JP2015086941A - フランジ継手およびフランジ継手の製造方法 - Google Patents

フランジ継手およびフランジ継手の製造方法 Download PDF

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笹山 道章
Michiaki Sasayama
道章 笹山
裕信 中村
Hironobu Nakamura
裕信 中村
博 森武
Hiroshi Moritake
博 森武
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Abstract

【課題】ボルト孔周囲の強度が強化されたフランジ継手を提供する。
【解決手段】本発明は、円筒部210と、環状フランジ部220と、ボルト300と、繊維強化プラスチック層400とを含むフランジ継手100である。環状フランジ部220は、円筒部210の一方の端部に設けられ、かつ複数の孔225が穿設される。ボルト300は、環状フランジ部220の接続面226から突出し、かつ非接続面227に頭部320が位置するように、環状フランジ部220の複数の孔225内に挿入される。繊維強化プラスチック層400は、環状フランジ部220の非接続面227とボルト300の頭部320とを一体的に被覆する。
【選択図】図1

Description

本発明は、フランジ継手およびフランジ継手の製造方法に関する。
一般に、硬質塩化ビニル管の外周面を繊維強化プラスチックで補強し、耐圧性および耐熱性を高めた複層管は、軽量で、耐薬品性も非常に高いことから、工業用管体等として多岐にわたって使用されている。
特開2003−207087号公報(特許文献1)に開示されているように、硬質塩化ビニル樹脂管とその表面を被覆するガラス繊維強化プラスチック層を含む複層管の接続に関しては、充填型接着剤を使用することが知られている。
特開2003−207087号公報
特開2003−207087号公報(特許文献1)における複層管の接続においては、複層管からガラス繊維強化プラスチック層を剥ぎ取る必要がある。この場合、ガラス繊維強化プラスチック層の表面から硬質塩化ビニル樹脂管との境界面まで、硬質塩化ビニル樹脂管を切り込まないように注意しながらノコギリ等で切り込みを入れ、剥ぎ取る箇所をバーナー等で加熱し、ペンチ等を用いてガラス繊維に強化プラスチック層を剥ぎ取るといった複雑な作業工程を要する。特に、高圧配管として使用される複層管においては、ガラス繊維強化プラスチック層が非常に厚く設けられているため、剥ぎ取り作業をより困難なものとしていた。
そこで、ガラス繊維強化プラスチック層の剥ぎ取り工程が不要な接続方法として、フランジ継手構造の利用が考えられる。しかしながら、高圧に耐えることができる十分な強度を持たせるためにフランジ部にガラス繊維強化プラスチック層を厚く設けると、その厚肉のために、ボルト止めが困難となる。ボルト止めを容易にするために、ボルト孔周囲のガラス繊維強化プラスチック層を削ると、ボルト孔周囲の肉厚が薄くなるため強度が落ちる。このような場合、フランジ継手を用いた配管に高水圧をかけた場合に、ボルト部分から破壊されやすくなる。
そこで、本発明の目的は、ボルト孔周囲の強度が強化されたフランジ継手を提供することにある。
(1)
一局面に従うフランジ継手は、円筒部と、環状フランジ部と、ボルトと、第1の繊維強化プラスチック層とを含む。環状フランジ部は、円筒部の一方の端部に設けられ、かつ複数の孔が穿設される。ボルトは、環状フランジ部の接続面から突出し、かつ非接続面に頭部が位置するように、環状フランジ部の複数の孔内に挿入される。第1の繊維強化プラスチック層は、環状フランジ部の非接続面とボルトの頭部とを一体的に被覆する。
これによって、ボルトと環状フランジ部とが第1の繊維強化プラスチック層によって補強されつつ固定されているため、強度に優れたフランジ継手となる。
なお、本発明においては、第1の繊維強化プラスチック層は、環状フランジ部の非接続面の全体を被覆する場合と、ボルトの頭部周囲部分のみを被覆する場合との両方を含む。
(2)
本発明のフランジ継手は、円筒部および環状フランジ部が、樹脂の芯材と、当該芯材を被覆する第2の繊維強化プラスチック層とから構成されてよい。
