JP3155957B2 - 電気掃除機 - Google Patents

電気掃除機

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JP3155957B2
JP3155957B2 JP15843395A JP15843395A JP3155957B2 JP 3155957 B2 JP3155957 B2 JP 3155957B2 JP 15843395 A JP15843395 A JP 15843395A JP 15843395 A JP15843395 A JP 15843395A JP 3155957 B2 JP3155957 B2 JP 3155957B2
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博見 神原
隆司 大野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は水フィルターを使用す
る電気掃除機、特にそのセパレーターの構造に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、吸引したダストを含有する空気か
らダストを分離し、これを捕捉する手段として水フィル
ターを使用した電気掃除機が知られている。このような
電気掃除機としては、例えば図5、図6のような構造の
ものがある。図6は図5の要部を拡大したものである。
ダストを含有した空気はブロア1により吸引管2を通し
て本体内に吸引され、水3と衝突する。この際、ダスト
は水3により空気から分離され、水3に捕捉される一
方、空気には水分が含有される。この空気はブロア1の
回転により発生する負圧により上昇し、セパレーター4
のスリット5よりブロア1側に浸入しようとする。しか
しながら、モーター軸6に固着されたセパレーター4の
回転により水分は遠心分離され、空気のみがスリット5
を通過し、ブロア1により外部に排出される。
【0003】前記モーター軸6にはナット8によりスパ
イダー7が固着され、またこのナット8とナット9との
間には前記セパレーター4が挟まれるようにしてこのモ
ーター軸6に固着されている。このセパレーター4の外
周フランジ部は前記スパイダー7の外周平坦部に圧接さ
れて、このセパレーター4がスパイダー7により構造的
にサポートされている。そして、モーターケース側に固
着されているモーターパッキンフランジ10の内周フラ
ンジ部と、スパイダー7の外周フランジ部及びセパレー
ター4の外周フランジ部とにより互いに嵌合される凹凸
が形成され、これらによってラビリンスシールドが構成
されている。尚、図中の符号11は前記水3を入れたウ
ォーターパン、12は水位ポスト、13は本体ハウジン
グ、14はファンモーターを示すものである。
【0004】ところで、一般に前記セパレーターは回転
数を高くし、外周壁部に形成するスリット幅を狭くし、
かつスリット数を多くすることによって、分離効率を高
めることができる。そして、セパレーターの回転時の動
的アンバランスを低く抑えるための軽量化のために、薄
肉にて形成することが望ましい。
【0005】ここで、セパレーターが水分を分離するメ
カニズムを簡単に説明する。これは、特開平5-502820号
公報等にも示されているものであるが、相対的に周速の
遅い直径の小なる側が吸引を、周速の速い直径の大なる
側が排出を主に受け持ち、一旦空気と共にセパレーター
に浸入した、重い水分が遠心力で排出される。このこと
は、セパレーターの容器形状と、一般的な遠心力の力学
的理論式 F=Wrω2/g F:遠心力 W:物体の重量 r:運動の半径 ω:角速度 g:重力加速度 からも明かである。
【0006】この種の掃除機の性能を向上させるために
は、ファンモーターの回転数を更に上げて吸込仕事率を
向上させることや、前記のようにセパレーターの回転数
を上げて水分離効率を高める必要がある。しかし、前記
した従来の電気掃除機では、セパレーター7が前記遠心
力によって変形しないように、セパレーター7の回転数
を制限せざるを得なかった。ちなみに、この回転数を上
げた場合には、前記のようにセパレーター7を薄肉にし
ていると、スリット5を形成するリブ17が前記遠心力
(図6に白抜き矢印Fで示す)により変形し(図6に破
線で示す)、これにより、振動等が生ずる。そして、こ
のリブの変形により、前記した運動の半径rが変化し、
吸引と排出とのバランスが崩れ、水分離能力が阻害され
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記したように、従来
の電気掃除機では、吸込仕事率を向上させるために、及
び水分離能力を向上させるために、ブロア及びこれに結
合されたセパレーターの回転数を上げると、この回転に
