JP3156764U - 表面疵検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面疵の過検出や未検出を抑制して表面疵を精度良く検出することが可能な表面疵検査装置を提供する。【解決手段】本考案に係る表面疵検査装置100は、引抜加工設備に設置され、表面に潤滑剤が付着した引抜加工後の断面略円形の被検査材に存在する表面疵を検査する。表面疵検査装置100は、渦流探傷等を行うことによって被検査材に存在する表面疵候補を検出する探傷装置1と、探傷装置によって表面疵候補が検出された場合に、当該表面疵候補を含む被検査材表面の所定領域を撮像する撮像手段2(撮像器21、環状照明222)と、撮像手段で撮像した前記所定領域の撮像画像に対して、表面疵に対応する画素領域を抽出するための所定の画像処理を施す画像処理手段3と、撮像手段2を駆動制御する制御手段4とを備える。【選択図】図2

Description

本考案は、引抜加工設備に設置され、表面に潤滑剤が付着した引抜加工後のみがき棒鋼、鋼線、鋼管等の断面略円形の被検査材に存在する表面疵を検査する装置に関する。特に、本考案は、表面疵の過検出や未検出を抑制して表面疵を精度良く検出することが可能な表面疵検査装置に関する。
みがき棒鋼や鋼線は、一般的に、線材コイルやバーインコイルを巻き戻しながら連続的に引抜加工を行う連続引抜加工設備(例えば、特許文献1、2参照)によって製造される。
また、みがき棒鋼や鋼管の場合には、所定の長さに切断された棒鋼や素管に引抜加工を行う引抜加工設備(例えば、非特許文献1参照)によって製造されるものもある。
図1は、みがき棒鋼及び鋼線の製造工程の一例を示すフロー図である。図1(a)はみがき棒鋼の製造工程例を、図1(b)及び(c)は鋼線の製造工程例を示す。
図1(a)に示すように、みがき棒鋼の製造工程では、例えば、コイル状に巻き取った線材コイルを酸洗し、熱処理を施した後、引抜加工設備Aに搬送する。引抜加工設備Aでは、線材コイルを巻き戻して線材を軸方向に搬送し、予備矯正、ショットブラストを施した後、線材の表面に潤滑剤としての油を付着させる。そして、ダイスによって引抜加工を施した線材を適宜の長さで切断した後、再度矯正し、真直性の高い線材、すなわちみがき棒鋼を得る。このみがき棒鋼に対して非破壊検査(NDI)を行った後、引抜加工設備Aから搬出する。
なお、上記のように、線材の表面に潤滑剤としての油を付着させるのは、引抜加工時におけるダイスと線材との焼き付きや、切断後の矯正時における矯正機と線材との焼き付きを防止することが目的である。
また、図1(b)に示すように、鋼線の製造工程では、例えば、コイル状に巻き取った線材コイルに熱処理を施し、酸洗した後、線材コイルの表面に潤滑剤を付着させる。具体的には、例えば、潤滑剤として、リン酸亜鉛を最初に付着させ、その上にステアリン酸カルシウムを付着させる。そして、潤滑剤が付着した線材コイルを引抜加工設備Bに搬送する。引抜加工設備Bでは、線材コイルを巻き戻して線材を軸方向に搬送し、予備矯正を施した後、ダイスによって引抜加工を施す。この引抜加工によって、潤滑剤は引抜加工を施された線材(鋼線)の表面に密着し、潤滑皮膜を形成する。そして、鋼線に非破壊検査を行った後、鋼線をコイル状に巻き取る。
或いは、図1(c)に示すように、鋼線の製造工程では、例えば、コイル状に巻き取った線材コイルを酸洗し、熱処理を施した後、引抜加工設備Cに搬送する。引抜加工設備Cでは、線材コイルを巻き戻して線材を軸方向に搬送し、予備矯正、ショットブラストを施した後、線材の表面に潤滑剤を付着させる。具体的には、例えば、潤滑剤として、リン酸亜鉛を最初に付着させ、その上にステアリン酸カルシウムを付着させる。そして、潤滑剤が付着した線材にダイスによって引抜加工を施す。この引抜加工によって、潤滑剤は引抜加工を施された線材(鋼線)の表面に密着し、潤滑皮膜を形成する。そして、鋼線に非破壊検査を行った後、鋼線をコイル状に巻き取る。
なお、図1(b)及び(c)に示すように、線材の表面に潤滑剤(リン酸亜鉛及びステアリン酸カルシウム)を付着させ、潤滑皮膜を形成させるのは、客先において鋼線を切断し、ボルト等に冷間鍛造する際の潤滑が主目的である。
上述した引抜加工設備におけるみがき棒鋼や鋼線等の被検査材の非破壊検査においては、渦流探傷装置や漏洩磁束探傷装置等の非破壊検査装置を用いて表面疵が検査されている。これら非破壊検査装置によって得られる探傷信号には、電気的ノイズ或いは被検査材の搬送時のガタ等に起因した外乱ノイズや、被検査材の内質異常(加工層や組織の異常)や被検査材の粗さ等の表面性状の影響に起因したノイズ等のノイズ信号が疵検出信号に重畳され、実際には表面疵が存在しないにも関わらず、表面疵が存在すると判定される(過検出される)場合がある。このため、非破壊検査装置によって表面疵が存在すると判定された場合、被検査材の全てを不良品として扱うか、目視検査を行って良品、不良品を判別するか、或いは、再び非破壊検査装置によって検査する方法が実施されている。被検査材の全てを不良品として扱う方法では、実際には表面疵が存在しないにも関わらず不良品として扱うため、被検査材の製品歩留まりが低下するという問題がある。また、目視検査を行う方法では、検査員の手間や人手のコストが掛かる他、検査員の個人差によって検査結果が左右される(場合によっては表面疵の見逃し(未検出)が発生する)という問題がある。さらに、再び非破壊検査装置によって検査する方法についても、検査員の手間や人手のコストが掛かるという問題がある。
