JP3156182B1 - 刺繍製品及びこれの製造方法 - Google Patents

刺繍製品及びこれの製造方法

Info

Publication number
JP3156182B1
JP3156182B1 JP2000003073A JP2000003073A JP3156182B1 JP 3156182 B1 JP3156182 B1 JP 3156182B1 JP 2000003073 A JP2000003073 A JP 2000003073A JP 2000003073 A JP2000003073 A JP 2000003073A JP 3156182 B1 JP3156182 B1 JP 3156182B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
embroidery
thermoplastic resin
resin layer
adhesive layer
thread
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000003073A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001192960A (ja
Inventor
實 合田
Original Assignee
ゴーダエンブ株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ゴーダエンブ株式会社 filed Critical ゴーダエンブ株式会社
Priority to JP2000003073A priority Critical patent/JP3156182B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3156182B1 publication Critical patent/JP3156182B1/ja
Publication of JP2001192960A publication Critical patent/JP2001192960A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Details Of Garments (AREA)
  • Automatic Embroidering For Embroidered Or Tufted Products (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】 刺繍糸の保持を強固にできるとともに、刺繍
部の図柄が複雑である場合においても刺繍部及び刺繍糸
の傷つきを少なくすることができるようにする。 【解決手段】 素地1に熱可塑性樹脂層2を積層した積
層体を刺繍糸3により刺繍して刺繍部4を形成し、前記
積層体をその積層の方向へ熱プレスして前記刺繍糸3を
前記熱可塑性樹脂層2に固定した後、前記素地1を溶解
又は分解により除去し、前記熱可塑性樹脂層2の前記素
地1と反対側の面に接着剤層5を熱プレスによって接着
し、前記刺繍部4の前記素地1側の面に光透過性を有す
るシート6を剥離可能に接合した後、前記熱可塑性樹脂
層2の非刺繍部分を切除することによって、積層された
素地1及び熱可塑性樹脂層2に刺繍され、素地1の全部
が除去されているとともに、熱可塑性樹脂層2に刺繍糸
3が保持されている刺繍製品を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衣服などの被着物
と別個に製造される刺繍製品及びこれの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】衣服などの被着物に適宜図柄の刺繍部を
設ける場合、被着物の素地に刺繍糸を刺繍し、該刺繍糸
により前記刺繍部を被着物に直接設ける直接タイプと、
被着物と別個の素地に刺繍してなる刺繍製品を前記被着
物に装着する間接タイプとが知られている。
【0003】刺繍製品は、特許第2956588号、又
は、特許第1319272号に記載されたものが知られ
ている。
【0004】特許第2956588号に記載された刺繍
製品は図5に示す如く、ヒートカットによって溶融裁断
が可能な熱溶融性を有し、被着物への加熱押圧接着時に