この場合、第2の繊維強化プラスチックに被覆された円筒部および環状フランジ部において、円筒部に比べ相対的に強度が低くなりやすいボルト挿入孔の近傍が、第1の繊維強化プラスチックで補強されるため、環状フランジ部においても、高圧に耐える強度を担保することができる。
(3)
他の局面に従うフランジ付管体は、(1)または(2)のフランジ継手と、管体とを含む。管体は、高圧流体を流通させるものであり、フランジ継手の円筒部に内嵌または外嵌される。
この場合、ボルトと環状フランジ部とが第1の繊維強化プラスチック層により補強されつつ固定されていることによりフランジ継手が強度に優れているため、高圧流体を流通させる管体に適用することができる。
(4)
さらに他の局面に従うフランジ継手の製造方法においては、まず、円筒部と、円筒部の一方の端部に設けられ且つ複数の孔が穿設された環状フランジ部と、を含むフランジ継手基体において、孔にボルトを挿入する。この場合、ボルトは、環状フランジ部の接続面から突出しかつ非接続面にボルト頭部が位置するように挿入される。これによって、ボルト付フランジ継手基体を得る。さらに、ボルト付フランジ継手基体において、環状フランジ部の非接続面とボルトの頭部とを第1の繊維強化プラスチック層で一体的に被覆する。
これによって、ボルトと環状フランジ部とが第1の繊維強化プラスチック層によって補強されつつ固定された、強度に優れたフランジ継手を製造することができる。
(5)
本発明のフランジ継手の製造方法においては、第1の繊維強化プラスチック層をハンドレイアップ法によって設けてよい。
これによって、ボルトまわりの複雑な形状の表面にも、第1の繊維強化プラスチック層の被覆を効果的に行うことができる。
(6)
本発明のフランジ継手の製造方法においては、フランジ継手基体が、熱可塑性樹脂と当該熱可塑性樹脂を被覆する第2の繊維強化プラスチック層とから構成されてよい。
この場合、熱可塑性樹脂の熱変形を伴う製造方法を用いることなく、フランジ継手を製造することができる。
本発明によって、ボルト孔周囲の強度が強化されたフランジ継手が提供される。
第1実施形態にかかるフランジ継手の一例を示す一部切り欠き模式的外観斜視図である。 図1の製造工程を説明するための模式的断面図である。 図1の製造工程を説明するための模式的断面図である。 図1の製造工程を説明するための模式的断面図である。 図1の製造工程を説明するための模式的断面図である。 第1実施形態にかかるフランジ継手の他の例の使用例を示す模式的断面図である。 第1実施形態にかかるフランジ継手のさらなる他の例の使用例を示す模式的断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の要素には同一の符号を付しており、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。また、以下において、図1の上側への方向を上、下側への方向を下、右側への方向を右、左側への方向を左と記載する場合がある。この場合、方向を示す上下左右は、説明の便宜上用いる文言であり、本発明のフランジ付き管体の使用態様等における絶対的な位置関係をいうものではない。
[フランジ継手]
図1は、実施形態にかかるフランジ継手100を、軸心を含むA−A断面等で切欠いた模式的外観斜視図である。図1に示すように、フランジ継手100は、円筒部210と、環状フランジ部220と、ボルト300と、繊維強化プラスチック層400とを含む。
環状フランジ部220は、円筒部210の一方の端部に設けられる。環状フランジ部220には、複数の孔225が穿設されている。本実施形態では、環状フランジ部220は、12個の孔225を有する。孔225には、ボルト300が挿入されている。ボルト300は、軸310が環状フランジ部220の接続面226から突出し、頭部320が環状フランジ部220の非接続面227上に位置するように挿入される。本実施形態では、頭部320は、ワッシャー350を介して非接続面227上に位置している。
なお、接続面226は、環状フランジ部220の上下面のうち、他の管体(後述図7の管体700参照)のフランジと当接されるべき下側の面をいう。一方、非接続面227は、環状フランジ部220の上下面のうち、他の管体のフランジに接触しない面をいう。
