JP3155377B2 - 車両用サスペンション制御装置 - Google Patents

車両用サスペンション制御装置

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JP3155377B2
JP3155377B2 JP30327692A JP30327692A JP3155377B2 JP 3155377 B2 JP3155377 B2 JP 3155377B2 JP 30327692 A JP30327692 A JP 30327692A JP 30327692 A JP30327692 A JP 30327692A JP 3155377 B2 JP3155377 B2 JP 3155377B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両旋回時のローリ
ングを制御する車両用サスペンション制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両用のサスペンションでは、
ショックアブソーバの減衰力や空気ばね室の気体ばね定
数を変更して、乗員等の積載状況や路面状況あるいは走
行状況が如何なる場合でも、乗心地性や操縦安定性が良
好になるよう制御するものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、一般に空気
ばね室はショックアブソーバの上部に設置されるため、
車両の乗心地性を良好にすべくこの空気ばね室を大きな
ものにすると、サスペンションユニットが大型化してし
まう。
【0004】この発明は、上述の事情を考慮してなされ
たものであり、サスペンションユニットの大型化を招く
ことなく車両のロール制御を良好に実施できる車両用サ
スペンション制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明に係る車両用サ
スペンション制御装置は、車両の各車輪に設置されて上
記各車輪を独立に緩衝懸架するサスペンションユニット
と、各サスペンションユニットのショックアブソーバに
設置される減衰力調整機構部と、各サスペンションユニ
ットのショックアブソーバに高圧ガスを封入した高圧ア
キュムレータを連通するとともに、低圧ガスを封入した
低圧アキュムレータを連通/遮断制御して当該サスペン
ションユニットのばね定数を変更可能とするばね定数調
整機構部と、車両前後の上記サスペンションユニットの
ショックアブソーバを連通用制御弁により互いに連通/
遮断可能に接続する連通配管と、車速を検出する車速セ
ンサと、操舵角を検出する操舵角センサと、所定値以上
の横加速度が上記車両に作用する車速と操舵角との関係
を示す基準マップを格納するとともに、上記車速センサ
及び上記操舵角センサから検出信号が入力され、この車
速センサからの車速に対する操舵角センサからの操舵角
を上記基準マップと比較し、上記連通用制御弁を開閉し
て上記連通配管を連通あるいは遮断状態に制御するとと
もに、上記減衰力調整機構部と上記ばね定数調整機構部
を用いて上記サスペンションユニットの減衰力及びばね
定数を変更する制御手段と、を有するものである。
【0006】
【作用】従って、この発明に係る車両用サスペンション
制御装置によれば、車速に対する操舵角が基準マップの
同一車速に対する操舵角より大きい場合に、制御手段
は、車両に所定値以上の横加速度が作用すると予測し
て、サスペンションユニットの減衰力及びばね定数を高
めに設定し、更に連通用制御弁を閉じて連通配管を遮断
状態にして車両前後のサスペンションユニットを独立さ
せる。これらにより、各サスペンションユニットが全体
としてハード側に切換わり、車両旋回時のローリングを
良好に制御できる。
【0007】また、車両前後のサスペンションユニット
が連通配管で接続されているので、連通状態にあっては
各サスペンションユニットを大型化することなくばね定
数を低く(ソフトに)でき、車両の乗心地を良好にでき
る。このため、各サスペンションユニットの大型化を招
くことがない。
【0008】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1は、この発明に係る車両用サスペンション
制御装置の一実施例を示す管路図であり、図2は図1の
サスペンションユニットにおけるショックアブソーバを
示す縦断面図である。
【0009】図1に示すサスペンションユニット1A、
1B、1C、1Dは、車両例えば自動4輪車の4輪にそ
れぞれ設置されて、各車輪を独立に緩衝懸架するもので
ある。サスペンションユニット1A、1Bが左右の前輪
のそれぞれに設置され、サスペンションユニット1C、
1Dが左右の後輪のそれぞれに設置される。各サスペン
ションユニット1A、1B、1C及び1Dは、コイルス
プリング2と、このコイルスプリング内に配設されたシ
ョックアブソーバ3と、このショックアブソーバ3に油
圧配管4を介して接続された高圧アキュムレータ5及び
低圧アキュムレータ6と、低圧アキュムレータ6側の油
圧配管4に互いに並列に配設されたアキュムレータ用制
御弁7及びリリーフ弁8と、ショックアブソーバ3の上
部に設置された減衰力調整用アクチュエータ9と、を有
するものである。尚、図1中の符号10はフィルターを
示す。
【0010】ショックアブソーバ3は、図2に示すよう
に、チューブ11の内部にピストン13が収容され、こ
れにより下部油室A、上部油室Bが区画して形成され
る。更に、チューブ11に進入及び退出するピストンロ
