JP4863117B2 - 高温鋼材の表面検査装置 - Google Patents

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本発明は、光切断法を用いて、鋳片や厚板などの高温鋼材の表面形状や表面疵の検査を行う表面検査装置に関する。
従来より、各種製品の表面形状や表面疵の検査などに、光切断法が広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。光切断法は、被検査対象の表面に線状光を照射する一方、照射された線状光を照射方向とは異なる方向から撮像手段で撮像し、撮像画像中の線状光が照射された部位に対応する画素領域(以下、適宜「線状光領域」という)の屈曲状態を評価することで被検査対象の検査を行う手法である。
光切断法によれば、撮像手段と光源との位置関係に基づく幾何学計算によって、線状光領域の屈曲量を定量的に算出可能である(従って、被検査対象の表面形状や表面疵の寸法を定量的に算出可能である)という利点を有する。また、光切断法によれば、被検査対象が線状光を横切る方向に搬送中に検査可能であるため、検査効率や被検査対象の製造効率が低下しないという点で有利である。
上記の光切断法では、原理的に、被検査対象の表面形状や寸法が変化すれば、撮像画像中の線状光領域の位置や長さが変化する。また、被検査対象の表面形状や寸法に変化がなくても、その位置(撮像手段の視線方向についての位置)が変化すれば、撮像画像中の線状光領域の位置や長さが変化する。
ここで、例えば、連続鋳造設備で製造される鋳片(スラブ)など、表面性状が著しく粗い高温鋼材には、表面にスケールや埃が付着することが多い。このため、このような被検査対象に光切断法を適用する場合には、被検査対象に照射された線状光が表面に付着したスケール等の付着物で遮られるため、検査すべき被検査対象の部位全体に線状光が照射されず、屈曲状態を評価できない未検査領域が生じる虞がある。この未検査領域が生じた場合には、目視等の他の方法で検査するか、或いは、付着物を除去した後に光切断法で再検査する必要があるため、未検査領域の有無を精度良く検知することが重要である。換言すれば、未検査領域の有無を精度良く検知できず、正常に線状光が照射され正常に検査できた領域であるにも関わらず未検査領域であると誤検知した場合には、他の方法での検査や再検査を行う手間が増えるため、検査効率や被検査対象の製造効率が低下するという問題がある。
未検査領域が生じれば、未検査領域が生じていない場合(検査すべき被検査対象の部位全体に線状光が照射されている場合)に比べて線状光領域の長さが短くなる。このため、撮像画像から抽出した線状光領域の長さを算出・評価することによって未検査領域の有無を検知することが考えられる。具体的には、例えば、撮像画像に画像処理を適用することによって画素単位での線状光領域の長さを算出する一方、撮像手段に設定した撮像視野に基づき撮像画像の分解能を算出し、前記画素単位での線状光領域の長さに前記分解能を乗ずることによって、実寸単位での線状光領域の長さを算出する。次に、前記線状光領域の長さ(実寸単位)と、上位のプロセスコンピュータ等から入力された被検査対象の寸法(線状光の延びる方向の寸法)とを比較し、線状光領域の長さの方が顕著に小さければ、未検査領域が生じていると判定することが考えられる。この判定方法は、被検査対象の位置(撮像手段の視線方向についての位置)が変化せずに一定である場合には有効である。
しかしながら、被検査対象の搬送条件(例えば、連続鋳造設備に後続する鋳片搬送ライン等)によっては、各被検査対象毎にその位置(撮像手段の視線方向についての位置)が変化する場合がある。そして、未検査領域が生じることによって線状光領域の長さが短くなる状況と、未検査領域は生じていないが被検査対象の位置(撮像手段の視線方向についての位置)が変化する(具体的には、撮像手段から遠ざかる)ことに起因して線状光領域の長さが短くなる状況とが酷似し、上記のように単純に線状光領域の長さを算出・評価するだけでは、両者の識別が困難な場合がある。この場合、未検査領域の有無を精度良く検知できず、高温鋼材の検査効率や製造効率が低下するという問題が生じる。
特開平9−21626号公報
本発明は、斯かる従来技術の問題を解決するべくなされたものであり、搬送される高温鋼材の表面形状や表面疵を光切断法を用いて検査するに際して、たとえ高温鋼材の位置(撮像手段の視線方向についての位置)が変化したとしても、未検査領域の有無を精度良く検知し、検査効率や製造効率の低下を抑制し得る高温鋼材の表面検査装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するべく、本発明の発明者は鋭意検討した結果、
(1)高温鋼材(約600℃〜1000℃の表面温度を有する鋼材)の表面を撮像手段で撮像した場合、高温鋼材からの自発光と背景光(自然光)とのコントラストによって、撮像画像から高温鋼材の長手方向に沿ったエッジ部(線状光の延びる方向を横断するエッジ部)に対応する画素領域(以下、適宜「エッジ部領域」という)を抽出可能であること、
(2)高温鋼材の位置(撮像手段の視線方向についての位置)が変化した場合、撮像画像中の線状光領域の長さと同様に、撮像画像中の両エッジ部領域間の距離も変化する(未検査領域が存在しない場合、線状光領域の長さと両エッジ部領域間の距離とは略同一となる)こと、
(3)従って、撮像画像に基づいて、線状光領域の長さを算出するのみならず、両エッジ部領域間の距離を算出し、両者の大小関係に応じて線状光の照射が正常であるか不良であるかを判定(例えば、高温鋼材の両エッジ部領域間の距離と線状光領域の長さとの差が所定値よりも大きい場合には不良と判定)すれば、たとえ高温鋼材の位置(撮像手段の視線方向についての位置)が変化したとしても、未検査領域の有無を精度良く検知できること、