溶融しない素地10に刺繍糸により刺繍して刺繍部11
を設ける工程と、素地10の裏面に接着剤層12及び剥
離紙層13を形成する工程と、剥離紙層13を残し刺繍
部11に沿って刺繍が施されていない素地10及び接着
剤層12をヒートカットして除去する工程と、耐熱性粘
着剤を塗布した透明の耐熱シート14を刺繍部11、素
地10及び接着剤層12を介して剥離紙層13上に接着
する工程とからなる製造方法によって製造されている。
【0005】この刺繍製品は、前記素地10に刺繍部1
1が設けられ、素地10の裏面に接着剤層12及び剥離
紙層13が積層された状態で、これら素地10及び接着
剤層12の前記刺繍部11が形成されていない部分が切
除されているとともに、刺繍部11の上に耐熱シート1
4が剥離可能に接合された構成となっている。
【0006】この刺繍製品の被着物への装着は、剥離紙
層13を剥離し、接着剤層12が被着物と向き合うよう
に配した状態で耐熱シート14の上をアイロン等のプレ
ス機によって加熱押圧することにより前記接着剤層12
を加熱溶融させ、被着物に接合する。
【0007】また、特許第1319272号に記載され
た刺繍製品は、素地を刺繍糸により刺繍して刺繍部を形
成し、該素地の裏面に熱可塑性樹脂層及び金属箔を夫々
積層した後、前記素地を溶解除去し、この素地が除去さ
れた前記熱可塑性樹脂層の上に吸収紙等の吸収材料を重
ね、前記金属箔の下側から加熱することにより前記熱可
塑性樹脂層を溶融し、その溶融樹脂を前記吸収材料に吸
収除去することにより製造されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特許第29
56588号に記載された刺繍製品にあっては、素地1
0に刺繍部11が設けられており、該素地10の裏面に
被着物へ接合するための接着剤層12が積層されている
に過ぎないため、刺繍製品が装着された被着物の洗濯等
によって刺繍部11の刺繍糸がほつれ易く、刺繍製品の
耐久性を高めることが要望されていた。また、刺繍部1
1が設けられている素地10をその刺繍部11に沿って
ヒートカットするため、このヒートカット時に刺繍部1
1及びその刺繍糸が傷つき易く、しかも、刺繍部11の
図柄が複雑になればヒートカットが行い難く、刺繍部1
1及びその刺繍糸がより一層傷つき易いとう問題があ
る。
【0009】また、特許第1319272号に記載され
た刺繍製品にあっては、刺繍部が設けられた素地が溶解
除去され、さらに、該素地に積層された熱可塑性樹脂層
が溶融して吸収材料に吸収され、刺繍部だけが被着物へ
装着されるため、被着物の洗濯等によって刺繍部の刺繍
糸がほつれ易く、刺繍製品の耐久性を高めることが要望
されていた。
【0010】本発明は上記の要望を満たすことができる
とともに、上記の問題点を解決することができる刺繍製
品及びこれを製造する製造方法を提供することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る刺繍製品
は、熱可塑性樹脂層に刺繍糸により刺繍された刺繍部の
前記熱可塑性樹脂層に刺さっている部分が、熱による軟
化を経て硬化した前記熱可塑性樹脂層と結合されてお
り、前記刺繍部の表面及び裏面の一方に接着剤層が接着
されており、他方に光透過性を有するシートが剥離可能
に接合されていることを特徴とする。
【0012】第1発明にあっては、刺繍部の熱可塑性樹
脂層に刺さっている部分は、熱による軟化を経て硬化し
た前記熱可塑性樹脂層と結合されているため、刺繍部の
耐久性を高めることができ、被着物の洗濯等によって刺
繍部の刺繍糸がほつれることを良好に防止できる。
【0013】また、アイロン等によって刺繍製品を被着
物に接合する場合、アイロン等の熱によって接着剤層を
溶融化させることができ、被着物への接合強度を高める
ことができるとともに、複数のパーツからなる刺繍製品
であっても、複数のパーツの位置関係をシートによって
確実に保持することができ、複数のパーツからなる刺繍
製品を、そのパーツの位置関係に気配りすることなく刺
繍部を透視してアイロン等により被着物に容易に接合す
ることができる。
【0014】第2発明に係る刺繍製品の製造方法は、素
地に熱可塑性樹脂層を積層した積層体を刺繍糸により刺