ッド14内にロッド油室Dが形成される。このピストン
ロッド14が車体側に、チューブ11が車軸側にそれぞ
れ連結される。
【0011】これらピストンロッド14及びチューブ1
1に、図1に示す前記コイルスプリング2の上下端部が
固着されて、車輪に作用する衝撃力が吸収される。この
コイルスプリング2の金属ばね定数は常時一定値に設定
される。
【0012】図2に示すショックアブソーバ3のロッド
油室Dは、前記油圧配管4(図1)に連通され、この油
圧配管4を介して高圧アキュムレータ5及び低圧アキュ
ムレータ6の油室15a及び16aに連通される。高圧
アキュムレータ5及び低圧アキュムレータ6は、摺動可
能に収容されたフリーピストン17によって、それぞれ
上記油室15a、16aと気体室15b、16bとに区
画される。この気体室15bに高圧ガスが、気体室16
bに低圧ガスがそれぞれ封入されている。従って、これ
らの高圧ガス3及び低圧ガスにより、サスペンションユ
ニット1A、1B、1C、1Dの気体ばね定数が設定さ
れる。サスペンションユニット1A、1B、1C及び1
Dのばね定数は、この金属ばね定数と上記気体ばね定数
との総和である。
【0013】前記アキュムレータ用制御弁7は常時開、
通電時閉のソレノイドバルブである。このアキュムレー
タ用制御弁7の閉時に、ショックアブソーバ3のロッド
油室Dは、低圧アキュムレータ6の油室16Aとの連通
が遮断され、高圧アキュムレータ5の油室15aのみと
連通されて、サスペンションユニット1A、1B、1
C、1Dの気体ばね定数が高くなり、これらのサスペン
ションユニットのばね定数が高く(ハードに)設定され
る。反対にアキュムレータ用制御弁7の開時には、サス
ペンションユニット1A、1B、1C、1Dの気体ばね
定数が低くなり、これらのサスペンションユニット1
A、1B、1C、1Dのばね定数が低く(ソフトに)設
定される。尚、リリーフ弁8は、油圧配管4内の作動油
圧が所定値以上となったとき低圧アキュムレータと連通
し管系を保護する。
【0014】さて、図2に示すショックアブソーバ3の
ピストン13にはピストンバルブ18が配設され、ピス
トン13がチューブ11の内部を摺動する。ピストンロ
ッド14が進入するショックアブソーバ3の縮み側作動
時に、ピストンバルブ18を経て下部油室Aから上部油
室Bへ作動油が流れ、このときの流路抵抗が縮み側減衰
力を発生させ、同時に、ピストンロッド14の進入体積
に相当する余剰油を、ロッド油室Dを経てアキュムレー
タ5、6へ逃がす。また、ショックアブソーバ3の伸側
作動時には、ピストンバルブ18を経て上部油室Bから
下部油室Aへ作動油が流れ、このときには伸側減衰力が
発生する。
【0015】また、ピストンロッド14の下端部に下部
油室Aと上部油室B間を連通、遮断するロータリバルブ
20が設置される。このロータリバルブ20は、ピスト
ンロッド14のロッド油室D内を貫通したコントロール
ロッド20Aを介して前記減衰力調整用アクチュエータ
9に連結される。この減衰力調整用アクチュエータ9の
作動により、ロータリバルブ20が全開、半開及び全閉
の3段階に切換操作される。ロータリバルブ20の全開
時には、ショックアブソーバ3の伸縮に伴い、下部油室
A及び上部油室B間に作動油がスムーズに流れるので、
ショックアブソーバ3の減衰力が低く(ソフトに)設定
される。また、ロータリバルブ20の全閉時には、ロー
タリバルブ20を介して下部油室A及び上部油室B間に
作動油が流れないので、ショックアブソーバ3の減衰力
が高く(ハードに)設定される。また、ロータリバルブ
20の半開時には、ショックアブソーバ3の減衰力が中
(ミディアム)に設定される。
【0016】図1に示すように、サスペンションユニッ
ト1A及び1Cの油圧配管4は、高圧アキュムレータ5
及びアキュムレータ制御弁7とショックアブソーバ3と
の間において連通配管21により接続され、この連通配
管21に連通制御弁23A及び23Cが配設される。ま
た、サスペンションユニット1B及び1Dの油圧配管4
も、同様に連通配管22により接続され、この連通配管
22に連通用制御弁23B及び23Dが配設される。こ
れらの連通用制御弁23A及び23C並びに23B及び
23Dは常時閉、通電時開のソレノイドバルブである。
サスペンションユニット1A及び1Cは、連通用制御弁
23A及び23Cの閉時には独立して作動し、開時には
両サスペンションユニットの連通配管4が連通状態にな
る。また、サスペンションユニット1B及び1Dは、連
通用制御弁23B及び23Dの閉時には独立して作動
し、開時には両サスペンションユニットの油圧配管4が
連通状態になる。
【0017】サスペンションユニット1A及び1Cの油
圧配管4の連通によって、サスペンションユニット1A
の高圧アキュムレータ5及び低圧アキュムレータ6とサ
スペンションユニット1Cの高圧アキュムレータ5及び
低圧アキュムレータ6とが連通状態になり、サスペンシ
ョンユニット1A及び1Cが、互いに相手方のアキュム
レータ5及び6によってばね定数が低く(ソフトに)な
る。同様に、サスペンションユニット1B及び1Dの油
圧配管4の連通によっても、サスペンションユニット1
B及び1Dのばね定数が低く(ソフトに)なる。
【0018】一方、連通用制御弁23A及び23Cが閉
じてサスペンションユニット1A及び1Cが独立した場
合には、このサスペンションユニット1A及び1Cは、
互いに相手方の高圧アキュムレータ5及び低圧アキュム
レータ6と遮断されるので、その分ばね定数が高く(ハ
ードに)なり、車両前後の荷重差が大きな場合に生ずる