を見出した。
本発明は、上記発明者らの知見に基づき完成されたものである。すなわち、本発明は、高温鋼材を光切断法を用いて検査する装置であって、長手方向に搬送される高温鋼材の表面に対して、該高温鋼材の長手方向に略直交する方向に延びる線状光を照射する光源と、前記高温鋼材の長手方向に沿った前記高温鋼材の両エッジ部を撮像可能な撮像視野を有し、前記線状光が照射された部位を含む前記高温鋼材の表面を撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された撮像画像に対して画像処理を施す画像処理手段とを備え、前記画像処理手段は、前記高温鋼材の全長分に相当する複数の撮像画像を連続的に取得する第1ステップと、前記取得した複数の撮像画像のそれぞれに対して所定の画像処理を施すことにより、前記線状光が照射された部位に対応する第1画素領域を抽出し、該抽出した第1画素領域の前記高温鋼材の長手方向に直交する方向の長さを算出する第2ステップと、前記複数の撮像画像のそれぞれに対して所定の画像処理を施すことにより、前記高温鋼材の両エッジ部に対応する第2画素領域を抽出し、該抽出した第2画素領域間の距離を算出する第3ステップと、前記算出した第1画素領域の長さと前記算出した第2画素領域間の距離とを比較し、その大小関係に応じて、前記線状光の照射が正常であるか不良であるかを判定する第4ステップと、を実行することを特徴とする高温鋼材の表面検査装置を提供するものである。
斯かる発明によれば、画像処理手段が、撮像手段によって撮像された撮像画像に対して所定の画像処理(微分処理や2値化処理等)を施すことにより、線状光が照射された部位に対応する第1画素領域(線状光領域)を抽出し、該抽出した第1画素領域の高温鋼材の長手方向に直交する方向の長さを算出する(第2ステップ)のみならず、高温鋼材の長手方向に沿った高温鋼材の両エッジ部に対応する第2画素領域(エッジ部領域)を抽出し、該抽出した第2画素領域間の距離を算出する(第3ステップ)構成である。さらに、画像処理手段は、第1画素領域の長さと第2画素領域間の距離とを比較し、その大小関係に応じて、線状光の照射が正常であるか不良であるかを判定(すなわち、未検査領域の有無を検知)する(第4ステップ)構成である。従って、たとえ高温鋼材の位置(撮像手段の視線方向についての位置)が変化したとしても、これに応じて第1画素領域の長さと第2画素領域間の距離とが同様に変化する(未検査領域が存在しない場合、線状光領域の長さと両エッジ部領域間の距離とは略同一となる)ため、両者の大小関係に基づいて線状光の照射の正常・不良を判定する本発明によれば、未検査領域の有無を精度良く検知可能である。
なお、第4ステップにおける判定は、例えば、第2画素領域間の距離(L2)と第1画素領域の長さ(L1)との差(=L2−L1)が所定値(0以上の値)よりも大きい場合に不良と判定(所定値以下の場合には正常と判定)したり、第2画素領域間の距離(L2)に対する第1画素領域の長さ(L1)の比(=L1/L2)が所定値(1以下の値)よりも小さい場合に不良と判定(所定値以上の場合には正常と判定)したり、或いは、第2画素領域間の距離(L2)に対する第2画素領域間の距離と第1画素領域の長さとの差(L2−L1)の比(=1−L1/L2)が所定値よりも大きい場合に不良と判定(所定値以下の場合には正常と判定)する等、第2画素領域間の距離(L2)と第1画素領域の長さ(L1)との大小関係に基づく判定である限りにおいて、種々の判定方法を採用することが可能である。
ここで、高温鋼材の表面にスケール等の付着物が存在せず、正常に線状光が照射されている(未検査領域が存在しない)にも関わらず、突発的なノイズの発生(典型的には、周辺設備に設置された照明等からの外乱光が撮像手段の撮像視野内に入射するケース)によって、このノイズ発生時に撮像した撮像画像中の第1画素領域(線状光領域)の濃度が変化する(典型的には、濃度が低下する)場合がある。このような撮像画像を、ノイズが発生していない撮像画像に対して設定したしきい値と同一のしきい値で2値化処理等したのでは、第1画素領域全体を適切に抽出できない(本来の長さよりも短くなる)虞がある。また、外乱光は高温鋼材のエッジ部近傍から入射するため、上記のような第1画素領域の濃度変化は、高温鋼材のエッジ部近傍に生じる場合が多い。換言すれば、第1画素領域の未抽出部分は、高温鋼材のエッジ部近傍、すなわち撮像画像中の第2画素領域近傍に生じる場合が多い。さらに、突発的なノイズの発生によって、撮像画像中の第2画素領域の濃度や、その近傍の背景光に対応する画素領域の濃度も変化する結果、第2画素領域を適切に抽出できない虞もある。換言すれば、抽出された第2画素領域の座標(高温鋼材の長手方向に直交する方向の座標)が本来の高温鋼材のエッジ部に相当する画素領域の座標(高温鋼材の長手方向に直交する方向の座標)と異なる結果、算出された第2画素領域間の距離が本来の高温鋼材の両エッジ部間距離と異なる虞がある。