さらに、環状フランジ部220の非接続面227と、ボルト300の頭部320とは、繊維強化プラスチック層400によって一体的に被覆されている。したがって、環状フランジ部220と繊維強化プラスチック層400とは、それぞれ個々に成形されるものであって、両者が一体成形されるものではない。つまり、環状フランジ部220と繊維強化プラスチック層400とについて、それぞれ異なる成形法が選択可能となる。
また、繊維強化プラスチック層400においては、ボルト300の頭部320表面とワッシャー350表面との境界近傍、ワッシャー350表面と非接続面227との境界近傍、および、ボルト300の頭部320と円筒部210との間にまで繊維が配置されるように構成される。したがって、ボルト300の頭部320の存在による、繊維強化プラスチック層400で被覆すべき面の複雑な形状において、コーナー部分および狭小部分でも繊維が配設されるため、ボルト300の頭部320周りの補強が効果的になされる。
より具体的には、ボルト300それぞれの頭部320およびワッシャー350の周りに、予備補強部410が配設される。予備補強部410間、および予備補強部410と円筒部210との間を埋め、ボルト300の頭部320の天面を覆うように、補強部420が配設される。補強部420の上に、補強表面層430が配設される。予備補強部410、補強部420および補強表面層430は、それぞれ、樹脂強化用繊維の形状が異なる。一方で、形状が異なるそれぞれの樹脂強化用繊維に含浸されているマトリックス樹脂は、同一である。
なお、環状フランジ部220の非接続面227と、繊維強化プラスチック層400との間には、プライマー層(図示せず)が形成されていてもよい。
本実施形態では、円筒部210と環状フランジ部220とからなる構造体をフランジ継手基体200と記載する。フランジ継手基体200は、表面に繊維強化プラスチックの補強層が被覆された耐圧構造を有する。具体的には、環状フランジ部220は、硬質塩化ビニル樹脂製フランジ221の非接続面側の表面に繊維強化プラスチック層222が被覆されている。同様に、円筒部210は、硬質塩化ビニル樹脂製管体211に繊維強化プラスチック層212が被覆されている。
円筒部210における繊維強化プラスチック層212の層厚と、環状フランジ部220における繊維強化プラスチック層222の層厚とは、同等であってよい。本発明においては、環状フランジ部220にさらに繊維強化プラスチック層400が被覆されるため、従来のフランジ継手のように、円筒部における繊維強化プラスチック層に対して、環状フランジ部における繊維強化プラスチック層を特に厚く設けなくてもよい。
また、硬質塩化ビニル樹脂製管体211と繊維強化プラスチック層212との間、および硬質塩化ビニル樹脂製フランジ221と繊維強化プラスチック層222との間には、プライマー層(図示せず)が形成されていてもよい。
繊維強化プラスチック層400におけるマトリックス樹脂としては、一般的に熱硬化性樹脂が好ましく用いられるが、熱可塑性樹脂を特に除外するものではない。たとえば、マトリックス樹脂としては、ウレタン、ビニルエステル、不飽和ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ナイロン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフイド、およびポリ(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。これらの樹脂は、単独で、または複数種を組み合わせて用いることができる。
樹脂強化用繊維としては、ガラス繊維、セラミックス繊維、ボロン繊維などの無機繊維;PAN (ポリアクリロニトリル) 系炭素繊維およびピッチ系炭素繊維などの炭素繊維;ならびに、アラミド、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロン、ビニロン、ポリアセタール、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール、高強度ポリプロピレンなどの有機繊維;ケナフ、麻などの天然繊維が挙げられる。これらの繊維は、単独で、または複数種を組み合わせて用いることができる。樹脂強化用繊維の形態としては、フィラメント、ストランド、ロービング、バルキーロービング、ロービングクロス、チョップ、チョップドストランドマット、クロス、などが挙げられる。