これに対して、例えば、特許文献3には、表面疵の誤検出(過検出)を抑制することを目的として、極性の異なる2つのコイルを備えた自己比較方式の渦流探傷装置において、欠陥判定回路として、検波器からの信号の極性に応じて、それぞれを閾値と比較する+側極性判定回路及び−側極性判定回路と、+側極性信号の判定を行ってから該信号に対応する−側極性信号を検出するまでの時間を測定する待ち時間測定回路とを設けた渦流探傷装置が開示されている。
また、特許文献4には、断面円形で周面が螺旋状に研磨または研削された被検査材の探傷方法であって、被検査材の検査ラインにおいて、渦流探傷法および光学式撮像手段を用いる表面疵探傷法を連続して行う探傷方法が開示されている。
特開2000−5809号公報 特開昭59−85315号公報 特開2003−4708号公報 特開2007−309690号公報 日本鉄鋼協会編、「第3版 鉄鋼便覧 第IV巻 二次加工・表面処理・熱処理・溶接」、丸善(1982)、p.10
しかしながら、特許文献3に記載の装置は、表面疵の有無を直接的に(視覚的に)確認するものではなく、あくまでも被検査材に誘起された渦電流の変化を検出する構成であるため、前述したような各種ノイズの影響を完全に無くすことができず、以前として表面疵の過検出が生じるという問題がある。
また、特許文献4に記載の方法は、渦流探傷法および光学式撮像手段を用いる表面疵探傷法を単に連続して行うに過ぎず、各探傷法による探傷結果を独立別個に評価するため、渦流探傷法による表面疵の過検出を抑制することはできない。
さらに、断面略円形の被検査材に存在する表面疵を光学式撮像手段を用いて検査する場合、被検査材の断面が略円形であるため、照明手段の構成や配置を工夫しなければ被検査材の周方向に均一な強度の光を照射することが困難であり、表面疵の過検出や未検出が生じる虞がある。また、前述のように、引抜加工設備における表面疵検査では、みがき棒鋼や鋼線等の被検査材の表面に潤滑剤が付着している。このため、表面疵を光学式撮像手段を用いて検査する場合、潤滑剤の付着で被検査材の表面粗さが小さくなることにより、或いは、光が潤滑剤によって吸収されることにより、照明手段から被検査材の表面に照射した光の直接反射光(正反射光)の光量は、潤滑剤が付着する前と比べて変化する。従って、被検査材の表面に潤滑剤の付着ムラが生じていると、たとえ表面疵が存在していなくても、被検査材の部位に応じて直接反射光の光量が異なってしまう結果、表面疵の過検出や未検出が生じる虞がある。
本考案は、斯かる従来技術に鑑みなされたものであり、表面疵の過検出や未検出を抑制して表面疵を精度良く検出することが可能な表面疵検査装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本考案は、引抜加工設備に設置され、表面に潤滑剤が付着した引抜加工後の断面略円形の被検査材に存在する表面疵を検査する表面疵検査装置であって、軸方向に搬送される被検査材に対して渦流探傷又は漏洩磁束探傷を行うことにより、被検査材に存在する表面疵候補を検出する探傷装置と、前記探傷装置に対して被検査材の搬送方向下流側に配置され、前記探傷装置によって表面疵候補が検出された場合に、当該表面疵候補を含む被検査材表面の所定領域を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像した前記所定領域の撮像画像に対して、表面疵に対応する画素領域を抽出するための所定の画像処理を施す画像処理手段と、前記撮像手段を駆動制御する制御手段とを備え、前記撮像手段は、被検査材の周方向に沿って配置され、被検査材の軸方向に直交する方向に視線を有する複数の撮像器と、該撮像器に対して被検査材の搬送方向上流側及び下流側にそれぞれ配置され、被検査材を挿通する環状照明とを具備し、前記制御手段は、前記探傷装置によって表面疵候補が検出された場合に、被検査材が搬送されることによって前記検出された表面疵候補が前記撮像手段の配置位置に到達したタイミングで、前記撮像手段を駆動制御して前記表面疵候補を含む被検査材表面の所定領域を撮像させ、前記画像処理手段は、前記画像処理によって表面疵に対応する画素領域が抽出された場合に、前記所定領域に表面疵が存在すると判定することを特徴とする表面疵検査装置を提供するものである。