上記のように、突発的なノイズが発生することによって、撮像画像中の第1画素領域及び/又は第2画素領域を適切に抽出できなかった場合、この不適切な第1画素領域の長さと第2画素領域間の距離との大小関係に応じて未検査領域の有無を検知したのでは、実際には未検査領域が存在しないにも関わらず、未検査領域が存在すると誤検知してしまう虞がある。このような誤検知を抑制し、未検査領域の有無をより一層精度良く検知するには、線状光の照射が不良であると判定した撮像画像について、画像処理パラメータを変更(例えば、2値化処理のしきい値を低下させる等)した画像処理を再実行することにより、第1画素領域を抽出し直すことが好ましい。この際、前述のように、第1画素領域の未抽出部分は第2画素領域近傍に生じる場合が多いため、撮像画像を構成する画素領域全体ではなく、抽出した第1画素領域の近傍に位置し、且つ、第2画素領域の近傍に位置する画素領域についてのみ、画像処理を再実行することが好ましい。ただし、突発的なノイズ発生時に撮像した撮像画像については、画像処理を再実行する画素領域の基準となる第2画素領域自体が、前述のように適切に抽出されていない可能性がある。従って、未検査領域の有無をより一層精度良く検知するには、線状光の照射が不良であると判定した撮像画像について抽出した第2画素領域を基準とするのではなく、全ての撮像画像について抽出した第2画素領域の座標(高温鋼材の長手方向に直交する方向の座標)の平均値等を基準として、画像処理を再実行する画素領域を決定することが好ましい。同様に、画像処理を再実行することによって抽出された第1画素領域の長さと比較する第2画素領域間の距離としては、線状光の照射が不良であると判定した撮像画像について抽出した第2画素領域間の距離ではなく、全ての撮像画像について抽出した第2画素領域間の距離の平均値等を用いることが好ましい。
従って、前記画像処理手段は、以下の(1)〜(3)のステップを実行する構成とするのが好ましい。
(1)前記第1ステップで取得した全ての撮像画像についての前記第3ステップで抽出した第2画素領域の前記高温鋼材の長手方向に直交する方向の代表的な座標と、前記第1ステップで取得した全ての撮像画像についての前記第3ステップで算出した第2画素領域間の距離の代表値とを算出するステップ
(2)前記第4ステップで前記線状光の照射が不良であると判定した撮像画像における、前記第2ステップで抽出した第1画素領域の近傍に位置し、且つ、前記算出した第2画素領域の代表的な座標近傍に位置する画素領域に対して、画像処理パラメータ(第1画素領域を抽出するための2値化処理のしきい値)を変更して前記第2ステップを再実行するステップ
(3)前記再実行により算出された第1画素領域の長さと、前記算出した第2画素領域間の距離の代表値とを比較し、その大小関係に応じて、前記線状光の照射が正常であるか不良であるかを再判定するステップ
斯かる好ましい構成によれば、外乱光等の突発的なノイズの発生による誤検知を抑制し、未検査領域の有無をより一層精度良く検知し得ることが期待できる。なお、上記の好ましい構成における「第2画素領域の高温鋼材の長手方向に直交する方向の代表的な座標」とは、全ての撮像画像について抽出した第2画素領域の座標(高温鋼材の長手方向に直交する方向の座標)の平均値、又は、全ての撮像画像において最も数多く抽出された第2画素領域の座標(高温鋼材の長手方向に直交する方向の座標)を意味する。また、「第2画素領域間の距離の代表値」とは、全ての撮像画像について算出した第2画素領域間の距離の平均値、又は、全ての撮像画像において最も多く算出された第2画素領域間の距離を意味する。
本発明によれば、搬送される高温鋼材の表面形状や表面疵を光切断法を用いて検査するに際して、たとえ高温鋼材の位置(撮像手段の視線方向についての位置)が変化したとしても、未検査領域の有無を精度良く検知することができるため、検査効率や製造効率の低下を抑制可能である。
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明の一実施形態について、被検査対象である高温鋼材が鋳片である場合を例に挙げて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る表面検査装置を適用する鋳片搬送ラインを模式的に示す斜視図である。図2は、本発明の一実施形態に係る表面検査装置の概略構成を示す図である。本実施形態に係る表面検査装置100は、ツインキャスティングを行う連続鋳造設備10で鋳造される全ての鋳片の両側面を検査対象としている。このため、図1に示すように、表面検査装置100は、連続鋳造設備10に後続する鋳片搬送ライン上に設けられた鋳片Mが2段積みされる秤量機40の出側に設置されている。具体的には、連続鋳造設備10で鋳造された鋳片Mは、トーチ20で所定の長さに切断され、マーキング装置30で所定のマーキングが施された後、秤量機40で上下2段に積まれる。その後、上下2段に積まれた状態の鋳片M(上段の鋳片をM1とし、下段の鋳片をM2とする)が矢符Xで示す方向に搬送され、秤量機40の出側に設置された表面検査装置100によってその表面(側面)が検査される。
図2に示すように、表面検査装置100は、鋳片M(M1、M2)を光切断法を用いて検査する装置であって、長手方向(X方向)に搬送される鋳片Mの表面(側面)に対して、鋳片Mの長手方向に直交する方向(本実施形態では上下方向であり、図2に示すZ方向)に延びる線状光Lを照射する光源1と、鋳片Mの長手方向に沿った鋳片Mの両エッジ部を撮像可能な撮像視野を有し、線状光Lが照射された部位を含む鋳片Mの表面を撮像する撮像手段2と、撮像手段2によって撮像された撮像画像に対して画像処理を施す画像処理手段3とを備えている。
本実施形態では、鋳片Mの互いに対向する両側面を検査し得るように、光源1として一対の光源1a、1bが配置されている。光源1(1a、1b)としては、鋳片Mが約800℃程度の表面温度を有するため、鋳片Mからの自発光とのコントラストを高めて線状光Lが照射された部位に対応する第1画素領域を精度良く抽出し得るように、赤外領域よりも波長の短い光を出射する光源を用いるのが一般的である。このため、本実施形態では、光源1として、波長530nm(緑色)のレーザ光を出射するレーザと該レーザから出射されたレーザ光を線状光Lに変換するレンズ系とを具備する光源を用いている。光源1から照射される線状光Lの幅は、線状光Lが照射された鋳片Mの側面上で約1.5〜2mm程度に設定されている。また、本実施形態では、光源1から照射される線状光Lの長さは、上段の鋳片M1及び下段の鋳片M2の双方の側面を同時に照射し得る長さに設定されている。しかしながら、光源1から照射される線状光Lの長さを何れか一方の鋳片M1又はM2の側面を照射する長さに設定し、上段の鋳片M1の側面を照射するための光源1と、下段の鋳片M2の側面を照射するための光源1とを別個に設ける構成を採用することも可能である。
