JP3154471B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
半導体装置の製造方法Info
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Description
材料を用い射出成形することにより樹脂封止された半導
体装置を製造する方法に関するものである。
は、エポキシ樹脂封止材料のトランスファ成形が、低コ
スト、高信頼性及び生産性に適した方法として従来より
用いられている。トランスファ成形では、エポキシ樹脂
封止材料をタブレット形状に賦形してから、金型内のポ
ットに投入し、加熱溶融させながらブランジャーで加圧
することにより金型キャビティに移送し、硬化させるの
が一般的である。
樹脂封止材料をタブレット状に賦形することが前提とな
るために、賦形の工程が必要である。成形された半導体
装置の形状・大きさによりタブレット形状は種々異なる
ので、賦形のための金型装置も多く必要である。また成
形毎にタブレットの投入と熱溶融が必要であるため成形
サイクルを一定時間以下に短縮できない等の点で低コス
ト化、大量生産性に限界があり、賦形等の前工程のた
め、封止材料に不純物混入の恐れも多い。更に、トラン
スファ成形においてはポットに投入された封止材料が金
型内を流動しキャビティ内に到達する迄の流路であるラ
ンナー部や、ポット内で残りのカル部が完全に硬化して
しまうため、再利用が不可能であり、必要とする半導体
パッケージ部以外に多量の樹脂廃棄物を生成してしまう
という問題がある。
形材料の成形として、射出成形方式の検討が従来より行
われてきた。射出成形においては、エポキシ樹脂封入材
料は射出成形機内に粉末状又は顆粒状にて供給され、シ
リンダー内で溶融状態を保ったままスクリューにより金
型に射出される。このため、タブレット形状に賦形する
工程が不要で、また連続生産が可能であり、賦形のため
の装置・時間を省略することができる。更に加熱溶融状
態となった成形材料が金型に射出されるために硬化時間
がトランスファ成形に比べ短縮できる等大量生産に適し
た方法である。
形方法として射出成形は実用化されていないのが現状で
ある。その理由としては、従来のエポキシ樹脂封止材料
は70〜110℃に加熱されたシリンダー内での溶融状
態では、封止材料中の樹脂の硬化反応の進行によって粘
度が増大し、5〜10分間で流動性を失う性質を有して
おり、溶融封止材料の熱安定性が著しく低いためであ
る。このため、低圧での射出成形は不可能であり、高圧
での成形を必要とし、その結果半導体素子上のボンデイ
ングワイヤの変形もしくは切断、あるいはダイオード等
では内部素子への加圧による電気性能の低下等、得られ
た半導体パツケージの信頼性を著しく損なう結果となる
と考えられていた。
間中断する場合には、エポキシ樹脂封止材料はシリンダ
ー内で硬化し、再度の射出が不可能となるため、連続生
産にも支障をきたしてしまうという問題点も指摘されて
いた。
トランスファ成形方法でも成形可能であるエポキシ樹脂
封止材料を使用し、射出成形により封止された半導体装
置を製造する方法において、射出圧力を特定の範囲に制
御することにより長時間の連続成形が可能であり、効率
のよい大量生産が可能な封止方法を提供するものであ
る。
素子が接合されワイヤボンディングされたリードフレー
ム、又は半導体素子が接合されたリード線を、射出成形
金型にインサートとして固定し、前記金型にエポキシ樹
脂封止材料を射出成形機により射出充填し、硬化させる
ことにより樹脂封止された半導体装置を製造する方法で
あって、射出成形機の射出圧力を、エポキシ樹脂封止材
料を射出量の80〜95%射出充填した時点で最大圧力
30〜300kg/cm2 とし、続いて20〜100k
g/cm2 にて残りの封止材料を射出充填することを特
徴とする半導体装置の製造方法、である。
止材料は、通常エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、無
機質充填材を必須成分として含有するもので、その形状
は粉末又は顆粒状のものであり、トランスファ成形の場
合のようにタブレットにする必要がない。そして、射出
成形機のシリンダー内での熱安定性の良好なもの、及び
キャビティ内で流動性が特に良好で速やかに硬化するも
のが望ましく、これらの点を考慮すれば、組成的にはエ
ポキシ樹脂はノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノール
型エポキシ樹脂等の溶融粘度の低いエポキシ樹脂で、特
に軟化点が50〜80℃のものが好ましく、硬化剤は、
ノボラック型フェノール樹脂、パラキシリレン変性フェ
ノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂
等のフェノール樹脂が例示されるが、特に軟化点が60
〜120℃で、かつ1核体及び2核体成分の少ないフェ
ノール樹脂が好ましい。硬化促進剤としては、ジアザビ
シクロウンデセン(DBU)系化合物、トリフェニルホ
スフィン等の有機ホスフィン等を使用するが、特に低温
での活性の低い潜伏性の大きなものが好ましい。
出成形機はスクリューインライン式、プランジャ式、ス
クリュープランジャ式など特に限定されないが、温度コ
ントロールの容易さ、溶融の均一化等の点からスクリュ
ーインライン式が好ましい。
を以下のように制御することを特徴とする。即ち、エポ
キシ樹脂封止材料を射出量の80〜95%射出充填した
時点で最大圧力30〜300kg/cm2 とし、続いて
射出圧力20〜100kg/cm2 にて残りの封止材料
を射出充填するものである。この場合、前者の最大圧力
に対する後者の圧力の比率は1/4〜1/2とすること
が好ましい。それぞれの圧力が上記値より高い場合、半
導体素子上のボンディングワイヤの変形や切断、あるい
はダイオード等では内部素子の電気性能の低下等を起こ
す可能性があり、一方、これより低い圧力の場合では、
キャビティ内での充填不良を生じる恐れがある。最大射
出圧力の好ましい範囲は100〜250kg/cm2 で
あり、後者の好ましい圧力は30〜80kg/cm2 で
ある。かかる射出圧力は、通常の熱硬化性樹脂材料の射
出成形の場合に比較して低圧である。射出圧力を低圧に
制御することにより、温度コントロールの容易さと相俟
って低圧での長時間連続運転が可能となる。低圧で成形
することにより、インサートである半導体素子を接合し
ワイヤボンデイングされたリードフレーム、あるいは半
導体素子を接合したリード線への圧力が小さいことから
性能面での信頼性が得られる。また、射出条件が一定に
制御されるので、適切な射出条件の設定によりバリの発
生や充填不良を防止することができる。
はリード線をインサートとして金型に固定した後、型を
閉じた後、封止材料を射出充填するが、充填開始から最
高射出圧力まではほぼ一定の速度で充填される。そのま
ま充填を続けほぼ100%充填される時点で最高圧力と
なるように設定すると、最高圧力の値が小さくとも充填
の最後の時点で圧力が直接成形部に及ぶので、ボンディ
ングワイヤの変形や切断、あるいはダイオード等では内
部素子への加圧による電気性能の低下等を起こす恐れが
ある。上記のように充填が完了する少し前で射出圧力を
低下させ、その後はより低圧で充填することにより、ボ
ンディングワイヤの変性、内部素子への加圧による電気
性能の低下等を防止することができる。
0℃であり、この範囲では温度コントロールが容易であ
るが、溶融粘度、熱安定性の点から70〜90℃が好ま
しい。シリンダー温度が低いと封止材料の溶融粘度は高
くなるが、熱安定性は良好になる。本発明におけるエポ
キシ樹脂封止材料の場合、特に上記の好ましい組成を使
用した場合、溶融粘度が低いので、かなり低い温度に設
定することができる。但し65℃より低くすると温度コ
ントロールが困難となる。一方、110℃より高いと、
溶融粘度が低くなり、正常な射出成形が困難となること
があり、また熱安定性の点においても不十分な場合が多
い。
度は、封止材料の硬化時間等から150〜190℃、好
ましくは165〜185℃である。このような温度で成
形サイクルは150秒以下、好ましい組成の封止材料の
場合80秒以下とすることが可能である。
樹脂封止材料として、オルソクレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂(エポキシ当量200)、フェノールノボラ
ック(水酸基当量103)、ジアザビシクロウンデセン
化合物(硬化促進剤)及び溶融シリカを主成分とし、他
に離型剤、顔料等を配合した材料を使用した。
ューインライン式)を使用し、加熱シリンダーの最ノズ
ル側ゾーンをシリンダー全長の30%ととし温度75℃
に設定し、それ以外の部分は30℃に設定した。更に射
出圧力については、最大圧力を200kg/cm2 、射
出開始後最大圧力に達するまでの時間を20秒、その後
の圧力を50kg/cm2 に設定し、この状態で5秒間
保持した後、ゲートカットピンを作動させてゲートを遮
断することとした。型締めから型開きまでの時間は60
秒、全成形サイクルは80秒とした。金型温度は175
℃に設定した。 金型は20個取りとし、IC素子(16pDIP)を接
合し、金線ボンディングされた10個連続のリードフレ
ーム2本を金型に自動セットし、連続成形した。1時間
毎に樹脂封止された半導体装置について外観、充填性、