繍して刺繍部を形成する刺繍工程と、前記積層体をその
積層の方向へ熱プレスして前記刺繍糸を前記熱可塑性樹
脂層に固定する糸固定工程と、前記素地を溶解又は分解
により除去する素地除去工程と、刺繍が設けられた積
層体の一面側の面に接着剤層を接合し、他面側の面に光
透過性を有するシートを剥離可能に接合する接合工程
と、前記接着剤層を熱可塑性樹脂層の非刺繍部分ととも
に除去する接着剤層除去工程とを備えていることを特徴
とする。
【0015】第3発明に係る刺繍製品の製造方法は、素
地に熱可塑性樹脂層を積層した積層体を刺繍糸により刺
繍して刺繍部を形成する刺繍工程と、該刺繍工程により
刺繍部が形成された前記積層体の一面側の面に接着剤層
を積層し、これら積層体及び接着剤層をその積層の方向
へ熱プレスして前記刺繍糸を前記熱可塑性樹脂層に固定
する糸固定工程と、前記素地を溶解又は分解により除去
する素地除去工程と、前記積層体の他面側の面に光透過
性を有するシートを剥離可能に接合する接合工程と、前
記接着剤層を熱可塑性樹脂層の非刺繍部分とともに除去
する接着剤層除去工程とを備えていることを特徴とす
る。
【0016】第2発明及び第3発明にあっては、積層さ
れた素地及び熱可塑性樹脂層が夫々刺繍糸により刺繍さ
れた状態で熱プレスされているため、この熱プレス時の
熱によって熱可塑性樹脂層を軟化させ、刺繍部の熱可塑
性樹脂層に刺さっている刺り部分を熱可塑性樹脂層に
合させることができ、熱可塑性樹脂層によって刺繍糸の
保持を強固にできる。しかも、刺繍部が設けられている
素地が溶解又は分解により除去されるため、熱可塑性樹
脂層の非刺繍部分を刺繍部に沿ってヒートカット等によ
り容易に除去することができ、刺繍部の図柄が複雑であ
る場合においても刺繍部及び刺繍糸の傷つきを少なくで
き、刺繍糸の保持を強固にできることと相俟って刺繍部
の耐久性を高めることができる。従って、被着物の洗濯
等によって刺繍部の刺繍糸がほつれることを良好に防止
できる。
【0017】また、刺繍部が設けられた後の素地が除去
されているため、刺繍製品を柔らかくすることができ、
衣服等の柔軟性を有する被着物に刺繍製品を接合する場
合、該刺繍製品を被着物の柔軟性に馴染ませることがで
きる。
【0018】また、素地を除去するとともに接着剤層の
一部を熱可塑性樹脂層の非刺繍部分とともに除去した後
においてもシートが刺繍部を保持するため、複数のパー
ツからなる刺繍製品を製造する場合であっても、複数の
パーツの位置関係を確実に保持することができ、接着剤
層及び熱可塑性樹脂層をヒートカット等によって除去す
るとき、複数のパーツの位置関係が崩れることを防止で
き、また、複数のパーツからなる刺繍製品を被着物に接
合するとき、刺繍部を透視してアイロン等により容易に
接合することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。 実施の形態1 図1は本発明に係る刺繍製品の製造工程図である。
【0020】図1に示す刺繍製品の製造工程は、次の
(a) 乃至(f) の通りである。 (a) アセトン液に溶解するアセテート又は苛性ソーダ
液に溶解するシルク等の溶解性物質、又は、水,温水等
に分解する水溶性ビニロンのような分解性物質から成る
素地1に、ポリアミド、ポリエチレン、ポリスチレン、
ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール等の非溶解性及び非
分解性を有するフィルムを用いてなる熱可塑性樹脂層2
を積層する。 (b) (a) の工程で積層された状態で、素地1及び熱可
塑性樹脂層2を溶剤に溶解せず、また、水等に分解しな
い刺繍糸3により刺繍して図柄などの適宜の刺繍部4を
形成する。熱可塑性樹脂層2の厚さ寸法は例えば25ミ
クロンであり、刺繍部4の刺繍糸3を保持している。 (c) (b) の工程で刺繍部が形成された状態で、アイロ
ン等により前記積層体をその積層の方向へ熱プレスして
前記刺繍糸3を前記熱可塑性樹脂層2に固定する。この
刺繍糸3の固定は、熱プレス時の熱によって熱可塑性樹
脂層2を軟化させ、該熱可塑性樹脂層2に刺繍糸3を粘
着させるとともに、熱可塑性樹脂層2の自然冷却に伴う
硬化によって刺繍糸3を相互に結合し、熱可塑性樹脂層
2に固着させる。 (d) (b) の工程で刺繍された素地1の全部を前記溶解
