JP3155070U - 柵 - Google Patents

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【課題】横梁を支柱に連結固定するボルト用のボルト孔を形成するためのタップ作業などが不要でありながら、支柱を貫通するように横梁が架設された意匠性に富む柵を提供する。【解決手段】所定の間隔をあけて立設した複数の支柱間に横梁を架設する。支柱は、平面視略楕円形状に形成され、縦長の横梁挿通用間隙部が高さ方向に形成されるとともに、この横梁挿通用間隙部を挟んで対向する左右の支柱構成材にボルト挿通孔が形成されている。横梁は、支柱の横梁挿通用間隙部に挿通可能であり、この横梁挿通用間隙部内に挿通され、支柱の側方から挿通された固定ボルトが貫通した状態で支柱と連結固定される筒状体である。しかも、横梁と支柱構成材との間に介設されるように、支柱構成材に形成されたボルト挿通孔に嵌装されるとともに、固定ボルトを挿通可能に形成されたカラーを備える。【選択図】図4

Description

本考案は、道路や橋梁などに設置される柵に関するものである。
従来、高欄や防護柵などを含むこの種の柵は、一般に、路肩に所定の間隔をあけて立設した複数の支柱間に横梁を架設した構成となっている。そして、かかる柵は、その意匠性も重要となるため、例えば支柱について見ても、様々なデザインが直接支柱面に施されたり、あるいは意匠板などを取付けたりしたものがあった(例えば、特許文献1を参照。)。
特開平10−147915号公報
このように、柵においては意匠性も重要な要素となるため、横梁を支柱の外側に取り付けるだけではなく、支柱を貫通するような取付構造も提案されている。そのような中で、より斬新なイメージを創出するために、支柱の高さ方向にスリット状の間隙を形成し、この間隙中に横梁を通した構造が考えられた。
その場合、横梁を間隙内で支柱に固定する必要があるため、通常であればボルトなどで連結固定することが考えられる。しかし、例えば支柱をアルミニウムによる押出成形により製造している場合、支柱形成後に、ボルト孔をあけるだけでなく、タップなどで雌ネジを切る作業が必要となってしまう。
本考案は、上記課題を解決して、ボルト用のボルト孔を形成するためのタップ作業などが不要でありながら、ボルトを用いて、横梁を、支柱を貫通するように当該支柱に連結固定した意匠性に富む柵を提供することを目的とする。
(1)本考案では、所定の間隔をあけて立設した複数の支柱間に横梁を架設した柵であって、前記支柱は、平面視略楕円形状に形成され、縦長の横梁挿通用間隙部が高さ方向に形成されるとともに、この横梁挿通用間隙部を挟んで対向する左右の支柱構成材にボルト挿通孔が形成されており、前記横梁は、前記支柱の横梁挿通用間隙部に挿通可能であり、この横梁挿通用間隙部内に挿通され、前記支柱の側方から挿通された固定ボルトが貫通した状態で前記支柱と連結固定される筒状体であり、しかも、前記横梁と前記支柱構成材との間に介設されるように、前記支柱構成材に形成されたボルト挿通孔に嵌装されるとともに、前記固定ボルトを挿通可能に形成されたカラーを備えた柵とした。
(2)また、上記(1)に記載の柵において、前記カラーは、前記ボルト挿通孔に嵌装される筒状軸部と、前記横梁と当接可能に環状に形成され、前記筒状軸部の一端に連接された頭部とを備え、前記筒状軸部は、分割形成された複数の筒体構成片により形成されており、前記固定ボルトが挿通された時にネジ山が形成されながら、前記筒体構成片が外方へ押し広げられて前記ボルト挿通孔内に圧接されることを特徴とする。
(3)また、上記(2)に記載の柵において、前記カラーの頭部に、当該頭部を厚さ方向に所定幅で切離するための切り込み部が設けられていることを特徴とする。
(4)また、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の柵において、前記横梁は、2本の横梁同士を連結する管状の継手を含み、前記固定ボルトは前記継手を貫通していることを特徴とする。
本考案によれば、横梁を支柱に連結固定するボルトのためにネジを切るタップ作業などが不要となり、支柱を貫通するように横梁が架設された意匠性に富む柵を安価に提供することができる。