ワイヤスイープ、表面硬度を測定した。5時間毎の結果
を表1に示す。
良否をみた。 (2) ワイヤスイープ:成形品に軟X線を照射して、ボン
ディングワイヤ(25μm径:長さ3mmのセミハード
金線)の流れ量を測定した。ボンディング間の距離(5
00μm)に対する最大ワイヤー流れ量の比を%で表し
た。 (3) 表面硬度:型開き直後の成形品の表面硬度をバコー
ル硬度計(#935)で測定した。
成形による場合と同等であり、全く問題がないことを示
している。従って、長時間の連続成形が可能であること
がわかる。
による半導体封止を射出成形により長時間連続して問題
なく実施できる。本発明においては、射出圧力の制御、
特に特定の低い圧力に制御することにより、更に安定し
た連続成形が可能である。低圧成形では、インサートで
ある半導体素子を接合しワイヤボンデイングされたリー
ドフレーム、あるいは半導体素子を接合したリード線へ
の圧力が小さいことから性能面での信頼性が得られる。
また、射出量が一定にコントロールされるので、適切な
射出量の設定によりバリの発生や充填不良を防止するこ
とができる。更に型開き前の金型内のゲートカット方式
の採用によりリードフレームの移送や後加工が容易とな
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 半導体素子が接合されワイヤボンディン
グされたリードフレーム、又は半導体素子が接合された
リード線を、射出成形金型にインサートとして固定し、
前記金型にエポキシ樹脂封止材料を射出成形機により射
出充填し、硬化させることにより樹脂封止された半導体
装置を製造する方法であって、射出成形機の射出圧力
を、エポキシ樹脂封止材料を射出量の80〜95%射出
充填した時点で最大圧力30〜300kg/cm2 と
し、続いて20〜100kg/cm2 にて残りの封止材
料を射出充填することを特徴とする半導体装置の製造方
法。 - 【請求項2】 射出成形時、封止材料を注入後、金型を
開く前にゲート部を遮断する請求項1記載の半導体装置
の製造方法。 - 【請求項3】 射出成形機のシリンダー設定温度が65
〜110℃である請求項1又は2記載の半導体装置の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP31675896A JP3154471B2 (ja) | 1996-01-31 | 1996-11-27 | 半導体装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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JP8-15247 | 1996-01-31 | ||
JP31675896A JP3154471B2 (ja) | 1996-01-31 | 1996-11-27 | 半導体装置の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09270437A JPH09270437A (ja) | 1997-10-14 |
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Family
ID=26351370
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP31675896A Expired - Fee Related JP3154471B2 (ja) | 1996-01-31 | 1996-11-27 | 半導体装置の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3154471B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
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---|---|---|---|---|
JP2002346932A (ja) * | 2001-05-21 | 2002-12-04 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 粒状熱硬化性樹脂製研磨材及びその製造方法 |
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1996
- 1996-11-27 JP JP31675896A patent/JP3154471B2/ja not_active Expired - Fee Related
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