本実施形態では、鋳片Mの互いに対向する両側面を検査し得ると共に撮像分解能を高めるため、撮像手段2として、上段の鋳片M1の一方の側面を撮像するための撮像手段2aと、下段の鋳片M2の一方の側面を撮像するための撮像手段2bと、上段の鋳片M1の他方の側面を撮像するための撮像手段2cと、下段の鋳片M2の他方の側面を撮像するための撮像手段2dとが配置されている。撮像手段2(2a〜2d)としては、例えば、2次元のCCDカメラが好適に用いられる。
前述のように、撮像手段2は、鋳片Mの長手方向に沿った鋳片Mの両エッジ部を撮像可能な撮像視野を有する。具体的には、撮像手段2a、2cの撮像視野は、上段の鋳片M1の上側のエッジ部UE1及び下側のエッジ部LE1を撮像可能に設定されている。撮像手段2b、2dの撮像視野は、下段の鋳片M2の上側のエッジ部UE2及び下側のエッジ部LE2を撮像可能に設定されている。本実施形態では、鋳片Mが撮像手段2の視線方向(図2に示すY方向)の予め定めた所定位置にあるときに、当該鋳片Mの側面上で、X方向に320mm程度、Z方向に240mm程度の撮像視野が得られるように、撮像手段2の光学系が調整されている。
画像処理手段3は、汎用のコンピュータやこれにインストールされた画像処理プログラム等から構成されており、前述のように撮像手段2(2a〜2d)によって撮像された撮像画像が入力され、該入力された撮像画像に対して所定の画像処理を施す。なお、画像処理手段3は、鋳片搬送ラインの各種制御を行うためのプロセスコンピュータ50に接続されており、プロセスコンピュータ50から出力される鋳片Mの情報(厚み等)を受信可能とされている。
以下、上記の構成を有する表面検査装置100の動作について説明する。図3は、表面検査装置100の概略動作を示すフロー図である。図3に示すように、表面検査装置100の画像処理手段3は、被検査対象である上下2段に積まれた鋳片Mが表面検査装置100の設置位置に向けて搬送される(図3のS1)際に、プロセスコンピュータ50から当該鋳片Mの情報(厚み等)を受信する(図3のS2)。受信した鋳片Mの情報は、後述する屈曲量の演算等に用いられる。
画像処理手段3は、被検査対象である鋳片Mの先端及び後端が表面検査装置100の設置位置を通過するタイミングを鋳片搬送ライン上に設置された所定のセンサ(図示せず)の出力信号によって検知し、鋳片Mの先端が通過したタイミングから後端が通過するタイミングまでの間の複数の撮像画像(すなわち、鋳片Mの全長分に相当する複数の撮像画像)を連続的に取得(記憶)する(図3のS3)。具体的には、撮像手段2で撮像した撮像画像は、一般的なビデオレートである1/30sec毎に画像処理手段3に出力され、画像処理手段3は、鋳片Mの先端が通過したタイミングから後端が通過するタイミングまでの間、この1/30sec毎に撮像画像を連続して取得する構成とされている。なお、連続する撮像画像間における撮像視野のズレ(鋳片Mの撮像部位の長手方向のズレ)は、鋳片Mの搬送速度に依存するが、本実施形態では、このズレが約5mm程度となるように鋳片Mの搬送速度が調整されている。
画像処理手段3は、上記のようにして取得した全長分の撮像画像に対して、所定の画像処理を順次施す。図4は、画像処理手段3によって取得した撮像画像及びこの撮像画像に対して画像処理を施した結果の一例を模式的に示す図であり、図4(a)は撮像画像を、図4(b)は図4(a)に示す撮像画像に対して画像処理を施すことにより第1画素領域を抽出した2値化画像を、図4(c)は図4(a)に示す撮像画像に対して画像処理を施すことにより第2画素領域を抽出した2値化画像を示す。
より具体的には、図4(a)に示す撮像画像は、図2に示す撮像手段2aで撮像した撮像画像であり、鋳片Mに表面疵が存在せず且つ未検査領域が存在しない場合に得られる撮像画像の一例を示す。前述のように、撮像手段2aの撮像視野は、上段の鋳片M1の上側のエッジ部UE1及び下側のエッジ部LE1を撮像可能に設定されているが、上段の鋳片M1と下段の鋳片M2との隙間が小さいため、下段の鋳片M2の上側のエッジ部UE2近傍も撮像される。図4(a)に示すように、背景光に対応する画素領域、鋳片M1、M2に対応する画素領域、線状光Lが照射された部位に対応する画素領域は、それぞれ濃度が異なるものとなる。例えば、8ビット階調で撮像画像を取得した場合、背景光に対応する画素領域は100未満、鋳片M1、M2に対応する画素領域は100〜150、線状光Lが照射された部位に対応する画素領域(第1画素領域)は200〜230程度の濃度を有する場合が多い。すなわち、背景光に対応する画素領域、鋳片M1、M2に対応する画素領域、第1画素領域の順に濃度が高く(明るく)なる(図4(a)は、便宜上、逆順の濃度で図示している)。このように、各画素領域に濃度差が存在するため、後述する画像処理によって、第1画素領域及び第2画素領域を抽出することが可能となる。