フランジ継手基体200の、硬質塩化ビニル樹脂製管体211および硬質塩化ビニル樹脂製フランジ221は、硬質塩化ビニル樹脂以外の物質から構成されてもよい。たとえば、硬質塩化ビニル樹脂以外の熱可塑性樹脂であってもよい。より具体的には、塩素化塩化ビニル樹脂(CPVC)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、アクリロニトリル・スチレン樹脂(AS)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリエチレン樹脂(PE)、(メタ)アクリル樹脂(PMMA)、アセタール樹脂(POM)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリスチレン樹脂(PS)、三弗化エチレン樹脂(PCTFE)、四弗化エチレン樹脂(PTFE)、およびポリ酢酸ビニル樹脂(PVAC)などが挙げられる。さらに、上述以外の合成樹脂、金属、陶器、コンクリート、およびそれらの組み合わせも挙げられる。
[フランジ継手の製造方法]
図2から図5は、図1の製造工程を説明するための模式的断面図である。それぞれの模式的断面図は、図1中A−A断面に対応する。したがって、軸心から右側に示す断面は、ボルト300を含む断面であり、軸心から左側に示す断面は、ボルト300が存在しない部分の断面である。
図2に示すように、まず、フランジ継手基体200と、ボルト300と、板フランジ800とを用意する。フランジ継手基体200は、硬質塩化ビニル樹脂製管体211とその端部に設けられた硬質塩化ビニル樹脂製フランジ221に、繊維強化プラスチック層212,222を被覆する。繊維強化プラスチック層212,222を被覆するための方法としては特に限定されず、たとえば、フィラメント、マットおよび/またはクロスを積層した後にインフュージョン法等の真空成形またはRTM工法によってマトリックス樹脂を含浸させる方法、フィラメントワインディング法、ハンドレイアップ法などが挙げられる。強度の観点からは、真空成形を用いることが好ましい。繊維強化プラスチック層212と繊維強化プラスチック層222とは、同じ方法で成形してもよいし、異なる方法で成形してもよい。
硬質塩化ビニル樹脂製フランジ221に繊維強化プラスチック層222を被覆した後、孔225が軸方向に貫通するように、ボール盤等で穿設する。通常、硬質塩化ビニル樹脂製フランジ221に予め孔225に対応する孔が設けられているため、繊維強化プラスチック層222の被覆によって、当該予め設けられていた孔を軸方向に閉塞する繊維強化プラスチック層222の部分を切削加工する。
さらに、環状フランジ部220の接続面226は、図示しないテープまたはフィルムで保護されることが好ましい。
図2中矢印X1に示すように、孔225に、ボルト300の軸310を挿入する。この場合、軸310表面のうち、孔225内壁に沿う部分311(図3参照)を含む部分(他の管体との接続に関与するねじ溝が刻設されている部分を除く)に、図示しないシートを巻き付けた後に、孔225に挿入してよい。この場合、シートの介在により、孔225内のボルト300のずれが防止される。また、本実施形態では、ボルト300の頭部320の座面と環状フランジ部220の非接続面227との間にワッシャー350を介在させることにより、頭部320の座面を安定させる。
環状フランジ部220の接続面226側には、板フランジ800が取り外し可能に設けられる。板フランジ800には、環状フランジ部220の孔225と略同径(ボルト300の軸310が挿入可能な大きさ)の孔825が、孔225に対応する位置に穿設されている。したがって、図2中矢印X2に示すように、環状フランジ部220の接続面226側に、板フランジ800が取り付けられた場合に、ボルト300の軸310が、板フランジ800の孔825に挿入される。これによって、ボルト300がぐらつかないように補強されつつ固定される。
次に、繊維強化プラスチック層400(図1参照)が設けられる。本実施形態では、繊維強化プラスチック層400は、ハンドレイアップ法で設けられる。
