え
ば、複数の蒸発器側導入配管22を接続して接続部位を第
3の固着物13[例えば、溶融温度720℃ 、銅87%
りん7% 銀6%、(ミズノ、ハンディ−、ハ−マン
社製 商品名 シリオス(JIS−BCUP−4))]
で、それぞれ固着する。
【0025】なお、第2の固着物12及び第3の固着物13
の溶融温度(例えば、溶融温度720℃ )は第1の固
着物11の溶融温度(例えば、溶融温度925℃)より低
く設定して接合している。
【0026】これは、上述したテ−パ−部材6、オリフ
ィス部材7、円筒状部材8を組み込んで、円筒状部材8
とテ−パ−部材6とを固着して予めディストリビュ−タ
−Dを個別に制作し、冷凍サイクル1に組み込む際、接
続部位の第2の固着物12及び第3の固着物13の溶融温度
を第1の固着物12の溶融温度より低く設定して冷媒配管
と接合して、接合する際、第1の固着物11が溶融しない
ようにしたものである。
【0027】なお、上述した実施例(特に、図2)にお
いては、テ−パ−部材6の内壁に、フィルタ−9を設け
たが、場合により、図5に示すように、フィルタ−9を
省略しても良いし、また、場合により、冷凍サイクルに
ストレ−ナ等を設ける等により、図6に示すように、フ
ィルタ−9及びフィルタ−10を省略しても良いまた、オ
リフィス部材7は、図2に示すようにすり鉢状に形成さ
れているが、図7に示すように、中心部に小孔部71を有
する円盤形状のものであっても良い。また、オリフィス
部材7に変えて、図8に示すように小径部62から大径部
61に向かって拡大する部位に突起7’を設けてオリフィ
スとしても良い。
【0028】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、空所の側
の円筒状部材の一端をテ−パ−部材の大径部内に没入す
ると共にオリフィス部材をテ−パ−部材の内壁と円筒状
部材の一端で挟持させたから、従来のようなオリフィス
部材を所定位置に保持するために、円筒状部材の内壁に
加工したストッパ−部が不要となる。
【0029】また、請求項2記載の発明によれば、前述
した請求項1記載の発明の効果に加え、蒸発器側導入配
管接続通路は、いずれも円筒状部材の長手方向の軸心に
平行であるため、従来のように、蒸発器側導入配管接続
通路が外方に傾斜せず、ディストリビュ−タ−自体をコ
ンパクト化することができる。
【0030】また、請求項3記載の発明によれば、前述
した請求項1記載の発明の効果に加え、オリフィス部材
の小孔部に対向するようにフィルタ−をオリフィス部材
に一体的に取り付けたから、ディストリビュ−タ−自体
をコンパクト化することができる。
【0031】また、請求項4記載の発明によれば、空所
の側の円筒状部材の一端をテ−パ−部材の大径部内に没
入すると共にオリフィス部材をテ−パ−部材の内壁と円
筒状部材の一端で挟持させたから、従来のようなオリフ
ィス部材を所定位置に保持するために、円筒状部材の内
壁に加工したストッパ−部が不要で、また、蒸発器側導
入配管接続通路は、いずれも円筒状部材の長手方向の軸
心に平行で、しかも、オリフィス部材の小孔部に対向す
るようにフィルタ−をオリフィス部材に一体的に取り付
けたから、加工が容易でコンパクト化したディストリビ
ュ−タ−を用い、これを予め個別に制作し、冷凍サイク
ルに組み込む際、接続部位の第2の固着物及び第3の固
着物の溶融温度を第1の固着物の溶融温度より低く設定
して接合して、第1の固着物の溶融を防止することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のディストリビュ−タ−を組み
込んだ冷凍サイクルの概念図である。
【図2】図2は、図1のディストリビュ−タ−の概略的
な断面図である。
【図3】図3は、図2の概略的な側面図である。
【図4】図4は、冷凍サイクルとの接続状態を示す概略
的な断面図である。
【図5】図5は、図2のディストリビュ−タ−の他の実
施例の概略的な断面図である。
【図6】図6は、図5のディストリビュ−タ−の他の実
施例の概略的な断面図である。