画像処理手段3は、図4(a)に示すような撮像画像に対して所定の画像処理を施すことにより、図4(b)に示すように、線状光Lが照射された部位に対応する第1画素領域P1を抽出し、該抽出した第1画素領域P1の鋳片Mの長手方向(X方向)に直交する方向(Z方向)の長さL1を算出する(図3のS4)。抽出された第1画素領域P1を構成する各画素の座標や長さL1は画像処理手段3に記憶される。第1画素領域P1はZ方向に延びるため、これを抽出するための前記画像処理としては、例えば、3×3画素のフィルタを用いたZ方向成分強調処理(X方向の微分処理)、2値化処理、小面積除去処理等の公知の画像処理手法を順次適用することが可能である。第1画素領域P1の長さL1は、第1画素領域P1を構成する各画素の内、上端に位置する画素のZ方向座標と下端に位置する画素のZ方向座標との差として算出される。なお、前述のように、線状光Lは、鋳片M1及びM2の双方に照射され、撮像手段2aの撮像視野には、鋳片M2の上側のエッジ部UE2近傍も含まれる。このため、図4(a)に示すように、撮像手段2aの撮像画像には、線状光Lが照射された鋳片M2の部位に対応する画素領域も含まれることになり、撮像画像にZ方向成分強調処理を施した後、2値化処理しただけでは、この画素領域が残存する虞がある。仮に、この画素領域が残存し、且つ、この画素領域に表面疵が存在して屈曲している場合には、実際には鋳片M2に表面疵が存在しているにも関わらず、撮像手段2aの撮像画像中に表面疵が存在する(鋳片M1に表面疵が存在する)と誤判定してしまう虞がある。従って、2値化処理の後に、前述のように小面積除去処理(小面積除去処理のしきい値として、前記線状光Lが照射された鋳片M2の部位に対応する画素領域を除去し得るしきい値を設定する)を施すことが好ましい。図4(b)に示す2値化画像は、上記小面積除去処理が施されることにより、線状光Lが照射された鋳片M2の部位に対応する画素領域が除去されている。
なお、線状光Lが照射された鋳片M2の部位に対応する画素領域を除去するために、後述のようにして抽出される下側の第2画素領域P2よりも下側に位置する画素領域を除去する処理(以下、適宜「画素領域除去処理」という)を施すことも可能である。この画素領域除去処理は、図5に示すように、前述した小面積除去処理では線状光Lが照射された鋳片M2の部位に対応する画素領域を除去できない場合に特に有効である。具体的には、鋳片M1、M2が互いに極めて密着した状態で積まれているため、図5(a)に示す撮像画像にZ方向成分強調処理を施して2値化処理したとき、図5(b)に示すように、線状光Lが照射された鋳片M1の部位に対応する画素領域と、線状光Lが照射された鋳片M2の部位に対応する画素領域とが一つに繋がった画素領域として抽出されるような場合に有効である。図5(b)に示す2値化画像に対して、図5(c)に示す下側の第2画素領域P2よりも下側に位置する画素領域を除去する画素領域除去処理を施せば、図5(d)に示すように、線状光Lが照射された鋳片M1の部位に対応する画素領域のみからなる第1画素領域P1を得ることができる。
また、画像処理手段3は、図4(a)に示すような撮像画像に対して所定の画像処理を施すことにより、図4(c)に示すように、鋳片M1の両エッジ部UE1及びLE1にそれぞれ対応する第2画素領域P2を抽出し、該抽出した第2画素領域P2間の距離L2を算出する(図3のS5)。抽出された第2画素領域P2を構成する各画素の座標や距離L2は画像処理手段3に記憶される。第2画素領域P2はX方向に延びるため、これを抽出するための前記画像処理としては、例えば、3×3画素のフィルタを用いたX方向成分強調処理(Z方向の微分処理)、2値化処理、小面積除去処理等の公知の画像処理手法を順次適用することが可能である。第2画素領域P2間の距離L2は、上側に位置する第2画素領域P2を構成する各画素と、下側に位置する第2画素領域P2を構成する各画素との離間距離の最小値として算出される。なお、上記画像処理を適用して抽出される第2画素領域P2は、完全な直線とならない場合もあるため、上側の第2画素領域P2を構成する各画素の座標をデータとして最小自乗法等を適用してX方向に平行な近似直線を算出すると共に、下側の第2画素領域P2を構成する各画素の座標をデータとして最小自乗法等を適用してX方向に平行な近似直線を算出し、これら両近似直線間の距離を第2画素領域P2間の距離L2とすることも可能である。また、撮像手段2aの撮像視野には、鋳片M2の上側のエッジ部UE2近傍も含まれる。このため、撮像手段2aの撮像画像には、エッジ部UE2に対応する画素領域も含まれることになり、上記の画像処理を適用しただけでは、このエッジ部UE2に対応する画素領域が残存する虞がある。従って、上記の画像処理を適用して抽出された画素領域の内、最も下側に位置する画素領域(エッジ部UE2に対応する画素領域)を除去する処理を施すことが好ましい。図4(c)に示す2値化画像は、上記の処理が施されることにより、エッジ部UE2に対応する画素領域が除去されている。
次に、画像処理手段3は、前記算出した第1画素領域P1の長さL1と前記算出した第2画素領域P2間の距離L2とを比較し、その大小関係に応じて、線状光Lの照射が正常であるか不良であるかを判定する(図3のS6)。本実施形態では、第2画素領域P2間の距離L2に対する第2画素領域P2間の距離L2と第1画素領域P1の長さL1との差(L2−L1)の比(=1−L1/L2)が所定値(例えば2%)よりも大きい場合に不良と判定し、前記所定値以下の場合には正常と判定している。図4に示す例では、第1画素領域P1の長さL1と第2画素領域間の距離L2とが略等しくなるため、線状光Lの照射は正常であると判定(未検査領域は存在しないと判定)することになる。以下、他の例について順次説明する。
図6は、画像処理手段3によって取得した撮像画像及びこの撮像画像に対して画像処理を施した結果の他の例を模式的に示す図であり、図6(a)は撮像画像を、図6(b)は図6(a)に示す撮像画像に対して画像処理を施すことにより第1画素領域を抽出した2値化画像を、図6(c)は図6(a)に示す撮像画像に対して画像処理を施すことにより第2画素領域を抽出した2値化画像を示す。より具体的には、図6(a)に示す撮像画像は、図2に示す撮像手段2aで撮像した撮像画像であり、鋳片Mに表面疵が存在せず且つ表面に付着したスケール等の付着物SHで線状光Lが遮られることによって未検査領域が存在する撮像画像の一例を示す。