まず、図3に示すように、予備補強部410が設けられる。具体的には、マトリックス樹脂を含浸させたバルキーロービングを、ボルト300の頭部320の周りに巻きつけることによって設けることができる。予備補強部410を設けることによって、固定すべきボルト300の頭部320周りの樹脂リッチ状態を抑制することができ、効果的な補強が可能になる。
次に、図4に示すように、補強部420が設けられる。補強部420は、環状フランジ部220の非接続面227上において、予備補強部410で予備補強されたボルト300の頭部320の間を埋めるように設けられる。具体的には、マトリックス樹脂を含浸させたロービングを、予備補強部410で予備補強されたボルト300の頭部320の間を埋める。補強部420の厚さは、頭部320の天面が隠れる程度とする。これによって、予備補強部410で予備補強されたボルト300の頭部320と、それに隣り合う予備補強部410で予備補強されたボルト300の頭部320との間、当該頭部320と円筒部210との間における樹脂リッチ状態を抑制することができ、効果的な補強が可能になる。
さらに、図5に示すように、補強表面層430が設けられる。具体的には、マトリックス樹脂を含浸したマットを補強部420の上に積層する。これによって、繊維強化プラスチック層400の表面性を良くすることができる。
最後に、図5中矢印X3に示すように、板フランジ800を外すことによって、フランジ継手100が得られる。
[他の例]
上述の実施形態では、繊維強化プラスチック層400を構成する繊維強化プラスチックが、予備補強部410、補強部420および補強表面層430から構成されているが、この態様に限定されるものではない。繊維強化プラスチック層400が、ボルト300の頭部320の表面と、非接続面227とを被覆していれば、どのような構成であってもよい。
例えば、繊維強化プラスチック層400が予備補強部410および補強表面層430の少なくともいずれかを含まず、補強部420のみがボルト300の頭部320の表面と非接続面227とを被覆するように設けられてもよい。また例えば、補強部420が複数工程によって構成されてもよい。
また、上述の実施形態では、環状フランジ部220の非接続面227全体に繊維強化プラスチック層400が被覆されているが、この態様に限定されるものではない。つまり、繊維強化プラスチック層400が被覆する非接続面は、必ずしもその全体である必要はなく、ボルト300の頭部320の周囲部分のみであってもよい。この場合、ボルト300が存在しない部分(図2から図5の断面図においては、軸心より左側に表示する断面に相当する)においては、非接続面227上に繊維強化プラスチック層400を有しない。
また、上述の実施形態では、フランジ継手基体200自体が繊維強化プラスチック層212,222を有しているが、この態様に限定されるものではない。フランジ継手基体200は、繊維強化プラスチック層212および繊維強化プラスチック層222の両方を有していなくてもよい。あるいは、フランジ継手基体200は、繊維強化プラスチック層212および繊維強化プラスチック層222のうち、いずれか一方のみを有してもよい。
さらに、上述の実施形態では、環状フランジ部220が硬質塩化ビニル樹脂製フランジ221とその表面を被覆する繊維強化樹脂プラスチック層222とから構成されるが、この態様に限定されるものではない。たとえば、環状フランジ部220が繊維強化プラスチックのみで構成されていてもよい。
さらに、上述の実施形態では、ボルト300として六角ボルトを挙げているが、この態様に限定されるものではない。ボルト300としては、フランジ継手100の連結に用いられる任意の形状のボルトが使用可能である。
さらに、フランジ継手基体200における硬質塩化ビニル樹脂製管体211および硬質塩化ビニル樹脂製フランジ221のそれぞれの構造は、フランジ継手基体を構成する態様である限り任意である。以下の図6および図7において、その例のいくつかを示す。
[フランジ継手の使用例]
図6および図7に、フランジ継手の使用例を示す。
図6は、フランジ継手100の他の例の使用例を示す模式的断面図である。図6に示されるフランジ継手100aは、フランジ継手基体200aと、ボルト300と、繊維強化プラスチック層400aとを含み、円筒部210aの形状が円筒部210と異なることを除いて、フランジ継手100と同様である。