性物質によって溶解除去又は分解性物質によって分解除
去する。この溶解処理又は分解処理は、例えば浴槽内に
アセトン液等の溶剤又は水等の分解剤を満たし、前記刺
繍部4が設けられた熱可塑性樹脂層2及び素地1を投入
し、素地1のみを溶解又は分解させる。 (e) (d) の工程で素地1の全部が除去された熱可塑性
樹脂層2の前記素地1と反対側の面に、ポリウレタン等
のフィルムを用いてなる接着剤層5を積層して接合する
とともに、熱可塑性樹脂層2への刺繍によって保持され
ている刺繍部4の前記素地1側の面に、光透過性及び3
00度を超える温度、換言すれば後記するヒートカット
時の温度で軟化しない耐熱性を有する合成樹脂製のシー
ト6を剥離可能に接合する。接着剤層5の厚さ寸法は例
えば80ミクロンであり、その厚さ寸法の大部分が刺繍
製品Aを被着物Bに接合するときに用いるアイロン等の
熱によって溶融し、被着物Bに強固に接合される。尚、
ポリウレタン等のフィルムを用いてなる接着剤層5はア
セトン液等の溶剤に対して溶解性を有するため、素地1
を除去した後で上述の如く熱可塑性樹脂層2に積層す
る。シート6は、刺繍部4と向き合う面に160度を超
えるアイロンの温度で溶融するが、自然冷却後に剥離す
ることができる仮接着性及び光透過性を有する熱可塑性
樹脂等の接着剤層7が設けられており、この接着剤層7
によってシート6が刺繍部4に確実に接合されている。
接着剤層7は、例えばポリアミドフィルムが用いられる
が、その材料は特に制限されない。また、接着剤層5及
びシート6の接合は、アイロン等により前記積層体の積
層の方向へ熱プレスして接着剤層5及び接着剤層7を軟
化させることにより接着、接合する。尚、接着剤層5と
シート6とは一工程で熱プレスするのであるが、その他
別の工程で熱プレスしてもよい。 (f) 熱可塑性樹脂層2の非刺繍部分を、250度程度
の温度に加熱された熱切断部を有する熱切断機によって
前記接着剤層5とともに除去、換言すればヒートカット
し、所定形状のワッペン等の刺繍製品となす。この除去
は前記接着剤層5側から刺繍部4に沿って行われる。
尚、シート6は上述したようにヒートカット時の温度で
軟化しないため、熱可塑性樹脂層2及び接着剤層5のよ
うにヒートカットされない。
【0021】図2は上記の製造方法によって製造された
ワッペンなどの刺繍製品の平面図である。上述の如く製
造された刺繍製品Aは、刺繍糸3により刺繍された刺繍
部4の前記熱可塑性樹脂層2に刺さっている部分が、熱
による軟化を経て硬化した前記熱可塑性樹脂層2と結合
されており、前記刺繍部4の裏面に接着剤層5が接着さ
れており、刺繍部4の表面に光透過性を有するシート6
が剥離可能に接合された構成となっている。換言すれ
ば、溶解性物質又は分解性物質から成る素地1に非溶解
性及び非分解性を有する熱可塑性樹脂層2が積層された
状態で、この積層体が非溶解性及び非分解性の刺繍糸3
により刺繍された適宜図柄の刺繍部4が設けられ、積層
体がその積層の方向へ熱プレスされており、前記熱可塑
性樹脂層2に非溶解性及び非分解性を有する接着剤層5
が熱プレスによって接着されているとともに、前記刺繍
部4の前記素地1側の面に光透過性及び耐熱性を有する
シート6が剥離可能に接合され、前記素地1が溶解又は
分解により除去されているとともに、前記熱可塑性樹脂
層2の非刺繍部分が前記接着剤層5ともにヒートカット
等によって除去された構成になっている。
【0022】このように製造された刺繍製品Aの刺繍
4は、熱可塑性樹脂層2に刺さっている部分が熱による
軟化を経て硬化した前記熱可塑性樹脂層2と結合されて
いるため、刺繍部4の耐久性を高めることができ、しか
も、刺繍部4はシート6が接合されているため、複数の
パーツからなる刺繍製品であっても、複数のパーツの位
置関係を確実に保持することができる。
【0023】図3は刺繍製品を衣服等の被着物に装着す
る工程図、図4は刺繍製品が装着された被着物の一部を
省略した正面図である。刺繍製品Aを衣服等の被着物B
に装着する場合、被着物Bの上に刺繍製品Aをその接着
剤層5が下向きとなるように載せ、シート6の上側から
アイロン等によって熱プレスすることにより、接着剤層
5の大部分が溶融して被着物Bに強固に接合される。こ
のため、刺繍部4の熱可塑性樹脂層2に刺さっている部