【図7】図7は、図6のディストリビュ−タ−の他の実
施例の概略的な断面図である。
【図8】図8は、図7のディストリビュ−タ−の他の実
施例の概略的な断面図である。
【符号の説明】
D ディストリビュ−タ− 6 テ−パ−部材 7 オリフィス部材 8 円筒状部材

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一端が開口した大径部、他端が開口した前
    記大径部より小さい小径部、該小径部と前記大径部とを
    接続し、前記小径部から前記大径部に向かって拡大する
    テ−パ−部を有するテ−パ−部材と、 小孔部を有するオリフィス部材と、 一端に蒸発器側へ接続する複数の蒸発器側導入配管接続
    通路を、他端に前記複数の蒸発器側導入配管接続通路に
    臨む空所を有する円筒状部材とを有し、 前記空所の側の前記円筒状部材の一端を前記テ−パ−部
    材の前記大径部内に没入すると共に前記オリフィス部材
    を前記テ−パ−部材の内壁と前記円筒状部材の一端で挟
    持させ、 前記円筒状部材と前記テ−パ−部材との外側の接続部位
    を固着させたことを特徴とするディストリビュ−タ−。
  2. 【請求項2】一端が開口した大径部、他端が開口した前
    記大径部より小さい小径部、該小径部と前記大径部とを
    接続し、前記小径部から前記大径部に向かって拡大する
    テ−パ−部を有するテ−パ−部材と、 小孔部を有するオリフィス部材と、 一端に蒸発器側へ接続する複数の蒸発器側導入配管接続
    通路を、他端に前記複数の蒸発器側導入配管接続通路に
    臨む空所を有する円筒状部材とを有し、 前記複数の蒸発器側導入配管接続通路は、いずれも前記
    円筒状部材の長手方向の軸心に平行であり、 前記空所の側の前記円筒状部材の一端を前記テ−パ−部
    材の前記大径部内に没入すると共に前記オリフィス部材
    を前記テ−パ−部材の内壁と前記円筒状部材の一端で挟
    持させ、 前記円筒状部材と前記テ−パ−部材との外側の接続部位
    を固着させたことを特徴とするディストリビュ−タ−。
  3. 【請求項3】オリフィス部材に取り付けられ、前記オリ
    フィス部材の小孔部に対向するように設けられたフィル
    タ−を有する請求項1または請求項2記載のディストリ
    ビュ−タ−。
  4. 【請求項4】一端が開口した大径部、他端が開口した前
    記大径部より小さい小径部、該小径部と前記大径部とを
    接続し、前記小径部から前記大径部に向かって拡大する
    テ−パ−部を有するテ−パ−部材と、 小孔部を有するオリフィス部材と、 このオリフィス部材に取り付けられ、前記オリフィス部
    材の小孔部に対向するように設けられたフィルタ−と、 一端に蒸発器側へ接続する複数の蒸発器側導入配管接続
    通路を、他端に前記複数の毛細管接続通路に臨む空所を
    有する円筒状部材とを有し、 前記複数の蒸発器側導入配管接続通路は、いずれも前記
    円筒状部材の長手方向の軸心に平行であり、 前記空所の側の前記円筒状部材の一端を前記テ−パ−部
    材の前記大径部内に没入すると共に前記オリフィス部材
    を前記テ−パ−部材の内壁と前記円筒状部材の一端で挟
    持させ、 前記円筒状部材と前記テ−パ−部材との外側の接続部位
    を第1の固着物で固着させたディストリビュ−タ−であ
    って、 このディストリビュ−タ−の前記小径部をディストリビ
    ュ−タ−導入配管と接続して接続部位を第2の固着物
    で、前記ディストリビュ−タ−の前記複数の蒸発器側導
    入配管接続通路に複数の蒸発器側導入配管を接続して接
    続部位を第3の固着物で、それぞれ固着し、前記第2の
    固着物及び前記第3の固着物の溶融温度を前記第1の固
    着物の溶融温度より低く設定して接合したことを特徴と
    するディストリビュ−タ−の接続方法。
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