図6において、フランジ継手100aは、円筒部210aに、管体600aを内嵌する。フランジ継手100aの環状フランジ部側(接続側)に接続される他の管体は、後述の図7の例と同様である。管体600aの接続側の外周面は、接続端に向かって軸心から離れるように傾斜するテーパ面615を形成しており、フランジ継手100aの円筒部210aの接続側は、管体100aテーパ面615に沿ったテーパ筒部215を形成している。
管体600aは、高圧流体を流通させるものであり、内層管611aと、内層管611aの外表面を被覆する管体補強層612aとから構成される複層管である。内層管611aの材質は、たとえば、フランジ継手100における硬質塩化ビニル樹脂製管体211またはその代替素材として例示した材質から選択される。管体補強層612aの材質は、たとえば、フランジ継手100における繊維強化プラスチック層212を構成するものとして例示した材質から選択される。
図7は、フランジ継手100のさらなる他の例の使用例を示す模式的断面図である。図7に示されるフランジ継手100bは、フランジ継手基体200bと、ボルト300と、繊維強化プラスチック層400bとを含み、円筒部210bの形状が円筒部210と異なることを除いて、フランジ継手100と同様である。
図7において、フランジ継手100bは、円筒部210bに、管体600bを内嵌する。フランジ継手100bの内周面には、軸心に向かって凸となる環状凸部216が形成され、管体600bの外周面には、環状凸部216に嵌合する環状凹部616が形成されている。
管体600bは、高圧流体を流通させるものであり、内層管611bと、内層管611bの外表面を被覆する管体補強層612bとから構成される複層管である。内層管611bの材質は、たとえば、フランジ継手100における硬質塩化ビニル樹脂製管体211またはその代替素材として例示した材質から選択される。管体補強層612bの材質は、たとえば、フランジ継手100における繊維強化プラスチック層212を構成するものとして例示した材質から選択される。
フランジ継手100bの環状フランジ部側(接続側)には、他の管体700が接続される。他の管体700は、フランジを有する管体であり、その材質は、好ましくは金属である。フランジ継手100bの接続面から突出するボルト300の軸310は、他の管体700のフランジの孔に挿入され、さらにナット360で固定される。
なお、上述の使用例においては、管体600a,600bはフランジ継手100a,100bの円筒部210a,210bに内嵌する態様を示したが、この態様に限定されるものではない。管体600a,600bは、フランジ継手100a,100bの円筒部210a,210bに外嵌してもよい。
[実施形態および他の例により奏される効果]
以上のように、フランジ継手100,100a,100bは、繊維強化プラスチック層400,400a,400bが、環状フランジ部220の非接続面227とボルト300の頭部320とを一体的に被覆するため、ボルト300と環状フランジ部220とが繊維強化プラスチック層400,400a,400bによって補強されつつ固定される。このため、ボルト300の孔225周囲の強度に優れる。
フランジ継手100,100a,100bは、円筒部210,210a,210bおよび環状フランジ部220が、それぞれ、硬質塩化ビニル樹脂製管体211および硬質塩化ビニル樹脂製フランジ221と、それらをそれぞれ被覆する繊維強化プラスチック層212および繊維強化プラスチック層222とから構成されているため、円筒部210,210a,210bに比べ相対的に強度が低くなりやすい孔225の近傍が補強される。このため、環状フランジ部220においても、高圧に耐える強度を担保することができる。
フランジ継手100a,100bは強度に優れているため、円筒部210a,210bに、高圧流体を流通させる管体600a,600bを嵌め合せて使用することができる。
フランジ継手100,100a,100bは、繊維強化プラスチック層400,400a,400bをハンドレイアップ法によって設けるため、ボルト300まわりの複雑な形状の表面にも、繊維強化プラスチック層400,400a,400bの被覆を効果的に行うことができる。