分が熱による軟化を経て硬化した前記熱可塑性樹脂層2
によって結合されていることと相俟って被着物Bの洗濯
等によって刺繍部4の刺繍糸3がほつれることをより一
層良好に防止できる。
【0024】実施の形態2 この実施の形態2では、実施の形態1の(c) の工程で、
熱可塑性樹脂層2の素地1と反対の面に熱可塑性樹脂層
2と同様の熱可塑性樹脂を用いてなる前記接着剤層5を
積層し、これら積層体及び接着剤層5をその積層の方向
へ熱プレスして前記刺繍糸3を前記熱可塑性樹脂層2に
固定する。また、実施の形態1の(e) の工程で、熱可塑
性樹脂層2への刺繍によって保持されている刺繍部4の
前記素地1側の面に、前記シート6を剥離可能に接合す
る。その他の製造工程及び構成は実施の形態1と同様で
あるため、その詳細な説明及び作用の説明を省略する。
【0025】この実施の形態2においては、素地1を溶
解除去又は分解除去する前の工程で接着剤層5を形成す
るため、この接着剤層5はポリアミド等の非溶解性及び
非分解性を有する熱可塑性樹脂のフィルムを用いる。
【0026】実施の形態3この実施の形態3では、実施
の形態1、2の接着剤層5を前記刺繍部4の素地1側の
面に熱プレスによって接着し、前記熱可塑性樹脂層2の
素地1と反対の面に前記シート6を接合する。 その他
の製造工程及び構成は実施の形態1と同様であるため、
その詳細な説明及び作用の説明を省略する。
【0027】実施の形態3においては、実施の形態1の
(d) の工程の後、刺繍部4の素地1側の面にポリウレタ
ン、ポリアミド等の接着剤層5を熱プレスによって接着
する。
【0028】実施の形態3の製造方法によって製造され
た刺繍製品Aは、刺繍糸3により刺繍された刺繍部4の
熱可塑性樹脂層2に刺さっている部分が前記熱可塑性樹
脂層2と結合されており、前記刺繍部4の表面に接着剤
層5が接着されており、刺繍部4の裏面に光透過性を有
するシート6が剥離可能に接合された構成となってい
る。
【0029】尚、実施の形態1乃至3において、熱可塑
性樹脂層2及び接着剤層5はヒートカットによって除去
したが、その除去手段は特に制限されない。
【0030】
【発明の効果】第1発明によれば、刺繍部の熱可塑性樹
脂層に刺さっている部分は、熱による軟化を経て硬化し
た前記熱可塑性樹脂層と結合されているため、刺繍部の
耐久性を高めることができ、被着物の洗濯等によって刺
繍部の刺繍糸がほつれることを良好に防止できる。
【0031】また、アイロン等によって刺繍製品を被着
物に接合する場合、アイロン等の熱によって接着剤層を
溶融化させることができ、被着物への接合強度を高める
ことができるとともに、複数のパーツからなる刺繍製品
であっても、複数のパーツの位置関係を確実に保持する
ことができ、複数のパーツからなる刺繍製品を、そのパ
ーツの位置関係に気配りすることなく刺繍部を透視して
アイロン等により被着物に容易に接合することができ
る。
【0032】第2発明及び第3発明によれば、積層され
た素地及び熱可塑性樹脂層が夫々刺繍糸により刺繍され
た状態で熱プレスされており、この熱プレス時の熱によ
って熱可塑性樹脂層を軟化させ、刺繍部の熱可塑性樹脂
層に刺さっている部分を熱可塑性樹脂層に結合させるこ
とができ、熱可塑性樹脂層によって刺繍糸の保持を強固
にできる。しかも、刺繍部が設けられている素地が溶解
又は分解により除去されるため、熱可塑性樹脂層の非刺
繍部分を刺繍部に沿ってヒートカット等により容易に除
去することができ、刺繍部の図柄が複雑である場合にお
いても刺繍部及び刺繍糸の傷つきを少なくでき、刺繍糸
の保持を強固にできることと相俟って刺繍部の耐久性を
高めることができる。
【0033】また、刺繍製品を柔らかくすることがで
き、該刺繍製品を被着物の柔軟性に馴染ませることがで
きる。また、接着剤層を熱プレスによって強固に接着す
ることができるとともに、アイロン等によって刺繍製品
を被着物に接合する場合、接着層によって被着物への接
合強度を高めることができる。さらに、複数のパーツか
らなる刺繍製品であっても、複数のパーツの位置関係を
確実に保持することができ、複数のパーツからなる刺繍
製品を、そのパーツの位置関係に気配りすることなく刺