実施形態に係る柵の全体を示す説明図である。 同柵における支柱と横梁との連結構造を示す説明図である。 同連結構造を示す分解斜視図である。 同連結構造を示す断面図である。 同連結構造の他の実施例を示す断面図である。 カラーの説明図である。 他の実施形態に係る柵の連結構造を示す断面図である。
以下、本考案に係る柵の一実施形態を図面に基づき説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る柵は、所定の間隔をあけて複数の支柱1を立設し、隣り合う支柱1,1間に、丸パイプ状の横梁2を架設して構成している。本実施形態では、横梁2を3段に架設しているが、この横梁2の数、すなわち段数は3段に限るものではなく、適宜設定することができる。
図2に示すように、支柱1は、平面視略楕円形状に形成されており、広幅面10には、縦長であって、その上下端が弧状に湾曲形成された縦細長円状の横梁挿通用間隙部11が高さ方向に所定長さで形成されており、極めて意匠性に富む外観を呈している。
そして、この横梁挿通用間隙部11を挟んで対向する左右の支柱構成材10a,10aには、横梁2の段数分のボルト挿通孔12がそれぞれ形成されている(図3参照)。また、かかる左右の支柱構成材10a,10aの内側面、すなわち横梁挿通用間隙部11を形成する面には、意匠性をも考慮してテーパを形成している。
また、支柱1は、下端から所定長さにかけて、地中に埋設される埋設部13が形成されており(図1参照)、この埋設部13の広幅面10にも縦長の間隙部14が形成されている。この間隙部14は、地中において土砂などを食い込ませて抜け止め作用を奏するとともに、支柱1の軽量化を図るために有用である。なお、横梁挿通用間隙部11が長円形状であるのに対し、埋設部13の間隙部14は細長矩形形状としている。
横梁2は、支柱1の横梁挿通用間隙部11に挿通可能な丸パイプ状に形成されており、横梁挿通用間隙部11内に挿通され、支柱1の側方から挿通された固定ボルト4が貫通した状態で左右の支柱構成材10a,10a、すなわち支柱1に連結固定されている。なお、固定ボルト4は、支柱1の全幅よりも短く形成されており、支柱1に横梁2を連結固定したときに、ボルト挿通孔12から突出することがないようにしている。
そして、本実施形態に係る柵の特徴的な構成は、上述した横梁2と支柱構成材10aとの間にカラー3を介設した点にある。
かかるカラー3は、合成樹脂材により形成されており、支柱構成材10aに形成されたボルト挿通孔12に嵌装可能とするとともに、横梁2を支柱1に連結固定する固定ボルト4を挿通可能に構成されている。
すなわち、図3及び図4に示すように、カラー3は、ボルト挿通孔12に嵌装される筒状軸部31と、横梁2と当接可能に環状に形成されて筒状軸部31の一端に連接された頭部32とを備えて構成される。
そして、筒状軸部31には、その周面に軸方向に延在する複数のスリット33が形成されており、このスリット33を介して複数の筒体構成片34が分割形成されている。したがって、このカラー3に固定ボルト4が挿通されたときには、固定ボルト4の雄ネジ部分が複数の筒体構成片34に食い込みながら、各筒体構成片34をそれぞれ外方へ押し広げてボルト挿通孔12の内周面に強く押しつける。したがって、カラー3自体がボルト挿通孔12内に強く圧接され、固定ボルト4をしっかりと止め、同時に横梁2を支柱1に連結固定することができる。
このように、合成樹脂材からなるカラー3を用いることにより、ボルト挿通孔12に、固定ボルト4を螺合するための雌ネジを切る必要もなくなり、所謂タップ作業などが不要となるため、支柱1の構成が簡素化されるとともに、製造工程も短縮されるため、コストダウンを図ることができる。
なお、カラー3の寸法としては、本実施形態では、全長を24mm、筒状軸部31の長さを20mm、その軸径を10mm、頭部32の厚みを4mm、その直径を15mmとしている。
ここで、図3及び図4を参照しながら、支柱1と横梁2との連結構造について、より詳細に説明する。
図3において、符号5で示すものは管状の継手であり、本実施形態における横梁2は、2本の横梁2,2同士を連結する当該継手5をも含む概念としている。すなわち、横梁2を支柱1と連結するという場合、横梁2を直接支柱1に連結する場合も、継手5を介して間接的に支柱1に連結する場合も含む。