図6に示す例では、付着物SHで線状光Lが遮られることにより、図6(b)に示すように、抽出された第1画素領域P1の上方に未検査領域が生じている。すなわち、図6に示す例では、図4に示す例のように未検査領域が生じていない場合(鋳片Mの側面全体に線状光Lが照射されている場合)に比べて第1画素領域P1の長さL1が短くなる。一方、鋳片M1からの自発光は付着物SHの影響を受け難いため、図6(c)に示すように、鋳片M1の両エッジ部に対応する第2画素領域P2は適切に抽出される。すなわち、図6に示す例では、図4に示す例と同等の第2画素領域P2間の距離L2が得られる。従って、図6に示す例では、第1画素領域P1の長さL1よりも第2画素領域間の距離L2が大きくなるため、その差の程度に応じて、線状光Lの照射が不良であると判定(未検査領域が存在すると判定)することになる。
図7は、画像処理手段3によって取得した撮像画像及びこの撮像画像に対して画像処理を施した結果の他の例を模式的に示す図であり、図7(a)は撮像画像を、図7(b)は図7(a)に示す撮像画像に対して画像処理を施すことにより第1画素領域を抽出した2値化画像を、図7(c)は図6(a)に示す撮像画像に対して画像処理を施すことにより第2画素領域を抽出した2値化画像を示す。より具体的には、図7(a)に示す撮像画像は、図2に示す撮像手段2aで撮像した撮像画像であり、鋳片Mに表面疵が存在せず且つ未検査領域が存在しない場合であって、図4(a)に示す撮像画像が得られたときの状態に比べて、鋳片Mが撮像手段2aの視線方向(図2に示すY方向)に遠ざかった状態となったときに得られる撮像画像の一例を示す。
図7に示す例でも、図6に示す例と同様に、図4に示す例に比べて第1画素領域P1の長さL1が短くなる。しかしながら、図6に示す例と異なり、第2画素領域P2間の距離L2も同様に図4に示す例に比べて短くなる。すなわち、図7に示す例では、第1画素領域P1の長さL1と第2画素領域P2間の距離L2とが略等しくなるため、線状光Lの照射は正常であると判定(未検査領域は存在しないと判定)することになる。
以上のように、本実施形態に係る画像処理手段3は、第1画素領域P1の長さL1だけではなく、第1画素領域P1の長さL1と第2画素領域P2間の距離L2との大小関係に基づいて線状光Lの照射の正常・不良を判定するため、図6に示す例のように未検査領域が生じている場合と、図7に示す例のように未検査領域が生じていない場合とを精度良く識別可能である。
線状光Lの照射が正常であると判定した場合、画像処理手段3は、抽出した第1画素領域P1の屈曲量を演算し、演算した屈曲量の大小に応じて表面疵の有無を判定する(図3のS7)。以下、図8を適宜参照しつつ、屈曲量の演算方法について具体的に説明する。
図8は、画像処理手段3によって取得した撮像画像及びこの撮像画像に対して画像処理を施した結果の他の例を模式的に示す図であり、図8(a)は撮像画像を、図8(b)は図8(a)に示す撮像画像に対して画像処理を施すことにより第1画素領域を抽出した2値化画像を、図8(c)は図8(b)に示す第1画素領域の屈曲量の説明図を示す。より具体的には、図8(a)に示す撮像画像は、図2に示す撮像手段2aで撮像した撮像画像であり、鋳片M1に表面疵(割れ疵)Fが存在し且つ未検査領域が存在しない場合に得られる撮像画像の一例を示す。画像処理手段3は、図8(a)に示すような撮像画像に対して、前述のような所定の画像処理を施すことにより、図8(b)に示すように、線状光Lが照射された部位に対応する第1画素領域P1を抽出する(図3のS4)。この第1画素領域P1の屈曲量を演算するに際し、画像処理手段3は、図8(c)に示すように、第1画素領域P1を構成する各画素の内、上端に位置する画素PUと下端に位置する画素PLとを結ぶ直線LPを算出する。次に、画像処理手段3は、第1画素領域P1を構成する各画素の内、直線LPから最も離れた位置にある画素PFと直線LPとの離間距離W(画素単位)を算出する。
一方、画像処理手段3は、前述のようにプロセスコンピュータ50から受信した鋳片M1の厚みと、前述のようにして算出した第2画素領域P2間の距離L2(画素単位)とに基づき、撮像画像の分解能を算出する。すなわち、撮像画像の分解能は、鋳片M1の厚み/L2によって算出される。そして、上記の画素単位での離間距離Wに前記分解能を乗ずることによって、実寸単位での離間距離Wを演算する。この実寸単位での離間距離Wが第1画素領域P1の屈曲量とされる。
画像処理手段3は、以上のようにして演算した第1画素領域P1の屈曲量W(実寸単位)の大小に応じて表面疵の有無を判定する。具体的には、予め定めたしきい値よりも屈曲量Wが大きければ表面疵が存在すると判定し、しきい値以下であれば表面疵が存在しないと判定する。図8に示す例では、表面疵Fの存在により屈曲量Wが大きくなるため、表面疵が存在すると判定することになる。
一方、線状光Lの照射が不良であると判定した場合、画像処理手段3は、不良と判定した撮像画像(以下、適宜「不良判定画像」という)を記録する(図3のS8)。具体的には、画像処理手段3に記憶した全長分の撮像画像の内、何れの撮像画像が不良と判定されたかを識別できるように、各不良判定画像と、該不良判定画像の特徴量(抽出された第1画素領域P1を構成する各画素の座標や長さL1、第2画素領域P2を構成する各画素の座標や距離L2)と、不良であったことを示すフラグとが紐付けられて記憶される。