斯かる考案によれば、従来と同様の渦流探傷又は漏洩磁束探傷を行うことによって被検査材に存在する表面疵候補を検出した場合に、この検出した表面疵候補を含む被検査材表面の所定領域を撮像し、所定領域の撮像画像に対して画像処理を施すことにより表面疵の有無を判定する(画像処理によって表面疵に対応する画素領域が抽出された場合に、所定領域に表面疵が存在すると判定する)ことになる。従って、たとえ渦流探傷又は漏洩磁束探傷単独では表面疵を過検出したとしても、最終的には、渦流探傷等に生じるノイズの影響を受けない撮像画像に対して画像処理を施した結果に応じて表面疵の有無を判定するため、表面疵の過検出が抑制される。
また、本考案に係る表面疵検査装置が備える撮像手段は、被検査材の周方向に沿って配置され、被検査材の軸方向に直交する方向に視線を有する複数の撮像器と、該撮像器に対して被検査材の搬送方向上流側及び下流側にそれぞれ配置され、被検査材を挿通する環状照明とを具備する。このため、断面略円形の被検査材であっても、環状照明によって被検査材の周方向に略均一な強度の光を照射することができる。また、被検査材の軸方向に直交する方向に視線を有する撮像器には、環状照明から被検査材の表面に照射された光の内、直接反射光ではなく、散乱光が受光されることになる。前述のように、被検査材表面に付着している潤滑剤の付着ムラは、直接反射光の光量に影響を及ぼすものの、散乱光の光量への影響は少ない。従って、被検査材に表面疵が存在しない場合には、たとえ潤滑剤の付着ムラが生じていたとしても、各画素の濃度値が比較的均一に小さい(暗い)撮像画像が得られる。一方、被検査材に表面疵が存在する場合には、表面疵が粗面であることや表面疵のエッジ部の凹凸の影響等により、照射された光が表面疵で散乱するため、表面疵に対応する画素領域の濃度値が大きい(明るい)撮像画像が得られる。すなわち、撮像画像における表面疵に対応する画素領域と対応しない画素領域とのコントラスト比を高めることができ、画像処理に適した(微細な表面疵を精度良く検出できる)撮像画像を得ることが可能となる。これにより、表面疵に対応する画素領域を精度良く抽出することができ、ひいては表面疵の過検出や未検出が抑制され、表面疵を精度良く検出可能である。
以上のように、本考案に係る表面疵検査装置によれば、表面疵の過検出や未検出が抑制され、表面疵を精度良く検出可能であるため、被検査材の製品歩留まりの低下を抑制することが可能である。また、作業員による目視検査や、渦流探傷や漏洩磁束探傷による再検査が不要となるため、検査員の手間や人手のコストを低減することも可能である。
好ましくは、前記探傷装置は、断面略円形の被検査材に存在する表面疵候補の周方向位置を特定し、前記撮像手段は、前記探傷装置によって表面疵候補が検出された場合に、当該表面疵候補の特定された周方向位置に対応する撮像器によって当該表面疵候補を含む被検査材表面の所定領域を撮像する。
斯かる好ましい構成によれば、撮像手段が具備する複数の撮像器の内、表面疵候補の特定された周方向位置に対応する撮像器によって当該表面疵候補を含む被検査材表面の所定領域を撮像するため、当該表面疵候補の周方向位置に対応しない他の撮像器によって当該表面疵候補を含まない被検査材表面を撮像する必要が無くなる。このため、被検査材表面に存在する表面疵以外の微細な凹凸や、被検査材表面に付着した粉塵等が、画像処理手段によって表面疵に対応する画素領域として抽出される虞が低減し、表面疵の過検出を抑制して表面疵をより一層精度良く検出可能である。
本考案に係る表面疵検査装置によれば、表面疵の過検出や未検出が抑制され表面疵を精度良く検出可能である。このため、被検査材の製品歩留まりの低下を抑制することが可能である。また、作業員による目視検査や、渦流探傷や漏洩磁束探傷による再検査が不要となるため、検査員の手間や人手のコストを低減することも可能である。
図1は、みがき棒鋼及び鋼線の製造工程の一例を示すフロー図である。図1(a)はみがき棒鋼の製造工程例を、図1(b)及び(c)は鋼線の製造工程例を示す。 図2は、本考案の一実施形態に係る表面疵検査装置の概略構成を示す模式図である。図2(a)は被検査材の搬送方向に直交する方向から見た側面図を、図2(b)は被検査材の搬送方向から見た撮像手段の正面図を示す。 図3は、図2に示す探傷装置の概略構成を示す模式図である。 図4は、図2に示す表面疵検査装置を用いた表面疵検査方法の概略手順を示すフロー図である。 図5は、図2に示す撮像手段によって被検査材の表面に照射した光の挙動を示す説明図である。図5(a)は被検査材に表面疵が存在する場合の光の挙動を、図5(b)は被検査材に表面疵が存在しない場合の光の挙動を示す。 図6は、図2に示す撮像手段によって撮像した撮像画像(原画像)の例を示す図である。 図7は、図2に示す画像処理手段が施す画像処理の一例を概略的に示すフロー図である。 図8は、図2に示す画像処理手段によって画像処理される撮像画像の一例を示す図である。 図9は、本考案の他の実施形態に係る表面疵検査装置の概略構成を示す模式図である。図9(a)は被検査材の搬送方向に直交する方向から見た側面図を、図9(b)は被検査材の搬送方向から見た探傷装置の正面図を示す。 図10は、探傷器12Aによる表面疵候補を検出した探傷プローブの周方向位置の算出方法の一例を示す説明図である。 図11は、被検査材の表面に照射した光の直接反射光(正反射光)を受光して得られた撮像画像の例を示す図である。
