JP3155783B2 - シリコーン−ノボラックブロック共重合体及びその製造方法 - Google Patents

シリコーン−ノボラックブロック共重合体及びその製造方法

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JP3155783B2 JP24650791A JP24650791A JP3155783B2 JP 3155783 B2 JP3155783 B2 JP 3155783B2 JP 24650791 A JP24650791 A JP 24650791A JP 24650791 A JP24650791 A JP 24650791A JP 3155783 B2 JP3155783 B2 JP 3155783B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエポキシ樹脂をベース樹
脂とする半導体素子封止材の低応力化に有効なシリコー
ン可撓剤として好適に用いられるシリコーン−ノボラッ
クブロック共重合体及びその製造方法に関するものであ
る。また本発明により得られるシリコーン−ノボラック
ブロック共重合体は、半導体素子封止材の他、成形材
料、摩擦材料、レジスト材料等へも応用可能である。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体素子の高集積度化はめざま
しく、これに伴って素子の大型化が進み、また高密度実
装の点からはパッケージの小型薄型化が要求されてい
る。これらの技術動向は従来の半導体素子封止材にパッ
ケージクラックなどの問題を引き起こし、現在では封止
材のより一層の低応力化が求められている。
【0003】封止材の低応力化の手法には低膨張率化と
低弾性率化の二者があり、前者は主に溶融シリカ等の充
填剤を添加することにより達成される。後者は主に可撓
剤の使用が効果的であるが、この時エポキシ樹脂等のベ
ース樹脂と可撓剤との相溶性が良好であるとガラス転移
点(Tg)が下がり、耐熱性の低下を誘発し好ましくな
い。低応力性と高耐熱性を両立させるには、PVC−ニ
トリルゴム系、ABS樹脂系のように樹脂に可撓剤成分
を分散させた海島構造を構築することが効果的である。
封止材樹脂の主材となるエポキシ樹脂用の可撓剤に関し
て種々検討が行われた結果、シリコーン樹脂が最も分散
性に優れており、耐熱性を維持しつつ、低応力化を達成
するための有効な可撓剤であることが見出された。
【0004】シリコーン可撓剤としては当初、シリコー
ンオイルをベース樹脂に単純に添加する添加型可撓剤が
開発されたが、シリコーンのしみだしによる外観不良
等、成形上好ましくない問題が発生した。そこでこのし
みだしを押さえ、更に分散性を良好にして低応力化を向
上させるために反応性官能基を含有したシリコーン樹脂
をベース樹脂とあらかじめ反応させて用いる樹脂変性型
可撓剤が開発された。この樹脂変性型シリコーン可撓剤
としてはこれまで種々のシリコーン変性エポキシ樹脂
(特開昭62−84147号公報等)、シリコーン変性
フェノール樹脂(特公昭61−48544号公報等)等
が検討された。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これまで開発された樹
脂変性型シリコーン可撓剤の中には低応力性と高耐熱性
を両立させるに至るものはあったが、同時に機械的強度
をも満足させるものはなかった。強度を上げるには樹脂
の伸びを向上させることが効果的であり、これを実現さ
せるには樹脂に緻密なミクロ相分離構造を構築すること
が有効である。このためにはシリコーン可撓剤をシリコ
ーン−ノボラック(エポキシ)ブロック共重合体、特に
はマルチブロック共重合体とする分子設計が必要とな
る。
【0006】これまでの可撓剤の中でシリコーン変性フ
ェノール樹脂としては多種提案されているが、フェノー
ル性水酸基を共重合反応に使用するものは分子構造的に
ブロック共重合体とは言いがたく、真の意味でのブロッ
ク共重合体と比較すると相分離性の緻密度において劣る
という欠点が現れる。また、特公昭61−48544号
公報に記載のフェノールとアリルフェノールを共縮重合
させたプレポリマーから合成する方法では、生成物がト
リブロック共重合体、ジブロック共重合体、ホモポリマ
ー等の混合物となることは避けがたく、更には緻密な相
分離構造を最も安定に構築するマルチブロック共重合体