ピッチングを抑制する。同様に、連通用制御弁23B及
び23Dが閉じてサスペンションユニット1B及び1D
が独立した時にも、サスペンションユニット1B及び1
Dのばね定数が高く(ハードに)なって、ピッチングを
抑制する。
【0019】更に、図1に示すように、連通配管21の
連通用制御弁23A及び23C間と、連通配管22の連
通用制御弁23B及び23D間に、作動油給排ユニット
24の給排配管25が接続される。この作動油給排ユニ
ット24は、給油ポンプ26及びドレン弁27を有し、
このドレン弁27は常時閉、通電時開のソレノイドバル
ブである。ドレン弁27の閉時における給油ポンプ26
の作動により、タンク28からの作動油がフィルタ29
を経、チェックバルブ30及び給排配管25を経て連通
配管21及び22へ供給される。これらの連通配管21
及び22に供給された作動油は、連通用制御弁23A、
23B、23C及び23Dの開作動時に、サスペンショ
ンユニット1A、1B、1C及び1Dにおけるショック
アブソーバ3のロッド油室D(図2)へ至り、ロータリ
バルブの開作動時に下部油室Aへ至って、サスペンショ
ンユニット1A、1B、1C及び1Dを伸ばし、車高を
高く設定する。
【0020】また、図1のドレン弁27の開作動時に
は、サスペンションユニット1A、1B、1C及び1D
の下部油室A(図2)内の作動油が、ロータリバルブ2
0、ロッド油室D及び油圧配管4を経、図1に示す連通
配管21及び22からチェックバルブ31を経て、タン
ク28へ排出される。これにより、サスペンションユニ
ット1A、1B、1C及び1Dが縮み、車高が低く設定
される。
【0021】上述のサスペンションユニット1A、1
B、1C及び1Dにおけるアキュムレータ用制御弁7及
び減衰力調整用アクチュエータ9、連通用制御弁23
A、23B、23C及び23D、並びに作動油給排ユニ
ット24の給油ポンプ26及びドレン弁27は、図3に
示す制御手段としての制御回路32によって制御され
る。この制御回路32は、車両の各部所に設置された車
速センサ33、車高センサ34、操舵角センサ35、ブ
レーキスイッチ36、スロットルセンサ37、イグニッ
ションスイッチ38及びドアスイッチ39からの各検出
信号を入力して、上記アキュムレータ用制御弁7及び減
衰力調整用アクチュエータ9、連通用制御弁23A〜2
3D、給油ポンプ26及びドレン弁27を制御する。
【0022】車速センサ33は車速を検出し、制御回路
32は、この車速センサ33にて検出された車速を微分
して加減速度を算出する。また、車高センサ34は、サ
スペンションユニット1A〜1Dにそれぞれ設置され
て、各サスペンションユニット1A〜1Dにおけるショ
ックアブソーバ3の伸縮移動量、つまりサスペンション
ストローク(以下、サスストロークと略称する。)を検
出する。更に、操舵角センサ35は、車両のステアリン
グホイールの回転角を操舵角として検出する。また、ブ
レーキスイッチ36は、ブレーキ作動時(踏込時)にO
N信号を、ブレーキ非作動時にOFF信号をそれぞれ出
力する。
【0023】スロットルセンサ37は、スロットルの開
度を検出するものである。制御回路32は、このスロッ
トルセンサ37からの検出値に基づいてスロットル開速
度を算出する。また、イグニッションスイッチ38は、
ON操作して車両のエンジンが作動したときにON信号
を、OFF操作したときにOFF信号をそれぞれ出力す
る。更に、ドアスイッチ39は、車両のドアが閉じたと
きにON信号を、開いたときにOFF信号をそれぞれ出
力する。
【0024】上記制御回路32は、図4に示すように、
イグニッションスイッチ38にてエンジンが作動し、ド
アスイッチ39にてドアが閉じていると判断したとき
に、車両の前後関連を判定し、後述の前後関連処理を実
施する。その後車両走行中に、制御回路32は、車両が
高速状態にあると判定したときに後述の高速走行処理を
実施し、悪路走行中であると判定したときに後述の悪路
走行処理を実施する。また、車両走行中にロール、ダイ
ブ及びスコートを判定したときには、後述のようにロー
ル、ダイブ及びスクォートの順に姿勢制御処理を実施す
る。更に、制御回路32は、車両走行中で上述の姿勢制
御処理や前述の悪路走行処理を実施していないときに、
車高を最適に調整する後述の車高調整処理を実施する。
尚、この車高調整処理中に上記姿勢制御処理や悪路走行
処理が実施されたときは、車高調整処理を中止し、姿勢
制御処理や悪路走行処理を優先する。
【0025】以下、図5〜図13を用いて、制御回路3
2の上記各々の処理を個別に説明する。
【0026】(1) まず、図5を参照して前後関連処理を
説明する。制御回路32は、イグニッションスイッチ3
8にてエンジンの作動中を判定し、ドアスイッチ39に
てドアが開から閉になったことを判定した後に、車速セ
ンサ33からの信号により車速を判定する。制御回路3
2は、この車速が零のとき、車両が発進直前の状況にあ
ると判断して、車高センサ34からのサスストロークを
用いて車両前後の車高差を判定する。この車高差の判定
は、前輪側の左右のサスペンションユニット1A及び1
Bのサスストロークの平均値と、後輪側の左右のサスペ
ンションユニット1C及び1Dのサスストロークの平均
値との差が、基準値としてのしきい値(例えば30mm)以
上であるか否かによってなされる。
【0027】上記差がしきい値以上であるときとは、例
えば車両の後部座席に3人以上が乗って車両に合計5人
以上が乗ったときであり、このときには車両前後の荷重
配分が悪く、車両走行中にピッチングが生じやすい。従
