JP3156854U - 食品容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】少ない製造コストで、吸水性が低くて耐酸性が高い食品容器を提供する。【解決手段】食品容器は、ストーンペーパーを主材料として形成されている。このストーンペーパーの容器内面側となる面に、樹脂製フィルムのラミネート加工が施されている。【選択図】図3
Description
この考案は、シート状材料を主材料として形成され、折り曲げ線に沿って折り曲げられることによって平面形態から箱状の立体形態に変形され、また、その折り曲げ線に沿って折り曲げられた部分を展開することによって、箱状の立体形態から平面形態に復元される食品容器に関する。
シート状材料を主材料とし、折り曲げ線に沿って折り曲げたり、その折り曲げ部分を展開することによって、平面形態から箱状の立体形態へ、また、箱状の立体形態から平面形態へと変形されるような食品容器がある。このような食品容器の典型的な例として、ドギーバッグと呼ばれる折り畳み型携帯用食品容器がある。
ドギーバッグとは、飲食店において、提供された料理を食べ残した客が、その食べ残した料理を自宅に持ち帰るときに、その食べ残した料理を収容するための食品容器である。
ドギーバッグは、食品を収容するときには箱状の立体形態を採る。しかし、洗浄時には、洗浄の容易化のために平面形態に展開できるものが多い。また携帯時には、平面形態から折り畳まれて、携帯に適した所定の折り畳み形態を採ることができるものが多い。
また、ドギーバッグは、飲食店で食べ残された料理を自宅に持ち帰るために用いられるだけではなく、他の用途に用いられることも多い。例えば、自宅で作った軽食をドギーバッグに収容して、その軽食をドギーバッグごと携帯して外出するために用いられることもある。
なお、シート状材料から上記のような折り畳み型携帯用食品容器(ドギーバッグ)を製造するには、型抜きの工程を経るのが通常である。また、上記のような折り畳み型携帯用食品容器(ドギーバッグ)の外側面には、模様や文字が印刷される場合が多い。
ところが、従来の折り畳み型携帯用食品容器(ドギーバッグ)は、ポリプロピレンなどの樹脂製のシート状材料によって形成されるものが多い。
ポリプロピレンが折り畳み型携帯用食品容器(ドギーバッグ)の材料として用いられる理由は、その吸水性の低さや耐酸性の高さにある。つまり、ポリプロピレンは吸水性が低く耐酸性が高いので、食品容器の材料として優れているのである。換言すれば、紙は吸水性が高いので、使い捨ての食品容器の材料としてであれば用いることができるとしても、繰り返し使用される食品容器の材料としては適しないのである。
しかし、ポリプロピレン製シートは、紙製シートほど切断が容易ではない。よって、ポリプロピレン製シートの型抜きを行うためには、紙製シートに用いる汎用的な型抜き機ではなく、特別のもの又はポリプロピレン専用のものを用いる必要がある。また、ポリプロピレン製シートは、紙製シートほど印刷が容易ではない。よって、ポリプロピレン製シートに印刷を行うためには、紙製シートに用いる汎用的な印刷機ではなく、特別のもの又はポリプロピレン専用のものを用いる必要がある。
よって、ポリプロピレン製シートの型抜きや印刷は、紙製シートの型抜きや印刷に比べて、一般にコスト高となる。
本願考案は上記課題を解決するためになされたものであり、吸水性が低くて耐酸性が高い食品容器を、少ない製造コストで提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本願考案の食品容器は、シート状材料を主材料として形成され、第1の折り曲げ線を有し、平面形態と所定の立体形態との間を双方向に移行可能であり、該第1の折り曲げ線に沿って折り曲げられることによって、該平面形態から該立体形態に移行し、該第1の折り曲げ線に沿って折り曲げられた部分を展開することによって該立体形態から該平面形態に移行し、該立体形態が箱状の形態である、食品容器であって、該シート状材料がストーンペーパーであり、該ストーンペーパーの容器内面側となる面に、樹脂製フィルムのラミネート加工が施されている。
ストーンペーパーとは、炭酸カルシウムの粉末を主原料とし、ポリエチレンなどの樹脂をつなぎ用の基材としてシート状に製造された素材である。
ストーンペーパーはパルプからは製造されないが、パルプから製造される通常の紙(以下、「パルプ紙」と言う)に似た質感を持つ。そしてストーンペーパーは、パルプ紙と同様に断裁しやすい素材である。また、パルプ紙と同様に印刷しやすい素材である。よって、本願考案の食品容器は、製造するに際して、パルプ紙に用いる汎用型の型抜き機を用いることができる。また、外側面に模様や文字を印刷しようとする場合にも、パルプ紙に用いる汎用型の印刷機を用いることができる。よって製造コストを少なくすることができる。