より発生する遠心力により、セパレーターが変形し、こ
の変形により回転がアンバランスになって振動を生じた
り、水分離効率が低下するという欠点があった。この発
明は上記に鑑み、回転数を充分に高くしても変形を生じ
にくいセパレーターを有する電気掃除機を提供すること
を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決し、前
記した目的を達成するためのこの発明の電気掃除機は、
吸引した、ダスト含む空気よりダストを分離して捕捉す
る水フィルターと、容器形状をしてその側壁に複数のス
リットを有し、回転によって該スリットを通過する空気
より水分を分離し回収するセパレーターとを備えた電気
掃除機において、前記セパレーターの前記スリットを有
する側壁を、このセパレーターの内側に緩やかに曲がっ
た鼓形状、または前記水フィルター側が小径となる段付
形状としたことを特徴とするものである。そして、前記
セパレーターを構造的にサポートし、かつ該セパレータ
ーと一体となって回転するスパイダーを備え、前記セパ
レーターとスパイダーとの外周当接部には互いに嵌合さ
れる凹凸を形成してもよい。
【0009】
【作用】上記のように構成された電気掃除機では、前記
セパレーターの前記スリットを有する側壁を、このセパ
レーターの内側に緩やかに曲がった鼓形状、または前記
水フィルター側が小径となる段付形状としたので、前記
セパレーターのスリットを有する側壁が強固なものとな
り、セパレーターの回転による遠心力によっても変形し
難くなり、セパレーターの回転速度を充分に高くするこ
とができる。従って、電気掃除機の吸込仕事率及び水分
離能力を向上させることができる。
【0010】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図1及び図2に
基づいて説明する。尚、これらの図において、前記従来
例を説明するのに用いた図5及び図6と同一符号は、特
に断わらない限り同様のものを示す。図1はこの発明に
よる電気掃除機の断面図であり、図2は図1の要部の拡
大図である。図1において、吸引管2には、他端に吸引
ブラシ等を接続したフレキシブルな吸引ホース(図示せ
ず)が接続される。本体の下部にはウォーターパン11
が構成され、水位ポスト12によって適量の水3を貯え
るようになっている。本体ハウジング13内の中央部に
はファンモーター14が載置され、ファンモーター14
の上端部にはブロア1が軸支されている。
【0011】一方、ファンモーター14の下端部には、
モーター軸6にスパイダー7がスパイダー取付ナット8
により固着されている。更にこのモーター軸6には同軸
に、セパレーター4がその外周縁を前記スパイダー7の
外周縁に、また中央部を前記スパイダー取付ナット8に
当接した状態で、セパレーター取付ナット9により固着
されている。尚、セパレーター4はその側壁に多数のス
リット状孔(以下スリットと呼ぶ)5が等間隔で穿設し
てあり、これらのスリット5を構成するリブ17が、図
2で明かなように、内側に緩やかに曲がった鼓形状をし
ている。モーターケース側下端に固着されたモーターパ
ッキンフランジ10には弾性部材で形成されるパッキン
15が密着して取付けられていて、ウォーターパン11
の上部開口周上にてシーリングの働きを成している。更
に、モーターパッキンフランジ10には内径側に内向き
フランジ16が形成され、前記スパイダー7の外周フラ
ンジ部と、セパレーター4の外周フランジ部とによって
ラビリンスシールを形成している。
【0012】上記のように構成された電気掃除機が作動
状態、即ち通電状態となると、ファンモーター14のブ
ロア1により、前記吸引ホースよりダストを含有する空
気が吸引管2を介してウォーターパン11内に導かれ、
水3の水面に衝突する。この際、ダストは空気より分離
して水3に捕捉されると共に空気は水を含有したまま上
昇し、回転しているセパレーター4付近へ到達する。吸
込仕事率を向上させるために、前記ブロア1を高速回転
させると、前記セパレーター4もこれに伴って高速回転
し、セパレーター4の付近は前記ブロア1による吸引
と、セパレーター4の回転によって生じる遠心力による
排出が混在しやすくなり、かつ複数のスリット5で構成
されるリブ17は構造上脆弱となるので、遠心力により
外側へ撓もうとする。しかし、水フィルター側が小径
で、かつ内側が緩やかに曲がった鼓状の形状により、吸
引、排出が明確となり、水分の分離排出が効率良く行な
われる。また、スリットとスリット5との間に構成され
るリブ17は、力学的に「曲がり梁り」構造となるた
め、このリブ17が曲がりを有しないリブと同一材質で
同一断面形状に形成されている場合には、より強固にな
る。
【0013】従って、セパレーター4を高速回転させて
も分離効率が低下せず、また遠心力によるリブの変形が