以下、添付図面を参照しつつ、本考案の実施形態について、被検査材が表面に潤滑剤(油)が付着した断面略円形のみがき棒鋼である場合を例に挙げて説明する。
<第1実施形態>
図2は、本考案の第1実施形態に係る表面疵検査装置の概略構成を示す模式図である。図2(a)は被検査材の搬送方向に直交する方向から見た側面図を、図2(b)は被検査材の搬送方向から見た撮像手段の正面図を示す。図3は、図2に示す探傷装置の概略構成を示す模式図である。図4は、本考案の第1実施形態に係る表面疵検査装置を用いた表面疵検査方法の概略手順を示すフロー図である。
図2に示す表面疵検査装置100は、図1(a)を参照して前述したように、引抜加工設備における矯正機(切断後の線材を再度矯正するための矯正機)の後に設置されている。そして、表面疵検査装置100は、軸方向(図2の矢符Xの方向)に搬送される被検査材Bに対して渦流探傷又は漏洩磁束探傷を行うことにより、被検査材Bに存在する表面疵候補を検出する探傷装置1と、探傷装置1に対して被検査材Bの搬送方向下流側に配置され、探傷装置1によって表面疵候補が検出された場合に、当該表面疵候補を含む被検査材B表面の所定領域を撮像する撮像手段2と、撮像手段2で撮像した前記所定領域の撮像画像に対して、表面疵に対応する画素領域を抽出するための所定の画像処理を施す画像処理手段3と、撮像手段2を駆動制御する制御手段4とを備えている。
本実施形態に係る探傷装置1は、渦流探傷を行う装置とされている。図2又は図3に示すように、本実施形態に係る探傷装置1は、差動型コイル11と、探傷器12とを備えている。
差動型コイル11は、被検査材Bを挿通し、被検査材Bに交流磁界を作用させて渦電流を誘起すると共に、被検査材Bに誘起された渦電流を検出するように構成されている。具体的に説明すれば、本実施形態に係る差動型コイル11は、被検査材Bに交流磁界を作用させる励磁コイル(図示せず)と、渦電流を検出するための検出コイルとが別体とされた相互誘導型コイルである。そして、前記検出コイルが一対のコイル11a、11bからなり、各コイル11a、11bでの検出信号の差を出力するように構成された、いわゆる自己比較方式のコイルとされている。前記励磁コイルは、被検査材Bの軸方向に交流磁界を作用させる一方、コイル11a、11bは、渦電流によって生じる被検査材Bの軸方向の交流磁界の変化を検出する。各コイル11a、11bは、被検査材Bの軸方向に離間して配置されており、被検査材Bが軸方向に搬送されれば、差動型コイル11からは、各コイル11a、11bに対向する被検査材Bの部位についての検出信号の差が出力される。
探傷器12は、差動型コイル11に交流電流を通電すると共に、差動型コイル11から出力された検出信号に基づいて、被検査材Bに存在する表面疵候補を検出するように構成されている。具体的には、本実施形態に係る探傷器12は、発振器121、増幅器122、同期検波器123、ハイパスフィルタ124、A/D変換器125及び判定部126を備える。
発振器121は、差動型コイル11の励磁コイルに所定周波数の交流電流を供給する。これにより、前述のように、被検査材Bの軸方向に交流磁界が生じ、被検査材Bに渦電流が誘起される。
差動型コイル11から出力された検出信号(具体的には、各コイル11a、11bでの検出信号の差)は、増幅器122によって増幅された後、同期検波器123に出力される。同期検波器123は、発振器121から出力される参照信号に基づき、増幅器122の出力信号を同期検波する。具体的に説明すれば、発振器121から同期検波器123に向けて、差動型コイル11に供給する交流電流と同一の周波数を有する第1参照信号と、該第1参照信号の位相を90°だけ移相した第2参照信号とが出力される。そして、同期検波器123は、増幅器122の出力信号から、第1参照信号の位相と同位相の信号成分(X信号)及び第2参照信号の位相と同位相の信号成分(Y信号)を分離・抽出する。分離・抽出されたX信号及びY信号は、ハイパスフィルタ124に出力される。
ハイパスフィルタ124は、同期検波器123から出力されたX信号及びY信号から所定の低周波成分を除去し、A/D変換器125に出力する。A/D変換器125は、ハイパスフィルタ124の出力信号をA/D変換し、判定部126に出力する。