繍部を透視してアイロン等により被着物に容易に接合す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る刺繍製品の製造工程図である。
【図2】本発明に係る製造方法によって製造されたワッ
ペンなどの刺繍製品の平面図である。
【図3】本発明に係る刺繍製品を衣服等の被着物に装着
する工程図である。
【図4】本発明に係る刺繍製品が装着された被着物の一
部を省略した正面図である。
【図5】従来の刺繍製品の製造工程図である。
【符号の説明】
1 素地 2 熱可塑性樹脂層(熱可塑性樹脂材料) 3 刺繍糸 4 刺繍部 5 接着剤層 6 シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−241965(JP,A) 特開 平8−158239(JP,A) 特開 平10−131028(JP,A) 特開 平11−256466(JP,A) 実開 平3−89194(JP,U) 特許2956588(JP,B2) 特公 昭64−6297(JP,B2) 特公 昭60−42311(JP,B2) 実公 昭61−13595(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D05C 17/00 B44C 1/28 A41D 27/08 D03D 1/00 - 27/18 D04D 1/00 - 11/00 D06Q 1/00 - 1/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂層に刺繍糸により刺繍され
    た刺繍部の前記熱可塑性樹脂層に刺さっている部分が、
    熱による軟化を経て硬化した前記熱可塑性樹脂層と結合
    されており、前記刺繍部の表面及び裏面の一方に接着剤
    層が接着されており、他方に光透過性を有するシートが
    剥離可能に接合されていることを特徴とする刺繍製品。
  2. 【請求項2】 素地に熱可塑性樹脂層を積層した積層体
    を刺繍糸により刺繍して刺繍部を形成する刺繍工程と、
    前記積層体をその積層の方向へ熱プレスして前記刺繍糸
    を前記熱可塑性樹脂層に固定する糸固定工程と、前記素
    地を溶解又は分解により除去する素地除去工程と、刺繍
    が設けられた積層体の一面側の面に接着剤層を接合
    し、他面側の面に光透過性を有するシートを剥離可能に
    接合する接合工程と、前記接着剤層を熱可塑性樹脂層の
    非刺繍部分とともに除去する接着剤層除去工程とを備え
    ていることを特徴とする刺繍製品の製造方法。
  3. 【請求項3】 素地に熱可塑性樹脂層を積層した積層体
    を刺繍糸により刺繍して刺繍部を形成する刺繍工程と、
    該刺繍工程により刺繍部が形成された前記積層体の一面
    側の面に接着剤層を積層し、これら積層体及び接着剤層
    をその積層の方向へ熱プレスして前記刺繍糸を前記熱可
    塑性樹脂層に固定する糸固定工程と、前記素地を溶解又
    は分解により除去する素地除去工程と、前記積層体の他
    面側の面に光透過性を有するシートを剥離可能に接合す
    る接合工程と、前記接着剤層を熱可塑性樹脂層の非刺繍
    部分とともに除去する接着剤層除去工程とを備えている
    ことを特徴とする刺繍製品の製造方法。
JP2000003073A 2000-01-11 2000-01-11 刺繍製品及びこれの製造方法 Expired - Fee Related JP3156182B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000003073A JP3156182B1 (ja) 2000-01-11 2000-01-11 刺繍製品及びこれの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000003073A JP3156182B1 (ja) 2000-01-11 2000-01-11 刺繍製品及びこれの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP3156182B1 true JP3156182B1 (ja) 2001-04-16
JP2001192960A JP2001192960A (ja) 2001-07-17