図3に示すように、本実施形態では、横梁2,2を、継手5を介して支柱1に連結するようにしている。したがって、所定長さに規定される横梁2,2同士の繋ぎ目が、柵の外観上に現れないため美観が向上する。
継手5を用いるために、本実施形態では、横梁2の端部側及び継手5の全体にかけて、それぞれ複数の連結孔6を設けている。そして、継手5の両端に、各横梁2の先端を挿通して連結孔6,6同士をビス7で連結し、継手5の中央部分を固定ボルト4で連結している。
つまり、固定ボルト4は、まず一方の支柱構成材10aに形成されたボルト挿通孔12から挿通され、継手5の中央の連結孔6を貫通する。他方の支柱構成材10aに形成されたボルト挿通孔12には、カラー3が嵌装されており、継手5を貫通した固定ボルト4の先端はカラー3の頭部32から挿通されて筒状軸部31に達し、複数の筒体構成片34に食い込みながらネジ山を形成しさらにこれを押し広げていく(図4参照)。こうして、固定ボルト4が左右のボルト挿通孔12,12の間に介装された状態で、横梁2,2は、支柱1にしっかりと連結固定される。
なお、継手5と横梁2との連結にビス7を使用したが、必ずしも左右の横梁2,2それぞれにビス7を用いずに一方のみに用いてもよいし、ビス7を用いなくてもよい場合もある。
図5は連結構造の他の実施例を示す断面図である。上述してきた例では、固定ボルト4からみて下手側のボルト挿通孔12のみにカラー3を嵌装したが、図示するように、上手側のボルト挿通孔12に他のカラー8を装着することができ、柵としての意匠面からすれば、本例のように2つのカラー3,8を用いることが好ましい。
他のカラー8の軸部81は、固定ボルト4を抵抗なく挿通できるだけの内径を有するものとしておくことが好ましい。また、頭部82の厚みを適宜決定することで、図示するように、カラー3,8によって継手5をその両側からしっかりと支持できるため可及的にガタを少なくすることができる。しかも、2つのカラー3,8を用いることで、横梁2を、支柱1の横梁挿通用間隙部11の中央を通すことができ、柵全体の見栄えを一段と向上させることができる。
ところで、図6に示すように、本実施形態に係るカラー3は、施工現場などにおいても、頭部32の厚みを簡単に変更することができる。
すなわち、図示するように、カラー3の頭部32には、当該頭部32を厚さ方向に所定幅で切離するための切り込み部35が設けられている。本実施形態では、切り込み部35を境にして、頭部32を1mmの厚みだけ残して3mmの厚さで切り離し部36が形成されるようにしている。なお、図6ではカラー3のみを示しているが、他のカラー8についても同様にして頭部82の厚みを変更することが可能である。なお、図6中、符号9で示したものはカッターである。一般的なカッター9により、切り込み部35から簡単に切り離し部36を切離することができる。
また、図6に示したカラー3では、スリット33を水平方向に2つ設け、2つの筒体構成片34,34が形成されるようにしているが、図3〜図5に示すように、スリット33を略十字状に4つ設けて4つの筒体構成片34,34,34,34が形成されるようにするなど、筒体構成片34の数については適宜設定して構わない。
このように、カラー3(8)の頭部32(82)の厚みを変更可能としているため、例えば、継手5を用いることなく、横梁2を直接支柱1に取り付けることもできる。
すなわち、図7に示すように、継手5よりも大径の横梁2を横梁挿通用間隙部11に挿通すると、当該横梁2の外周面と左右の支柱構成材10aの内面との隙間はわずかしかない。そこで、カラー3,8の頭部32,82から切り離し部36を切離してその厚みを薄くすることにより、カラー3,8を利用することが可能となる。
なお、この場合は他のカラー8を使用している例としたが、他のカラー8は必ずしも用いなくても構わない。
また、2つのカラーを用いる場合、他のカラー8に代えてカラー3を使用することもできる。この場合、固定ボルト4の先端は、先ず上手側のカラー3の筒状軸部31の先端から挿通されて行き、複数の筒体構成片34に食い込みながらこれを押し広げつつ進行して行き、継手5や横梁2を貫通して下手側のカラー3の頭部32から筒状軸部31内に進入し、横梁2を支柱1に連結固定することになる。