画像処理手段3は、以上に説明した線状光Lの照射の正常・不良判定(未検査領域の有無の検知)、及び、正常である撮像画像については第1画素領域P1の屈曲量の演算・表面疵の有無判定を、全ての撮像画像に対して終了するまで繰り返し実行する(図3のS9)。そして、全ての撮像画像について線状光Lの照射が正常であると判定した場合(すなわち、不良判定画像が存在しなかった場合)には、表面検査装置100の動作は終了する(図3のS10)。一方、不良判定画像が存在する場合には、各不良判定画像に対して画像処理パラメータを変更した画像処理を再実行し、第1画素領域P1を再抽出する。以下、図9を適宜参照しつつ、不良判定画像に対する画像処理の再実行について具体的に説明する。
図9は、画像処理手段3によって取得した撮像画像及びこの撮像画像に対して画像処理を施した結果の他の例を模式的に示す図であり、図9(a)は撮像画像を、図9(b)は図9(a)に示す撮像画像に対して画像処理を施すことにより第1画素領域を抽出した2値化画像を、図9(c)は図9(a)に示す撮像画像に対して画像処理を再実行する画素領域の説明図を、図9(d)は図9(a)に示す撮像画像に対して画像処理を再実行することにより第1画素領域を抽出し直した2値化画像を示す。より具体的には、図9(a)に示す撮像画像は、図2に示す撮像手段2aで撮像した撮像画像であり、鋳片M1に表面疵が存在せず且つ突発的なノイズの発生によって線状光Lの照射が不良であると判定(未検査領域が存在すると誤検知)された不良判定画像の一例を示す。図9(b)に示す例では、抽出された第1画素領域P1の上方に未抽出部分が生じている。
まず最初に、画像処理手段3は、取得した全ての撮像画像について抽出した第2画素領域P2の鋳片Mの長手方向に直交する方向(Z方向)の代表的な座標と、取得した全ての撮像画像について算出した第2画素領域P2間の距離L2の代表値とを算出する(図3のS11)。具体的には、画像処理手段3は、全ての撮像画像について抽出した第2画素領域P2のZ方向の座標(第2画素領域P2を構成する各画素のZ方向の座標、若しくは、第2画素領域P2の近似直線のZ方向の座標)の平均値、又は、全ての撮像画像において最も数多く抽出された第2画素領域P2のZ方向の座標を前記代表的な座標として算出する。また、画像処理手段3は、全ての撮像画像について算出した第2画素領域P2間の距離L2の平均値、又は、全ての撮像画像において最も多く算出された第2画素領域P2間の距離L2を前記距離L2の代表値として算出する。
次に、画像処理手段3は、図9(a)に示すような不良判定画像における、前記抽出した第1画素領域P1(図9(b)参照)の近傍に位置し、且つ、前記算出した第2画素領域P2の代表的な座標近傍に位置する画素領域に対して、画像処理パラメータを変更して画像処理を再実行し、第1画素領域P1を抽出し直すと共に、第1画素領域P1の長さを算出し直す(図3のS12)。具体的には、図9(c)に示すように、最初の画像処理(図3のS4)で抽出した第1画素領域P1(図9(b)参照)を構成する各画素の内、上端に位置する画素PUのX方向座標PU(X)を基準としたX方向の所定範囲内であって、且つ、第2画素領域P2のZ方向の代表的な座標P2(Z)を基準としたZ方向の所定範囲内に存在する矩形の画素領域RAに対して、画像処理パラメータを変更した画像処理を再実行する。本実施形態では、最初の画像処理の際に設定したしきい値よりも低下させたしきい値(例えば、8ビット階調で10の濃度分だけ低下させたしきい値)で2値化処理を再実行し、第1画素領域P1を抽出し直している。そして、画像処理手段3は、画素領域RAに対して抽出し直した第1画素領域P1と、最初の画像処理で抽出した画素領域RA外の第1画素領域P1とを合成し(図9(d)参照)、合成後の第1画素領域P1全体の長さL1を算出する。
次に、画像処理手段3は、前記画像処理の再実行により算出された第1画素領域P1の長さ(合成後の第1画素領域P1全体の長さ)L1と、前記算出した第2画素領域P2間の距離L2の代表値とを比較し、その大小関係に応じて、線状光Lの照射が正常であるか不良であるかを再判定する(図3のS13)。具体的な判定方法については、前述した方法(図3のS6)と同様であるので、ここでは説明を省略する。
上記の再判定において、線状光Lの照射が不良であると判定された場合には、未検査領域の誤検知ではなく、実際に未検査領域が存在している(図6に示すような場合)として、対応する鋳片Mの部位について目視検査等が行われる。なお、上記の再判定においても線状光Lの照射が不良であると判定された場合には、線状光Lの照射が正常であると判定されない限り、予め定めた濃度まで段階的にしきい値を低下させて2値化処理の再実行を繰り返し、線状光Lの照射の正常・不良を繰り返し判定することも可能である。
一方、上記の再判定において、線状光Lの照射が正常であると判定された場合(図9に示す例では、正常と判定される)には、最初の画像処理では未検査領域の誤検知が生じていたとして、画像処理手段3は、第1画素領域P1(合成後の第1画素領域P1)の屈曲量を演算し、演算した屈曲量の大小に応じて表面疵の有無を判定する(図3のS14)。具体的な屈曲量の演算方法や表面疵の有無の判定方法については、前述した方法(図3のS7)と同様であるので、ここでは説明を省略する。表面疵の有無を判定した後、表面検査装置100の動作は終了する。なお、再判定において、線状光Lの照射が不良であると判定された場合であっても、未検査領域以外の第1画素領域P1について屈曲量の演算・表面疵の有無判定を行うことも可能である。
以上のように、本実施形態に係る画像処理手段3は、不良判定画像について、2値化処理のしきい値等の画像処理パラメータを変更した画像処理を再実行することにより、第1画素領域を抽出し直す構成である。このため、図9に示す例のように突発的なノイズの発生による誤検知を抑制し、未検査領域の有無をより一層精度良く検知することが可能である。