判定部126は、A/D変換器125の出力データ(すなわち、ハイパスフィルタ124によって低周波成分が除去されたX信号及びY信号をA/D変換したデジタルデータ。以下、X信号データ及びY信号データという)に基づいて、被検査材Bに存在する表面疵候補を検出する。具体的に説明すれば、判定部126は、X信号データ又はY信号データが予め定めたしきい値よりも大きい場合や、或いは、X信号データ及びY信号データから算出される振幅Z(Z=(X+Y1/2)が予め定めたしきい値よりも大きい場合等に、被検査材Bに表面疵候補が存在すると判定する。表面疵候補が存在すると判定した場合、判定部126は、画像処理手段3及び制御手段4に対して、表面疵候補検出信号を出力する。
以上に説明した構成を有する探傷装置1によって探傷が行われ(図4のS1参照)、表面疵候補が検出された場合(図4のS2参照)、前述のように、撮像手段2は、探傷装置1によって検出した表面疵候補を含む被検査材B表面の所定領域を撮像する(図4のS3参照)。なお、表面疵候補が検出されなかった場合には、撮像手段2による撮像は行われない。そして、被検査材Bの全長に亘って表面疵候補が検出されなかった場合(表面疵候補検出信号が入力されなかった場合)、画像処理手段3は、当該被検査材Bには表面疵が存在しない(良品である)と判定する(図4のS4参照)。
本実施形態に係る撮像手段2は、被検査材Bの周方向に沿って配置され、被検査材Bの軸方向に直交する方向に視線を有する複数の撮像器(本実施形態では高速度シャッター(例えば、シャッタースピード1/6000秒)付きCCDカメラ)21を備えている。本実施形態では、被検査材Bの周方向に沿って約90°ピッチで、4つの撮像器21a、21b、21c、21dが配置されている。各撮像器21の撮像視野は、部分的にオーバラップするように設定されている。本実施形態では、静止状態の被検査材Bの軸方向に約50mm、被検査材Bの周方向に約25mmの撮像視野が設定されており、撮像画像の1画素当たりの分解能は約50μmである。なお、本実施形態では、被検査材Bの周方向に沿って4つの撮像器21が配置された構成について例示したが、本考案はこれに限るものではなく、6つの撮像器21を配置するなど、被検査材Bの表面を適切に撮像できると共に、過度に多くの撮像器21を配置することによってコストの増大を招く虞のない限りにおいて、任意の数の撮像器21を配置することが可能である。
また、本実施形態に係る撮像手段2は、撮像器21に対して被検査材Bの搬送方向上流側及び下流側にそれぞれ配置された一対の光源22(22a、22b)を備えている。本実施形態に係る各光源22は、内面221Sが半透明な材料や拡散板で構成された環状の筐体221と、筐体221に内蔵された環状照明(本実施形態では環状のストロボ照明)222とを備えている。筐体221及びストロボ照明222は、被検査材Bを挿通し、ストロボ照明222の中心軸と被検査材Bの軸心とが略一致するように配置されている。上流側に配置されたストロボ照明222a及び下流側に配置されたストロボ照明222bから出射した光の一部は、各筐体221a、221bの内面221Sを介して、被検査材Bの表面(各筐体221a、221bの間に位置する部位)に照射される。前述のように、撮像器21は被検査材Bの軸方向に直交する方向に視線を有するため、ストロボ照明222から被検査材Bの表面に照射された光の内、直接反射光ではなく、散乱光が撮像器21によって受光される。図5(a)に示すように、被検査材Bに表面疵が存在する場合、表面疵が粗面であることや表面疵のエッジ部の凹凸の影響等により、表面疵が存在しない場合(図5(b))と比べて散乱光の光量が増すことになる。なお、ストロボ照明222から出射した光が内面221Sを通過する際、内面221Sを構成する半透明な材料や拡散板によって光が拡散するため、たとえストロボ照明222から出射する光に強度ムラがあったとしても、内面221Sを通過する際の拡散によって、被検査材Bの表面に照射される際には光の強度ムラが緩和される。このため、ストロボ照明222から出射した光が被検査材Bの表面に直接照射される場合に比べて、より均一な強度の光を照射することが可能である。
このため、図6(a)及び(b)に例示したように、撮像器21で撮像した撮像画像において、表面疵に対応する画素領域は明るくなり、表面疵が存在しない画素領域は暗くなる。なお、図6(a)及び(b)に示したものは、表面に潤滑剤の付着ムラが生じている被検査材Bの撮像画像例であるが、潤滑剤の付着ムラの影響は殆ど無く(表面疵が存在しない画素領域が略均一に暗くなる)、表面疵に対応する画素領域と対応しない画素領域とのコントラスト比が高いことが分かる。
なお、図11(a)〜(c)に例示した撮像画像は、適宜の照明手段から被検査材B(潤滑剤の付着ムラが生じている被検査材)の表面に照射した光の直接反射光(正反射光)を受光して得られた撮像画像である。図6(a)及び(b)に例示した撮像画像と異なり、潤滑剤の付着ムラの影響によって、表面疵に対応しない画素領域であっても明暗が生じてしまい、表面疵の過検出や未検出が生じる虞のあることが分かる。