フランジ継手100,100a,100bは、フランジ継手基体200,200a,200bを被覆する繊維強化プラスチック層と、ボルト300を覆う繊維強化プラスチック層400,400a,400bとが異なる工程で設けられるため、特に繊維強化プラスチック層400,400a,400bを設ける工程において熱変形を伴う条件を回避することができる。したがって、フランジ継手基体200,200a,200bに硬質塩化ビニル樹脂を用いることができる。
[実施形態および他の例における各部と請求項の各構成要素との対応関係]
本発明においては、円筒部210,210a,210bが「円筒部」に相当し、孔225が「孔」に相当し、環状フランジ部220が「環状フランジ部」に相当し、接続面226が「接続面」に相当し、非接続面227が「非接続面」に相当し、頭部320が「頭部」に相当し、ボルト300が「ボルト」に相当し、繊維強化プラスチック層400,400a,400bが「第1の繊維強化プラスチック層」に相当し、フランジ継手100,100a,100bが「フランジ継手」に相当し、硬質塩化ビニル樹脂製管体211および硬質塩化ビニル樹脂製フランジ221が「樹脂の芯材」に相当し、繊維強化プラスチック層212および繊維強化プラスチック層222が「第2の繊維強化プラスチック層」に相当し、管体600a,600bが「高圧流体を流通させる管体」に相当し、フランジ継手基体200,200a,200bが「フランジ継手基体」に相当する。
本発明の好ましい実施形態は上記の通りであるが、本発明はそれらのみに限定されるものではなく、本発明の趣旨と範囲とから逸脱することのない様々な実施形態が他になされる。さらに、本実施形態において述べられる作用および効果は一例であり、本発明を限定するものではない。
100,100a,100b フランジ継手
200,200a,200b フランジ継手基体
210,210a,210b 円筒部
211 硬質塩化ビニル樹脂製管体(樹脂の芯材)
212 繊維強化プラスチック層(第2の繊維強化プラスチック層)
220 環状フランジ部
221 硬質塩化ビニル樹脂製フランジ(樹脂の芯材)
222 繊維強化プラスチック層(第2の繊維強化プラスチック層)
225 孔
226 接続面
227 非接続面
300 ボルト
320 頭部
400,400a,400b 繊維強化プラスチック層(第1の繊維強化プラスチック層)
600a,600b 管体

Claims (6)

  1. 円筒部と、
    前記円筒部の一方の端部に設けられ、かつ複数の孔が穿設された環状フランジ部と、
    前記複数の孔内に挿入され、前記環状フランジ部の接続面から突出し、かつ非接続面に頭部が位置するように挿入されたボルトと、
    前記環状フランジ部の前記非接続面と、前記ボルトの頭部とを一体的に被覆する第1の繊維強化プラスチック層と、を含む、フランジ継手。
  2. 前記円筒部および前記環状フランジ部が、樹脂の芯材と、前記芯材を被覆する第2の繊維強化プラスチック層とから構成される、請求項1に記載のフランジ継手。
  3. 請求項1または2に記載のフランジ継手と、前記円筒部に内嵌または外嵌された、高圧流体を流通させる管体とを含む、フランジ付管体。
  4. 円筒部と、前記円筒部の一方の端部に設けられ且つ複数の孔が穿設された環状フランジ部と、を含むフランジ継手基体において、前記孔に、前記環状フランジ部の接続面から突出し、かつ非接続面に頭部が位置するようにボルトを挿入し、ボルト付フランジ継手基体を得る工程と、
    前記ボルト付フランジ継手基体において、前記環状フランジ部の前記非接続面と前記ボルトの頭部とを第1の繊維強化プラスチック層で一体的に被覆する工程と、
    を含む、フランジ継手の製造方法。
  5. 前記第1の繊維強化プラスチック層をハンドレイアップ法によって設ける、請求項4に記載のフランジ継手の製造方法。
  6. 前記フランジ継手基体が、熱可塑性樹脂の芯材と、前記熱可塑性樹脂の芯材を被覆する第2の繊維強化プラスチックとから構成される、請求項5に記載のフランジ継手の製造方法。
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