って、制御回路32は、上記前輪側及び後輪側のサスス
トローク平均値の差がしきい値以上であるときに、連通
用制御弁23A及び23C並びに23B及び23Dを閉
操作して、連通配管21及び22の連通状態を遮断し、
サスペンションユニット1A、1B、1C及び1Dを独
立にする。この結果、各サスペンションユニット1A、
1B、1C及び1Dの高圧アキュムレータ5及び低圧ア
キュムレータ6が相互に独立となり、これらサスペンシ
ョンユニット1A〜1Dのばね定数が高くなって、車両
のピッチングを抑制できる。
【0028】また、上記前輪側及び後輪側のサスストロ
ーク平均値の差がしきい値以下であるときは、制御回路
32は、車両走行中にピッチングが発生しないと判断
し、連通用電磁弁23A及び23Cならびに23B及び
23Dを励磁して開操作し、サスペンションユニット1
A及び1Cの油圧配管4を連通配管21により連通さ
せ、またサスペンションユニット1B及び1Dの油圧配
管4を連通配管22により連通させる。この連通によ
り、サスペンションユニット1A及び1Cは互いに相手
方のアキュムレータ5及び6によってばね定数が低くソ
フトになり、またサスペンションユニット1B及び1D
も同様にしてばね定数が低くソフトになって、各サスペ
ンションユニット1A〜1Dのアキュムレータ5及び6
を大型化させることなく、車両の乗心地を良好にでき
る。
【0029】この前後関連処理は、車速が零でない車両
走行時には実施されず、また、一旦実施された後は、ド
アが開になり次に閉になるまで実施されない。更に、エ
ンジンが停止したときには、制御回路32の制御はキャ
ンセルされ、連通用電磁弁23A〜23Dは閉操作され
て、サスペンションユニット1A及び1Cは非関連とな
り、サスペンションユニット1B及び1Dも非関連とな
る。
【0030】尚、上記前後関連処理において、サスペン
ションユニット1A及び1Bのサスストロークの平均値
と、サスペンションユニット1B及び1Dのサスストロ
ークの平均値とを比較したのは、車両が路肩駐車して、
車両左右のサスペンションユニット1A及び1B、1C
及び1Dにサスストロークの偏りが生ずる場合のあるこ
とを想定したからである。
【0031】(2) 次に、図6を参照して高速走行処理を
説明する。制御回路32は、車両走行中に車速センサ3
3により、車速がしきい値(例えば100km/h )を時間
1 (例えば20秒)以上越えて走行しているときに、高
速走行状態にあると判定して、サスペンションユニット
1A、1B、1C及び1Dのアキュムレータ用制御弁7
を開操作させ、減衰力調整用アクチュエータ9を駆動さ
せてロータリバルブ20(図2)を半開状態に切換え
る。アキュムレータ用制御弁7の開操作により、サスペ
ンションユニット1A〜1Dは、それぞれの気体ばね定
数が低くなり、全体としてそれぞれのばね定数が低くな
って、ソフトになる。また、減衰力調整用アクチュエー
タ9によるロータリバルブ20の半開操作によって、サ
スペンションユニット1A〜1Dにおけるそれぞれのシ
ョックアブソーバ3の減衰力がミディアムに設定され
る。以上の結果、車両に高速走行中に適した乗心地及び
操縦安定性を提供できる。
【0032】その後、車速センサ33にて検出された車
速がしきい値(例えば80km/h)以下の状態で時間T2
(例えば4秒)以上経過したときに、制御回路32は、
保持時間後高速走行処理を中止する。この中止によっ
て、減衰力調整用アクチュエータ9がロータリバルブ2
0を全開に切換操作し、サスペンションユニット1A〜
1Dのショックアブソーバ3における減衰力はソフトに
変わり、またサスペンションユニット1A〜1Dのアキ
ュムレータ制御弁7が開操作維持されて、ソフト状態を
保持する。以上の結果、中低速走行に適した乗心地及び
操縦安定性が車両に提供される。
【0033】上述の高速走行処理において車速がしきい
値以下のときには、制御回路32は車両が中低速走行
中であると判定して、サスペンションユニット1A〜1
Dにおける減衰力及びばね定数をソフトに維持する。
尚、上述の高速走行処理並びに後述の悪路走行処理及び
姿勢制御処理において、制御回路32は、サスペンショ
ンユニット1A〜1Dの減衰力の切換えやばね定数の切
換えを、各サスペンションユニット1A〜1Dのすべて
について同時に実施する。
【0034】(3) 次に、図7を参照して悪路走行処理を
説明する。制御回路32は、図7(A)に示すように、
車速センサ33により検出された車速がしきい値(例え
ば40km/h)以上である場合、前輪側のサスペンションユ
ニット1A及び1Dに設置された車高センサ34からの
サスストロークをそのまま用いて、悪路走行処理を実施
する。このサスストロークは、図7(B)に実線で示さ
れる。制御回路32は、サスペンションユニット1A及
び1Bの車高センサ33にて検出されたサスストローク
をそのまま用い、このサスストロークの高ピークと低ピ
ークのそれぞれの変動幅の差が、所定周期(例えば1周
期 10m秒で3周期)内で、連続してしきい値(例えば30
mm)を越えている場合、悪路走行中であると判定し、サ
スペンションユニット1A〜1Dのそれぞれのアキュム
レータ用制御弁7を開作動させ、サスペンションユニッ
ト1A〜1Dのそれぞれの減衰力調整用アキュムレータ
9を駆動させてロータリバルブ20(図2)を半開状態
に切換える。サスペンションユニット1A〜1Dのそれ
ぞれは、アキュムレータ用制御弁7の開作動によりばね
定数が低くソフトになり、またロータリバルブ20の半