ストーンペーパーは、パルプ紙に比べて吸水性が低い。この点は食品容器として適した特性である。一方、ストーンペーパは耐酸性が低い。このため、ストーンペーパを食品容器の材料として用いると、酢を材料に用いる料理などを収容するには適しないものとなる。しかし、本願考案では、ストーンペーパーの容器内面側となる面に、樹脂製フィルムがラミネートコーティングされているので、酢を材料に用いる料理などを収容するのにも適する。
また上記食品容器において、該樹脂製フィルムがポリプロピレン製フィルムであってもよい。
また上記食品容器が、さらに、第2の折り曲げ線を有し、該平面形態と所定の折り畳み形態との間を双方向に移行可能であり、該第2の折り曲げ線に沿って折り曲げられることによって、該平面形態から該折り畳み形態に移行し、該第2の折り曲げ線に沿って折り曲げられた部分を展開することによって該折り畳み形態から該平面形態に移行するように構成されていてもよい。
かかる構成によれば、食品容器を折り畳み形態にして、衣服のポケットやカバンなどに収容しやすくできるので、携帯するのに便利である。
また上記食品容器において、該第2の折り曲げ線の少なくとも一部が、該第1の折り曲げ線に含まれるように構成されていてもよい。
本願考案によれば、平面形態から折り曲げによって箱状に変形される、耐水性および耐酸性に優れた食品容器を、少ない製造コストで提供することができる。
以下、本願考案の一実施形態たる食品容器1を、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本願考案の一実施形態たる食品容器が平面形態にあるときの平面図、図2は同底面図である。
この食品容器1は、折り曲げ線に沿って折り曲げることによって、図1,2に示されるような平面形態から、食品を収容する容器として適した箱状の所定の立体形態に移行させることができるのであるが、図1に表れる面は、この食品容器1が立体形態に変形されたときに容器内側面となる面である。また、図2に表れる面はこの食品容器1が立体形態に変形されたときに、容器外側面となる面である。
平面形態においては、食品容器1はシート状であり、その厚みみは素材としてのシート状材料の厚みに概略等しい。
食品容器1には、折り曲げ線a1〜a10,b1〜b14,c1〜c6が形成されている。これら折り曲げ線は、シート状素材に筋押し加工を施すことなどによって形成される。また、この食品容器1には、円形孔D1,D2、I字型の切り込みE1,E2、U字型の切り込みE3,E4、直線状の切り込みE5,E6が設けられている。また、この食品容器1には、切り込みE5,E6のほぼ中央部に連続するような形態で、微少な直角三角形の孔が設けられている。なお、図1,2において、折り曲げ線a1〜a10は点線によって、折り曲げ線b1〜b14は一点鎖線によって、折り曲げ線c1〜c6は二点鎖線によって表されている。
この食品容器1は、ストーンペーパーを主材料として形成されているのであるが、図1に表れる面(食品容器1が立体形態に変形されたときに、容器内側面となる面)には、ポリプロピレン製フィルムのラミネート加工が施されている。つまり、ストーンペーパーに、ポリプロピレンフィルムが貼付されているのである。
図2に示されるように、食品容器1の容器外側面となる面には、波形の様5が印刷されている。これにより、食品容器1が立体形態を採ったときには、外側面にこの模様が表れる。
ここで、このような食品容器1を製造する工程を簡単に説明する。
まず、食品容器1の主材料であるストーンペーパー製のシート状材料を準備する。この材料は通常は、平面形態の食品容器よりもサイズの大きな矩形形状である。
次に、このシート状材料の裏面側に模様5の印刷を施す。このとき、印刷機としては、パルプ紙に印刷を行うための汎用的な印刷機を用いることこができる。材料がストーンペーパー製だからである。
次に、このシート状材料の表面側に、ポリプロピレン製フィルムをラミネート加工する。
次に、型抜き機によって、食品容器1を平面形態の形状のものとして型抜きする。このとき型抜き機としては、パルプ紙を型抜きするための汎用的な型抜き機を用いることこができる。材料がストーンペーパー製だからである。この型抜き機によって、型抜きと同時に筋押し加工を行い、折り曲げ線を形成する。
以上、食品容器1を製造する工程を簡単に説明した。