以上に説明した撮像手段2は、前述のように、制御手段4によって駆動制御される。本実施形態に係る制御手段4は、撮像器21が具備するシャッターを駆動制御するためのシャッター制御手段41と、光源22が具備するストロボ照明222を駆動制御するためのストロボ制御手段42とを備えている。そして、制御手段4は、探傷装置1によって表面疵候補が検出された場合に、被検査材Bが搬送されることによって前記検出された表面疵候補が撮像手段2の配置位置に到達したタイミングで、撮像手段2を駆動制御して前記表面疵候補を含む被検査材B表面の所定領域を撮像させるように動作する。
具体的に説明すれば、以下の通りである。制御手段4には、探傷器12から出力された表面疵候補検出信号が入力される。そして、制御手段4は、表面疵候補検出信号が入力されてから表面疵候補が撮像手段2の配置位置(撮像器21の配置位置)に到達するまでの時間Tが経過したときに、撮像手段2を駆動制御する。経過時間Tは、探傷装置1と撮像手段2との離間距離(差動型コイル11と撮像器21との離間距離)L(図2参照)、及び、被検査材Bの搬送速度Vに基づいて、T=L/Vで算出される。より具体的には、制御手段4が具備するシャッター制御手段41は、表面疵候補検出信号が入力されてから経過時間Tが経過したタイミングで、撮像器21が具備するシャッターを所定のシャッタースピードで開閉させる。一方、制御手段4が具備するストロボ制御手段42は、表面疵候補検出信号が入力されてから経過時間Tが経過したタイミングで、光源22が具備するストロボ照明222を発光させる。以上に説明した制御手段4の動作により、表面疵候補を含む被検査材B表面の所定領域を撮像することが可能である。
なお、被検査材Bの搬送速度Vが被検査材Bの寸法等に関わらず常に一定の場合、制御手段4は、例えば計数回路(図示せず)を具備すればよく、この計数回路で計数した経過時間がT=L/Vで算出される経過時間T(一定値)と等しくなったときに、撮像手段2を駆動制御するように構成すればよい。被検査材Bの搬送速度Vが被検査材Bの寸法等に応じて変化する場合には、被検査材Bの寸法等毎に予め設定又は実測した搬送速度(一定値)Vと、離間距離Lとを制御手段4に入力し、記憶させ、制御手段4がT=L/Vにより、被検査材Bの寸法等毎に経過時間Tを演算する構成を採用可能である。或いは、例えば、被検査材Bの搬送方向に沿って配置された光電スイッチ等を具備する公知の速度計を用いて、各被検査材B毎に搬送速度Vを測定し、この測定した搬送速度Vを用いて制御手段4が経過時間Tを演算する構成を採用してもよい。
画像処理手段3には、撮像器21(21a〜21d)から出力される画像信号(ビデオ信号)が常に入力されている。一方、画像処理手段3には、探傷器12から出力された表面疵候補検出信号が入力される。画像処理手段3は、表面疵候補検出信号が入力されてから前述した経過時間Tが経過したときに、入力された画像信号をフリーズし、表面疵候補を含む被検査材B表面の所定領域の撮像画像として記憶する。そして、画像処理手段3は、この所定領域の撮像画像に対して、表面疵に対応する画素領域を抽出するための所定の画像処理を施す(図4のS5参照)。
図7は、画像処理手段3が施す画像処理の一例を概略的に示すフロー図である。図8は、画像処理手段3によって画像処理される撮像画像の一例を示す図である。図7に示すように、本実施形態に係る画像処理手段3は、上記のようにして撮像した撮像画像(原画像)(図8(a)参照)に対して、ノイズを除去するために、公知の平滑化処理を施し(図7のS51参照)、平滑化画像を得る(図8(b)参照)。一方、予め同種の被検査材Bについて同じ撮像条件で採取した表面疵の存在しない撮像画像に対しても平滑化処理を施し、平滑化画像を得る(図8(c)参照)。次に、画像処理手段3は、表面疵の存在する平滑化画像と表面疵の存在しない平滑化画像とを差分処理する(図7のS52参照)。すなわち、画像処理手段3は、表面疵の存在する平滑化画像を構成する各画素の濃度値から、表面疵の存在しない平滑化画像を構成し前記各画素に対応する各画素の濃度値を減算して、差分処理画像を得る(図8(d)参照)。最後に、画像処理手段3は、所定のしきい値で差分処理画像を2値化し(図7のS53参照)、2値化画像を得る(図8(e)参照)。
前述のように、表面疵に対応する画素領域は、表面疵が存在しない画素領域に比べて明るくなるため、上記のような画像処理を施すことにより、表面疵に対応する画素領域は、白点として抽出されることになる(図8(e)参照)。
画像処理手段3は、以上に説明した画像処理によって表面疵に対応する画素領域(白点)が抽出されるか否かを確認し(図4のS6参照)、抽出された場合には、撮像画像に対応する所定領域に表面疵が存在すると判定する(図4のS7参照)。一方、抽出されなかった場合には、前記所定領域には表面疵が存在しないと判定する(図4のS8参照)。