開操作により減衰力がミディアムになって、悪路走行に
適した特性となる。
【0035】上記サスストロークの高ピークと低ピーク
の変動幅の差が上記所定周期連続してしきい値を越えな
い場合には、制御回路32は、車両が悪路走行中にない
と判定し、サスペンションユニット1A〜1Dにおける
アキュムレータ用制御弁7のばね定数をソフトに維持し
つつ、各ショックアブソーバ3のロータリバルブ20を
全開に切換操作して、ショックアブソーバ3の減衰力を
低くソフトにする。こうして、サスペンションユニット
1A〜1Dは、悪路走行時以外の走行に適した特性に設
定される。
【0036】上述の悪路走行時におけるサスペンション
ユニット1A〜1Dの特性の変更は前輪側のサスペンシ
ョンユニット1A及び1Bの車高センサ34にて検出さ
れたサスストロークをそのまま用いて実施されるので、
迅速に制御が実行される。
【0037】また、上記悪路走行処理において、車速が
上記しきい値以下のときには、現実に悪路を走行してい
てもサスペンションユニット1A〜1Dの特性を変更す
る必要がないので、制御回路32は、これらサスペンシ
ョンユニット1A〜1Dのばね定数及び減衰力をソフト
のまま維持する。
【0038】(4) 次に、図8から図10を参照してロー
ル、ダイブ及びスクォートにおける車両の姿勢制御処理
を説明する。この姿勢制御処理は、上述の高速走行中に
も悪路走行中にも実施されて、高速走行中や悪路走行中
の特に操縦安定性を向上させる。
【0039】(4-1) ロール制御 制御回路32には、図8(B)及び(C)に示すよう
に、車速と操舵角との関係を示すONマップ及びOFF
マップが予め格納されている。ONマップは、所定値の
横加速度が車両に作用すると予測される操舵角を車速毎
に設定したものであり、図8(C)の実線で示される。
各車速についてONマップ記載の操舵角以上の操舵角の
領域がON領域である。このON領域の操舵角において
は、上記所定値以上の横加速度が車両に作用し、車両が
ローリングする。
【0040】また、OFFマップは、車両に一定値の横
加速度(上記所定値より小さな横加速度)が作用すると
予測される操舵角を各車両毎に設定したものであり、図
8(C)の実線で示される。このOFFマップは、ON
マップとヒステリシスをもって設定される。各車速につ
いて、OFFマップ記載の操舵角以下の操舵角の領域が
OFF領域であり、このOFF領域内の操舵角において
は、車両に上記一定値以下の横加速度が作用し、車両の
ローリングはロール制御を必要としない程度に低い。
【0041】さて、制御回路32は、車速センサ33に
て検出された車速と操舵角センサ35にて検出された操
舵角とが、上記ON領域にあるか否かをまず判定し、O
N領域にあると判定したときに、車両にローリングが発
生するとして、次の3つの場合についてサスペンション
ユニット1A〜1Dの特性を変更する。この3つの場合
とは、車両が高速走行中でなくかつ悪路走行中でない場
合と、車両が高速走行中である場合と、車両が悪路走行
中である場合とである。
【0042】これらいずれの場合も、サスペンションユ
ニット1Aから1Dの減衰力調整用アクチュエータ9を
駆動させてロータリバルブ20を全閉させ、各サスペン
ションユニット1A〜1Dのショックアブソーバ3の減
衰力をハードに切換える。更に、連通用制御弁23A〜
23Dを閉操作させて、サスペンションユニット1A及
び1Cの連通を遮断し、同時にサスペンションユニット
1B及び1Dの連通も遮断して、各サスペンション1A
〜1Dを独立に作動させる。サスペンションユニット1
A〜1Dのばね定数については、悪路走行中の場合にア
キュムレータ用制御弁7を開作動させて高圧アキュムレ
ータ5及び低圧アキュムレータ6を油圧配管4に連通さ
せ、ばね定数をソフトに維持するが、他の2つの場合に
は、アキュムレータ用制御弁7を閉作動させて、高圧ア
キュムレータ5のみを油圧配管4に連通させ、ばね定数
をハードに設定する。
【0043】以上のロール制御により、上記いずれの場
合にも、操舵角がON領域にあるときには、サスペンシ
ョンユニット1A〜1Dの特性が全体としてハード側に
切換わり、車両旋回時におけるローリングを良好に防止
できる。
【0044】制御回路32は、上記制御を開始し保持時
間経過した後、検出された操舵角を車速毎にOFFマッ
プと比較し、制御の継続あるいは中止を判断する。つま
り、制御回路32は、操舵角がOFF領域外にあるとき
には上記ロール制御を継続し、OFF領域にあるときに
は保持時間経過後上記ロール制御を中止する。
【0045】このロール制御の中止により、サスペンシ
ョンユニット1A〜1Dのショックアブソーバ3の減衰
力は、高速走行中の場合及び悪路走行中の場合にミディ
アムに戻され、高速走行中でなくかつ悪路走行中でない
場合にソフトに戻される。更に、サスペンションユニッ
ト1A〜1Dのばね定数は、上記3つのいずれの場合に
もソフトに戻されるとともに、連通用制御弁23A〜2
4Dも開閉いずれかのもとの作動状態に戻される。
【0046】(4-2) ダイブ制御 制御回路32は、車速センサ33にて検出された車速が
しきい値(例えば30km/h)を越えており、且つ、ブレー
キが踏込まれてブレーキスイッチ36からON信号が出
力されたとき、車両にダイブが発生すると予測して、(4
-1) のロール制御と同様な3つの場合についてサスペン
ションユニット1A〜1Dの特性を変更する。
【0047】つまり、制御回路32は、車両が高速走行
中でなくかつ悪路走行中でもない場合、車両が高速走行