を合成することはできない。この公知例、あるいはこれ
までのいずれの合成方法でも完全なシリコーン−ノボラ
ックマルチブロック共重合体を合成することは不可能で
あった。
【0007】本発明は、分子構造が完全なブロック共重
合体であり、更にその主成分がトリブロック共重合体以
上のマルチブロック共重合体であるシリコーン−ノボラ
ックブロック共重合体及びその合成方法を提供すること
を目的とするものである。このような共重合体を可撓剤
として使用することにより、封止材樹脂により緻密な相
分離構造を構築させることができ、これにより低応力
性、高耐熱性、高強度を同時に満足する封止材樹脂が設
計可能となる。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、下記式
[I]で示されるシリコーン−ノボラックブロック共重
合体(式中R1及びR2は置換若しくは非置換の炭素原子
数1〜3のアルキル基又はフェニル基を示し、kは0〜
200の数を示し、R3は炭素原子数1〜4のアルキル
基を示し、R4は炭素原子数1〜4のアルキル基又はア
ルコキシル基を示し、mは2以上の数を示し、nは2以
上の数を示す。)を提供するものである。
【化5】 また、本発明者らは、シリコーン−ノボラックブロック
共重合体はポリシロキサンとノボラック樹脂との反応に
より合成され、式[I]で示されるシリコーン−ノボラ
ック共重合体のような完全なブロック共重合体、更には
マルチブロック共重合体を合成するためにはマクロなモ
ノマー両成分としてテレケリックポリシロキサンとテレ
ケリックノボラック樹脂が必要となることに着目した結
果、本発明の製造方法を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、下記式[II]で示され
る両末端にSi−H基を有するポリシロキサン(式中R
1及びR2は置換若しくは非置換の炭素原子数1〜3のア
ルキル基又はフェニル基を示し、kは0〜200の数を
示す。)と、両末端にのみアリル基を有するフェノール
ノボラック樹脂とを重付加反応させることを特徴とする
シリコーン−ノボラックブロック共重合体の製造方法を
提供するものである。
【0010】
【化6】
【0011】R1 及びR2 は置換もしくは非置換の炭素
原子数1〜3のアルキル基又はフェニル基を示し、非置
換のものとしてはメチル基が好ましい。また、炭素原子
数1〜3のアルキル基の置換基の好適な例としては、フ
ェニル基、ヒドロキシフェニル基が挙げられる。R1
びR2 の特に好ましいものとしては、メチル基、2−フ
ェニルプロピル基が挙げられる。
【0012】式[II]で示される両末端Si−H基含
有ポリシロキサンは、分子鎖の両末端にのみSi−H基
からなる活性点を有するテレケリックポリシロキサンで
あり、その具体例としては、例えば、上記式[II]に
対応する1,1,3,3−置換ジシロキサン、1,1,
3,3,5,5−置換トリシロキサン、1,1,3,
3,5,5,7,7−置換テトラシロキサン等、及び置
換シクロテトラシロキサンと1,1,3,3−置換ジシ
ロキサンとを出発原料として、酸触媒を用い、公知の技
術である平衡化重合により合成されるポリシロキサンが
挙げられる。この平衡化重合により合成する場合、重合
度は両モノマーの仕込比を調整することにより制御する
ことができる。なかでも、1,1,3,3−テトラメチ
ルジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチ
ルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−
オクタメチルテトラシロキサン、オクタメチルシクロテ
トラシロキサンと1,1,3,3−テトラメチルジシロ
キサンとを出発原料として、酸触媒を用いて平衡化重合
により合成されるポリシロキサンが好適に用いられる。
【0013】ここで、本発明による反応はマルチブロッ
ク共重合体を合成するために上記の両末端Si−H基含
有ポリシロキサンと両末端アリル基含有フェノールノボ
ラック樹脂を重付加反応の両成分として使用するが、特
に両末端アリル基含有フェノールノボラック樹脂を重付
加反応の一成分として使用することを第一の特徴とす
る。
【0014】本発明で用いられる両末端にのみアリル基
を有するフェノールノボラック樹脂としては、上記両末
端Si−H基含有ポリシロキサンのSi−H基に対する
官能基であるアリル基を分子鎖末端のみに有するテレケ
リックフェノールノボラック樹脂であれば特に制限はな
い。
【0015】この両末端アリル基含有フェノールノボラ
ック樹脂としては、下記式[III]で示される両末端
アリル基含有フェノールノボラック樹脂(式中R3 は炭
素原子数1〜4のアルキル基を示し、R4 は炭素原子数
1〜4のアルキル基又はアルコキシル基を示し、mは2
以上の数を示す。)が特に好適に用いられる。
【0016】
【化7】
【0017】R3 としてはメチル基が好ましく、R4
してはメトキシ基、メチル基が好ましい。本発明の製造
方法において両末端アリル基含有フェノールノボラック
樹脂として式[III]で示される樹脂を用いた場合、
得られるシリコーン−ノボラックブロック共重合体は、
下記式[I](式中、nは2以上の数を示す。)で示さ
れるものとなる。
【0018】
【化8】
【0019】式[III]で示される両末端アリル基含
有フェノールノボラック樹脂は、例えば下記に示す3段
階の反応を経ることにより合成することができる。即
ち、 第1段:線状フェノールノボラック樹脂の合成反応 第2段:線状フェノールノボラック樹脂両末端のメチロ
ール化反応 第3段:両末端メチロール基含有フェノールノボラック
樹脂とアリルフェノールとの縮合反応
【0020】第1段の反応においては、下記式[IV]
で示されるフェノール化合物(式中、R3 は上記と同じ
意味を有する。)とホルムアルデヒドを酸触媒を用いて
縮合させることにより、下記式[V](式中mは上記と
同じ意味を有する。)で示される線状フェノールノボラ
ック樹脂を合成する。
【0021】
【化9】
【0022】
【化10】
【0023】式[IV]で示されるフェノール化合物は
核置換基としてヒドロキシル基の他にR3 基を有し、ホ
ルムアルデヒド活性点が2点の二官能性のフェノール化
合物であることから、得られるフェノールノボラック樹
脂は線状フェノールノボラック樹脂となり、またホルム
アルデヒド活性点を分子鎖末端のみに有するものとな
る。このフェノール化合物としては、例えばo−クレゾ
ール、p−クレゾール等が好適に用いられる。また、ホ
ルムアルデヒドとしてはパラホルムアルデヒド、ホルマ
リン、ホルムアルデヒドガス等が、酸触媒としてはしゅ
う酸、塩酸等が好適に用いられる。F/P(ホルムアル
デヒド/フェノール化合物仕込比)はノボラックとなる
ようにモル比で0.5〜0.9、好ましくは0.6〜
0.75とすることが好ましい。触媒濃度はフェノール
化合物に対し0.1〜2.0重量%とすることが好まし
い。また、反応温度は80〜110℃が、反応時間は6
〜8時間が好ましい。
【0024】この線状フェノールノボラック樹脂は、m
が平均で5〜10の範囲にあり、数平均分子量が600
〜1200の範囲にあるものを用いることが好ましい。
【0025】第2段の反応においては、第1段で合成し
た式[V]で示されるフェノールノボラック樹脂をアル
カリ触媒を用い、溶媒中、ホルムアルデヒドでメチロー
ル化し、下記式[VI]で示される両末端メチロール基
含有ノボラック樹脂を得る。
【0026】
【化11】
【0027】この時、フェノールノボラック樹脂のホル
ムアルデヒド活性点は分子鎖末端のみにあるので、分子
鎖末端だけが確実にメチロール化されることになる。ホ
ルムアルデヒドとしてはホルマリン等が、反応溶媒とし
てはメタノール、エタノール等のアルコール性溶媒が好
ましい。アルカリ触媒としては水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カリシウム等が好
適に用いられる。
【0028】この第2段の反応条件としては、ホルムア
ルデヒドの仕込量はフェノールノボラック樹脂の繰り返
し単位の1〜10倍モル量とすることが好ましい。ま
た、溶液濃度、即ち溶媒とフェノールノボラック樹脂と
の合計量中のフェノールノボラック樹脂の量の割合は2
〜40重量%、触媒濃度は0.5〜2Nとすることが好
ましい。また、反応温度は室温〜60℃、反応時間は2
〜6時間とすることが好ましい。
【0029】第3段の反応においては、第2段で合成し
た式[VI]で示される両末端メチロール基含有フェノ
ールノボラック樹脂と下記式[VII](式中R4 は上
記と同じ意味を有する。)で示されるアリルフェノール
を、溶媒中、酸触媒を用いて縮合させることにより、式
[III]で示される両末端アリル基含有フェノールノ
ボラック樹脂を得る。
【0030】
【化12】
【0031】式[VII]で示されるアリルフェノール
としては、確実にフェノールノボラック樹脂の末端に導
入させるために、核置換基としてアリル基の他にR4
を有し、ホルムアルデヒドに対する活性点が1つである
一官能性のものが用いられる。つまりエンドブロック剤
として使用される。式[VII]で示されるアリルフェ
ノールの好適な具体例としては、4−アリル−2−メト
キシフェノール、2−アリル−4−メチルフェノール、
2−アリル−6−メチルフェノール等が挙げられる。反
応溶媒としてはジオキサン、メチルイソブチルケトン等
が好適に用いられる。酸触媒としては塩酸、硫酸、しゅ
う酸、p−トルエンスルホン酸等が好ましい。
【0032】この第3段の反応条件としては、アリルフ
ェノールの仕込量を両末端メチロール基含有フェノール
ノボラック樹脂の繰り返し単位の1〜10倍モル量とす
ることが好ましい。また、溶液濃度、即ち溶媒に対する
両末端メチロール基含有フェノールノボラック樹脂の量
の割合は0.1〜1モル/リットル、触媒濃度はアリル
フェノールの1/10〜1/200モル量とすることが
好ましい。また、反応温度は80〜110℃、反応時間
は1〜3時間とすることが好ましい。
【0033】本発明の方法においては、両末端Si−H
基含有ポリシロキサンと両末端アリル基含有フェノール
ノボラック樹脂、例えば式[III]で示される両末端
アリル基含有フェノールノボラック樹脂とを、各種触媒
を用い、いわゆるヒドロシリル化反応により重付加反応
させることによって、目的のシリコーン−ノボラックブ
ロック共重合体を得る。
【0034】本発明の反応は、通常溶媒中で行われ、用
いられる反応溶媒としてはメチルイソブチルケトン、メ
チルプロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチ
ルペンチルケトン等が好ましい。触媒としては有機過酸
化物、紫外線、三級アミン、ホスフィン及び白金、パラ
ジウム、ロジウム系の遷移金属系化合物等が使用可能で
あるが、白金系触媒が好ましい。特に塩化白金酸がよ
い。溶液濃度、即ち溶媒、両末端Si−H基含有ポリシ
ロキサン及び両末端アリル基含有フェノールノボラック
樹脂の合計量中の両末端Si−H基含有ポリシロキサン
及び両末端アリル基含有フェノールノボラック樹脂の合
計量の割合は、20〜60重量%とすることが好まし
い。触媒濃度は両モノマー成分の合計量に対し10〜1
00ppmとすることが好ましい。また、反応温度は8
0〜120℃、反応時間は3〜8時間が好ましい。
【0035】生成するシリコーン−ノボラックブロック
共重合体の重合度は両末端アリル基含有ノボラック樹脂
と両末端Si−H基含有ポリシロキサンの仕込比により
制限される。通常、反応に使用する両末端Si−H基含
有ポリシロキサンと両末端アリル基含有フェノールノボ
ラック樹脂の割合は、モル比で1:1〜1.5:1とす
ることが好ましい。
【0036】
【実施例】
実施例1 (o−クレゾールノボラック樹脂の合成)撹拌装置、冷
却管、温度計を備えた1リットルのセパラブルフラスコ
にo−クレゾール500g(4.63モル)、パラホル
ムアルデヒド113g(3.24モル)を加え、撹拌を
始めて50℃に加熱し、しゅう酸4.9gを加えた。そ
の後100℃に加熱し、6時間撹拌を行った。反応終了
後100〜160℃/30mmHgの条件で未反応のo
−クレゾールを完全に減圧除去した。完全除去はGPC
により確認した。得られた樹脂はmが平均で8、数平均
分子量960であり、収量483g(収率99%)、形
状は黄色透明固体であった。
【0037】(両末端メチロール基含有o−クレゾール
ノボラック樹脂の合成)撹拌装置、冷却管、温度計、滴
下ロートを備えた3リットルのセパラブルフラスコに先
に合成したo−クレゾールノボラック樹脂200g
(3.70×10-1モル、繰り返し単位のモル数:約
1.67モル)、水酸化ナトリウム32gを加え、これ
にメタノール800g(1010ml)を加えて撹拌を
行い完全に溶解させた。その後50℃に加熱し、この溶
液に35%のホルムアルデヒド液(ホルマリン)140
0g(16.3モル)を滴下ロートから約1時間かけて
滴下した。滴下終了後反応温度を50℃に保ったまま、
4時間撹拌を行った。反応終了後、反応溶液を酢酸で注
意深く中和した後、大量の蒸留水中に注いで粗生成物を
沈澱させた。沈澱物を濾別した後、蒸留水で3回洗浄
し、アセトン(良溶媒)/蒸留水(貧溶媒)で3回再沈
澱を行った。この後常温で真空乾燥を行った。
【0038】反応終了の確認は13C−NMRスペクトル
を測定し、115及び120ppmの末端未反応オルソ
位、パラ位カーボンに関するシグナルの完全消失及び6
3ppmのメチロールカーボンのシグナルの出現をもっ
て行った。得られた樹脂は収量132g(収率60
%)、形状は赤褐色固体であった。
【0039】(両末端アリル基含有o−クレゾールノボ
ラック樹脂の合成)撹拌装置、冷却管、温度計、滴下ロ
ートを備えた2リットルのセパラブルフラスコに4−ア
リル−2−メトキシフェノール(オイゲノール)274
g(1.67モル)、1,4−ジオキサン420ml、
塩酸1.69g(1.67×10-2モル)を加えて10
1℃で還流撹拌した。この溶液に先に合成した両末端メ
チロール基含有o−クレゾールノボラック樹脂100g
(1.12×10- 1モル、繰り返し単位のモル数:約
0.83モル)を1,4−ジオキサン500mlに溶解
させた溶液を滴下ロートから100ml/30分の速度
で注意深く滴下した。滴下終了後、1時間還流撹拌を行
った。反応終了後、200℃/30mmHgの条件で未
反応のオイゲノールを完全に減圧除去した。完全除去は
GPCにより確認した。
【0040】反応終了の確認は13C−NMRスペクトル
を測定し、63ppmのメチロールカーボンに関するシ
グナルの完全消失及び59ppmのメトキシカーボンに
関するシグナル、115〜120ppmのアリル基に関
するシグナルの出現をもって行った。また、樹脂の平均
組成 、即
対し 1H−N
MRスペクトルを測定することによって決定した。得ら
れた樹脂は収量99g(収率76%)、形状は黒色固体
であった。
【0041】(シリコーン−ノボラックブロック共重合
体の合成)撹拌装置、冷却管、温度計、滴下ロートを備
えた1リットルのセパラブルフラスコに先に合成法と同
様の操作により得た同様の両末端アリル基含有o−クレ
ゾールノボラック樹脂194g(1.49×10-1
ル)、メチルイソブチルケトン582ml(463
g)、塩化白金酸2.5×10- 3gの2−エチルヘキサ
ノール溶液0.06mlを加え、80℃に加熱して撹拌
した。重合度2(k=0、R1 ,R2 =CH3 )の両末
端Si−H基ポリシロキサン20.0g(1.49×1
-1モル)をメチルイソブチルケトン60ml(48
g)に溶解させ、先の溶液に1時間かけて滴下した。滴
下終了後4時間反応を行った。反応終了後、メチルイソ
ブチルケトンを減圧除去した。
【0042】合成の確認は 1H−NMRスペクトル測定
により行った。図1に得られた共重合体の 1H−NMR
チャートを示す。得られた樹脂は収量79g(収率72
%)、形状は黒色固体であった。得られた樹脂に関しG
PC測定を行った結果、高分子量成分を含む広い分子量
分布を示した。その平均組成はトリブロック共重合体以
上であり、マルチブロック共重合体を含むブロック共重
合体の合成が確認された。
【0043】実施例2 実施例1と同様にして両末端アリル基含有o−クレゾー
ルノボラック樹脂を合成した。撹拌装置、冷却管、温度
計、滴下ロートを備えた500mlのセパラブルフラス
コに先に合成した両末端アリル基含有o−クレゾールノ
ボラック樹脂32.5g(2.50×10-2モル)、メ
チルイソブチルケトン98ml(78g)、塩化白金酸
1.3×10- 3gの2−エチルヘキサノール溶液0.0
3mlを加え、80℃に加熱して撹拌した。重合度11
(k=9、R1 ,R2 =CH3 )の両末端Si−H基含
有ポリシロキサン20.0g(2.50×10-2モル)
をメチルイソブチルケトン60ml(48g)に溶解さ
せ、先の溶液に1時間かけて滴下した。滴下終了後4時
間反応を行った。反応終了後、メチルイソブチルケトン
を減圧除去した。
【0044】得られた樹脂は収量39g(収率75
%)、形状は黒色固体であった。実施例1と同様にGP
C測定を行った結果、マルチブロック共重合体を含むブ
ロック共重合体の合成が確認された。
【0045】実施例3 実施例1と同様にして両末端アリル基含有o−クレゾー
ルノボラック樹脂を合成した。撹拌装置、冷却管、温度
計、滴下ロートを備えた300mlのセパラブルフラス
コに先に合成した両末端アリル基含有o−クレゾールノ
ボラック樹脂10.0g(7.69×10-3モル)、メ
チルイソブチルケトン30ml(24g)、塩化白金酸
8.4×10- 4gの2−エチルヘキサノール溶液0.0
2mlを加え、80℃に加熱して撹拌した。重合度35
(k=33、R1 ,R2 =CH3 )の両末端Si−H基
含有ポリシロキサン20.0g(7.69×10-3
ル)をメチルイソブチルケトン60ml(48g)に溶
解させ、先の溶液に1時間かけて滴下した。滴下終了後
4時間反応を行った。反応終了後、メチルイソブチルケ
トンを減圧除去した。
【0046】得られた樹脂は収量21g(収率71
%)、形状は黒色固体であった。実施例1と同様にGP
C測定を行った結果、マルチブロック共重合体を含むブ
ロック共重合体の合成が確認された。
【0047】実施例4 実施例1と同様にして両末端アリル基含有o−クレゾー
ルノボラック樹脂を合成した。撹拌装置、冷却管、温度
計、滴下ロートを備えた300mlのセパラブルフラス
コに先に合成した両末端アリル基含有o−クレゾールノ
ボラック樹脂4.0g(3.08×10-3モル)、メチ
ルイソブチルケトン12ml(10g)、塩化白金酸
4.2×10- 4gの2−エチルヘキサノール溶液0.0
1mlを加え、80℃に加熱して撹拌した。重合度88
(k=86、R1 ,R2 =CH3 )の両末端Si−H基
含有ポリシロキサン20.0g(3.08×10-3
ル)をメチルイソブチルケトン60ml(48g)に溶
解させ、先の溶液に1時間かけて滴下した。滴下終了後
4時間反応を行った。反応終了後、メチルイソブチルケ
トンを減圧除去した。
【0048】得られた樹脂は収量16g(収率68
%)、形状は黒色固体であった。実施例1と同様にGP
C測定を行った結果、マルチブロック共重合体を含むブ
ロック共重合体の合成が確認された。
【0049】
【発明の効果】本発明により得られるシリコーン−ノボ
ラックブロック共重合体は主成分がトリブロック共重合
体以上のマルチブロック共重合体であり、半導体素子封
止材用可撓剤として用いることにより、樹脂に非常に緻
密なミクロ相分離構造を形成させ、低応力性、高耐熱
性、高強度と優れた特性を合わせ持つ封止材を設計する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたシリコーン−ノボラックブ
ロック共重合体の 1H−NMRチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−93729(JP,A) 特開 平3−26712(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 77/42 C08G 81/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式[I]で示されるシリコーン−ノ
    ボラックブロック共重合体(式中R1及びR2は置換若し
    くは非置換の炭素原子数1〜3のアルキル基又はフェニ
    ル基を示し、kは0〜200の数を示し、R3は炭素原
    子数1〜4のアルキル基を示し、R4は炭素原子数1〜
    4のアルキル基又はアルコキシル基を示し、mは2以上
    の数を示し、nは2以上の数を示す。)。 【化1】
  2. 【請求項2】 下記式[II]で示される両末端にSi
    −H基を有するポリシロキサン(式中R1及びR2は置換
    若しくは非置換の炭素原子数1〜3のアルキル基又はフ
    ェニル基を示し、kは0〜200の数を示す。)と、両
    末端にのみアリル基を有するフェノールノボラック樹脂
    とを重付加反応させることを特徴とするシリコーン−ノ
    ボラックブロック共重合体の製造方法。 【化2】
  3. 【請求項3】 両末端にのみアリル基を有するフェノー
    ルノボラック樹脂が下記式[III]で示される両末端
    アリル基含有フェノールノボラック樹脂(式中R3は炭
    素原子数1〜4のアルキル基を示し、R4は炭素原子数
    1〜4のアルキル基又はアルコキシル基を示し、mは2
    以上の数を示す。)であり、該両末端アリル基含有フェ
    ノールノボラック樹脂と式[II]で示されるポリシロ
    キサンとの重付加反応によって得られるシリコーン−ノ
    ボラックブロック共重合体が下記式[I](式中nは2
    以上の数を示す。)で示されるものである請求項2記載
    の製造方法。 【化3】 【化4】
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