上述してきた実施形態により、以下の効果が期待できる。
所定の間隔をあけて立設した複数の支柱1,1間に横梁2を架設した柵であって、支柱1は、平面視略楕円形状に形成され、縦長の横梁挿通用間隙部11が高さ方向に形成されるとともに、この横梁挿通用間隙部11を挟んで対向する左右の支柱構成材10a,10aにボルト挿通孔12が形成されており、横梁2は、支柱1の横梁挿通用間隙部11に挿通可能であり、この横梁挿通用間隙部11内に挿通され、支柱1の側方から挿通された固定ボルト4が貫通した状態で支柱1と連結固定される筒状体であり、しかも、横梁2と支柱構成材10aとの間に介設されるように、支柱構成材10aに形成されたボルト挿通孔12に嵌装されるとともに、固定ボルト4を挿通可能に形成されたカラー3を備えた柵としているので、横梁2を支柱1に連結固定するボルトのためにネジを切るタップ作業などが不要となり、支柱1を貫通するように横梁2を架設した意匠性に富む柵を安価に提供することができる。
また、前記カラー3は、ボルト挿通孔12に嵌装される筒状軸部31と、横梁2と当接可能に環状に形成され、筒状軸部31の一端に連接された頭部32とを備え、筒状軸部31は、分割形成された複数の筒体構成片34により形成されており、固定ボルト4が挿通された時に、筒体構成片34の内周壁面にネジ山が形成され、さらに筒体構成片34が外方へ押し広げられてボルト挿通孔12内に圧接されるようにしたため、簡単な構成でありながら確実に固定ボルト4を止めることができるとともに、横梁2を支柱1に連結固定することができる。
また、前記カラー3(8)の頭部32(82)に、当該頭部32(82)を厚さ方向に所定幅で切離するための切り込み部35が設けられているため、柵の施工現場などで、簡単に横梁挿通用間隙部11内における寸法調整などが行える。
また、前記横梁2は、2本の横梁2,2同士を連結する管状の継手5を含み、固定ボルト4は継手5を貫通していることとしたため、所定長さに規定された横梁2の繋ぎ目部分を支柱1の横梁挿通用間隙部11内に位置させることで、繋ぎ目が見えなくなり、美観を向上させることができる。
なお、本発明は、上述してきた実施形態の構成に全て限定されるものではなく、カラー3を含めた各部材の寸法などは適宜設計可能である。
1 支柱
2 横梁
3 カラー
4 固定ボルト
5 継手
8 他のカラー
10a 支柱構成材
11 横梁挿通用間隙部
12 ボルト挿通孔
31 筒状軸部
32 頭部

Claims (4)

  1. 所定の間隔をあけて立設した複数の支柱間に横梁を架設した柵であって、
    前記支柱は、平面視略楕円形状に形成され、縦長の横梁挿通用間隙部が高さ方向に形成されるとともに、この横梁挿通用間隙部を挟んで対向する左右の支柱構成材にボルト挿通孔が形成されており、
    前記横梁は、前記支柱の横梁挿通用間隙部に挿通可能であり、この横梁挿通用間隙部内に挿通され、前記支柱の側方から挿通された固定ボルトが貫通した状態で前記支柱と連結固定される筒状体であり、
    しかも、前記横梁と前記支柱構成材との間に介設されるように、前記支柱構成材に形成されたボルト挿通孔に嵌装されるとともに、前記固定ボルトを挿通可能に形成されたカラーを備えたことを特徴とする柵。
  2. 前記カラーは、
    前記ボルト挿通孔に嵌装される筒状軸部と、前記横梁と当接可能に環状に形成され、前記筒状軸部の一端に連接された頭部とを備え、
    前記筒状軸部は、
    分割形成された複数の筒体構成片により形成されており、前記固定ボルトが挿通された時にネジ山が形成されながら、前記筒体構成片が外方へ押し広げられて前記ボルト挿通孔内に圧接されることを特徴とする請求項1に記載の柵。
  3. 前記カラーの頭部に、当該頭部を厚さ方向に所定幅で切離するための切り込み部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の柵。
  4. 前記横梁は、2本の横梁同士を連結する管状の継手を含み、前記固定ボルトは前記継手を貫通していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の柵。
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