中の場合、車両が悪路走行中の場合のいずれの場合に
も、サスペンションユニット1A〜1Dの減衰力調整用
アクチュエータ9を駆動させてロータリバルブ20を全
閉させ、ショックアブソーバ3の減衰力をハードに切換
える。更に、連通用制御弁23A〜23Dを閉作動させ
てサスペンションユニット1A及び1Cの連続を遮断
し、同時にサスペンションユニット1B及び1Dの連通
も遮断して、各サスペンションユニット1A〜1Dを独
立に作動させる。また、サスペンションユニット1A〜
1Dのばね定数については、悪路走行中の場合にアキュ
ムレータ用制御弁7を開作動させて高圧アキュムレータ
5及び低圧アキュムレータ6を油圧配管4に連通し、ば
ね定数をソフトに維持するが、他の2つの場合には、ア
キュムレータ用制御弁7を閉作動させて高圧アキュムレ
ータ5のみを油圧配管4に連通させ、ばね定数をハード
に設定する。
【0048】制御回路32は、このようにサスペンショ
ンユニット1A〜1Dの特性をハード側に変更してダイ
ブ制御を開始した後、所定時間の間に、車速センサ33
からの車速に基づき算出された車両の減速度としきい値
(例えば 0.3G )とを比較する。つまり、制御回路3
2は、図9(B)に示すように、上記所定時間中の各周
期においてN回(3回)連続してしきい値を越えた場
合に上記ダイブ制御を継続し、越えない場合には、ダイ
ブ制御による車両の揺り返しを防止するために、保持時
間(例えば1秒)後のダイブ制御を中止する。
【0049】ダイブ制御が中止されると、サスペンショ
ンユニット1A〜1Dのショックアブソーバ3の減衰力
は、高速走行中の場合及び悪路走行中の場合にミディア
ムに戻され、高速走行中でなく且つ悪路走行中でもない
場合にソフトに戻される。更に、サスペンションユニッ
ト1A〜1Dのばね定数は上記3つのいずれの場合にも
ソフトに戻されるとともに、連通用制御弁23A〜23
Dも開閉いずれかの元の作動状態に戻される。
【0050】ダイブ制御が継続された場合に、操舵角セ
ンサ35にて検出された操舵角がしきい値(例えば 200
度)を越えている場合には、制御回路32は、保持時間
(例えば3秒)の間上記ダイブ制御を継続させた後、
このダイブ制御を中止する。上記保持時間中ダイブ制
御を継続することにより、急ブレーキ後車両が交差点を
旋回中である場合に、この旋回が完了するまでダイブ制
御が継続され、ローリングが防止される。
【0051】上記ダイブ制御の継続中に、制御回路32
は、再度車速から減速度を算出し、この減速度としきい
値(例えば0.1G)とを比較する。制御回路32は、減
速度がしきい値以上であるときにダイブ制御を継続
し、減速度がしきい値以下である場合に、前記保持時
間経過後ダイブ制御を中止する。
【0052】以上のダイブ制御により、高速走行中の場
合、悪路走行中の場合、及び高速走行中でなく且つ悪路
走行中でもない場合のいずれの場合にも、サスペンショ
ンユニット1A〜1Dの特性が全体としてハードにな
り、急ブレーキ時に前輪側が縮み後輪側が浮き上がるダ
イブを良好に制御できる。
【0053】また、サスペンションユニット1A〜1D
の特性を全体としてハードとしたダイブ制御中に操舵角
が大きくなったとき、保持時間だけダイブ制御を継続
したので、急ブレーキ後のコーナリング時に、コーナリ
ングが完了するまで車両のローリングを抑制することが
できる。
【0054】(4-3) スクォート制御 制御回路32は、車速センサ33にて検出された車速が
しきい値(例えば20km/h)以上であり、スロットルセ
ンサ37にて検出されたスロットル開度がしきい値
(例えば 4/8θth)以上であり、更にスロットル開速度
もしきい値(例えば 30m秒で5/16θ'th )以上であると
きに、車両にスクォートが生じると予測してスクォート
制御を開始する。車速が上記しきい値以下である場合
には、スクォートによる車両の挙動が少ないため、スク
ォート制御を実施しない。また、スロットル開度やスロ
ットル開速度が上記それぞれのしきい値以下である場合
には、空ぶかし時や低加速時であるため、スクォート制
御は必要ない。
【0055】このスクォート制御は、前記ロール制御及
びダイブ制御の場合と同様な3つの場合について、サス
ペンションユニット1A〜1Dの特性を変更する。つま
り、制御回路32は、車両が高速走行中でなく且つ悪路
走行中でもない場合、車両が高速走行中の場合、車両が
悪路走行中の場合のいずれの場合にも、サスペンション
ユニット1A〜1Dの減衰力調整用アクチュエータ9を
駆動させてロータリバルブ20を全閉させ、ショックア
ブソーバ3の減衰力をハードに切換える。更に、連通用
制御弁23A〜23Dを閉作動させて、サスペンション
ユニット1A〜1Dの連通を断ち、同時にサスペンショ
ンユニット1B及び1Dの連通も遮断して、各サスペン
ションユニット1A〜1Dを独立に作動させる。また、
サスペンションユニット1A〜1Dのばね定数について
は、悪路走行中の場合にアキュムレータ用制御弁7を開
作動させて、高圧アキュムレータ5及び低圧アキュムレ
ータ6を油圧配管4に連通し、ばね定数をソフトに維持
するが、他の2つの場合には、アキュムレータ用制御弁
7を閉作動させて高圧アキュムレータ5のみを油圧配管
4に連通させ、ばね定数をハードに設定する。
【0056】制御回路32は、このようにサスペンショ
ンユニット1A〜1Dの特性を変更してスクォート制御
を開始した後、所定時間経過後に、再び車速センサ33
からの車速とスロットルセンサ37からのスロットル開
度を用いて、上記スクォート制御の継続または中止を決