Family

ID=18532074

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000003073A Expired - Fee Related JP3156182B1 (ja) 2000-01-11 2000-01-11 刺繍製品及びこれの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3156182B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006087807A1 (ja) * 2005-02-18 2006-08-24 New Order Co., Ltd. 刺繍アップリケ並びに刺繍アップリケ製造方法並びに刺繍製品製造方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100462494C (zh) * 2003-10-24 2009-02-18 合田刺绣株式会社 立体刺绣品的制作方法
AT17163U1 (de) * 2018-04-17 2021-07-15 Andreas Kisling Verfahren zur Herstellung eines Dekorationselements

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006087807A1 (ja) * 2005-02-18 2006-08-24 New Order Co., Ltd. 刺繍アップリケ並びに刺繍アップリケ製造方法並びに刺繍製品製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001192960A (ja) 2001-07-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4415623A (en) Decoration of sheet material
US4741791A (en) Flocked transfer material and method of making heat-transferable indicia therefrom
US5009943A (en) Pre-sewn letter and method
US3944454A (en) Heat-bonding method
US20050081985A1 (en) Processes for precutting laminated flocked articles
CO4410311A1 (es) Articulo termoformado a partir de un laminado de barrera y el proceso para producirlo
JP2542551B2 (ja) 熱可塑性合成樹脂製の熱転写装飾片とその製造方法
JP3156182B1 (ja) 刺繍製品及びこれの製造方法
CN1179675C (zh) 刺绣制品及其制作方法
WO2000071801A1 (fr) Vetement avec motif de broderie et procede de formation de motifs de broderie et fil de bobine pour metier a broder
JPH11129596A (ja) 回転印用無端印字ベルト
JP3129716B2 (ja) 被着体への刺繍の熱転写法および熱転写刺繍片並びに該熱転写刺繍片の製造法
JPH11198278A (ja) 熱圧接着型マーキングフィルム
JP7372700B1 (ja) 曲面状の立体ワッペン
KR830000406B1 (ko) 시이트 물질의 장식
JP2009015064A (ja) 転写用ワッペンの製造方法及び転写用ワッペン
KR20110003570U (ko) 의류용 하프커팅형 전사베이스 필름
JP5280080B2 (ja) マーク材料、マーク材料の製造方法
JP2532447B2 (ja) エンドレスインクリボンの製造方法
JP2002146658A (ja) アップリケ及びその製造方法
GB2339711A (en) Fabric reinforced retroreflective assembly
KR20200048928A (ko) 패턴이 형성된 기능성 원단
JP2608854B2 (ja) 防染糊板及びその関連技術
JP2011032598A (ja) 転写シート
JP2004052140A (ja) 布帛の縮絨処理と絞り模様描出法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090209

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090209

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100209

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100209

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110209

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120209

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120209

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130209

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140209

Year of fee payment: 13

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees