JP3155761U - 絶縁ボルト構造および配管連結構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気的絶縁性に優れ、安定した使用が可能な絶縁ボルト構造および絶縁ボルト構造を用いた配管連結構造を提供する。【解決手段】絶縁ボルト構造Aは、ボルト本体10と、フッ素樹脂からなるスリーブ部材20と、FRPからなる絶縁性リング部材31と、座金部材32とを備えている。スリーブ部材20は、外径が絶縁性リング部材31の内径よりも大きい大径部21と、外径が絶縁性リング部材31の内径よりも小さい小径部22とを備え、熱収縮により、軸部12の軸方向に移動しないように堅く取りつけられている。絶縁性リング部材31および座金部材32は、スリーブ部材20の小径部22と遊嵌合した状態で取りつけられている。スリーブ部材20の大径部21の側端と絶縁性リング部材31との間には、応力を逃すための隙間(Sp)が存在している。【選択図】 図1

Description

本考案は、2つの配管等を絶縁しつつ接続するための絶縁ボルト構造、およびこれを用いた配管連結構造に関する。
従来より、特許文献1の図2(a),(b)に開示されるように、2つの管体10,20を、ガスケット31,70を挟んで連結した配管連結構造が知られている。ガスケット31,70は、2つの管体10,20の機械的結合部においてクッション材として機能すると共に、発熱体を埋め込んだ絶縁材としても機能している。
特開2009−2517号公報
ところで、上記公報に開示される配管連結構造において、管体10,20間の絶縁性を図る必要がある場合もある。しかしながら、上記従来の公報の技術では、2つの管体10,20を連結しているボルトを介して、管体10,20同士が導通してしまう。ボルトをプラスチック製とすれば、導通は避けられるが、強度が弱く,長期の使用で破壊するおそれもあるため、信頼性の低下を招くという不具合がある。
本考案の目的は、2つの部材同士を連結するに際し、電気的絶縁性に優れ、安定した使用が可能な絶縁ボルト構造、およびこれを用いた配管連結構造を提供することにある。
本考案の絶縁ボルト構造は、2つの被連結部材を連結するための絶縁ボルト構造であって、少なくとも一部に雄ねじ部が形成された軸部および頭部を有するボルト本体と、軸部に熱収縮処理により取りつけられたフッ素樹脂からなるスリーブ部材と、内径部がボルト本体の軸に貫通された絶縁性リング部材とを備えている。
ここで、スリーブ部材は、外径が絶縁性リング部材の内径よりも大きい大径部を少なくとも有しており、絶縁性リング部材は、ボルト本体の頭部とスリーブ部材の大径部の一端部との間で、所定の隙間をもって挟まれている。
ボルト本体の雄ねじ部は、軸部全体に形成されていてもよいが、一般的には、連結の際に用いられるナット部材と係合する部分だけでよい。そして、スリーブ部材は、雄ねじ部に跨っていてもよい。
スリーブ部材は、軸部の少なくとも一部に取りつけられていればよく、軸部全体に取りつけられている必要はない。
スリーブ部材を構成するフッ素樹脂には、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン(4フッ化))樹脂,PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)樹脂,FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(4.6フッ化))樹脂,ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)樹脂,PVDF(ポリビニリデンフルオライド(2フッ化))樹脂,PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン(3フッ化))樹脂,ECTFE(クロロトリフルオエチレン・エチレン共重合体)樹脂等があり、いずれを用いてもよい。
この構造により、本考案では、以下の作用効果が得られる。
スリーブ部材は、熱収縮によりボルト本体の軸部に取りつけられているので、ボルト本体の軸方向に固定されている。
一方、絶縁性リング部材の大径部の一端部とスリーブ部材との間には、所定の隙間が設けられているので、絶縁性リング部材とスリーブ部材との間に大きな応力が作用するのを防ぐことができ、絶縁性リング部材の破損を回避することができる。
よって、フッ素樹脂からなるスリーブ部材の高い耐摩耗性,絶縁性能と相俟って、ボルト本体と被連結部材とを確実に絶縁することができる。
上記絶縁性リング部材は、スリーブ部材を構成するフッ素樹脂よりも高強度の繊維強化樹脂により構成されていることが好ましい。ボルト本体の締め付け力によって、ボルト本体の頭部と被連結部材との間で、絶縁性リング部材に大きな応力が作用する。このとき、絶縁性リング部材が高強度の繊維強化樹脂で構成されていることで、スリーブ部材と絶縁性リングとがフッ素樹脂により一体化されたものに比べて、絶縁性リング部材の破壊をより確実に回避することができる。
繊維強化樹脂の強化材としては、ガラス繊維(GFRP),ガラス長繊維(GMT),炭素繊維 (CFRP),強度の高いアラミド繊維繊維(AFRP)、ケブラー(KFRP)、ダイニーマ (DFRP),ザイロン(ZFRP) などがあり、いずれを用いてもよい。
繊維強化樹脂のマトリックスとしては、一般に、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂を使用することが多い。エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂を使用する場合もある。メチルメタアクリレートなどの熱可塑性樹脂を用いた繊維強化熱可塑性プラスチックもあり、以上のいずれを用いてもよい。
スリーブ部材は、大径部だけを有していてもよいが、大径部の一端部から絶縁性リングの内周部まで延びる小径部をさらに有していることが好ましい。小径部は、外径が絶縁性リング部材の内径よりも小さく、ボルト本体の軸部と絶縁性リング部材との間に介在するので、隙間から水分や湿気が侵入した場合でも、確実に絶縁性を保つことができる。
スリーブ部材がポリビニリデンフルオライド樹脂(以下、略称「PVDF樹脂」用いる)によって構成されていることにより、スリーブ部材の高い機械的強度や耐剥離性が得られる。
ボルト本体の軸部の先端側に取りつけられたもう1つの絶縁性リング部材と、ナット部材とを備えていることが好ましい。この構造により、2つの絶縁性リング部材のあいだに2つの被連結部材を挟んで、ナット部材による締め付けを行って、各被連結部材とボルト本体との絶縁を確保することができる。
なお、一般的に、絶縁性リング部材と、ボルト本体の頭部またはナット部材との間に座金部材が介在している。座金部材が介在していることで、ボルト本体とナット部材とによって被連結部材を締め付けて連結する操作を円滑に行うことができる。
本考案の配管連結構造は、ガスケットを挟んで相対向する2つのフランジ付き配管(被連結部材)を備えており、2つのフランジ付き配管の各フランジ同士が、上記絶縁ボルト構造を用いて連結されているものである。
これにより、上述の作用により、2つのフランジ付き配管同士の絶縁を確保しつつ、両者を連結することができる。
本考案の絶縁ボルト構造ユニットおよび配管連結構造によると、配管等の被連結部材同士を確実に絶縁することができる。
本考案の実施形態に係る絶縁ボルト構造の縦断面図である。 本考案の実施形態の変形例に係る絶縁ボルト構造の縦断面図である。 本考案の実施形態に係る絶縁ボルト構造を用いた配管連結構造の概略構造を示す縦断面図である。 本考案の実施形態に係る絶縁ボルト構造を用いた配管連結構造の細部を示す縦断面図である。 (a)〜(d)は、本考案の実施形態に係る絶縁ボルト構造の製造工程を示す縦断面図である。
図1は、本考案の実施の形態に係る絶縁ボルト構造Aの縦断面図である。絶縁ボルト構造Aは、主要部材として、ボルト本体10と、スリーブ部材20と、絶縁性リング部材31と、座金部材32とを備えている。
ボルト本体10は、頭部11と軸部12とを有している。軸部12のうちナット部材と係合する部分には、雄ねじが形成されてる。ただし、軸部12のうち頭部11の付け根付近まで雄ねじが形成されていてもよい。
一方、スリーブ部材20は、外径が絶縁性リング部材31の内径よりも大きい大径部21と、外径が絶縁性リング部材31の内径よりも小さい小径部22とを備えている。すなわち、スリーブ部材20は、いわゆる段付き形状を有している。そして、後述するように、スリーブ部材20は、熱収縮により、軸部12の軸方向に移動しないように堅く取りつけられている。
そして、絶縁性リング部材31および座金部材32は、スリーブ部材20の小径部22と遊嵌合した状態で取りつけられている。
図1に示す構造では、スリーブ部材21は、軸部12の約半分程度を覆う構造となっているが、軸部12のほぼ全体を覆っていてもよい。
そして、図1右上の部分拡大図に示すように、スリーブ部材20の大径部21の側端と絶縁性リング部材31との間には、所定の隙間(Sp)が存在している。隙間Spの寸法は、絶縁ボルト構造Aが用いられる被連結部材の寸法や種類によって異なるが、0.05〜0.2mm程度である。。
スリーブ部材20は、段付き形状でなく、大径部21だけを有する構造であってもよい。図2は、本実施の形態の変形例に係る絶縁ボルト構造Aの縦断面図である。
同図に示すように、この変形例では、絶縁性リング部材31および座金部材32は、ボルト本体10の軸部12と遊嵌合した状態で取りつけられている。
本実施の形態の絶縁ボルト構造Aを用いて、被連結部材を連結するに際しては、一般的にはナット部材が用いられるが、必ずしもナット部材は必要でない。被連結部材の一部に雌ねじが形成されていれば、ボルト本体10の軸部12の雄ねじと係合させて、締め付けにより2つの被連結部材同士を連結することが可能である。
図3は、本実施の形態または変形例の絶縁ボルト構造Aを用いた配管連結構造Bの例を示す縦断面図である。図4は、配管連結構造Aの細部詳細を示す縦断面図である。
図3,図4に示すように、第1配管50の第1フランジ51と、第2配管60の第2フランジ61とが、芯体63aを有するガスケット63を挟んで連結されている。そして、第1フランジ51の連結用穴51aと、第2フランジの連結用穴61aとをボルト本体10が貫通した状態で、絶縁ボルト構造Aが介在している。
ガスケット63の芯体63aを除く部分は、たとえばフッ素樹脂からなる。また、芯体のないフッ素樹脂だけのガスケットであってもよい。さらに、ガスケット63の外径がフランジ51,61と同程度まで延びていて、ガスケットにボルト本体10が貫通する貫通穴が設けられていてもよい。
この構造では、第1フランジ51とボルト本体10の頭部11との間に、絶縁性リング部材31と座金部材32とが介在している。
また、ボルト本体10の軸部12のネジ部に係合するナット部材33が設けられている。そして、ナット部材33と第2フランジ61との間にも、絶縁性リング部材31と座金部材32とが介在している。
本実施の形態が適用される配管(被支持部材)50,60の径は、数10mm〜数100mmである。そして、ボルト本体10の軸部12の径は、数mm〜数10mm程度である。
スリーブ部材20を構成するフッ素樹脂には、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン(4フッ化))樹脂,PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)樹脂,FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(4.6フッ化))樹脂,ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)樹脂,PVDF(ポリビニリデンフルオライド(2フッ化))樹脂,PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン(3フッ化))樹脂,ECTFE(クロロトリフルオエチレン・エチレン共重合体)樹脂等があり、いずれを用いてもよい。
本実施の形態では、スリーブ部材20は、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)樹脂の一種であるKFポリマーC1000(呉羽工業社製)によって構成されている。
絶縁性リング部材31を構成する繊維強化樹脂の強化材としては、ガラス繊維(GFRP),ガラス長繊維(GMT),炭素繊維 (CFRP),強度の高いアラミド繊維繊維(AFRP)、ケブラー(KFRP)、ダイニーマ (DFRP),ザイロン(ZFRP) などがあり、いずれを用いてもよい。
繊維強化樹脂のマトリックスとしては、一般に、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂を使用することが多い。エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂を使用する場合もある。メチルメタアクリレートなどの熱可塑性樹脂を用いた繊維強化熱可塑性プラスチックもあり、以上のいずれを用いてもよい。
本実施の形態では、これらの材料から、曲げ強さが310(N/mm)以上の繊維強化樹脂を選んで用いている。
図5(a)〜(d)は、絶縁性ボルト構造Aの製造工程の一例を示す断面図である。
まず、図5(a)に示す工程で、離型が容易なように特殊コーティングされた丸棒に、フッ素樹脂(本実施の形態では、ポリビニリデンフルオライド樹脂(PVDF))をライニングして、フッ素樹脂管20xを形成する。
このとき、丸棒の径は、ボルト本体10の軸部12の径よりも大きめにしておく。
次に、図5(b)に示す工程で、丸棒からフッ素樹脂管20xを外して、機械加工により、大径部21および小径部22からなる段付きのスリーブ部材20を形成する。この段階では、スリーブ部材20の内径は、ボルト本体10の軸部12の径よりもやや大きめである。
次に、図5(c)に示す工程で、スリーブ部材20の小径部22に、内周を加工済みの絶縁性リング部材31と座金部材32とを順次取りつける。この段階では、小径部22と、絶縁性リング部材31および座金部材32とは、強嵌合していてもよい。なお、座金部材32の内径も加工するのが普通であるが、規格品をそのまま用いてもよい。
次に、図5(d)に示す工程で、絶縁性リング部材31と座金部材32とが取りつけられたスリーブ部材20をボルト本体20の軸部12に挿通させて、頭部11の側端部と座金部材32とがほぼ接触する位置にスリーブ部材20を装着する。そして、この状態で、図5(d)に示す結合体を乾燥機に入れ、加熱により、PVDFからなるスリーブ部材20を熱収縮させる。
これにより、スリーブ部材20が収縮してボルト本体20の軸部12を締め付けた状態で、軸部12に取りつけられる。
以上により、絶縁性ボルト構造Aが形成される。この絶縁ボルト構造Aにおいては、スリーブ部材20が収縮しているので、小径部22の外径も小さくなる。したがって、小径部22と絶縁性リング部材31および座金部材32とが、図5(c)に示す状態で強嵌合状態であっても、図5(d)に示す仕上がり状態では遊嵌合状態となる。また、図5(c)に示す状態で、絶縁性リング部材31とスリーブ部材21の大径部21の端部との間に隙間がなくても、図5(d)に示す仕上がり状態では、隙間Spができる(図1の右上図参照)。
なお、上記工程はあくまで一例であり、本考案の絶縁ボルト構造を形成する手順は、これに限定されるものではない。
本実施の形態によると、以下の作用効果を発揮することができる。
図4に示す構造からわかるように、ボルト本体10の軸部12に、絶縁性のフッ素樹脂からなるスリーブ部材20が取りつけられていることで、ボルト本体10の軸部12と第1フランジ51とが電気的に絶縁されている。なお、図4に示される構造では、ボルト本体10の軸部12と各フランジ51,61とは接触していないが、使用中には、いろいろな力が作用するので、ボルト本体10の位置が各フランジ51,61の連結用穴51a,61a内で移動することがしばしばある。したがって、ボルト本体10の軸部12と各フランジ51,61とが容易に導通してしまう。そこで、この部分に摩擦係数が小さく、絶縁性能が高いフッ素樹脂からなるスリーブ部材20を取りつけることで、長期間の絶縁性を確保することができる。
また、第1フランジ51とボルト本体10の頭部11との間に絶縁性リング部材31が介在していることで、ボルト本体10の頭部11と第1フランジ51とが電気的に絶縁されている。
すなわち、スリーブ部材20と絶縁性リング部材31とにより、ボルト本体10と第1フランジ51とが電気的に絶縁されている。よって、ガスケット63を挟んで第1配管50と第2配管60とを連結すると、第1配管50の第1フランジ51と、第2配管60の第2フランジ61とが確実に絶縁される。この作用効果は、ナット部材33が第2フランジ61と電気的に絶縁されていなくても得られる。つまり、図1または図2に示す絶縁ボルト構造Aがあれば、市販のナット部材(および必要に応じて座金部材)を用いて、2つの被連結部材(この例では、第1配管51および第2配管61)を電気的に絶縁しつつ、連結することができる。
同様に、スリーブ部材20を第2フランジ61側まで延ばして、ナット部材33と第2フランジ61との間にも、絶縁性リング部材31を介在させておくことで、ナット部材33およびボルト本体10と、第2フランジ61とが電気的に絶縁される。両側に絶縁性リング31を介在させることで、何らかの原因で一方のフランジ(51または61)とボルト本体10とが導通しても、第1フランジ51と第2フランジ61とが導通する確率を半減することができる。
ところで、スリーブ部材20と絶縁性リング部材31とを一体化した構造も考えられる。しかしながら、本考案者達の実験によると、その場合には、各フランジ51,61間に作用する力によって、一体化構造のうち絶縁性リング部材31に相当するフランジ部分が破壊したり、亀裂が生じやすい。そして、水分が侵入して絶縁性が保たれなくなることがあった。
それに対し、本実施の形態では、スリーブ部材20と絶縁性リング部材31とを別部材とし、スリーブ部材20を熱収縮によってボルト本体10の軸部12に取りつけて、スリーブ部材20を軸方向に移動しないようにしている。これにより、ボルト本体10の軸部12と被連結部材(本実施の形態では第1フランジ51)とを確実に絶縁しつつ、絶縁性リング部材31によってボルト本体10の頭部11と被連結部材とが確実に絶縁されるのである。
そして、スリーブ部材20の大径部21の側端と絶縁性リング部材31との間に所定の隙間Spを設けることで、絶縁性リング部材31とスリーブ部材31との間に大きな応力が作用するのを防いでいる。