以上に説明した本実施形態に係る表面疵検査装置によれば、たとえ探傷装置1単独では表面疵を過検出したとしても、最終的には撮像画像に対して画像処理を施した結果に応じて表面疵の有無を判定するため、表面疵の過検出が抑制される。また、表面疵に対応する画素領域と対応しない画素領域とのコントラスト比が高い、画像処理に適した撮像画像を得ることが可能となるため、表面疵に対応する画素領域を精度良く抽出することができ、ひいては表面疵の過検出や未検出が抑制され、表面疵を精度良く検出可能である。このため、被検査材Bの製品歩留まりの低下を抑制することが可能である。また、作業員による目視検査や、渦流探傷等による再検査が不要となるため、検査員の手間や人手のコストを低減することも可能である。
なお、本実施形態では、探傷装置1が貫通コイル形式の渦流探傷装置である場合を例に挙げて説明したが、本考案はこれに限るものではなく、被検査材の種類や検出対象となる表面疵等に応じて、後述するように、他の渦流探傷装置(例えば、回転プローブ形式の渦流探傷装置)を適用することも可能である。
また、本実施形態では、探傷装置1が渦流探傷装置である場合を例に挙げて説明したが、本考案はこれに限るものではなく、漏洩磁束探傷装置(回転プローブ形式の漏洩磁束探傷装置も含む)を適用することも可能である。
さらに、本実施形態では、撮像画像を画像処理して白点が抽出された場合に表面疵が存在すると判定する画像処理アルゴリズムについて説明したが、表面疵の過検出をより一層抑制するために、例えば、抽出された白点が所定面積(画素数)以上の場合に、表面疵に対応する画素領域であるとして、表面疵が存在すると判定する画像処理アルゴリズムを適用することも可能である。本実施形態で説明した画像処理アルゴリズムは、あくまでも一例であって、表面疵に対応する画素領域を精度良く抽出できる限りにおいて、他の種々の画像処理アルゴリズムを適用することが可能である。
<第2実施形態>
図9は、探傷装置として他の渦流探傷装置を適用した本考案の第2実施形態に係る表面疵検査装置の概略構成を示す模式図である。図9(a)は被検査材の搬送方向に直交する方向から見た側面図を、図9(b)は被検査材の搬送方向から見た探傷装置の正面図を示す。なお、図9において、図2を参照して説明した第1実施形態に係る表面疵検査装置100と同様の構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態に係る表面疵検査装置100Aは、探傷装置1Aとして、回転プローブ形式の渦流探傷装置を具備する。具体的には、探傷装置1Aは、被検査材Bの周方向に沿って配置された複数(本実施形態では、被検査材Bの周方向に沿って約90°ピッチで4つ)の探傷プローブ1Aa、1Ab、1Ac、1Adを具備する。探傷プローブ1Aa〜1Adには、それぞれ被検査材Bに交流磁界を作用させて渦電流を誘起すると共に、被検査材Bに誘起された渦電流を検出するためのセンサコイルが内蔵されている。各探傷プローブ1Aa〜1Adは、回転スリーブ11Aに取り付けられており、回転スリーブ11Aが電動モータ等の駆動源(図示せず)によって回転することにより、回転スリーブ11Aと一体となって被検査材Bの周方向に回転する。
探傷器12Aは、第1実施形態に係る探傷器12と同様に、各探傷プローブ1Aa〜1Adに交流電流を通電すると共に、各探傷プローブ1Aa〜1Adから出力された検出信号に基づいて、被検査材Bに存在する表面疵候補を検出するように構成されている。表面疵候補を検出する具体的方法は、第1実施形態に係る探傷器12と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
一方、探傷器12Aには、各探傷プローブ1Aa〜1Adの回転に同期した回転同期信号が入力される。この回転同期信号としては、特に限定されるものではないが、例えば、回転スリーブ11Aを回転させる駆動源の回転軸に取り付けられたロータリーエンコーダの出力信号が用いられる。或いは、各探傷プローブ1Aa〜1Adの何れかの通過位置に対向する位置(被検査材Bの搬送方向に沿って対向する位置)に非接触式の近接センサを配置し、この近接センサの出力信号を回転同期信号として用いることも可能である。そして、探傷器12Aは、入力された回転同期信号に基づき、表面疵候補を検出した探傷プローブ(以下、適宜「検出プローブ」という)の周方向位置(表面疵候補を検出した時点での検出プローブの周方向位置)を算出する。この表面疵候補を検出した時点での検出プローブの周方向位置は、被検査材Bに存在する表面疵候補の周方向位置に相当する。
図10は、探傷器12Aによる検出プローブの周方向位置の算出方法の一例を示す説明図である。図10に示す例では、回転同期信号として、各探傷プローブ1Aa〜1Adの通過位置の内、最上部の位置に対向する位置に取り付けられた近接センサ1Ae(図9参照)の出力信号を用いている。なお、図10では、説明の便宜上、各探傷プローブ1Aa〜1Adにそれぞれ対応するように、近接センサ1Aeの出力信号を4つに分離して図示しているが、近接センサ1Aeの実際の出力信号は1つである。図10に示すように、近接センサ1Aeからは、各探傷プローブ1Aa〜1Adが最上部位置に到達する毎にパルス状の信号が出力される。例えば、検出プローブが探傷プローブ1Aaである場合(すなわち、探傷プローブ1Aaで表面疵候補を検出した場合)、探傷器12Aは、探傷プローブ1Aaが最上部位置に到達してから表面疵候補を検出するまでの経過時間Tdを計数し、経過時間Tdと探傷プローブ1Aaの1回転の周期Tとの比から、表面疵候補を検出した時点での探傷プローブ1Aaの周方向位置を算出する。例えば、前記の比が0.5である場合には、表面疵候補を検出した時点での探傷プローブ1Aaの周方向位置は、最下部の位置であると算出される。この表面疵候補を検出した時点での探傷プローブ1Aaの周方向位置は、被検査材Bに存在する表面疵候補の周方向位置に相当する。すなわち、上記の例では、被検査材Bの最下部に表面疵候補が存在することになる。
制御手段4には、探傷器12Aから出力された表面疵候補検出信号のみならず、上記のようにして探傷器12Aで特定された表面疵候補の周方向位置が入力される。そして、制御手段4が具備するシャッター制御手段41は、入力された表面疵候補の周方向位置に対応する撮像器21が具備するシャッターのみを開閉させる。例えば、上記の例のように、表面疵候補の周方向位置が被検査材Bの最下部であると特定された場合、シャッター制御手段41は、被検査材Bの最下部に撮像視野を有する撮像器21cが具備するシャッターのみを開閉させる。換言すれば、特定された表面疵候補の周方向位置(被検査材Bの最下部)に撮像視野を有さない撮像器21a、21b、21dが具備するシャッターは閉じたままとされる。
画像処理手段3は、特定された表面疵候補の周方向位置(被検査材Bの最下部)に撮像視野を有する撮像器21cから入力された画像信号をフリーズし、撮像画像として記憶する。そして、画像処理手段3は、この撮像画像に対して所定の画像処理を施し、表面疵に対応する画素領域が抽出された場合に、表面疵が存在すると判定する。
以上に説明した本実施形態に係る表面疵検査装置100Aによれば、撮像手段2が具備する複数の撮像器21a〜21dの内、表面疵候補の特定された周方向位置に対応する撮像器によって当該表面疵候補を含む被検査材B表面の所定領域を撮像するため、当該表面疵候補の周方向位置に対応しない他の撮像器によって当該表面疵候補を含まない被検査材B表面を撮像する必要が無くなる。このため、被検査材B表面に存在する表面疵以外の微細な凹凸や、被検査材B表面に付着した粉塵等が、画像処理手段3によって表面疵に対応する画素領域として抽出される虞が低減し、表面疵の過検出を抑制して表面疵をより一層精度良く検出可能である。
1、1A・・・探傷装置
2・・・撮像手段
3・・・画像処理手段
4・・・制御手段
11・・・差動型コイル
12、12A・・・探傷器
21・・・撮像器
22・・・光源
222・・・ストロボ照明
100、100A・・・表面疵検査装置
B・・・被検査材

Claims (2)

  1. 引抜加工設備に設置され、表面に潤滑剤が付着した引抜加工後の断面略円形の被検査材に存在する表面疵を検査する表面疵検査装置であって、
    軸方向に搬送される被検査材に対して渦流探傷又は漏洩磁束探傷を行うことにより、被検査材に存在する表面疵候補を検出する探傷装置と、
    前記探傷装置に対して被検査材の搬送方向下流側に配置され、前記探傷装置によって表面疵候補が検出された場合に、当該表面疵候補を含む被検査材表面の所定領域を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段で撮像した前記所定領域の撮像画像に対して、表面疵に対応する画素領域を抽出するための所定の画像処理を施す画像処理手段と、
    前記撮像手段を駆動制御する制御手段とを備え、
    前記撮像手段は、被検査材の周方向に沿って配置され、被検査材の軸方向に直交する方向に視線を有する複数の撮像器と、該撮像器に対して被検査材の搬送方向上流側及び下流側にそれぞれ配置され、被検査材を挿通する環状照明とを具備し、
    前記制御手段は、前記探傷装置によって表面疵候補が検出された場合に、被検査材が搬送されることによって前記検出された表面疵候補が前記撮像手段の配置位置に到達したタイミングで、前記撮像手段を駆動制御して前記表面疵候補を含む被検査材表面の所定領域を撮像させ、
    前記画像処理手段は、前記画像処理によって表面疵に対応する画素領域が抽出された場合に、前記所定領域に表面疵が存在すると判定することを特徴とする表面疵検査装置。
  2. 前記探傷装置は、断面略円形の被検査材に存在する表面疵候補の周方向位置を特定し、
    前記撮像手段は、前記探傷装置によって表面疵候補が検出された場合に、当該表面疵候補の特定された周方向位置に対応する撮像器によって当該表面疵候補を含む被検査材表面の所定領域を撮像することを特徴とする請求項1に記載の表面疵検査装置。
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