ここで、図3を参照しつつ、食品容器1の主材料としてのシート状材料およびそのシート状材料へのラミネート構造を説明する。
図3は、食品容器1の主材料としてのシート状材料11の構造を示す、拡大断面図である。
シート状材料11は、ストーンペーパー製である。このストーンペーパー製のシート状材料11の一方の面には、ポリプロピレン製フィルム12がラミネート加工が施されている。
このラミネート加工が施された面13は、図1に表れる面であり、食品容器1が立体形態に変形されたときに、容器内側面となる面である。
ストーンペーパー(シート状材料11)の他方の面14は、図2に表れる面であり、食品容器1が立体形態に変形されたときに、容器外側面となる面である。この面には、ラミネート加工は施されておらず、ストーンペーパーの素地が露出している。ただし、この面14の一部には模様5を設けるための印刷が施されているので、その部分のみ、ストーンペーパーは印刷用インクに被覆されている。
図4は、食品容器1が立体形態にあるときの斜観図である。立体形態においては食品容器1の形状は箱状である。よって、内部に食品を収容するのに適している。
前述したとおり、この食品容器1の主材料はストーンペーパ製のシート状材料11である。そして、この食品容器1の容器内側面にはポリプロピレン製フィルム12がラミネート加工されている。ストーンペーパー自体が吸水性の極めて低い材料であり、さらにこのストーンペーパーにラミネート加工が施されているため、収容された食品に含まれる水分を、食品容器1が吸収することはない。しかも、ポリプロピレンは耐酸性が高い材料であるから、収容された食品に含まれる酢などの酸性成分に浸食されることがない。
このように、食品容器1は吸水性が低く耐酸性が高いため、長時間の使用や繰り返し使用に適したものとなる。
次に、食品容器1を図1,2に示される平面形態から図4に示される立体形態に移行させるための手順を説明する。
ここでは、図1に表れた面が山型になるような折り方を山折りとし、図1に表れた面が谷型になるような折り方を谷折りと呼ぶ。折り曲げ線a3〜a10,b1,b2,b7〜b14を谷折りに、折り曲げ線a1,a2,b3〜b6を山折りにすると、食品容器1を、図1,2に示されるような平面形態から、図4に示されるような立体形態に移行させることができる。これら折り曲げ線a1〜a10,b1〜b14は、食品容器1を平面形態から立体形態に移行させるときに折り曲げられる部分である。食品容器1を平面形態から立体形態に移行させるために折り曲げるべき折り曲げ線を、ここでは「第1の折り曲げ線」と呼ぶ。よって、折り曲げ線a1〜a10,b1〜b14が第1の折り曲げ線に相当する。
図4に示すような立体形態にある食品容器1の、折り曲げられた折り曲げ線a1〜a10,b1〜b14を全て展開すると、食品容器1は、図1,2に示すような平面形態に戻る。ここで言う「展開」とは、折り曲げられた部分を、折り曲げられる前の平坦な状態に戻すことを意味する。
このように、食品容器1は、折り曲げ線に沿って折り曲げたり、折り曲げ線を展開することによって、平面形態と所定の立体形態との間を双方向に移行可能である。
図5は、食品容器が折り畳み形態にあるときの斜観図である。この形態は、食品容器1が食品を収容することなく携帯されるとにき採られる形態である。この形態(折り畳み形態)は、図1,2に示されるような平面形態や、図4に示されるような立体形態のように嵩張ることがなく、衣服のポケットやカバンに収容するのに適した形態である。よって折り畳み形態は、食品容器1を携帯するときに便利な形態である。
図1,2のように平面形態にある食品容器1の、折り曲げ線b1〜b6,b9,b10,b13,b14,c3,c4を谷折りに、折り曲げ線b7,b8,b11,b12,c1,c2,c5,c6を山折りにすると、食品容器1を、図5に示されるような折り畳み形態に移行させることができる。
これら折り曲げ線b1〜b14,c1〜c6は、食品容器1を平面形態から折り畳み形態に移行させるときに折り曲げられる部分である。食品容器1を平面形態から折り畳み形態に移行させるために折り曲げるべき折り曲げ線を、ここでは「第2の折り曲げ線」と呼ぶ。よって、折り曲げ線b1〜b14,c1〜c6が第2の折り曲げ線に相当する。
上述したことから理解されるとおり、折り曲げ線a1〜a10は第1の折り曲げ線としてのみ機能し、折り曲げ線c1〜c6は第2の折り曲げ線としてのみ機能する。折り曲げ線b1〜b14は、第1の折り曲げ線としても機能し、かつ、第2の折り曲げ線としても機能する。折り曲げ線a1〜a10,b1〜b14が第1の折り曲げ線であり、折り曲げ線b1〜b14,c1〜c6が第2の折り曲げ線であるから、本実施形態においては、第2の折り曲げ線b1〜b14,c1〜c6の一部(折り曲げ線b1〜b14)が、第1の折り曲げ線a1〜a10,b1〜b14に含まれていると言うことができる。