ないので、セパレーター4は円滑かつ静寂に回転し、空
気のみがブロア1の内部に到達する。また、上昇した水
分を含む空気の一部は、スパイダー7の外周フランジ端
部からも浸入しようとするが、前記したラビリンスシー
ルによって、その浸入が阻止されるため、前記のように
セパレーター4によって水分を分離された空気のみがブ
ロア1内に引き込まれ、外部に放出される。
【0014】次に、図3を用いて他の実施例を説明す
る。この図において、前記一実施例の説明に用いた図1
及び図2並びに従来例を説明するのに用いた図5及び図
6と同一符号は、特に断わらない限り同様のものを示
す。図3のものでは、セパレーター4の側壁が段付形状
になっていて、水フィルター側、即ちウォーターパン1
1側が小径となっている。このように、段付形状にする
ことにより、小径部と大径部とでの遠心力の差は一層明
確となり、境界点18の下側は吸引を、上側が排出を専
門的に行い得る。また、スリットとスリット5間に構成
されるリブ17は、力学的に「不連続梁り」の構造とな
るため、このリブ17が段付形状を有しないリブと同一
材質で同一断面形状に形成されている場合には、より強
固なものとなる。
【0015】次に、図4を用いて、更に他の実施例を説
明する。尚、この図において、前記実施例の説明に用い
た図1、図2及び図3並びに従来例を説明するのに用い
た図5及び図6と同一符号は、特に断わらない限り同様
のものを示す。この図のものでは、スパイダー7の外周
下端平坦部に凹部が形成されており、セパレーター4の
外周縁部には凸部が形成され、これらの凹部と凸部は嵌
め込まれる構造となっている。更に、セパレーター4の
側壁に形成されたスリット5を構成するリブ17は内側
に緩やかに曲がった鼓形状(または段付形状)としてあ
るため、セパレーター4の外周縁部の変形はスパイダー
7の凹部により制限されると共に、リブ17は強固とな
り、高速回転においても、静止状態の形状と何等変化す
ることがなく、円滑かつ静寂に回転し得る。上記実施例
では、スパイダー側に凹部を形成し、セパレーター側に
凸部を形成したが、逆であっても効果は同じである。
【0016】
【発明の効果】この発明は上記のように、セパレーター
の側壁のリブを、内側に緩やかに曲がった鼓形状、また
は水フィルター側が小径の段付形状としたため、材質の
変更や、肉厚を厚くすることなく、容易により強靱にか
つ水分離効率の高いセパレーターが得られ、またブロア
の回転数をも高くすることができるので、吸込仕事率を
充分に高くすることができる等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す概略断面図である。
【図2】図1の要部の概略拡大断面図である。
【図3】この発明の他の実施例を示す要部の概略拡大断
面図である。
【図4】この発明の更に他の実施例を示す要部の概略拡
大断面図である。
【図5】従来例を示す概略断面図である。
【図6】図5の要部の概略拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ブロア 2 吸引管 3 水 4 セパレーター 5 スリット 6 モーター軸 7 スパイダー 8,9 ナット 10 モーターパッキンフランジ 11 ウォーターパン 12 水位ポスト 13 本体ハウジング 14 ファンモーター 15 パッキン 16 内向きフランジ 17 リブ 18 境界点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−222697(JP,A) 特開 平5−130953(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47L 9/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸引した、ダスト含む空気よりダストを
    分離して捕捉する水フィルターと、容器形状をしてその
    側壁に複数のスリットを有し、回転によって該スリット
    を通過する空気より水分を分離し回収するセパレーター
    とを備えた電気掃除機において、 前記セパレーターの前記スリットを有する側壁を、この
    セパレーターの内側に緩やかに曲がった鼓形状、または
    前記水フィルター側が小径となる段付形状としたことを
    特徴とする電気掃除機。
  2. 【請求項2】 前記セパレーターを構造的にサポート
    し、かつ該セパレーターと一体となって回転するスパイ
    ダーを備え、前記セパレーターとスパイダーとの外周当
    接部には互いに嵌合される凹凸を形成したことを特徴と
    する請求項1記載の電気掃除機。
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