また、スリーブ部材20と絶縁性リング部材31とを別部材とすることにより、絶縁性リング部材をフッ素樹脂よりも高強度の材料によって絶縁性リング部材31を構成することが可能となる。本実施の形態では、絶縁性リング部材31の構成材料としてFRPを用いることで、絶縁性リング部材31に大きな応力が作用した時にも、その破壊を防止する用にしている。
なお、図2に示す変形例の構造でも、上記基本的な作用効果を発揮することができる。ただし、図1に示すように、絶縁性リング31とボルト本体10の軸部12との間に、スリーブ部材20の小径部21が介在する構造とすることで、水分等の隙間への浸透に起因する絶縁性の悪化を確実に防止することができる。
上記実施の形態において、座金部材32は必ずしも必要でないが、座金部材32を備えることにより、ボルト本体10とナット部材33とを締め付ける際に、ボルト本体10の頭部11やナット部材33との間で円滑な滑りを確保し、かつ、締め付けによる応力が絶縁性リング部材31に均一に加わるようにすることができる。
(他の実施の形態)
上記開示された本考案の実施の形態の構造は、あくまで例示であって、本考案の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本考案の範囲は、実用新案登録請求の範囲の記載によって示される範囲を含み、さらに、実用新案登録請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含む。
本考案の絶縁ボルト構造ユニットは、船舶,プラント,パイプライン,各種構造物において、配管等の連結部材として利用することができる。
A 絶縁ボルト構造ユニット
10 ボルト本体
11 頭部
12 軸部
20 スリーブ部材
21 大径部
22 小径部
31 絶縁性リング部材
32 座金部材
33 ナット部材
50 第1配管
51 第1フランジ
51a 連結用穴
60 第2配管
61 第2フランジ
61a 連結用穴

Claims (8)

  1. 2つの被連結部材を電気的に絶縁しつつ連結するための絶縁ボルト構造であって、
    少なくとも一部に雄ねじ部が形成された軸部および頭部を有するボルト本体と、
    上記軸部の少なくとも一部に熱収縮処理により取りつけられたフッ素樹脂からなるスリーブ部材と、
    内径部が上記ボルト本体の軸部に貫通された絶縁性リング部材とを備え、
    上記スリーブ部材は、外径が上記絶縁性リング部材の内径よりも大きい大径部を少なくとも有しており、
    上記絶縁性リング部材は、上記ボルト本体の頭部と上記スリーブ部材の大径部の一端部との間で、所定の隙間をもって挟まれている、絶縁ボルト構造。
  2. 請求項1記載の絶縁ボルト構造において、
    上記絶縁性リング部材は、上記スリーブ部材を構成するフッ素樹脂よりも高強度の繊維強化樹脂により構成されている、絶縁ボルト構造。
  3. 請求項1または2記載の絶縁ボルト構造において、
    上記スリーブ部材は、外径が上記絶縁性リング部材の内径よりも小さく、上記大径部の一端部から上記絶縁性リング部材の内周部まで延びる,小径部をさらに有している、絶縁ボルト構造。
  4. 請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の絶縁ボルト構造において、
    上記スリーブ部材は、ポリビニリデンフルオライド樹脂によって構成されている、絶縁ボルト構造。
  5. 請求項1〜4のうちいずれか1つに記載の絶縁ボルト構造において、
    上記ボルト本体の軸部を貫通して、頭部と上記絶縁性リング部材との間に介在する座金部材をさらに備えている、絶縁ボルト構造ユニット。
  6. 請求項1〜5のうちいずれか1つに記載の絶縁ボルト構造において、
    上記ボルト本体の軸部の先端側に取りつけられたもう1つの絶縁性リング部材と、
    上記もう1つの絶縁性リング部材よりも先端側に取りつけられ、上記ボルト部材の雄ねじ部に係合するナット部材と、
    をさらに備えている絶縁ボルト構造ユニット。
  7. 請求項6記載の絶縁ボルト構造において、
    上記ナット部材と上記絶縁性リング部材との間に介在するもう1つの座金部材をさらに備えている、絶縁ボルト構造ユニット。
  8. 請求項1〜7記載の絶縁ボルト構造と、
    2つの被連結部材として、ガスケットを挟んで相対向する2つのフランジ付き配管とを備え、
    上記2つのフランジ付き配管の各フランジ同士が、上記絶縁ボルト構造を用いて連結されている、配管連結構造。
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