定する。つまり、制御回路32は、上記所定時間経過後
の車速がしきい値(例えば80km/h)以下であるか、ま
たは、上記所定時間経過後のスロットル開度がしきい値
(3/8 θth)以下であるいずれかのときに、保持時間
経過後スクォート制御を中止する。
【0057】保持時間を設定したのは、スロットルの極
端な開閉による車両の挙動を低減するためである。ま
た、上記車速のしきい値は、もはや加速を必要としな
い車速である。更に、スロットル開度のしきい値は、
車両に急加速が発生しない開度である。
【0058】スクォート制御が中止されると、サスペン
ションユニット1A〜1Dのショックアブソーバ3の減
衰力は、高速走行中の場合及び悪路走行中の場合にミデ
ィアムに戻され、高速走行中でもなく悪路走行中でもな
い場合にはソフトに戻される。更に、サスペンションユ
ニット1A〜1Dのばね定数は、上記3つのいずれの場
合にもソフトに戻されるとともに、連通用制御弁23A
から23Dも開閉いずれかの元の作動状態に戻される。
【0059】(5) 最後に、図11から図13を参照して
車高調整処理を説明する。図11に示すように、制御回
路32は、まず、サスペンションユニット1A〜1Dに
設置された車高センサ34からサスストロークを車高デ
ータとして入力し、連続した微小時間毎に上記サススト
ロークの値を例えば7個取り出して平均処理し、この隣
り合った平均データを更に例えば5個取り出して平均処
理し、移動平均車高データを算出する。車高センサ34
から検出されたサスストロークをそのまま車高調整用デ
ータとして使用すると、データの周波数が高過ぎて車高
を判定できないため、上述のように移動平均処理を施す
のである。この移動平均車高データは、図13の実線に
示される。そして、制御回路32は、この移動平均車高
データが監視時間T1 秒(例えば100m秒)以内において
のみ上下しきい値を越えている場合には、このしきい値
を越えた移動平均車高データが突発的衝撃による振動を
示すものとして削除する。
【0060】次に、制御回路32は、移動平均車高デー
タが上記T1 秒(例えば100m秒)以上の間、上しきい値
あるいは下しきい値を越えているか否か判定し、越えて
いない場合には車高が最適であるとして車高調整を実施
しない。また、上下いずれかのしきい値を上記T1 以上
越えている場合には、移動平均車高データが上しきい値
あるいは下しきい値を上記T1 秒越えてから監視時間T
2 秒(例えば10秒)以上上しきい値あるいは下しきい値
を越え続けているときに、車両調整が必要であると判定
し、車高を上昇(UP)あるいは車高を下降(DOW
N)させる。
【0061】つまり、制御回路32は、移動平均車高デ
ータが上しきい値以上であるときに、図1に示すドレン
弁27を開作動させ、連通用制御弁23A〜23Dも開
作動させて、各サスペンションユニット1A〜1Dのシ
ョックアブソーバ3における下部油室A(図2)からの
作動油をタンク28(図1)へ排出させて、ショックア
ブソーバ3を収縮させ、車高を下降(DOWN)させ
る。また、移動平均車高データが下しきい値以下である
ときには、制御回路32は図1の給油ポンプ26を起動
させ、連通用制御弁23A〜23Dを開作動させて、タ
ンク28内の作動油をサスペンションユニット1A〜1
Dのショックアブソーバ3における下部油室A(図2)
内へ導いてショックアブソーバ3を伸長し、車高を上昇
(UP)させる。
【0062】次に、図11に示すように、制御回路32
は、車高処理中の移動平均車高データがT1 秒(100m
秒)以上の間上下しきい値内にあるときに、車高処理を
中止する。制御回路32は、1回の車高調整を行なうた
びに上記監視時間T2 を2秒間延長し、車高調整の頻度
を低減する。監視時間T2 は、最高60秒を越えることは
ない。この時間延長された監視時間T2 は、一旦ドアが
開いてドアスイッチ39からOFF信号が制御回路32
に入力され、あるいはエンジンが停止してイグニッショ
ンスイッチ38からOFF信号が入力されたときにリセ
ットされ、もとの値(10秒)に戻される。
【0063】図12に示すように、制御回路32は、一
旦エンジンが停止してイグニッションスイッチ38から
OFF信号が入力されたとき、内蔵されたタイマーをO
N作動させる。タイマによりカウントされるT3 時間
(例えば60秒;最高 3分)以内にドアが閉まって、ドア
スイッチ39からON信号が入力されたとき、制御回路
32は、上述のように車高調整処理を実施し、T3 時間
以上ドアが閉まらないときに車高調整処理を中止する。
この車高調整処理は、例えば、エンジンを停止してから
3 時間内に人の乗り降りがあった後に実施されるもの
である。
【0064】ところで、この(5) 項で述べた車高調整処
理は、前後関連処理の有無によって制御が異なる。つま
り、連通用制御弁23A〜23Dが開作動して、前後左
側のサスペンションユニット1A及び1Cと、前後右側
のサスペンションユニット1B及び1Dとが連通されて
いるときには、制御回路32は、前輪側のサスペンショ
ンユニット1A及び1Bのサスストロークを車高データ
として使用し、車高の下降(DOWN)を優先させて車
高調整を実施する。
【0065】また、連通用制御弁23A〜23Dが閉作
動して、前後左側のサスペンションユニット1A及び1
C、前後右側のサスペンションユニット1B及び1Dが
ともに非連通状態にあり、各サスペンションユニット1
A〜1Dが独立しているときには、サスペンションユニ
ット1A、1B、1C及び1Dのそれぞれのサスストロ