図1は、本発明の一実施形態に係る表面検査装置を適用する鋳片搬送ラインを模式的に示す斜視図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る表面検査装置の概略構成を示す図である。 図3は、図2に示す表面検査装置の概略動作を示すフロー図である。 図4は、図2に示す画像処理手段によって取得した撮像画像及びこの撮像画像に対して画像処理を施した結果の一例を模式的に示す図であり、図4(a)は撮像画像を、図4(b)は図4(a)に示す撮像画像に対して画像処理を施すことにより第1画素領域を抽出した2値化画像を、図4(c)は図4(a)に示す撮像画像に対して画像処理を施すことにより第2画素領域を抽出した2値化画像を示す。 図5は、図2に示す画像処理手段によって取得した撮像画像及びこの撮像画像に対して画像処理を施した結果の他の例を模式的に示す図であり、図5(a)は撮像画像を、図5(b)は図5(a)に示す撮像画像に対して画像処理を施すことにより特定の画素領域を抽出した2値化画像を、図5(c)は図5(a)に示す撮像画像に対して画像処理を施すことにより第2画素領域を抽出した2値化画像を、図5(d)は図5(b)に示す2値化画像に対して画像処理を施すことにより第1画素領域を抽出した2値化画像を示す。 図6は、図2に示す画像処理手段によって取得した撮像画像及びこの撮像画像に対して画像処理を施した結果の他の例を模式的に示す図であり、図6(a)は撮像画像を、図6(b)は図6(a)に示す撮像画像に対して画像処理を施すことにより第1画素領域を抽出した2値化画像を、図6(c)は図6(a)に示す撮像画像に対して画像処理を施すことにより第2画素領域を抽出した2値化画像を示す。 図7は、図2に示す画像処理手段によって取得した撮像画像及びこの撮像画像に対して画像処理を施した結果の他の例を模式的に示す図であり、図7(a)は撮像画像を、図7(b)は図7(a)に示す撮像画像に対して画像処理を施すことにより第1画素領域を抽出した2値化画像を、図7(c)は図6(a)に示す撮像画像に対して画像処理を施すことにより第2画素領域を抽出した2値化画像を示す。 図8は、図2に示す画像処理手段によって取得した撮像画像及びこの撮像画像に対して画像処理を施した結果の他の例を模式的に示す図であり、図8(a)は撮像画像を、図8(b)は図8(a)に示す撮像画像に対して画像処理を施すことにより第1画素領域を抽出した2値化画像を、図8(c)は図8(b)に示す第1画素領域の屈曲量の説明図を示 図9は、図2に示す画像処理手段によって取得した撮像画像及びこの撮像画像に対して画像処理を施した結果の他の例を模式的に示す図であり、図9(a)は撮像画像を、図9(b)は図9(a)に示す撮像画像に対して画像処理を施すことにより第1画素領域を抽出した2値化画像を、図9(c)は図9(a)に示す撮像画像に対して画像処理を再実行する画素領域の説明図を、図9(d)は図9(a)に示す撮像画像に対して画像処理を再実行することにより第1画素領域を抽出し直した2値化画像を示す。
符号の説明
1・・・光源
2・・・撮像手段
3・・・画像処理手段
100・・・表面検査装置
M・・・鋳片(高温鋼材)
L・・・線状光

Claims (2)

  1. 高温鋼材を光切断法を用いて検査する装置であって、
    長手方向に搬送される高温鋼材の表面に対して、該高温鋼材の長手方向に略直交する方向に延びる線状光を照射する光源と、
    前記高温鋼材の長手方向に沿った前記高温鋼材の両エッジ部を撮像可能な撮像視野を有し、前記線状光が照射された部位を含む前記高温鋼材の表面を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段によって撮像された撮像画像に対して画像処理を施す画像処理手段とを備え、
    前記画像処理手段は、
    前記高温鋼材の全長分に相当する複数の撮像画像を連続的に取得する第1ステップと、
    前記取得した複数の撮像画像のそれぞれに対して所定の画像処理を施すことにより、前記線状光が照射された部位に対応する第1画素領域を抽出し、該抽出した第1画素領域の前記高温鋼材の長手方向に直交する方向の長さを算出する第2ステップと、
    前記複数の撮像画像のそれぞれに対して所定の画像処理を施すことにより、前記高温鋼材の両エッジ部に対応する第2画素領域を抽出し、該抽出した第2画素領域間の距離を算出する第3ステップと、
    前記算出した第1画素領域の長さと前記算出した第2画素領域間の距離とを比較し、その大小関係に応じて、前記線状光の照射が正常であるか不良であるかを判定する第4ステップと、
    を実行することを特徴とする高温鋼材の表面検査装置。
  2. 前記画像処理手段は、
    前記第1ステップで取得した全ての撮像画像についての前記第3ステップで抽出した第2画素領域の前記高温鋼材の長手方向に直交する方向の代表的な座標と、前記第1ステップで取得した全ての撮像画像についての前記第3ステップで算出した第2画素領域間の距離の代表値とを算出するステップと、
    前記第4ステップで前記線状光の照射が不良であると判定した撮像画像における、前記第2ステップで抽出した第1画素領域の近傍に位置し、且つ、前記算出した第2画素領域の代表的な座標近傍に位置する画素領域に対して、第1画素領域を抽出するための2値化処理のしきい値を変更して前記第2ステップを再実行するステップと、
    前記再実行により算出された第1画素領域の長さと、前記算出した第2画素領域間の距離の代表値とを比較し、その大小関係に応じて、前記線状光の照射が正常であるか不良であるかを再判定するステップと、
    を実行することを特徴とする請求項1に記載の高温鋼材の表面検査装置。
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