以上、本実施形態を説明した。
本実施形態では、シート状材料の一方の面にのみラミネート加工を施す例を示したが、両方の面に対してラミネート加工を施してもよい。ラミネート加工を施すべき面に印刷を行うのであれば、まず、ストーンペーパーの素地に印刷を施し、その上からラミネート加工を施せばよい。
また、本実施形態では、ポリプロピレン製フィルムをラミネート加工する例を示したが、用いられるフィルムはポリプロピレン製のものに限られず、耐酸性を有する樹脂製フィルムであればどのようなものを用いることもできる。
また、本実施形態では、第2の折り曲げ線の一部のみが、第1の折り曲げ線に含まれるものを示したが、必ずしもそのような構成を採る必要はない。つまり、第2の折り曲げ線の全部が、第1の折り曲げ線に含まれるようにしてもよい。さらには、折り畳み携帯に変形させる必要のない場合は、第1の折り曲げ線は形成するが第2の折り曲げ線は形成しないようにしてもよい。
1 食品容器
5 模様
11 シート状材料
12 ポリプロピレン製フィルム
13,14 面
a1〜a10、b1〜b14、c1〜c6 折り曲げ線
D1,D2 円形孔
E1〜E6 切り込み
5 模様
11 シート状材料
12 ポリプロピレン製フィルム
13,14 面
a1〜a10、b1〜b14、c1〜c6 折り曲げ線
D1,D2 円形孔
E1〜E6 切り込み
Claims (4)
- シート状材料を主材料として形成され、
第1の折り曲げ線を有し、
平面形態と所定の立体形態との間を双方向に移行可能であり、
該第1の折り曲げ線に沿って折り曲げられることによって、該平面形態から該立体形態に移行し、
該第1の折り曲げ線に沿って折り曲げられた部分を展開することによって該立体形態から該平面形態に移行し、
該立体形態が箱状の形態である、食品容器であって、
該シート状材料がストーンペーパーであり、
該ストーンペーパーの容器内面側となる面に、樹脂製フィルムのラミネート加工が施されている、食品容器。 - 該樹脂製フィルムがポリプロピレン製フィルムである、請求項1記載の食品容器。
- 第2の折り曲げ線を有し、
該平面形態と所定の折り畳み形態との間を双方向に移行可能であり、
該第2の折り曲げ線に沿って折り曲げられることによって、該平面形態から該折り畳み形態に移行し、
該第2の折り曲げ線に沿って折り曲げられた部分を展開することによって該折り畳み形態から該平面形態に移行する、請求項1又は2記載の食品容器。 - 該第2の折り曲げ線の少なくとも一部が、該第1の折り曲げ線に含まれる、請求項3記載の食品容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009007861U JP3156854U (ja) | 2009-11-04 | 2009-11-04 | 食品容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009007861U JP3156854U (ja) | 2009-11-04 | 2009-11-04 | 食品容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3156854U true JP3156854U (ja) | 2010-01-21 |
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ID=54860602
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013076808A1 (ja) * | 2011-11-22 | 2013-05-30 | 株式会社開伸 | 折り曲げ罫線入りシート |
JP2014097844A (ja) * | 2012-10-18 | 2014-05-29 | Mybox Fukyu Kigyo Kumiai | 折り畳み容器 |
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2009
- 2009-11-04 JP JP2009007861U patent/JP3156854U/ja not_active Expired - Fee Related
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