ークを車高データとして使用し、車高調整処理は前輪側
のサスペンションユニット1A及び1Bを優先し、且つ
車高の下降(DOWN)を優先させる。
【0066】上述のように、この車高調整処理では、サ
スペンションユニット1A〜1Dのサスストロークをそ
のまま用いず、移動平均処理を施して得られた移動平均
車高データを用い、更に、この移動平均車高データがT
1 秒及びT2 秒以上継続してしきい値を越えている場合
にのみ車高を調整したので、突発的衝撃によっては車高
が変動しない。従って、運転者の感覚に適合した車高調
整を実現できる。
【0067】
【発明の効果】以上のように、この発明にかかる車両用
サスペンション制御装置によれば、車両前後のサスペン
ションユニットが連通配管により連通可能に接続された
のでサスペンションユニットの大型化を招くことがな
く、更に車速センサからの車速に対する操舵角センサか
らの操舵角を基準マップと比較して上記連通配管を連通
あるいは遮断状態に制御するとともに、上記サスペンシ
ョンユニットの減衰力及びばね定数を変更したので、車
両旋回時におけるロール制御を良好に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる車両用サスペンション制御装
置の一実施例を示す管路図。
【図2】図1のサスペンションユニットにおけるショッ
クアブソーバを示す縦断面図。
【図3】図1における各機器の制御系を示すブロック
図。
【図4】図3の制御回路が実施する制御の全体を示すフ
ローチャート。
【図5】図3の制御回路が実施する前後関連処理のフロ
ーチャート。
【図6】図3の制御回路が実施する高速走行処理のフロ
ーチャート。
【図7】(A)は図3の制御回路が実施する悪路走行処
理のフローチャートであり、(B)はフロントサススト
ロークとしきい値との関係を示すグラフ。
【図8】(A)は図3の制御回路が実施するロール制御
処理のフローチャートであり、(B)はONマップ及び
OFFマップを示す図表であり、(C)はON領域及び
OFF領域を示すグラフである。
【図9】(A)は図3の制御回路が実施するダイブ制御
処理を示すフローチャートであり、(B)は減速度を示
すグラフである。
【図10】図3の制御回路が実施するスクォート制御処
理を示すフローチャート。
【図11】図3の制御回路が実施する車高調整処理の前
半部分を示すフローチャート。
【図12】図3の制御回路が実施する車高調整処理の後
半部分を示すフローチャート。
【図13】移動平均車高データとしきい値との関係を示
すグラフ。
【符号の説明】
1A、1B、1C、1D サスペンションユニット 3 ショックアブソーバ 5 高圧アキュムレータ 6 低圧アキュムレータ 7 アキュムレータ用制御弁 9 減衰力調整用アクチュエータ 20 ロータリバルブ 21、22 連通配管 23A、23B、23C、23D 連通用制御弁 24 作動油給排ユニット 26 給油ポンプ 27 ドレン弁 32 制御回路 33 車速センサ 34 車高センサ 35 操舵角センサ 36 ブレーキスイッチ 37 スロットルセンサ 38 イグニッションスイッチ 39 ドアスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高草木 利之 埼玉県行田市藤原町1丁目14番1号 株 式会社昭和製作所 埼玉本社工場内 (72)発明者 森 信男 埼玉県行田市藤原町1丁目14番1号 株 式会社昭和製作所 埼玉本社工場内 (72)発明者 城谷 哲也 埼玉県行田市藤原町1丁目14番1号 株 式会社昭和製作所 埼玉本社工場内 (56)参考文献 特開 昭59−156813(JP,A) 実開 昭64−45508(JP,U) 実開 昭58−152406(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60G 17/015 B60G 21/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の各車輪に設置されて上記各車輪を
    独立に緩衝懸架するサスペンションユニットと、各サス
    ペンションユニットのショックアブソーバに設置される
    減衰力調整機構部と、各サスペンションユニットのショ
    ックアブソーバに高圧ガスを封入した高圧アキュムレー
    タを連通するとともに、低圧ガスを封入した低圧アキュ
    ムレータを連通/遮断制御して当該サスペンションユニ
    ットのばね定数を変更可能とするばね定数調整機構部
    と、車両前後の上記サスペンションユニットのショック
    アブソーバを連通用制御弁により互いに連通/遮断可能
    接続する連通配管と、車速を検出する車速センサと、
    操舵角を検出する操舵角センサと、所定値以上の横加速
    度が上記車両に作用する車速と操舵角との関係を示す基
    準マップを格納するとともに、上記車速センサ及び上記
    操舵角センサから検出信号が入力され、この車速センサ
    からの車速に対する操舵角センサからの操舵角を上記基
    準マップと比較し、上記連通用制御弁を開閉して上記連
    通配管を連通あるいは遮断状態に制御するとともに、
    記減衰力調整機構部と上記ばね定数調整機構部を用いて
    上記サスペンションユニットの減衰力及びばね定数を変
    更する制御手段と、を有する車両用サスペンション制御
    装置。
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